JP2012131158A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力室を高密度および高精度に配置するとともに、高粘度のインクを吐出することが可能な液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】第1の側面から第2の側面まで連通し、第1の側面側の開口から液体を吐出する複数の圧力室307が第1の側面の長手方向に間隔をとって配置された平板状の圧電部材を形成する工程と、複数の圧力室307の内壁面に第1の電極309を形成する工程と、平板状の圧電部材の、一対の主面の一方に、段差609を形成する工程と、段差609を形成した圧電部材における圧力室307同士の間を、第1の側面から段差609まで切断することによって、互いに独立した複数の圧力室307が段差609から延びた櫛状の圧電部材を形成する工程と、複数の櫛状の圧電部材を互いに積層し、第2の領域で接合する工程と、第2の領域で接合した複数の櫛状の圧電部材の外表面に第2の電極310を形成する工程と、を有する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、インクなどの液体を吐出する液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
従来、記録装置として、インクを吐出して被記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置には、一般的に、インクを吐出するための液体吐出ヘッドが搭載されている。
液体吐出ヘッドがインクを吐出する機構として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電部材によって変形可能な圧力室を用いる機構が知られている。圧力室には、インクが流れる液体供給路と、インクを吐出する吐出口とが設けられている。圧力室の容積収縮時にインクは吐出口から液滴として吐出され、圧力室の容積膨張時に液体供給路にインクが導入される。
近年、インクに含まれている水分による被記録媒体の変形(カールやコックリングなど)を低減するために、インクの水分量を減らした高粘度インクの使用が検討されている。高粘度のインクを吐出するためには、大きな吐出力が求められる。この求めに対し、断面形状が円形や矩形の筒形状の圧電部材で圧力室を形成したグールドタイプと呼ばれる筒型圧電部材が提案されている。グールドタイプの液体吐出ヘッドでは、筒状の圧電部材が内外方向(径方向)に一様に変形することにより圧力室を膨張および収縮させる。グールドタイプの液体吐出ヘッドは、圧力室の壁面が全て変形し、インクの吐出力に寄与するので、1つの壁面を振動板で形成したタイプの液体吐出ヘッドと比較して大きなインク吐出力を得られる。
圧電部材を用いた液体吐出ヘッドによる印字において、印字速度を維持したままより高い解像度を得るためには、複数の吐出口をより高密度で液体吐出ヘッドに配置する必要がある。これに伴い、各々の吐出口に対応させて設けられる圧電部材は、より小型でかつ高密度に配置可能な構造が求められている。圧力室を高密度に配置可能な液体吐出ヘッドの製造方法が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された製造方法では、まず、複数の溝を有する圧電プレートを、溝の長手方向を揃えて複数積層する。積層された複数の圧電プレートは、溝の長手方向と直交する方向に切断される。切断された圧電プレートは、溝部分が圧力室になる。その後、各々の圧力室を分離するために圧力室間の圧電部材を一定の深さまでダイシングにより除去する。そして、圧電プレートの上下には配線基板、オリフィスプレートとマニホールドが接続されることで液体吐出ヘッドは完成する。特許文献1に開示された製造方法によれば、圧力室を二次元状に配置できるので圧力室を高密度に配置することが可能となる。また、この製造方法によれば、圧電プレートに溝を形成するほうが孔を形成するよりも加工しやすいため、精度良く圧力室を形成できるとされている。
また、特許文献2には、複数の筒型圧電部材を千鳥状の2次元マトリクス状に配列することによって、吐出口の高密度化を図った液体吐出ヘッドの製造方法が開示されている。その製造方法では、複数の凹部を有する型へ向けて超微粒子化された圧電部材をエアロゾルノズルから噴射して型へ堆積させ、凹部の中心にフェムト秒レーザーなどで圧力室、吐出口となる貫通口を設けている。この製造方法はエアロゾルデポジション法(AD法)と呼ばれる方法で、減圧された(50〜1kPa程度)チャンバー内で微粒子を型に対して数百m/sで噴射する。噴射された微粒子は型に衝突すると運動エネルギーが熱エネルギーに変換されて常温で固化される。このような製造方法で圧電部材を一体的に成形することによって、吐出口配置の精度の向上及び圧電部材の製造工程を簡素化できるとされている。
