JP2006186224A - 基板の支持方法および該方法に用いられる支持体 - Google Patents

基板の支持方法および該方法に用いられる支持体 Download PDF

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Abstract

【課題】基板などを支持体に固定化する際の貼り合わせ容易性、貼り合わせ精度および支持体剥離時の剥離容易性などを改善することができる基板の支持方法および該方法に用いられる支持体を提供する。
【解決手段】基板1を支持するために用いられ、表層部に微細なパターン構造3が形成されており、かつ、裏面から基板支持面までの厚みの面内バラツキが5μm以下である。また、基板1を支持するための固定化剤4が、表層部に均等に充填されている。さらに、支持体2表面の面積が基板1よりも大きく、かつ、支持体2外周部が基板1の厚みより高い形状であり、支持体2に基板1を填め込むんで固定化させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、取り扱いの困難な薄いウエハーや金属箔などの基板を、容易にハンドリングするための支持体への固定化方法および該方法に用いられる支持体に関する。
半導体チップの高機能化および大容量化などの要求に応えるべく、複数の半導体チップを積層して実装する技術が開発され、実用に供されている。このような技術としては、たとえば、複数のメモリチップを積層する技術が挙げられ、これにより全体として記憶容量を増大させることができる。このように複数の半導体チップを積層させるための技術としては、たとえば、特開2001−53218号公報(特許文献1)に記載のように、ウエハー内部に貫通ビア構造を形成してチップ間の配線を行う方法や、ウエハー周辺部の電極パッドから金ワイヤーで配線を取り出して積層する方法が提案されている。
最近では、メモリの大容量化、小型化および機能の集積化が急速に進展し、ウエハーの積層数も増しており、10層の積層も間近に成りつつある。そして、ウエハーの薄肉化もこれに呼応して進展し、300mmφウエハーにおいては100μm未満の厚みが要求されてきている。
ウエハーの薄肉化は、まずウエハー表面をバックグラインドテープで保護および支持して研削・研磨が行われた後、ダイシングテープに貼り替えて、ウエハーを小片化する一連の工程で実施されている。
しかしながら、ウエハーサイズの増大とさらなる薄肉化により、テープ素材による保持ではテープがウエハーの反り応力に勝てずに支持体ごと反ってしまい、搬送ができなくなるトラブルが生じることがある。そのため、硬質支持体への保持が望まれており、かつ、剥離容易性も重要度を増している。
硬質支持体への保持は、化合物半導体分野においてしばしば行われており、たとえば、特開平7−224270号公報(特許文献2)にはHLB値が7〜13のポリグリセリン類を有効成分とするワックスを用いた支持方法が開示され、特開平9−157628号公報(特許文献3)には、酸価が100以上のロジン樹脂、ロジン樹脂の誘導体、ロジン樹脂の変成物、スチレン・アクリル共重合体の1種または2種以上を含むワックスが開示されている。
しかしながら、このような従来のワックスは、耐熱性が低いため、ウエハーの研削処理におけるプロセス温度では接着強度が保てないこと、ウエハー/支持体の貼り合わせ精度が悪いため、研削厚みの面内バラツキ精度が充分でないこと、薄く研削された半導体ウエハーまたは半導体素子を支持体から剥離する際に剥離性が悪く、ウエハーが破損しやすいこと、さらに接着面に気泡などが残るとウエハーの裏面に凹凸が生じ、この状態で研削処理するとウエハーが破損しやすいことなどの問題点があった。
また、MEMS分野ではウエハーを構造物として形状加工することがしばしば行われており、加工には湿式食刻による加工が安価であることから多用されている。加工形状はホールパターンやライン状など様々であり、ウエハーの表裏両面に形成される場合もある。加工を終えたウエハーの表を支持体に固定して裏を加工するなど、支持体への持ち替えもしばしば行われている。そのため、表面に突起や段差などがある基板であっても、支持体表面に対して水平に固定化することができる保持方法の開発も望まれている。
特開2001−53218号公報 特開平7−224270号公報 特開平9−157628号公報
本発明の課題は、基板などを支持体に固定化する際の貼り合わせ容易性、貼り合わせ精度および支持体剥離時の剥離容易性などを改善することができる基板の支持方法および該方法に用いられる支持体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した。その結果、表層部に微細なパターン構造が形成された支持体に固定化剤を均等に充填して、該支持体と基板とを真空中で加熱圧着して接着することで、支持体裏面から基板側の接着面までの厚みの面内均一性が確保された良好な貼り合わせができることを見出した。
すなわち、本発明に係る支持体は、基板を支持するために用いられ、表層部に微細なパターン構造が形成されており、かつ、裏面から基板支持面までの厚みの支持体面内におけるバラツキが5μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の支持体は、基板を支持するための固定化剤が、表層部に均等に充填されていることが好ましい。
上記固定化剤は、溶融温度50〜300℃の結晶性化合物を主成分とし、かつ、該固定化剤の溶融温度幅が30℃以下であることが好ましい。また、上記結晶性化合物は、C、H、Oの元素のみで構成され、かつ、分子量が1000以下の有機化合物、好ましくは脂肪族化合物または脂環式化合物であることが望ましい。
