JP2012130880A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高い密度で配置され、かつ圧力室毎の吐出特性のばらつきがより小さい液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】第1の圧電プレート17の一の外面17aに、第1の溝18を複数形成する工程と、一の外面17aを覆うように第2の圧電プレート19を第1の圧電プレート17に接合することで、第1の溝18および第2の圧電プレート19からなる複数の圧力室7が配列されてなる圧力室列21を備えた接合体20を形成する工程と、接合体20の第1の外面20aに、隣り合う圧力室7の間に位置する第2の溝22を形成する工程と、複数の接合体20を、接合体20の圧力室7が延びる方向を揃えて積層して、複数の圧力室列21を備える積層構造体23を形成する工程と、積層構造体23の、圧力室7が延びる方向の両外面のうちの一方の外面3aより圧力室7が延びる方向に、隣り合う圧力室列21の間に位置する第3の溝24を掘る工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えばインクなどの液体を吐出する液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
従来、記録装置として、インクを吐出して被記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置には、インクを吐出するための液体吐出ヘッドが搭載されている。
液体吐出ヘッドには、インクが吐出するための圧力(以下、吐出圧力という)をインクに付与する圧力室と、当該圧力室へインクを供給する共通液室と、当該圧力室からインクを吐出する吐出口と、が設けられている。インクへ吐出圧力を付与する方法として、圧力室にインクを貯留している状態で圧力室の容積を収縮させる方法がある。
この方法を用いた液体吐出ヘッドでは、PZT(Pb(Zr,Ti)O3:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される、電界を印加することで変形する圧電材料を用いて圧力室の少なくとも一部の壁(以下、駆動壁と称す)が形成されている。圧電材料に電界を印加して駆動壁を変形させ、圧力室の容積を収縮させることによってインクに吐出圧力が付与される。また、圧力室の容積を膨張させるように駆動壁を変形させることによって、共通液室から圧力室へインクが供給される。
ところで、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置では、インクに含まれる水分により、カール(被記録媒体が反り返る変形)やコックリング(被記録媒体が波打つ変形)などが被記録媒体に発生することがある。
被記録媒体にカールやコックリングなどの変形が発生した場合、被記録媒体に対する液体吐出ヘッドの吐出口の位置がずれることがある。その結果、インク滴の被記録媒体への着弾位置が所望の位置からずれ、記録画像の品位が低下していた。そこで、被記録媒体の変形を低減するために、インクの水分量が比較的少ない高粘度インクを使用することが提案されている。
高粘度インクを吐出するためには、粘度の比較的低いインクを吐出する場合に比べて、より大きい吐出力が液体吐出ヘッドに必要とされる。特許文献1では、より大きい吐出力を得られる液体吐出ヘッドとして、圧力室を形成するすべての壁を圧電材料からなる駆動壁としたグールドタイプの液体吐出ヘッドが開示されている。
グールドタイプの液体吐出ヘッドでは、圧力室を形成するすべての壁が変形するため、例えば圧力室を形成する壁のうちの1つの壁を変形させて圧力室を膨張・縮小させる液体吐出ヘッドと比べて、インクの吐出力をより大きくすることができる。
グールドタイプの液体吐出ヘッドの製造方法として、棒形状の圧電材料に、該棒形状の長手方向に沿った貫通穴を形成して該貫通穴を圧力室とする方法が提案されている。貫通穴を形成するときに残存した部分の圧電材料が駆動壁となる。しかしながら、棒形状の圧電材料へ貫通穴を形成する加工は、比較的高度な技術を必要とするため、圧力室の小型化に限界があった。
一方、近年では印字速度を維持したまま記録画像の解像度をより高めるために、複数の吐出口をより高い密度で配置することが求められている。吐出口の高密度化に伴って、各々の吐出口に対応して設けられる圧力室をより小型化しかつより高い密度で配置することが必要とされている。そこで、特許文献1では、グールドタイプの液体吐出ヘッドにおける圧力室および駆動壁を、より簡易な加工で形成することができる製造方法が開示されている。
