JP2004155202A - 濾過式成形型およびその型を用いたセラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 密度ムラや組成ムラがなく、肉厚差のあるセラミック成形体を得るための安価な濾過式成形型、肉厚差を有するスパッタリングターゲット焼結体およびITO焼結体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 セラミックス原料スラリーから水分を減圧排水して成形体を得るための非水溶性の材料からなる濾過式成形型であって、1個以上の水抜き孔を有する成形用下型と、この成形用下型の上に載置した通水性を有するフィルターと、このフィルターをシールするためのシール材を介して上面側から挟持する成形用型枠からなり、該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水する。上記成形用下型のフィルター面側が、凹凸形状を有する。セラミックス原料粉あるいは酸化インジウム粉、酸化錫粉、イオン交換水と有機添加剤からなるスラリーを調製し、上記の成形型に注入し、得られた成形体を乾燥後、焼成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックス成形体の成形に用いられる濾過式成形型、スパッタリング法で使用される高純度スパッタリングターゲットおよびスパッタリングターゲットとして使用するのに好適な使用効率の高い肉厚差を有するセラミックス焼結体の製造方法に関する。
セラミックスの成形方法の一つである泥漿鋳込み成形は、石膏などの吸水性のある多孔質の密閉型にスラリーを加圧で注入し、型の全面あるいは2面から吸水する方法が一般的である(例えば、特許文献1(特公平6−659号公報)参照)。しかし、成形型の全面あるいは2面から吸水した場合、成形体の中心部が最後に着肉するので、密度ムラや組成ムラなどの欠陥が発生しやすい。
また、泥漿鋳込み成形で使用される石膏は、水溶性であるため成形体中へのカルシウムの混入は防ぐことが出来ない。スパッタリングゲートようセラミックス焼結体は、高純度であることが望ましくいが、これにカルシウムが混入するとスパッタリングによって成膜した薄膜の導電性、透明性、エッチング性に悪影響を及ぼすことになる。
さらに、金型を用いた乾式プレス成形法においては、肉厚差のある成形体では成形密度が均一になりにくく、成形体に反りやクラックが発生しやすくなる。また成形サイズの大型化に伴ない金型やプレス設備が高価になるなどの特徴がある。
特公平6−659号公報
本発明の目的は、セラミックス焼結体の製造において不純物の混入が少なく、内部欠陥がなく密度ムラや組成ムラのない成形体や、肉厚差のある成形体を得るための安価な濾過式成形型およびその成形型を用いたセラミックス焼結体の製造法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、酸化インジウムと酸化錫を含むスラリーを上記の濾過式成形型を用いて成形し、得られた成形体を焼結して、高純度ITO焼結体やスパッタリングゲートとして使用効率の高い肉厚差を有するITO焼結体を製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、泥漿鋳込み用石膏型に替わる成形型として、非水溶性の材料からなる濾過式成形型を用いて一方向の着肉を起こさせることにより、密度ムラや組成ムラがなく不純物の混入がない、高純度セラミックス焼結体が得られることを見い出した。また、同時に、前記の成形型の構造では、成形用下型にかかる負荷が小さいので、その材料として比較的強度の小さいものを使用できるため、成形サイズの大型化に対しても安価に成形型を提供できることを見い出した。さらに、成形用下型を凹凸形状に加工することにより肉厚差のある成形体が得られることを見い出した。
本発明は、下記の事項をその特徴としている。
(1) セラミックス原料スラリーから水分を減圧排水して成形体を得るための非水溶性材料からなる濾過式成形型であって、1個以上の水抜き孔を有する成形用下型と、この成形用下型の上に載置した通水性を有するフィルターと、このフィルターをシールするためのシール材を介して上面側から挟持する成形用型枠からなり、前記成形用下型、成形用型枠、シール材、およびフィルターが各々分解できるように組立てられており、該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水することを特徴とする濾過式成形型。
