JPH09300615A - 圧電アクチュエータおよびその製造方法並びにこれを用いたインクジェット記録ヘッド - Google Patents

圧電アクチュエータおよびその製造方法並びにこれを用いたインクジェット記録ヘッド

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JPH09300615A
JPH09300615A JP11744696A JP11744696A JPH09300615A JP H09300615 A JPH09300615 A JP H09300615A JP 11744696 A JP11744696 A JP 11744696A JP 11744696 A JP11744696 A JP 11744696A JP H09300615 A JPH09300615 A JP H09300615A
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piezoelectric
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groove
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JP11744696A
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Hideo Yasutomi
英雄 保富
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Minolta Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク飛翔性に優れたインクジェット記録ヘ
ッドの本体を提供する。 【解決手段】 圧電アクチュエータ12の変形に基づい
てインク30を加圧して飛翔させるインクジェット記録
ヘッド10において、圧電体16をブラケット状又は半
円形の断面形状に形成すると共に圧電体16の縦方向に
伸びる開口部を基板14で塞ぎ、圧電体16の外側と内
側に電極20、22を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に用いられる圧電アクチュエータ、及びその製造
方法に関する。また本発明はインクジェット記録装置に
用いられるインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録ヘッドとし
て、インクを収容する溝形のインクキャビティと、上記
インクと接する隔壁と、この隔壁に隣接する圧電アクチ
ュエータとを備え、圧電アクチュエータの変形に基づい
て隔壁を変形させることによりインクを加圧して飛翔さ
せるカイザー型記録ヘッドやステムメ型記録ヘッドが知
られている。また、別のインクジェット記録ヘッドとし
て、インクを収容した円筒状の圧電アクチュエータを設
け、この圧電アクチュエータの変形に基づいてノズルを
周囲から加圧変形してインクを飛翔させるグールド型記
録ヘッドが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カイザ
ー型記録ヘッドやステムメ型記録ヘッドでは、インクは
一方向からしか加圧されないので、インクに十分な飛翔
力が得られなかった。また、飛翔力を上げようとすれば
動作電圧を高くしなければならず、高価なドライバ回路
を使用しなければならない。一方、グールド型記録ヘッ
ドではインクはインクの接触している周面全体から加圧
されるので飛翔力は増すが、転がり易い円筒状のノズル
を所定の場所に保持し固定するには種々の解決すべき問
題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の問題を解
決する新たな圧電アクチュエータ、及びその製造方法を
提供するものである。また、本発明は上記問題の解決さ
れたインクジェット記録ヘッドを提供するものである。
【0005】上記圧電アクチュエータは、分極処理され
所定の方向に延伸する断面凹状の圧電体と、該圧電体の
外面および内面に設けられた、互いに対向する一対の電
極とを備えたものである。なお、圧電アクチュエータの
横断面は、ブラケット状、円弧状とするのが好ましい。
また、圧電体は、上壁部および両側壁部が分極処理され
