JP4222218B2 - ノズルプレート、ノズルプレート製造方法、及びインクジェットヘッド製造方法 - Google Patents

ノズルプレート、ノズルプレート製造方法、及びインクジェットヘッド製造方法 Download PDF

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本発明は、被印刷媒体にインクを吐出するインク吐出面を有するノズルプレート、ノズルプレート製造方法、及びインクジェットヘッド製造方法に関する。
被印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドは、薄板状の金属プレートが積層された積層構造を有しているものが一般的である。このインクジェットヘッド内には、インクを吐出するノズル(インク吐出孔)とこれに連通する圧力室とを含むインク流路が多数形成されており、各圧力室に対向する位置にはアクチュエータがそれぞれ配置されている。各アクチュエータを駆動させると、対応する圧力室の容積が減少し、減少した容積分のインクがノズルから吐出される。このとき、ノズルの開口部近傍に残インクが付着しているとインクの吐出を阻害することがある。また、インクの吐出面をゴム製のブレードでワイピングしてクリーニングを行う場合に効率良くインクを除去することができないことがある。そのため、インク吐出面においては撥水膜が形成されていることが好ましい。この撥水膜は、例えばテフロン(登録商標)含有Niメッキ等で形成されるものが知られている。
インクの吐出面にこのような撥水膜を形成するためには、インク吐出面に対してメッキ処理を行う必要がある。しかしながら、メッキ処理を行うためにはインク吐出面以外の領域がマスキングされた母材をメッキ液層に浸漬しなければならないため、ノズルプレートがインクジェットヘッドに組み付けられた状態で、インク吐出面のみにメッキ処理を行うことは困難である。従って、この場合はノズルプレート単体に対してメッキ処理を行わなければならない。このように、メッキ処理により撥水膜を形成する場合には、インクジェットヘッドの製造工程の自由度が著しく制限されるという問題がある。
また、例えば、図13に示すように、ノズルとなるインク吐出孔52が形成されたノズルプレート51のインク吐出面上に、メッキ処理により撥水膜53を形成する場合には、撥水膜53はインク吐出面に垂直な方向に成長する。一方、インク吐出孔52の開口部においては、撥水膜53はインク吐出面に垂直な方向に成長すると同時に、インク吐出面に平行な方向にも成長する。したがって、撥水膜53の縁部がインク吐出孔52から突出してインク吐出孔52にオーバーハングが形成される。さらに、撥水膜53をインク吐出面に限って形成しようとして、インク吐出孔52の内壁面全体をマスキングした場合でも、撥水膜53のインク吐出面と平行方向への成長は制限されないので、オーバーハングが突出した状態で形成されてしまう。しかしながら、インク吐出孔52にオーバーハングが形成されると撥水膜53の縁部によりインクの吐出が阻害され、インク滴の着弾位置が不安定となり、結果として、インクの吐出特性が悪くなるという問題がある。
また、撥水膜を形成する他の方法として、炭化水素ガスを用いたプラズマCVD法により母材表面に撥水効果のあるアモルファスダイアモンド膜を形成する技術が開示されている(特許文献1参照)。プラズマCVD法とは、原料ガスを高周波によりプラズマ状態として化学反応を促進させ、母材表面上に原料を堆積させて膜を形成する方法である。
特開平10−296973号公報(図2)
上述した技術では、撥水膜を形成するために母材をメッキ液層に浸漬する必要がないため、ノズルプレートをインクジェットヘッドに組み付けた後に撥水膜を形成する等の構成をとることができる。このため、メッキ処理により撥水膜を形成する場合と比較してインクジェットヘッドの製造工程の自由度を上げることができる。しかしながら、インク吐出面における母材表面上に対してさらに撥水膜を形成することに変わりはなく、メッキ処理により撥水膜を形成する場合と同様に、依然としてインク吐出孔の開口部にオーバーハングが形成されるという問題がある。
そこで、本発明の主たる目的は、インクジェットヘッドの製造工程の自由度を高くすることができるノズルプレート製造方法、及びインクジェットヘッド製造方法を提供することである。
また、本発明の別の目的は、インク吐出特性に優れたノズルプレートを提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明のノズルプレートの製造方法は、複数のプレートが積層された積層構造を有するとともに、被印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記積層構造を構成しインクを吐出するためのインク吐出孔が形成されているプレートであるノズルプレートの製造方法であって、前記ノズルプレートにインクが吐出される前記インク吐出孔を形成する孔空け工程と、前記孔空け工程により形成された前記インク吐出孔が開口するインク吐出面において、少なくとも前記インク吐出孔の開口部周辺領域をアモルファス化するアモルファス化工程とを備えている。
これによると、ノズルプレートを他のユニットに組み付けた後であってもインク吐出面に撥水層を形成することができるため、インクジェットヘッドの製造工程の自由度を高くすることができる。また、ノズルプレートのインク吐出面そのものがアモルファス化しているため、インク吐出孔の開口部にオーバーハングを有していない。これにより、優れたインクの吐出特性を得ることができる。
本発明においては、前記アモルファス化工程において、前記インク吐出面の全てをアモルファス化することが好ましい。これによると、インク吐出面の全てがアモルファス化しているため、ワイピングによるインク吐出面のクリーニングを効率よく行うことができる。
