JP4899308B2 - ホットメルト型接着剤組成物 - Google Patents

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本発明は、半導体ウエハーを加工処理する際にウエハーを支持体に固定化する接着剤組成物に関する。さらに詳しくは、ウエハー加工処理におけるプロセス温度においても充分な接着能を有するとともに、ウエハーの加工処理後に支持体からウエハーを容易に剥離することができ、ウエハーに付着した接着剤を容易に除去することができる接着剤組成物に関する。
半導体デバイスの製造工程において、略円板形状である半導体ウエハーの表面にIC、LSIなどの回路を格子状に多数形成し、該回路が形成された各領域を所定の切断ラインに沿ってダイシングすることにより、個々の半導体素子が製造されている。このようにして半導体素子を製造するに際し、半導体素子の放熱性を良好にするとともに、携帯電話などのモバイル機器の小型化および低コスト化を実現するために、半導体素子の厚さをできるだけ薄く形成することが望まれている。そのため、半導体ウエハーを個々の素子に分割する前に、その裏面を研削して所定の厚さに加工する研削工程が行われている。この研削工程においては、半導体素子は研削機の定盤などの支持体に、仮止め接着剤にて堅固に固定されている必要があるが、研削終了後は支持体から剥離する必要がある。
従来、このような半導体ウエハーの仮止め接着剤としてワックスが広く用いられており、種々のワックスが提案されている。たとえば、特開平7−224270号公報(特許文献1)にはHLB値が7〜13のポリグリセリン類を有効成分とするワックスが開示され、特開平9−157628号公報(特許文献2)には、酸価が100以上のロジン樹脂、ロジン樹脂の誘導体、ロジン樹脂の変成物、スチレン・アクリル共重合体の1種または2種以上を含むワックスが開示されている。
しかしながら、このような従来のワックスは、耐熱性が低いことから、ウエハーの研削処理におけるプロセス温度では接着強度が保てないこと、またウエハー研削厚みの面内バラツキ精度が充分でないこと、薄く研削された半導体ウエハーまたは半導体素子を支持体から剥離する際に剥離性が悪く、ウエハーが破損しやすいこと、さらに接着面に気泡などが残るとウエハーの裏面に凹凸が生じ、この状態で研削処理するとウエハーが破損しやすいことなどの問題点があった。
特開平7−224270号公報 特開平9−157628号公報
本発明の課題は、半導体ウエハーなどを支持体に固定化する接着剤組成物であって、ウエハーの加工処理時においては堅固で高耐熱の接着能を有するとともに、加工処理後においては支持体からウエハーを容易に剥離することが可能な接着剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、50〜300℃の範囲に溶融温度を有する結晶性有機化合物を主成分とするホットメルト型接着剤組成物は、従来のワックスよりも耐熱性が高く、ウエハー加工処理におけるプロセス温度においても堅固な接着性を有するとともに、加工処理後に溶融温度以上に加熱することにより被着物を容易に剥離できることを見出した。
すなわち、本発明のホットメルト型接着剤組成物は、溶融温度が50〜300℃である結晶性化合物を主成分として含む組成物であって、該組成物の溶融温度幅が30℃以下であり、かつ、該組成物の溶融温度における溶融粘度が0.1Pa・s以下であり、さらに接着強度の温度依存性が小さいことを特徴としている。
上記結晶性化合物は、C,H,Oの元素のみで構成され、かつ、分子量が1000以下の有機化合物、好ましくは脂肪族化合物または脂環式化合物、特に好ましくは分子内にステロイド骨格および/または水酸基を有する化合物またはその誘導体(ただし、エステル誘導体は除く)であることが望ましい。なお、エステル誘導体は、融点が低い、熱分解したときに酸性となって接着面を浸食する可能性があるなどの理由から好ましくない。
また、本発明のホットメルト型接着剤組成物は表面張力調整剤、具体的にはフッ化アルキル基を有するフッ素系界面活性剤およびオキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
さらに、本発明のホットメルト型接着剤組成物はタブレット状で用いることが好ましい。
本発明によれば、加熱溶融して冷却することにより半導体ウエハーなどを支持体に強固に固定することができ、再度加熱溶融することにより半導体ウエハーなどを支持体から容易に剥離することができるホットメルト型接着剤組成物が提供される。
また、本発明のホットメルト型接着剤組成物を用いれば、ウエハーなどを支持体から剥離した後の面に残存する接着剤成分は、容易に洗浄・除去することができる。
このような特性を有することから、本発明のホットメルト型接着剤組成物は、現代の経済活動の場面で要求される様々な加工処理、たとえば、半導体基板の極薄研削処理、各種材料表面の微細加工処理などの際に基材を仮止めする接着剤として好適である。
以下、本発明に係るホットメルト型接着剤組成物について、半導体ウエハーの仮止め用途を中心に詳細に説明するが、本発明のホットメルト型接着剤組成物は、ウエハー以外にもガラス基板、樹脂基板、金属基板、金属箔、研磨パッド等の板状エラストマーなど平面同士をある一定の間隙で容易に接着−剥離する用途に用いることもできる。また、本発明におけるホットメルト型接着剤とは、常温では固体であるが、加熱溶融して被着物を付着させ冷却することにより、被着物を接着することができ、再度加熱溶融することで被着物を剥離することができる接着剤をいう。なお、接着面に楔のようなものを挟み込んで剥離してもよい。