ており、この上壁部および両側壁部を挟むように上記電
極が設けられているか、あるいは、両側壁部が分極処理
されており、この両側壁部を挟むように上記電極が設け
られていることが好ましい。
【0006】また、圧電アクチュエータの製造方法は、
プレート状の圧電体に溝を形成する工程、上記溝の内面
に第1の電極を形成する工程、上記溝を基板により塞ぐ
工程、上記プレート状の圧電体の一部を切断除去して上
記溝を囲む圧電体を形成する工程、上記溝の反対側に相
当する面に第2の電極を形成する工程、上記圧電体を分
極処理する工程からなるものである。
【0007】さらに、他の製造方法は、圧電材料からな
る粉体に結合剤と溶剤を分散混合したスラリを押し出し
て片面に複数の溝を有するプレートを作る工程、上記プ
レートを乾燥して柔軟性のあるグリーンシートにする工
程、上記溝の内面に第1の電極を形成する工程、上記溝
の反対側に相当する面に第2の電極を形成する工程、上
記グリーンシートを焼成して圧電粒子を成長させ圧電体
を形成する工程、上記溝を囲むように、上記グリーンシ
ートあるいは上記圧電体の一部を切断除去する工程、上
記圧電体を分極処理して圧電アクチュエータとする工程
からなるものである。
【0008】さらにまた、インクジェット記録ヘッド
は、所定の方向に延伸する断面形状がブラケット状の開
口部を有する圧電体の外面および該開口部内面に一対の
電極を設けてなる圧電アクチュエータと、該圧電アクチ
ュエータの開口部を塞ぐように設けられた基板と、該基
板と上記開口部とに囲まれた空間に連結されたインク収
容室と、上記基板と上記開口部とに囲まれた空間にある
インクが吐出するインク吐出口とを備えたものである。
【0009】
【発明の効果】本発明の圧電アクチュエータ及び本発明
の製造方法により製造された圧電アクチュエータならび
に上記圧電アクチュエータを備えたインクジェット記録
ヘッドでは、圧電アクチュエータはその横断面が例えば
ブラケット状又は円弧状に形成されている。そのため、
内側と外側の電極に電圧を印加して圧電アクチュエータ
を例えば上方および両側方などの三方に変形させること
ができ、上述したグールド型記録ヘッドと同様に、圧電
アクチュエータと基板とで囲まれたインクキャビティ内
のインクに大きな飛翔力を与えることができる。また、
圧電アクチュエータの基板に対する位置決め及び固定が
容易である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態について説明する。図1、2はイン
クジェット記録ヘッド10を示す。この記録ヘッド10
は、非圧電材料で形成された基板14と、この基板14
上で等間隔に配列された複数の圧電アクチュエータ12
とを備えている。圧電アクチュエータ12は、横断面が
ブラケット状をしており、縦方向に伸びる溝部を備えた
圧電体16と、この溝部に設けられた共通電極20と、
圧電体外面に設けられた個別電極22とを備えている。
圧電アクチュエータ12はその溝部を基板14に向けて
接着剤で固定され、溝部と基板とで囲われた空間をイン
クキャビティ18としている。共通電極20はインクキ
ャビティ18外の基板14上に延設されている(図3参
照)。なお、圧電体16は共通電極20と個別電極22
との間に加熱しながら高電圧を印加して分極処理された
ものである。共通電極20と個別電極22はそれぞれ図
示しない駆動制御装置に接続されており、各圧電アクチ
ュエータ12の個別電極22に選択的に所定の入力信号
が印加されるようになっている。圧電アクチュエータ1
2の前部(図1の左側)にはノズルプレート24が貼着
されており、このノズルプレート24のインクキャビテ
ィ18に対向する部分にインク吐出用ノズル26が形成
されている。圧電アクチュエータ12の後部(図1の右
側)にはインクタンク28が設けてある。インクタンク
28はインク30の貯留室32を備えており、この貯留
室32からインクキャビティ18にインク30が補充さ
れるようになっている。なお、圧電アクチュエータ12
内面の共通電極の厚みを3μm以上にすると圧電体への
インクの浸透防止に有効である。
【0011】上記インクジェット記録ヘッド10では、
共通電極20と個別電極22との間に入力信号電圧が印
加されると、圧電アクチュエータ12は、その天井壁及
び両側の側壁がそれぞれ内側に湾曲変形する(図2の右
側の圧電アクチュエータに変形状態を点線で示してあ