本発明に係る基板の支持方法は、上記固定化剤が表層部に均等に充填された支持体と基板とを真空中で加熱圧着することにより、基板を支持体に固定化して保持させることを特徴とする。このとき、上記支持体としては、支持体表面の面積が基板よりも大きく、かつ、支持体外周部が基板の厚みより高い形状であり、支持体に基板を填め込んで固定化させる構造であることが好ましい。
本発明の支持体を用いることにより、基板を面内均一に貼り合わせることができる。特に、表面に突起や段差のある基板であっても、支持体表面に対し水平に固定化することができるという優れた効果を奏する。さらに、このようにして貼り合わせた基板は、支持体上に設けた構造物を介して放熱性に優れるという特性も有するため、半導体用ウエハーの薄肉化、その後のエッチングや成膜加工、ならびに、金属箔の加工した薄型配線板作成などに応用が可能である。
また、特定の固定化剤を用いることにより、加工後の基板を支持体から剥離する際の剥離容易性を大幅に改善することができる。
さらに、支持体の形状を、基板を填め込んで固定化するような形状、すなわち、支持体が基板よりも大きく、かつ、支持体外周部を基板の厚みより高い形状にすることで、加圧貼り合せ時の固定化剤のはみ出しや、基板との固定に供されない固定化剤の基板表面および支持体裏面への回り込みによって生じていた装置や基板の汚染を防ぐことができる。
以下、本発明に係る支持体および該支持体を用いた基板の支持方法について詳細に説明する。
本発明に係る支持体は、表層部に微細なパターン構造が形成されており、該支持体表層部に特定の固定化剤を均等に充填して基板を貼り合わせることにより、良好に基板を固定化することができる。
<固定化剤>
本発明で用いられる固定化剤は、組成物に凝集力を付与するために結晶性化合物を主成分として含有し、該結晶性化合物の溶融温度は50〜300℃、好ましくは55〜250℃、より好ましくは100〜230℃であることを特徴とする。ここで、溶融温度とは、示差走査熱量分析装置(DSC)で昇温速度5℃/minの条件で測定したメインの溶融ピーク曲線におけるピーク温度をいう。結晶性化合物の溶融温度が上記範囲にあることにより、接着時の耐熱温度を向上させることができる。
上記結晶性化合物は、分子量が1000以下、好ましくは150〜800、より好ましくは200〜600であることが望ましい。結晶性化合物の分子量が上記範囲を超えると、結晶性化合物の溶剤への溶解性が低くなるため、溶剤による剥離・洗浄が不十分となることがある。
また、上記結晶性化合物は、たとえば半導体ウエハー上に形成される配線および絶縁膜に対してダメージを与えず、汚染源ともならず、溶融時に接着剤が変性しないなどの観点から、カルボン酸基やアミノ基などの活性な官能基を有しない中性化合物であること、ならびに、媒質中に拡散して絶縁性に悪影響を及ぼすアルカリ金属等(例えば、Na、K、Ca、Fe、Cu、Ni、Cr、Al等)の金属含有量の合計が100ppm以下、好ましくは10ppm以下となるまでメタルフリー化処理したものであることが望ましい。なお、金属酸化物など安定な形態で含有するものはこの限りではない。
このような結晶性化合物としては、1,3,5−トリニトロベンゼン、2,3,6-トリニトロフェノール、2,4,5-トリニトロトルエン等のニトロ化合物なども挙げることができるが、取扱上の安全性が高く、溶融時の耐熱性に優れ、着色が少ないなどの観点から、N元素を含まないC,H,Oの元素のみからなる有機化合物が好ましい。具体的には、以下に例示するような芳香族化合物、脂肪族化合物および脂環式化合物などが挙げられる。
上記芳香族化合物としては、たとえば、9H-キサンテン、ベンゾフラン-3(2H)-オン、1,5-ジフェニル-2,4-ペンタジエン-1-オン、ジ-2-ナフチルエーテル、cis-1,8-テルピン、2,3-ジメチルナフタレン、1,2-ナフタレンジオール、ジ-1-ナフチルメタン、ビフェニル-2,2'-ジオール、ジ-1-ナフチルエーテル、ビス(ジフェニルメチル)エーテル、9,10-ジヒドロアントラセン、2,3,5,6-テトラメチル-p-ベンゾキノン、2,6-ジメチルナフタレン、シリンガアルデヒド、バニリルアルコール、1,3-ジフェニルイソベンゾフラン、2,3'-ジヒドロキシベンゾフェノン、イソヒドロベンゾイン、4,4'-ジメチルビフェニル、1,3-ナフタレンジオール、4-フェナントロール、3,3-ジフェニルフタリド、ペンタメチルフェノール、ヘキサエチルベンゼン、3,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンゾフェノン、4,5,9,10-テトラヒドロピレン、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、ヘマトキシリン、2-イソプロピル-5-メチルヒドロキノン、1,9-ジフェニル-1,3,6,8-ノナテトラエン-5-オン、9-フェニルフルオレン、1,4,5-ナフタレントリオール、1-アントロール、1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、ガルビノキシル、ピレン、9-フェニルアントラセン、トリフェニルメタノール、1,1'-ビナフチル、m-キシレン-2,4,6-トリオール、4,4'-メチレンジフェノール、ヘキサメチルベンゼン、ジベンゾ-18-クラウン-6、ジフェノキノン、ビフェニル-4-オール、1H-フェナレン、10-ヒドロキシアントロン、フラボノール、ベンゾアントロン、9H-キサンテン-9-オン、テトラフェニルフラン、2-メチルアントラキノン、4-ヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、1,7-ナフタレンジオール、2,5-ジエトキシ-p-ベンゾキノン、クルクミン、2,2'-ビナフチル、1,8-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ナフタレンジオール、1-ヒドロキシアントラキノン、3,4-ジヒドロキシアントロン、o-