本発明に係るホットメルト型接着剤組成物は、組成物に凝集力を付与するために結晶性化合物を主成分として含有し、該結晶性化合物の溶融温度は50〜300℃、好ましくは55〜250℃、より好ましくは100〜200℃である。ここで、溶融温度とは、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定したメインの溶融ピーク曲線におけるピーク温度をいう。結晶性化合物の溶融温度が上記範囲にあることにより、接着時の耐熱温度を向上させることができる。
上記結晶性化合物は、分子量が1000以下、好ましくは150〜800、より好ましくは200〜600であることが望ましい。結晶性化合物の分子量が上記範囲を超えると、結晶性化合物の溶剤への溶解性が低くなるため、溶剤による剥離・洗浄が不十分となる
ことがある。
また、上記結晶性化合物は、半導体ウエハー上に形成される配線および絶縁膜に対してダメージを与えず、汚染源ともならず、溶融時に接着剤が変性しないなどの観点から、カルボン酸基やアミノ基などの活性な官能基を有しない中性化合物であること、ならびに、媒質中に拡散して絶縁性に悪影響を及ぼすアルカリ金属等(例えば、Na、K、Ca、Fe、Cu、Ni、Cr、Al等)の金属含有量の合計が100ppm以下、好ましくは10ppm以下となるまでメタルフリー化処理したものであることが望ましい。なお、金属酸化物など安定な形態で含有するものはこの限りではない。
このような結晶性化合物としては、1,3,5−トリニトロベンゼン、2,3,6-トリニト
ロフェノール、2,4,5-トリニトロトルエン等のニトロ化合物なども挙げることができるが、取扱上の安全性が高く、溶融時の耐熱性に優れ、着色が少ないなどの観点から、N元素を含まないC,H,Oの元素のみからなる有機化合物が好ましい。具体的には、以下に例示するような芳香族化合物、脂肪族化合物および脂環式化合物などが挙げられる。
上記芳香族化合物としては、たとえば、9H-キサンテン、ベンゾフラン-3(2H)-オン、1
,5-ジフェニル-2,4-ペンタジエン-1-オン、ジ-2-ナフチルエーテル、cis-1,8-テルピ
ン、2,3-ジメチルナフタレン、1,2-ナフタレンジオール、ジ-1-ナフチルメタン、ビフ
ェニル-2,2'-ジオール、ジ-1-ナフチルエーテル、ビス(ジフェニルメチル)エーテル、9,10-ジヒドロアントラセン、2,3,5,6-テトラメチル-p-ベンゾキノン、2,6-ジメチルナフタレン、シリンガアルデヒド、バニリルアルコール、1,3-ジフェニルイソベンゾフラ
ン、2,3'-ジヒドロキシベンゾフェノン、イソヒドロベンゾイン、4,4'-ジメチルビフェニル、1,3-ナフタレンジオール、4-フェナントロール、3,3-ジフェニルフタリド、ペンタメチルフェノール、ヘキサエチルベンゼン、3,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンゾフェノン、4,5,9,10-テトラヒドロピレン、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、ヘマトキシリン、2-イソプロピル-5-メチルヒドロキノン、1,9-ジフェニル-1,3,6,8-ノナテトラエン-5-オン、9-フェニ
ルフルオレン、1,4,5-ナフタレントリオール、1-アントロール、1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、ガルビノキシル、ピレン、9-フェニルアントラセン、トリフェニルメタノ
ール、1,1'-ビナフチル、m-キシレン-2,4,6-トリオール、4,4'-メチレンジフェノール、ヘキサメチルベンゼン、ジベンゾ-18-クラウン-6、ジフェノキノン、ビフェニル-4-オ
ール、1H-フェナレン、10-ヒドロキシアントロン、フラボノール、ベンゾアントロン、9H-キサンテン-9-オン、テトラフェニルフラン、2-メチルアントラキノン、4-ヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、1,7-ナフタレンジオール、2,5-ジエトキシ-p-ベンゾキノン、クルクミン、2,2'-ビナフチル、1,8-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ナフタレンジオール、1-ヒドロキシアントラキノン、3,4-ジヒドロキシアントロン、p-テルフェニル、4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、アントラセン、2,4,6-トリヒドロキシアセトフェノ
ン、1,8-アントラセンジオール、テトラフェニルエチレン、1,7-ジヒドロキシ-9-キサ
ンテノン、2,7-ジメチルアントラセン、エピカテキン、ナリンゲニン、2-アントロール、1,5-ナフタレンジオール、ベンジリデンフタリド、2-フェニルナフタレン、cis-デカヒ
ドロ-2-ナフトール(cisoid)、(2R,3R)-2,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、trans-1,2-ジベンゾイルエチレン、trans-1,4-ジフェニル-2-ブテン-1,4-ジオン、ビス(2-
ヒドロキシエチル)テレフタラート、フルオランテン、ビフェニレン、イソバニリン、フ