特開2007−168319号公報 特開2006−327163号公報
グールドタイプの液体吐出ヘッドにおいて、より高粘度のインクを吐出する(吐出力をより大きくする)ためには、圧力室を、アスペクト比(吐出口側の開口径に対する圧力室の長さの比)が高い形状、すなわち細長い形状にする必要がある。特許文献1に記載の製造方法では、圧力室を高アスペクト比形状で加工しようとするとダイサーなどによる2次元状の深溝加工が必要となる。しかし、PZTなどの圧電部材は脆性材料であるため、高アスペクト比の圧力室構造になるほどダイシングブレードの振動や洗浄液の水圧により圧力室の破損が懸念される。この懸念を払拭する手段として圧力室どうしの間隔を広くする方法が考えられるが、この場合、圧力室の高密度配置が困難になる。従って、特許文献1に開示された製造方法は、圧力室の高密度配置を確保して高粘度のインクを吐出することが困難である。
また、特許文献2に開示された製造方法では、現状、エアロゾルデポジション法で形成された圧電部材は、原理上は焼成することなく圧電部材として利用可能であるが、そのままではボイドなどの構造欠陥が内部に存在するために圧電特性が非常に低い。そのため、600〜1000℃程度で熱処理を行うことによって欠陥を回復させバルクの圧電部材並みの圧電特性を得ている。このように熱処理工程を施すと圧電部材は縮んでしまうので、精度良い圧力室の形成が困難になる。
本発明の目的は、上記の問題点を鑑みなされたもので、圧力室を高密度および高精度に配置するとともに、高粘度のインクを吐出することが可能な液体吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、互いに対向する一対の主面と、前記一対の主面に隣接する矩形の4つの側面と、を有する平板状の圧電部材であって、前記4つの側面の一つである第1の側面から前記第1の側面に対向する第2の側面まで連通し、前記第1の側面側の開口から液体を吐出する複数の圧力室が前記第1の側面の長手方向に間隔をとって配置された平板状の圧電部材を形成する工程と、前記複数の圧力室の内壁面に第1の電極を形成する工程と、前記平板状の圧電部材の、前記一対の主面の一方に、前記第1の側面に隣接し前記複数の圧力室に対向する第1の領域を、前記第2の側面に隣接し前記第1の領域とともに前記一方の主面を二分する第2の領域に対して凹ませる段差を形成する工程と、前記段差を形成した圧電部材における圧力室同士の間を、前記第1の側面から前記段差まで切断することによって、互いに独立した前記複数の圧力室が前記段差から延びた櫛状の圧電部材を形成する工程と、複数の前記櫛状の圧電部材を互いに積層し、前記第2の領域で接合する工程と、前記第2の領域で接合した前記複数の櫛状の圧電部材の外表面に第2の電極を形成する工程と、を有する。
本発明によれば、圧力室を高密度及び高精度に配置するとともに、高粘度のインクを吐出することが可能となる。
本発明の製造方法により製造された液体吐出ヘッドが搭載されたインクジェット記録装置の概略構成図である。 図1に示すインクジェット記録装置に設けられた液体吐出ヘッドユニットの吐出口の配置図である。 図1に示すインクジェット記録装置に設けられた液体吐出ヘッドユニットの外観示す斜視図である。 図3に示す液体吐出ヘッドユニットの分解斜視図である。 図3に示す切断線A−Aに沿った断面図である。 本発明の実施形態1における液体吐出ヘッドの製造方法のうち工程1から工程5までを説明するための斜視図である。 本発明の実施形態1における液体吐出ヘッドの製造方法のうち工程6から工程8までを説明するための斜視図である。 本発明の実施形態1における液体吐出ヘッドの製造方法のうち工程9を説明するための斜視図である。 本発明の実施形態1における液体吐出ヘッドの製造方法のうち工程10を説明するための斜視図である。 本発明の実施形態1及び2における液体吐出ヘッドの他の製造方法の工程の一部を説明するための斜視図である。 本発明の実施形態2における液体吐出ヘッドの製造方法のうちの工程1から工程7までを説明するための斜視図である。
(実施形態1)
まず、本発明の製造方法により製造された液体吐出ヘッドが搭載されたインクジェット記録装置の構成について説明する。図1は、本発明の製造方法により製造された液体吐出ヘッドが搭載されたインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。図1に示す記録装置では、搬送ベルト104の上に記録媒体102が載置されている。搬送ベルト104は、搬送ローラー103に張架され、無端ベルト状である。搬送ベルト104を駆動することによって、記録媒体102は、搬送方向(図1の矢印参照)に搬送される。