また、本発明では、前記アモルファス化工程において、前記インク吐出面における前記インク吐出孔の外周領域のみをアモルファス化してもよい。これによると、アモルファス化する面積が小さいために、アモルファス化工程にかかる時間とコストとを低減することができる。
さらに、本発明では、前記アモルファス化工程において、前記インク吐出孔の内壁面の少なくとも一部をさらにアモルファス化することが好ましい。これによると、インクのメニスカスがインク吐出孔の内部に形成されることになるので、インクを吐出することで生じることがあるインク吐出面へのインクの残留を抑制することができる。したがって、インク吐出孔からインクがスムーズに吐出され、インクの吐出特性をさらに良くすることができる。
加えて、本発明では、前記アモルファス化工程において、電子ビーム又はレーザービームを照射することにより前記インク吐出面をアモルファス化することが好ましい。これによると、電子ビーム又はレーザービームの照射位置を精密に制御することで、任意の領域を精度良くアモルファス化することができる。
本発明のノズルプレートは、複数のプレートが積層された積層構造を有するとともに、被印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記積層構造を構成しインクを吐出するためのインク吐出孔が形成されているプレートであるノズルプレートであって、前記インク吐出孔が開口するインク吐出面において、少なくとも前記インク吐出孔の開口部周辺領域がアモルファス化している。
これによると、ノズルプレートのインク吐出面そのものがアモルファス化しているため、インク吐出孔の開口部にオーバーハングを有していない。したがって、優れたインクの吐出特性を得ることができる。
本発明においては、前記ノズルプレートの厚さ方向に、前記ノズルプレートの母材自体がアモルファス化して形成されたアモルファス層と、前記ノズルプレートの母材とが積層された2層構造を有していることが好ましい。これによると、母材の外形を変化させることなくインク吐出面そのものをアモルファス化しているため、インクの吐出特性を損なうことがない。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、複数のプレートが積層された積層構造を有するとともに、被印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドの製造方法であって、ノズルプレートにインクが吐出されるインク吐出孔を形成する孔空け工程と、前記孔空け工程で形成された前記インク吐出孔が開口するインク吐出面において、少なくとも前記インク吐出孔の開口部周辺領域をアモルファス化するアモルファス化工程と、前記インク吐出孔の開口部を介して外部に連通する圧力室を含み、インクが供給されるインク供給口から前記インク吐出孔の開口部に至る複数のインク流路を内部に有するように、前記ノズルプレート及び複数の金属プレートを積層して流路ユニットを形成する流路ユニット形成工程とを備えている。
これによると、ノズルプレートのインク吐出面そのものがアモルファス化しているため、インク吐出孔の開口部にオーバーハングを有していない。したがって、優れたインクの吐出特性を得ることができる。また、ノズルプレート単体の状態でインク吐出面をアモルファス化するため、アモルファス化工程を効率よく行うことができる。また、ノズルプレートを作製した段階で、インク吐出面のアモルファス化が不十分であるような不良品を除外することができるので、全体としての歩留まりを向上させることができる。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、複数のプレートが積層された積層構造を有するとともに、被印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドの製造方法であって、ノズルプレートにインクが吐出されるインク吐出孔を形成する孔空け工程と、前記インク吐出孔の開口部を介して外部に連通する圧力室を含み、インクが供給されるインク供給口から前記インク吐出孔の開口部に至る複数のインク流路を内部に有するように、前記ノズルプレート及び複数の金属プレートを積層して流路ユニットを形成する流路ユニット形成工程と、前記流路ユニット形成工程により形成された前記流路ユニットの前記インク吐出孔が開口するインク吐出面において、少なくとも前記インク吐出孔の開口部周辺領域をアモルファス化するアモルファス化工程とを備えている。
これによると、ノズルプレートのインク吐出面そのものがアモルファス化しているため、インク吐出孔の開口部にオーバーハングを有していない。これにより、優れたインクの吐出特性を得ることができる。また、ノズルプレートが流路ユニットに積層された状態でインク吐出面をアモルファス化するため、アモルファス化したインク吐出面を他の工程で傷めるのを防止することができる。
本発明においては、前記流路ユニット形成工程が、前記複数の金属プレートを積層して積層構造体を形成する積層構造体形成工程と、前記積層構造体形成工程で形成された前記積層構造体及び前記ノズルプレートを積層する積層工程とを備えていることが好ましい。これによると、ノズルプレート単体の状態でインク吐出面をアモルファス化することも、積層構造体とノズルプレートとを積層した状態でインク吐出面をアモルファス化することもできるため、製造工程の自由度を高くすることができる。
