JP3565469B2 - 気相成長用のサセプタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は気相成長用のサセプタに関し、詳しくは半導体ウエハを載置する凹部を、平板表面より所定厚さで突出した凸部上面に形成することにより、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)ウエハ等の2層構造エピタキシャルウエハ形成のように、単結晶シリコン基板等の基体上に化学気相成長により複数層の電気的特性の異なる単結晶膜層を形成するために用いて、特に、多層構造の各膜層間において異なる電気的特性、例えば、SR値(Spreading Resistance:広がり抵抗)の差が徐々に変化するようなダレ現象を生じることなく急峻に変化させることができる気相成長用のサセプタに関する。
【0002】
【従来の技術】
2層構造のエピタキシャル膜を有するIGBTウエハ等の単結晶シリコン基板上に電気的特性の異なる単結晶膜層を複数形成された多層構造ウエハが、単結晶シリコン基板等の基体上に化学気相成長法で成膜して形成されることは従来から知られている。各単結晶膜層の電気的特性の差異、例えばIGBTウエハでは、一般に基板上に形成される第1層目はキャリアの不純物濃度を高くして抵抗値がより低くなるようにすると共に、第1層上に形成される第2層目は不純物濃度を低くして抵抗がより高くなるように形成される。この場合、第1層と第2層との界面近傍における深さ方向に対するSR値が、緩やかに低下することなく急峻に変化するように、即ち、多層構造の各膜層間において異なる電気的特性にダレ現象を生じることなく急激に変化する層構造を有するウエハは、優れた特性を有するデバイスを提供できることが知られている。一方、このSR値等の電気的特性の差が緩やかに変化する、いわゆるダレ現象が生じる場合には、デバイス特性が悪化することも確認されている。従って、IGBTウエハ等の多層構造ウエハが、上記のように層間のSR値等の電気的特性が急峻に変化するように成膜して得られることが要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の化学気相成長法で成膜した多層構造エピタキシャルウエハにおいて、深さ方向に対する電気的特性、例えば2層構造のSR値について測定して得られるプロファイルは、一般に、2層の界面近傍でダレ現象が生じることが観察される。また、このような深さ方向へのSR値のダレ現象が、ウエハの中央部よりも周辺部で大きくなることも観察される。このウエハの中央部と周辺部でSR値のダレ現象の程度が異なることは、ウエハ面内特性が均質でなくバラツいていることであり、結果的にデバイス特性が不均質となるものである。このようなSR値変化にダレ現象が生じる原因の1つとしては、一般に不純物濃度の低い高抵抗値の第2層が、高濃度不純物である低抵抗値の第1層上に形成されるため、第1層形成時にサセプタ上に堆積する高濃度不純物が、第2層形成時に影響することによると考えられている。また、ウエハ中央部より周辺部においてダレ現象が大きいことは、第1層形成時にサセプタ上に高濃度の不純物が堆積し、そのサセプタ上に堆積した不純物が第2層形成時にウエハの周辺部により大きく影響するためと考えられている。
【0004】
上記の第1層形成時の不純物による影響を防止するため、例えば、第1層を形成した後、サセプタを取替えて、または、別の気相成長装置に移して第2層を形成することが行われている。即ち、同一サセプタまたは装置を用いて第1層成膜後に引続き第2層を成膜しないようにして、サセプタに蒸着等した不純物の影響を回避する方法である。また、第1層形成時に堆積した不純物をエッチング除去し、その後、第2層を成膜することもなされている。しかし、上記のサセプタの交換や洗浄、他装置への移動等は、気相成長反応を一旦停止するか、または、切替えて行うものであり、製造工程上操作が繁雑となると同時に生産性も低下し好ましくない。一方、出願人のうちの一人は、先に、上記のようなIGBTウエハのエピタキシャル相成長の問題から、特開平8−203831号公報にて基体上に先ず低抵抗の第1層を成長させた後、不純物を含まないアンドープ層を成長させ、その上に高抵抗の第2層を連続的に気相成長させることにより、第1層と第2層との抵抗値の差が急峻する化学気相成長方法を提案した。
【0005】