また、図1に示すインクジェット記録装置には、インクを吐出可能な液体吐出ヘッドユニット101が設けられている。液体吐出ヘッドユニット101は、記録媒体102の幅に対応した範囲に対応して配列された複数の吐出口308が形成された液体吐出ヘッド303を有する。液体吐出ヘッド303は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)の4色に対応して、記録媒体の搬送方向に並置される。記録媒体102を搬送しながら液体吐出ヘッド303から各インクを吐出させることによって、高速なフルカラー記録が行われる。
次に、液体吐出ヘッドユニット101の吐出口308の配置について図2を参照しながら説明する。インク色毎に設けられている各液体吐出ヘッドユニット101の構造は共通している。液体吐出ヘッド101では、図2に示すように、インク液滴を吐出する吐出口308を2次元状に配置することによって高密度化を図るようにした短尺の液体吐出ヘッドを形成している。この短尺の液体吐出ヘッドを複数繋ぎ合わせることによって、液体吐出ヘッドユニット101は、全体で被記録媒体の全幅に対応する長さとなるようにして1つの長尺のフルラインヘッドを構成している。
次に、図1に示すインクジェット記録装置に搭載されている液体吐出ヘッドユニット101の構成ついて説明する。
図3は、液体吐出ヘッドユニット101の外観を示す斜視図である。図4は、図3に示す液体吐出ヘッドユニット101の分解斜視図である。図5は、図3に示す切断線A−Aに沿った断面図である。液体吐出ヘッドユニット101では、記録媒体102側からオリフィスプレート304、液体吐出ヘッド303、流体制御プレート302、マニホールド301が順に積層接合されて構成されている。
オリフィスプレート304には、圧力室307で加圧されたインクが液滴として吐出する吐出口308が備えられている。
液体吐出ヘッド303は、全体が圧電部材で構成され、各吐出口308に対応した位置に長い筒状の流路構造をした圧力室307が2次元状に配置されている。圧力室307の内壁面には、第1の電極309が形成され、圧力室307の外壁面には第2の電極310(GND電極)が形成されている。筒状の圧力室307を形成し、第1の電極309と第2の電極310で挟まれた部分の圧電部材がインクを吐出する圧電アクチュエータ502として機能する。また、流体制御プレート302と接する面には第1の電極309、第1の電極用パッド311、第2の電極用パッド312が形成されている。これらのパッドにフレキシブルケーブルなどを電気的に接続することで各配線を駆動回路部(不図示)へと引き出すことが可能となる。
流体制御プレート302には、後方絞り306が各圧力室307に対応した位置に設けられている。後方絞り306は、圧電アクチュエータ502の駆動によって生じるインクの流動が吐出口側に強く生じるようにインクの逆流を制限するものである。流体制御プレート302は各電極と接しているので樹脂、ガラス、セラミクスなどの絶縁性材料で形成される必要がある。
マニホールド301には、ポンプ105によってインクタンク106からインクが流入するインク供給口305と、インク供給口305に連通した共通流路501が形成されている。液体吐出ヘッド303内に形成されている各圧力室307は、共通流路501を介して連通している。
次に本実施例の液体吐出ヘッド303の製造方法について説明する。
図6は、本実施形態の液体吐出ヘッド303の製造方法のうち、工程1から工程5までを説明するための斜視図である。
工程1は、図6(a)に示すように、平板状の第1の圧電プレート601に、複数の溝602を形成する工程である。各溝602は、矩形の4つの側面の一つである側面6(第1の側面)から側面6に対向する側面7(第2の側面)まで延び、側面6の長手方向Xに互いに間隔をとって配置される。溝602は、均一に所定の深さとする必要があるので、深さ制御において精度が高いダイシング加工などにより形成することが望ましい。溝602の空洞部分の一部が圧力室307として機能する。