特許文献1で開示されているグールドタイプの液体吐出ヘッドの製造方法について説明する。
まず、作業者または製造装置は、圧電材料からなる圧電プレートの一の外面に、第1の方向に延びる溝を、第1の方向と交わる第2の方向に所定の間隔だけ隔てて複数形成する。この圧電プレートを複数準備し、当該一の外面が覆われるように複数の圧電プレートを積層し、圧電プレートの積層構造体を形成する。一の圧電プレートに形成されている溝と、当該一の圧電プレートの一の外面を覆うように積層された他の圧電プレートと、で形成された空間が圧力室となる。
圧電プレートを積層するときに、それぞれの圧電プレートに形成された溝が延びる方向を揃え、かつ圧電プレートを積層する方向(以下、第3の方向と称す)に沿ってそれぞれの圧電プレートの溝を配置する。このように複数の圧電プレートを積層することによって、圧力室は、第2および第3の方向にマトリクス状に配置される。
次に、積層構造体の、第1の方向に位置する一の外面より第1の方向に、ダイシングブレードを用いて第2の方向に隣り合う圧力室の間に位置し第3の方向に延びる直線状の溝を形成する。続いて、積層構造体の当該一の外面より第1の方向に、ダイシングブレードを用いて第3の方向に隣り合う圧力室の間に位置し第2の方向に延びる溝を掘る。第2および第3の方向に延びる溝を第一の方向に掘ったときに圧力室と該溝との間に残存した圧電材料が、駆動壁となる。
圧電プレートに溝を形成することは、棒形状の圧電材料に貫通穴を形成する場合に比べて容易にできるため、小型でかつ高密度で配置された圧力室を有する液体吐出ヘッドを製造することができる。
特開2007−168319号公報
しかしながら、特許文献1で開示されている液体吐出ヘッドの製造方法では、圧電プレートを積層するときにいくつかの圧電プレートが所定の位置よりも第2の方向にずれた場合、圧力室が第3の方向に一直直線に配置されなくなる。第3の方向に延びる溝は直線状に形成されるため、圧力室が第3の方向に直線状に配置されていない状態で第3の方向に延びる溝を積層構造体に形成した場合、駆動壁の厚さは、圧電プレートがずれている分だけ厚くなったり薄くなったりする。
駆動壁の厚さは圧電材料の変形量や変形速度に影響を与える。したがって、それぞれの駆動壁の厚さが異なっている液体吐出ヘッドでは、液滴の吐出量や吐出速度などの吐出特性が圧力室毎に異なる。その結果、液体吐出ヘッドから吐出される液滴の大きさや、該液滴の被記録媒体への着弾位置がばらつき、記録画像の品位が低下する。
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を鑑みなされたもので、複数の圧力室がより高い密度で配置され、かつ圧力室毎の吐出特性のばらつきがより小さい液体吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様は、圧電材料の変形に応じて液体が吐出するための圧力を液体に付与する圧力室が複数配列された液体吐出ヘッドの製造方法に係る。この態様において、圧電材料からなる第1の圧電プレートの一の外面に、第1の溝を複数形成する工程と、一の外面を覆うように圧電材料からなる第2の圧電プレートを第1の圧電プレートに接合することで、第1の溝および第2の圧電プレートから形成される圧力室が複数配列された圧力室列を備えた接合体を形成する工程と、接合体の、第1の圧電プレートと第2の圧電プレートとの接合面を挟んだ第1の外面および第2の外面のうちの第1の外面に、隣り合う圧力室の間に位置する第2の溝を形成する工程と、第2の溝が形成された接合体を複数準備する工程と、複数の接合体のうちの一の接合体の第1の外面と、複数の接合体のうちの他の接合体の第2の外面と、を当接させ、それぞれの接合体の圧力室が延びる方向を揃えて複数の接合体を積層して、圧力室列を複数備える積層構造体を形成する工程と、積層構造体の、圧力室が延びる方向と交わる両外面のうちの一方の外面より圧力室が延びる方向に、隣り合う圧力室列の間に位置する第3の溝を形成する工程と、を含む。
本発明の製造方法によれば、複数の圧力室がより高い密度で配置され、かつ圧力室毎の吐出特性のばらつきがより小さい液体吐出ヘッドを製造することができる。
