JP4696836B2 - 静電アクチュエータの製造方法および静電アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、静電アクチュエータの製造方法および静電アクチュエータに関するものである。
近年、印刷速度の高速化及びカラー化を目的として、ノズル列を複数有するインクジェットヘッドが求められている。ノズルは高密度化するとともに高駆動周波数化しており、インクジェットヘッド内のアクチュエータ構造は、ますます複雑化する傾向にある。
このようなインクジェットヘッドにおいて、従来の電極基板の製造方法に、グレースケールマスク(面積諧調マスク)によって露光する等倍露光や、焦点をフォトレジスト層表面からずらして露光する縮小露光を用いて、傾斜部を有する凹部をフォトレジスト層に形成し、その凹部をドライエッチングによって電極基板に転写して、傾斜部を有するギャップを形成する技術があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−47628号公報(第4頁、図3)
特許文献1に記載された技術では、高精度にギャップ形状を制御することは困難であり、またギャップの表面も荒れてしまう。このため、電極基板の製造方法において、電極基板の素材を硼珪酸ガラスとし、電極基板上の微小ギャップをプレス成形で加工することも考えられる。
しかしながら、電極基板上の微小ギャップをプレス成形で加工するようにすると、硼珪酸ガラスの軟化点は800℃程度と非常に高温であるため、押し型の耐久性が大幅に低下する。800℃でも利用することができる押し型は、石英や単結晶シリコン、超硬合金に限られ、これらの素材によって押し型を成形することは困難を伴う。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、電極基板の加工精度とギャップ形状の自由度を高め、加工コストを下げることができる静電アクチュエータの製造方法および静電アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、振動板を有する第1の基板と、電極溝を有し電極溝に振動板とギャップを隔てて対向する対向電極が設けられた第2の基板とを備え、振動板と対向電極の間に電圧を印加することによりこれらの間に静電力を発生させて振動板を変位させる静電アクチュエータの製造方法において、基板部材表面をエキシマ光照射またはスパッタで処理し、表面処理後の基板部材表面に、無機SOG(SpinOnGlass)からなる転写層を塗布し、ニッケル型よりなる押し型を転写層の上部より押圧し、ナノインプリント法によって、平坦部と傾斜部とを長手方向に交互に少なくとも2組以上並んだ底面を有し、長手方向に深さが段階的に短くなる電極溝を形成して第2の基板を構成し、第2の基板に、表面活性接合によって第1の基板を接合するものである。このため、静電アクチュエータを構成する第2の基板の加工精度とギャップ形状の自由度を高めることができ、静電アクチュエータの加工コストを下げることができる。
また、自由度の高い形状のギャップを押し型の精度と同等な精度で第2の基板上に一括して形成することができ、こうして形成されたギャップは、ガラスと同等の強度、耐熱性、安定性を有することになる。
また、電極基材表面をエキシマ光照射で処理し、表面処理後の電極基材表面に転写層を塗布するようにした場合、電極基材と転写層とを強固かつ確実に密着することができる。 また、エキシマ光の照射強度及びスキャン速度を制御することにより、均一かつ最適な表面処理が可能となる。
また、電極基材表面をスパッタで処理し、表面処理後の電極基材表面に転写層を塗布するようにした場合、電極基材と転写層とを強固かつ確実に密着することができる。また、複数枚を同時に処理することで、スループットが良好な表面処理が可能となる。
また、ニッケル型よりなる押し型を用いて、転写層に電極溝を形成するようにしたため、押し型の耐久性が良好で、マスターからの複製も容易であるため、押し型のコストを低く抑えることができる。
また、第2の基板に表面活性接合によって第1の基板を接合するようにしたため、熱膨張係数差のある転写層と第1の基板とを、低温で陽極接合なみの強度で接合することができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータは、上記の静電アクチュエータの製造方法によって製造されたものである。この静電アクチュエータは、電極溝に傾斜部を有するようにしたものであり、対向電極は電極溝の傾斜端部近傍でキャビティ基板の振動板と当接するので、この当接位置において当接開始点のギャップを零にすることができる。よって、この当接部で振動板の当接開始電圧を下げることができ、振動板の当接開始電圧を理論上ゼロボルトにすることができるため、駆動電圧の低減を図りつつ充分な発生力を得ることができる。
