JP5688080B2 - 液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、DNAを含む液体、液体原料及び液体燃料等の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
従来から、液体を加圧するための加圧室等の空洞部を内部に備えるセラミックス積層体が知られている。このようなセラミックス積層体は、例えば、DNAチップを製造するための装置、燃料噴射装置等の「流体噴射用アクチュエータ」、インクジェットプリンタのアクチュエータ、燃料電池(SOFC)、スイッチング素子、及び、センサ等として広い分野において使用されている(特許文献1を参照。)。
一般に、このようなセラミックス積層体は以下に述べる手順を経て製造される。
(1)セラミックグリーンシートを準備する。
(2)「金型パンチ及びダイ」を用いた打ち抜き加工により、セラミックグリーンシートに所定形状の貫通孔を形成する。
(3)貫通孔が形成されたセラミックグリーンシート及び貫通孔が形成されていないセラミックグリーンシートを積層する。
(4)積層された複数のセラミックグリーンシートを焼成し、一体化する。
特許第3600198号
しかしながら、金型パンチ及びダイを用いた打ち抜き加工は、破断により貫通孔を形成する。従って、セラミックグリーンシートを打ち抜く際、そのセラミックグリーンシートに大きな力が加わる。この結果、破断面が荒れ、或いは、破断部にバリ及びクラックが発生する場合がある。特に、加圧室(空洞部)が微細化するにつれ、これらの変形、バリ及びクラック等は加圧室(空洞部)の形状精度に大きな悪影響を及ぼす。更に、「金型パンチ及びダイ」は打ち抜き加工に耐える硬度を備える必要があるから、それらは高い硬度を有する材質から形成される。高い硬度を有する材質を用いて小型の「金型パンチ及びダイ」を製作することは困難であるから、加圧室(空洞部)の小型化にも限界がある。
本発明は、上記課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、加圧室が微細化した場合及び隣接する加圧室間の距離が短い場合等においても、高い形状精度を有する液滴吐出ヘッドを製造することができる「液滴吐出ヘッドの製造方法」を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による液滴吐出ヘッドの製造方法(以下、「本製造方法」と称呼する。)の一つは、「液体を収容するための加圧室と、前記加圧室に連通するノズル部と、を備える液滴吐出ヘッド本体」を含む液滴吐出ヘッドを製造するための製造方法である。
本製造方法は、(1)スラリー準備工程、(2)第1型準備工程、(3)第1多孔質板準備工程、(4)第1成形体作成工程、(5)第2型準備工程、(6)第2多孔質板準備工程、(7)第2成形体作成工程、(8)焼成前ヘッド本体作成工程、及び、(9)焼成工程、を含む。
(1)スラリー準備工程
スラリー準備工程は、セラミック粉末と、前記セラミック粉末の溶剤と、有機材料と、を含むスラリーを準備する工程である。
(2)第1型準備工程
第1型準備工程は、少なくとも一つの面が平面である第1基部と、前記第1基部の前記平面から立設するとともに前記加圧室と実質的に同一形状の凸部を含む第1凸部と、を有する第1型を準備する工程である。この第1型の成形面は、前記第1基部の前記平面のうち前記第1凸部が存在していない部分と、前記第1凸部の表面と、により構成される。
(3)第1多孔質板準備工程
第1多孔質板準備工程は、少なくとも一つの面が平面であり且つ気体が通過可能な第1多孔質板を準備する工程である。
(4)第1成形体作成工程
第1成形体作成工程は、前記スラリーを「前記第1多孔質板の平面と前記第1型の成形面との間」に存在させた状態において、前記第1多孔質板と前記第1型とを対向配置し、前記スラリーに含まれる前記溶剤を前記第1多孔質板の細孔内に浸み込ませて同スラリーを乾燥させることにより、乾燥後の第1成形体を作成する工程である。
(5)第2型準備工程
第2型準備工程は、少なくとも一つの面が平面である第2基部と、前記第2基部の前記平面から立設するとともに前記ノズル部と実質的に同一形状の凸部を含む第2凸部と、を有する第2型を準備する工程である。この第2型の成形面は、前記第2基部の前記平面のうち前記第2凸部が存在していない部分と、前記第2凸部の表面と、により構成される。
(6)第2多孔質板準備工程
第2多孔質板準備工程は、少なくとも一つの面が平面であり且つ気体が通過可能な第2多孔質板を準備する工程である。
(7)第2成形体作成工程
第2成形体作成工程は、前記スラリーを「前記第2多孔質板の平面と前記第2型の成形面との間」に存在させた状態において、前記第2多孔質板と前記第2型とを対向配置し、前記スラリーに含まれる前記溶剤を前記第2多孔質板の細孔内に浸み込ませて同スラリーを乾燥させることにより、乾燥後の第2成形体を作成する工程である。
(8)焼成前ヘッド本体作成工程
焼成前ヘッド本体作成工程は、「前記第1多孔質板の平面により形成された前記第1成形体の平面部」と「前記第2多孔質板の平面により形成された前記第2成形体の平面部」とが互いに平行になるように、前記第1成形体と前記第2成形体とを接合することを含み、これにより、焼成前の液滴吐出ヘッド本体を作成する工程である。この接合は、接着剤等を含む接着層を塗布することにより行うことができる。好ましくは、前記スラリーを塗布することが焼成収縮差に起因する歪低減の点から良い。
(9)焼成工程
焼成工程は、前記焼成前の液滴吐出ヘッド本体を焼成する工程である。
スラリー準備工程、第1型準備工程、及び、第1多孔質板準備工程は、第1成形体作成工程の前までに実施されれば、その実施順序はどのような順序であってもよい。同様に、スラリー準備工程、第2型準備工程、及び、第2多孔質板準備工程は、第2成形体作成工程の前までに実施されれば、その実施順序はどのような順序であってもよい。更に、第1成形体作成工程及び第2成形体作成工程は、焼成前ヘッド本体作成工程の前までに実施されれば、その実施順序はどのような順序であってもよい。
この製造方法によれば、加圧室が、スラリーを型によって成形することに基いて作成される。従って、加圧室が微細化した場合及び隣接する加圧室間の距離が短い場合等においても、高い形状精度を有する液滴吐出ヘッドを製造することができる。更に、ノズル部が、スラリーを型によって成形することに基いて作成される。従って、ノズル部の表面が滑らかであり、且つ、ノズル部にバリ等が発生しない。その結果、液滴を安定して吐出することができる液滴吐出ヘッドが提供される。
更に、この製造方法によれば、液滴吐出ヘッド本体の上部となる部分(加圧室を構成する部分)と、液滴吐出ヘッド本体の下部となる部分(ノズル部を構成する部分)と、が別々に成形される。従って、一つの型を用いてスラリーの乾燥及び成形を行うことにより液滴吐出ヘッド本体を作成する場合に比べ、一回の成形時において乾燥すべきスラリーの容量及び厚さを小さくすることができる。この結果、スラリーの「乾燥及び成形」に要する時間を短くすることができる。
この場合、前記焼成前ヘッド本体作成工程は、
前記第1成形体の平面部と前記第2成形体の平面部とが接触するように、前記第1成形体と前記第2成形体とを接合する工程とすることができる。
これによれば、液滴吐出ヘッド本体の上面は「前記第1型の第1基部の平面」により成形された面となる。液滴吐出ヘッド本体の下面は「前記第2型の第2基部の平面」により成形された面となる。従って、液滴吐出ヘッド本体の上面及び下面の平坦性が高いので、液滴吐出ヘッド本体の上面及び下面に他の部材(例えば、振動板や蓋体等、及び、後述する貫通孔を備えた部材等)を強固に接合することが可能となる。
更に、この場合、前記焼成工程の後に、貫通孔を備えた部材を同貫通孔が前記ノズル部に連通するように、前記焼成された液滴吐出ヘッド本体の前記第2成形体側の表面(液滴吐出ヘッド本体の下面)に接合する他部材接合工程を備えることが望ましい。
前述したように、液滴吐出ヘッド本体の下面は「第2型の第2基部の平面」により成形された面であるので、平坦性が高い。従って、液滴吐出のための貫通孔(先端側ノズル)を備える他の部材を液滴吐出ヘッド本体の下面に強固に接合することができる。
更に、前記焼成前ヘッド本体作成工程は、
前記第1成形体と前記第2成形体とを接合した後、前記第1多孔質板の平面と前記第1型の第1凸部の頂面とにより作成された第1残部の一部と、前記第2多孔質板の平面と前記第2型の第2凸部の頂面とにより作成された第2残部の一部と、を除去することを含むことができる。
本発明による液滴吐出ヘッドの製造方法の他の態様の一つは、
前述したスラリー準備工程と、
少なくとも一つの面が平面である基部と、前記基部の前記平面から立設するとともに前記加圧室及び前記ノズル部を含む液体室と実質的に同一形状の凸部を含む凸状部と、を有し、前記基部の平面のうち前記凸状部が存在していない部分と前記凸状部の表面とが成形面を構成する型を準備する型準備工程と、
前述した第1多孔質板準備工程と同様の多孔質板準備工程と、
前記スラリーを前記多孔質板の平面と前記型の成形面との間に存在させた状態において前記多孔質板と前記型とを対向配置し、前記スラリーに含まれる前記溶剤を前記多孔質板の細孔内に浸み込ませて同スラリーを乾燥させることにより、焼成前の液滴吐出ヘッド本体を作成する焼成前ヘッド本体作成工程と、
前記焼成前の液滴吐出ヘッド本体を焼成する焼成工程と、
を含む。
これによれば、一つの型を用いて液滴吐出ヘッド本体が作成される。従って、液滴吐出ヘッド本体を作成するために二つの成形体を接合する必要がないので、工程を簡素化することができる。更に、液滴吐出ヘッド本体を作成するために二つの成形体を位置合わせしながら圧着する必要がないので、所望の形状の液滴吐出ヘッドを簡単に製造することができる。なお、スラリー準備工程、型準備工程、及び、多孔質板準備工程は、成形体作成工程の前までに実施されれば、その実施順序はどのような順序であってもよい。