ルオレン、9-アントロール、p-フェニレンジアセタート、trans-スチルベン、ビフェニル-3,3'-ジオール、2,5-ジヒドロキシベンゾフェノン、ピノールヒドラート、ベンゾイン、ヒドロベンゾイン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、1,8-ナフタレンジオール、1,2-ナフトキノン、2,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、5-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、1-フェナントロール、アントロン、9-フルオレノール、トリフェニルホスフィンオキシド、ベンゾ[a]アントラセン、1,2-アントラ
センジオール、2,3-ナフタレンジオール、2,4,6-トリヒドロキシベンゾフェノン、ジ-2-ナフチルケトン、3,3'-ジヒドロキシベンゾフェノン、アルブチン、1,2,3,5-ベン
ゼンテトラオール、ジフェニルキノメタン、2-フェナントロール、2,3,4-トリヒドロキシアセトフェノン、カプサンチン、1,3,5-トリフェニルベンゼン、3,4,5-トリヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾ[a]ピレン、トリフェニルメチルペルオキシド、ヘキセスト
ロール、1,1,2,2-テトラフェニル-1,2-エタンジオール、1,8-ジヒドロキシ-3-メチ
ルアントラキノン、ショウノウキノン、2,2',5,6'-テトラヒドロキシベンゾフェノン
、エスクリン、3,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,5-トリヒドロキシアセトフェノン、9,10-フェナントレンキノン、1,1,2,2-テトラフェニルエタン、ルチン、 (-)-ヘスペレチン、2,3',4,4',6-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、7-ヒドロキシクマリン、dl-ヘスペレチン、ニンヒドリン、トリプチセン、フルオレシン、クリセン、ジエチ
ルスチルベストロール、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ペンタセン、1,6-ジヒドロキシ
アントラキノン、3,4',5,7-テトラヒドロキシフラボン、2,6-アントラセンジオール
、ゲニステインなどが挙げられる。
上記脂肪族化合物としては、たとえば、リビトール、D-アラビトール、フリル、γ-カ
ロテン、β-カロテン、カンタリジン、ペンタエリトリトール、trans,trans-1,4-ジア
セトキシブタジエン、D-グルシトール、D-マンニトール、イドース、デカナール、α-カ
ロテン、2,4,6-トリメチルフロログルシノール、ガラクチトール、エキリン、エキレニン、trans-1,2-シクロベンタンジオール、マノオール、1-ヘプタデカノール、1-オクタ
デカノール、1-イコサノール、ジヒドロキシアセトン、γ-テルピネオール、1-ヘキサコ
サノール、1-ヘントリアコンタノール、ステアロンなどが挙げられる。
上記脂環式化合物としては、たとえば、コプロスタノール、チモステロール、エルゴカルシフェロール、β-シトステロール、ラノステロール、11-デオキシコルチコステロン、コレスタノール、コレステロール、テストステロン、エルゴステロール、スチグマステロール、エストラジオール、コルチコステロン、エピコレスタノール、アンドロステロン、17α-ヒドロキシ-11-デオキシコルチコステロン、ギトキシゲニン、エピコプロスタノー
ル、カルシフェロール、プロゲステロン、デヒドロエピアンドロステロン、7-デヒドロコレステロール、アグノステロール、11-デヒドロコルチコステロン、プレドニソロン、ジ
ギトキシゲニン、エストロン、β-エストラジオール、コルチソン、D-フルクトース(α形)、D-リキソース(α形)、D-リキソース(β形)、イソマルトース、D-タロース(β形)、D-
タロース(α形)、D-アロース(β形)、D-マンノース(β形)、D-マンノース(α形)、D-キシロース(α形) D-ガラクトース(β形)、L-フコース(α形)、D-グルコース(α形)、2-デオ
キシ-D-グルコース、マルトトリオース、D-altro-ヘプツロース、L-アラビノース(ピラノースα形)、D-アラビノース、カフェストール、L-アラビノース(ピラノースβ形)、D-ガ
ラクトース(α形)、リコペン、アウクビン、スクロース、フリーデリン、cis-1,3,5-シクロヘキサントリオール、D-イノシトール、ルテイン、ジオスゲニン、チゴゲニン、ゼアキサンチン、myo-イノシトール、セロビオース、ジベレリンA3、ヘマテイン、ベツリン、D-フルクトース(β形)、D-アルトロース(β形)、ジベンゾ-24-クラウン-8、メチル-D-グ
ルコピラノシド(β形)、D-ジギタロース、サリノマイシン、メチル-D-ガラクトピラノシ
ド(α形)、α,α-トレハロース、ビキシン(全trans形)、パラチノース、trans-1,4-テルピン、D-キノボース(α形)、D-glycero-D-galacto-ヘプトース、D-フコース(α形)、D-グルコース(β形)、D-manno-ヘプツロース、D-glycero-D-gluco-ヘプトース、ソホロース、サルササポゲニン、L-ソルボース、D-altro-3-ヘプツロース、ツイスタン、(+)-ボルネオール、イノシトール、(-)-イソボルネオール、L-アラビノース(フラノース形)、L-ガラクトース(α形)、α-サントニン、メチル-D-ガラクトピラノシド(β形)、シクロペンタデカノン、δ-バレロラクトン、cis-2-メチルシクロヘキサノール、下記化学式(1)〜(8