(2) 成形用下型のフィルター面側が、凹凸形状を有することを特徴とする前記(1)に記載の濾過式成形型。
(3) セラミックス原料粉、イオン交換水と有機添加剤からなるスラリーを調製し、このスラリーを請求項(1)に記載の濾過式成形型に注入し、該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、得られたセラミックス成形体を乾燥脱脂後、焼成することを特徴とする高純度セラミックス焼結体の製造方法。
(4) セラミックス原料粉、イオン交換水と有機添加剤からなるスラリーを調製し、このスラリーを請求項(2)に記載の濾過式成形型に注入し、該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、得られたセラミックス成形体を乾燥脱脂後、焼成することを特徴とする肉厚差を有するセラミックス焼結体の製造方法。
(5) 酸化インジウム粉、酸化錫粉、イオン交換水および有機添加剤からなるスラリーを前記(1)に記載の濾過式成形型に注入し、フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、得られたITO成形体を乾燥脱脂後、焼成することを特徴とする高純度ITO焼結体の製造方法。
(6) 酸化インジウム粉、酸化錫粉、イオン交換水および有機添加剤からなるスラリーを調製し、このスラリーを前記(2)に記載の濾過式成形型に注入し、フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、得られたITO成形体を乾燥脱脂後、焼成することを特徴とする肉厚差を有するITO焼結体の製造方法。
本発明の成形型を用いることにより、スラリー中の水分を片側からのみ減圧排水する濾過方式で成形体を製作するため着肉が一方向にのみ起こり、成形体内部に密度ムラや組成ムラなど欠陥が発生しない。また鋳込み用型材料からの不純物混入がなく高純度の成形体が得られる。さらに、本発明の成形型を用いることにより、肉厚差のある成形体を得ることができる。
また従来法のプレス成形や加圧鋳込みでは成形サイズの大型化に伴い成形型材やプレス機などの設備強度を上げる必要があり設備費が高価になるが、本発明の成形型では減圧排水時にかかる圧力はフィルターと成形用下型間のみにかかるので、比較的強度の低い材料を成形用下型として使用でき、成形サイズが大型化しても材料費は安価にできる。
本発明の濾過式成形型は、図1に示すように、セラミックス原料スラリー1を成形用型枠2内に上部より注入し、下部に配置されている1個以上の水抜き孔6より減圧排水を行い成形体を得るものである。
濾過式成形型は、水抜き孔6をもつアルミ製あるいは樹脂(ポリプロピレン、ナイロン等)製の成形用下型3に、スラリー1中のセラミックス粉が透過しない通水性を有するフィルター4(例えば、ゴアテックス湿式フィルタークロス、ジャパンゴアテックス株式会社製)を載置した該成形用下型3と、シール材5を介してアルミ製の成形用型枠2を重ねた構造からなっている。
本発明の成形型では減圧排水時にかかる圧力は、フィルターと成形用下型間のみにかかるので比較的強度の低い材料を成形用下型として使用できる。
次に、本発明のセラミックスおよびITO焼結体の製造方法について説明する。セラミックス焼結体の製造工程は図3に、ITO焼結体の製造工程は図4に示す通りである。
(a)原料粉の調整
セラミックス原料粉を仮焼処理や粉砕処理を行うことで、1次粒子径や比表面積を調整することにより、スラリー化を容易にすることができる。
ITO焼結体の場合では、酸化インジウム粉と酸化錫粉は市販品を使用できる。ただし市販の酸化インジウム粉を予め仮焼などの処理により粒成長させておくことが好ましい。酸化インジウム粉の1次粒子径が不適当になると成形密度の低下や密度ムラによる脱脂、焼結でのクラックや割れ、反りが大きくなるので、0.1〜0.5μmの範囲とするのが好ましい。
(b)スラリーの調製
セラミックス原料粉を単独または数種類をイオン交換水と有機添加剤(分散剤、バインダー、消泡剤)を加えてボールミル混合し、スラリーの調整を行う。ITO焼結体の場合は、原料の酸化インジウム粉と酸化錫粉を予め乾式ボールミルで混合、粉砕する。酸化錫の組成は5〜10重量%が好ましい。この際、イオン交換水1〜5重量%を加えておくと原料粉のポット壁への付着を減少させ、混合を十分に行なえる効果が期待できる。ボールミルのポットとしては、樹脂製ポットを使用するのが好ましい。またボールの材質は、比重が大きくて耐摩耗性に優れたジルコニアが好ましい。乾式ボールミルは、凝集粒子を解砕するとともに、粉の嵩密度を上げる効果がある。