本発明装置の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1の(A)は、本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法(第1製造方法)により作成される液滴吐出ヘッド本体の平面図であり、図1の(B)は第1製造方法により作成される液滴吐出ヘッドの断面図である。 図2の(A)は第1製造方法において使用される第1型の長手方向に沿う縦断面図、図2の(B)は第1型の短手方向に沿う縦断面図、図2の(C)は第1型の部分斜視図である。 図3は第1製造方法の「第1多孔質板準備工程及び第1成形体作成工程」を説明するための図である。 図4は第1製造方法の第1成形体作成工程を説明するための図である。 図5は第1製造方法の第1成形体作成工程を説明するための図である。 図6は第1製造方法の第1成形体作成工程を経て作成された第1成形体の断面図である。 図7の(A)は第1製造方法において使用される第2型の長手方向に沿う縦断面図、図7の(B)は第2型の短手方向に沿う縦断面図、図7の(C)は第2型の部分斜視図である。 図8は第1製造方法の「第2多孔質板準備工程及び第2成形体作成工程」を説明するための図である。 図9は第1製造方法の第2成形体作成工程を説明するための図である。 図10は第1製造方法の第2成形体作成工程を説明するための図である。 図11は第1製造方法の第2成形体作成工程を経て作成された第2成形体の断面図である。 図12は第1製造方法の焼成前ヘッド本体作成工程を説明するための図である。 図13は第1製造方法の焼成前ヘッド本体作成工程を説明するための図である。 図14は第1製造方法の焼成前ヘッド本体作成工程を説明するための図である。 図15は従来の打ち抜き加工により作成されたノズル部の拡大写真である。 図16は第1製造方法により作成されたノズル部の拡大写真である。 図17は第1製造方法により作成されたノズル部の拡大写真である。 図18の(A)は本発明の第2実施形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法(第2製造方法)において使用される第1型の長手方向に沿う縦断面図、図18の(B)はその第1型の短手方向に沿う縦断面図、図18の(C)はその第1型の部分斜視図である。 図19は第2製造方法の「第1多孔質板準備工程及び第1成形体作成工程」を説明するための図である。 図20は第2製造方法の第1成形体作成工程を説明するための図である。 図21は第2製造方法の第1成形体作成工程を説明するための図である。 図22は第2製造方法の第1成形体作成工程を経て作成された第1成形体の断面図である。 図23は第2製造方法の焼成前ヘッド本体作成工程を説明するための図である。 図24は第2製造方法の焼成前ヘッド本体作成工程を説明するための図である。 図25は第2製造方法の焼成前ヘッド本体作成工程を説明するための図である。 図26の(A)は、第2製造方法により作成された液滴吐出ヘッド本体の平面図であり、図26の(B)は第2製造方法により作成された液滴吐出ヘッドの断面図である。 図27の(A)は、本発明の第3実施形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法(第3製造方法)において使用される型(第3型)の長手方向に沿う縦断面図、図27の(B)は第3型の短手方向に沿う縦断面図、図27の(C)は第3型の部分斜視図である。 図28は第3製造方法の「多孔質板準備工程及び成形体作成工程」を説明するための図である。 図29は第3製造方法の成形体作成工程を説明するための図である。 図30は第3製造方法の成形体作成工程を説明するための図である。 図31は第3製造方法の成形体作成工程を経て作成された成形体の断面図である。 図32は第3製造方法の焼成前ヘッド本体作成工程を説明するための図である。 図33は第3製造方法により作成された液滴吐出ヘッド本体の部分拡大写真である。 図34は、第3製造方法の変形例における残膜の除去方法を説明するための図である。 図35は、第3製造方法の変形例により作成された焼成前ヘッド本体の断面図である。 図36は、第1製造方法及び第2製造方法の変形例における残膜の除去方法を説明するための図である。 図37は、第1製造方法及び第2製造方法の変形例により作成された乾燥後の第2成形体の断面図である。 図38は本発明の変形例に係る液滴吐出ヘッドの製造方法(変形例)を説明するための図である。 図39は本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の変形例(第1実施形態の変形例)を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態に係る「液滴吐出ヘッドの製造方法」について説明する。なお、以下に述べる工程の実施順序は、矛盾が生じない範囲において入れ替えることができる。
<第1実施形態>
先ず、本発明の第1実施形態に係る「液滴吐出ヘッドの製造方法」により製造される液滴吐出ヘッド10の概略構造について説明する。以下、第1実施形態に係る製造方法は、第1製造方法とも称呼される。
図1の(A)及び(B)に示したように、液滴吐出ヘッド10は、液滴吐出ヘッド本体(ヘッド本体)20、振動板30、液体貯留室蓋体40、複数(図1に示した例において9個)の圧電素子50、及び、吐出孔先端部形成体60、を備えている。なお、図1の(A)は、振動板30、液体貯留室蓋体40、複数の圧電素子50、及び、吐出孔先端部形成体60を取り外した状態にある液滴吐出ヘッド10(即ち、ヘッド本体20)の平面図である。図1の(B)は、図1の(A)の1−1線に沿った平面にて液滴吐出ヘッド10を切断した断面図である。
ヘッド本体20はセラミックからなる。ヘッド本体20は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸のそれぞれに平行な辺を有する直方体形状を備える。即ち、図1の(A)に示したように、ヘッド本体20の平面視(Z軸正方向からZ軸に沿ってヘッド本体20を見た場合)における形状は長方形である。この長方形の長辺及び短辺は、X軸及びY軸にそれぞれ平行である。ヘッド本体20の厚み(高さ)方向はZ軸に平行である。なお、以下において、説明の便宜上、Z軸正方向を上方向と定義し、Z軸負方向を下方向と定義する。
ヘッド本体20の上部には、複数の加圧室21を構成する複数(図1に示した例において9個)の溝部21aが形成されている。複数の溝部21aは互いに同一形状を有している。各溝部21aは略直方体形状を有する。
より具体的に述べると、溝部21aは、平面視において「X軸に沿って伸びる長辺、及び、Y軸に沿って伸びる短辺」を備える。溝部21aのX軸に沿って伸びる長辺の一端は、ヘッド本体20のX軸負方向端部近傍に位置する。溝部21aのX軸に沿って伸びる長辺の他端は、ヘッド本体20のX軸方向の略中央部に位置する。溝部21aの底面は、平面をなし、ヘッド本体20の厚み方向の略中央部に存在している。即ち、溝部21aの深さ(高さ)は、ヘッド本体20の厚み(高さ)の半分程度である。
ヘッド本体20には「ノズル部21b及び貫通孔H」が形成されている。ノズル部21b及び貫通孔Hは、溝部21aの底面のX軸負方向端部近傍に設けられている。ノズル部21bは円錐台形状である。貫通孔Hは円柱状である。貫通孔Hは溝部21aの底面に開口し、ノズル部21bはヘッド本体20の下面に開口している。ノズル部21b及び貫通孔Hは同軸的に配置されている。ノズル部21bは、貫通孔Hとともに、溝部21aの底面とヘッド本体20の下面とを連通している。ノズル部21b及び貫通孔Hは、基端側ノズル部とも称呼される。
ヘッド本体20の上部には、液体貯留室(インクタンク室)22を構成する凹部22aが形成されている。凹部22aは略直方体形状を有する。
より具体的に述べると、凹部22aは、平面視において「X軸に沿って伸びる長辺、及び、Y軸に沿って伸びる短辺」を備える。凹部22aのX軸に沿って伸びる長辺の一端は、ヘッド本体20のX軸正方向端部近傍に位置する。凹部22aのX軸に沿って伸びる長辺の他端は、ヘッド本体20のX軸方向の略中央部に位置し、溝部21aのX軸に沿って伸びる長辺の他端と所定距離だけ離れている。凹部22aのY軸に沿って伸びる短辺の一端は、複数の溝部21aのうちのY軸正方向端部に位置する溝部21aの短辺のY軸正方向端部よりも、Y軸正方向側の部分に位置している。凹部22aのY軸に沿って伸びる短辺の他端は、複数の溝部21aのうちのY軸負方向端部に位置する溝部21aの短辺のY軸負方向端部よりも、Y軸負方向側の部分に位置している。凹部22aの底面は、平面をなし、ヘッド本体20の厚み方向の略中央部に存在している。凹部22aの深さ(高さ)は溝部21aの深さ(高さ)と同じである。
ヘッド本体20の上部には、複数の液体流通孔23を構成する複数(図1に示した例において9個)の溝部23aが形成されている。一つの溝部23aは一つの溝部21aに対応するように設けられている。複数の溝部23aは互いに同一形状を有している。各溝部23aは略直方体形状を有する。
より具体的に述べると、溝部23aは、平面視において「X軸に沿って伸びる長辺、及び、Y軸に沿って伸びる短辺」を備える。一つの溝部23aのX軸に沿って伸びる長辺の一端は、一つの溝部21aのX軸正方向端部に位置する「Y軸に沿って伸びる短辺」にまで伸びている。各溝部23aのX軸に沿って伸びる長辺の他端は、凹部22aのX軸負方向端部に位置する「Y軸に沿って伸びる短辺」にまで伸びている。溝部23aのY軸に沿って伸びる短辺の長さは、溝部21aのY軸に沿って伸びる短辺の長さよりも小さい。一つの溝部23aは、一つの溝部21aと凹部22aとを連通している。溝部23aの底面は、平面をなし、ヘッド本体20の厚み方向の略中央部に存在している。溝部23aの深さ(高さ)は溝部21aの深さ(高さ)と同じである。
振動板30は、Z軸方向に小さな厚み(高さ)を有するセラミックの薄板である。振動板30は容易に変形可能である。振動板30の平面視における形状は長方形である。振動板30のX軸正方向端部の位置は溝部21aのX軸正方向端部の位置と略一致している。振動板30のX軸負方向端部の位置はヘッド本体20のX軸負方向端部の位置と略一致している。振動板30の「Y軸正方向の端部及びY軸負方向の端部」は、ヘッド本体20の「Y軸正方向の端部及びY軸負方向の端部」とそれぞれ略一致している。振動板30は、ヘッド本体20の上面と接するように配設されている。従って、振動板30は、総ての溝部21aの上部を覆っている。この結果、溝部21aの底面及び側面と、振動板30の下面と、により加圧室21が形成されている。
液体貯留室蓋体40はZ軸方向に厚み(高さ)を有するセラミックの板である。液体貯留室蓋体40の平面視における形状は長方形である。液体貯留室蓋体40のX軸正方向端部の位置はヘッド本体20のX軸正方向端部の位置と略一致している。液体貯留室蓋体40のX軸負方向端部の位置は振動板30のX軸正方向端部の位置と一致している。即ち、液体貯留室蓋体40のX軸負方向端部は、振動板30のX軸正方向端部と密着している。液体貯留室蓋体40の「Y軸正方向の端部及びY軸負方向の端部」は、ヘッド本体20の「Y軸正方向の端部及びY軸負方向の端部」とそれぞれ略一している。液体貯留室蓋体40は、ヘッド本体20の上面と接するように配設されている。従って、液体貯留室蓋体40は、凹部22aの上部を覆っている。この結果、凹部22aの底面及び側面と、液体貯留室蓋体40の下面と、により液体貯留室22が形成されている。
更に、液体貯留室蓋体40は、溝部23aの上部を覆っている。この結果、溝部23aの底面及び側面と、液体貯留室蓋体40の下面と、により液体流通孔23が形成されている。一つの液体流通孔23は、一つの加圧室21と液体貯留室22とを液体が通流可能となるように連通している。
液体貯留室蓋体40には、液体供給連通穴40aが形成されている。液体供給連通穴40aは、平面視において液体貯留室蓋体40の略中央部に設けられている。液体供給連通穴40aは、液滴吐出ヘッド本体20の外部と液体貯留室22とを液体が通流可能となるように連通している。
複数の圧電素子50のそれぞれは、平面視において「X軸に沿って伸びる長辺、及び、Y軸に沿って伸びる短辺」を備える。圧電素子50の平面視における形状は、加圧室21(従って、溝部21a)の平面視における形状と略一致している。複数の圧電素子50のそれぞれは、振動板30を挟んで、複数の加圧室21のそれぞれと対向するように形成されている。
