JP2006007271A - 金型の冷却水流量調整構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中子が有する複数の冷却穴を流れる冷却水の流量を簡単に調整することができ、且つ、その再現性にも優れた、コンパクトで低コストな金型の冷却水流量調整構造を提供する。
【解決手段】 金型は、複数の冷却穴21を有する中子12の裏面12bに設けられ、冷却穴21に個別に連通する複数の流路を有するマニホールドブロック13を備え、マニホールドブロック13の裏面13iには、回転させることにより直線移動させて冷却穴21に流れる冷却水の流量を個別に調整する複数のバルブ26が取り付けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダイカストを初めとする各種鋳造や樹脂成形などにおける成形用の金型の冷却水流量調整構造に関するものである。
金型のキャビティに射出されるアルミニウムを初めとする溶融金属や樹脂などの材料は非常に高温であり、金型はこれらの材料の熱を奪って冷却固化させるとともに、金型自身の昇温をも防止する冷却機能が必要である。このため、通常金型内部には、冷却水を流す冷却穴が設けられている。こうした冷却穴の配置、数、サイズ、そこに流す冷却水の流量は、金型温度のバランスをとって製品のヒケ、割れ、焼き付きを防止する重要な成型条件となっている。
図6は、従来より知られている一般的な金型の冷却構造を示す断面図である。図6に示すように、中子81は複雑な凸凹の形状より成り立っており、製品のヒケ、割れ、焼き付きの防止に配慮して冷却穴82が配置され、冷却水を流す回路が設計されている。すなわち、冷却水は、その供給源より給水側マニホールド83を経て冷却用プラグ84から金型内に設置された回路(冷却穴82等)を熱を奪いつつ流れ、排出側の冷却用プラグ85から排出側マニホールド86を通って排出される。
また、図6では、冷却水が金型内に設定された回路を流れる冷却構造を示したが、供給及び排水の両回路を有する冷却用プラグ(通称、往復プラグあるいは単独冷却プラグ)により個々の冷却穴に通水する冷却構造も一般に知られている。
いずれの構成であっても、給水側マニホールド83から中子81の冷却穴82への間、あるいは中子81の冷却穴82から排出側マニホールド86への間に設置したコック(流量調整弁)87によって冷却水の流量を調整できるようになっている。なお、中子81内に冷却水を流す回路が設定された前記(図6)の冷却構造では、その回路全体の冷却水の流量が一括して調整される。これに対し、後記の供給及び排水の両回路を有する冷却用プラグによるものは、個々の冷却穴を流れる冷却水の流量を調整でき、細かな温度バランスをとり得るようになっている。実際の金型の冷却にあたっては、これらの冷却構造が併用されているのが一般的である。
一方、図7は、従来より知られている一般的な金型の別の冷却構造を示す断面図である。図7に示すように、この冷却構造において金型の冷却を必要とする部位は、中子91より分割された入子92になっている。こうした構成は、何らか都合により直接冷却用プラグ(84)を中子91に設置できない場合、あるいは特許文献1で紹介されるように中子を機上で交換する金型構成の場合において用いられる金型冷却の分配構造である。こうした冷却構造として、図7に示すように中子91の裏面に冷却水を流す回路が設定されたマニホールドブロック(冷却回路盤あるいは冷却板)93を配置し、これと入子92の冷却穴94との間にフランジ部95aを有する冷却パイプ95を挟み込むように設置する構成や、マニホールドブロック7の裏面にPTネジ部96aを有する冷却パイプ96を締結して設置する構成などがある。
いずれの構成にせよ、冷却水の供給源97より供給された冷却水は、少数(通常1または2本)の給水側冷却管98を通りマニホールドブロック93内の給水側本管穴93aから給水側支流管穴93bにより分配されて冷却パイプ95のパイプ部95bへと導入される。そして、パイプ部95bに導入された冷却水は、入子92の冷却穴94を流れることでその熱を奪い、パイプ部95bの外側を通ってフランジ部95aに設けられたスリット部に導入される。そして、この冷却水は、マニホールドブロック93内の排水側支流管穴93cから排水側本管穴93dに集約されて金型の外部へ排出される。この場合、冷却水の流量は、供給側あるいは排水側に設置したコック(流量調整弁)99により調整される。
特開2003−200248号公報 実開平5−24146号公報(第2図)
ところで、上記に紹介したいずれの冷却構造も、冷却水の流量調整(冷却の調整)は金型の外部に取り付けられたコック87,99により行われるが、こうしたコック87,99は一般に小型のボールバルブなどか使用されることから細かな調整ができない。さらに、保全作業や保管後の再使用時には、バルブの開度が変わってしまい流量調整の再現性に乏しいという欠点があった。
また、こうした再現性の向上等を目的として、特許文献2にねじ作用によってピストンバルブ(107)を前後させ冷却水の流量を調整する構成・方法が紹介されている。これによれば、ピストンバルブのストローク調整によって流量の細かな調整が可能となる。
しかしながら、特許文献2では、金型の外部に設置したマニホールドブロック(101)に冷却のための機構が組み込まれているため、例えば中子までの配管にホース等を要することで複雑な構造となる。
また、冷却水の流量調整にあたっては、マニホールドブロックに設けた冷却回路穴(105)の流路断面積を、これに直交して進退する棒状のピストンバルブにより変更・遮断する。このため、マニホールドブロックのねじ部に少なくとも冷却回路穴径以上の大きなストロークが必要となり、マニホールドブロックの大型化を余儀なくされる。
さらに、金型の内部に配置される個々の冷却穴を流れる冷却水の流量を各々調整するためには、その冷却穴の数だけ冷却回路穴が必要となり複雑で大型化したマニホールドブロックとなってコスト高となる。