次に、前記ボールミルポット中へイオン交換水を10〜25重量%、および有機添加剤(分散剤)を添加し、樹脂製ポットにて混合を行って原料粉を分散させる。分散剤としてはポリカルボン酸系分散剤が使用でき、添加量は0.2〜1.0重量%が好ましい。
さらに、有機添加剤(バインダー)を添加して混合を行いスラリーを得る。バインダーとしてはワックス系バインダーが使用でき、添加量は0.3〜1.0重量%が好ましい。スラリー粘度としては100cp以下のスラリーを調製することが好ましい。スラリー粘度が高いと脱気が困難になったり、容器やボールへの付着によってスラリー回収率が低下する。
最後に、スラリーに有機添加剤(消泡剤)を添加して減圧脱気する。消泡剤としては、アミド系消泡剤が使用でき、添加量は0.01〜0.5重量%が好ましい。
(c)濾過式成形型による成形体の製作
脱気した前記スラリーを成形型に注入し、フィルターの下型面側を減圧し、スラリー中の水分をフィルター面側から減圧排水することにより成形する。減圧は−700mmHgより大きい方が好ましい。減圧には真空ポンプなどを使用することができる。
減圧排水時間は、成形体の着肉終了から約30分後までがよい。減圧排水時間が短いと、成形体の成形用型枠からの離型性が悪くなりクラックが発生することがある。また減圧排水時間が長すぎると、減圧排水中に成形用型枠から成形体が離型して隙間から空気が吸引され、成形体の離型部分のみが急速に乾燥しクラックが発生することがある。
(d)成形体の乾燥、脱脂
前記により得られた成形体を自然乾燥するのが好ましい。成形体は離型時に10重量%程度の水分を含んでおり、成形体の乾燥を乾燥器などを使用して急速に行うと、乾燥ムラから成形体の反り、クラックが発生することがある。
さらに、乾燥した成形体の脱脂を行う。成形体の脱脂を行わないと焼成時に成形体に反りやクラック、割れが発生しやすくなる。脱脂は熱風循環式脱脂炉等を使用して400〜600℃で加熱し、残留水分およびバインダーを除去することが好ましい。
(e)成形体の焼成
成形体を焼成することにより高純度セラミックス焼結体を得る。ITO焼結体の場合は焼成温度は1400〜1600℃が好ましい。焼成雰囲気は大気および酸素が使用できるが、酸素雰囲気を用いることが高密度の焼結体を得るためには好ましい。
本発明の成形型について従来型と比較した利点を、表1に示す。本発明の成形型は従来の石膏型、プレス金型に比べ、密度ムラや組成ムラがなく、不純物混入もなく、また大型化するための費用も少なくてすむ等の利点を有している。また、肉厚差を有する成形体を成形するに際しても同様の利点がある。
Figure 2004155202
以下に、本発明を実施例と比較例によりさらに説明する。
実施例1
市販のローソーダアルミナ粉15000g、イオン交換水3450g、ポリカルボン酸系分散剤150g、ワックス系バインダー150gと鉄芯入り樹脂ボールを樹脂製ポットに入れ40時間ボールミル混合を行った。このスラリーの濃度は83%で、平均粒子径は0.76μm、粘度は105cpだった。
スラリーを減圧脱気後、成形サイズ1050mm×1100mmの成形よう型枠がアルミニウム製で成形用下型が樹脂製の本発明成形型に注入し、フィルター面側より減圧排水し成形体を得た。
フィルターは、ゴアテックス湿式フィルタークロス、ジャパンゴアテックス株式会社製を用いた。このフィルターは織布またはフェルト上に多孔性の樹脂膜を片面側のみ付着させた構造で形成されており、樹脂の裏面側は織布またはフェルトからなり、通水空間を有し、多孔性の樹脂膜と下型との間には水が自由に移動できる通路が形成されている。
成形体を自然乾燥後、脱脂処理を450℃で行なった。脱脂後の成形体には密度ムラによる反りやクラックは発生せず、寸法は1049mm×1099mm×10.2mmで、密度は55%(2.19g/cm3 )だった。
スラリー濃度の定義は次の通りである。
スラリー濃度(%)=溶質重量/(溶質重量+溶媒重量)×100
実施例2
市販の酸化錫粉250g、イオン交換水1.25gとジルコニアボールを樹脂製ポットに入れ20時間ボールミル混合を行った。次にイオン交換水233gとポリカルボン酸系分散剤2gを入れ1時間ボールミル混合した。1時間後にワックス系バインダーを2.5g添加し、19時間ボールミル混合を行った。このスラリーの濃度は83%、平均粒径は1.1μm、粘度は71cpだった。