テルフェニル、m-テルフェニル、p-テルフェニル、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、アントラセン、2,4,6-トリヒドロキシアセトフェノン、1,8-アントラセンジオール、テトラフェニルエチレン、1,7-ジヒドロキシ-9-キサンテノン、2,7-ジメチルアントラセン、エピカテキン、ナリンゲニン、2-アントロール、1,5-ナフタレンジオール、ベンジリデンフタリド、2-フェニルナフタレン、cis-デカヒドロ-2-ナフトール(cisoid)、(2R,3R)-2,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、trans-1,2-ジベンゾイルエチレン、trans-1,4-ジフェニル-2-ブテン-1,4-ジオン、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート、フルオランテン、ビフェニレン、イソバニリン、フルオレン、9-アントロール、p-フェニレンジアセタート、trans-スチルベン、ビフェニル-3,3'-ジオール、2,5-ジヒドロキシベンゾフェノン、ピノールヒドラート、ベンゾイン、ヒドロベンゾイン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、1,8-ナフタレンジオール、1,2-ナフトキノン、2,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、1-フェナントロール、アントロン、9-フルオレノール、トリフェニルホスフィンオキシド、ベンゾ[a]アントラセン、1,2-アントラセンジオール、2,3-ナフタレンジオール、2,4,6-トリヒドロキシベンゾフェノン、ジ-2-ナフチルケトン、3,3'-ジヒドロキシベンゾフェノン、アルブチン、1,2,3,5-ベンゼンテトラオール、ジフェニルキノメタン、2-フェナントロール、2,3,4-トリヒドロキシアセトフェノン、カプサンチン、1,3,5-トリフェニルベンゼン、3,4,5-トリヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾ[a]ピレン、トリフェニルメチルペルオキシド、ヘキセストロール、1,1,2,2-テトラフェニル-1,2-エタンジオール、1,8-ジヒドロキシ-3-メチルアントラキノン、ショウノウキノン、2,2',5,6'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、エスクリン、3,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,5-トリヒドロキシアセトフェノン、9,10-フェナントレンキノン、1,1,2,2-テトラフェニルエタン、ルチン、(-)-ヘスペレチン、2,3',4,4',6-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、7-ヒドロキシクマリン、dl-ヘスペレチン、ニンヒドリン、トリプチセン、フルオレシン、クリセン、ジエチルスチルベストロール、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ペンタセン、1,6-ジヒドロキシアントラキノン、3,4',5,7-テトラヒドロキシフラボン、2,6-アントラセンジオール、ゲニステインなどが挙げられる。
上記脂肪族化合物としては、たとえば、リビトール、D-アラビトール、フリル、γ-カロテン、β-カロテン、カンタリジン、ペンタエリトリトール、trans,trans-1,4-ジアセトキシブタジエン、D-グルシトール、D-マンニトール、イドース、デカナール、α-カロテン、2,4,6-トリメチルフロログルシノール、ガラクチトール、エキリン、エキレニン、trans-1,2-シクロベンタンジオール、マノオール、1-ヘプタデカノール、1-オクタデカノール、1-イコサノール、ジヒドロキシアセトン、γ-テルピネオール、1-ヘキサコサノール、1-ヘントリアコンタノール、ステアロンなどが挙げられる。
上記脂環式化合物としては、たとえば、コプロスタノール、チモステロール、エルゴカルシフェロール、β-シトステロール、ラノステロール、11-デオキシコルチコステロン、コレスタノール、コレステロール、テストステロン、エルゴステロール、スチグマステロール、エストラジオール、コルチコステロン、エピコレスタノール、アンドロステロン、17α-ヒドロキシ-11-デオキシコルチコステロン、ギトキシゲニン、エピコプロスタノール、カルシフェロール、プロゲステロン、デヒドロエピアンドロステロン、7-デヒドロコレステロール、アグノステロール、11-デヒドロコルチコステロン、プレドニソロン、ジギトキシゲニン、エストロン、β-エストラジオール、コルチソン、D-フルクトース(α形)、D-リキソース(α形)、D-リキソース(β形)、イソマルトース、D-タロース(β形)、D-タロース(α形)、D-アロース(β形)、D-マンノース(β形)、D-マンノース(α形)、D-キシロース(α形)D-ガラクトース(β形)、L-フコース(α形)、D-グルコース(α形)、2-デオキシ-D-グルコース、マルトトリオース、D-altro-ヘプツロース、L-アラビノース(ピラノースα形)、D-アラビノース、カフェストール、L-アラビノース(ピラノースβ形)、D-ガラクトース(α形)、リコペン、アウクビン、スクロース、フリーデリン、cis-1,3,5-シクロヘキサントリオール、D-イノシトール、ルテイン、ジオスゲニン、チゴゲニン、ゼアキサンチン、myo-イノシトール、セロビオース、ジベレリンA3、ヘマテイン、ベツリン、D-フルクトース(β形)、D-アルトロース(β形)、ジベンゾ-24-クラウン-8、メチル-D-グルコピラノシド(β形)、D-ジギタロース、サリノマイシン、メチル-D-ガラクトピラノシド(α形)、α,α-トレハロース、ビキシン(全trans形)、パラチノース、trans-1,4-テルピン、D-キノボース(α形)、D-glycero-D-galacto-ヘプトース、D-フコース(α形)、D-グルコース(β形)、D-manno-ヘプツロース、D-glycero-D-gluco-ヘプトース、ソホロース、サルササポゲニン、L-ソルボース、D-altro-3-ヘプツロース、ツイスタン、(+)-ボルネオール、イノシトール、(-)-イソボルネオール、L-アラビノース(フラノース形)、L-ガラクトース(α形)、α-サントニン、メチル-D-ガラクトピラノシド(β形)、シクロペンタデカノン、δ-バレロラクトン、cis-2-メチルシクロヘキサノール、下記化学式(1)〜(8)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2006186224
上記化合物の中では、熱安定性の観点から、コレステロール、コプロスタノール、チモステロール、エルゴカルシフェロール、β-シトステロール、ラノステロール、11-デオキシコルチコステロン、コレスタノール、テストステロン、エルゴステロール、スチグマステロール、エストラジオール、コルチコステロン、エピコレスタノール、アンドロステロン、17α-ヒドロキシ-11-デオキシコルチコステロン、ギトキシゲニン、エピコプロスタノール、カルシフェロール、プロゲステロン、デヒドロエピアンドロステロン、7-デヒドロコレステロール、アグノステロール、11-デヒドロコルチコステロン、プレドニソロン、ジギトキシゲニン、エストロン、β-エストラジオール、コルチソンおよび上記化学式(1)〜(8)で表される化合物などのステロイド骨格を有する化合物;trans‐1,2-シクロベンタンジオール、マノオール、1-ヘプタデカノール、1-オクタデカノール、1-イコサノール、γ-テルピネオール、1-ヘキサコサノール、1-ヘントリアコンタノールなどの水酸基含有化合物;これらの誘導体;およびo-テルフェニル、m-テルフェニル、p-テルフェニル、ビフェニルが特に好ましい。なお、エステル誘導体は、融点が低く、熱分解したときに酸性となって接着面を浸食する可能性があるなどの理由から好ましくない。
上記結晶性化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、上記結晶性化合物は、固定化剤中における含有量が70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上となるように用いられる。含有量が上記範囲よりも低いと、溶融温度がシャープにならず、また溶融粘度も高くなることがある。
上記のような結晶性化合物を主成分として含む固定化剤は、溶融温度幅が1〜30℃、好ましくは1〜20℃、特に好ましくは1〜10℃であり、溶融温度における溶融粘度が0.0001〜0.1Pa・s、好ましくは0.001〜0.05Pa・s、特に好ましくは0.001〜0.01Pa・sである。ここで、溶融温度幅とは、示差走査熱量分析装置(DSC)を用いて5℃/minの昇温速度で測定したメインの溶融ピーク曲線における始点の温度と終点の温度との差をいう。溶融温度幅および溶融粘度が上記範囲にあることにより、基板を支持体から剥離する際に加える外力を小さくすることができ、剥離容易性が向上する。
固定化剤の溶融温度幅および溶融粘度は、上記結晶性化合物の溶融温度幅および溶融粘度に強く依存することから、溶融温度幅が狭く、溶融粘度が低い結晶性化合物を用いることが望ましい。すなわち、主成分である結晶性化合物としては、溶融温度が50〜300℃、溶融温度幅が1〜30℃、溶融温度における溶融粘度が0.0001〜0.1Pa・sのものが好ましい。
また、結晶性化合物の溶融温度幅を狭くし、溶融粘度を低減し、さらに遊離金属イオン量を低減するために、結晶性化合物の精製を行うことが好ましい。結晶性化合物の精製方法としては、たとえば、
(a)結晶性化合物を溶剤に溶解し、溶剤を徐々に留去して再結晶化させることで純度を高める方法、および
(b)結晶性化合物を溶剤に溶解し、その溶液をイオン交換樹脂に接触させて遊離金属を除去することで金属含有量を減らす方法などが挙げられる。
本発明で用いられる固定化剤には、基材への濡れ性や接着性を調整するために、あるいは、固定化剤の溶融粘度の調整を改善するために、必要に応じて非イオン系界面活性剤などの表面張力調節剤や離形剤を、目的とする機能を損なわない範囲で添加することができる。
添加することのできる非イオン系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基などのフッ化アルキル基を有するフッ素系界面活性剤や、オキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤などを挙げることができ、離形剤としてはシリコーン離形剤の他、微粒二酸化珪素、タルクなどの微粉体を用いることができる。
上記フッ素系界面活性剤としては、たとえば、C919CONHC1225、C817SO2NH−(C24O)6H、「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」(新秋田化成(株)製)、「メガファックF171」、「同F173」(大日本インキ(株)製)、「アサヒガードAG710」(旭硝子(株)製)、「フロラードFC−170C」、「同FC430」、「同FC431」(住友スリーエム(株)製)、「サーフロンS−382」、「同SC101」、「同SC102」、「同SC103」、「同SC104」、「同SC105」、「同SC106」(旭硝子(株)製)、「BM−1000」、「同1100」(B.M−Chemie社製)、「Schsego−Fluor」(Schwegmann社製)、「FS1265」(東レダウコーニングシリコーン(株)製)などを挙げることができる。
