JP5683938B2 - 二次電池の製造方法および電解液注入装置 - Google Patents

二次電池の製造方法および電解液注入装置 Download PDF

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Description

本発明は、電解液を注入して二次電池を製造する方法に関する。
電池は正極と負極の間にセパレータで介したものを積層または捲回した極板群を電池容器に挿入した後、電解液を注入し容器の開口部を密閉して製造される。電解液を速やかに電池容器に注入する方法として、特開平9−102443号公報(特許文献1)がある。この公報には、極板群が挿入されたケースを減圧し、電解液を充填して極板群の隙間に浸透させた後、ケース内の圧力を上昇させてさらに浸透させることで、所定量の電解液を速やかに極板群に含浸させることができると記載されている。また、特開2002−33114号公報(特許文献2)がある。この公報には、常圧よりも低い低圧の状態から徐々に圧力を増大して常圧よりも高い高圧の状態に加圧することで、従来に比して短い時間により確実に電解液を充填できると記載されている。さらに前記公報には、高圧の状態から徐々に圧力を減圧して常圧に復帰させる方法も記載されている。
特開平9−102443号公報 特開2002−33114号公報
前記特許文献1には、電解液の注入方法と極板群への浸透方法が記載されている。この方法では、加圧時に極板群の空隙部に残存する空気が押し潰され、大気解放時に押し潰されていた空気が膨張し、極板群から抜けて電解液中を気泡となって浮上し液面で弾ける恐れがある。加圧時の圧力が大気圧よりそれほど高くなければ、膨張量が小さく発泡が穏やかであるため、電解液が付着してはならない部分、例えばガスケットの装着面まで飛散することはない。しかしながら、例えばより高密度な極板群に浸透させる場合、加圧時の圧力が小さいと残存した空気の圧縮量が小さいため、空気が電解液の極板群へ浸透を阻害し注入が完了するまでに時間がかかるという問題がある。一方、加圧の圧力を大きくすれば極板群への浸透は促進されるが、高圧の状態から急激に大気解放すると圧力が急激に変化するので、極板群の空隙部に残存する空気が急激に膨張し気泡となって液面で激しく弾けてしまい、例えば、電池容器のガスケット装着面等の電解液が付着してはならない付着禁止部分まで飛散する。例えば、付着禁止部分であるガスケット装着面に電解液が付着すると、後工程の封止工程の封口時にガスケットとガスケット装着面との間に電解液が存在するため、完全に密閉できなくなるという問題が発生する。この対策として、ガスケット装着直前にガスケット装着面に付着した電解液を拭き取る工程を導入することも可能であるが手間がかかる。
前記特許文献2には、電解液注入後の浸透方法が記載されている。この方法では工程の最後に加圧状態から徐々に常圧に戻すので、圧力変化が緩やかになり極板群から出た気泡も激しく液面で弾けることはないが、注入後にまず減圧しているので極板群の空隙部に残存する空気が膨張する。膨張した空気は液面で弾ける前に気泡となって液中を浮上するので、気泡の体積分一時的に電解液の液面を押し上げる。このため、電解液注入直後の液面が高い状態で減圧した場合は、ガスケット装着面まで液面が上昇して濡らすため前記と同様の問題が発生する。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電解液が付着してはならない付着禁止部分への電解液の飛散や濡れを防止しかつ迅速に所定量の電解液を電池容器に注入できる二次電池の製造方法および電解液注入装置を提供することである。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、電池容器内に極板群と電解液を封入する二次電池の製造方法であって、前記極板群が収容された前記電池容器内に前記電解液を注入する注液工程において、前記電池容器内を減圧して大気圧よりも圧力が低い負圧に保持する工程と、該負圧に保持された電池容器内に前記電解液を注入する工程と、該電解液が注入された前記電池容器内を加圧して大気圧よりも圧力が高い正圧とし、該正圧とされた前記電池容器内の圧力を段階的に減圧して大気圧に戻す工程とを含むことを特徴としている。