吐出孔先端部形成体60は、本例において金属(例えば、SUS)及び樹脂等からなる板である。吐出孔先端部形成体60の上面は、ヘッド本体20の下面に接合(接着)されている。吐出孔先端部形成体60には複数(図1に示した例において9個)の液体吐出孔60aが形成されている。液体吐出孔60aは、吐出孔先端部形成体60を、その厚み方向において貫通している。液体吐出孔60aは先端側ノズル部とも称呼される。複数の液体吐出孔60aは互いに同一形状を有する。液体吐出孔60aの形状は逆円錐台形状である。液体吐出孔60aは、ノズル部21bと同軸となるように配設されている。その結果、液体吐出孔60aは、ヘッド本体20の下面に開口したノズル部21bの端部と、吐出孔先端部形成体60の下面とを連通している。
このように構成された液滴吐出ヘッド10において、液体(例えば、インク)は液体供給連通穴40aを通して液滴吐出ヘッド10の外部から液体貯留室22へと供給される。液体貯留室22の液体は、液体流通孔23を通して加圧室21に供給される。圧電素子50が、図示しない駆動源からの電力により変形させられると、振動板30が変形する。この結果、加圧室21内の液体は加圧され、貫通孔H、ノズル部21b(基端側ノズル部)及び液体吐出孔(先端側ノズル部)60aを通して、液滴吐出ヘッド10の下面から液滴として吐出される。
次に、第1製造方法について、工程別に説明する。
(スラリー準備工程)
先ず、スラリーSLを準備する。スラリーSLは、主原料の粒子としてのセラミック粉末、セラミック粉末の溶剤、有機材料及び可塑剤からなっている。これらの重量比率は、例えば、セラミック粉末:溶剤:有機材料:可塑剤=100:50〜100:5〜10:2〜5である。本例において、セラミック粉末はアルミナ及びジルコニア等からなり、溶剤はトルエン及びイソプロピルアルコール等からなる。有機材料はポリビニルブチラール等からなる。可塑剤はフタル酸系ブチルである。各材料及び重量比率は、これらに限定されるものではない。更に、このスラリーの粘性は、例えば、0.1〜100Pa・secであることが望ましい。
(第1型準備工程)
図2の(A)乃至(C)に示した第1型(押し型・スタンパ)100を準備する。図2の(A)は第1型100を長手方向(X軸方向)に沿う平面(X−Z平面)にて切断した第1型100の断面図である。図2の(B)は第1型100を「第1型100のX軸中央部よりもX軸負方向側の所定位置において」短手方向(Y軸方向)に沿う平面(Y−Z平面)により切断した第1型100の断面図である。図2の(C)は第1型100の部分斜視図である。第1型100は、第1基部101と、第1凸部102と、第1枠部103と、を備えている。
第1基部101は平板状である。従って、第1基部101は少なくとも一つの平面101uを備えている。
第1凸部102は平面101uから立設している。第1凸部102は、前述した「複数の溝部21a、凹部22a及び複数の溝部23a」と実質的に同一の形状を有している。即ち、第1凸部102は、「複数の加圧室21、液体貯留室22及び複数の液体流通孔23」と実質的に同一の形状を有している。換言すると、第1凸部102は、互いに平行に配列される複数の加圧室21と実質的に同一形状の凸部を含む凸状部である。
第1枠部103は、第1基部101の外周部の全体に渡り平面101uから立設している。第1枠部103の内側面のなす形状は、ヘッド本体20の外周面のなす形状と実質的に同一である。平面101uと第1枠部103の頂面103aとの距離(即ち、第1枠部103の高さ)は、平面101uと第1凸部102の頂面102aとの距離(即ち、第1凸部102の高さ)と同じである。
第1型100の成形面は、第1基部101の平面101uのうち「第1凸部102及び第1枠部103」が存在していない部分(表面)と、第1凸部102の表面と、第1枠部103の内側の側面と、により構成されている。
第1型100の成形面は離型剤により被覆されていることが好ましい。この点は、後述する「第2型200及び第3型300」等の他の型においても同様である。この場合、型と離型剤との密着力を向上させるために、離型剤を型(型の成形面、即ち、離型面)に塗布する前に型の洗浄を行っておくことが望ましい。この洗浄は、超音波洗浄、酸洗浄、アルカリ洗浄、及び、紫外線オゾン洗浄等により行うことができる。この洗浄により、離型剤が塗布される予定の成形面(洗浄表面)が原子レベルにまで清浄されることが好ましい。離型剤の一例は、ダイキン工業株式会社製の「オプツールDSX」等のフッ素系離型剤である。離型剤は、シリコン系又はワックス系の離型剤であってもよい。離型剤は、ディッピング、スプレー塗布、及び、刷毛塗り等により塗布された後、乾燥及び洗浄の各工程を通して型の表面に膜状に形成される。型の表面を、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングによる無機膜処理によって被覆してもよい。更に、第1型100の表面を、DLCコーティングによる無機膜処理と、離型剤による処理と、を組み合わせることにより被覆してもよい。
(第1多孔質板準備工程)
気体が通過可能な第1多孔質板120を準備する(図3を参照。)。第1多孔質板120の少なくとも一つの面120u(実際には両面)は平面である。このような多孔質板の代表例は、樹脂からなる多孔質フィルムである。第1多孔質板120の細孔径(平均細孔径、目開き)は、スラリーSLのセラミック粉末の粒径(平均粒子径)よりも小さく、溶剤の分子径よりも大きい。より具体的には、第1多孔質板120は、その細孔径が1μm以下(更に、望ましくは0.5μm以下)の「ポリプロピレン及びポリオレフィン等」からなる多孔質フィルムである。なお、第1多孔質板120は、多孔質セラミック基板、及び、多孔質金属(例えば、焼結金属)基板、等であってもよい。
(第1成形体作成工程)
図3に示したように、第1型100の第1枠部103の内部にスラリーSLを充填する。スラリーSLの充填は塗布により行われる。この工程は「第1スラリー充填(塗布)工程」とも称呼される。スラリーSLは、塗布以外の適当な方法(例えば、ディッピング、スキージ、刷毛塗り、及び、ディスペンサーによる充填等)により充填されてもよい。更に、スラリー充填率を向上させために、スラリーSLを第1枠部103の内部に充填させる際、第1型100に超音波振動を加えても良く、或いは、真空脱気して第1型100内に残存している気泡を除去してもよい。また、スラリーSLを第1型100と別途準備される平板との間に存在させた状態において第1型100を平板に押しつけることにより、スラリーSLを第1型100内に充填させてもよい。その平板には、スラリーSLが転写しないように(即ち、第1型100を平板から離す際、第1型100内に充填されたスラリーSLが平板に残存することがないように)、離型処理されたPETフィルム等を用いることができる。
この第1スラリー充填工程において、スラリーSLは、第1型100に対して多めに充填される。これは、スラリーSLを充填する際のスラリーSLの圧力(充填圧)を高めることにより、スラリーSLの充填率を上げるためである。また、スラリーSLが乾燥する際、スラリーSLが収縮することを考慮する必要があるからである。この結果、図3に示したように、スラリーSLは、そのスラリーSLの表面が第1枠部103の頂面103aよりも外側に存在するように、第1型100に充填される(図3の距離t1を参照。)。
一方、図3に示したように、第1多孔質板120を「多孔質の焼結金属130の上面(焼結金属130の両方の面のうちの一方の面)」に載置する。焼結金属130は、「緻密で熱伝導性のある材質」からなる枠体140内に収容されている。即ち、焼結金属130は、その上面を除く周囲(側面及び下面)が枠体140により覆われている。枠体140の側部には吸引用連通管141が挿入されている。吸引用連通管141は図示しない真空ポンプに接続されている。
枠体140は、ホットプレート(加熱装置)150の上に載置されている。ホットプレート150は通電されたときに発熱し、枠体140及び焼結金属130を介して第1多孔質板120の下面(他方の面、即ち、第1多孔質板120の一部)を加熱するようになっている。
次に、図4に示したように、スラリーSLを「第1多孔質板120の平面120uと第1型100の成形面との間」に存在させた状態において、第1多孔質板120と第1型100とが対向するように、第1多孔質板120と第1型100とを配置する。即ち、スラリーSLが充填された第1型100を第1多孔質板120の平面120uの上に搭載する。このとき、第1型100を第1多孔質板120に対して適当な力で押圧する。
この結果、図4に矢印により示したように、「第1型100の内部に保持されているスラリーSL」に含まれる溶剤が、毛細管現象によって、第1多孔質板120の平面120u(スラリーSLと第1多孔質板120との接触面)近傍の細孔内に浸み込むとともに気化(蒸発)する。これにより、スラリーSLが乾燥して行く。
更に、この工程において、前述した真空ポンプを駆動する。この真空ポンプの駆動により、第1多孔質板120内に存在するガスが排出される(白抜きの矢印Aを参照。)。従って、第1多孔質板120の内部の圧力は、大気圧よりも低圧(例えば、大気圧よりも80kPa低い圧力)になる。これによって、スラリーSLに含まれている溶剤が、第1多孔質板120の細孔(特に、第1多孔質板120の表面近傍の細孔)内に効率的に吸引される(浸み込みながら気化して行く)。この場合、真空度(第1多孔質板120内部圧力)は、0〜−100kPaであることが好ましく、−80〜−100kPaであることが更に好ましい。
なお、真空ポンプの駆動により第1多孔質板120の細孔内を低圧化する場合、「焼結金属130の露呈面、及び、第1多孔質板120の露呈面」を、気密性の高いフィルムなどで覆うことにより、焼結金属130及び第1多孔質板120を密閉することがより好ましい。焼結金属130の露呈面とは、焼結金属130の表面のうち「枠体140及び第1多孔質板120」により覆われていない表面のことである。第1多孔質板120の露呈面とは、第1多孔質板120の側面と、第1多孔質板120の平面(上面)120uのうち第1型100によって覆われていない表面と、からなる部分のことである。「焼結金属130の露呈面、及び、第1多孔質板120の露呈面」を密閉しない場合、第1多孔質板120内の真空度が低下するので、溶剤の気化の効率が低下する。また、スラリーSLの溶剤が気化した部分に負圧が発生し、その部位に大気が流入する。その結果、特に、スラリーSLの第1多孔質板120の近傍部位に気孔が発生する場合がある。これに対し、上記のように「焼結金属130の露呈面、及び、第1多孔質板120の露呈面」を密閉すると、そのような気孔の発生を防止することができる。
加えて、この工程において、ホットプレート150に通電する。従って、第1多孔質板120の温度が上昇するので、第1多孔質板120の細孔内に浸み込んだ溶剤は容易に蒸発(拡散)する。この結果、スラリーSLは乾燥され固化し、乾燥後の第1成形体110が「第1型100と第1多孔質板120との間」に作成される。