)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0004899308
上記化合物の中では、タブレット加工性の観点から、コレステロール、コプロスタノール、チモステロール、エルゴカルシフェロール、β-シトステロール、ラノステロール、11-デオキシコルチコステロン、コレスタノール、テストステロン、エルゴステロール、スチグマステロール、エストラジオール、コルチコステロン、エピコレスタノール、アンドロステロン、17α-ヒドロキシ-11-デオキシコルチコステロン、ギトキシゲニン、エピコ
プロスタノール、カルシフェロール、プロゲステロン、デヒドロエピアンドロステロン、7-デヒドロコレステロール、アグノステロール、11-デヒドロコルチコステロン、プレド
ニソロン、ジギトキシゲニン、エストロン、β-エストラジオール、コルチソンおよび上
記化学式(1)〜(8)で表される化合物などのステロイド骨格を有する化合物、trans
‐1,2-シクロベンタンジオール、マノオール、1-ヘプタデカノール、1-オクタデカノー
ル、1-イコサノール、γ-テルピネオール、1-ヘキサコサノール、1-ヘントリアコンタノ
ールなどの水酸基含有化合物およびこれらの誘導体が特に好ましい。ただし、エステル誘導体は、融点が低く、熱分解したときに酸性となって接着面を浸食する可能性があるなどの理由から好ましくない。
上記結晶性化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。上記結晶性化合物は、接着剤組成物中における含有量が70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上となるように用いられる。含有量が上記範囲よりも低いと、溶融温度がシャープにならず、また溶融粘度も高くなることがある。
上記のような結晶性化合物を主成分として含む本発明の接着剤組成物は、組成物の溶融温度幅が1〜30℃、好ましくは1〜20℃、特に好ましくは1〜10℃であり、組成物の溶融温度における溶融粘度が0.0001〜0.1Pa・s、好ましくは0.001〜0.05Pa・s、特に好ましくは0.001〜0.01Pa・sであることを特徴とする。ここで、溶融温度幅とは、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定したメインの溶融ピーク曲線における始点の温度と終点の温度との差をいう。溶融温度幅および溶融粘度が上記範囲にあることにより、剥離容易性が向上するため、ウエハーを支持体から剥離する際に加える外力を小さくすることができる。
組成物の溶融温度幅および溶融粘度は、上記結晶性化合物の溶融温度幅および溶融粘度に強く依存することから、溶融温度幅が狭く、溶融粘度が低い結晶性化合物を用いることが望ましい。すなわち、主成分である結晶性化合物としては、溶融温度が50〜300℃、溶融温度幅が1〜30℃、溶融温度における溶融粘度が0.0001〜0.1Pa・sのものが好ましい。
結晶性化合物の溶融温度幅を狭くし、溶融粘度を低減し、さらに遊離金属イオン量を低減するために、結晶性化合物の精製を行うことが好ましい。結晶性化合物の精製方法としては、たとえば、
(a)結晶性化合物を溶剤に溶解し、溶剤を徐々に留去して再結晶化させることで純度を高める方法、および
(b)結晶性化合物を溶剤に溶解し、その溶液をイオン交換樹脂に接触させて遊離金属を除去することで金属含有量を減らす方法などが挙げられる。
本発明のホットメルト型接着剤組成物には、基材への濡れ性および/または接着性を調整するために、あるいは接着剤組成物の溶融粘度を調整するために、必要に応じて非イオン系界面活性剤などの表面張力調節剤を、目的とする機能を損なわない範囲で添加することができる。
添加することのできる非イオン系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基などのフッ化アルキル基を有するフッ素系界面活性剤や、オキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤などを挙げることができる。
上記フッ素系界面活性剤としては、たとえば、C919CONHC1225、C817SO2NH−(C24O)6H、「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」(新秋田化成(株)製)、「メガファックF171」、「同F173」(大日本インキ(株)製)、「アサヒガードAG710」(旭硝子(株)製)、「フロラードFC−170C」、「同FC430」、「同FC431」(住友スリーエム(株)製)、「サーフロンS−382」、「同SC101」、「同SC102」、「同SC103」、「同SC
104」、「同SC105」、「同SC106」(旭硝子(株)製)、「BM−1000」、「同1100」(B.M−Chemie社製)、「Schsego−Fluor」(Schwegmann社製)、「FS1265」(東レダウコーニングシリコーン(株)製)などを挙げることができる。
上記ポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどを挙げることができ、具体的には「エマルゲン105」、「同430」、「同810」、「同920」、「レオドールSP−40S」、「同TW−L120」、「エマノール3199」、「同4110」、「エキセルP−40S」、「ブリッジ30」、「同52」、「同72」、「同92」、「アラッセル20」、「エマゾール320」、「ツィーン20」、「同60」、「マージ45」(以上、(株)花王製)、「ノニボール55」(三洋化成(株)製)、「SH−28PA」、「同−190」、「同−193」、「SZ−6032」、「SF−8428」(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などを挙げることができる。