また、本発明においては、前記圧力室に対向する位置に配置される個別電極、前記圧力室に跨るように形成された共通電極、及び圧電シートを、前記個別電極及び前記共通電極で前記圧電シートを挟持するように積層してアクチュエータユニットを形成する形成アクチュエータユニット形成工程と、前記流路ユニットと前記アクチュエータユニットとを、前記圧力室に前記個別電極が対向するように位置合わせして接合する接合工程とをさらに備えていることが好ましい。これによると、インクの吐出特性を損なわないインクジェットヘッドを製造することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るノズルプレートを含むインクジェットヘッドの分解斜視図である。なお、図中の2点鎖線で示された領域は、アクチュエータユニット2が配置される領域である。インクジェットヘッド101は、被印刷媒体上にインクを吐出して画像を形成するインクジェットプリンタに適用されるものである。図1に示すように、インクジェットヘッド101は、流路ユニット1とアクチュエータユニット2とを積層した積層構造を有している。そして、アクチュエータユニット2の流路ユニット1との接合面側(下面側)の反対側(上面側)に、インクジェットプリンタが備える制御装置と電気的に接続するためのフレキシブルフラットケーブル40が接合される。
次に流路ユニット1について図2〜図4及び図6を参照しつつ説明する。図2は、流路ユニット1の分解斜視図である。図3は、図2の部分拡大図である。図4は、ノズルプレート4のインク吐出面の部分平面図である。図6は、図1に示すVI−VI線におけるインクジェットヘッド101の断面図である。流路ユニット1は、後で詳述するように、その内部に図示しないインクタンクからインクが供給される共通インク室18と、共通インク室18からインクを吐出する各インク吐出孔10に至る複数のインク流路19とを備えている(図6参照)。図2及び図3に示すように、流路ユニット1はキャビティプレート3、ベースプレート4、マニホールドプレート6、7、及びノズルプレート9を備えるとともに、これらを積層した積層構造を有している。各プレート3、4、6、7、9は厚さ50μm〜150μmの略矩形状を有しており、各平面領域に塗布された接着剤により積層された状態で接合される。なお、本実施の形態では、各プレート3,4,6,7には42%ニッケル合金鋼板を用い、ノズルプレート9にはSUS430を用いて流路ユニット1を形成している。
キャビティプレート3の短手方向の中央には、長手方向に沿って2列の千鳥状に配列された複数の圧力室11が形成されている。圧力室11は略矩形状を有しており、その長手方向がキャビティプレート3の長手方向に対して垂直方向になるように配置されている。圧力室11の長手方向におけるキャビティプレート3の中央部側の端部には、孔11aが、反対側の端部にはキャビティプレート3の下面側の空間にのみ連通する制限流路11bが形成されている。また、キャビティプレート3の長手方向の一端部には、楕円形状を有する穴17が形成されている。穴17の底部には、穴17のキャビティプレート3の短手方向に沿って孔15a、15bが形成されている。穴17にはインクタンクから供給されるインクを濾過するための図示しないフィルタが配置される。
ベースプレート4の短手方向の中央には、長手方向に沿って2列の千鳥状に配列された孔12aが形成されている。また、ベースプレート4の短手方向の両側には、長手方向に沿って1列に配列された孔13が形成されている。さらに、ベースプレート4の長手方向の一端部には、その短手方向に沿って孔16a、16bが形成されている。孔16aはキャビティプレート3の孔15aに対応する位置に配置されているとともに、孔16bはキャビティプレート3の孔15bに対応する位置に配置されている。
マニホールドプレート6の短手方向の両側には孔であるマニホールド6a、6bが長手方向に沿って延在するように形成されている。マニホールドプレート7の短手方向の両側には穴であるマニホールド7a、7bが長手方向に沿って延在するように形成されている。マニホールド6a、7aの一端部はベースプレート4の孔16aに対応する位置に配置されているとともに、マニホールド6b、7bの一端部はベースプレート4の孔16bに対応する位置に配置されている。また、マニホールド6a、6b、7a、7bはベースプレート4の孔13の各列に対応する位置に配置されている。図6に示すように、マニホールドプレート6、7が接合されることにより、マニホールド6a、6b、7a、7bが共通インク室18を構成する。また、マニホールドプレート6、7の短手方向の中央には、長手方向に沿ってベースプレート4の孔12aに対応するように複数の孔12b、12cがそれぞれ形成されている。
ノズルプレート9の短手方向の中央には、長手方向に沿ってマニホールドプレート7の孔12cに対応するように配列された複数のインク吐出孔10が形成されている。また、図4及び図6に示すように、ノズルプレート9のインク吐出面には、電子ビームの照射により、その表面を全面に亘ってアモルファス化することによって撥水層92が形成されている。すなわち、ノズルプレート9は、インク吐出面において母材であるSUS430自体がアモルファス化されて撥水性を示すようになった表面層が形成された2層構造となっている。
このような構成により、流路ユニット1内には、図6に示すような、マニホールド6a、7a(6b、7b)により形成された共通インク室18から、孔13、制限流路11b、圧力室11、孔12a、12b、12cを経てインク吐出孔10に至るインク流路19が複数形成されている。
次にアクチュエータユニット2について図5を参照しつつ説明する。図5は、アクチュエータユニット2の分解部分斜視図である。図5に示すように、アクチュエータユニット2は、2枚の圧電シート21と、2枚の圧電シート22と、トップシート23とを備えており、2枚の圧電シート21、2枚の圧電シート22が1枚ずつ交互に積層された後にトップシート23が積層された積層構造を有している。なお、図5においては、下側に積層された圧電シート21、22を省略している。