なお、この工程において、ホットプレート150を最も上方に位置させ、そのホットプレート150の下方に枠体140、焼結金属130及び第1多孔質板120を保持し、その第1多孔質板120に向けて「スラリーSLを充填した第1型100」を押圧してもよい。即ち、図4に示した構成の上下を逆転してもよい。これにより、気化した溶剤は垂直上方へと蒸発(拡散)する。従って、比重の小さい気化した溶剤が蒸発(拡散)し易くなるので、スラリーSL内に気孔が発生し難い。
また、真空ポンプの駆動による第1多孔質板120の細孔内の低圧化は任意である。従って、焼結金属130及び枠体140は、単なる基台に置換されてもよい。更に、ホットプレート150による第1多孔質板120の加熱も任意である。従って、ホットプレート150は省略されてもよい。更に、本例においては、第1型100を第1多孔質板120に対向配置する際には第1型100を第1多孔質板120に対して適当な力で押圧するが、その後の「真空ポンプの駆動による第1多孔質板120の細孔内の低圧化中、及び、ホットプレート150による第1多孔質板120の加熱中」には、第1型100には何らの押圧力を加えないか、或いは、第1多孔質板120の密度が局所的に変化することのない程度の適正な押圧力を加える。
その後、スラリーSLが乾燥して「乾燥後第1成形体110」が形成されると、「第1型100、第1多孔質板120及び乾燥後第1成形体110」は冷却される。次いで、図5に示したように、第1型100が「第1多孔質板120及び乾燥後の第1成形体110」から除去される。すなわち、離型工程が実施される。
この離型工程においても真空ポンプを駆動し、焼結金属130の内部の圧力を低圧化することが好ましい。これにより、第1型100を脱離させる際(離型時)、第1多孔質板120を焼結金属130によって安定して保持することができる。この結果、第1多孔質板120が浮き上がることが防止されるので、第1多孔質板120の変形及び乾燥後第1成形体110の変形(パターンの破損)が回避され得る。なお、後述するように、この段階において離型工程を実施しなくてもよい。即ち、乾燥後の第1成形体110を第1型100内に維持しておいてもよい。
次いで、第1成形体110を第1多孔質板120から分離する。この結果、図6に示した第1成形体110が得られる。
このように、第1成形体作成工程は、スラリーSLを「第1多孔質板120の平面120uと第1型100の成形面との間」に存在させた状態において、第1多孔質板120と第1型100とを対向配置し、スラリーSLに含まれる溶剤を第1多孔質板120の細孔内に浸み込ませてスラリーSLを乾燥させることにより、乾燥後の第1成形体110を作成する工程である。
(第2型準備工程)
図7の(A)乃至(C)に示した第2型(押し型・スタンパ)200を準備する。図7の(A)は第2型200を長手方向(X軸方向)に沿う平面(X−Z平面)にて切断した第2型200の断面図である。図7の(B)は第2型200を「第2型200のX軸中央部よりもX軸負方向側の所定位置において」短手方向(Y軸方向)に沿う平面(Y−Z平面)により切断した第2型200の断面図である。図7の(C)は第2型200の部分斜視図である。第2型200は、第2基部201と、第2凸部202と、第2枠部203と、を備えている。
第2基部201は平板状である。従って、第2基部201は少なくとも一つの平面201uを備えている。
第2凸部202は平面201uから立設している。第2凸部202は、前述したノズル部21bと実質的に同一の形状を有している。即ち、第2凸部202は円錐台形状を有している。第2凸部202は、ノズル部21bが形成される予定の平面位置に設けられている。換言すると、第2凸部202は、ノズル部21bと実質的に同一形状の凸部を含む凸状部である。
第2枠部203は、第2基部201の外周部の全体に渡り平面201uから立設している。第2枠部203の内側面のなす形状は、ヘッド本体20の外周面のなす形状と同一である。第2枠部203の頂面203a及び第2凸部202の頂面202aは、平面201uと平行な一つの平面PL内に存在している。
第2型200の成形面は、第2基部201の平面201uのうち「第2凸部202及び第2枠部203」が存在していない部分(表面)と、第2凸部202の表面と、第2枠部203の内側の側面と、により構成されている。第2型200の成形面も、前述したように、離型剤及び/又はDLC等により被覆されていることが好ましい。
(第2多孔質板準備工程)
第1多孔質板準備工程と同様、気体が通過可能な第2多孔質板220を準備する(図8を参照。)。第2多孔質板220は、第1多孔質板120と同種の板体である。第2多孔質板220の少なくとも一つの面220u(実際には両面)は平面である。
(第2成形体作成工程)
図8に示したように、第2型200の第2枠部203の内部にスラリーSLを充填する。スラリーSLの充填は塗布により行われる。この工程は「第2スラリー充填(塗布)工程」とも称呼される。スラリーSLは、第1スラリー充填工程と同様、塗布以外の適当な方法により充填されてもよい。更に、スラリー充填率を向上させために、スラリーSLを枠部203の内部に充填させる際、第2型200に超音波振動を加えても良く、或いは、真空脱気して第2型200内に残存している気泡を除去してもよい。また、スラリーSLを第2型200と別途準備される平板との間に存在させた状態において第2型200を平板に押しつけることにより、スラリーSLを第2型200内に充填させてもよい。その平板には、スラリーSLが転写しないように(即ち、第2型200を平板から離す際、第2型200内に充填されたスラリーSLが平板に残存することがないように)、離型処理されたPETフィルム等を用いることができる。
この第2スラリー充填工程において、スラリーSLは、第2型200に対して多めに充填される。これは、スラリーSLを充填する際のスラリーSLの圧力(充填圧)を高めることにより、スラリーSLの充填率を上げるためである。また、スラリーSLが乾燥する際、スラリーSLが収縮することを考慮する必要があるからである。この結果、図8に示したように、スラリーSLは、そのスラリーSLの表面が第2型200の「第2枠部203の頂面203a及び第2凸部202の頂面202a(即ち、平面PL)」よりも外側に存在するように、第2型200に充填される(図8の距離t2を参照。)。
一方、図8に示したように、第2多孔質板220を「多孔質の焼結金属130の上面」に載置する。焼結金属130は枠体140内に収容されている。枠体140の側部には吸引用連通管141が挿入されている。吸引用連通管141は図示しない真空ポンプに接続されている。枠体140は、ホットプレート150の上に載置されている。
次に、図9に示したように、スラリーSLを「第2多孔質板220の平面220uと第2型200の成形面との間」に存在させた状態において、第2多孔質板220と第2型200とが対向するように、第2多孔質板220と第2型200とを配置する。
この結果、図9に矢印により示したように、「第2型200の内部に保持されているスラリーSL」に含まれる溶剤が、毛細管現象によって、第2多孔質板220の平面220u(スラリーSLと第2多孔質板220との接触面)近傍の細孔内に浸み込むとともに気化(蒸発)する。これにより、スラリーSLが乾燥して行く。
更に、この工程において、前述した真空ポンプを駆動する。この真空ポンプの駆動により、第2多孔質板220内に存在するガスが排出される(白抜きの矢印Aを参照。)。従って、第2多孔質板220の内部の圧力は、大気圧よりも低圧(例えば、大気圧よりも80kPa低い圧力)になる。これによって、スラリーSLに含まれている溶剤が、第2多孔質板220の細孔(特に、第2多孔質板220の表面近傍の細孔)内に効率的に吸引される(浸み込みながら気化して行く)。この場合においても、真空度(第2多孔質板220内部圧力)は、0〜−100kPaであることが好ましく、−80〜−100kPaであることが好ましい。
なお、真空ポンプの駆動により第2多孔質板220の細孔内を低圧化する場合、「焼結金属130の露呈面、及び、第2多孔質板220の露呈面」を、気密性の高いフィルムなどで覆うことにより、焼結金属130及び第2多孔質板220を密閉することがより好ましい。焼結金属130の露呈面とは、焼結金属130の表面のうち「枠体140及び第2多孔質板220」により覆われていない表面のことである。第2多孔質板220の露呈面とは、第2多孔質板220の側面と、第2多孔質板220の平面(上面)220uのうち第2型200によって覆われていない表面と、からなる部分のことである。「焼結金属130の露呈面、及び、第2多孔質板220の露呈面」を密閉しない場合、第2多孔質板220内の真空度が低下するので、溶剤の気化の効率が低下する。また、スラリーSLの溶剤が気化した部分に負圧が発生し、その部位に大気が流入する。その結果、特に、スラリーSLの第2多孔質板220の近傍部位に気孔が発生する場合がある。これに対し、上記のように「焼結金属130の露呈面、及び、第2多孔質板220の露呈面」を密閉すると、そのような気孔の発生を防止することができる。
加えて、この工程において、ホットプレート150に通電する。従って、第2多孔質板220の温度が上昇するので、第2多孔質板220の細孔内に浸み込んだ溶剤は容易に蒸発(拡散)する。この結果、スラリーSLは乾燥され固化し、乾燥後の第2成形体210が「第2型200と第2多孔質板220との間」に作成される。
なお、この工程において、ホットプレート150を最も上方に位置させ、そのホットプレート150の下方に枠体140、焼結金属130及び第2多孔質板220を保持し、その第2多孔質板220に向けて「スラリーSLを充填した第2型200」を押圧してもよい。即ち、図9に示した構成の上下を逆転してもよい。これにより、気化した溶剤は垂直上方へと蒸発(拡散)する。従って、比重の小さい気化した溶剤が蒸発(拡散)し易くなるので、スラリーSL内に気孔が発生し難い。
また、真空ポンプの駆動による第2多孔質板220の細孔内の低圧化は任意である。従って、焼結金属130及び枠体140は、単なる基台に置換されてもよい。更に、ホットプレート150による第2多孔質板220の加熱も任意である。従って、ホットプレート150は省略されてもよい。更に、本例においては、第2型200を第2多孔質板220に対向配置する際には第2型200を第2多孔質板220に対して適当な力で押圧するが、その後の「真空ポンプの駆動による第2多孔質板220の細孔内の低圧化中、及び、ホットプレート150による第2多孔質板220の加熱中」には、第2型200には何らの押圧力を加えないか、或いは、第2多孔質220の密度が局所的に変化することのない程度の適正な押圧力を加える。
その後、スラリーSLが乾燥して「乾燥後第2成形体210」が形成されると、「第2型200、第2多孔質板220及び乾燥後第2成形体210」は冷却される。次いで、図10に示したように、第2型200が「第2多孔質板220及び乾燥後第2成形体210」から除去される。すなわち、離型工程が実施される。
この離型工程においても真空ポンプを駆動し、焼結金属130の内部の圧力を低圧化することが好ましい。これにより、第2型200を脱離させる際(離型時)、第2多孔質板220を焼結金属130によって安定して保持することができる。この結果、第2多孔質板220が浮き上がることが防止されるので、第2多孔質板220の変形及び乾燥後第2成形体210の変形(パターンの破損)が回避され得る。なお、後述するように、この段階において離型工程を実施しなくてもよい。即ち、乾燥後の第2成形体210を第2型200内に維持しておいてもよい。