上記ポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどを挙げることができる。具体的には「エマルゲン105」、「同430」、「同810」、「同920」、「レオドールSP−40S」、「同TW−L120」、「エマノール3199」、「同4110」、「エキセルP−40S」、「ブリッジ30」、「同52」、「同72」、「同92」、「アラッセル20」、「エマゾール320」、「ツィーン20」、「同60」、「マージ45」(以上、(株)花王製)、「ノニボール55」(三洋化成(株)製)、「SH−28PA」、「同−190」、「同−193」、「SZ−6032」、「SF−8428」(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などを挙げることができる。
上記以外の非イオン系界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体などが挙げられる。具体的には「ケミスタット2500」(三洋化成工業(株)製)、「SN−EX9228」(サンノプコ(株)製)、「ノナール530」(東邦化学工業(株)製)などを挙げることができる。
また、溶融温度が150℃を越える高温の組成物では、「ジメチルシリコーンオイルKF965」(信越化学製),「SH200」(東レ・ダウシリコーン製)、「メチルフェニルシリコーンオイルKF54,KF50」(信越化学製)などの低揮発で耐熱性に優れたシリコーンオイルなども好適に用いることができる。
上記表面張力調整剤は、上記結晶性化合物100重量部に対して0.01〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の量で用いることができる。使用量が上記範囲を超えると、常温における接着剤の硬度が低すぎたり、粘着性が高すぎてタブレット化加工が困難となる問題がある。一方、上記範囲よりも低いと、濡れ性および/または接着性の改善効果が表れないことがある。
固定化剤の形状は、顆粒状、タブレット状の形状が好ましく、微粉末状の形状はウエハープロセスの場合には異物不良の原因となる恐れがあることから好ましくない。微粉末形状の固定化剤は、スプレードライ、攪拌造粒などの方法によって造粒して顆粒状に加工したり、粉体圧縮成型、打錠などの方法によりタブレット状に加工することができる。この際、加工助剤として上記に挙げた添加剤を上記の範囲で添加して加工性を改善することができる。
<支持体>
本発明に係る支持体は、セラミクス、金属化合物、ガラス素材からなる平滑な板で、その表層部(基板支持面)に微細なパターン構造が形成されている。セラミクスとしては、たとえば、炭化珪素、炭化窒素、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニアなどが挙げられる。金属化合物としては、たとえば、SUS302B、SUS304、SUS309S、SUS310S、SUS316、SUS316Ti、SUS317、SUS321、SUS347、SUSXM15J1などのオーステナイト系ステンレス素材が挙げられる。ガラス素材としては、無アリカリガラス、石英などが挙げられる。また、シリコン、GaAs、GaNなどの半導体ウエハーも支持体として用いることができる。
支持体の裏面を基準面とすれば、支持体裏面と基板支持面との距離(厚み)は、基板との貼り合わせ精度および貼り合わせ後のプロセスでの取り扱い精度に影響するため、この厚み精度が面内で±5μm以下、好ましくは±1μm以下、さらに好ましくは±0.3μm以下の平坦性を有することが望ましい。
基板支持面に形成させる微細なパターン構造としては、たとえば、以下の態様が挙げられる。
(a) 支持体表面に感光性樹脂層を形成し、これを露光・現像することにより得られる樹脂パターンを、そのままパターン構造とする。この場合、感光性樹脂の厚みで支持体の厚みバラツキを補正して上記厚み範囲に調整することが可能であるため、パターン構造形成前の支持体の厚み精度の許容範囲は広い。
(b) (a)で形成した樹脂パターンをマスクにして金属メッキ等を行って樹脂パターンの凹部内に金属メッキパターン等を形成した後、感光性樹脂層を除去することにより得られる金属構造物をパターン構造とする。
(c) (a)で形成した樹脂パターンをマスクにして支持体をエッチングした後、感光性樹脂層を除去することにより得られる微細なエッチング構造をパターン構造とする。この場合、エッチング溝深さの面内バラツキに制約はないが、エッチング前の支持体の厚み精度が上記の範囲にある必要がある。
(d) 金属箔または樹脂箔を支持体に接着固定し、該金属箔または樹脂箔をパターニングして得られる微細パターンをパターン構造とする。
上記パターン構造の態様は、支持体の材質や固定化剤の溶融温度(=使用温度)などに応じて適宜選択することができる。(a)法では構造物は樹脂素材となるが、低温で用いるならばこの方法が簡便であり、(b)法および(c)法では無機素材が構造物となるため、その熱伝導性や導電性も有効に活用でき、さらには繰り返し使用が可能というメリットもある。
構造物をどのような素材で形成するかについても、使用ケースによって種々選択が可能である。たとえば、樹脂素材の場合は、ノボラック系フェノール樹脂を用いた感光性材料、感光性ポリイミド材料、感光性エポキシ材料などの耐熱性に優れた永久膜材料を用いることができる。無機素材の場合は、たとえば、ニッケル、銅、ハンダ、クロムなど、メッキ等を行うことが可能な素材の他、(c)法のように支持体の素材そのものを用いることができる。また、(b)法の場合には、(a)で形成したパターンの凹部にハンダペーストを擦り込み、ハンダをリフローさせた後、感光性樹脂を除去して得られるハンダパターンをパターン構造とすることもできる。