本発明の製造方法により製造される液体吐出ヘッドの斜視図。 図1に示す液体吐出ヘッドの分解斜視図。 液体吐出ヘッドを、マニホールドからオリフィスプレートへ向かう面(図1に示すA−A面)で切断したときの断面図。 本発明の実施形態に係るヘッドの製造方法を説明するための図。 本発明の製造方法により製造された積層構造体の斜視図。 図5に示す積層構造体に第1および第2の電極を形成する工程を説明するための図。 駆動壁の分極処理を説明するための模式図。
以下、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法により製造される液体吐出ヘッドの斜視図である。図1に示すように、液体吐出ヘッド1は、オリフィスプレート2、圧電素子基板3、流体制御プレート4およびマニホールド5がこの順に接合されている。
図2は、オリフィスプレート2、圧電素子基板3、流体制御プレート4およびマニホールド5を分離したときの液体吐出ヘッド1の斜視図である。図3は、マニホールド5からオリフィスプレート2へ向かう面(図1に示すA−A面)で切断したときの断面図である。
図2および図3に示すように、オリフィスプレート2には、インクを吐出するための吐出口6が形成されている。吐出口6は円形貫通孔からなり、複数の吐出口6が2次元のアレイ状に配設されている。
圧電素子基板3は圧電材料で形成されている。また、圧電素子基板3の、オリフィスプレート2が接合されるオリフィスプレート側の面3aから、圧電素子基板3の、流体制御プレート4が接合される流体制御プレート側の面3bへ向かって貫通穴が形成されている。当該貫通穴がインクに吐出圧力を付与する圧力室7となっており、圧力室7を囲う壁が圧力室7の容積を変化させる駆動壁8となっている。駆動壁8の変形に応じてインクに吐出圧力が付与される。
圧力室7は、それぞれの吐出口6に対応する位置に、2次元のアレイ状に設けられている。圧力室7から吐出圧力を付与されたインクは、圧力室7に対応した位置にある吐出口6から吐出される。
駆動壁8は、それぞれの圧力室7の周囲に溝9が形成されることによって圧力室7毎に独立して設けられている。したがって、一の圧力室7を囲う駆動壁8が変形しても該一の圧力室7の隣に位置する他の圧力室7の容積は変化しない。すなわち、それぞれの圧力室7の容積を個別に変化させることができる。
なお、2次元のアレイ状に配設された圧力室7のうちの、最外周に位置する圧力室7では、圧力室7の全周に溝9を形成せずに圧電素子基板3の外周壁(図3に示す圧電素子基板3の左端の壁)を駆動壁8としてもよい。
駆動壁8の、圧力室7側の面には第1の電極10が形成されており、駆動壁8の、溝9側の面には第2の電極11(GND電極)が形成されている。なお、図1および図2において、ハッチングされている領域が、第1の電極10または第2の電極11が形成されている領域である。
駆動壁8が第1の電極10および第2の電極11から電界を印加されることによって駆動壁8が変形し、圧力室7の容積が変化する。
圧電素子基板3の流体制御プレート側の面3bには、第1の電極10および第2の電極11へ電力を送るための第1の電極用パッド12および第2の電極用パッド13が配設されている。第1の電極用パッド12および第2の電極用パッド13へフレキシブルケーブルを電気的に接続することで、液体吐出ヘッド1の外部から第1の電極10および第2の電極11へ電力が供給される。
第1の電極用パッド12および第2の電極用パッド13は、圧電素子基板3へ流体制御プレート4が接合されても露出されている(図1参照)。したがって、フレキシブルケーブルを容易に第1の電極用パッド12および第2の電極用パッド13へ接続することができる。
マニホールド5は、中空の略直方体の一側面を除去して開放した形状を有しており、この開放されている側が流体制御プレート4へ接合されている。マニホールド5が流体制御プレート4へ接合されて、インクを貯留する共通液室14が形成されている。また、マニホールド5には、不図示のインクタンクから共通液室14へインクを供給するためのインク供給口15が形成されている。
流体制御プレート4の、圧力室7に対応する位置には、共通液室14と圧力室7とを連通する絞り穴16が形成されている。絞り穴16は、駆動壁8の変形によって生じるインクの流れが吐出口6側に生じるように形成されている。したがって、駆動壁8が変形して圧力室7の容積が収縮する場合には圧力室7のインクは吐出口6から吐出され、圧力室7の容積が膨張する場合には共通液室14から圧力室7へインクが供給される。
流体制御プレート4は第1の電極10および第2の電極11と接しているため、樹脂、ガラス、セラミクスなどの絶縁性材料で形成されている。