工程2は、図6(b)に示すように、各溝602に第1の個別電極603を形成する工程である。第1の個別電極603のパターニングは、リフトオフ、レーザーやダイシングでのパターニングなどで形成する。リフトオフで形成する場合は、電極パターンを残さない部分にレジストが残るようにフォトリソグラフィで形成し、その上部からスパッタリングや蒸着によって電極となる金属層をレジストのパターンを含めて全面に形成する。そして、レジストを除去することでレジスト上部に成膜されていた金属膜がレジストと共に剥離して、最終的に所望の金属膜のパターンが得られる。また、レーザーやダイシングを用いる場合は、まず全面にスパッタリング、蒸着や無電解めっきなどで金属膜を成膜する。この時、ダイシングで加工された溝602の壁面は垂直に近い形状をしているのでスパッタや蒸着では十分に成膜されない場合がある。そのような場合には、無電解めっきでの成膜が好適である。そして、成膜された金属膜の不要な部分をレーザーやダイシングによって除去することで所望の個別電極パターンが得られる。
工程3は、図6(c)に示すように、第1の圧電プレート601の裏面に、段差609を形成する工程である。段差609によって、側面6に隣接し、溝602に対向する第1の領域が、側面7に隣接し、第1の領域とともに第1の圧電プレート601の裏面を二分する第2の領域に対して凹む。換言すると、第1の圧電プレート601の側面6側に、第1の圧電プレート601の厚さ方向Zに関する厚さが、側面7側の厚さより小さい部分が形成される。本実施形態では、第1の領域を切り欠き604と称し、また、第2の領域をベース部607と称する。切り欠き604は、ベース部607を残して、溝602の底部に達しない所望の深さまでフライス加工などの切削加工によって形成される。切り欠き604の部分に対応した溝602の空洞部分が、最終的に圧力室307となる。
工程4は、図6(d)に示すように、平板状の第2の圧電プレート608の表面に第2の個別電極605のパターニングを形成する工程である。第2の圧電プレート608は、第1の圧電プレート601と同一寸法の平面形状を有しているが、厚さは同じである必要はない。第2の個別電極605パターンのパターニングは、上述したリフトオフや金属膜のエッチングなどによって形成され、第1の個別電極603に対応する位置に形成される。
工程5は、図6(d)、(e)に示すように、第1の圧電プレート601と第2の圧電プレート608とを、前記第1の個別電極603と第2の個別電極605とが電気的に接続するように接合する工程である。これにより、平板状の接合体620(圧電部材)が完成する。平板状の接合体620において、段差609が形成された第1の圧電プレート601の裏面61と、第2の圧電プレートの、第2の個別電極605が形成されていない裏面62とが一対の主面を構成している。なお、工程5以降は、圧力室307内部に形成された電極を単に第1の電極309と称する。接合方法としては、フリップチップボンダーなどの装置を用いて接着剤での接合する方法や、第1の個別電極603と第2の個別電極605を金属接合する方法がある。工程5により、側面6側の開口(第1の側面側の開口)からインクを吐出する複数の圧力室307が一次元状に配列された流路構造が形成される。
図7は、本実施形態の液体吐出ヘッド303の製造方法のうち、工程6から工程8までを説明するための斜視図である。
工程6は、図7(a)に示すように、接合体620に形成された複数の圧力室307を分離する間隙606を形成する工程である。間隙606は、側面6から段差609に到達する部分まで切断することによって形成される。これにより、互いに独立した複数の圧力室307が段差609から延びた櫛状体630(櫛状の圧電部材)が完成する。切断方法としては、レーザーやダイサーによるハーフダイシングなどを用いる。ハーフダイシングの場合、ベース部607にR形状ができてしまう懸念があるので、厚いダミー基板に接合された第1、第2の圧電プレート601、608を仮接着してダミー基板部分の深さまでダイシングブレードが入るようにハーフダイシングを行う。これにより、ベース部607のR形状を防止することが可能となる。
工程7は、図7(b)に示すように、複数の櫛状体630を互いに接合する工程である。これにより、積層体640が完成する。工程7では、複数の櫛状体630は、側面6を揃えて、ベース部607を接合することによって、積層体640が完成する。接合方法には、ベース部607に接着剤を塗布したものを複数枚積層することで接着する方法や、金属膜をスパッタや蒸着でベース部607を含む切り欠き形成面の全面に成膜した金属膜を用いた金属接合による方法を用いる方法がある。工程7によって、複数の圧力室307が長手方向Xに間隙606で分離され、厚さ方向Zに段差609で分離され、二次元状に配置されることになる。
工程8は、図7(c)に示すように、積層体640の外表面に第2の電極310を形成する工程である。第2の電極310は、積層体640の側面6(圧力室307の吐出口側の開口面を含む)を全てマスキングテープやレジストなどによって覆った状態で無電解めっきを行うことによって形成される。これにより積層体640の側面6へのめっき膜の付着を防止しながら、他の部分には全周に渡ってめっき膜を成膜することが可能となる。