次いで、第2成形体210を第2多孔質板220から分離する。この結果、図11に示した第2成形体210が得られる。
このように、第2成形体作成工程は、スラリーSLを「第2多孔質板220の平面220uと第2型200の成形面との間」に存在させた状態において、第2多孔質板220と第2型200とを対向配置し、スラリーSLに含まれる溶剤を第2多孔質板220の細孔内に浸み込ませてスラリーSLを乾燥させることにより、乾燥後の第2成形体210を作成する工程である。
(焼成前ヘッド本体作成工程)
次に、図12に示したように、第2成形体210の上下を逆転(反転)し、第1成形体110と第2成形体210とを接合する。即ち、第1成形体110の平面部110aと第2成形体210の平面部210aとが互いに平行で且つ接するように、第1成形体110と第2成形体210とを熱圧着により接合する。この熱圧着の前に、第1成形体110の平面部110aと第2成形体210の平面部210aとに接着ペーストを塗布するか、或いは、樹脂をスプレー塗布しておく。また、この熱圧着の前に、第1成形体110の平面部110aと、第2成形体210の平面部210aと、の間に接着樹脂フィルムを配置してもよい。第1成形体110の平面部110aは、第1多孔質板120の平面120uにより形成された部分である。第2成形体210の平面部210aは、第2多孔質板220の平面220uにより形成された部分である。
更に、この第1成形体110と第2成形体210との接合時において、「第1型100の第1凸部102により成形された溝部21a’の底面の中心軸C1」と「第2型200の第2凸部202により成形された凹部21b’の中心軸C2」とが一致し、且つ、溝部21a’に対する凹部21b’の位置が「液滴吐出ヘッド本体20における加圧室21に対するノズル部21bの位置」と一致するように、第1成形体110と第2成形体210とを接合する。
なお、乾燥後の第1成形体110を第1型100内に維持し、且つ、乾燥後の第2成形体210を第2型200内に維持した状態において、第1成形体110の平面部110aと第2成形体210の平面部210aとが互いに平行で且つ接するように、第1成形体110と第2成形体210とを熱圧着により接合し、その後、第1型100及び第2型200を脱離させてもよい。このように、第1成形体110と第2成形体210との接合後に、離型工程を実施すれば、パターンを破損させることなく、十分な圧着力が得られるので、好ましい。
この結果、図13に示した「残部除去前の液滴吐出ヘッド本体20A」が作成される。液滴吐出ヘッド本体20Aは、図13の破線の円内に示したように、残部RBを有する。残部RBは、第1型100の凸部102の頂面102aと第1多孔質板120の平面120uとの間に存在したスラリーSLにより形成される部分(第1残部)と、第2型200の凸部202の頂面202aと第2多孔質板220の平面220uとの間に残存したスラリーSLにより形成される部分(第2残部)と、平面部110aと平面部210aとの間に塗布又は配置された「接着ペースト、樹脂又は接着樹脂フィルム」等が構成する接着層と、からなる部分である。
次に、残部RBの一部又は全部を、レーザー加工により除去し、溝部21a’と凹部21b’とを連通させる。即ち、図14に示したように、残部RBに貫通孔Hを形成する。これにより、凹部21b’と貫通孔Hとからなるノズル部が形成される。以上により、図14に示した「焼成前ヘッド本体20B」が作成される。
(焼成工程)
一方、振動板30となるセラミックグリーンシートと、液体貯留室蓋体40となるセラミックグリーンシートとを別途準備しておく。更に、液体貯留室蓋体40の所定位置に、液体供給連通穴40aとなる貫通孔を形成しておく。そして、焼成前ヘッド本体20Bの上に、振動板30となるセラミックグリーンシートと、液体貯留室蓋体40となるセラミックグリーンシートと、を平面方向の位置を合わせながら積層する。次いで、これらを熱圧着し、熱圧着された積層体を脱脂した後に焼成する。これにより、振動板30及び液体貯留室蓋体40を有するヘッド本体20(焼成された積層体)が完成する。
(圧電素子形成工程)
その後、周知の手法に従って、所定の位置に圧電素子を形成する。例えば、前記ヘッド本体20と、焼成された圧電体膜を含む圧電素子と、を接合する。その後、圧電素子の上にマスクを形成し、微粒子(砥粒)を噴射してマスクが存在していない部分の圧電素子を除去する。即ち、所謂「ブラスト加工」により圧電素子50を形成する(例えば、特許第3340043号を参照。)。これにより、「吐出孔先端部形成体60を除き且つ焼成された液滴吐出ヘッド」が完成する。なお、焼成前の圧電素子を振動板30の上部の所定位置に形成し、その後、圧電素子を焼成してもよい。
(他部材接合工程)
更に、吐出孔先端部形成体60を別途準備する。吐出孔先端部形成体60は、本例において金属(SUS等)からなる。吐出孔先端部形成体60には、その所定位置に複数(本例において9個)の液体吐出孔60aとなる貫通孔を形成しておく。最後に、「吐出孔先端部形成体60を除いた液滴吐出ヘッド」の下面に、吐出孔先端部形成体60を接着剤により接合する。即ち、貫通孔(液体吐出孔)60aを備えた部材(吐出孔先端部形成体)60を、その貫通孔60aが基端側ノズル部21b(凹部21b’及び貫通孔H)に連通するように、焼成された液滴吐出ヘッドのノズル側の表面(液滴吐出ヘッド本体20の下面)に接合する。このとき、液体吐出孔60aのそれぞれの中心軸が基端側ノズル部21bのそれぞれの中心軸と一致するように(これらが同軸的になるように)、「吐出孔先端部形成体60を除いた液滴吐出ヘッド」と「吐出孔先端部形成体60」との位置合わせを行う。以上により、液滴吐出ヘッド10が完成する。
以上、説明したように、第1製造方法によれば、第1型100を用いてスラリーSLを成形しながら乾燥させることにより第1成形体110を作成するとともに、第2型200を用いてスラリーSLを成形しながら乾燥させることにより第2成形体210を作成する。その後、第1成形体110と第2成形体210とを接合することにより、液滴吐出ヘッド本体20の焼成前積層体を作成する。従って、第1製造方法は、次に述べる利点を有する。
(第1利点)
ノズル部を従来の「金型パンチ及びダイ」を用いた打ち抜き加工により作成すると、図15の写真に示したように、破断面が荒れ、且つ、破断部にバリ等が発生する。これに対し、第1製造方法によれば、ノズル部21b(凹部21b’)が、スラリーSLを型によって成形することに基いて作成される。その結果、図16及び図17の写真に示したように、ノズル部の表面が滑らかであり、且つ、ノズル部にバリ等が発生しない。その結果、液滴を安定して吐出することができる液滴吐出ヘッドが提供される。更に、第1製造方法によれば、加圧室21が、スラリーを型によって成形することに基いて作成される。従って、加圧室21が微細化した場合及び隣接する加圧室21間の距離が短い場合等においても、高い形状精度を有する液滴吐出ヘッド10を製造することができる。
(第2利点)
一つの型を用いてスラリーSLの乾燥及び成形を行うことにより液滴吐出ヘッド本体20の焼成前積層体を作成する場合に比べ、一回の成形時において乾燥すべきスラリーの容量及び厚さを小さくすることができる。この結果、スラリーSLの「乾燥及び成形」に要する時間を短くすることができる。従って、液滴吐出ヘッド10を効率良く製造することができる。
(第3利点)
更に、一つの型を用いて液滴吐出ヘッド本体20の焼成前積層体を作成する場合、離型時における「成形体(焼成前積層体)と型」との接触面積が大きくなり、且つ、成形体の厚みが大きいので、離型時において成形体が変形する可能性が高まる。これに対し、第1製造方法においては、第1成形体110及び第2成形体210を個別に作成するので、それぞれの離型時において第1成形体110及び第2成形体210が変形する可能性を小さくすることができる。
(第4利点)
加えて、一つの型を用いて液滴吐出ヘッド本体20の焼成前積層体を作成する場合、充填すべきスラリーSLの容量が多く且つ型の成形面の形状が複雑になるので、型にスラリーSLを充填する際、スラリーSL内に気泡が巻き込まれてしまう可能性が高い。第1製造方法は、この可能性を低減することもできる。
(第5利点)
更に、第1製造方法においては、第2成形体210の上下を逆転(反転)し、第1成形体110と第2成形体210とを接合している。従って、吐出孔先端部形成体60が接合される面は、第2型200の平面201uにより成形された面となるので、非常に平坦な面である。その結果、吐出孔先端部形成体60を強固に接合することができる。
なお、第1製造方法(及び後述する第2製造方法)において、スラリー準備工程、第1型準備工程、及び、第1多孔質板準備工程は、第1成形体作成工程の前までに実施されれば、その実施順序はどのような順序であってもよい。同様に、スラリー準備工程、第2型準備工程、及び、第2多孔質板準備工程は、第2成形体作成工程の前までに実施されれば、その実施順序はどのような順序であってもよい。更に、第1成形体作成工程及び第2成形体作成工程は、焼成前ヘッド本体作成工程の前までに実施されれば、その実施順序はどのような順序であってもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る「液滴吐出ヘッドの製造方法」について説明する。以下、第2実施形態に係る製造方法は、第2製造方法とも称呼される。
第2製造方法は、焼成前ヘッド本体作成工程が第1製造方法の焼成前ヘッド本体作成工程と相違する点において第1製造方法と相違する。以下、順に説明を加える。
(スラリー準備工程)
第1製造方法のスラリー準備工程と同様にしてスラリーSLを準備する。
(第1型準備工程)
図18の(A)乃至(C)に示した第1型(押し型・スタンパ)100’を準備する。図18の(A)は第1型100’を長手方向(X軸方向)に沿う平面(X−Z平面)にて切断した第1型100’の断面図である。図18の(B)は第1型100’を「第1型100’のX軸中央部よりもX軸負方向側の所定位置において」短手方向(Y軸方向)に沿う平面(Y−Z平面)により切断した第1型100’の断面図である。図18の(C)は第1型100’の部分斜視図である。
第1型100’は、第1型100と同じ型であり、第1基部101と、第1凸部102と、第1枠部103’と、を備えている。
第1枠部103’は、第1基部101の外周部の全体に渡り平面101uから立設している。第1枠部103’の内側面のなす形状は、ヘッド本体20の外周面のなす形状と実質的に同一である。平面101uと第1枠部103’の頂面103a’との距離(即ち、第1枠部103’の高さ)は、平面101uと第1凸部102の頂面102aとの距離(即ち、第1凸部102の高さ)と同じである。即ち、頂面103a’と頂面102aとは、平面101uに平行な一つの平面PL内に存在している。第1型100’の成形面も、前述したように、離型剤により被覆されていることが好ましい。
(第1多孔質板準備工程)
第1製造方法の第1多孔質板準備工程と同様、気体が通過可能な第1多孔質板120を準備する(図19を参照。)。
(第1成形体作成工程)