次に本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッド1の製造方法について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッド1の製造方法を説明するための図である。図4(a)〜(e)は、製造途中にある圧電素子基板3を、オリフィスプレート側の面3aから流体制御プレート側の面3bへ向かってみたときの断面図(図4(a’)〜(e’)におけるB−B断面図)である。図4(a’)〜(e’)は、図4(a)〜(e)に対応する製造途中の圧電素子基板3の断面図(図4(a)〜(e)におけるC−C断面図)である。なお、図4(a’)〜(e’)では、オリフィスプレート側の面3aとなる面が左側に配置され、流体制御プレート側の面3bとなる面が右側に配置されている。
まず、図4(a)および(a’)に示すように、圧電材料からなる第1の圧電プレート17を準備し、第1の圧電プレート17の一の外面17aに、一の外面17aと平行な所定の方向(以下、第1の方向Xと称す)に沿って延びる複数の第1の溝18を形成する。第1の方向Xは、図4(a)〜(e)において紙面と垂直な方向であり、図4(a’)〜(e’)において紙面の水平な方向である。
次に、圧電材料からなる第2の圧電プレート19を準備する。図4(b)および(b’)に示すように、第1の圧電プレート17の一の外面17aを覆うように第2の圧電プレート19を第1の圧電プレート17に接合し、接合体20を形成する。
第1の溝18が第2の圧電プレート19で覆われることにより、圧力室7が形成される。第1の圧電プレート17には複数の第1の溝18が形成されているため圧力室7が複数形成され、一の外面17aに沿って複数配列された1つの圧力室列21が形成される。
第1の溝18が圧力室7となるため、第1の溝18を形成する工程(図4(a)および(a’))において、第1の溝18の溝幅および溝深さは圧力室7の仕様によって適宜決定される。
液体吐出ヘッド1(図1ないし図3)には圧力室7が比較的高い密度で配置されることが求められる。例えば、第1の溝18の溝幅および溝深さを数十μmから数百μmとすることがある。したがって、比較的高精度な加工を実現できるダイシング加工で第一の溝18を形成することが好ましい。
第1の圧電プレート17と第2の圧電プレート19との接合には接着剤を用いることができる。液体吐出ヘッド1(図1等)の製造工程で接合体20を加熱することがあるため、接着剤には比較的高い耐熱性が求められる。具体的には、耐熱温度が100℃以上、より好ましくは150℃以上の接着剤がよい。また、圧力室7の内壁には第1の電極10(図2および図3)が形成され、液体吐出ヘッド1を使用するときには圧力室7にインクが充填されるため、比較的高い耐めっき液性および耐インク性を有する接着剤がよい。このような観点から、接着剤は主成分がエポキシ系であるものやポリイミド系であるものが好適に用いられる。金属膜を用いた金属接合により第1の圧電プレート17と第2の圧電プレート19とを接合しても良い。
図4(c)および(c’)に示すように、接合体20の、第1の圧電プレート17と第2の圧電プレート19との接合面を挟んだ第1の外面20aおよび第2の外面20bのうちの第1の外面20aに、隣り合う圧力室7の間に位置する第2の溝22を形成する。第2の溝22と圧力室7との間に残存した圧電材料が、圧力室列21の方向(以下、第2の方向Yと称す)における駆動壁8となる。したがって、第2の溝22の、位置や溝幅を管理することで、駆動壁8の厚みを所望の厚みとすることができる。
駆動壁8を比較的高い精度で形成するために、ダイシング加工により第2の溝22を形成することが望ましい。
なお、本実施形態では、第2の溝22が形成される第1の外面20aを、第2の圧電プレート19側の外面としたが、第1の外面20aが第1の圧電プレート17側の外面であってもよい。
また、圧力室列21の端に位置する圧力室7と、接合体20の、第2の方向Yに位置する外側面と、の間の領域からなる壁が、所望の駆動壁8の厚さよりも大きい場合には、当該領域に第2の溝22を形成してもよい。
第2の溝22は、隣り合う圧力室7の間に複数形成してもよい。これは、隣り合う圧力室7の間隔に対してダイシングブレードの厚さが比較的薄く、一度のダイシング加工では所望の駆動壁厚さが得られない場合に有効である。隣り合う圧力室7の一方の圧力室7から所望の距離だけ離れた位置に第2の溝22を形成し、隣り合う圧力室7の他方の圧力室7から所望の距離だけ離れた位置にさらに第2の溝22を形成する。このように第2の溝22を形成することによって、隣り合う圧力室7の間隔に対してダイシングブレードの厚さが比較的薄い場合でも、所望の厚みを有する駆動壁8を容易に形成することができる。