本発明によれば、迅速に所定量の電解液を注入することができるので注液工程にかかる時間を短縮できる。そして、電解液の付着禁止部分、例えば電池容器のガスケット装着面への電解液の付着を防ぐことができる。上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1における注液工程の圧力プロファイルと電解液注入プロファイルの例を示すグラフ。 円筒型リチウムイオン電池の断面を示す図。 極板群の断面の一部を拡大して示す図。 二次電池の製造工程を示すフローチャート。 電解液注入装置の構成図。 注液工程における電池容器の設置状態の例を示す図。 加圧による浸透量の違いを示すグラフ。 実施例1の効果を説明するための圧力プロファイルの例を示すグラフ。 実施例2における注液工程の圧力プロファイルと電解液注入プロファイルの例を示すグラフ。 注液工程における電解液の液面高さの例を示す図。 実施例2における注液工程の圧力プロファイルと電解液注入プロファイルの他の例を示すグラフ。 実施例3の圧力プロファイルと電解液注入プロファイルの例を示すグラフ。 注液工程における電解液の液面高さの例を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
[実施例1]
まず、円筒形のリチウムイオン電池の構造と製造方法について図2〜図4を用いて説明する。図2は円筒形のリチウムイオン電池の断面を示す図、図3の(a)は図2の正極タブ9側の極板群10の断面の一部を拡大して示した図、図3(b)は負極タブ12側の極板群10の断面の一部を拡大して示した図、図4は極板群10を形成する工程から電解液を極板群10に完全に含浸させる工程までの製造工程を示したフローチャートである。
図4の極板群形成工程S1は、帯状で長辺方向の片側(横幅方向一方側)に正極タブ9が形成された正極板16と、同じく帯状で長辺方向の片側(横幅方向他方側)に負極タブ12が形成された負極板17と、2枚のセパレータ15とを互いに重ね合わせた状態で、軸心11に捲回して円筒状の極板群10を形成する工程である。
正極板16は正極集電体16bとその両面に層状に塗工された正極活物質16aからなる。正極活物質16aとしては例えばLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2を用いることができ、正極集電体16bとしては例えばアルミニウム箔を用いることができる。
一方、負極板17は負極集電体17bとその両面に層状に塗工された負極活物質17aからなる。負極活物質17aとしては例えばグラファイト、非結晶性炭素を用いることができ、負極集電体17bとしては例えば銅箔を用いることができる。
そして、セパレータ15として例えばポリオレフィン樹脂を用いることができる。正極活物質16a、負極活物質17a、セパレータ15は多孔質になっており、電解液が浸透する空隙部が存在する。
図3に示すように極板群10は正極板16と負極板17の間、負極板17と正極板16の間にそれぞれセパレータ15を介して巻かれており、極板群10が形成されると一端からは正極タブ9が他端から負極タブ12が突き出た状態になる。
正極活物質16aとセパレータ15、負極活物質17aとセパレータ15の間にはわずかに隙間が存在するため、電解液が注入されるとその隙間から極板群10の内部へと浸透して、正極活物質16aと負極活物質17aとセパレータ15の空隙部まで浸透する。
極板群挿入工程S2は、極板群10に集電部品を接続し電池容器3に挿入する工程である。まず極板群10の一端から突き出た正極タブ9に予め正極リード8が接合されている正極集電リング7を接合し、他端の負極タブ12に予め負極リード14が接合されている負極集電リング13を接合する。次に極板群10を電池容器3に挿入し、負極リード14と電池容器3の底面部を溶接し固定する。したがって、極板群10の正極タブ9は、電池容器3内の上部に配置される。
次に、電池容器3の上部の一部を絞って電池容器3の外周に溝をつける。電池容器3内側の絞られた部分上面は封止工程S4でガスケット5を装着するためのガスケット装着面45となる。最後に正極リード8に上蓋4が接合されている上蓋接続板4aを接合して極板群挿入工程S2は終了する。