特に、このような構成において、中子の裏面に冷却水を分配するマニホールドブロックを設置する場合には、中子に設けられた個々の冷却穴を流れる冷却水の流量調整は不可能となる。あるいは、冷却穴の数量に相当する外部からの配管が必要となり、マニホールドブロックに施される冷却回路穴も個々に独立させた冷却穴の数量に相当する数が必要となり、構造が複雑で、高コストとなる。このため、冷却水の流量をある程度まとめて調整するような構成の採用を余儀なくされていた。
本発明の目的は、中子の裏面にマニホールドブロックが設けられる金型の冷却水流量調整構造において、中子が有する複数の冷却穴を流れる冷却水の流量を簡単に調整することができ、且つ、その再現性にも優れた、コンパクトで低コストな金型の冷却水流量調整構造を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の冷却穴を有する中子の裏面に設けられ、該冷却穴に個別に連通する複数の流路を有するマニホールドブロックを備え、前記マニホールドブロックの裏面に、回転させることにより直線移動させて前記冷却穴に流れる冷却水の流量を個別に調整する複数のバルブを取り付けたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の金型の冷却水流量調整構造において、前記バルブは、前記マニホールドブロックと螺合するねじ部にて回転運動を直線運動に変換することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の金型の冷却水流量調整構造において、前記マニホールドブロックは、冷却水が給水される給水側支流管穴及び該冷却水が排水される排水側支流管穴を備え、前記流路は、前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のいずれか一方から分岐して前記冷却穴に連通する第1流路部と、前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のいずれか他方から分岐して前記冷却穴に連通する第2流路部とを有することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の金型の冷却水流量調整構造において、前記バルブは、前記第1流路部に対向して前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のいずれか一方の横断方向に伸びる軸部と、勾配面を有して前記軸部の先端に設けられ、該軸部とともに直線移動させることで該勾配面により前記第1流路部の流路断面積を変化させるバルブ部とを有することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の金型の冷却水流量調整構造において、前記軸部は、前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のうち、該軸部が配置される一方よりも細い括れを有することを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、直列に連通する複数の冷却穴を有する中子の裏面に設けられ、該冷却穴に連通する流路を有するマニホールドブロックを備え、前記マニホールドブロックの裏面に、回転させることにより前記流路の流路断面積を変化させて前記冷却穴に流れる冷却水の流量を一括して調整するバルブを取り付けたことを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の金型の冷却水流量調整構造において、前記マニホールドブロックは、裏面から穿設されて前記流路を横断する該流路よりも大径の取付孔を備え、前記バルブは、前記流路を横断するように前記取付孔に取り付けられ、回転させることにより前記流路の流路断面積を変化させる連通孔を有することを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の金型の冷却水流量調整構造において、前記バルブの端面には、該バルブを回転させるためのマイナス形状のドライバー溝が形成され、前記連通孔の連通方向は、前記ドライバー溝と平行に設定され、前記マニホールドブロックには、前記流路と平行に伸びるマークが描画されていることを要旨とする。
(作用)
請求項1乃至3に記載の発明によれば、前記中子の複数の冷却穴には、前記マニホールドブロックの流路により冷却水が個別に流れる。そして、これら冷却穴に流れる冷却水の流量は、前記マニホールドブロックの裏面に取り付けた複数のバルブを回転させることにより直線移動させる簡単な操作で個別に調整される。
また、前記バルブはマニホールドブロックの裏面に設けられることから、例えば保全作業時や保管時であっても基本的に該バルブにより設定した流量調整を初期状態に戻す必要はなく、再現性に優れた流量調整が可能となる。特に、マニホールドブロックが設けられる中子の裏面は、これと嵌合する母型によって閉塞されることから、該マニホールドブロックの裏面も同様に閉塞される。従って、流量調整後のバルブの設定が外部との干渉によって変動したりすることも回避される。
さらに、中子が有する複数の冷却穴への冷却水の分配構造をマニホールドブロック内に収めたことで、例えば型の外部で冷却水の分配を行って個々の冷却穴に冷却水を流す場合に比べて配管の取りまわしが軽減され、コンパクトで低コストな構成とされる。
請求項4に記載の発明によれば、前記バルブは、勾配面を有するバルブ部を前記軸部とともに直線移動させることで該勾配面により前記第1流路部の流路断面積を変化させる。換言すれば、前記第1流路部を全閉状態から全開状態へと推移させる場合に要する前記バルブの直線移動のストロークは、前記第1流路部の流路断面積に依存することなく、前記勾配面の設定によって決まる。従って、前記勾配面の設定により前記ストロークをより短くしておくことで、前記バルブの直線移動のために前記マニホールドブロックに確保すべき容積が低減され、ひいては該マニホールドブロックがコンパクト化される。