スラリーを減圧脱気後、成形サイズ76mmφであること以外は実施例1と同様の材質、構造の成形型に注入し、減圧−760mmHgで減圧排水し成形体を得た。成形体を自然乾燥後、脱脂処理を600℃で3時間行った。その後、酸素雰囲気にて1500℃で8時間焼成し酸化錫焼結体を得た。焼結体に密度ムラによる反りやクラックは発生せず、密度は66.5%(4.6g/cm3 )であった。また不純物としてカルシュウムが混入しない高純度の焼結体が得られた。
実施例3
酸化インジウム粉7200g、酸化錫粉800gとイオン交換水240gおよび直径5mmのジルコニアボールを樹脂製ポットに入れ、20時間ボールミル混合を行った。次に、イオン交換水1440gとポリカルボン酸系分散剤56gを入れ1時間ボールミル混合した。1時間後にワックス系バインダーを80g添加し19時間ボールミル混合を行った。
次に、スラリーにアミド系消泡剤1.6gを添加し減圧脱気を行った。このスラリーの濃度は83%で、平均粒径は0.5μm、粘度は33cpだった。このスラリーを成形サイズ300mm×700mmで成形用下型がアルミニウム製であること以外は実施例1と同様の構造成形型に注入し、減圧−760mmHgで減圧排水し、成形体を得た。
成形体を自然乾燥、脱脂処理を600℃で3時間行った。その後、酸素雰囲気にて1550℃で8時間焼成した。ITO焼結体には密度ムラによる反りやクラックは発生しなかった。また、酸化錫の偏析がなく、カルシウムの混入しない高純度ITO焼結体を得た。ITO焼結体の寸法は、247mm×578mm×7.3mmであり、密度は98.1%(7.01g/cm3 )であった。
実施例4
酸化インジウム粉18000g、酸化錫粉2000gとイオン交換水600gおよび直径5mmのジルコニアボールを樹脂製ポットに入れ20時間ボールミル混合を行った。次に、イオン交換水3592gとポリカルボン酸系分散剤160gを入れ、1時間ボールミル混合した。1時間後にワックス系バインダーを200g添加し、19時間ボールミル混合を行った。
スラリーにアミド系消泡剤4gを添加し減圧脱気を行った。このスラリーの濃度は83%で、平均粒径は0.5μm、粘度は40cpだった。このスラリーを成形サイズ375mm×1270mm成形用下型がアルミニウム製であること以外は実施例1と同様の構造成形型に注入し、減圧−760mmHgで減圧排水し成形体を得た。
成形体を自然乾燥、脱脂処理を600℃で3時間行った。その後、酸素雰囲気にて1550℃で8時間焼成した。ITO焼結体には密度ムラによる反りやクラックは発生しなかった。また、酸化錫の偏析がなく、カルシウムの混入しない高純度ITO焼結体を得た。ITO焼結体の寸法は、308mm×1046mm×7.9mmであり、密度は98.8%(7.06g/cm3 )であった。
実施例5
酸化インジウム粉900g、酸化錫粉100gとイオン交換水30gおよび直径5mmのジルコニアボールを樹脂製ポットに入れ、20時間ボールミル混合を行った。次に、イオン交換水178gとポリカルボン酸系分散剤7.9gを入れ、1時間ボールミル混合した。1時間後にワックス系バインダーを9.9g添加し、19時間ボールミル混合を行った。
スラリーにアミド系消泡剤0.2gを添加し減圧脱気を行った。このスラリーの濃度は83%で、平均粒径は0.46μm、粘度は15cpだった。このスラリーを成形サイズ190mmφで成形用下型がアルミニウム製であること以外は実施例1と同様の構造成形型に注入し、減圧−760mmHgで減圧排水し成形体を得た。
成形体を自然乾燥、脱脂処理を600℃で3時間行った。その後、酸素雰囲気にて1550℃で8時間焼成した。ITO焼結体には密度ムラによる反りやクラックは発生しなかった。また、酸化錫の偏析がなく、カルシウムの混入しない高純度ITO焼結体を得た。ITO焼結体の寸法は157mm×7.9mmであり、密度は99.5%(7.11g/cm3 )であった。
実施例6
酸化インジウム粉720g、酸化錫粉80gとイオン交換水24gおよび直径10mmのジルコニアボールを樹脂製ポットに入れ、20時間ボールミル混合を行った。次に、イオン交換水128gとポリカルボン酸系分散剤6.4gを入れ、1時間ボールミル混合した。1時間後にワックス系バインダーを8.0g添加し、19時間ボールミル混合を行った。
スラリーにアミド系消泡剤0.4gを添加し減圧脱気を行った。このスラリーの濃度は83%で、平均粒径は0.53μm、粘度は28cpだった。このスラリーを成形サイズ190mmφでフィルター面側に同心円状の深さ5mm幅30mmの凹部加工であること以外は実施例1と同様の構造の成形型に注入し、減圧−710mmHgで減圧排水し成形体を得た。