注液工程S3は、所定量の電解液を電池容器3に注入する工程である。注入された電解液は極板群10の正極活物質16aとセパレータ15の間及び負極活物質17aとセパレータ15の間の隙間を通って、正極活物質16a、負極活物質17a、セパレータ15の空隙部に徐々に浸透する。後工程で含浸工程S6を設けているので、注液工程S3では、正極活物質16a、負極活物質17a、セパレータ15の空隙部に電解液を完全に浸透させる必要はなく、所定量の電解液が入る程度まで浸透させればよい。
封止工程S4は、ガスケット5を電池容器3のガスケット装着面45に装着した後、上蓋4で電池容器3の開口部を塞ぎ、電池容器3の開口部周縁を内側に曲げて封口する工程である。封止工程S4を終了すると図2に示す電池容器3が完成し、電池容器3内は密閉状態となる。
洗浄工程S5は、電池容器3の表面を洗浄する工程である。ここで電池容器3の外壁や上蓋4に付着した電解液は洗い落とされるが、ガスケット装着面45に付着した電解液に関しては、洗浄前にガスケット5が装着されて封口されているので洗い落とすことができない。
含浸工程S6は、正極活物質16a、負極活物質17a、セパレータ15の空隙部に完全に浸透させるまで電池容器3を静置する工程である。含浸工程S6が終了すると初充電工程へと運ばれる。
図5は注液工程S3における本実施例の電解液注入方法を実現するための電解液注入装置の一例を示す構成図である。図5で示した電解液注入装置100はチャンバー29内に電池容器3を収容してから密閉して注液する装置であるが、例えば電池容器3の開口部を直接塞いで密閉して注液する装置でも実現できる。
電解液注入装置100は、図示していない制御手段を備えており、制御手段からの制御信号に基づいて各部を動作させるようになっている。電解液注入装置100は、電池容器3を起立した姿勢状態で支持する電池容器受け20を有している。電池容器受け20は、チャンバー29の下方位置に配置されており、チャンバー29に対して接近又は離反するように、上下方向に移動可能に設けられている。
まず、極板群10が挿入された電池容器3を電池容器受け20に支持させた後、電池容器受け駆動用エアシリンダ21によって電池容器受け20を上昇させてチャンバー29に接触させる。電池容器受け20には、チャンバー29との接触面にOリング19が装着されているので、Oリング19がチャンバー29の底面に押し付けられて、チャンバー29内が密閉状態となる。
チャンバー29には上部からノズル44が挿入されて設けられていて、電解液用配管34に接続されているノズル44から電解液を注入できるようになっている。電解液用配管34は電解液供給バルブ41と電解液吸引バルブ40を介して、電解液が貯留されている電解液タンク38へと接続されている。電解液供給バルブ41と電解液吸引バルブ40との間にはシリンジ42aとピストン42bとピストン駆動用アクチュエータ42cから成る注液ポンプ42へと分岐するための配管が接続している。注液ポンプ42は、ピストン42bの吸引時のストローク量を制御することで任意の液量を電解液タンク38から注液ポンプ42に吸引し、ピストン42bの押し込み量を制御することで任意の液量をノズル44から吐出できる。また、ピストン42bの押し込み速度を制御することで、任意の吐出速度で電解液を注入できる。
チャンバー29には大気解放用配管35と加圧用配管36と真空引き用配管37が接続されている。加圧用配管36の他端は加圧用バルブ23と加圧用レギュレータ(圧力調整手段)24を介して加圧ポンプ(加圧手段)25に接続している。加圧ポンプ25は、圧縮空気を生成して、その圧縮空気をチャンバー29内に供給することにより、チャンバー29内を加圧して、大気圧よりも高い圧力である正圧にすることができる。
一方、真空引き用配管37は真空用バルブ28と真空用レギュレータ27を介して真空ポンプ(減圧手段)26に接続している。加圧用レギュレータ24は大気圧から例えば1000kPa(ゲージ圧)までの任意の圧力(正圧)に設定可能であり、加圧用レギュレータ24を使用して大気圧以上の範囲で高圧から低圧へ減圧する場合は、所定の圧力になるまで加圧用レギュレータ24の排気口31からチャンバー29内の空気が排気される。真空用レギュレータ27は大気圧から例えば−100kPa(ゲージ圧)までの任意の圧力(負圧)に設定可能であり、真空用レギュレータ27を使用して真空度を下げる(負圧を小さくする)場合は、所定の圧力になるまで吸気口32からチャンバー29へ空気が流入する。真空ポンプ26は、真空引き用配管37を介してチャンバー29内の空気を排出することにより、チャンバー29内を減圧して、大気圧よりも低い圧力である負圧にすることができる。以上の構成によって、例えば−100kPa〜1000kPaまでの任意の圧力で電解液を電池容器3に注入し極板群10に浸透させることができる。