上記パターン構造は、その高さが基板との貼り合わせ膜厚に影響するため、支持体裏面からの高さおよび形状が面内で均一であることが必要となる。具体的には、高さは通常1〜50μmであり、バラツキが±10%以内、好ましくは±5%以内、特に好ましくは±2%以内である。バラツキが上記範囲より大きいと貼り合わせ均一性が悪く、基板と支持体の平行が保てず、その後の加工精度に支障が生じることがある。なお、バラツキが大きい場合には、CMPなどで平坦化して修正することができる。
上記パターン構造の形状は特に制限されないが、構造物の隙間に固定化剤を保持する機能を考慮して、構造物間の間隔を設定することが望ましい。また、固定化剤の充填は固定化剤を溶融して行うため、溶融した固定化剤を面内均等に充填しやすいように流れを制御する形状をデザインすることがより望ましい。
たとえば、支持体が円形の場合には、図1に示すように、円の中心から放射状に伸びるラインパターンとしたり、渦巻き状のラインパターンとしたり、剣山状のパターンにすることにより、中央で溶融させた固定化剤がパターンに制御されて気泡を外に押し出しながら面内均等に充填される(図2)。また、貼り合わせる基板側に突起物や段差がある場合には、突起物等を考慮して支持体表層部のパターン構造を設計することが望ましい。
支持体表面に占めるパターン構造の面積の割合は、5〜80%、好ましくは10〜50%である。面積の割合が上記範囲よりも小さいと貼り合わせスペーサーとしての機能が発揮されないことがあり、上記範囲よりも大きいと固定化剤による接着が不十分となり、接着力が低下することがある。
支持体表層部に充填する固定化剤の量は、パターン構造の高さ(または深さ)を超える量となるように適宜制御することが望ましく、構造物表面を覆う量であってもよい。逆に構造物の高さより少ない量であると、基板との間に隙間が生じ、接着力が不足して基板の加工中に支持体から剥がれてしまうことがある。
<基板の貼り合わせおよび剥離>
本発明で用いられる基板としては、初めから厚みが5〜100μmと薄い金属箔や、半導体素子が形成されたウエハーのように、初めは厚いが加工後に5〜100μmへと薄化する物などが対象となり、貼り合わせ表面に凹凸があってもよい。
貼り合わせ方法は、上記固定化剤が充填された支持体上に基板を載せ、これらをヒートプレスの間に挟んで全体を減圧にし、ヒーターを固定化剤の融点+20℃まで昇温して加圧プレスする。プレスした状態で常圧に戻し、ヒーターを徐冷すれば固定化剤が再度固化して接着が完了する。
減圧は基板と支持体間の気泡除去のために行うものであり、100〜1Torr程度でよく、真空度を高くし過ぎると固定化剤が揮発するため好ましくない。また、徐冷は固定化剤の固化温度±10℃程度の範囲内であってもよく、5℃/min以下、好ましくは2℃/min以下の速度で徐冷することが望ましい。冷却が早いと固定化剤の熱収縮や結晶化の影響で内部に気泡を取り込みやすくなるため、接着強度が悪化する場合がある。
支持体に充填された固定化剤が多い場合は、加圧によって固定化剤が基板外へ流れ出し、基板や支持体の裏面に回り込んだり、ヒーターを汚す原因となる。そのため、固定化剤の充填量は、目標とする貼り合せ膜厚から適量に制御されることが好ましい。
また、この流れ出しは、支持体の構造を改良することにより解消することができる。たとえば、図3に示すように、基板を填め込んで固定化するような支持体の形状、すなわち、支持体が基板よりも大きく、かつ、基板からはみ出した支持体外周部を基板の厚みよりも高い形状(ガイド構造)とすることにより、支持体の外周部が、流れ出した固定化剤の堤防となるため、固定化剤の流れ出しによる悪影響を解消することができる。なお、上記のように支持体の外周部によってガイド構造を形成するのではなく、別途ガイド材を設けてガイド構造を形成してもよい。
支持体に貼り合わせた基板を剥離する場合は、支持体をホットプレートに載せて固定化剤の融点+20℃程度まで加熱して溶融させることにより、固定化剤の溶融粘度が低くなるため、基板を左右にずらし取ることで容易に剥離できる。基板および支持体に付着した固定化剤は溶剤で洗浄して除去することができ、支持体は固定化剤を再び充填することで再利用することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例で用いた結晶性化合物は、予めTHF溶液とし、20重量部のイオン交換樹脂を加えて10時間攪拌混合することによって脱イオン化処理を行い、Na,K,Ca,Fe,Cu,Ni,Cr,Alの各金属含有量が1ppmであることを確認して用いた。また、溶融温度、溶融温度幅および溶融粘度の測定は以下のようにして行った。
<溶融温度および溶融温度幅>
示差走査熱量装置(セイコー社製「RDC220」)を用い、5℃/min、空気中での値を測定した。メインの溶融ピーク曲線のピーク温度を溶融温度とし、該溶融ピーク曲線の始点と終点との温度差を溶融温度幅とした。
<溶融粘度>
E型粘度計(東機産業社製)を用い、溶融温度にて測定した。
〔実施例1〕
6インチシリコンウエハーに感光性絶縁樹脂(JSR製「ELPAC WPR-1020」)を膜厚が10μmとなるように塗布して成膜し、露光・現像することにより、幅50μm、高さ10μmのライン状パターンを図1(a)の様に放射状に形成し、190℃で1時間硬化して表面に微細パターンが形成されたウエハーを得た。なお、ラインパターン数はウエハー外周部で1180本、パターンの面積がウエハー面積の40%、ラインパターンのライン間隔は100〜200μmの範囲内であった。