請求項5に記載の発明によれば、前記軸部が括れを有することで、例えば前記バルブ部の勾配面により前記第1流路部の流路断面積を変化させる際の該軸部の直線移動において、該軸部により遮られることで生じる前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のうち、該軸部が配置される一方の流路断面積の低減が抑制される。そして、前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のうち、該軸部が配置される一方から分岐する複数の第1流路部、すなわち冷却穴にほぼ均等に冷却水が流れる。
請求項6又は7に記載の発明によれば、前記中子の複数の冷却穴には、前記マニホールドブロックの流路により冷却水が順次流れる。そして、これら冷却穴に流れる冷却水の流量は、前記マニホールドブロックの裏面に取り付けたバルブを回転させることにより前記流路の流路断面積を変化させる簡単な操作で一括して調整される。
また、前記バルブはマニホールドブロックの裏面に設けられることから、例えば保全作業時や保管時であっても基本的に該バルブにより設定した流量調整を初期状態に戻す必要はなく、再現性に優れた流量調整が可能となる。特に、マニホールドブロックが設けられる中子の裏面は、これと嵌合する母型によって閉塞されることから、該マニホールドブロックの裏面も同様に閉塞される。従って、流量調整後のバルブの設定が外部との干渉によって変動したりすることも回避される。
さらに、前記バルブは、回転させるのみで前記冷却穴に流れる冷却水の流量を一括して調整する。すなわち、前記バルブは、冷却水の流量調整にあたって直線移動のストロークを必要とせず、当然ながら該バルブの直線移動のために前記マニホールドブロックに確保すべき容積も必要とせず、コンパクトで低コストな構成とされる。
請求項8に記載の発明によれば、前記バルブの回転に伴う冷却水の流量調整では、前記連通孔の連通方向が前記流路と一致する、即ち前記ドライバー溝が前記マークと平行になることで全開状態となる。一方、前記連通孔の連通方向が前記流路と直交する、即ち前記ドライバー溝が前記マークと直交することで全閉状態となる。このように、前記ドライバー溝と前記マークとのなす角度を一瞥するだけで、これに対応させて流量調整の状態を推定し得る。
以上詳述したように、請求項1乃至8に記載の発明では、中子が有する複数の冷却穴を流れる冷却水の流量を簡単に調整することができ、且つ、その再現性にも優れた、コンパクトで低コストな金型の冷却水流量調整構造を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について図面に従って説明する。
図1は、本発明が適用される金型を示す断面図である。なお、図1において上側がキャビティ側に相当し、下側が金型を保持するプラテン側に相当する。
図1に示されるように、本実施形態の金型は、母型11と、中子12と、マニホールドブロック13とを備えている。
前記母型11の一側(キャビティ側)には、前記中子12の外形に応じた内壁面を有して凹設された中子収容凹部11aが形成されている。そして、この中子収容凹部11aの底壁部には、同中子収容凹部11aよりも縮幅される態様で凹設された収容凹部11bが形成されている。この収容凹部11bは、前記マニホールドブロック13の外形に応じた内壁面を有している。
また、上記母型11には、前記収容凹部11bの底壁部を貫通する一対の挿入孔11c,11dが形成されている。上記挿入孔11cには、一端が収容凹部11bに突出するとともに、他端が冷却水を圧送する給水源15に連通する給水側冷却管14が挿通されている。一方、上記挿入孔11dには、一端が収容凹部11bに突出するとともに、他端が冷却水を排出する排水先17に連通する排水側冷却管16が挿通されている。
前記中子12は、上記中子収容凹部11aの開口側から組み付けられこれと嵌合することで母型11に保持されており、成形体の外形に応じたキャビティ型面12aを有している。そして、中子12には、上記キャビティ型面12aに対して反対側の端面である裏面12bからキャビティ型面12a側に凹設された複数の冷却穴21が形成されている。これら冷却穴21は、中子12内において互いに独立している。なお、上記冷却穴21は、図1において紙面に直交する方向にも並設されているが、ここでは構造的に1単位をなす2本の冷却穴21のみを図示している。また、中子12には、上記冷却穴21をそれぞれ個別に包囲する態様でその裏面12bから円環状に凹設された複数の周溝12cが形成されており、これら周溝12cにはそれぞれOリング22が装着されている。
前記マニホールドブロック13は、上記収容凹部11bの開口側から中子12との間で挟むように組み付けられ同収容凹部11bと嵌合することで保持されている。上記マニホールドブロック13は、前記収容凹部11bに突出する給水側冷却管14の一端が締結される給水側本管穴13aを有している。この給水側本管穴13aは、図1において紙面に直交する方向に延設されており、同方向と直交する一側方向(図1の左方向)に伸びる複数の給水側支流管穴13bに分岐している(図1では、前述の1単位をなす冷却穴21に係る1本の給水側支流管穴13bを代表して図示)。また、上記マニホールドブロック13は、前記収容凹部11bに突出する排水側冷却管16の一端が締結される排水側本管穴13cを有している。この排水側本管穴13cは、図1において紙面に直交する方向に延設されており、同方向と直交する他側方向(図1の右方向)に伸びる複数の排水側支流管穴13dに分岐している(図1では、前述の1単位をなす冷却穴21に係る1本の排水側支流管穴13dを代表して図示)。