トップシート23は、絶縁材料から成る矩形状を有するシート部材であり、フレキシブルフラットケーブル40が備えている信号電極に接続される複数の接続端子26と、フレキシブルフラットケーブル40が備えているグランド電極に接続されている複数の接続端子27とを備えている。接続端子26は、トップシート23上の短手方向両側端部に長手方向に沿って配列されている。接続端子27は、接続端子26の配列と一体となって配列の両端に配置されている。また、トップシート23の接続端子26と直交する側面に、厚さ方向に延在した凹溝30aが形成されており、トップシート23の接続端子27と直交する側面に、厚さ方向に延在した凹溝31aが形成されている。そして、接続端子26、27の端部が、凹溝30a、31aに露出するように配置されている。
圧電シート22は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)から成る矩形状を有するシート部材であり、接続端子26と電気的に接続される複数のダミー電極29と、接続端子27と電気的に接続される共通電極25とを備えている。ダミー電極29は、トップシート23の接続端子26に対応するように、圧電シート22上の短手方向両側端部に長手方向に沿って配列されている。共通電極25は、圧電シート22上の中央部に広がって配置されているとともに、トップシート23の接続端子27に対応するようにダミー電極29の配列と一体となって配列の両端に配置されている端部電極25aを備えている。また、圧電シート22のダミー電極29と直交する側面に厚さ方向に延在した凹溝30bが形成されており、圧電シート22の端部電極25aと直交する側面に厚さ方向に延在した凹溝31bが形成されている。そして、ダミー電極29及び端部電極25aの端部が、凹溝30b、31bに露出するように配置されている。
圧電シート21は、PZTから成る矩形状を有するシート部材であり、接続端子26と電気的に接続される複数の個別電極24と、接続端子27と電気的に接続されるダミー電極28とを備えている。個別電極24は、トップシート23の接続端子26に対応するように、圧電シート21上の短手方向両側端部に長手方向に沿って配列されている。また、個別電極24は、流路ユニット1の圧力室11に対応するように、圧電シート21の中央付近まで延在している(図6参照)。ダミー電極28は、トップシート23の接続端子27に対応するように、個別電極24の配列と一体となって配列の両端に配置されている。また、個別電極24と直交する圧電シート21の側面に、厚さ方向に延在した凹溝30cが形成されており、ダミー電極28と直交する圧電シート21の側面に、厚さ方向に延在した凹溝31cが形成されている。そして、個別電極24及びダミー電極28の端部が、凹溝30c、31cに露出するように配置されている。
2枚の圧電シート21、2枚の圧電シート22及びトップシート23が積層されることにより、凹溝30a〜30c及び凹溝31a〜31cがそれぞれ一体となりアクチュエータユニット2の側面を厚さ方向に延在する凹溝30、31を形成する。そして、凹溝30、31には導電ペーストが塗布されている。
ここで、アクチュエータユニット2の作用を説明する。本実施の形態によるインクジェットヘッド101において、圧電シート21、22はその厚み方向に分極されている。したがって、個別電極24を共通電極25と異なる電位にして圧電シート21、22に対してその分極方向に電界を印加すると、その電界が印加された部分が活性層として働き、その厚み方向すなわち積層方向に伸長又は収縮しようとする。本実施の形態では、活性層として働く電圧シート21、22が3層積層されており、各層の厚み方向の変位が重ね合わされることとなる。
ここで、例えば、トップシート23の接続端子26が接続されているフレキシブルフラットケーブル40の信号電極の電位を、電界の方向と分極方向とが同方向となるような正又は負の所定電位とすると、複数の圧電シート21、22は厚み方向に伸張するように変形しようとする。このとき、図6に示すように、最下層の圧電シート21の下面は圧力室11を区画するキャビティプレート3の上面に固定されているので、圧電シート21、22は圧力室11側へ突出するように変形する。このため、圧力室11の容積が低下して圧力室11内のインクの圧力が上昇し、圧力室11に連通するインク吐出孔10からインクが吐出される。その後、個別電極24を共通電極25と同じ電位に戻すと、圧電シート21、22は元の形状になって圧力室11の容積が元の容積に戻るので、インクを共通インク室18側から吸い込む。
次に、図7及び図9を参照しつつ、インクジェットヘッド101の製造方法について説明する。図7は、ノズルプレート9の製造過程を示す図である。図9は、インクジェットヘッドの製造過程を示す図である。
先ず、ノズルプレート9の製造方法について説明する。このノズルプレートの製造方法は、図7(e)に示すように、基板91に形成されインクを吐出するインク吐出孔10と、基板91のインク吐出孔10の開口面積が小さい面であるインク吐出面(以下表面と称す、また、これと反対側の面を裏面と称す)に形成された撥水層92とを備えたノズルプレート9を製造するためのものである。基板91は、矩形状を有する金属製(例えば、ステンレス鋼)のプレートである。この基板91の厚さは、例えば約70μm程度である。
まず、基板91の裏面にスプレー等の方法により潤滑剤を塗布した後に、図7(a)に示すように、基板91の裏面側から、先端部が先細り形状に形成されたパンチ45を打ち込む。これにより、基板91の裏面側においては、表面側程先細りの先細り形状の凹部93が形成される。また、基板91の表面側においては、凹部93の形成の際に基板91が塑性変形してパンチ45に表面側へ押し出された凸部94が形成される。次に、図7(b)に示すように、研削盤による研磨等によりこの凸部94を除去し、基板91の表面を平坦化させる。