また、電極溝に多段構造を有するようにしたもので、対向電極は電極溝の最浅部でキャビティ基板の振動板と最近接しており、この位置を当接開始点とすることができる。よって、この当接開始点で振動板の当接開始電圧を下げることができ、振動板の当接開始電圧を単段構造よりも小さくすることができる。こうして振動板の各部分が段階的に個別電極に吸引されることにより、微小なインク圧力波動が発生し、インク小滴が分断して噴射されるので、駆動電圧の低減を図りつつ充分な発生力を得ることができる。
また、転写層の成分をSOG(Spin On Glass)により構成したため、自由度の高い形状のギャップを押し型の精度と同等な精度で一括して形成することができ、形成されたギャップはガラスと同等の強度、耐熱性、安定性を有することになる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの縦断面図である。なお、以下の説明では、図中、上側を「上」、下側を「下」とする。図に示すように、インクジェットヘッド1は、キャビティ基板2の上面にノズル基板3が接合され、キャビティ基板2の下面に電極基板4が接合されている。すなわち、インクジェットヘッド1は、下方から上方へ電極基板4(第2の基板)、キャビティ基板2(第1の基板)、ノズル基板3が順次積層された3層構造となっている。
第1の基板であるキャビティ基板2は、ノズル基板3との間で、共有インク室21と、複数のインク吐出室22とを区画形成するように溝が形成され、ノズル基板3は、キャビティ基板2との間で、共通インク室21と複数のインク吐出室22とを連通させるインクオリフィス31を区画形成するように溝が形成されている。すなわち、キャビティ基板2とノズル基板3との間には、共通インク室21と、インクオリフィス31、複数のインク吐出室22が区画形成されている。このようなキャビティ基板2およびノズル基板3は、それぞれ、シリコンを主材料として構成されている。ノズル基板3には、各インク吐出室22の先端側の部分に対応する位置にノズル孔32が形成されており、ノズル孔32はインク吐出室22に連通している。なお、キャビティ基板2の各インク吐出室22の下壁部分は薄肉とされており、上下方向に弾性変位可能な振動板23として機能するようになっている。
第2の基板である電極基板4は、硼珪酸ガラスを主材料としキャビティ基板2と熱膨張係数が近似する電極基材(基板部材)4aの部分と、エキシマ光照射によって処理された電極基材4aの上面に塗布されてキャビティ基板2の下面と接合する無機SOG(Spin−on Glass)からなる転写層4bの部分とからなる上下2層によって構成されている。電極基板4の転写層4bの上部であって、キャビティ基板2の各振動板23に対応した位置には、前方(図の左方)に向けて下方に傾斜して電極溝を構成する凹部41が形成されている。
電極基板4の凹部41の底面にはITO等からなる個別電極42が設けられており、個別電極42は凹部41の傾斜基部近傍でキャビティ基板2の振動板23と接合しており、この接合位置42aにおいて接合開始点のギャップを零にすることができる。よって、この接合部42aで振動板42の当接開始電圧を下げることができ、振動板42の接合開始電圧を理論上ゼロボルトにすることができる。こうして、振動板23は、個別電極42に対応する電極として機能するようにしてある。なお、個別電極42は、電極基板4の後方(図の右方)まで引き出され、その後端近傍が、外部配線接続用の電極取出し部47となっている。この電極取出し部47には、個別電極42と振動板23との間に電圧を印加する電圧印加手段(図示せず)が接続されている。
電極基板4には、共通インク室21に連通するインク供給口43が形成されている。インクは、外部のインクタンク(図示せず)から、インク供給口43を通って共通インク室21に供給され、ここからインクオリフィス31を通って、各インク吐出室22に供給されるようになっている。
このようにして構成されたインクジェットヘッド1では、振動板23と個別電極42と電圧印加手段(図示せず)とが静電アクチュエータを構成している。すなわち、電圧印加手段が振動板23と個別電極42との間に駆動電圧を印加すると、振動板23と個別電極42との間に静電気力が発生する。これにより、振動板23が個別電極42側へ撓んで変位し、インク吐出室22の容積が拡大する。次に、駆動電圧を解除すると、振動板23はその弾性復帰力によって復帰し、インク吐出室22の容積が急激に収縮する。このときに発生するインク圧力により、インク吐出室22を満たすインクの一部が、このインク吐出室22に連通しているノズル孔32からインク滴として吐出される。