上記ラインパターンが形成されたウエハーの中央に固定化剤(A)として、コレステロール(分子量;386.7、溶融温度;150℃、溶融温度幅;1℃、溶融粘度;2mPa・s)0.17gを載置して、ウエハーを170℃に加熱したところ、固定化剤(A)が溶融すると同時にライン状パターンに沿って中央からウエハー外周部へ瞬く間に広がった。溶融して広がったことを確認した後130℃まで急冷(20℃/min)し、110℃まで徐冷(1℃/min)し、室温まで急冷(20℃/min)して固定化剤が充填された支持体(1)を得た。充填された固定化剤(A)はラインパターンの隙間にパターンより約5μm盛り上がって充填されていた。なお、この盛り上がり量はウエハー中央で溶融させる固定化剤(A)を変量することで制御できることも確認した。
次に、この支持体(1)に膜厚12μmの銅箔(150mmφ)を貼り合わせた。真空プレス装置(北川精機社製)に銅箔を貼り合わせた支持体(1)を乗せ、プレスの上テーブルは銅箔に接しない配置にして約1Torrに減圧した。その後、支持体(1)が接している下テーブルのヒーターを170℃に加熱して固定化剤(A)を再溶融させた後、上テーブルも170℃に加熱してプレス(プレス圧;10g/cm2)し、130℃まで急冷(20℃/min)し、110℃まで徐冷(1℃/min)し、室温まで急冷(20℃/min)し、常圧に戻して真空プレス装置から取り出した。固定化剤(A)は支持体(1)から僅かにはみ出してウエハー外周を覆った状態であった。貼り合わせ面の厚みの面内バラツキを測定した結果、10μm±0.05μmでバラツキは5%以内と良好であり、貼り合わせ面の厚みも予め支持体(1)に設けたラインパターンの高さ10μmと同じとなった。したがって、このライン状構造物が柱の役割を果たしていることが伺える。
貼り合わせた銅箔上に上記感光性樹脂(WPR−1020)を20μm膜厚で成膜し、15μmφのホールパターンを100μm間隔で全面に形成し、140℃で1時間予備硬化した。パターン形成した銅箔を銅メッキ液に浸して通電し、銅箔より給電して15μmホール部を銅メッキで穴埋めしてビア構造を有する薄膜銅基板を作成した。次いで、支持体(1)を付けたまま190℃ホットプレート上で20分加熱し、上部の薄膜銅基板を横にずらすと容易に剥がし取ることができた。膜膜銅基板をイソプロピルアルコールに浸漬することにより付着した固定化剤(A)を洗浄除去できた。
〔実施例2〕
実施例1において、6インチシリコンウエハーの代わりに6インチSiCウエハーを用い、ラインパターンの高さを5μmに変更し、固定化剤(A)の代わりに固定化剤(B)としてm−テルフェニル(分子量;230.3、溶融温度;87℃、溶融温度幅;1℃、溶融粘度;1.5mPa・s)0.09gを用い、固定化剤(B)を充填する際の溶融温度を110℃とし、固化条件を80℃まで急冷し、50℃まで徐冷し、室温まで急冷に変更した以外は、実施例1と同様にして支持体(2)を得た。
得られた支持体(2)に、実施例1と同様の方法でシリコンウエハーの素子面を貼り合わせた。貼り合わせ面の厚みは5μm±0.04μmであった。シリコンウエハーを貼り合わせた支持体ごと50%KOH水溶液の浴槽中に浸し、75℃に加温して12時間攪拌して、Siのエッチングによりシリコンウエハーの裏面を研削してシリコンウエハー厚みを100μmとし、その上にポジレジストを用いて20μmφの配線用穴パターンを200μm間隔で形成した。
次にこれをマスクとしてRIE(反応性イオンエッチング)によってシリコンウエハーを深堀エッチングした。すると、シリコン層の100μmが貫通して固定化剤(2)に達したところで、深堀は自動的にストップする現象が見られ、固定化剤(2)がエッチングストッパーとして作用していることが確認された。支持体(2)を加熱してシリコンウエハーを剥がしとると、20μmφの貫通孔が200μm間隔に開いた薄ウエハーが得られた。
〔実施例3〕
6インチシリコンウエハーに銅を0.5μmにスパッタ成膜したウエハー上に、日立化成工業社製アルカリ現像形感光性フィルム「フォテック H2350」を、90℃、2Kg・f/cm2、1m/minの条件でラミネートし、基材表面からの膜厚が40μmの被膜を得た。露光用マスク(50μmφ穴、穴間隔が300μmのパターン)を介して、超高圧水銀灯により、i線(波長365nmの紫外線)を200mJ/cm2照射した。次いで、露光処理されたレジスト膜に対して、0.2%のTMAH水溶液(30℃)を現像液とするシャワー法による現像処理を50秒間行った後、超純水による水洗処理を行った。これにより、紫外線が照射されていない部分の未硬化部分が除去された。顕微鏡(×500倍)観察により、口径50μmの穴パターンがウエハー上に面内均等に形成されていることを確認した。
次に、スパッタ形成した銅から通電して50μmの穴部に銅メッキを行い、穴部を銅で穴埋め加工した。感光性フィルムを東京応化製「剥離液S710」で剥離することにより、銅スパッタウエハー上に、図1(c)に示すような、50μmφ、高さ40μmの円柱が300μm間隔で形成された支持体(3)を得た。支持体(3)を300℃で10分加熱し、銅表面に酸化銅の層を形成させた。
上記化学式(8)の化合物(分子量;404.7、溶融温度;220℃、溶融温度幅;1℃、溶融粘度;1.3mPa・s)をテトラヒドロフランに溶解し、スプレードライによって約100μmの顆粒状とし、これに日本アエロジル社製「AEROSIL300」を0.1%粉体混合して固定化剤(C)を得た。支持体(3)に固定化剤(C)0.75gを均等に載置して230℃に加熱溶融したところ、銅円柱の間に固定化剤(C)が気泡なく充填され、そのまま200℃まで1℃/minの速度で徐冷して固化させた。
6インチ石英ウエハーを上記支持体(3)に実施例1と同様に貼り合わせた。なお、固定化剤(C)の溶融−固化は、230℃で溶融し、230℃〜200℃までを1℃/minで徐冷して行った。石英基板温度をホットプレートで加熱制御(室温〜200℃)したときのシリコン面の温度を計測したところ、石英面とシリコン面の温度差が1℃以内であり、円柱状の銅を介して熱伝導していることが伺えた。