その後、基板91の表面にスプレー等の方法により潤滑剤を塗布した後に、図7(c)に示すように、基板91の表面側から円柱形状のパンチ46を打ち込む。これにより、基板91の表面においては、凹部93までを貫通する孔95が形成される(孔空け工程)。このように、基板91の表面側からパンチ46を打ち込んで基板91を貫通させるため、基板91の表面側にバリが発生しない。
また、孔95はストレート状に形成されている。したがって、図7(e)に示すように、インク吐出孔10は、表面側程先細り形状に形成された凹部93と、この凹部93から表面側へ延びるストレート状の孔95とで構成されることになる。このように、凹部93が先細り形状に形成されているため、インク吐出孔10の凹部93に接続された図示しないインク供給源等から、インク吐出孔10内にインクがスムーズに導かれて基板91の表面側へインクが吐出される。さらに、孔95がストレート状に形成されているために、インク吐出孔10から吐出されるインクの吐出速度の均一性が確保され、インクの着弾精度が向上する。
そして、図7(d)に示すように、基板91の表面に対して、エネルギー密度6J/cm、照射時間2μsecの照射条件で30回繰り返し電子ビームを照射する。これにより、基板91の表面が融解してアモルファス状態となる。その後、基板91の表面を急激に冷却することにより、基板91の表面はアモルファス状態を保ちつつ凝固し、図7(e)に示すように、アモルファス層である撥水層92が形成される(アモルファス化工程)。このようにして、基板91の表面に撥水層92が形成された2層構造のノズルプレート9が完成する。ここで、撥水層92の膜厚は、例えば1μm程度である。
ここで、撥水層の撥水性について説明する。撥水層の撥水性は接触角θで表現される。接触角θとは、液体(ここではインクを意味する)側から見た固体(ここでは、撥水層92または基板91を意味する)表面と液体とのなす角度のことをいう(図8参照)。つまり、接触角が180°に近い場合は、固体表面が水をはじいて水滴がほぼ球状になっている状態である。一方、接触角が0°に近い場合には、水が固体表面上に濡れ広がっている状態である。したがって、接触角が大きいほど、固体表面の撥水性が高いと評価することができる。撥水層92の純水に対する静止接触角は90°程度である。基板91の純水に対する静止接触角は60°程度であり、撥水層92の接触角が基板91の接触角よりも大きく、撥水層92は基板91よりも高い撥水性を有しているといえる。つまり、撥水層92を形成することによりノズルプレート9の表面の撥水性を高めることができる。このように、インク吐出孔10が設けられている基板91の表面に撥水層92を形成することで、インク吐出孔10から吐出されるインクがインク吐出孔10の開口部周辺に付着し、次に吐出されるインクと干渉して着弾精度が低下するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、メッキ法やCVD法のように、ノズルプレート9の母材とは別材料で撥水性を有する膜をノズルプレート9の表面上に成長させる場合と異なり、インク吐出孔10の開口部にオーバーハングが形成されることがない。すなわち、本実施の形態では、インク吐出面のアモルファス化の前後において、ノズルプレート9の構成元素の配置状態が変化するだけである。したがって、少なくともインク吐出孔10付近の外形に殆ど変化が無く、吐出されるインクと干渉して着弾精度が低下してしまうのをより効果的に防ぐことができる。
なお、前述したように、本実施形態においては、基板91にほとんどバリが生じないが、必要に応じてバリ取りを行ってもよい。このバリ取りは、電解研磨、流体研磨、ラップ盤による研削、磁気研磨、低周波超音波による洗浄等、公知の方法により行うことができる。
次に、上述の方法で作製されたノズルプレート9を用いた、インクジェットヘッド101の製造方法について説明する。まず、キャビティプレート3、ベースプレート4及びマニホールドプレート6、7の4枚のプレート対してエッチング加工やパンチング加工等を施すことによって、図2に示すような孔及び凹部をそれぞれ形成する。そして、キャビティプレート3の孔15a及び孔15bと、ベースプレート4の孔16a及び16bと、マニホールドプレート6のマニホールド6a及び6bの一端と、マニホールドプレート7のマニホールド7a及び7bの一端とがそれぞれ対応するとともに、キャビティプレート3の孔11aと、ベースプレート4の孔12aと、マニホールドプレート6の孔12bと、マニホールドプレート7の孔12cとがそれぞれ対応するように、4枚のプレート3、4、6、7を互いに位置合わせをし、エポキシ系の熱硬化性接着剤を介して積層させる。その後、熱硬化性接着剤の硬化温度以上の温度に加圧しつつ加熱し4枚のプレート3、4、6、7を互いに接合させる。このようにして、図9(a)に示すような、積層構造体1aを作製する(積層構造体形成工程)。また、積層構造体1aの作製工程とは別工程において、上述のような方法で撥水層92が形成されたノズルプレート9を作製する。
次に、マニホールドプレート7の孔12cと、ノズルプレート9のインク吐出孔10とが対応し、流路ユニット1の内部に圧力室11を通りインク吐出孔10に至るインク流路19が形成されるように、積層構造体1aとノズルプレート9とを互いに位置合わせする。そして、エポキシ系の熱硬化性接着剤を介して積層させた後、熱硬化性接着剤の硬化温度以上の温度に加圧しつつ加熱し、積層構造体1aとノズルプレート9とを接合させる(積層工程)。これにより、図9(b)に示すような、流路ユニット1を作製する(流路ユニット形成工程)。