上記以外の非イオン系界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキサイドブロック共重合体などが挙げられ、具体的には「ケミスタット2500」(三洋化成工業(株)製)、「SN−EX9228」(サンノプコ(株)製)、「ノナール530」(東邦化学工業(株)製)などを挙げることができる。
上記表面張力調整剤は、上記結晶性化合物100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の量で用いることができる。使用量が上記範囲を超えると、常温における接着剤の硬度が低すぎたり、粘着性が高すぎてタブレット化加工が困難となる問題がある。一方、使用量が上記範囲よりも低いと濡れ性および/または接着性の改善効果が表れないことがある。
また、本発明のホットメルト型接着剤組成物は、接着する基材間の間隙を制御するために、必要に応じて酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの金属酸化物、またはポリスチレン架橋粒子(たとえば、積水化学製「ミクロパールSPN」、「同SPSシリーズ」等)などの粒度分布の狭い微粒子を、組成物全体に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で含有してもよい。含有量が上記範囲を超えると、溶融させた時に、微粒子が被着体面内に広がりにくく、微粒子が凝集することによって基板間の間隙が制御できないという問題が生じることがあり、上記範囲よりも低いと間隙を制御する効果が表れないことがある。
本発明のホットメルト型接着剤組成物の接着強度は、25±2℃において0.5MPa以上、好ましくは1MPa以上、特に好ましくは5MPa以上である。接着強度が上記範囲よりも低いと接着後の加工条件によっては接着面が部分的に剥がれ加工の面内均一性が損なわれる場合がある。また、本発明のホットメルト型接着剤組成物を用いて、ウエハーとガラス基板とを接着したときの、25±2℃における接着強度をA(MPa)とし、組成物の溶融温度より20℃低い温度における接着強度をB(MPa)とした場合、該接着強度AおよびBが下記関係式(1)を満たすことにより、接着強度の温度依存性が小さく、溶融温度以下の広い範囲で良好な接着状態を保持できる。
0<A−B<0.5 ・・・(1)
本発明のホットメルト型接着剤を用いた半導体ウエハーの加工処理方法は、半導体ウエ
ハーを支持体に固定化する工程、支持体に固定化した半導体ウエハーを加工処理する工程、加工処理した半導体ウエハーを支持体から剥離する工程、および剥離した半導体ウエハーを洗浄する工程からなる。
半導体ウエハーを支持体に固定化する工程においては、必要に応じて表面処理した半導体ウエハーまたは支持体の表面にホットメルト型接着剤組成物を塗布し、半導体ウエハーと支持体とを貼り合せた後、冷却することにより、半導体ウエハーを支持体に固定化することができる。
本発明のホットメルト型接着剤組成物を半導体ウエハーなどに塗布するに際して、溶融した接着剤組成物の面内への広がりを均一にするため、ウエハー表面を予め疎水化処理しておくことが好ましい。
疎水化処理の方法としては、ウエハー表面に予め表面処理剤を塗布する方法などが挙げられる。このような表面処理剤としては、たとえば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテー
ト、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのカップリング剤が挙げられる。
本発明のホットメルト型接着剤組成物の塗布方法としては、たとえば、
(1)接着剤組成物を適当な溶剤に溶解して溶液とし、基材に所定膜厚分を塗布した後、溶剤を留去する方法、
(2)接着剤組成物を溶融した状態で、基材に所定量塗布する方法、
(3)接着剤組成物を、離型処理が施されたPETフィルム上に一定膜厚で塗布して成膜した後、基材へラミネート方式により転写する方法、および
(4)所定量の接着剤組成物をタブレット状に成形し、これを基材上で溶融して流延する方法などが挙げられる。これらの方法の中では、本発明の接着剤組成物が主に半導体ウエハーの加工処理において用いられることを考慮すると、使用時に接着剤飛沫が生じず、簡便な方法である(4)のタブレット方式が好ましい。
上記(1)の方法で用いられる接着剤組成物を溶解させる溶剤としては、接着剤組成物を溶解することができれば特に限定されず、たとえば、
イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、エタノール、メタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、フェノール等のアルコール類;
n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、n−デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、デカリン、テ