以下では、図1で示した1単位(2本)の冷却穴21と、これらに係る各1本の給水側支流管穴13b及び排水側支流管穴13dを中心にその周辺構造等を詳述する。図1に示すように、各冷却穴21は、それぞれその軸線が前記給水側支流管穴13b及び排水側支流管穴13dの流路を横断するように配置されている。そして、図2(a)(b)に拡大して示すように、マニホールドブロック13には、前記冷却穴21の各軸線に沿って給水側支流管穴13bからそれぞれ分岐する供給穴13eと、同供給穴13eよりも拡径されて排水側支流管穴13dの流路を横断し、前記冷却穴21に開口する拡径孔13fとが形成されている。なお、拡径孔13fの内径は、前記冷却穴21の内径よりも大きく、且つ、前記周溝12cの内径よりも小さくなるように設定されている。従って、中子12及びマニホールドブロック13は、前記周溝12cに装着されるOリング22により、これら冷却穴21と拡径孔13fとの連通部において液密となるように密着され、外部への冷却水の漏出が防止されている。
前記各拡径孔13fには、冷却パイプ23がそれぞれ装着されている。この冷却パイプ23は、前記中子12と前記マニホールドブロック13との間に挟み込まれる態様で前記拡径孔13fに装着・収容されるフランジ部24と、同拡径孔13f(冷却穴21)の軸線に沿ってフランジ部24を貫通する取付孔24aに取り付けられるパイプ部25とを有する。そして、パイプ部25は、冷却穴21に沿ってその先端部まで延出されている。また、上記フランジ部24の外周面には、冷却穴21の内周面とパイプ部25の外周面とで形成される円環状の流路と前記排水側支流管穴13dとを連通するスリット24bが形成されている。従って、前記冷却穴21は、前記パイプ部25及び供給穴13eを介して前記給水側支流管穴13bに連通するとともに、同パイプ部25の外側においてスリット24bを介して前記排水側支流管穴13dに連通している。
また、前記マニホールドブロック13には、前記冷却穴21の各軸線に沿ってその裏面(中子12の反対側の端面)13iから凹設された凹部13gと、同凹部13gよりも縮径されて前記給水側支流管穴13bに開口する雌ねじ部13hとが形成されており、バルブ26が取り付けられている。このバルブ26は、凹部13gの内径と同等の外径を有するフランジ部26aと、同フランジ部26aよりも縮径されて前記雌ねじ部13hと螺合する雄ねじ部26bと、同雄ねじ部26bよりも更に縮径されて前記給水側支流管穴13bの横断方向に伸びる軸部26cと、軸部26cの先端に設けられたバルブ部26dとを有している。
上記フランジ部26aには、その外周面に沿って周溝が形成されており、Oリング27が装着されている。これにより、バルブ26はマニホールドブロック13に対し液密となるように取り付けられ、外部への冷却水の漏出が防止されている。なお、シール部分を形成するフランジ部26aの外径を雄ねじ部26bの外径よりも大きく設定しているのは、同雄ねじ部26bとの干渉を防止してOリング27の切れを抑制するためである。また、上記フランジ部26aの裏面13i側(バルブ部26dの反対側)の端面には、マイナス形状のドライバー溝26eが形成されている。従って、バルブ26は、このドライバー溝26eにマイナスドライバーを係止することで回転しうるようになっている。
さらに、上記バルブ26は、雄ねじ部26bが雌ねじ部13hと螺合することでそのねじ作用により回転運動が直線運動に変換されるようになっている。上記軸部26cは、前記給水側支流管穴13bの内径よりも小さな外径を有しており、従って同給水側支流管穴13bよりも細い括れを有するように縮径されている。
また、上記バルブ部26dは、基端側が前記供給穴13eの内径よりも大きく、且つ、先端側が同内径よりも小さくなるようにその外径が先端側に向かって徐々に縮径される勾配面を有する笠状に形成されており、同供給穴13eに対向配置されている。バルブ26は、上述の態様で回転させることによるその直線移動に伴いバルブ部26dを進退させてバルブ部26dと供給穴13eとの隙間、即ち供給穴13eの流路断面積を変更し、同供給穴13eを介して前記冷却穴21に流れる冷却水の流量を調整する。
具体的には、例えば図2(a)に示すように、バルブ26を締め付け方向に回転・直線移動させて、バルブ部26dの勾配面により供給穴13eを塞ぐと、同供給穴13eを介した冷却水の流れが遮断される全閉状態が設定される。一方、図2(b)に示すように、バルブ26を戻し方向に回転・直線移動させて、バルブ26がマニホールドブロック13の裏面13iから飛び出さないようにバルブ部26dの勾配面を供給穴13eから離間させる。このとき、バルブ部26dと供給穴13eとの隙間が最大となり、同供給穴13eを介した流量が最大となる冷却水の流れが許容される全開状態が設定される。そして、これら全閉状態と全開状態との間でバルブ26を直線移動させることでバルブ部26dと供給穴13eとの隙間が変更され、上記供給穴13eを介して前記冷却穴21に流れる冷却水の流量が調整される。各冷却穴21ごとに設けられたバルブ26により、同冷却穴21に流れる冷却水の流量が個別に調整されることはいうまでもない。
なお、バルブ26を直線移動させる際に軸部26cが給水側支流管穴13bの横断方向に伸びることになるが、この軸部26cが前述の括れを有することでバルブ26により給水側支流管穴13bの絞りが抑制され、同給水側支流管穴13bから分岐する各供給穴13eにほぼ均等に冷却水が流れる。
以上の構成において、金型を流れる冷却水の動作を総括して説明する。前記給水源15から圧送された冷却水は、給水側冷却管14から給水側本管穴13aを介して複数の給水側支流管穴13bに分配される。そして、給水側支流管穴13bに分配された冷却水は、各バルブ26により調整される冷却水の流量で供給穴13eからパイプ部25の内部を通ってその先端から噴出し、中子12の熱を奪いつつ冷却穴21の内部でパイプ部25の外側を流れる。そして、冷却水は、前記フランジ部24のスリット24bを介して排水側支流管穴13dに排出され、更に前記排水側本管穴13cにおいて集約されて排水側冷却管16を介して排水先17へと排出される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、前記中子12の複数の冷却穴21には、供給穴13e等により冷却水が個別に流れる。そして、これら冷却穴21に流れる冷却水の流量は、前記マニホールドブロック13の裏面13iに取り付けた複数のバルブ26を回転させることにより直線移動させる簡単な操作で個別に調整することができる。