次に、本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法について説明する。図2〜図7はインクジェットヘッド1の製造工程を示す説明図である。
[1]キャビティ基板の不純物拡散層および絶縁膜形成工程
(a) まず、図2(a)に示すように、下面が研磨されたシリコンよりなるキャビティ基材2aを用意する。次に、キャビティ基材2aの下面に不純物をドープし、不純物拡散層23aを形成する。不純物としては、ボロン等が上げられる。この不純物拡散層23aは、インクジェットヘッド1において振動板23を構成するものである。また、この不純物拡散層23aは、エッチング液に対するエッチング速度がキャビティ基材2aと異なるので、後工程で行うキャビティ基材2aのエッチングに際して、エッチングの停止層として機能する。したがって、この不純物拡散層23aの厚さを制御することによって、所望の厚さの振動板23を形成することができる。なお、不純物拡散層23aは、キャビティ基材2aに比べて低抵抗性であることから、特に、振動板23となる部分においては、共通電極として良好な導電性が得られる。
(b) 続いて、図2(b)に示すように、不純物拡散層23aの表面に絶縁膜63を形成する。絶縁膜63としては、SiO2 等の酸化膜系絶縁膜、Si34等の窒化膜系絶縁膜等が挙げられる。絶縁膜63の形成方法としては、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学成膜法(CVD)、スパッタリング等の物理成膜法等が挙げられる。
[2] 電極基板の作製工程
(a) 次に、電極基板4を作製する。まず、図3(a)に示すように、電極基材4aを用意する。電極基材4aは、シリコンと熱膨張係数が近い硼珪酸ガラスのようなガラスを主材料とする。そして、電極基材4aの上面を、エキシマ光照射80で表面処理する。
なお、電極基材4aの上面を、アルゴンスパッタやイオンビームスパッタ等のスパッタで表面処理してもよい。
(b) 次に、図3(b)に示すように、電極基材4a上に、無機SOG(Spin−on Glass)よりなる転写層4bを塗布する。この場合、電極基材4aにエキシマ光照射等の処理を施してあるので、電極基材4aと転写層4bとの密着性が向上する。
(c) 次に、図3(c)に示すように、押し型81を、転写層4bの上部より押圧する。この場合の押し型81は、マスターから複製したニッケル(Ni)型で、平面部より下方に断面ほぼ台形状に突設した突設部81aを有し、一方が平面部に対してほぼ直交する高さ面81bを形成し、その対向辺が傾斜面81cを形成し、これらの辺の間に挟まれて底面81dを形成する。
(d) そして、押し型81を転写層4bの上部より転写層4bに押圧すると、図3(d)に示すように、転写層4bに押し型81の形状と凹凸パターンが反転した形状のギャップ形状がナノインプリント法により低温で転写される(以下、これをナノインプリント法という)。すなわち、転写層4bに断面ほぼ台形状のギャップが形成され、そのギャップは立設面41b、傾斜面41c及び底面41dよりなる凹部41を形成する。
ついで、押し型81を転写層4bより剥離させ、そののち、転写層4bを焼成する。
(e) 次に、図3(e)に示すように、凹部41が形成された側の面、すなわち転写層4bの上面の全体に、個別電極42となるITO420をスパッタにより成膜する。
(f) 次に、ITO420上に、フォトリソグラフィ法によって、個別電極42に対応する平面形状のフォトレジストを形成する。そして、このフォトレジストをマスクとして、ITO420をエッチングした後、フォトレジストを剥離除去する。これにより、図3(f)に示すように、転写層4bの凹部41に個別電極42が形成される。
次に、図3(g)に示すように、サンドブラストでインク供給孔43aを開ける。
以上の工程により電極基板4が作製される。
[3]キャビティ基材と電極基板の接合工程
(a)次に、図4(a)に示すように、電極基板4とキャビティ基材2aとを、電極基板4の転写層4b側の面と、キャビティ基材2aの絶縁膜63側の面とが対向するようにして配置する。
(b)そして、図4(b)に示すように、電極基板4とキャビティ基材2aとを表面活性接合によって接合し、接合基板71を形成する。このように表面活性接合によって接合するのは、電極基板4とキャビティ基材2とを電極基板4側の転写層4bを介して接合するからであり、これらの接合を高温を要する陽極接合によって行うと部材間の熱膨張係数差により剥離等の欠陥が発生する場合があるからである。