トラリン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の炭化水素系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;
エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;および
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロリドン、ヘキサメチルホスホミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、クロロホルム、塩化メチレン等の極性溶媒などが用いられる。
これらの中では、イソプロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランが好ましい。上記溶剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよく、また、剥離後の基材に付着した接着剤を洗い落とす洗浄液としても用いることができる。
本発明の接着剤組成物をタブレット状に成形する場合には、射出成形法、鋳型成形法、打錠法、キャスティング法、フィルムのカッティング法などの公知の方法を用いることができる。タブレットの形状としては特に限定されず、たとえば、円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱のような多角柱、円錐、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐のような多角錐、フットボール形状、立方体のような多面体、球状、顆粒状などを挙げることができる。これらの形状の中では、ウエハーと支持体との固定化面の間隙を水平に保つため、円柱または多角柱が好ましく、さらに、タブレット作成の容易性を考慮すると円柱が特に好ましい。タブレットの大きさは、実用上使用できる大きさであれば特に制限されないが、接着に多数個の小さなタブレットを使う際には、接着層に残る気泡の脱気に注意を払う必要があり、接着層の厚みに対応した少数個のタブレットで接着する事が好ましい。
上記(4)の方法(タブレット方式)において、タブレット状の接着剤組成物をウエハー等に塗布するには、接着剤組成物の「溶融温度+2℃」〜「溶融温度+50℃」、好ましくは「溶融温度+2℃」〜「溶融温度+30℃」、特に好ましくは「溶融温度+5℃」〜「溶融温度+20℃」で加熱させることにより塗布することができる。加熱温度が上記範囲よりも低いと、接着剤の被着体面内での広がりが不十分で接着ムラが生じることがあり、上記範囲を超えると、接着剤の揮発や分解が部分的に進行し、所望の接着特性を得られないことがある。
本発明のホットメルト型接着剤組成物の塗布量は、使用するウエハーなどの接着面のサイズ、加工工程で要求される密着性の程度に応じて任意に選択することができるが、接着剤層の厚みが、0.01μm〜2mm、好ましくは0.05μm〜1mm、より好ましくは0.1μm〜0.5mmとなる量で塗布することが望ましい。接着剤層の厚みが上記範囲
よりも小さいと充分に接着されないことがあり、上記範囲を超えると接着強度が低下し、接着面からの剥がれ、接着剤の材破が生じる場合がある。なお、接着層の厚みは、接着剤の量および張り合わせるときの圧力で調整することができる。
ウエハーと支持体とを貼り合せる方法としては、
(i)ウエハーおよび支持体のどちらか一方もしくは両方に接着剤組成物を塗布して、両
者を貼り合せる方法、および
(ii)タブレット状の接着剤組成物をウエハーと支持体との間に介在させた状態で加熱して接着剤組成物を溶融させることにより、ウエハーと支持体とを貼り合せる方法などが挙げられる。(ii)の方法においては、接着剤中の気泡を除去し、接着層の厚みを一定にするため、200Torr以下の減圧下で行うことが好ましい。
本発明のホットメルト型接着剤組成物を加熱溶融させる温度は、上述したタブレット状の接着剤組成物を塗布するときの溶融温度と同様である。なお、本発明の接着剤組成物の溶融温度幅は狭いため、ウエハーの温度と支持体の温度とを精密に制御する必要があり、両者の温度差を5℃以下、好ましくは3℃以下、特に好ましくは2℃以下に制御することが望ましい。上記温度差が5℃よりも大きいと、溶融した接着剤組成物が支持体上で固化して気泡が生じたり、貼り合わせ面内での接着剤層の厚みの均一性が損なわれることがある。
上記のようにしてウエハーと支持体とを貼り合せた後、溶融温度以下、好ましくは「溶融温度−20℃」以下、特に好ましくは「溶融温度−40℃」以下にまで冷却することにより、ウエハーと支持体とが強固に接着される。
上記のようにして支持体に固定化したウエハーの加工処理は、使用した接着剤組成物の溶融温度より低い温度で実施することが好ましい。
ウエハーの加工処理後は、支持体からウエハーを剥離する。この剥離工程に際しては、ウエハーおよび支持体の少なくとも一方を、使用した接着剤組成物の溶融温度以上に加熱することにより、ウエハーを支持体から剥離することができる。
剥離後の面に接着剤が残存している場合は、上述の接着剤組成物を溶解するための溶剤で洗浄して除去することができる。
洗浄方法としては、ウエハーを洗浄液に浸漬する方法、ウエハーに洗浄液をスプレーする方法などが挙げられる。洗浄液の温度は特に限定されないが、好ましくは20〜80℃、より好ましくは30〜50℃である。