る)。その結果、インクキャビティ18内のインク30
が加圧されてノズル26から吐出する。このとき、圧電
アクチュエータ12ではその天井壁と両側壁が内側に湾
曲するのでインク30の加圧力が大きく、インク30は
勢い良く飛翔する。入力信号電圧を遮断すると、圧電ア
クチュエータ12はもとの状態に復帰し、そのときイン
クキャビティ18内に発生する負圧により貯留室32か
らインクキャビティ18にインク30が補充される。
【0012】このようにインクに対する加圧力を大きく
することができるため、電極に印加する電圧を低くで
き、安価なドライバの使用が可能となる。さらに、圧電
アクチュエータの内側及び/又は外側に複数の電極を設
けると共に各電極に個別的に電圧を印加できるようにす
れば、電圧を印加する電極を入力情報に応じて選択し、
インク飛翔量さらには階調を自由に調整することができ
る。なお、上記実施形態においては、圧電体16内面側
の電極を共通電極20とし、外面側の電極を個別電極2
2としたが、これに限らず、内面側を個別電極、外面側
を共通電極としてもよい。
【0013】圧電アクチュエータ12の製造について図
4を参照して説明する。まず所定の厚み、形状を有した
未分極の圧電体からなる圧電プレート40を用意する
(図4(a)参照)。そして、ダイシングソー(図示せ
ず)を用いて圧電プレート40の片面に複数の溝部42
を平行にかつ等間隔に形成する(図4(b))。次に、
溝部42の表面をめっき法又はスパッタリング法等によ
り導電金属をめっきして共通電極20の一部20aを形
成する(図4(c))。続いて、溝部42を覆うよう
に、圧電プレート40の片面に基板14を接着する(図
4(d))。なお、接着に先立って、溝部42に対向す
る基板部分には共通電極20の残る部分20bを形成し
ておく。これら共通電極部分20a、20bは組み立て
た状態で接触して互いに電気的に導通する。次に、圧電
プレート40における隣接する溝部42の間をダイシン
グソー(図示せず)を用いて切断除去して、溝部42の
周囲を囲むブラケット状の未分極の圧電体15を形成す
る(図4(e))。最後に、圧電体15の外周面にめっ
き法又はスパッタリング法等により導電金属をめっきし
て個別電極22を形成し、共通電極20と個別電極22
との間に加熱しながら高電圧を印加して圧電体15を分
極処理する(図4(f))。こうして、共通電極20お
よび個別電極22との間に印加される電圧に応じて変形
する圧電体16を得て、圧電アクチュエータ12を形成
する。分極処理は例えば圧電体を120℃に加熱しなが
ら1mm2当り2kVの直流電流を10〜15分間印加
するなどの方法により行うことができる。
【0014】圧電アクチュエータ12の他の製造方法に
ついて図5を参照して説明する。まず圧電材料からなる
仮焼粉体、結合剤、溶剤、さらに必要に応じて分散剤や
可塑剤を加えて混合撹拌して作ったスラリを押し出し成
型し、複数の溝部42を等間隔に配置した半流動状のプ
レート成型品50を得る(図5(a))。また、プレー
ト成型品50を加熱乾燥して柔軟なグリーンシート51
とする(図5(b))。次に、溝部42の表面をめっき
法又はスパッタリング法等により導電金属をめっきして
共通電極20の一部20aを形成する(図5(c))。
次に、図5(d)に示すように、電極20bの形成され
た基板14に圧着する。続いて、打ち抜き成型により隣
接する溝部42の間を打ち抜いてグリーンシート51を
櫛状に成型し、溝部42の周囲を囲むブラケット状の前
駆体を形成するとともに、高温炉の中で焼成して圧電材
料に含まれる圧電粒子を成長させ圧電体52を形成する
(図5(e))。次に、未分極の圧電体52の外面にニ
ッケル等からなる個別電極22をめっき法又はスパッタ
リング法等により形成し、最後に、共通電極20と個別
電極22との間に加熱しながら高電圧を印加して圧電体
52を分極処理して圧電アクチュエータ12を得る(図
5(f))。
【0015】図4および図5で説明したように、圧電材
料からなるプレートを溝状に加工し、これを基板に接着
した後、上記溝を囲むように上記圧電材料を加工するよ
うにしたため、圧電アクチュエータの基板に対する位置
決めおよび固定が容易となる。また、図5で説明したよ
うに、圧電材料からなるプレートの加工を成型により行
うことにより、圧電アクチュエータを高密度化すること
ができ、ひいては、高速印字やローコスト化を達成する