図8は、本実施形態の液体吐出ヘッド303の製造方法のうち工程9を説明するための斜視図である。
工程9は、積層体640の側面7(圧力室307の共通流路側の開口面を含む)に、第1の電極309を引き出すための配線パターンを形成する工程である。図8(a)に示すように、工程8では積層体640の側面6を除いて全周に第2の電極310が形成されているので、圧力室307の内壁面に形成された第1の電極309と第2の電極310とが導通している。そのため、工程9では、この導通を分離して図8(b)に示すような配線パターンを形成する。配線パターンには、フレキシブルケーブルなどと電気的に接続するための第1の電極用パッド311と、第2の電極用パッド312がそれぞれ含まれる。両電極パッドは、圧力室307が形成されていない端部に形成される。配線パターンの形成方法には、レーザーのアブレーションによる方法やレジストのフォトリソグラフィを併用した金属膜のエッチングを用いる方法がある。
図9は、本実施形態の液体吐出ヘッド303の製造方法のうち工程10および工程11を説明するための斜視図である。
工程10は、分極処理を行う工程である。この分極処理では、圧電部材のキュリー点付近まで加熱した状態で、第1の電極309と、第2の電極310に高電界が印加される。この分極処理によって、圧電アクチュエータ502は内外方向(図9(a)の矢印801参照)に分極される。よって、駆動信号に応じて圧力室307を膨張および収縮させるような変形が可能となる。第1の電極309と第2の電極310について、電圧の正負の組み合わせは特に限定されない。
工程11は、図9(b)に示すように、第1の電極309を覆う保護膜319を形成する工程である。保護膜319は、圧力室307に供給されるインクから第1の電極309を保護する目的で形成される。圧力室307が微細な筒形状を有した構造や圧電部材や接着剤などの構成材料を考慮すると、保護膜319の材料としてはパリレンが好適である。パリレンは気相で成膜することができるので圧力室内部にも一様に成膜することが可能である。また、優れた耐薬品性を有しているのでインク耐性も十分である。また、最高で400℃程度までの耐熱性を有しているので、圧電アクチュエータ502の駆動による温度上昇や再分極が必要となった場合にも対応可能である。
上述した液体吐出ヘッドの製造方法では、複数の圧力室307が一次元状に配置された平板状の接合体620ごとに、段差609の形成や圧力室同士の間の切断といった各圧力室307を分離するための加工を施している。そのため、ある一つの平板状の接合体620に上記の加工を施している最中に振動が発生しても、その振動は、他の平板状の接合体620に形成された圧力室307には影響しないので圧力室が損傷しにくくなる。よって、圧力室同士の間隔を広げなくても高アスペクト比の圧力室を形成できるようになるので、圧力室の高密度配置を確保するとともに、高粘度のインクを吐出することが可能となる。また、本実施形態の製造方法によれば、圧力室307を均一(高精度)に作製することが出来るのでインクの吐出量や吐出速度といった吐出性能を均一化することが可能である。
なお、本実施形態の製造方法では、工程3で第1の圧電プレートに段差609を形成した後、工程5で第1の圧電プレート601と第2の圧電プレート608とを接合している。しかし、本発明では、図10に示すように、第1の圧電プレート601と第2の圧電プレート608とを接合する工程の後、第1の圧電プレートに段差609を形成する工程を行ってもよい。
(実施形態2)
本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法について説明する。
図11は、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法のうち、工程1から工程7までを説明するための斜視図である。なお、以下、実施形態1で説明した製造方法と相違する点を中心に詳細に説明し、実施形態1で説明した製造方法と同じ点については詳細な説明を省略する。
工程1は、実施形態1で説明した工程1と同様に、平板状の第1の圧電プレート601に複数の溝602を形成する工程である(図11(a)参照)。工程2は、実施形態1で説明した工程3と同様に、第1の圧電プレート601の裏面に段差609を形成する工程である(図11(b)参照)。工程3は、実施形態1で説明した工程5と同様に、第1の圧電プレート601と第2の圧電プレート608とを接合する工程である(図11(c)、(d)参照)。
実施形態1の製造方法では、工程2および工程4で第1の個別電極603、605をそれぞれ形成した後、工程5で第1の圧電プレート601と第2の圧電プレート608を接合していた。一方、本実施形態の製造方法では、第1の個別電極603、605を形成する前に第1の圧電プレート601と第2の圧電プレート608とを接合する。