本発明のホットメルト型接着剤キットは、上記タブレット状のホットメルト型接着剤組成物、表面処理剤および洗浄液を含み、半導体ウエハーなどを支持体に仮止めするための固定化剤として利用することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例で用いた結晶性化合物は、予めTHF溶液とし、20重量部のイオン交換樹脂を加えて10時間攪拌混合することによって脱イオン化処理を行い、Na,K,Ca,Fe,Cu,Ni,Cr,Alの各金属含有量が1ppmであることを確認して用いた。また、溶融温度、溶融温度幅、溶融粘度および接着強度の測定は以下のようにして行った。
<溶融温度および溶融温度幅>
示差走査熱量装置(セイコー社製「RDC220」)を用い、2℃/min、空気中での値を測定した。メインの溶融ピーク曲線のピーク温度を溶融温度とし、該溶融ピーク曲線の始点と終点との温度差を溶融温度幅とした。
<溶融粘度>
E型粘度計(東機産業社製)を用い、溶融温度にて測定した。
<接着強度>
図1に示す試験片を準備し、試験片を縦にして端をつかんで上下に一定加重で引張り、両基板が剥がれたときの引張りせん断強度を測定し、その値を接着強度とした。測定はテンシロン型引張り試験機を用い、引張速度1.67×10-4m/s、所定温度で行った。なお、図1の左上図は、接着強度測定用試験片を上から見た図であり、左下図はこの試験片を横から見た図である。
(実施例1)
コレステロール(分子量;386.7、溶融温度;150℃、溶融温度幅;1℃、溶融
粘度;2mPa・s)0.354gを直径10mmの柱状加圧成型器に秤量し、200k
g・cm-2の圧力を3分間かけ、直径10mm、厚さ5.5mmの円柱状タブレットを得た。
得られたタブレットを6インチシリコンウエハー(厚さ650μm)上におき、その上に厚み0.7mm、1辺20cmの正方形ガラス基板を乗せ、真空オーブンに入れて10Torrで150℃に加熱した。なお、接着する6インチシリコンウエハーは、ヘキサメチルジシラザンの5%イソプロピルアルコール溶液をスピンコート塗布して乾燥してウエハー表面の疎水化処理を行ったものを用いた。タブレットは、ウエハー温度が148℃程度で溶解した。この時点で真空吸引を停止し、減圧下で溶融したコレステロールの脱気を2分間行った後、1℃/minの速度で昇温して溶融したところ、コレステロールが6インチシリコンウエハー全面に広がった。真空オーブンから貼り合わせたサンプルを取り出すと直ちにコレステロールが結晶化し、両基板は強固に接着された。接着強度は5.0MPa(25℃)であり、研磨加工に十分な強度であった。また、25℃と130℃の接着強度差は0.2MPaであった。
次いで、市販の研磨装置を用いて、ガラス基板に貼り合わせたウエハーの裏面を研磨した。この時、ウエハーの温度は60℃に達したが、ウエハーが剥がれ取れることはなかった。研磨後、160℃に加熱したホットプレートにガラス基板を下にして置き、コレステロールを再び溶融させることにより、ガラス基板から研磨ウエハーを容易に剥離することができた。
次いで、剥離した研磨ウエハーを、40℃のイソプロピルアルコール中に1分間浸漬して洗浄した。ウエハーの剥離面を反射型FT―IRで表面観察したが、有機化合物に帰属される吸収は一切観察されず、張り合わせに用いた接着剤は洗浄で除去されたことを示した。また、この6インチシリコンウエハーの厚みを測定したところ、研磨前の厚み650μmに対して30μmであり、面内の厚みのバラツキは±0.5μmであったことから、良好に研磨されたことを示した。
(実施例2)
実施例1において、6インチシリコンウエハーの代わりに、貼り合わせ面の一部に10μmL/S、深さ5μmの微細配線パターンが形成された6インチアルミニウム基板(厚さ3mm)を用い、コレステロールの代わりに、エルゴステロール(分子量;396.7、溶融温度;157℃)0.5gと、界面活性剤「SF−8428」(東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.05gと、微粒二酸化珪素粒子(塩野義製薬(株)製、平均粒径;2μm)0.03gとの混合物(溶融温度;157℃、溶融温度幅;1℃、溶融粘度;1mPa・s)を用い、真空オーブンの加熱温度を160℃にしたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス基板にアルミニウム基板を貼り合わせた。接着強度は4.6MPa
(25℃)、25℃と137℃の接着強度差は0.2MPaであった。アルミニウム基板とガラス基板とを貼り合わせたサンプル(接着強度と同形状の試験片)での引っ張りせん断強度は4.0MPa(25℃)で研磨加工に十分な強度であった。
ガラス基板面からアルミニウム基板の配線パターンを顕微鏡観察するとパターンの溝部分に一様に接着剤が浸透しており、気泡は観察されなかった。
次いでアルミニウム基板を研磨した後、実施例1と同様にして剥離して洗浄した。6インチアルミニウム基板の剥離面を反射型FT―IRで表面観察したが、有機化合物に帰属される吸収は一切観察されず、張り合わせに用いた接着剤は洗浄で除去されたことを示した。この6インチアルミニウム基板の厚みを測定したところ、研磨前の厚み3mmに対して2.5mmであり、面内の厚みのバラツキは±0.01mmであったことから、良好に
研磨されたことを示した。
(実施例3)