上記提案の方法は、操作上の不都合等のプロセス的な面から検討したもので、気相成長を連続して行うことができ製造工程上好ましいものである。一方、本発明は、上記2層の境界面でのSR値変化のダレやその不均質等の不都合を生じさせないための装置的観点からの改良を目的とする。即ち、2層構造のIGBTウエハを始め多層構造のエピタキシャルウエハを化学気相成長させ形成するための装置の部材を改良することにより上記不都合を解消しようとするものである。発明者らは、この目的のため、前記した従来からその影響が問題にされていたサセプタ上の堆積不純物について検討した。その結果、エピタキシャル成長に用いられるサセプタにおいて、平板面に所定の凸部を設けて、その凸部上面にウエハを載置保持する凹部を形成するすることにより、上記のSR値等の電気的特性差のダレ現象やウエハ面内での不均質性を解消できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、カーボン基材表面をSiC膜で被膜してなる気相成長用サセプタであって、平板の表面から突出した1または2以上の凸部を有し、凸部上面に半導体ウエハ載置凹部が形成されてなることを特徴とする気相成長用のサセプタが提供される。本発明の気相成長用のサセプタにおいて、凸部の厚さが平板の厚さの1/7〜2/7であることが好ましい。また、凸部上面の半径が、前記凹部半径より3〜20mm大きく形成されることが好ましい。
【0007】
本発明は上記のように構成され、カーボン基材表面がSiC(炭化珪素)皮膜で被覆された気相成長用のサセプタにおいて、半導体ウエハを載置する凹部を平板面から突出した状態の凸部上面に形成することから、サセプタ下方に配置されるヒータにより加熱されて、平板面の方が凸部上面に比して高温となる。このため第2層成膜への切換え操作時に、第1成膜用ドーパントガスを水素ガスでパージする際に、シリコンウエハ上に成膜された第1層気相成長膜に影響を及ぼすことなく、不純物高濃度の第1成膜時にサセプタの平板表面上に付着した不純物が高温により蒸発飛散除去することができることから、本発明のサセプタ表面の残留不純物濃度が、従来のサセプタに比し著しく低減され、水素ガスによるガスパージ後の第2層成膜処理において、第2層が成膜当初より所定の低濃度ドーパントで形成される。従って、本発明のサセプタを用いて形成した異なる電気的特性を有する多層構造のエピタキシャルウエハは、各層の境界面近傍におけるSR値の勾配が急傾斜となりダレ現象が抑制される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施例に基づき図面を参照にして詳細に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限されるものでない。
図1は本発明の気相成長用のサセプタの一実施例の模式的な平面説明図(A)及びそのB−B線断面の端部説明図(B)である。図1において、気相成長用のサセプタ1は、全体が平板面2を有して円形平板体に形成され、その中心にはベルジャ型等の反応炉にセットする場合のガスノズル用通孔3が貫通形成されている。平板面2上に突出して凸部4が、ほぼ円周に沿って等間隔に配置形成されている。また、凸部4上面には半導体ウエハを載置するザグリ部の凹部5が形成されている。従来のサセプタが、平板面2上面にザグリ部を凹部状に形成していたのと異なる。また、サセプタ1は、従来の気相成長用サセプタと同様に、上記の様な形状のカーボン材等の基材10表面を耐食性に優れるSiC膜11で被覆される。
【0009】
上記のように形成される本発明のサセプタにおいて、その上面に凹部5を形成する凸部4の配設位置は特に制限されず、平板面2の半導体ウエハを載置するザグリ部配設予定位置に適宜配設することができる。通常、従来のサセプタに配設したザグリ部と同様な位置に配設する。このように平板面に厚さが異なる部分を形成することにより、下方のヒータからサセプタが加熱された場合、平板面と平板面に形成された凸部上面では、相対的に高温部と低温部が形成されることになる。本発明のサセプタは、この相対的低温部に被膜処理するウエハを載置することから、異なる条件下での成膜工程への切換え時のガスパージ処理時に、ウエハの載置部分は比較的低温に保持しながら、平板面の温度を相対的に高温とすることができる。従って、次の成膜工程前に、前段の成膜工程で平板面に付着したドーパント成分を高温で蒸発除去することができ、各成膜工程毎に連続する前段または後段の成膜条件の影響を受けることなく各独立的に成膜することができる。この場合、凸部の平板表面からの立ち上がり高さ、即ち凸部厚さ(t)と平板厚さ(T)とは、t=1/7T〜2/7Tの関係となるようにする。凸部厚さが1/7T未満であると、平板面2と凸部4上面との温度差が少ないため、平板面2に付着した不純物の蒸発量が減少し好ましくない。一方、2/7Tを超えた場合は、温度差が大きくなりサセプタにクッラクが生じるおそれがあり好ましくない。平板面の厚さは、使用する気相成長装置の反応炉の高周波発振出力等ヒータ発熱力に応じて適宜選択することが一般的である。例えば、外径640〜900mmφの円盤状サセプタであれば、通常、円盤厚さ約12〜22mmに形成される。