ことができる。また、分極処理はインクジェット記録ヘ
ッドの作製工程において、圧電体に熱の作用する工程が
全て終了した後に行うことが好ましい。こうすることに
より、分極のばらつきを抑制することができ、ひいて
は、インク飛翔のばらつきを抑えることができる。例え
ば、図4の圧電アクチュエータ作製工程においては、ダ
イシングソーによる加工工程を経た後に、圧電材料の分
極処理を行っているため、圧電材料の加工途中で圧電体
の分極が消失するのを防止することができる。
【0016】圧電アクチュエータの製造に用いる結合剤
としては、水溶性と水膨潤性を有する親水性結合剤(例
えば、Na−カルボキシメチルセルロース、ポリビニル
アルコールなど)、水溶性と有機溶剤溶解性を有する親
水性結合剤(例えばヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リエチレングリコールなど)、あるいは有機溶剤溶解性
を有する疎水性結合剤(例えばエチルセルロース、ポリ
ビニルアセテートなど)が使用できる。溶剤は結合剤の
種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、親水性結合
剤を用いた場合にはプロパノールなどの低級アルコール
等の親水性の有機溶剤や水を、疎水性結合剤を用いた場
合には例えばトルエン、アセトン、キシレンなどの疎水
性の有機溶剤を用いればよい。
【0017】圧電材料の仮焼粉体としては、代表的なも
のにジルコニウム酸鉛とチタン酸鉛との混合粉Pb(Z
xTix-1)O3があるが、これに限るものではなく従
来公知の各種の材料を用いることができる。圧電材料の
粒子径は0.01〜20μm、好ましくは0.015〜
13μmの範囲が適当である。スラリにおける圧電材料
と溶剤との混合割合は、重量比で2:8〜9:1の範
囲、好ましくは4:6〜8:2の範囲が適当である。な
お、インク吐出口16の位置やインクキャビティの形状
等は本実施形態に限られるものではなく適宜変更可能で
ある。
【0018】圧電アクチュエータ12の横断面形状、分
極方向、電極配置の具体例を紹介する。図6(a)の圧
電アクチュエータ12では、圧電体16の天井部16
a、側壁16bがほぼ同一の厚さとしてあり、これら天
井部16aと側壁16bがそれぞれ分極処理されてい
る。また、内周面と外周面がすべて共通電極20と個別
電極22でそれぞれ覆われている。図6(a)に示す圧
電アクチュエータ12では、共通電極20と個別電極2
2との間に電圧を印加した場合の天井部16aおよび側
壁16bの変形量をほぼ等しくすることができる。図6
(b)の圧電アクチュエータ12では天井部16aの厚
みが側壁16bよりも薄くしてあり、逆に、図6(c)
の圧電アクチュエータ12では側壁16bが天井部16
aよりも薄くしてある。図6(b)に示す圧電アクチュ
エータ12では、厚みを薄くした部分の圧電体の変形量
が厚い部分の変形量よりも大きくなり、天井部16aと
側壁16bの厚みやそれらの比率を調整することによ
り、所望のインク飛翔力を得ることができる。図7
(a)は別の変形例を示し、例えば図4(a)に示すよ
うな加工前の板形状の圧電プレートの状態で、図示しな
いダミー電極により同一方向に分極を行った後、図7
(a)の形状に作製した例を示している。図7(a)に
おいては、圧電アクチュエータ12は天井部16aと側
壁16bがそれぞれ同一方向(図面では上から下)に分
極処理されており、この圧電アクチュエータ12は圧電
体の分極処理を容易に行えるという利点がある。図7
(b)、(c)は他の変形例を示し、これらの変形例で
は外側の個別電極22が天井部16aだけに設けてあ
り、図7(c)の圧電アクチュエータ12ではさらに天
井部16aの厚みが側壁16bよりも薄くしてある。そ
して、図7(b)の圧電アクチュエータ12では小さな
静電容量で駆動するという利点があり、図7(c)の圧
電アクチュエータ12では天井部16aに大きな変形量
が得られるという利点がある。さらに、図8、9に示す
ように、圧電アクチュエータの両側壁部のみを分極して
もよい。具体的に説明すると、図8(a)に示すよう
に、圧電体16の内面に共通電極20を設け、両側壁部
の外面に個別電極20を設ける。そして、圧電体16の
両側壁部16bを内部に向けて分極し、圧電アクチュエ
ータ12とする。図8(b)は天井部16aの厚みを小