[4]インク吐出室、共通インク室および電極取出し部形成工程
(a) 次に、図5(a)に示すように、キャビティ基材2aの上側をグラインダー等で切削し、キャビティ基材2aを薄板化する。
さらに、キャビティ基材2aの上面全体にウェットエッチングを行い、キャビティ基材2を薄板化する。エッチング液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液等を用いる。
このように、キャビティ基材2aを切削加工とエッチングの2段階で薄板化すると、切削加工によって比較的厚い厚さ分を高速で切削することができ、また、エッチングによって、キャビティ基材2aの切削された加工面を比較的滑らかで欠陥の少ない面とすることができる。したがって、キャビティ基材2aを短時間で薄板化することができ、また良好な表面を得ることができる。
(b) 次に、図5(b)に示すように、キャビティ基材2aの上に、SiO2 膜72を成膜する。SiO2 膜72の成膜方法としては、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学成膜法(CVD)、スパッタリング等の物理成膜法等を用いる。
(c)そして、このSiO2 膜72上に、フォトリソグラフィ法によって、共通インク室21、インク吐出室22および電極取出し部47に対応する部分に開口部を有するフォトレジストを形成する。そして、このフォトレジストをマスクとして、SiO2 膜72をエッチングする。このとき、図5(c)に示すように、インク吐出室22および電極取出し部47に対応する部分22a,47aではSiO2 膜72がほぼ完全に除去されるようにし、共通インク室21に対応する部分21aではSiO2 膜72が一部残るようにエッチング(ハーフエッチング)する。
(d)その後、図5(d)に示すように、水酸化カリウム水溶液によって、共通インク室21、インク吐出室22および電極取出し部47に対応する部分21a,22a,47aのキャビティ基材2aを、インク吐出室22および電極取出し部47に対応する部分22a,47aで不純物拡散層23aが露出するまでエッチングする。水酸化カリウム水溶液に対するエッチングレートは、キャビティ基材2aよりも不純物拡散層23aの方が小さいので、この不純物拡散層23aが露出したところで確実にエッチングを停止することができる。一方、共通インク室21に対応する部分21aでは、水酸化カリウム水溶液によるエッチング開始時間を、インク吐出室22および電極取出し部47に対応する部分22a,47aよりも遅らせているので、不純物拡散層23a上にキャビティ基材2aが薄く残存した状態でエッチングが終了する。このとき、インク吐出室22に対応する部分22aで残存した層は振動板23となるので、その厚さが適正範囲であることが重要となる。
(e)次に、図6(e)に示すように、フッ酸水溶液を使用して、キャビティ基材2aの表面に残存するSiO2 膜を除去する。
(f)そして、図6(f)に示すように、共通インク室21に対応する部分21aの底部を、例えばレーザー加工によって開口し、インク供給孔43aと共通インク室21とを連通させてインク供給口43を形成する。
以上の工程によってキャビティ基板2が作製される。
[5]キャビティ基板とノズル基板の接合工程
(a)次に、図7(a)に示すように、キャビティ基板2と、インクオリフィス31およびノズル孔32が形成されたノズル基板3とを、ノズル孔32がインク吐出室22となる部分の先端付近となるようにして接合する。これにより、キャビティ基板2とノズル基板3との間に、共通インク室21、インク吐出室22およびインクオリフィス31が画成される。
(b)そして、このようにして形成された積層体を、図7(b)に示すようにチップ毎にダイシングすることによって、インクジェットヘッドが製造される。
本実施の形態1によれば、電極基材4aに転写層4bを塗布し、押し型81によって転写層4bにナノインプリント法でギャップ形状を転写するようにしたので、自由度の高い形状のギャップを押し型81の精度と同等な精度で一括して形成することができる。こうして形成されたギャップは、ガラスと同等の強度、耐熱性、安定性を有することになる。また、押し型81にはマスターから複製したNi型を用いるので、押し型81の複製が容易である。そして、低温状態でギャップを成形することができるため、押し型81の耐久性が良好で、押し型81のコストを低く抑えることができ、このため、静電アクチュエータなどを安価に提供することができる。
実施形態2.