図19に示したように、第1製造方法の第1成形体作成工程と同様、第1型100’の第1枠部103’の内部にスラリーSLを充填する。このとき、スラリーSLは、第1型100’に対して多めに充填される。これは、スラリーSLを充填する際のスラリーSLの圧力(充填圧)を高めることにより、スラリーSLの充填率を上げるためである。また、スラリーSLが乾燥する際、スラリーSLが収縮することを考慮する必要があるからである。この結果、図19に示したように、スラリーSLは、そのスラリーSLの表面が第1枠部103’の頂面103a’よりも外側に存在するように、第1型100’に充填される(図19の距離tを参照。)。
その後、図20に示したように、第1製造方法の第1成形体作成工程と同様、スラリーSLを「第1多孔質板120の平面120uと第1型100’の成形面との間」に存在させた状態において、第1多孔質板120と第1型100’とが対向するように、第1多孔質板120と第1型100’とを配置する。即ち、スラリーSLが充填された第1型100’を第1多孔質板120の平面120uの上に搭載する。このとき、第1型100’を第1多孔質板120に対して適当な力で押圧する。
この結果、図20に矢印により示したように、「第1型100’の内部に保持されているスラリーSL」に含まれる溶剤が、毛細管現象によって、第1多孔質板120の平面120u(スラリーSLと第1多孔質板120との接触面)近傍の細孔内に浸み込むとともに気化(蒸発)する。これにより、スラリーSLが乾燥して行く。この場合においても、真空ポンプの駆動による第1多孔質板120の細孔内の低圧化は任意である。更に、ホットプレート150による第1多孔質板120の加熱も任意である。なお、真空ポンプの駆動により第1多孔質板120の細孔内を低圧化する場合、「焼結金属130の露呈面、及び、第1多孔質板120の露呈面」を、気密性の高いフィルムなどで覆うことにより、焼結金属130及び第1多孔質板120を密閉することがより好ましい。
また、この工程において、ホットプレート150を最も上方に位置させ、そのホットプレート150の下方に枠体140、焼結金属130及び第1多孔質板120を保持し、その第1多孔質板120に向けて「スラリーSLを充填した第1型100’」を押圧してもよい。即ち、図20に示した構成の上下を逆転してもよい。これにより、気化した溶剤は垂直上方へと蒸発(拡散)する。従って、比重の小さい気化した溶剤が蒸発(拡散)し易くなるので、スラリーSL内に気孔が発生し難い。
更に、本例においては、第1型100’を第1多孔質板120に対向配置する際には第第1型100’を第1多孔質板120に対して適当な力で押圧するが、その後の「真空ポンプの駆動による第1多孔質板120の細孔内の低圧化中、及び、ホットプレート150による第1多孔質板120の加熱中」には、第1型100’には何らの押圧力を加えないか、或いは、第1多孔質板120の密度が局所的に変化することのない程度の適正な押圧力を加える。
その後、スラリーSLが乾燥して「乾燥後第1成形体110’」が形成されると、「第1型100’、第1多孔質板120及び乾燥後第1成形体110’」は冷却される。次いで、図21に示したように、第1型100’が「第1多孔質板120及び乾燥後の第1成形体110’」から除去される。すなわち、離型工程が実施される。この離型工程において、真空ポンプを駆動してもよい。なお、この段階において離型工程を実施しなくてもよい。即ち、乾燥後の第1成形体110’を第1型100’内に維持しておいてもよい。
次いで、第1成形体110’を第1多孔質板120から分離する。この結果、図22に示した第1成形体110’が得られる。
このように、第1成形体作成工程は、スラリーSLを「第1多孔質板120の平面120uと第1型100’の成形面との間」に存在させた状態において、第1多孔質板120と第1型100’とを対向配置し、スラリーSLに含まれる溶剤を第1多孔質板120の細孔内に浸み込ませてスラリーSLを乾燥させることにより、乾燥後の第1成形体110’を作成する工程である。
(第2型準備工程、第2多孔質板準備工程、第2成形体作成工程)
第2製造方法の「第2型準備工程、第2多孔質板準備工程及び第2成形体作成工程」は、第1製造方法の「第2型準備工程、第2多孔質板準備工程及び第2成形体作成工程」のそれぞれと同一である。この結果、図11に示した第2成形体210が得られる。
(焼成前ヘッド本体作成工程)
第1製造方法においては、第2成形体210の上下を逆転(反転)した後に、第1成形体110と第2成形体210とを接合した。これに対し、第2製造方法においては、図23に示したように、第2成形体210の上下を逆転(反転)することなく、第1成形体110’と第2成形体210とを接合する。
即ち、第1成形体110’の平面部110’aと第2成形体210の平面部210aとが互いに平行となるように、第1成形体110’と第2成形体210とを熱圧着により接合する。この熱圧着の前に、第1成形体110’の平面部110’aと、第2型200の平面201uにより成形された第2成形体210の上面と、に接着ペーストを塗布するか、或いは、樹脂をスプレー塗布しておく。また、この熱圧着の前に、第1成形体110’の平面部110’aと、第2型200の平面201uにより成形された第2成形体210の上面と、の間に接着樹脂フィルムを配置してもよい。
更に、この第1成形体110’と第2成形体210との接合時において、「第1型100’の第1凸部102により成形された溝部21a’の底面の中心軸C1」と「第2型200の第2凸部202により成形された凹部21b’の中心軸C2」とが一致し、且つ、溝部21a’に対する凹部21b’の位置が「液滴吐出ヘッド本体20における加圧室21に対するノズル部21bの位置」と一致するように、第1成形体110’と第2成形体210とを接合する。
この結果、図24に示した「残膜除去前の液滴吐出ヘッド本体20C」が作成される。液滴吐出ヘッド本体20Cは、図24の二つの破線の円内に示したように、残膜RF1及び残膜RF2を有する。残膜RF1は、第1型100’の凸部102の頂面102aと第1多孔質板120の平面120uとの間に残存したスラリーSLと、第1成形体110’の平面部110’aと第2型200の平面201uにより成形された第2成形体210の上面との間に塗布又は配置された「接着ペースト、樹脂又は接着樹脂フィルム」等が構成する接着層と、により形成される残膜である。残膜RF2は、第2型200の凸部202の頂面202aと第2多孔質板220の平面220uとの間に残存したスラリーSLにより形成される残膜である。
次に、残膜RF1をレーザー加工により除去し、溝部21a’と凹部21b’とを連通させる。即ち、図25に示したように、残膜RF1に貫通孔H1を形成する。更に、残膜RF2をレーザー加工により除去する。即ち、図25に示したように、残膜RF2に貫通孔H2を形成する。これにより、溝部21a’、凹部21b’、貫通孔H1及び貫通孔H2からなるノズル部が形成される。以上により、図25に示した「焼成前ヘッド本体20D」が作成される。なお、残膜RF2は、研磨加工により除去してもよい。
そして、第1製造方法と同様の「焼成工程及び圧電素子形成工程」を経て、図26に示した液滴吐出ヘッド10Aが完成する。この液滴吐出ヘッド10Aは、図1に示した液滴吐出ヘッド10から吐出孔先端部形成体60を除いている点、及び、「凹部21b’と貫通孔H2とから形成されたノズル部21c」の形状がノズル部21bの形状と相違する点、を除き、液滴吐出ヘッド10と同様である。この第2製造方法は、上述した第1製造方法が有する利点のうち、第1乃至第4利点を有する。加えて、残膜RF2を除去する前に焼成工程を実施し、焼成後において残膜RF2を精密研磨により除去してもよい。これによれば、ノズル部21bの先端部(開口部、液滴吐出口)の径を精密に調整できるので、別部材(SUS等)のノズルプレート(吐出孔先端部形成体)を用いなくても良くなる可能性がある。その結果、製造工数を大幅に削減できる可能性がある。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る「液滴吐出ヘッドの製造方法」について説明する。以下、第3実施形態に係る製造方法は、第3製造方法とも称呼される。第3製造方法においては、一つの型のみを用いて液滴吐出ヘッド本体20の焼成前積層体が作成される。以下、工程別に説明する。
(スラリー準備工程)
第1製造方法のスラリー準備工程と同様にしてスラリーSLを準備する。
(型準備工程)
図27の(A)乃至(C)に示した型(押し型・スタンパ)300を準備する。この型は第3型300とも称呼される。図27の(A)は型300を長手方向(X軸方向)に沿う平面(X−Z平面)にて切断した型300の断面図である。図27の(B)は型300を「型300のX軸中央部よりもX軸負方向側の所定位置において」短手方向(Y軸方向)に沿う平面(Y−Z平面)により切断した型300の断面図である。図27の(C)は型300の部分斜視図である。型300は、基部301、加圧室形成用凸部302、ノズル部形成用凸部303、及び、枠部304、を備えている。
基部301は平板状である。従って、基部301は少なくとも一つの平面301uを備えている。
加圧室形成用凸部302は平面301uから立設している。加圧室形成用凸部302は、前述した「複数の溝部21a、凹部22a及び複数の溝部23a」と実質的に同一の形状を有している。即ち、加圧室形成用凸部302は、「複数の加圧室21、液体貯留室22及び複数の液体流通孔23」と実質的に同一の形状を有している。換言すると、加圧室形成用凸部302は、互いに平行に配列される複数の加圧室21と実質的に同一形状の凸部を含む凸状部である。
ノズル部形成用凸部303は、加圧室形成用凸部302の頂面302aから立設している。ノズル部形成用凸部303は、図26に示したノズル部21cと実質的に同一の形状を有している。即ち、ノズル部形成用凸部303は円錐台形状を有している。換言すると、第3型300は、「複数の加圧室21及びノズル部21cを含む液体室」と実質的に同一形状の凸部を含む凸状部である。
枠部304は、基部301の外周部の全体に渡り平面301uから立設している。枠部304の内側面のなす形状は、図26に示したヘッド本体20の外周面のなす形状と同一である。枠部304の頂面304a及びノズル部形成用凸部303の頂面303aは、平面301uと平行な一つの平面PL内に存在している。
型300の成形面は、基部301の平面301uのうち「加圧室形成用凸部302及び枠部304が存在していない部分(表面)」と、加圧室形成用凸部302の表面のうちノズル部形成用凸部303が存在していない部分(表面)と、ノズル部形成用凸部303の表面と、枠部304の内側の側面と、により構成されている。型300の成形面も、前述したように、離型剤により被覆されていることが好ましい。
(多孔質板準備工程)
第1多孔質板準備工程と同様にして、気体が通過可能な多孔質板320を準備する(図28を参照。)。多孔質板320は、第1多孔質板120と同種の板体である。多孔質板320の少なくとも一つの面320u(実際には両面)は平面である。
(成形体作成工程)