その後、支持体(3)を石英ウエハーから剥がし取った後にイソプロピルアルコールで固定化剤(C)を洗い流して再生し、再び固定化剤(C)を充填して貼り合わせ−剥離の操作を繰り返しても、貼り合わせ面の厚みの面内バラツキおよび熱伝導性は変わらなかった。
〔実施例4〕
厚みバラツキが0.1μm未満の鏡面研磨した160mmφステンレス丸基板に、ポジレジストを用いてライン間隔50μmの溝状パターンを放射状に形成した(図1(a)において明暗が反転したパターン)。これをエッチング液に浸してステンレス面を約10μmエッチングした後、レジストを剥離して溝形成されたステンレス基板を得た。溝パターン数は最外周部で1180本、溝パターンの表面積は支持体の40%、溝間の間隔は100〜200μmであった。
得られたステンレス基板の中央に固定化剤(A)0.17gを載置して加熱溶融したところ、固定化剤(A)は瞬時に基板の溝パターン内に広がった。130℃まで急冷(20℃/min)し、110℃まで徐冷(1℃/min)し、室温まで急冷(20℃/min)することにより、固定化剤が充填された支持体(4)を得た。充填された固定化剤(A)は溝から約5μm程はみ出して充填されていた。
次に、この支持体(4)に膜厚300μmの6インチシリコンウエハーと、その外側に4mm幅、500μm厚のステンレスリングをガイド材として図3(c)の様に貼り合わせた。予め測定して置いたステンレス基板の厚みと6インチシリコンウエハーの厚みから、貼り合わせ面の厚みは2μmで、6インチ面内でのバラツキは10%以内と均一に接着されていた。なお、リングとウエハーの高さを併せてプレスするため、加熱プレス時にはウエハー上に200μm厚のカーボンシートを載せて行った。
次に6インチシリコンウエハーを貼り合わせた支持体ごと50%KOH水溶液の浴槽中に浸し、75℃に加温して12時間攪拌して、Siのエッチングを行いウエハーの薄肉化を行った。処理後に取り出してみるとウエハーおよびステンレスリングは支持体に固定されており、容易に剥がれることはなかった。これをホットプレートで再び170℃加熱すると、リングおよびウエハーともに容易に剥がし取ることができ、エッチングされたウエハーの厚みは40μmで面内均一性はバラツキが1%未満と非常に小さく良好であった。
本発明の支持体上に形成されたパターン構造の形状の例を示す図である。 本発明の支持体に固定化剤を充填させるプロセスを模式的に例示した図である。 本発明の支持体と基板との貼り合わせの際に、固定化剤が流出することを防止するためのガイド構造の例を示す図である。
符号の説明
1・・・基板
2・・・支持体
3・・・パターン構造物
4・・・固定化剤
5・・・ガイド材

Claims (12)

  1. 基板を支持するために用いられ、表層部に微細なパターン構造が形成されており、かつ、裏面から基板支持面までの厚みの支持体面内におけるバラツキが10μm以下であることを特徴とする支持体。
  2. 上記支持体表層部に形成されたパターン構造が、支持体表面に感光性樹脂層を形成し、露光・現像することにより感光性樹脂層のパターンを形成し、得られた感光性樹脂層パターンをマスクにして支持体をエッチングした後、感光性樹脂層を除去することにより得られるエッチング構造であることを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  3. 上記支持体表層部に形成されたパターン構造が、金属箔または樹脂箔を支持体に接着固定し、該金属箔または樹脂箔をパターニングして得られるパターン構造であることを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  4. 上記支持体表層部に形成されたパターン構造が、支持体表面に感光性樹脂層を形成し、露光・現像することにより得られる樹脂構造物であることを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  5. 上記支持体表層部に形成されたパターン構造が、支持体表面に感光性樹脂層を形成し、露光・現像することにより感光性樹脂層のパターンを形成し、得られた感光性樹脂層パターンの凹部内に金属パターンを形成した後、感光性樹脂層を除去することにより得られる金属構造物であることを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  6. 上記金属パターンが、金属メッキ法によって形成される金属メッキパターンであることを特徴とする請求項5に記載の支持体。
  7. 上記金属パターンが、上記感光性樹脂層パターンの凹部内にハンダペーストを充填してリフローさせることにより形成されるハンダパターンであることを特徴とする請求項5に記載の支持体。
  8. 支持体表面の面積が基板よりも大きく、かつ、支持体外周部が基板の厚みより高い形状であり、支持体に基板を填め込んで固定化させる構造であることを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  9. 基板を支持するための固定化剤が、表層部に均等に充填されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の支持体。
  10. 上記固定化剤が、溶融温度50〜300℃の結晶性化合物を主成分とし、かつ、該固定化剤の溶融温度幅が30℃以下であることを特徴とする請求項9に記載の支持体。
  11. 上記結晶性化合物が、C、H、Oの元素のみで構成され、かつ、分子量が1000以下の脂肪族化合物または脂環式化合物であることを特徴とする請求項10に記載の支持体。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載の支持体と基板とを真空中で加熱圧着することにより、基板を支持体に固定化して保持させることを特徴とする基板の支持方法。
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