また、前記バルブ26はマニホールドブロック13の裏面13iに設けられることから、例えば保全作業時や保管時であっても基本的に同バルブ26により設定した流量調整を初期状態に戻す必要はなく、再現性に優れた流量調整が可能となる。特に、マニホールドブロック13が設けられる中子12の裏面12bは、これと嵌合する母型11によって閉塞されることから、同マニホールドブロック13の裏面13iも同様に閉塞される。従って、流量調整後のバルブ26の設定が外部との干渉によって変動したりすることも回避することができる。
さらに、中子12が有する複数の冷却穴21への冷却水の分配構造をマニホールドブロック13内に収めたことで、例えば型の外部で冷却水の分配を行って個々の冷却穴に冷却水を流す場合に比べて配管の取りまわしが軽減され、コンパクトで低コストな構成にすることができる。
(2)本実施形態では、前記バルブ26は、勾配面を有するバルブ部26dを前記軸部26cとともに直線移動させることで同勾配面により前記供給穴13eの流路断面積を変化させる。換言すれば、前記供給穴13eを全閉状態から全開状態へと推移させる場合に要する前記バルブ26の直線移動のストロークは、前記供給穴13eの流路断面積に依存することなく、前記勾配面の設定によって決まる。従って、前記勾配面の設定により前記ストロークをより短くしておくことで、前記バルブ26の直線移動のために前記マニホールドブロック13に確保すべき容積を低減し、ひいては同マニホールドブロック13をコンパクト化することができる。
(3)本実施形態では、前記軸部26cが括れを有することで、例えば前記バルブ部26dの勾配面により前記供給穴13eの流路断面積を変化させる際の軸部26cの直線移動において、軸部26cにより遮られることで生じる前記給水側支流管穴13bの流路断面積の低減を抑制することができる。そして、前記給水側支流管穴13bから分岐する複数の供給穴13e、すなわち冷却穴21にほぼ均等に冷却水が流れる。
(4)本実施形態では、前記バルブ26(フランジ部26a)の外周面と、前記マニホールドブロック13(凹部13g)の内周面との間にOリング27が介装されることで、冷却水の流量調整に際して同バルブ26の回転を許容するもここから冷却水がマニホールドブロック13の外部へと漏れることはない。
(5)本実施形態では、仮にバルブ26をマニホールドブロック13から取り外して分解する場合であっても、例えば閉鎖状態から設定流量の状態までのバルブ26の回転数を管理しておくことで、当該流量を概ね再現することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態について図面に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なる形状のバルブにてOリングの切れを抑制したものであり、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
図3は、本発明が適用される金型を拡大して示す断面図であって、図3(a)(b)はそれぞれ全閉状態及び全開状態に相当する。同図に示されるように、本実施形態のマニホールドブロック13には、前記凹部13g及び雌ねじ部13hに代えて、前記冷却穴21の各軸線に沿ってその裏面13iから凹設された雌ねじ部31aと、同雌ねじ部31aの下穴として前記給水側支流管穴13bに開口する凹部31bとが形成されており、バルブ32が取り付けられている。
このバルブ32は、前記フランジ部26a及び雄ねじ部26bに代えて、前記雌ねじ部31aと螺合する雄ねじ部32a及び凹部31bの内径、即ち雌ねじ部31aの下穴径と同等の外径を有するフランジ部32bを有している。また、上記バルブ32は、前記軸部26c、バルブ部26d及びドライバー溝26eに準じた軸部32c、バルブ部32d及びドライバー溝32eを有している。そして、上記フランジ部32bには、その外周面に沿って周溝が形成されており、Oリング33が装着されている。これにより、バルブ32はマニホールドブロック13に対し液密となるように取り付けられ、外部への冷却水の漏出が防止されている。なお、本実施形態では、シール部分を形成するフランジ部32bの外径を雌ねじ部31aの下穴径と同等に設定して雄ねじ部32aよりもマニホールドブロック13の内部に配置することで、雄ねじ部32aとの干渉を防止してOリング33の切れを抑制している。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態と同様の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、雌ねじ部31aの下穴を利用してシール部分を形成したことで、凹部31bの径方向に確保すべき容積を最小限に抑制することができる。
また、雌ねじ部31aの下穴をそのまま流用し得ることで、例えば凹部31bを別途加工するための工程を割愛することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態について図面に従って説明する。なお、第3の実施形態は、例えば中子に設けられた複数の冷却穴の冷却水流量を個別に調整する必要がなく、あるいは、金型の構成上これら冷却穴の冷却水流量を個別に調整する構造を採用し得ない場合などに対応して、これら冷却穴を直列に連通してその冷却水流量を一括して調整することが第1及び第2の実施形態と異なる。従って、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。
図4は、本発明が適用される金型を示す断面図である。図4に示されるように、本実施形態の金型は、前記母型11と、中子42と、マニホールドブロック43とを備えている。