図8は本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの縦断面図である。なお、図1と同一部分には同じ符合を付し、説明を省略する。
本実施の形態2に係るインクジェットヘッド1は、電極基板4の転写層4bに形成された凹部41及び個別電極42の形状が、実施の形態1に示した凹部41及び個別電極42の形状と異なっているが、それ以外の部分は、図1に示したインクジェットヘッドと実質的に同様である。
電極基板4の転写層4bの上部には、キャビティ基板2の各振動板23に対応した位置に、凹部41が形成されている。この凹部41は、電極基板4の先端側から後端側に段階的に小さくなるギャップG1、G2によって形成され、凹部41の底面が階段状になっている。すなわち、凹部41はその深さが異なる部分を有しており、深さが電極基板4の長手方向においてその先端から後端に向かって段階的に漸減し、多段構造(本実施の形態2では2段構造)を形成している。凹部41の底面には個別電極42が設けられており、個別電極42はギャップG2でキャビティ基板2の下面と最接近している。よって、この最接近部で振動板42の接合開始電圧を下げることができ、ギャップG1のみの単段構造に比べて振動板42の接合開始電圧を小さくすることができる。
このインクジェットヘッド1によれば、駆動電圧を印加したときに、振動板23は、ギャップG2に対応する部分が先ず個別電極42に吸引され、次にギャップG1に対応する部分が個別電極42に吸引される。このように、振動板23の各部分が段階的に個別電極42に吸引されることにより、微小なインク圧力波動が発生し、インク小滴が分断して噴射される。こうして、駆動電圧の低減を図りつつ十分な発生力を得ることができ、良好なインク吐出特性を得ることができる。
本発明に係るインクジェットヘッドの製造するには、マスターから複製したNi型の押し型(図示せず)を用い、この押し型には、電極基板4の転写層4bに転写すべき階段状をなす凹凸部が形成されている。この押し型を用いて、ナノインプリンタ法によって押し型のギャップ形状を転写層4bに低温で転写する。
その他の構成、作用、効果は、実施の形態1に示した場合と実質的に同様なので、説明は省略する。
実施の形態3.
実施の形態1では電極基板4のギャップ形状を断面ほぼ台形状に形成し、実施の形態2では段差状に形成したが、本実施の形態3ではギャップ形状を上方にコ字状に開口したものである(図示せず)。
電極基板4の転写層4bの上部には、キャビティ基板2の各振動板23に対応した位置に、上方にコ字状に開口した凹部が形成され、この凹部には個別電極42が設けられている。
その他の、構成、作用、効果は、実施の形態1に示した場合と実質的に同様なので、説明は省略する。
実施の形態4
図9は本実施の形態4に係る液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置の斜視図である。なお、図9に示す液滴吐出装置100は、一般的なインクジェットプリンタである。
本実施の形態4に係る液滴吐出装置によれば、電極基板4の加工精度とギャップ形状の自由度が高く、静電アクチュエータは高密度かつ複雑な構造を有することができるため、液滴吐出装置の性能は良好になる。
なお、上記の静電アクチュエータは、インクジェットプリンタに限らず、他の液滴吐出装置にも用いることができる。例えば、他の液滴吐出装置としては、プロテインチップやDNAチップの作製、有機EL製造装置や液晶表示装置のカラーフィルタの製造、インクジェット法による配線基板の作製などに用いるものが挙げられる。また、係る静電アクチュエータは、光スキャナなど、液滴吐出装置以外の装置にも用いることができる。
本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの縦断面図。 図1に示すインクジェットヘッドのキャビティ基板の製造方法を説明するための縦断面図。 図1に示すインクジェットヘッドの電極基板の製造方法を説明するための縦断面図。 図1に示すインクジェットヘッドの接合基板の製造方法を説明するための縦断面図。 図1に示すインクジェットヘッドの接合基板の製造方法を説明するための縦断面図。 図1に示すインクジェットヘッドの接合基板の製造方法を説明するための縦断面図。 図1に示すインクジェットヘッドの積層体の製造方法を説明するための縦断面図。 本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの縦断面図。 本発明のインクジェットプリンタの斜視図。
符号の説明
1 インクジェットヘッド、2 キャビティ基板(第1の基板)、3 ノズル基板、4 電極基板(第2の基板)、4a 電極基材(基板部材)、4b 転写層、23 振動板、41 凹部(電極溝)、42 個別電極(対向電極)、80 エキシマ光照射、81 押し型、100 インクジェットプリンタ。

Claims (2)

  1. 振動板を有する第1の基板と、電極溝を有し該電極溝に前記振動板とギャップを隔てて対向する対向電極が設けられた第2の基板とを備え、前記振動板と対向電極の間に電圧を印加することによりこれらの間に静電力を発生させて前記振動板を変位させる静電アクチュエータの製造方法において、
    基板部材表面をエキシマ光照射またはスパッタで処理し、表面処理後の前記基板部材表面に、無機SOG(Spin On Glass)からなる転写層を塗布し、
    ニッケル型よりなる押し型を前記転写層の上部より押圧し、ナノインプリント法によって、平坦部と傾斜部とを長手方向に交互に少なくとも2組以上並んだ底面を有し、長手方向に深さが段階的に短くなる電極溝を形成して前記第2の基板を構成し、
    前記第2の基板に、表面活性接合によって前記第1の基板を接合することを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  2. 請求項1記載の静電アクチュエータの製造方法により製造された静電アクチュエータ。
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