JP5684421B2 - 金型分流子およびそれを具備した鋳造用金型 - Google Patents
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Description
そこで、金型分流子の内側に水等の冷却媒体を流通させて、この金型分流子の温度を低下させることで溶湯を迅速に冷却する技術が提案されている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
本発明の第1態様に係る金型分流子は、プランジャスリーブの開口に対向するようにして設けられるとともに該開口からスタンプに供給される溶湯と接触する第1壁部と、前記第1壁部に連続するようにして設けられるとともに前記スタンプから金型部へ溶湯を案内する湯口ランナーに供給される溶湯と接触する第2壁部と、先端部にて底部を有するとともに前記第1壁部に向かう軸方向に延びる第1有底穴と前記第2壁部に向かう軸方向に延びる第2有底穴とを含む複数の有底穴と、前記複数の有底穴それぞれの内部空間に冷却媒体を供給する複数の冷却媒体供給パイプと、冷却媒体入口から導かれる冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配する冷却媒体入口部と、前記冷却媒体供給パイプの先端部から前記内部空間に流出した冷却媒体を冷却媒体出口に導く冷却媒体出口部と、を備える。
本実施形態に係る金型分流子は、例えば、図1に示すような高圧鋳造を行うダイカスト金型(鋳造用金型)1に適用されるものである。
また、図1中の符号2は固定金型、符号3は可動金型、符号4は固定プラテン、符号5は可動プラテン、符号6は固定金型キャビティ、符号8はキャビティ部、符号9は湯口ランナー、符号10はスタンプ、符号11は溶湯供給部、符号12は溶湯供給口、符号13はプランジャチップ、符号14はプランジャスリーブ、符号15は湯口スリーブカラー、符号16は押出し板、符号17は押出しピン、符号18は金型分流子である。
なお、図2中の符号40は、図1に示す押出しピン17と同様の押出しピン(図示せず)が挿通される穴である。
冷却水(冷却媒体)供給部51は、外周面61から冷却水入口ブロック22の径方向における中心を通って反対側に延びる四本の穴62を備えている。また、四本の穴62のうち三本の穴62の開口端は、(閉塞:止水)プラグ63によりそれぞれ閉塞(止水)されており、四本の穴62のうち一本の穴62の開口端は、冷却水流入路37と連通している。
冷却水分配部52は、外周面61から冷却水入口ブロック22の径方向における中心を通って反対側に延びる四本の穴64を備えている。また、四本の穴64の開口端は、(閉塞:止水)プラグ65によりそれぞれ閉塞(止水)されている。
貫通穴66は、冷却水出口ブロック23の板厚方向における一端部に位置する第1の穴71と、冷却水出口ブロック23の板厚方向における他端部に位置する第2の穴72と、で形成されている。
イン六角ねじ74には、六角レンチの先端部が挿入される平面視六角形の六角穴(図示せず)と、軸方向に延在して六角穴と連通する軸方向孔部(入水孔部)73が形成されている。冷却水供給パイプ24の基端部は、イン六角ねじ74の軸方向孔部73内に挿入されており、軸方向孔部73は、冷却水供給パイプ24の内部空間と連通している。冷却水供給パイプ24とイン六角ねじ74とは、ろう付けによって固定されている。
第1の穴71の側に位置する第2の穴72の半径方向外側に位置する外周面77には、周方向に沿ってぐるりと一周する一本の周溝78が設けられており、第2の穴72と、周溝78とは、周溝78の底面から、冷却水出口ブロック23の径方向における中心を通って反対側に位置する周溝78の底面まで延びる四本の貫通穴79を介して連通している。また、周溝78と、冷却水出口38とは、冷却水流出路39を介して連通している。
なお、連通穴81と、連通穴82とは、軸方向において重ならないように、径方向にずらされて配置されており、これにより、連通穴81を通過した冷却水の大半は、穴64に一旦導かれた後、連通穴82内に流入するようになっている。
また、連通穴81の開口端は、(閉塞:止水)プラグ83によりそれぞれ閉塞(止水)されている。