前記中子42は、前記中子収容凹部11aの開口側から組み付けられこれと嵌合することで母型11に保持されており、成形体の外形に応じたキャビティ型面42aを有している。そして、中子42には、上記キャビティ型面42aに対して反対側の端面である裏面42bからキャビティ型面42a側に凹設された複数の冷却穴44が形成されている。また、中子42には、上記冷却穴44をそれぞれ個別に包囲する態様でその裏面42bから円環状に凹設された複数の周溝42cが形成されており、これら周溝42cにはそれぞれOリング22が装着されている。
なお、上記冷却穴44は、図4において紙面に直交する方向にも並設されているが、ここでは構造的に1単位をなす2本の冷却穴44のみを図示している。これら1単位の冷却穴44は、その開口側において中子42に形成された冷却回路穴42eにより連通されている。
さらに、前記冷却穴44の開口側には、同冷却穴44よりも拡径されて冷却回路穴42eの流路を横断する拡径孔42dが形成されている。上記拡径孔42dの内径は、前記周溝42cの内径よりも小さくなるように設定されている。
前記各拡径孔42dには、冷却パイプ45がそれぞれ装着されている。この冷却パイプ45は、前記中子42と前記マニホールドブロック43との間に挟み込まれる態様で前記拡径孔42dに装着・収容されるフランジ部46と、同拡径孔42d(冷却穴44)の軸線に沿ってフランジ部46を貫通する取付孔46aに取り付けられるパイプ部47とを有する。そして、パイプ部47は、冷却穴44に沿ってその先端部まで延出されている。また、上記フランジ部46の外周面には、冷却穴44の内周面とパイプ部47の外周面とで形成される円環状の流路と前記冷却回路穴42eとを連通するスリット46bが形成されている。従って、前記冷却穴44は、前記パイプ部47内に連通するとともに、同パイプ部47の外側においてスリット46bを介して前記冷却回路穴42eに連通している。
前記マニホールドブロック43は、前記収容凹部11bの開口側から中子42との間で挟むように組み付けられ同収容凹部11bと嵌合することで保持されている。上記マニホールドブロック43は、前記収容凹部11bに突出する給水側冷却管14の一端が締結される給水側本管穴43aを有している。この給水側本管穴43aは、図4において紙面に直交する方向に延設されており、同方向と直交する一側方向(図4の左方向)に伸びる複数の給水側支流管穴43bに分岐している(図4では、前述の1単位をなす冷却穴44に係る1本の給水側支流管穴43bを代表して図示)。また、上記マニホールドブロック43は、前記収容凹部11bに突出する排水側冷却管16の一端が締結される排水側本管穴43cを有している。この排水側本管穴43cは、図4において紙面に直交する方向に延設されており、同方向と直交する他側方向(図4の右方向)に伸びる複数の排水側支流管穴43dに分岐している(図4では、前述の1単位をなす冷却穴44に係る1本の排水側支流管穴43dを代表して図示)。
以下では、図4で示した1単位(2本)の冷却穴44と、これらに係る各1本の給水側支流管穴43b及び排水側支流管穴43dを中心にその周辺構造等を詳述する。なお、図4に示すように、各冷却穴44は、それぞれその軸線が前記給水側支流管穴43b及び排水側支流管穴43dの流路を横断するように配置されている。
前記マニホールドブロック43には、給水側支流管穴43bから一側(図4の右側)の冷却穴44の軸線に沿って伸びて対応する取付孔46a(パイプ部47)に連通する供給穴43eが形成されている。一方、上記マニホールドブロック43には、排水側支流管穴43dから他側(図4の左側)の冷却穴44の軸線に沿って伸びて対応する取付孔46a(パイプ部47)に連通する排出穴43fが形成されている。従って、前記給水側支流管穴43bは、供給穴43eを介して一側の冷却穴44に設けられたパイプ部47内に連通し、当該パイプ部47の外側においてフランジ部46のスリット46bを介して前記冷却回路穴42eに連通している。そして、この冷却回路穴42eは、他側の冷却穴44に設けられたフランジ部46のスリット46bを介してパイプ部47の外側に連通し、当該パイプ部47内から排出穴43fを介して前記排水側支流管穴43dに連通している。つまり、これら冷却穴44は、一側及び他側(図4の右側及び左側)がそれぞれ上流側及び下流側となるように冷却回路穴42e等を介して直列に連通されている。
なお、中子42及びマニホールドブロック43は、前記周溝42cに装着されるOリング22により、これら冷却穴44(パイプ部47)と供給穴43e及び排出穴43fとの各連通部において液密となるように密着され、外部への冷却水の漏出が防止されている。
また、前記マニホールドブロック43には、その裏面(中子42の反対側の端面)43hから穿設され給水側本管穴43aと供給穴43eとの間で前記給水側支流管穴43bの軸線と直交するようにこれを横断する同給水側支流管穴43bよりも大径の取付孔43gが形成されており、バルブ48が取り付けられている。このバルブ48は、上記取付孔43gの内径と同等の外径を有する円柱形状の軸部48aを有しており、前記給水側支流管穴43bを横断するように同取付孔43gに回動可能に取り付けられている。そして、図5(a)(c)に拡大して示すように、上記バルブ48には、給水側支流管穴43bの軸線と同等の高さを有する軸線方向に開口する連通孔48bが形成されている。この連通孔48bの内径は、上記給水側支流管穴43bの内径よりも小さく設定されており、バルブ48を回転させることによりその軸線が回転することで同給水側支流管穴43bの流路断面積を変化させる。従って、バルブ48は、回転に伴い給水側支流管穴43bの流路断面積を変更することで、同給水側支流管穴43bを介して前記冷却穴44に順次流れる冷却水の流量を一括して調整する。