成形体を自然乾燥、脱脂処理を600℃で3時間行った。その後、酸素雰囲気にて1550℃で8時間焼成した。ITO焼結体には密度ムラによる反りやクラックは発生しなかった。ITO焼結体の寸法は156.6mmφ×3.52(薄肉部)「6.56mm(厚肉部)」であり、密度は99.3%(7.10g/cm3 )だった。
比較例1
酸化インジウム粉6930g、酸化錫粉770gとジルコニアボールを樹脂製ポットに入れ20時間ボールミル混合を行った。ポットから取り出した原料粉に濃度4重量%のポリビニルアルコール水溶液を6.0重量%添加して撹拌混合した。次に、この原料粉を圧力500kgf/cm2 でプレス後粉砕して60メッシュ以下に整粒した。この整粒粉を成形サイズ200×980の金型に入れ圧力1000kgf/cm2 で成形した。
成形体には密度ムラによると思われるクラックが発生した。成形体の寸法は201.0mm×982.0×9.26mmであり、密度は61.0%(4.36g/cm3 )だった。
比較例2
実施例5のスラリーを成形サイズ190mmφ×8.5mmの石膏型に圧力1.0kg/cm2 で鋳込み、成形体を得た。成形体を自然乾燥後、600℃で3時間脱脂した。
その後、酸素雰囲気にて1550℃で8時間焼成しITO焼結体を得た。このときITO焼結体の密度は97.2%(6.95g/cm3 )だった。ITO焼結体内部の中央部分にはスジ状の欠陥が見られEPMA分析により酸化錫の偏析が観察された。また、不純物としてカルシウムが35ppm検出された。
本発明に係る濾過式成形型(平板成形型)の構造を示す説明図である。 本発明に係る濾過式成形型(凹凸形状成形型)の構造を示す説明図である。 本発明に係る濾過式成形法によるセラミックス焼結体の製造工程を示す説明図である。 本発明に係る濾過式成形法によるITO焼結体の製造工程を示す説明図である。
符号の説明
1 スラリー
2 成形用型枠
3 成形用下型
4 フィルター
5 シール材
6 水抜き孔

Claims (6)

  1. セラミックス原料スラリーから水分を減圧排水してセラミックス成形体を得るための非水溶性材料からなる濾過式成形型であって、
    1個以上の水抜き孔を有する成形用下型と、
    この成形用下型の上に載置した通水性を有するフィルターと、
    このフィルターをシールするためのシール材を介して上面側から挟持する成形用型枠からなり、
    前記成形用下型、成形用型枠、シール材、およびフィルターが各々分解できるように組立てられており、該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水することを特徴とする濾過式成形型。
  2. 成形用下型のフィルター面側が、凹凸形状を有することを特徴とする請求項1に記載の濾過式成形型。
  3. セラミックス原料粉、イオン交換水と有機添加剤からなるスラリーを調製し、
    このスラリーを請求項1に記載の濾過式成形型に注入し、
    該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、
    得られたセラミックス成形体を乾燥脱脂後、焼成すること
    を特徴とする高純度セラミックス焼結体の製造方法。
  4. セラミックス原料粉、イオン交換水と有機添加剤からなるスラリーを調製し、
    このスラリーを請求項2に記載の濾過式成形型に注入し、
    該フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、
    得られたセラミックス成形体を乾燥脱脂後、焼成すること
    を特徴とする肉厚差を有するセラミックス焼結体の製造方法。
  5. 酸化インジウム粉、酸化錫粉、イオン交換水および有機添加剤からなるスラリーを調製し、
    このスラリーを請求項1に記載の濾過式成形型に注入し、
    フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、
    得られたITO成形体を乾燥脱脂後、焼成すること
    を特徴とする高純度ITO焼結体の製造方法。
  6. 酸化インジウム粉、酸化錫粉、イオン交換水および有機添加剤からなるスラリーを調製し、
    このスラリーを請求項2に記載の濾過式成形型に注入し、
    フィルター面側からのみスラリー中の水分を減圧排水して成形体を製作し、
    得られたITO成形体を乾燥脱脂後、焼成すること
    を特徴とする肉厚差を有するITO焼結体の製造方法。
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