図28に示したように、型300の枠部304の内部にスラリーSLを充填する。スラリーSLの充填は塗布により行われる。この工程は「スラリー充填(塗布)工程」とも称呼される。スラリーSLは、第1スラリー充填工程と同様、塗布以外の適当な方法により充填されてもよい。更に、スラリー充填率を向上させために、スラリーSLを枠部304の内部に充填させる際、型300に超音波振動を加えても良く、或いは、真空脱気して型300内に残存している気泡を除去してもよい。また、スラリーSLを型300と別途準備される平板との間に存在させた状態において型300を平板に押しつけることにより、スラリーSLを型300内に充填させてもよい。その平板には、スラリーSLが転写しないように(即ち、型300を平板から離す際、型300内に充填されたスラリーSLが平板に残存することがないように)、離型処理されたPETフィルム等を用いることができる。
このスラリー充填工程において、スラリーSLは、型300に対して多めに充填される。これは、スラリーSLを充填する際のスラリーSLの圧力(充填圧)を高めることにより、スラリーSLの充填率を上げるためである。また、スラリーSLが乾燥する際、スラリーSLが収縮することを考慮する必要があるからである。この結果、図28に示したように、スラリーSLは、そのスラリーSLの表面が型300の「枠部304の頂面304a及びノズル部形成用凸部303の頂面303a(即ち、平面PL)」よりも外側に存在するように、型300に充填される(図28の距離tを参照。)。
一方、図28に示したように、多孔質板320を「多孔質の焼結金属130の上面」に載置する。焼結金属130は枠体140内に収容されている。枠体140の側部には吸引用連通管141が挿入されている。吸引用連通管141は図示しない真空ポンプに接続されている。枠体140は、ホットプレート150の上に載置されている。
次に、図29に示したように、スラリーSLを「多孔質板320の平面320uと型300の成形面との間」に存在させた状態において、多孔質板320と型300とが対向するように、多孔質板320と型300とを配置する。
この結果、図29に矢印により示したように、「型300の内部に保持されているスラリーSL」に含まれる溶剤が、毛細管現象によって、多孔質板320の平面320u(スラリーSLと多孔質板320との接触面)近傍の細孔内に浸み込むとともに気化(蒸発)する。これにより、スラリーSLが乾燥して行く。
更に、この工程において、前述した真空ポンプを駆動する。この真空ポンプの駆動により、多孔質板320内に存在するガスが排出される(白抜きの矢印Aを参照。)。従って、多孔質板320の内部の圧力は、大気圧よりも低圧(例えば、大気圧よりも80kPa低い圧力)になる。これによって、スラリーSLに含まれている溶剤が、多孔質板320の細孔(特に、多孔質板320の表面近傍の細孔)内に効率的に吸引される(浸み込みながら気化して行く)。この場合においても、真空度(多孔質板320内部圧力)は、0〜−100kPaであることが好ましく、−80〜−100kPaであることが好ましい。
なお、真空ポンプの駆動により多孔質板320の細孔内を低圧化する場合、「焼結金属130の露呈面、及び、多孔質板320の露呈面」を、気密性の高いフィルムなどで覆うことにより、焼結金属130及び多孔質板320を密閉することがより好ましい。
加えて、この工程において、ホットプレート150に通電する。従って、多孔質板320の温度が上昇するので、多孔質板320の細孔内に浸み込んだ溶剤は容易に蒸発(拡散)する。この結果、スラリーSLは乾燥され固化し、乾燥後の成形体310が「型300と多孔質板320との間」に作成される。
なお、この工程において、ホットプレート150を最も上方に位置させ、そのホットプレート150の下方に枠体140、焼結金属130及び多孔質板320を保持し、その多孔質板320に向けて「スラリーSLを充填した型300」を押圧してもよい。これにより、気化した溶剤は垂直上方へと蒸発(拡散)する。従って、比重の小さい気化した溶剤が蒸発(拡散)し易くなるので、スラリーSL内に気孔が発生し難い。
また、真空ポンプの駆動による多孔質板320の細孔内の低圧化は任意である。従って、焼結金属130及び枠体140は、単なる基台に置換されてもよい。更に、ホットプレート150による多孔質板320の加熱も任意である。従って、ホットプレート150は省略されてもよい。更に、本例においては、型300を多孔質板320に対向配置する際には型300を多孔質板320に対して適当な力で押圧するが、その後の「真空ポンプの駆動による多孔質板320の細孔内の低圧化中、及び、ホットプレート150による多孔質板320の加熱中」には、型300には何らの押圧力を加えないか、或いは、多孔質320の密度が局所的に変化することのない程度の適正な押圧力を加える。
その後、スラリーSLが乾燥して「乾燥後成形体310」が形成されると、「型300、多孔質板320及び乾燥後成形体310」は冷却される。次いで、図30に示したように、型300が「多孔質板320及び乾燥後成形体310」から除去される。すなわち、離型工程が実施される。
この離型工程においても真空ポンプを駆動し、焼結金属130の内部の圧力を低圧化することが好ましい。これにより、型300を脱離させる際(離型時)、多孔質板320を焼結金属130によって安定して保持することができる。この結果、多孔質板320が浮き上がることが防止されるので、多孔質板320の変形及び乾燥後成形体310の変形(パターンの破損)が回避され得る。
次いで、成形体310を多孔質板320から分離する。この結果、図31に示した成形体310が得られる。
なお、離型工程を実施する前に、多孔質板320を成形体310から剥離し、その後、成形体310の多孔質板320が剥離された面を熱感応接着フィルム及び吸引等により固定し、その状態で離型工程を実施して型300を成形体310から離脱させることにより、図31に示した成形体310を得てもよい。これによれば、多孔質板320を剥離する際、成形体310のパターンが型300により固定されているので、パターンの変形・破損の可能性を低減することができる。
このように形成された成形体310は、図31の破線の円内に示したように、残膜RFを有する。残膜RFは、型300のノズル部形成用凸部303の頂面303aと多孔質板320の平面320uとの間に残存したスラリーSLにより形成される残膜である。
このように、成形体作成工程は、スラリーSLを「多孔質板320の平面320uと型300の成形面との間」に存在させた状態において、多孔質板320と型300とを対向配置し、スラリーSLに含まれる溶剤を多孔質板320の細孔内に浸み込ませてスラリーSLを乾燥させることにより、乾燥後の成形体310を作成する工程である。
(焼成前ヘッド本体作成工程)
次に、残膜RFを、レーザー加工により除去する。即ち、図32に示したように、残膜RFに貫通孔Hを形成する。これにより、ノズル部が形成される。以上により、図32に示した「焼成前ヘッド本体20E」が作成される。図33は、このように製造された焼成前ヘッド本体20Eの部分拡大写真である。なお、残膜RFを、研磨加工により除去してもよい。
(焼成工程,圧電素子形成工程)
その後、第1製造方法と同様、焼成前ヘッド本体20Eに「振動板30となるセラミックグリーンシート、及び、液体貯留室蓋体40となるセラミックグリーンシート」を平面方向の位置を合わせながら積層し、得られた積層体を焼成する。更に、第1製造方法と同様、周知の手法に従って、所定の位置に圧電素子を形成する。以上により、図26に示した液滴吐出ヘッド10Aと同様の液滴吐出ヘッドが完成する。
この第3製造方法は、一つの型300を用い、一度の成形体作成工程において、スラリーSLを乾燥させることにより「乾燥後成形体310」を作成する。従って、第1及び第2製造方法とは異なり、二つの乾燥後成形体を接合する必要がないので、工程を簡素化することができる。更に、二つの乾燥後成形体を位置合わせしながら圧着する必要がないので、所望の形状の液滴吐出ヘッドを簡単に製造することができる。
なお、第3製造方法において、スラリー準備工程、型準備工程、及び、多孔質板準備工程は、成形体作成工程の前までに実施されれば、その実施順序はどのような順序であってもよい。
更に、焼成前ヘッド本体作成工程におけるレーザー加工による残膜RFの除去(貫通孔Hの形成)に代え、得られた積層体を焼成した後、精密研磨によって残膜RFを除去してもよい。これによれば、ノズル部21cの先端部(開口部、液滴吐出口)の径を精密に調整できるので、別部材(SUS等)のノズルプレート(吐出孔先端部形成体)を用いなくても良くなる可能性がある。その結果、製造工数を大幅に削減できる可能性がある。
加えて、焼成前ヘッド本体作成工程におけるレーザー加工による残膜RFの除去(貫通孔Hの形成)に代え、スラリーSLが型300内において乾燥して固化し、乾燥後の成形体310が「型300と多孔質板320との間」に形成された後であって(図29を参照。)、型300が乾燥後成形体310から除去される前(離型がなされる前)に、図34に示したように、研磨を実行して残膜RFを除去してもよい。即ち、乾燥後成形体310を型300に保持した状態のまま研磨し、貫通孔Hを形成してもよい(図35を参照。)。
より具体的に述べると、この研磨は、次のように行われる。
先ず、図29に示したように、型300内において乾燥後成形体310が完成すると、多孔質板320から乾燥後成形体310を型300内に保持したまま離脱させる。
次に、図34に示したように、乾燥後成形体310が型300内に保持されている状態において、その型300の背面側を研磨用保持具400により保持する。そして、研磨用保持具400を水平方向に移動させながら、乾燥後成形体310の露呈面を研磨板410に押し付けることにより、研磨を実施する。研磨が完了すると(残膜RFが除去されると)離型を実施する。この結果、図35に示した「焼成前ヘッド本体20E」が作成される。
このように、乾燥後成形体310の研磨を乾燥後成形体310が型300内に保持された状態にて行うこと(即ち、「離型前研磨加工」を行うこと)の利点は次のとおりである。
(利点1)焼成後の成形体に対して研磨を行うと、研磨屑及び/又は砥粒が加圧室等に入り込むので、その除去工程が必要となる。これに対し、上記方法によれば、乾燥後成形体310が型300に保持されている状態にて研磨されるので、研磨屑及び/又は砥粒が加圧室等に入り込まない。よって、そのような除去工程が不要であるから、製造工程全体を簡素化することができる。
(利点2)型300の裏面(成形面と反対側の面、背面)を基準として研磨を行うことができるので、研磨される面(乾燥後成形体310の露呈面)の平坦性を容易に確保することができる。
(利点3)焼成体に比べて「焼成前成形体310」は硬度が低いので、研磨加工の速度を大きくすることができる。即ち、短時間にて研磨を完了することができる。
なお、このような「離型前研磨加工」を行う場合、型300には硬度の高い材質の材料を用いるか、又は、型300の表面をDLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理しておくことが望ましい。