【0010】
本発明の気相成長用のサセプタにおいて、図1では平板面2、凸部4及び凹部5のいずれも円形状として示したが、それらの形状や大きさは特に制限されるものでない。反応炉等の使用条件に合わせて適宜選択することができる。通常、平板面は従来のものと同様の大きさ、形状とする。また、凸部の形状及び大きさは、その上面に半導体ウエハ載置凹部を形成できればよい。通常、凹部が載置するウエハの円形状に合わせて円形に形成されることから、凸部も円形状の上面を有するように形成することが好ましい。この場合、上面が凹部を形成可能な厚さの円形であれば、凸部のサセプタ表面からの立上りは、特に、制限されない。通常、垂直に形成するが、錐台状にテーパを有してもよい。通常、凸部はサセプタ表面に円柱体状に形成する。厚みのある平板体を用いて円柱体状に凸部を残しながら研削して平板面を形成することができ、製造上簡便である。凸部上面は、当然ながらウエハ載置凹部を形成できる広さを有する。同時に、その凸部上面に同心状に凹部を形成したとき、凹部の周縁部に連続する凸部上面の一部、即ち、図1において、凸部4の上面が半径Rの円形で、凹部5が半径rの円形に形成した場合、(R−r=)3〜20mmの幅Xの外周面を有することが好ましい。例えば、直径152mm、深さ0.8mmのウエハ載置円形凹部を形成する場合、同心状で直径172mmの円形上面の凸部を形成し、凹部周縁部外に幅(X)約10mmの外周面を形成する。上記の幅Xが20mmを超えた場合は、残留凸部上面に付着している不純物量が多くなり、気相成長させたウエハの周辺部でSR値のダレ現象が生じるおそれがある。一方、幅Xが3mm未満では残留凸部上面が極めて薄く、高温となる平板面の影響がザグリ部周辺に伝わり、ウエハの中央部と周辺部に温度差が生じ、薄膜の面内が不均一となるおそれがあるためである。半導体ウエハ載置凹部の形成は従来法と同様に行うことができる。
【0011】
上記のように形成される凸部4のサセプタの平板面上での配置は、特に制限されるものでない。図1に示したように各凸部が間隔を有して配置されてもよいし、その場合でも後記の図3に示すように平板面上に2以上の多重環状に配置してもよい。これら凸部の配置の数や方式は、サセプタを用いる気相成長装置や成長条件に合わせて適宜選択することができる。また、各凸部の位置関係も特に制限されない。例えば、図2に他のサセプタの部分的に模式的平面図を示したように、各凸部が間隔を有することなくそれぞれ外周が接する形態(C)で配置されてもよいし、また、各凸部が重なったように連続的に連なった形態(D)に配置されてもよい。特に、図2(D)の連なった形態に形成する場合は、凸部上面に凹部を形成した後の残留凸部上面の面積が減少され、付着不純物量が低減されることから好ましい。
【0012】
本発明の気相成長用のサセプタは、上記のような形態で構成される以外、従来公知の化学気相反応により所定の薄膜を、被処理材である半導体ウエハ上に形成する化学気相成長方法に用いるものである。化学気相成長方法は、既に従来から公知であり、一般に、反応炉内に配設されたサセプタを高周波加熱やランプ加熱により加熱昇温して、その上に載置される半導体ウエハ等の被膜基材を加熱すると同時に、反応炉内に反応ガスを導入して被処理基材上に所定皮膜を成膜する方法である。また、この化学気相成長方法に用いられる気相成長装置も従来から公知であり、反応炉の構造により縦型やバレル型がある。更に、単一工程で処理されるウエハ枚数により、複数のバッチ方式と1枚ずつの枚葉方式に区分されている。各方式により用いるサセプタ形式は多少異なるが、本発明の気相成長用のサセプタは、上記従来公知の化学気相成長方法を行ういずれの方式においても適用することができる。
【0013】