本実施例の電解液注入方法を図1と図5と図6を用いて説明する。図1は注液工程S3の開始から終了までのプロファイルを示した図である。図中の実線は圧力プロファイル1を示し、破線は電解液注入プロファイル2を示す。電解液注入プロファイル2の縦軸は所定量(予め設定された規定量)の電解液を注入したときを100%としたときの注入割合を示す。図6はチャンバー29に設置されたときの電池容器3の状態を示す。
本実施例では、電池容器が設置されたチャンバー内を真空引きして減圧し、大気圧よりも低い圧力である負圧に保持する工程と、大気開放する工程と、大気圧よりも高い圧力である正圧でかつ比較的高い圧力の高圧まで加圧する工程と、高圧から段階的に複数回減圧して大気圧まで戻す工程と、大気圧を保持する工程からなる圧力プロファイルと、該圧力プロファイルの負圧に保持する工程と大気圧を保持する工程において電池容器に電解液を注入する工程からなる電解液注入プロファイルを有する。
電池容器3を電池容器受け20に支持させた後、電池容器受け20が上昇してチャンバー29内を密閉状態にしてから注液工程S3が開始される。この時、ノズル44は図6の軸心11の中央部上空に位置する。開始直後に真空用バルブ28を開いてチャンバー29内の負圧が真空用レギュレータ27で設定した真空度になるまで真空ポンプ26で真空引きしてチャンバー29内を減圧する。チャンバー29内の真空度が高いほど(負圧が大きいほど)極板群10の空隙部に存在する空気が多く排気されて、電解液が空隙部に浸透しやすくなるが、真空度が高すぎると電解液に含まれる有機溶剤が揮発しやすくなるため、真空度は、−70kPa〜−90kPaの範囲に設定するのが好ましい。
所定の真空度に達する時間t1までに、電解液吸引バルブ40を開いて注液ポンプ42のピストン42bを吸引し、所定量吸引したら電解液吸引バルブ40が閉じる。注液ポンプ42で吸引される電解液の吸引量は、電池容器3に注入する電解液量と同等にする。
時間t1でチャンバー29内の負圧が所定の真空度に達したら、真空用バルブ28が閉じてチャンバー29内の負圧を保持する。したがって、電池容器3内も減圧されて大気圧よりも圧力が低い負圧に保持される。そして、電解液供給バルブ41とノズル開閉バルブ43を同時に開いて、ピストン駆動用アクチュエータ42cが注液ポンプ42のピストン42bを押し出し、ノズル44から電池容器3へ電解液を注入する。ここで、注入速度を大きくしすぎると、ノズル44から電解液が吐出される時に電解液が飛散し、図6に示すガスケット装着面45に付着するおそれがあるので、飛散しない程度の注入速度として予め設定された上限速度以下の注入速度で注入するのが好ましい。電解液の注入速度が極板群10への浸透速度よりも大きいと、極板群10の空隙部以外の極板群10と電池容器3の隙間や軸心11の内側に電解液が溜まり、電解液の液面46が上昇していく。
ガスケット装着面45に液面46が到達する直前の時間t2でピストン42bの押し出し動作が一度停止して、電解液供給バルブ41とノズル開閉バルブ43が閉じて1回目の電解液注入を終了する。例えば車載用電池向けで注入量が多い場合や、正極活物質16aや負極活物質17aが高密度化されていて電解液が極板群10に浸透しにくい場合には、一つの電池容器内に対して予め規定されている電解液の総量を、一回の注入で完了するのは難しい。
また、注入前に真空引きを実施しても極板群10の空隙内の空気の一部は排気されないので、注入後の極板群10の空隙部には電解液が浸透した領域と空気が残存する領域が存在する。その後、大気解放バルブ18を開いてチャンバー29内を大気解放したときに、チャンバー29内の圧力が負圧から大気圧へ上昇して加圧された状態になるので、極板群10の空隙部に残存する空気が圧縮されてより電解液が空隙部へ浸透する。
時間t3でチャンバー29内の圧力が大気圧に戻ったら、大気解放バルブ18が閉じて加圧用バルブ23が開き、加圧用レギュレータ24で設定した圧力になるまで加圧ポンプ25でチャンバー29内を加圧する。高圧で加圧するほど極板群10の空隙部に残存する空気が圧縮されて小さくなり、電解液が浸透できる領域が拡がるので、圧力は500kPa以上の高圧に設定することが好ましい。