また、第2の溝22は、接合体20の、圧力室7が延びる方向の両面のうちの一方の外面20cから他方の外面20dまでのすべての範囲に形成されていなくてもよい。すなわち、第2の溝22は、接合体20の、一方の外面20cと他方の外面20dとの間の位置から、一方の外面20cまで形成された溝であってもよい。
次に、第2の溝22が形成された接合体20を複数準備する。図4(d)および(d’)に示すように、複数の接合体20を積層して圧力室列21を複数備える積層構造体23を形成する。複数の接合体20のうちの一の接合体20の第1の外面20aと、複数の接合体20のうちの他の接合体20の第2の外面20bと、が当接するように積層されている。
積層構造体23を形成するときに、接合体20の、圧力室7が延びる方向を揃えて接合体20を積層する。その結果、積層構造体23には、圧力室7の開口を有する2つの面が形成され、該2つの面のうちの一方の面がオリフィスプレート側の面3aとなり、他方の面が流体制御プレート側の面3bとなる。
接合体20を積層して固定させる方法としては、接合体20を形成する工程で用いた接着剤と同様に、エポキシ系やポリイミド系が主成分の接着剤を用いる方法が好ましい。
その後、図4(e)および(e’)に示すように、積層構造体23の、圧力室7が延びる方向と直行する両外面のうちの一方の外面3aより第1の方向Xに、隣り合う圧力室列21の間(図4(d)に示す領域D)に位置する第3の溝24を形成する。その際、第3の溝24の加工領域(領域D)は、隣り合う接合体20の接合部を含む領域とする。
第3の溝24を形成することにより、圧力室7の、接合体20を積層した方向(以下、第3の方向Zと称す)の駆動壁8が形成される。また、隣り合う接合体20の接合部を含めて第3の溝24を形成することにより、駆動壁8内に該接合部が残らないようにすることができる。
本実施形態では、複数の第3の溝24のうちの1つの溝24と、それに隣接する圧力室列21を形成する圧力室7の間に形成された第2の溝22と、を連通するように、第3の溝24を形成している。第2の溝22と第3の溝24とが連通されることによって、圧力室7の周囲に溝が形成され、圧力室7の容積の収縮・膨張に寄与する駆動壁8をより大きくすることができる。すなわち、圧力室7の容積の変化がより大きくなり、圧力室7からインクに付与される吐出力をより大きくすることができる。
第3の溝24と圧力室7との間に残る圧電材料の厚さが所望の厚さになるように、第3の溝24を形成する。第2の溝22を形成したときと同様に、隣り合う圧力室列21の間に複数の第3の溝24を形成してもよい。
また、第3の方向Zの端に位置する圧力室7と、積層構造体23の、第3の方向Zに位置する外側面と、の間の領域からなる壁が、所望の駆動壁8の厚さよりも大きい場合には、当該領域に第3の溝24を形成してもよい。
第3の溝24を形成する方法としては、ダイシングブレードを用いた加工が好適であるが、ワイヤーソーを用いた加工方法も可能である。
以上の工程により、圧力室7の周囲の駆動壁8が一定の厚みを有する積層構造体23が形成される。図5は、本発明の製造方法により製造された積層構造体23の斜視図である。
なお、図5に示される積層構造体23は、第2の溝22を形成する工程(図4(c))において、第2の溝22を、接合体20の、一方の外面20cと他方の外面20dとの間の位置から、一方の外面20cまで形成した接合体20を積層したものである。
図6は、図5に示す積層構造体23に第1および第2の電極10、11(図1ないし図3)を形成する工程を説明するための図である。
まず、図6(a)に示すように、積層構造体23の表面(圧力室7の内側面を含む)に金属膜25を形成する。図6において、ハッチングが施されている領域が、金属膜25が形成されている領域である。駆動壁8の、圧力室7側の面に形成された金属膜25が第1の電極10となり、駆動壁8の、圧力室7側とは反対の面に形成された金属膜25が第2の電極11となる。
次に、積層構造体23のオリフィスプレート側の面3aの金属膜25を研削または研磨加工により除去する。