具体的には、例えば図5(a)(b)に示すように、バルブ48を回転させて連通孔48bの軸線(ドライバー溝48c)を給水側支流管穴43bの軸線(マーク52)に略90°で直交させ、軸部48aの外周面により給水側支流管穴43bを塞ぐと、同給水側支流管穴43bを介した冷却水の流れが遮断される全閉状態が設定される。一方、図5(c)(d)に示すように、バルブ48を回転させて連通孔48bの軸線(ドライバー溝48c)を給水側支流管穴43bの軸線(マーク52)に一致させると、給水側支流管穴43bを介した流量が連通孔48bによって決まる最大となる冷却水の流れが許容される全開状態が設定される。そして、これら全閉状態と全開状態との間でバルブ48を回転させることで給水側支流管穴43bの流路断面積が変更され、同給水側支流管穴43bを介して前記冷却穴44に順次流れる冷却水の流量が一括して調整される。
上記バルブ48の給水側支流管穴43bに対して裏面43h側には、軸部48aの外周面に沿って周溝が形成されており、Oリング49が装着されている。これにより、バルブ48はマニホールドブロック43に対し液密となるように取り付けられ、外部への冷却水の漏出が防止されている。なお、上記取付孔43gに取り付けられたバルブ48は、裏面43h側の端面が同裏面43hにねじ51にて締結された板50に係止されることで抜け止めされている。バルブ48も含めてこれら板50及びねじ51は、マニホールドブロック43の裏面43hから母型11(収容凹部11b)側に突出しないように同マニホールドブロック43に収容等されている。
また、上記バルブ48の裏面43h側の端面には、マイナス形状のドライバー溝48cが形成されている。従って、バルブ48は、このドライバー溝48cにマイナスドライバーを係止することで回転しうるようになっている。このドライバー溝48cは、前記連通孔48bの連通方向(軸線)と平行に設定されている。そして、図5(b)(d)に背面図を示すように、前記マニホールドブロック43には、取付孔43g(バルブ48)の近傍において前記給水側支流管穴43bと平行に伸びるマーク52が描画されている。従って、冷却水の流量調整に係る給水側支流管穴43bの軸線に対する連通孔48bの軸線の傾斜角度は、これらドライバー溝48c及びマーク52を照合することで容易に推測される。
以上の構成において、金型を流れる冷却水の動作を総括して説明する。前記給水源15から圧送された冷却水は、給水側冷却管14から給水側本管穴43aを介して複数の給水側支流管穴43bに分配される。そして、給水側支流管穴43bに分配された冷却水は、各バルブ48により調整される冷却水の流量で供給穴43eから中子42内で直列に連通された冷却穴44に上流側から下流側へと順次流れ、同中子42を冷却する。そして、冷却水は、排水側支流管穴43dに排出され、更に前記排水側本管穴43cにおいて集約されて排水側冷却管16を介して排水先17へと排出される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(4)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、前記中子42の複数の冷却穴44には、前記マニホールドブロック43の給水側支流管穴43b等により冷却水が順次流れる。そして、これら冷却穴44に流れる冷却水の流量は、前記マニホールドブロック43の裏面43hに取り付けたバルブ48を回転させることにより前記給水側支流管穴43bの流路断面積を変化させる簡単な操作で一括して調整することができる。
また、前記バルブ48はマニホールドブロック43の裏面43hに設けられることから、例えば保全作業時や保管時であっても基本的に同バルブ48により設定した流量調整を初期状態に戻す必要はなく、再現性に優れた流量調整が可能となる。特に、マニホールドブロック43が設けられる中子42の裏面42bは、これと嵌合する母型11によって閉塞されることから、同マニホールドブロック43の裏面43hも同様に閉塞される。従って、流量調整後のバルブ48の設定が外部との干渉によって変動したりすることも回避することができる。
さらに、前記バルブ48は、回転させるのみで前記冷却穴44に流れる冷却水の流量を一括して調整する。すなわち、前記バルブ48は、冷却水の流量調整にあたって直線移動のストロークを必要とせず、当然ながら同バルブ48の直線移動のために前記マニホールドブロック43に確保すべき容積も必要とせず、コンパクトで低コストな構成にすることができる。
(2)本実施形態では、前記バルブ48の回転に伴う冷却水の流量調整では、前記連通孔48bの連通方向が前記給水側支流管穴43bと一致する、即ち前記ドライバー溝48cが前記マーク52と平行になることで全開状態となる。一方、前記連通孔48bの連通方向が前記給水側支流管穴43bと直交する、即ち前記ドライバー溝48cが前記マーク52と直交することで全閉状態となる。このように、前記ドライバー溝48cと前記マーク52とのなす角度を一瞥するだけで、これに対応させて流量調整の状態を推定することができる。
(3)本実施形態では、直列で連通する複数の冷却穴44を流れる冷却水の流量を一括して調整する極めて簡単な構成にすることができる。
(4)本実施形態では、マニホールドブロック43にねじ51にて締結された板50による極めて簡易な構成でバルブ48を抜け止めすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記第1及び第2の実施形態においては、冷却パイプ23のパイプ部25から給水側支流管穴13bの冷却水を導入し、フランジ部24のスリット24bから排水側支流管穴13dへと排出したが、これらの関係は逆であってもよい。そして、この場合には、パイプ部25内から排出される冷却水の流量をバルブ26に準じたバルブにて調整することで、冷却穴21を流れる冷却水の流量を調整すればよい。
・前記第3の実施形態においては、給水側(給水側支流管穴43b)に設けたバルブ48により冷却穴44を流れる冷却水の流量を一括して調整したが、排水側(排水側支流管穴43d)に設けたバルブにより冷却穴44を流れる冷却水の流量を一括して調整してもよい。