冷却水供給配管92の下流端が接続された冷却水入口36を介して金型分流子18内に導かれた冷却水は、冷却水流入路37を通って冷却穴62内に流入する。
冷却穴62内に流入した冷却水は、連通穴81を介して穴64に導かれて、その大半は、穴64を形成する壁面に衝突する(ぶつかる)。
イン六角ねじ74の軸方向孔部内に導かれた冷却水は、冷却水供給パイプ24の内部空間に流入し、冷却水供給パイプ24の先端から内筒91の底部に衝突した後に流れの向きが反転させられて、冷却水供給パイプ24の外周面(外側面)と、内筒91の内周面(内側面)との間を通って冷却水出口ブロック23の側に戻される。
冷却水供給パイプ24の外周面(外側面)と、第2の穴72の内周面(内側面)との間に導かれた冷却水は、貫通穴79を介して周溝78に導かれた後、冷却水流出路39に導かれる。
なお、図3中の符号94は、冷却水入口ブロック22の板厚方向における他端部に設けられて連通穴81の開口端と連通する凹所95と嵌合して、凹所95内に連通する(開口する)連通穴81の開口端を閉塞する円盤状の部材であり、径方向および周方向に一定の厚みを有している。
また、本実施形態に係る金型分流子18によれば、冷却穴35の内側(内部)には、金属(本実施形態ではステンレス)からなる内筒91が密着するようにして収容されているので、スタンプ10内の溶湯と接触する当該金型分流子18の前方壁31や、湯口ランナー9内に充填された溶湯と接触する当該金型分流子18の上壁部32に、肉厚方向に貫通する亀裂や割れが発生した場合でも、当該金型分流子18の内側(内部)を流通する冷却水が当該金型分流子18の外側に漏れ出してしまうことを防止することができる。
これにより、本体ブロック21に接続される冷却水供給配管92および冷却水戻り配管93をそれぞれ一本ずつとすることができ、当該金型分流子18に接続される冷却構造の簡略化を図ることができる。
これにより、各冷却水供給パイプ24の内部空間に流入する冷却水の偏りをなくすことができ、当該金型分流子18を均一に冷却することができる。
例えば、上述した実施形態では、冷却穴35が十本設けられたものを一具体例として挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、二本以上であれば何本でもよい。
これにより、冷却水分配部52に軸方向に沿って設けられて冷却水供給パイプ24の内部空間と連通する連通穴82と、冷却水分配部52の上流側に位置する冷却水入口ブロック22に軸方向に沿って設けられて冷却水分配部52と連通する連通穴81とが、軸方向において重なるように、軸方向と直交する径方向において一致するようにして配置された箇所では冷却水の量が他の箇所よりも多くなり、その箇所における冷却効率を他の箇所よりも高めることができる。
また、同様の作用効果は、冷却効率を高めたい箇所の連通穴82の孔径を、他の箇所の孔径よりも大きくすることによっても実現可能である。
18 金型分流子
21 本体ブロック
22 冷却水入口ブロック(冷却媒体入口ブロック)
23 冷却水出口ブロック(冷却媒体出口ブロック)
24 冷却水供給パイプ(冷却媒体供給パイプ)
33 凹所
34 凹所
35 冷却穴(有底穴)
36 冷却水入口(冷却媒体入口)
37 冷却水流入路(冷却媒体流入路)
38 冷却水出口(冷却媒体出口)
39 冷却水流出路(冷却媒体流出路)
51 冷却水供給部(冷却媒体供給部)
52 冷却水分配部(冷却媒体分配部)
81 連通穴
82 連通穴
91 内筒
Claims (9)
- プランジャスリーブの開口に対向するようにして設けられるとともに該開口からスタンプに供給される溶湯と接触する第1壁部と、
前記第1壁部に連続するようにして設けられるとともに前記スタンプから金型部へ溶湯を案内する湯口ランナーに供給される溶湯と接触する第2壁部と、
先端部にて底部を有するとともに前記第1壁部に向かう軸方向に延びる第1有底穴と前記第2壁部に向かう前記軸方向に延びる第2有底穴とを含む複数の有底穴と、
前記複数の有底穴それぞれの内部空間に冷却媒体を供給する複数の冷却媒体供給パイプと、
冷却媒体入口から導かれる冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配する冷却媒体入口部と、