本発明の気相成長用のサセプタは、上記のような形態に形成される以外は、従来と同様に形成することができる。即ち、その基材はカーボン材からなり、表面が炭化珪素(SiC)膜により被覆されたものである。SiC被覆カーボン部材は、従来から半導体製造装置に用いられており、特に制限されるものでなく、従来と同様に形成されたものを用いることができる。また、カーボン基材は、特に、制限されるものでなく、従来公知の黒鉛等を用いることができる。カーボン基材を上記のような本発明のサセプタ形状に形成した後、従来のSiC被覆と同様に処理してその表面にSiC膜を形成して製造することができる。本発明のカーボン材上に形成されるSiC膜の厚さは、特に限定されるものでなく、従来のサセプタと同様に約40〜150μmとすればよい。本発明のサセプタ表面のSiC皮膜の表面粗さ及びウエハを載置する凹部の表面粗さ(Ra)は、共に特に制限されるものでない。例えば、サセプタ平板面をRaで5〜13μmとし、凹部面をRaで0.1〜3μmとすることができる。
【0014】
本発明のサセプタは、上記のように平板表面から突出した凸部上面に半導体ウエハ載置凹部を形成したものである。このサセプタを用いエピタキシャル成長でIGBTウエハ等の電気的特性の異なる複数の膜層を有する多層構造エピタキシャルウエハを形成した場合、例えば、前段の成膜時の高濃度不純物がサセプタ表面に多量に付着しても、凹部が形成される凸部上面に比し平板表面の温度が高くなることから、付着不純物が次段の成膜への切換え工程のパージ工程で蒸発飛散除去され、次段の成膜工程ではサセプタ平板表面の不純物が低減された状態となる。従って、各成膜時に前段のドーパント濃度の影響を受けることが少なくなり、各層が所望の電気的性状で成膜当初より形成することができ、得られる多層構造エピタキシャルウエハの各層の界面近傍での電気的特性の変化が急峻する。例えば、IGBTウエハのエピタキシャル層の深さ方向にSR値のプロファイルをとると2層の界面近傍でSR値が急峻に変化する。また、IGBTウエハ周辺部と中央部とのSR値に差が生じることもない。従って、結果的に均質な優れた特性を有するデバイスを与えるエピタキシャルウエハを得ることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
実施例1〜5及び比較例1
(気相成長用のサセプタの調製)
カーボン材を用いて、平板厚さ(T)が14mm、直径(D)が705mmの円板体で、その平板面2上に厚さ(t)がそれぞれ1、2、3、4、及び5mmで、半径(R)86mmの円柱体の凸部4をほぼ等間隔に10個で形成した。更に、各凸部4上面に、幅(X)が約10mmとなるようにして、同心状で半径(r)76mmの凹部5をそれぞれ形成し、前記図1とほぼ同様の形状のサセプタ基材を形成した。そのカーボン材のサセプタ基材表面に、従来と同様の気相反応室で、反応室内温度を1200℃以上、室内圧を1Torr以下の気相成長条件下でSiC被覆処理し、表面にSiC被膜が形成されたサセプタを得た。得られた各サセプタの凹部を、それぞれ従来法により研磨処理して表面粗さ(Ra)約1〜15μmとした。また、同様のカーボン材の円板体平板面2に凸部を形成することなく、平板面上に半径(r)76mmの凹部を同様に10個形成し、更に、同様に表面をSiC被覆し、凹部を研磨処理した従来と同様のサセプタを得た(比較例1)。
【0016】
(気相成長)
次いで、図3に示した気相成長装置とほぼ同様な装置に、上記のようにして調製した各気相成長用サセプタを用いて、単結晶シリコンウエハ上にエピタキシャル成長で成膜した。図3は、本実施例に用いた縦型化学気相成長装置の斜視説明図である。図3において、化学気相成長装置21は、ベルジャ型反応管22内に、サセプタ1が回転可能に配設されている。また、サセプタ1の中心にはガス吹出口25を有する原料ガス導入ノズル26が立設され、反応管22の下部には排気管27が設けられ、さらにサセプタ1の下側には高周波コイル28が配設されて、サセプタ1上に載置されたウエハ23を所望の温度に加熱することができるようになっている。
【0017】
上記のように構成された縦型化学気相成長装置21に、前記で形成した各サセプタ1を配置し、表面を清浄化した単結晶シリコンウエハ23を、サセプタ1の各凹部5に装着した。その後、高周波コイル28により基板を1080〜1120℃に加熱し、反応管21内にガス吹出口25から、シランガスとしてSiHCl3 、キャリアガスとして水素ガス、ドーパントガスとしてホスフィン(PH3 )を用い、先ず、SiHCl3 を7.5g/分、PH3 ガスを300cc/分の高濃度で導入して低抵抗の第1層の成膜を行った後、引き続いて高濃度のPH3 ガスを水素ガスで10分間置換した。その後、そのまま室温まで降温して、平板面2上に残留した単位体積当たりの不純物P量を測定した。その結果を表1に示した。なお、測定は2次イオン質量分析(SIMS)により、任意の面積で、深さ2.5μmの範囲で行った。