また、図6(b)に示すように、積層構造体23の流体制御プレート側の面3bの金属膜25を、第1の電極用パッド12、第2の電極用パッド13、およびそれらと第1の電極10、第2の電極11とを電気的に接続する配線を残して部分的に除去する。このような、金属膜25を除去する方法としては、強力なレーザーを照射して金属膜25を削り取るレーザーアブレーション法や、感光性物質を用いて露光することで配線模様を生成するフォトリソグラフィ法等がある。
その後、駆動壁8の分極処理を行なう。図7は、駆動壁8の分極処理を説明するための模式図である。図7には、1つの圧力室7およびそれを囲う駆動壁8が示されている。
駆動壁8の分極処理を行うために、100℃ないし200℃の温度を有するシリコンオイル内で、第1の電極10と第2の電極11との間に、高圧電源26を用いて1kV/mmから5kV/mmの電界を30分から90分印加する。この分極処理によって駆動壁8は分極方向27に分極され、駆動信号に応じて圧力室7を膨張・収縮させるような変形が可能となる。
第1の電極10および第2の電極11の電圧の正負の組み合わせに関しては特に限定はない。
駆動壁8の分極処理が行われることによって、図1に示す圧電素子基板3が完成する。その後、圧電素子基板3に、オリフィスプレート2、流体制御プレート4、マニホールド5が接合されて、液体吐出ヘッド1が完成する。
このようにして製造された液体吐出ヘッド1は、図4に示すように、積層構造体23を形成する前に、第2の方向Yにおける駆動壁8の厚みが所望の厚みとなっている。そのため、積層構造体23を形成するときに接合体20が第2の方向Yに所望の位置からずれても駆動壁8の厚みにばらつきが生じない。
すなわち、駆動壁8の厚みが均一に形成されるため、各吐出口6から吐出される液滴の量と吐出速度を均一にすることが可能である。したがって、従来の製造方法により製造された液体吐出ヘッドに比べ、より品位の高い画像を記録することが可能となる。
また、第1の溝18を第2の圧電プレート19で覆うことで圧力室7が形成されるため、棒形状の圧電材料に貫通穴を形成する場合に比べ、より容易な加工でより高密度に圧力室7を配置することができる。さらに、すなわち第1の圧電プレート17および第2の圧電プレート19の厚さの合計を、従来の製造方法の圧電プレートと同じ厚さとすることで、第3の方向Zにおける圧力室7の密度を小さくすることなく、液体吐出ヘッド1を製造することができる。
1 液体吐出ヘッド
7 圧力室
17 第1の圧電プレート
17a 第1の圧電プレートの一の外面
18 第1の溝
19 第2の圧電プレート
20 接合体
20a 接合体の第1の外面
20b 接合体の第2の外面
21 圧力室列
22 第2の溝
23 積層構造体
24 第3の溝

Claims (2)

  1. 圧電材料の変形に応じて液体が吐出するための圧力を液体に付与する圧力室が複数配列された液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    圧電材料からなる第1の圧電プレートの一の外面に、第1の溝を複数形成する工程と、
    前記一の外面を覆うように圧電材料からなる第2の圧電プレートを前記第1の圧電プレートに接合することで、前記第1の溝および前記第2の圧電プレートから形成される前記圧力室が複数配列された圧力室列を備えた接合体を形成する工程と、
    前記接合体の、前記第1の圧電プレートと前記第2の圧電プレートとの接合面を挟んだ第1の外面および第2の外面のうちの第1の外面に、隣り合う前記圧力室の間に位置する第2の溝を形成する工程と、
    前記第2の溝が形成された前記接合体を複数準備する工程と、
    複数の前記接合体のうちの一の接合体の前記第1の外面と、複数の前記接合体のうちの他の接合体の前記第2の外面と、を当接させ、それぞれの前記接合体の前記圧力室が延びる方向を揃えて複数の前記接合体を積層して、前記圧力室列を複数備える積層構造体を形成する工程と、
    前記積層構造体の、前記圧力室が延びる方向と交わる両外面のうちの一方の外面より前記圧力室が延びる方向に、隣り合う前記圧力室列の間に位置する第3の溝を形成する工程と、を含む液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記第3の溝を形成する工程において、
    前記第3の溝と、該第3の溝に隣接する前記圧力室列を形成する前記圧力室の間に形成された前記第2の溝とを連通するように、前記第3の溝を形成することを含む、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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