さくした例を示し、図8(c)は両側壁部16bの厚み
を小さくした例を示す。また、図9(a)は分極の方向
を基板に対して垂直方向とした例を示す。さらに、図9
(b)、(c)は圧電アクチュエータ12の内面側の電
極を個別電極22、外面側を共通電極20とした例を示
している。なお、共通電極20を圧電体16の外面側に
設ける場合、図9(b)、(c)に示すように、圧電体
上面あるいは基板上面にまで電極を延長すれば、各アク
チュエータの共通電極を連通するのが容易になる。図9
(c)は天井部16aの厚みを側壁部16bよりも小さ
くした例である。図8、9に示すように、圧電アクチュ
エータの両側壁部のみを分極することにより、駆動すべ
き圧電体の表面積が小さく静電容量が小さいため、低容
量の電源や駆動回路部品を使用できローコスト化できる
ことに加えて、低電気容量で圧電体への充電・放電を短
時間で行うことができ、変位の応答性を高めることがで
きる。したがって、インク飛翔効率が向上し、インク吐
出速度を上げることができ、ひいてはインク飛翔の安定
性を向上することができる。さらに、圧電体の変位量を
大きく減少することなく、電源や駆動回路にかかる負担
を大きく減少することができ、ヘッド全体としての性能
を高められる。
【0019】なお、他の変形例として、個別電極につい
ては天井部の電極部分と側壁の電極部分をそれぞれ電気
的に分離すると共に別々の信号出力部に接続し、天井部
だけ、又は側壁だけ、若しくは天井部と側壁の両方を変
形することができるようにしてもよい。このようにすれ
ば、例えば、天井部だけを変形することにより小径のイ
ンク滴を飛翔し、側壁だけを変形することにより中間径
のインク滴を飛翔し、天井部と側壁の両方を変形するこ
とにより大径のインク滴を飛翔するということも可能
で、単一の記録ヘッドで階調性を持たせることもでき
る。
【0020】図10はインクジェット記録ヘッドの第2
実施形態を示す。この記録ヘッドは、図6(a)で説明
したのと同様の圧電アクチュエータ112を備えるとと
もに基板14にインク吐出ノズル124が形成されてな
るものである。その他の部分は上述の実施形態と同一で
あるから同一部分には同一の符号を付して説明を省略す
る。この記録ヘッド10では、インク吐出ノズル124
の間隔や位置を精度良く設定でき、印字の安定性が良く
なる。また、圧電アクチュエータ12の変形によりイン
ク30に作用する力がノズル吐出ノズル124に向かっ
て集約されるのでインク飛翔効率が飛翔安定性が良い。
【0021】図11はインクジェット記録ヘッドの第3
実施形態を示す。この記録ヘッドでは、圧電アクチュエ
ータ212が半円形としてある。その他の部分は上述の
実施形態と同一であるから同一部分には同一の符号を付
して説明を省略する。この記録ヘッドでは、圧電アクチ
ュエータ212に生じる応力集中が小さく、寿命が長く
なる。図10、図11の形態においても、上述したよう
に、圧電体外面に設ける電極構成や、圧電体の分極状態
を種々変更可能である。例えば、図12、図13に示す
第4および第5実施形態は、それぞれ図10、図11の
変形例を示しており、圧電体16の外面には側壁部にの
み個別電極22を設け、さらに圧電体16の側壁部のみ
を分極してなる圧電アクチュエータ312、412を設
けた例を示している。
【0022】なお、圧電アクチュータをブラケット状に
形成した第1実施形態、第2実施形態および第4実施形
態では、天井部と側壁との角部を曲面として応力集中を
軽減するのが好ましい。また、電極配置を変えて、例え
ば図14に示すように、基板14の後端部の側壁にめっ
き法やスパッタリング法により電極21を形成し、電極
内の共通電極20と導通をとるようにすると、装置構成
をより簡素化できる。図14に示すような電極配置は例
えば、図10に示したような、圧電アクチュエータに対
向するように基板にノズルを設けた場合などに採用する
のが有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット記録ヘッドの縦断面図であ
る。
【図2】 図1に示すインクジェット記録ヘッドのII
−II線断面図である。
【図3】 図1に示すインクジェット記録ヘッドにおけ
る電極の配置例を示す斜視図である。
【図4】 圧電アクチュエータの製造方法を示す工程図
である。
【図5】 圧電アクチュエータの他の製造方法を示す工