また、流路ユニット1の作製工程とは別工程において、アクチュエータユニット2を作成する。詳しくは、まず、それぞれトップシート23、2枚の圧電シート21及び2枚の圧電シート22となる計5枚のグリーンシートの表面において、図5に示すような端子及び電極となる部分に導電性のペースト(金属材料)をスクリーン印刷によって塗布する。そして、これらのグリーンシート乾燥させた後に、圧電シート21、22を交互に積層し、最上層にトップシート23を積層する。その後、トップシート23の接続端子26と、圧電シート22のダミー電極29と、圧電シート21の個別電極24とが互いに対応すると共に、トップシート23の接続端子27と、圧電シート22の端部電極25aと、圧電シート21のダミー電極28とが互いに対応するように位置合わせを行い、積層方向に加圧して一体化させる。このとき、アクチュエータユニット2となる積層物の側面には凹溝30、31が形成される。このように一体化された積層物を焼成した後、凹溝30、31に導電性ペーストを塗布し、さらに焼成する。このようにして、図9(b)に示すような、アクチュエータユニット2を作製する(アクチュエータ作成工程)。
最後に、図9(c)に示すように、流路ユニット1とアクチュエータユニット2とを、アクチュエータユニット2の個別電極24と共通電極25との重なり部分が、流路ユニット1内の圧力室11に対応する位置になるように位置合わせをしつつ、熱硬化性接着剤を介して積層させる。その後、熱硬化性接着剤の硬化温度以上の温度に加圧しつつ加熱するし、流路ユニット1とアクチュエータユニット2とを接合させる(接合工程)。このようにして、インクジェットヘッド101を完成させる。
以上のように、第1の実施の形態のノズルプレート9では、インク吐出面そのものをアモルファス化することにより撥水層92を形成している。よって、ノズルプレート9は、インク吐出孔10の開口部にオーバーハングを有していない。これにより、優れたインクの吐出特性を得ることができる。また、撥水層92は耐久性が高いので、インク吐出面のクリーニングのためのワイピングによって剥離するようなことも無い。さらに、インク吐出面全体に亘って撥水層92が形成されているために、ワイピングによるインク吐出面のクリーニングを効率良く行うことができる。
また、インク吐出面に電子ビームを照射して、ノズルプレート9に撥水層92を形成している。したがって、電子ビームの照射位置を精密に制御することで、任意の領域に精度良く撥水層92を形成することができる。
また、ノズルプレート9は、その厚さ方向に基板91がアモルファス化して形成された撥水層92と基板91とが積層する2層構造を有している。したがって、基板91の厚みを変化させることなく基板91の表面そのものをアモルファス化させて撥水層92を形成しているため、インクの吐出特性を損なうことがない。
また、第1の実施の形態のインクジェットヘッド101の製造方法では、予め単体の状態で撥水層92が形成されたノズルプレート9を積層構造体1aと積層させて流路ユニット1を作製した後に、流路ユニット1とアクチュエータユニット2とを積層させて完成させる。したがって、撥水層92の形成を効率よく行うことができる。また、ノズルプレート9を作製した段階で、撥水層92の形成が不十分であるような不良品を除外することができるので、全体としての歩留まりを向上させることができる。
なお、上述のインクジェットヘッド101の製造方法は一例であり、これには限られない。ここで、図10を参照しつつ、インクジェットヘッド101の製造方法の変形例について説明する。
まず、図10(a)に示すように、キャビティプレート3、ベースプレート4、マニホールドプレート6、7及び複数のインク吐出孔10が形成された基板91(ノズルプレート9のインク吐出面に撥水層92が形成されていないもの)を積層させて流路ユニット1を作製する。次に、図10(b)に示すように、流路ユニット1の作製工程とは別工程により、2枚の圧電シート21、2枚の圧電シート22及びトップシート23を積層させてアクチュエータユニット2を作製する。さらに、基板91の表面に対して電子ビームを照射する。これにより、図10(c)に示すように、基板91の表面には撥水層92が形成される。その後、流路ユニット1とアクチュエータユニット2とを積層させてインクジェットヘッド101を完成させる。
上述のように、複数のプレートを積層させて流路ユニット1を作成した後に基板91の表面に撥水層92を形成することにより、その他の工程で撥水層92を傷めるのを防止することができる。
また、ノズルプレート9は、ノズルプレート9単体の状態であっても、ノズルプレート9と積層構造体1aとを積層させた状態であってもインク吐出面に撥水層92を形成することができる。したがって、インクジェットヘッドの製造工程の自由度を高くすることができる。
なお、図10に示すインクジェットヘッドの製造工程においては、互いに別の工程で作製された流路ユニット1とアクチュエータユニット2とを積層させた後に基板91の表面に撥水層92を形成させてもよい。
また、ノズルプレート9のインク吐出面に撥水層92を形成する際に、母材である基板91とアモルファス層である撥水層92との間に応力が残留してしまう場合がある。そして、この残留応力が大きいとノズルプレート9自体に反りや曲がりが生じ、他の部材との積層が難しくなってしまう。したがって、ノズルプレート9が他のプレートと積層された状態でインク吐出面に撥水層92を形成するのは、ノズルプレート9の他のプレートとの積層を容易にすると言う観点からも有効である。すなわち、ノズルプレート9が予め他のプレートと積層されており、全体として剛性の高い状態で撥水層92が形成されることになるので、インクジェットヘッド101として組み立てる積層工程が容易になる。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図11を参照しつつ説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態にかかるノズルプレートのインク吐出面の部分平面図である。