以上、説明したように、本発明による製造方法の各実施形態によれば、液滴吐出ヘッド本体が、「スラリーを型により乾燥させて成形すること」に基いて作成される。従って、液滴吐出ヘッドの加圧室等が微細化した場合であっても、形状精度の高い液滴吐出ヘッド本体を容易に製造することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、第1製造方法において、第1成形体110と第2成形体210とを図12に示したように接合する前に、それぞれの残膜を除去してもよい。即ち、第1型100の中に乾燥後第1成形体110を保持した状態にて、その乾燥後第1成形体110の露呈面(第1多孔質板120の平面120uと接触していた部分)を研磨することによって乾燥後第1成形体110の残膜を除去し、第2型200の中に乾燥後第2成形体210を保持した状態にて、その乾燥後第2成形体210の露呈面(第2多孔質板220の平面220uと接触していた部分)を研磨することによって乾燥後第2成形体210の残膜を除去し、その後、第1成形体110と第2成形体210とを接合してもよい。
図36は、第2型200の中に乾燥後第2成形体210を保持した状態にて、その乾燥後第2成形体210の露呈面を研磨することによって乾燥後第2成形体210の残膜RFを除去する具体的方法の一例を示す。
より具体的に述べると、この研磨は、乾燥後成形体210が型200内に保持されている状態において、その型200の背面側を研磨用保持具500により保持し、研磨用保持具500を水平方向に移動させながら、乾燥後成形体210の露呈面を研磨板510に押し付けることにより行う。そして、研磨が完了すると(残膜RFが除去されると)、離型を実施する。それにより図37に示した「第2成形体210A」が作成される。
このように、乾燥後成形体210の研磨(貫通孔H2の形成)を乾燥後成形体210が型200内に保持された状態にて行うこと(即ち、「離型前研磨加工」を行うこと)の利点は、燥後成形体310の研磨を乾燥後成形体310が型300内に保持された状態にて行った場合に得られる利点と同様である。
即ち、簡単に述べると、離型前研磨加工を行うことの利点は次のとおりである。
(利点1)乾燥後成形体210が型200に保持されている状態にて研磨されるので、研磨屑及び/又は砥粒が第2凸部202により成形された凹部21b’等に入り込まない。よって、そのような研磨屑及び/又は砥粒等の除去工程が不要である。
(利点2)型200の裏面(成形面と反対側の面、背面)を基準として研磨を行うことができるので、研磨される面(乾燥後成形体210の露呈面)の平坦性を容易に確保することができる。
(利点3)焼成体に比べて「焼成前の成形体210」は硬度が低いので、研磨加工の速度を大きくすることができる。即ち、短時間にて研磨を完了することができる。
なお、このような「離型前研磨加工」を行う場合、型200には硬度の高い材質の材料を用いるか、又は、型200の表面をDLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理しておくことが望ましい。また、図36に示した方法と同様な方法により、第1型100の中に乾燥後第1成形体110を保持した状態にて、その乾燥後第1成形体110の露呈面を研磨することによって乾燥後第1成形体110の残膜を除去することができる。
同様に、例えば、第2製造方法において、第1成形体110’と第2成形体210とを図23に示したように接合する前に、それぞれの残膜を除去してもよい。即ち、第1型100’の中に乾燥後第1成形体110’を保持した状態にて、その乾燥後第1成形体110’の露呈面(第1多孔質板120の平面120uと接触していた部分)を研磨することによって乾燥後第1成形体110’の残膜RF1を除去し、第2型200の中に乾燥後第2成形体210を保持した状態にて、その乾燥後第2成形体210の露呈面(第2多孔質板220の平面220uと接触していた部分)を研磨することによって乾燥後第2成形体210の残膜RF2を除去し、その後、残膜RF1除去後の第1成形体110(第1成形体110A)と残膜RF2除去後の第2成形体210(第2成形体210A)とを接合してもよい。
また、第2製造方法において、図24に示された残膜RF2は、残膜RF2を除去する前に焼成工程を実施し、焼成後において残膜RF2を「研磨材を投射するブラスト加工」により除去してもよい。この場合のブラスト加工は、例えば特開2006−159402号公報等に開示されている「弾性体使用特殊ブラスト加工」であってもよい。このブラスト加工は、「比較的大径の弾性体である母材」内に「SiC等の小径の砥粒」が固定された研磨材Kを「加工対象物の表面」に対し、その加工対象物の表面の法線とは相違する方向から噴射又は投射する方法である。なお、研磨材Kの母材の直径Dkは、ノズル部21b’の直径よりも大きい径であることが望ましい。この場合、乾燥後第1成形体110’の残膜RF1は、焼成前の「レーザー加工及び/又は研磨」等に削除されればよい。
更に、第3製造方法において、残膜RFを除去することなく焼成工程を実施し、その後、残膜RFをブラスト加工(上記「弾性体使用特殊ブラスト加工」を含む。)により除去してもよい。
加えて、本発明は、図38に示した変形例のように実施することができる。即ち、第1製造方法の第2成形体作成工程と同様に、乾燥後の第2成形体210を第2多孔質板220の上に作成する。次いで、第2多孔質板220と乾燥後の第2成形体210とを分離することなく、その上に、スラリーSLを充填した第1型110を載置する。そして、第1型110に充填されたスラリーSLの溶媒を「乾燥後の第2成形体210」の上面に浸み込ませながら気化させ、スラリーSLを乾燥させる。その後、第2多孔質板220を剥離し、次いで、第1型100を離脱させる。これにより、図13に示したヘッド本体20Aと同じ形状のヘッド本体を作成してもよい。
また、第1製造方法において、例えば、図13及び図39の(A)に示したように、凹部21b’の形状は円錐台状であった。このとき、レーザー加工により形成される貫通孔Hの径が比較的小さい場合、図39の(A)の破線の円KD内に示したように、ノズル部に段差部が生じる。これに対し、レーザー加工により形成される貫通孔Hの径及び凹部21b’の形状を適正化すれば、図39の(B)に示したように、段差部のないノズル部を形成することができる。これにより、ノズル部の流路抵抗を一層低減でき、且つ、吐出される液体が淀む部分を発生させないようにすることができる。
更に、レーザー加工により形成される貫通孔Hの径及び凹部21b’の形状を適正化することにより、図39の(C)に示したようにレーザー加工の位置(貫通孔Hの中心)が凹部21b’の位置から多少偏移した場合であっても、段差部のないノズル部を形成することができるとともに、凹部21b’の液滴吐出側の開口部の径を一定値d0に維持することができる。このことは、図39の(D)に示したように、凹部21b’の中心が溝部21aの中心CLから多少偏移した場合にもあてはまる。
図39の(E)〜(G)は、凹部21b’の形状を円柱形状にした場合のノズル部の断面図である。この場合、図39の(E)に示したように、ノズル部に段差部を発生させないためには、凹部21b’の位置及び径と、レーザー加工により形成される貫通孔Hの位置及び径とをそれぞれ完全に一致させる必要がある。しかしながら、実際には図39の(F)に示したように凹部21b’の中心が偏移したり、図39の(G)に示したようにレーザー加工の位置が偏移する。これらの場合、段差部が発生するとともに、凹部21b’の液滴吐出側の開口部の径が値d1よりも大きな値d2、d3となる。従って、安定した液滴吐出特性が得られない虞がある。これらのことから、凹部21b’の形状は、液滴吐出方向において次第に拡径する円錐台形状であることが好ましい。
更に、液体貯留室蓋体40に代えて、振動板30が、総ての溝部21aの上部のみならず、凹部22aの上部及び総ての溝部23aの上部をも、覆うように構成されてもよい。

Claims (4)

  1. 液体を収容するための加圧室と、前記加圧室に連通するノズル部と、を備える液滴吐出ヘッド本体を含む液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    セラミック粉末と、前記セラミック粉末の溶剤と、有機材料と、を含むスラリーを準備するスラリー準備工程と、
    少なくとも一つの面が平面である第1基部と、前記第1基部の前記平面から立設するとともに前記加圧室と実質的に同一形状の凸部を含む第1凸部と、を有し、前記第1基部の前記平面のうち前記第1凸部が存在していない部分と前記第1凸部の表面とが成形面を構成する第1型を準備する第1型準備工程と、
    少なくとも一つの面が平面であり且つ気体が通過可能な第1多孔質板を準備する第1多孔質板準備工程と、
    前記スラリーを前記第1多孔質板の平面と前記第1型の成形面との間に存在させた状態において前記第1多孔質板と前記第1型とを対向配置し、前記スラリーに含まれる前記溶剤を前記第1多孔質板の細孔内に浸み込ませて同スラリーを乾燥させることにより、乾燥後の第1成形体を作成する第1成形体作成工程と、
    少なくとも一つの面が平面である第2基部と、前記第2基部の前記平面から立設するとともに前記ノズル部と実質的に同一形状の凸部を含む第2凸部と、を有し、前記第2基部の前記平面のうち前記第2凸部が存在していない部分と前記第2凸部の表面とが成形面を構成する第2型を準備する第2型準備工程と、
    少なくとも一つの面が平面であり且つ気体が通過可能な第2多孔質板を準備する第2多孔質板準備工程と、
    前記スラリーを前記第2多孔質板の平面と前記第2型の成形面との間に存在させた状態において前記第2多孔質板と前記第2型とを対向配置し、前記スラリーに含まれる前記溶剤を前記第2多孔質板の細孔内に浸み込ませて同スラリーを乾燥させることにより、乾燥後の第2成形体を作成する第2成形体作成工程と、
    前記第1多孔質板の平面により形成された前記第1成形体の平面部と前記第2多孔質板の平面により形成された前記第2成形体の平面部とが互いに平行になるように前記第1成形体と前記第2成形体とを接合することにより、焼成前の液滴吐出ヘッド本体を作成する焼成前ヘッド本体作成工程と、
    前記焼成前の液滴吐出ヘッド本体を焼成する焼成工程と、
    を含む製造方法。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記焼成前ヘッド本体作成工程は、
    前記第1成形体の平面部と前記第2成形体の平面部とが接触するように前記第1成形体と前記第2成形体とを接合する工程である製造方法。
  3. 請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記焼成工程の後に、貫通孔を備えた部材を同貫通孔が前記ノズル部に連通するように、前記焼成された液滴吐出ヘッド本体の前記第2成形体側の表面に接合する他部材接合工程を更に備えた製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記焼成前ヘッド本体作成工程は、
    前記第1成形体と前記第2成形体とを接合した後、前記第1多孔質板の平面と前記第1型の第1凸部の頂面とにより作成された第1残部の一部と、前記第2多孔質板の平面と前記第2型の第2凸部の頂面とにより作成された第2残部の一部と、を除去することを含む、
    製造方法。
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