程図である。
【図6】 圧電アクチュエータの変形例を示す図であ
る。
【図7】 圧電アクチュエータの変形例を示す図であ
る。
【図8】 圧電アクチュエータの変形例を示す図であ
る。
【図9】 圧電アクチュエータの変形例を示す図であ
る。
【図10】 インクジェット記録ヘッドの第2実施形態
を示す部分断面図である。
【図11】 インクジェット記録ヘッドの第3実施形態
を示す部分断面図である。
【図12】 インクジェット記録ヘッドの第4実施形態
を示す部分断面図である。
【図13】 インクジェット記録ヘッドの第5実施形態
を示す部分断面図である。
【図14】 電極の他の配置例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…インクジェット記録ヘッド、12…圧電アクチュ
エータ、14…基板、16…圧電体、18…インクキャ
ビティ、20…共通電極、22…個別電極、26…ノズ
ル、30…インク、40…プレート、42…溝部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッドに用いられる
    圧電アクチュエータであって、 分極処理され、所定の方向に延伸する断面凹状の圧電体
    と、 該圧電体の外面および内面に設けられた、互いに対向す
    る一対の電極とを備えたことを特徴とする圧電アクチュ
    エータ。
  2. 【請求項2】 延伸方向に対して垂直な方向の断面形状
    がブラケット状である請求項1の圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 延伸方向に対して垂直な方向の断面形状
    が円弧状である請求項1の圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 上記圧電体は、上壁部および両側壁部が
    分極処理されており、該上壁部および両側壁部を挟むよ
    うに上記電極が設けられている請求項1の圧電アクチュ
    エータ。
  5. 【請求項5】 上記圧電体は、両側壁部が分極処理され
    ており、該両側壁部を挟むように上記電極が設けられて
    いる請求項1の圧電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 プレート状の圧電体に溝を形成する工
    程、 該溝の内面に第1の電極を形成する工程、 上記溝を基板により塞ぐ工程、 上記プレート状の圧電体の一部を切断除去して、上記溝
    を囲む圧電体を形成する工程、 上記溝の反対側に相当する面に第2の電極を形成する工
    程、および上記圧電体を分極処理する工程を備えたこと
    を特徴とするインクジェット記録ヘッドに用いられる圧
    電アクチュエータの製造方法。
  7. 【請求項7】 圧電材料からなる粉体に結合剤と溶剤と
    を分散混合したスラリを押し出して片面に溝を有するプ
    レートを形成する工程、 上記プレートを乾燥して柔軟なグリーンシートにする工
    程、 上記溝の内面に第1の電極を形成する工程、 上記溝を基板により塞ぐ工程、 上記溝の反対側に相当する面に第2の電極を形成する工
    程、 上記グリーンシートを焼成して圧電粒子を成長させ圧電
    体を形成する工程、 上記溝を囲むように、上記グリーンシートあるいは上記
    圧電体の一部を切断除去する工程、および上記圧電体を
    分極処理する工程を備えたことを特徴とするインクジェ
    ット記録ヘッドに用いられる圧電アクチュエータの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 所定の方向に延伸する断面凹状の開口部
    を有する圧電体の外面および該開口部内面に一対の電極
    を設けてなる圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエ
    ータの開口部を塞ぐように設けられた基板と、該基板と
    上記開口部とに囲まれた空間に連結されたインク収容室
    と、上記基板と上記開口部とに囲まれた空間にあるイン
    クが吐出するインク吐出口とを備えたインクジェット記
    録ヘッド。
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