・前記各実施形態における冷却水の流量調整構造は、適宜併用してもよい。
・前記各実施形態においては特に言及していないが、バルブ26,32,48に装着されるOリング27,33,49等にグリスの塗布を施し、回転による切れを防止することが好ましい。
・前記各実施形態においては特に言及していないが、バルブ26,32,48はステンレス、黄銅等の耐腐食性の材質にて製造することが好ましい。
・前記各実施形態においては特に言及していないが、本発明が適用される金型は、ダイカストを初めとする各種鋳造や樹脂成形などいずれの成形用の金型であってもよい。
・前記各実施形態においては特に言及していないが、本発明が適用される金型は、固定型、可動型のいずれであってもよい。
・本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲であればどのような形態であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)請求項1〜8のいずれか1項に記載の金型の冷却水流量調整構造において、
前記バルブの外周面と、前記マニホールドブロックの内周面との間に介装されるシール部材を備えたことを特徴とする金型の冷却水流量調整構造。この技術的思想によれば、前記バルブの外周面と、前記マニホールドブロックの内周面との間にシール部材が介装されることで、冷却水の流量調整に際して該バルブの回転を許容するもここから冷却水がマニホールドブロックの外部へと漏れることはない。
本発明の第1の実施形態を示す断面図。 (a)(b)は、全閉状態及び全開状態を拡大して示す断面図。 (a)(b)は、本発明の第2の実施形態の全閉状態及び全開状態を拡大して示す断面図。 本発明の第3の実施形態を示す断面図。 (a)(b)は全閉状態を示す断面図及び背面図であり、(c)(d)は全開状態を示す断面図及び背面図。 従来の形態を示す断面図。 従来の別の形態を示す断面図。
符号の説明
12,42…中子、12b,13i,42b,43h…裏面、13,43…マニホールドブロック、13b…給水側支流管穴、13d,43d…排水側支流管穴、13e…流路を構成する第1流路部としての供給穴、21,44…冷却穴、43g…取付孔、24b…流路を構成する第2流路部としてのスリット、26,32,48…バルブ、26b,32a…ねじ部としての雄ねじ部、26c,32c…軸部、26d,32d…バルブ部、26e,32e,48c…ドライバー溝、43b…流路を構成する給水側支流管穴、48b…連通孔、52…マーク。

Claims (8)

  1. 複数の冷却穴を有する中子の裏面に設けられ、該冷却穴に個別に連通する複数の流路を有するマニホールドブロックを備え、
    前記マニホールドブロックの裏面に、回転させることにより直線移動させて前記冷却穴に流れる冷却水の流量を個別に調整する複数のバルブを取り付けたことを特徴とする金型の冷却水流量調整構造。
  2. 請求項1に記載の金型の冷却水流量調整構造において、
    前記バルブは、前記マニホールドブロックと螺合するねじ部にて回転運動を直線運動に変換することを特徴とする金型の冷却水流量調整構造。
  3. 請求項1又は2に記載の金型の冷却水流量調整構造において、
    前記マニホールドブロックは、冷却水が給水される給水側支流管穴及び該冷却水が排水される排水側支流管穴を備え、
    前記流路は、
    前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のいずれか一方から分岐して前記冷却穴に連通する第1流路部と、
    前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のいずれか他方から分岐して前記冷却穴に連通する第2流路部とを有することを特徴とする金型の冷却水流量調整構造。
  4. 請求項3に記載の金型の冷却水流量調整構造において、
    前記バルブは、
    前記第1流路部に対向して前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のいずれか一方の横断方向に伸びる軸部と、
    勾配面を有して前記軸部の先端に設けられ、該軸部とともに直線移動させることで該勾配面により前記第1流路部の流路断面積を変化させるバルブ部とを有することを特徴とする金型の冷却水流量調整構造。
  5. 請求項4に記載の金型の冷却水流量調整構造において、
    前記軸部は、前記給水側支流管穴及び前記排水側支流管穴のうち、該軸部が配置される一方よりも細い括れを有することを特徴とする金型の冷却水流量調整構造。
  6. 直列に連通する複数の冷却穴を有する中子の裏面に設けられ、該冷却穴に連通する流路を有するマニホールドブロックを備え、
    前記マニホールドブロックの裏面に、回転させることにより前記流路の流路断面積を変化させて前記冷却穴に流れる冷却水の流量を一括して調整するバルブを取り付けたことを特徴とする金型の冷却水流量調整構造。
  7. 請求項6に記載の金型の冷却水流量調整構造において、
    前記マニホールドブロックは、裏面から穿設されて前記流路を横断する該流路よりも大径の取付孔を備え、
    前記バルブは、前記流路を横断するように前記取付孔に取り付けられ、回転させることにより前記流路の流路断面積を変化させる連通孔を有することを特徴とする金型の冷却水流量調整構造。
  8. 請求項7に記載の金型の冷却水流量調整構造において、
    前記バルブの端面には、該バルブを回転させるためのマイナス形状のドライバー溝が形成され、
    前記連通孔の連通方向は、前記ドライバー溝と平行に設定され、
    前記マニホールドブロックには、前記流路と平行に伸びるマークが描画されていることを特徴とする金型の冷却水流量調整構造。
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