本発明の第2の実施の形態のノズルプレートが、第1の実施の形態のノズルプレートと主に異なる点は、第1の実施の形態のノズルプレート9は、そのインク吐出面全体に亘って撥水層92が形成されているが、第2の実施の形態のノズルプレート209は、インク吐出面の一部分のみに撥水層292が形成されている点である。なお、ノズルプレート209のその他の構成、その製造方法及びノズルプレート209を備えたインクジェットヘッドの製造方法は、第1の実施の形態とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
第2の実施の形態のノズルプレート209では、図11に示すように、そのインク吐出面におけるインク吐出孔210の外周領域のみに電子ビームを照射することによって撥水層292を形成する。第2の実施の形態によると、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、ノズルプレート209では、インク吐出孔210の外周領域のみに撥水層292が形成されているために、撥水層292の形成に要する時間とコストとを低減することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について、図12を参照しつつ説明する。図12は、本発明の第3の実施の形態にかかるノズルプレートのインク吐出孔における厚さ方向部分断面図である。
本発明の第3の実施の形態のノズルプレートが、第1の実施の形態のノズルプレートと主に異なる点は、第1の実施の形態のノズルプレート9は、そのインク吐出面のみに撥水層92が形成されているが、第3の実施の形態のノズルプレート309は、インク吐出孔310の内壁面のインク吐出面近傍にも撥水層392が形成されている点である。なお、ノズルプレート309のその他の構成、その製造方法及びノズルプレート309を備えたインクジェットヘッドの製造方法は、第1の実施の形態とほぼ同様であるので、詳細な説明は省略する。
第3の実施の形態のノズルプレート309は、穴空け工程によって複数のインク吐出孔310が形成された基板391の表面に対して、図12(a)に示すように、インク吐出面に垂直な方向の電子ビームを照射するとともに、インク吐出面に対して所定角度まで傾けた電子ビームを照射する。このようにして、図12(b)に示すように、インク吐出面とインク吐出孔310の内壁面のインク吐出面近傍とに撥水層392が形成されたノズルプレート309を作製する。
第3の実施の形態によると、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、ノズルプレート309では、インク吐出面とインク吐出孔310の内壁面のインク吐出面近傍とに撥水層392が形成されている。これにより、インクのメニスカスがインク吐出孔310の内部に形成されることになるので、インクが吐出されることで生じることがあるインク吐出面へのインクの残留を抑制することができる。したがって、インク吐出孔310からインクがスムーズに吐出されるため、インクの吐出特性をさらに良くすることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
上述の第1〜3の実施の形態では、ノズルプレートのインク吐出面に対して電子ビームを照射することによってアモルファス化させているが、アモルファス化の手段はこれには限られない。例えば、レーザービームを照射することによってインク吐出面をアモルファス化させてもよい。
また、上述の第1の実施の形態では、インク吐出面全体に亘って撥水層が形成されている場合、第2の実施の形態では、インク吐出孔の外周領域のみに撥水層が形成されている場合、第3の実施の形態では、インク吐出面とインク吐出孔の内壁面のインク吐出面近傍とに撥水層が形成されている場合についてそれぞれ説明しているが、撥水層が形成される領域はこれらには限られない。少なくともインク吐出孔の外周領域に撥水層が形成されていれば、本発明の効果を得ることができる。
また、上述の第1〜3の実施の形態では、流路ユニットを構成するキャビティプレート、ベースプレート及び2枚のマニホールドプレート、ノズルプレートの5枚のプレートが互いに熱硬化性接着剤によって接合される場合について説明しているが、これらのプレートの接合方法はこれには限られず、例えば拡散接合等で接合されてもよい。また、各プレート毎に接合方法が異なっていてもよい。
また、上述の第1〜3の実施の形態では、流路ユニットを構成するキャビティプレート、ベースプレート及びマニホールドプレート、ノズルプレートの各プレートの孔及び凹部がパンチング加工により形成される場合について説明している、孔及び凹部の形成方法はこれには限られない。例えば、各プレートにパターニングされたフォトレジストをマスクとしたエッチング及びハーフエッチングを施すことによって形成してもよいし、レーザ加工を施すことによって形成してもよい。
また、上述の第1〜3の実施の形態では、キャビティプレート、ベースプレート及びマニホールドプレートには42%ニッケル合金鋼板を用い、ノズルプレートにはSUS430を用いる場合について説明しているが、これには限られない。例えば、これら全てのプレートに42%ニッケル合金鋼板を用いて流路ユニットを構成するようにしてもよい。この場合は、各プレートの膨張係数の違いによる流路ユニットの反りや曲がりの発生を防ぐことができる。
第1の実施の形態に係るノズルプレートを含むインクジェットヘッドの分解斜視図である。 図1に示す流路ユニットの分解斜視図である。 図2に示す流路ユニットの部分拡大図である。 図1に示すノズルプレートのインク吐出面の部分平面図である。 図1に示すアクチュエータユニットの分解部分斜視図である 図1に示すVI−VI線におけるインクジェットヘッドの断面図である。 図1に示すノズルプレートの製造過程を示す図である。 接触角の説明図である。 図1に示すインクジェットヘッドの製造過程を示す図である。 図1に示すインクジェットヘッドの製造過程の変形例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるノズルプレートのインク吐出面の部分平面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかるノズルプレートのインク吐出孔における厚さ方部分向断面図である。 従来のノズルプレートのインク吐出孔における厚さ方向部分断面図である。