【0018】
【表1】
【0019】
上記実施例及び比較例より明らかなように、凸部を設けない、即ちt=0の従来と同様のサセプタでは、平板面の残留不純物濃度が、凸部を設けた本発明のサセプタに比し、一桁多くなることが分かる。また、凸部の高さtが1mm、即ち、平板厚さ(T)の1/7未満では、tが2mmのサセプタに比して残留不純物濃度が高めとなる。一方、凸部高さtが、平板厚さTの2/7を超えたt=5mmではサセプタにクラックが発生した。これは平板面と凸部での温度差が極めて大きくなったためと推定される。
【0020】
実施例6及び比較例2
前記実施例2及び比較例1で得られたサセプタを用いて、2層構造のエピタキシャルウエハを形成した。即ち、実施例2及び比較例1のサセプタをそれぞれセットした縦型気相成長装置に、上記実施例と同様にシリコンウエハ10枚をそれぞれ装着して、先ず低抵抗の第1層の成膜を行い、高濃度のPH3 ガスを水素ガスで10分間置換した後、引き続いてSiHCl3 を30g/分、PH3 ガスを30cc/分の低濃度で導入して高抵抗の第2層を成膜して2層構造エピタキシャルウエハをそれぞれ得た。得られた2層構造エピタキシャルウエハの中心部と周辺部についてSR値を測定した。その結果の中心部のSR値と深さ方向との関係を図4にそれぞれ示した。
【0021】
図4から明らかなように、本発明の凸部を設けたサセプタを用いて得られたエピタキシャルウエハの深さ方向でのSR値は、第1層と第2層との境界面近傍で緩やかな低下がなく急激に低下することが分かる。また、ウエハ面内での周辺部と中心部においてのSR値の変化はなく、ほぼ均質に2層構造にエピタキシャル成長されていることが明らかであった。一方、従来と同様のサセプタを用いて得られたエピタキシャルウエハの深さ方向でのSR値は、第1層と第2層との境界面近傍で緩やかに低下し第1層と第2層の層間にはっきりした区別がなく、第1層から第2層にかけてSR値が低下してしまう部分(ダレ)が生じていることが分かる。また、深さ方向のSR値は、ウエハの中心部よりも周辺部においてダレがより強く生じていた。
【0022】
【発明の効果】
本発明の気相成長用のサセプタは、平板面上に所定の厚みの凸部を設け、凸部上面に半導体ウエハを載置するザグリ部の凹部を形成したものである。このため多層にエピタキシャル成膜する場合に、各成膜切換え工程でのガスパージの際に、平板面温度が被膜処理される半導体ウエハが載置されている凸部上面に比し、相対的に高温とすることができることから平板面に付着したドーパント成分を容易に蒸発飛散除去できる。従って、各成膜時に前段の処理ガス中のドーパント濃度の影響を受けることなく、当初から所定の電気的特性を有するエピタキシャル皮膜を形成でき、例えば、2層構造のIGBTウエハで、エピタキシャル成長した第1層と第2層の間で急変する抵抗差を形成でき、ウエハの深さ方向のSR値のプロファイルにおいてダレが生じることがない。また、ウエハの中心部と周辺部での特性の差異も減少し、これらのウエハを用いたデバイスは、均質で優れた特性を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気相成長用のサセプタの一実施例の模式的平面説明図(A)及びそのB−B線断面の端部説明図(B)
【図2】本発明の気相成長用のサセプタの他の実施例の模式的平面説明図
【図3】本発明の実施例に用いたベルジャ型化学気相成長装置の斜視説明図
【図4】本発明の実施例及び比較例で得られた2層構造エピタキシャルウエハの深さ方向に対するSR値を示すプロファイル
【符号の説明】
1 サセプタ
2 平板面
3 ガスノズル用通孔
4 凸部
5 凹部
10 カーボン基材
11 SiC膜
21 縦型気相成長装置
22 ベルジャ型反応管
23 単結晶シリコンウエハ
25 ガス吹出口
26 原料ガス導入ノズル
27 排気管
28 高周波コイル
Claims (3)
- カーボン基材表面をSiC膜で被膜してなる気相成長用サセプタであって、平板の表面から突出した1または2以上の凸部を有し、凸部上面に半導体ウエハ載置凹部が形成されてなることを特徴とする気相成長用のサセプタ。
- 前記凸部の厚さが、前記平板厚さの1/7〜2/7である請求項1記載の気相成長用のサセプタ。
- 前記凸部上面の半径が、前記凹部半径より3〜20mm大きく形成される請求項1または2記載の気相成長用のサセプタ。
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