実施例1において、6インチシリコンウエハーの代わりに1辺13cmの正方形の電解銅箔(厚さ25μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてガラス基板に銅箔(粗化面)を貼り合わせ、次いで、銅箔の光沢面に絶縁膜ワニス「WPR-1020」(JSR(株)製)をスピンコート法にて2μm厚で塗布し、140℃で1時間乾燥して絶縁膜を形成した。絶縁膜の厚さバラツキを測定したところ、平均膜厚が2.05μm、バラツキが0.02μmであり、通常のシリコンウエハーにスピンコート法にて絶縁膜を形成するのと同等のバラツキであり、ガラス基板と銅箔との貼り合わせが均一であることがわかった。また、絶縁膜を形成するための140℃での乾燥工程においても、銅箔がガラス基板から剥がれることはなく、接着性は140℃でも保持されていた。
(実施例
上記化学式(8)で示される化合物(分子量;404.7、溶融温度;223℃、溶融温度幅;4℃、溶融粘度;4mPa・s) 0.354gを直径10mmの柱状加圧成型器に秤量し、200kg・cm-2の圧力を3分間かけ、直径10mm、厚さ5.5mmの円柱状タブレットを得た。
得られたタブレットを6インチシリコンウエハー(厚さ100μm)上におき、その上に厚み650μmの6インチシリコンウエハーを乗せ、真空オーブンに入れて10Torrで250℃に加熱した。なお、上に乗せた6インチシリコンウエハーは、ヘキサメチルジシラザンの5%イソプロピルアルコール溶液をスピンコート塗布して乾燥してウエハー
表面の疎水化処理を行ったものを用いた。実施例1と同様の操作で2枚のシリコンウエハーを貼り合わせた。接着強度は6.0MPa(25℃)であり、アニール処理加工に十分な強度であった。また、25℃と203℃の接着強度差は0.3MPaであった。
次いで、貼り合わせたウエハーを200℃のオーブン中で1時間アニール処理を行った。オーブンへの出し入れなど貼り合わせウエハーの取扱中にウエハーが剥がれ取れることはなかった。
(比較例1)
実施例1において、コレステロールの代わりに液状ワックス(溶融温度;90℃、溶融温度幅;35℃、溶融粘度;50mPa・s、日化精工(株)製「スカイリキッドKNシリ
ーズ」)3gを用いて、ウエハー上に塗布したこと以外は、実施例1と同様にしてガラス基板とシリコンウエハーとの貼り合わせ操作を110℃で行った。ガラスの自重だけではワックスがウエハーとガラス基板との間に広がらず、0.5kg/cm2の圧力をかけて
接着させた。接着強度は3.0MPa、25℃と70℃の接着強度差は2.5MPaであった。
次に6インチシリコンウエハーの裏面を研磨したが、研磨時の発熱に伴う接着強度低下の影響のためか、研磨後はウエハーとガラス基板が0.2mm程研磨機の回転方向にずれていた。実施例1と同様にして、ガラス基板からウエハーを外そうとしたが、粘着性があり、熱のみでは剥がれず、研磨したウエハーの端をピンセットで挟むなど研磨ウエハーに直接外力を加えないと引き剥がせなかった。このため、6インチシリコンウエハーが研磨できる厚みは200μmが限度で、これより薄くなるまで研磨すると、引き剥がすときにウエハーが破損した。
実施例における接着強度の測定方法を示す概略図である。

Claims (6)

  1. 溶融温度が50〜300℃であり、かつ分子内にステロイド骨格を有する結晶性化合物(但し、エステル誘導体を除く)の含有量が70重量%以上である組成物であって、
    該組成物の溶融温度幅が30℃以下であり、かつ、該組成物の溶融温度における溶融粘度が0.1Pa・s以下であることを特徴とするホットメルト型接着剤組成物。
  2. 上記組成物中のアルカリ金属イオンおよび重金属イオン含有量の合計が100ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のホットメルト型接着剤組成物。
  3. 上記結晶性化合物が、コレステロール、コプロスタノール、チモステロール、エルゴカルシフェロール、β-シトステロール、ラノステロール、11-デオキシコルチコステロン、コレスタノール、テストステロン、エルゴステロール、スチグマステロール、エストラジオール、コルチコステロン、エピコレスタノール、アンドロステロン、17α-ヒドロキシ-11-デオキシコルチコステロン、ギトキシゲニン、エピコプロスタノール、カルシフェロール、プロゲステロン、デヒドロエピアンドロステロン、7-デヒドロコレステロール、アグノステロール、11-デヒドロコルチコステロン、プレドニソロン、ジギトキシゲニン、エストロン、β-エストラジオール、コルチソンおよび下記化学式(1)〜(8)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のホットメルト型接着剤組成物。
    Figure 0004899308
  4. 上記組成物が表面張力調整剤を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のホットメルト型接着剤組成物。
  5. 上記表面張力調整剤が、フッ化アルキル基を有するフッ素系界面活性剤およびオキシアルキル基を有するポリエーテルアルキル系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載のホットメルト型接着剤組成物。
  6. 上記接着剤組成物を用いてウェハーとガラス基板とを接着した時の25±2℃における接着強度をA(MPa)とし、組成物の溶融温度より20℃低い温度における接着強度をB(MPa)とした場合、該接着強度AおよびBが下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のホットメルト型接着剤組成物。
    0<A−B<0.5 (1)
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