工程4は、実施形態1で説明した工程6と同様に、間隙606を形成する工程である(図11(e)参照)。工程5は、実施形態1で説明した工程7と同様に、複数の櫛状体630を互いに積層する工程である(図11(f)参照)。
工程6は、無電解めっきによって第1の電極309および第2の電極310を形成する工程である。図11(g)に示すように、圧力室307の内壁面および外壁面を含む、露出面全体にめっき膜1001が成膜される。
工程7は、図11(h)に示すように、圧力室307の吐出口側の開口面に成膜されためっき膜1001を除去する工程である。除去の方法は、レーザー、研磨やダイシングなどである。研磨やダイシングで金属膜の除去を行う場合には、圧力室307が破損するおそれがある。そのため、圧力室307どうしの隙間部分に容易に除去可能なレジストなどの樹脂を充填して補強を行った上で加工を行うことが望ましい。工程7以降は、実施形態1で説明した工程9〜工程11が行われる。
本実施形態の製造方法では、第1の電極309と第2の電極310の形成工程を簡素化することが可能となるので全体の製造方法の工程も簡素化することが出来る。
また、本実施形態の製造方法では、工程2で第1の圧電プレートに段差609を形成した後、工程3で第1の圧電プレート601と第2の圧電プレート608とを接合している。しかし、本発明では、図10に示すように、第1の圧電プレート601と第2の圧電プレート608とを接合する工程の後、第1の圧電プレートに段差609を形成する工程を行ってもよい。
307 圧力室
309 第1の電極
310 第2の電極
609 段差

Claims (7)

  1. 互いに対向する一対の主面と、前記一対の主面に隣接する矩形の4つの側面と、を有する平板状の圧電部材であって、前記4つの側面の一つである第1の側面から前記第1の側面に対向する第2の側面まで連通し、前記第1の側面側の開口から液体を吐出する複数の圧力室が前記第1の側面の長手方向に間隔をとって配置された平板状の圧電部材を形成する工程と、
    前記複数の圧力室の内壁面に第1の電極を形成する工程と、
    前記平板状の圧電部材の、前記一対の主面の一方に、前記第1の側面に隣接し前記複数の圧力室に対向する第1の領域を、前記第2の側面に隣接し前記第1の領域とともに前記一方の主面を二分する第2の領域に対して凹ませる段差を形成する工程と、
    前記段差を形成した圧電部材における圧力室同士の間を、前記第1の側面から前記段差まで切断することによって、互いに独立した前記複数の圧力室が前記段差から延びた櫛状の圧電部材を形成する工程と、
    複数の前記櫛状の圧電部材を互いに積層し、前記第2の領域で接合する工程と、
    前記第2の領域で接合した前記複数の櫛状の圧電部材の外表面に第2の電極を形成する工程と、を有する、液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記第2の電極が、前記第1の側面をマスキングした状態でスパッタリング、蒸着、またはめっきによって形成される、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記第1の電極が、無電解めっきによって形成される、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記圧力室の前記内壁面を構成する複数の溝が形成され、前記複数の溝の各々に第1の個別電極が形成された第1の圧電プレートと、前記複数の溝に対応する位置に第2の個別電極が形成された第2の圧電プレートとを、前記第1の個別電極と前記第2の個別電極とが電気的に接続するように接合することによって、前記複数の圧力室および前記第1の電極を形成する工程を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記第1の個別電極を、スパッタリング、蒸着、またはめっきによって形成する、請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記第1の個別電極と前記第2の個別電極との金属接合によって、前記第1の圧電プレートと前記第2の圧電プレートを接合する、請求項4または5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記第1の電極を覆う保護膜が形成する工程を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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