前記冷却媒体供給パイプの先端部から前記内部空間に流出した冷却媒体を冷却媒体出口に導く冷却媒体出口部と、を備える金型分流子。 - 前記冷却媒体入口部は、前記軸方向に交差し、かつ前記湯口ランナー側に向けた導入方向に沿って前記冷却媒体入口から導かれる冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配し、
前記第2有底穴は、前記導入方向で最も前記湯口ランナー側に位置している請求項1に記載の金型分流子。 - 前記第1有底穴が、前記第1壁部を平面視した際の中央部と、該中央部を取り囲む外周部とのそれぞれに向かって延びている請求項1または請求項2に記載の金型分流子。
- 前記冷却媒体入口部は、
前記冷却媒体入口から導かれる冷却媒体が流入するとともに前記軸方向に直交する径方向に延びる第1流路と、
該第1流路と連通するとともに前記軸方向に延びる複数の第1連通流路と、
該第1連通流路から導かれる冷却媒体が流入するとともに前記径方向に延びる第2流路と、
該第2流路と前記冷却媒体供給パイプの内部空間とを連通するとともに前記軸方向に延びる複数の第2連通流路と、を有し、
前記複数の第1連通流路と前記複数の第2連通流路とは、前記軸方向において重ならないように、前記径方向にずらされて配置されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の金型分流子。 - 前記第1流路は、所定位置で交差する直線状の複数の第1穴により構成されており、
前記第1連通流路は、前記第1穴が延びる前記径方向の途中位置に間隔を空けて接続されており、
前記第2流路は、前記所定位置で交差する直線状の複数の第2穴により構成されており、
前記第2連通流路は、前記第2穴が延びる前記径方向の途中位置に間隔を空けて接続されている請求項4に記載の金型分流子。 - 前記複数の有底穴のそれぞれの内部に密着するようにして収容される金属からなる複数本の内筒を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の金型分流子。
- プランジャスリーブの開口に対向するようにして設けられるとともに該開口からスタンプに供給される溶湯と接触する第1壁部と、
前記第1壁部に連続するようにして設けられるとともに湯口ランナーに供給される溶湯と接触する第2壁部と、
先端部にて底部を有するとともに前記第1壁部に向かう軸方向に延びる複数の有底穴と、
前記複数の有底穴それぞれの内部空間に冷却媒体を供給する複数の冷却媒体供給パイプと、
冷却媒体入口から導かれる冷却媒体を前記複数の冷却媒体供給パイプのそれぞれに分配する冷却媒体入口部と、
前記冷却媒体供給パイプの先端部から前記内部空間に流出した冷却媒体を冷却媒体出口に導く冷却媒体出口部と、を備え、
前記冷却媒体入口部は、
前記冷却媒体入口から導かれる冷却媒体が流入するとともに前記軸方向に直交する径方向に延びる第1流路と、
該第1流路と連通するとともに前記軸方向に延びる複数の第1連通流路と、
該第1連通流路から導かれる冷却媒体が流入するとともに前記径方向に延びる第2流路と、
該第2流路と前記冷却媒体供給パイプの内部空間とを連通するとともに前記軸方向に延びる複数の第2連通流路と、を有し、
前記複数の第1連通流路と前記複数の第2連通流路とは、前記軸方向において重ならないように、前記径方向にずらされて配置されている金型分流子。 - 前記第1流路は、所定位置で交差する直線状の複数の第1穴により構成されており、
前記第1連通流路は、前記第1穴が延びる前記径方向の途中位置に間隔を空けて接続されており、
前記第2流路は、前記所定位置で交差する直線状の複数の第2穴により構成されており、
前記第2連通流路は、前記第2穴が延びる前記径方向の途中位置に間隔を空けて接続されている請求項7に記載の金型分流子。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の金型分流子を具備していることを特徴とする鋳造用金型。
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