時間t4でチャンバー29内が所定の高圧まで達したら、その高圧を保持する。このとき、極板群10の空隙部の非浸透領域に電解液が徐々に浸透していくので電解液の液面46は徐々に下降する。保持時間は電解液の浸透状況によって決めてよい。電解液が極板群10に浸透し難く液面46が下降しにくい場合は保持時間を長くして、逆に極板群10に浸透し易く液面46が下降し易い場合は保持時間を短くする。
時間t5から時間t11まではチャンバー29内を段階的に減圧する工程である。高圧から低圧へ減圧すると、極板群10の空隙内で圧縮されていた空気が膨張し、膨張した空気は正極活物質16aとセパレータ15の隙間や負極活物質17aとセパレータ15の隙間を通って、極板群10の上下から気泡となって排出される。発生した気泡は軸心11内側や電池容器3と極板群10の隙間にある電解液の液中を上昇して液面46で弾ける。
したがって、気泡の発生を緩やかにすべく、チャンバー29内の圧力を高圧から大気圧まで段階的に減圧する。各減圧時の圧力と各圧力の保持時間は、気泡の弾け方を見ながら、ガスケット装着面45への電解液の飛散がないように設定する。
例えば本実施例では、900kPaまで加圧した場合は、時間t6までに600kPaまで減圧し時間t7まで保持し、時間t8までに400kPaまで減圧し時間t9まで保持し、時間t10までに200kPaまで減圧し時間t11まで保持する設定となっている。
時間t11になったら、加圧用バルブ23が閉じて大気解放バルブ18が開く。このとき、チャンバー29内は十分に低圧にしてから大気解放するので、気泡はほとんど発生しない。
時間t12でチャンバー29内が大気圧に戻ったら、大気解放バルブ18が閉じて電解液供給バルブ41とノズル開閉バルブ43が同時に開く。そしてピストン駆動用アクチュエータ42cが注液ポンプ42のピストン42bを最後まで押し込んで電解液を追加注入し、上記した必要な電解液量の総量をすべて電池容器3に注入する。
時間t13で電解液の追加注入が終了したら電解液供給バルブ41とノズル開閉バルブ43が同時に閉まって注液工程S3を終了する。その後、電池容器受け駆動用エアシリンダ21が電池容器受け20を下げて電池容器3を排出する。
注液工程S3の最初にチャンバー29内を減圧して負圧にすることで、極板群10の空隙部に存在する空気を除去できるので、その後の電解液注入時に電解液が極板群10の空隙部に浸透しやすくなる。
しかし、極板群10の空隙内の空気分子の一部は多孔質体と物理吸着しているので最初の真空引きで完全に除去するのは難しく、空隙部に残った空気が電解液の浸透を阻害することとなる。1回目の注入を終了してチャンバー29内を大気解放した後、高圧で加圧することで残存した空気が圧縮されて、電解液が極板群10の空隙部に浸透できる領域が拡がる。このとき、低圧で加圧するよりも高圧で加圧した方が、空気の圧縮量が大きくなるのでその分浸透しやすくなる。
図7は実際に電解液を同等量注入した後、500kPaと900kPaで同じ60秒間加圧したときの極板群10への浸透量の比較を示したものである。その結果、900kPaで加圧した方の浸透量が3.6g多くなった。この結果から、高圧で加圧した方が浸透速度が大きいので、同じ量を浸透させる場合は高圧で加圧した方が時間が短くなるといえる。
電解液の注入直後に負圧から大気圧まで加圧するので、極板群10に残存した空気は圧縮されて、その分電解液が浸透して液面46が下がる。よって、注入直後に減圧する場合とは違って、ガスケット装着面45まで液面が上昇してガスケット装着面45が電解液で濡れてしまうという可能性がない。
また、高圧で加圧してから急激に大気解放した場合は、圧力変化が大きいので空気が急激に膨張する。このとき、大気解放すると空気が急激に膨張し、膨張した空気が極板群10から出てきて一気に気泡となる。すると、大量の気泡が液中を上昇して液面46で激しく弾け、ガスケット装着面45まで電解液が飛散する。
そこで、本実施例では、高圧から大気解放する時に段階的に減圧していくことで気泡の弾け方を穏やかにしている。段階的に減圧することで、1回の減圧で変化する圧力を小さくして気泡の発生量を少なくすることができる。これを複数回実施することで、気泡を少しずつ発生させ一気に気泡が発生することを防ぐ。