符号の説明
1 流路ユニット
2 アクチュエータユニット
9 ノズルプレート
10 インク吐出孔
11 圧力室
19 インク流路
21、22 圧電シート
24 個別電極
25 共通電極
91 基板
92 撥水層
101 インクジェットヘッド

Claims (11)

  1. 複数のプレートが積層された積層構造を有するとともに、被印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記積層構造を構成しインクを吐出するためのインク吐出孔が形成されているプレートであるノズルプレートの製造方法であって、
    前記ノズルプレートにインクが吐出される前記インク吐出孔を形成する孔空け工程と、
    前記孔空け工程により形成された前記インク吐出孔が開口するインク吐出面において、少なくとも前記インク吐出孔の開口部周辺領域をアモルファス化するアモルファス化工程とを備えていることを特徴とするノズルプレート製造方法。
  2. 前記アモルファス化工程において、前記インク吐出面の全てをアモルファス化することを特徴とする請求項1に記載のノズルプレート製造方法。
  3. 前記アモルファス化工程において、前記インク吐出面における前記インク吐出孔の外周領域のみをアモルファス化することを特徴とする請求項1に記載のノズルプレート製造方法。
  4. 前記アモルファス化工程において、前記インク吐出孔の内壁面の少なくとも一部をさらにアモルファス化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のノズルプレート製造方法。
  5. 前記アモルファス化工程において、電子ビーム又はレーザービームを照射することにより前記インク吐出面をアモルファス化することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のノズルプレート製造方法。
  6. 複数のプレートが積層された積層構造を有するとともに、被印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドにおいて、前記積層構造を構成しインクを吐出するためのインク吐出孔が形成されているプレートであるノズルプレートであって、
    前記インク吐出孔が開口するインク吐出面において、少なくとも前記インク吐出孔の開口部周辺領域がアモルファス化していることを特徴とするノズルプレート。
  7. 前記ノズルプレートの厚さ方向に、前記ノズルプレートの母材自体がアモルファス化して形成されたアモルファス層と、前記ノズルプレートの母材とが積層された2層構造を有していることを特徴とする請求項6に記載のノズルプレート。
  8. 複数のプレートが積層された積層構造を有するとともに、被印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    ノズルプレートにインクが吐出されるインク吐出孔を形成する孔空け工程と、
    前記孔空け工程で形成された前記インク吐出孔が開口するインク吐出面において、少なくとも前記インク吐出孔の開口部周辺領域をアモルファス化するアモルファス化工程と、
    前記インク吐出孔の開口部を介して外部に連通する圧力室を含み、インクが供給されるインク供給口から前記インク吐出孔の開口部に至る複数のインク流路を内部に有するように、前記ノズルプレート及び複数の金属プレートを積層して流路ユニットを形成する流路ユニット形成工程とを備えていることを特徴とするインクジェットヘッド製造方法。
  9. 複数のプレートが積層された積層構造を有するとともに、被印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    ノズルプレートにインクが吐出されるインク吐出孔を形成する孔空け工程と、
    前記インク吐出孔の開口部を介して外部に連通する圧力室を含み、インクが供給されるインク供給口から前記インク吐出孔の開口部に至る複数のインク流路を内部に有するように、前記ノズルプレート及び複数の金属プレートを積層して流路ユニットを形成する流路ユニット形成工程と、
    前記流路ユニット形成工程により形成された前記流路ユニットの前記インク吐出孔が開口するインク吐出面において、少なくとも前記インク吐出孔の開口部周辺領域をアモルファス化するアモルファス化工程とを備えていることを特徴とするインクジェットヘッド製造方法。
  10. 前記流路ユニット形成工程が、
    前記複数の金属プレートを積層して積層構造体を形成する積層構造体形成工程と、
    前記積層構造体形成工程で形成された前記積層構造体及び前記ノズルプレートを積層する積層工程とを備えていることを特徴とする請求項8又は9に記載のインクジェットヘッド製造方法。
  11. 前記圧力室に対向する位置に配置される個別電極、前記圧力室に跨るように形成された共通電極、及び圧電シートを、前記個別電極及び前記共通電極で前記圧電シートを挟持するように積層してアクチュエータユニットを形成する形成アクチュエータユニット形成工程と、
    前記流路ユニットと前記アクチュエータユニットとを、前記圧力室に前記個別電極が対向するように位置合わせして接合する接合工程とをさらに備えていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド製造方法。
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