高圧からの大気解放時に電解液の飛散を防ぐ他の方法として、大気解放用配管35に例えば大気解放速度調整バルブを取り付けて、大気解放速度を遅くする方法がある。大気解放速度調整バルブはチャンバー29に流入する空気の流量を調整するだけであり、チャンバー29の圧力を制御することはできない。そのため、チャンバー29内の圧力によって流量が変化し、チャンバー29内が高圧の時は大気圧との差が大きいため流量が大きく、減圧されるにつれて大気圧との差が小さくなるので流量が小さくなる。これをチャンバー内の圧力変化に置き換えると、大気解放用バルブ18が開いた直後は圧力の変化が大きく、減圧されるにつれて圧力変化は緩やかになる。
図8は段階的に減圧していく圧力プロファイル1と大気解放速度調整バルブで大気解放したときの圧力プロファイル50、51を比較したものである。圧力プロファイル50は、大気解放の途中の段階での圧力変化が圧力プロファイル1よりも大きいため、減圧している最中に気泡が多く発生し液面46で弾けてガスケット装着面45に電解液が付着してしまう。
一方、圧力プロファイル51は電解液がガスケット装着面45に付着しないように、大気解放速度を調整した場合である。この場合は、大気圧に近づくにつれて圧力変化が小さくなるので、大気圧に戻るまでの時間が圧力プロファイル1よりもかかる。よって、高圧から減圧する時は、大気解放速度を調整するのではなく、段階的に圧力を減圧する方法の方が望ましい。
以上、本実施例で示した電解液の注入方法によって、ガスケット装着面45等の電解液が付着してはいけない付着禁止部分への電解液の飛散や濡れを発生させることなくかつ迅速に電解液を注入することができる。
例えば、2回目の電解液注入後の液面46の高さがガスケット装着面45の高さより低い場合であっても、電池容器受け20から電池容器3を搬出するときや封止工程S4への搬送途中に電池容器3が振動して電解液がガスケット装着面45まで飛散する可能性がある。したがって、他の例として、図1の時間t3からt12までの圧力プロファイル1を時間t13の後に追加で実施して、電解液の液面46を下げて、電池容器3の振動等によって電解液がガスケット装着面45まで飛散する可能性がない高さ位置にしてから注液工程S3を終了してもよい。
この追加で実施される圧力プロファイル1の時間t4からt5までの加圧保持時間や圧力、および、時間t5からt12までの段階的減圧の方法は、最初の圧力プロファイル1と同一である必要はなく、適宜変更することができ、例えば液面46の下降状況を見ながら変えてもよい。
また、電解液が極板群10に浸透しにくい場合、注入回数を2回に分けてもガスケット装着面45を濡らさないように所定量の電解液を注入することが難しくなる。この場合は図1に示す時間t13まで工程が終了したら、さらに時間t3から時間t13までの圧力プロファイル1と、大気圧に戻ったときに液面46がガスケット装着面45に到達する直前の高さ位置まで注入する工程を、所定量(注入割合100%)の電解液を注入できるまで繰り返してもよい。このとき、2回目以降における時間t4からt5までの加圧保持時間や圧力は、液面46の下降状況を見ながら変えてもよい。
[実施例2]
本実施例では、高圧で加圧する時に、より効果的に電解液を極板群10に浸透させる電解液注入方法を説明する。図9は本実施例の注液工程S3のプロファイルを示した例である。図中の実線は圧力プロファイル60、破線は電解液注入プロファイル61を示す。
チャンバー29内を減圧して大気圧よりも低い圧力である負圧とし、かかる負圧状態を保持した状態で電解液を注入し、電解液の液面46がガスケット装着面45に到達する直前の高さ位置まで電解液を注入した後で、大気解放する工程までは、上記した実施例1と同じである。
本実施例では、時間t3でチャンバー29内が大気圧まで戻ったら、加圧用バルブ23が開いてチャンバー29内を加圧して大気圧よりも高い圧力である正圧でかつ比較的低い圧力の低圧、具体的には、500kPa以下の低圧に保持する。時間t14で所定の低圧に達したら時間t15までその低圧を保持する。そして、所定時間が経過して時間t15になったら、加圧用バルブ23が閉じて大気解放バルブ18が開き、チャンバー29内を大気解放して大気圧に戻す。このときは、500kPa以下の低圧からの大気解放なので、気泡の発生が穏やかであり、液面46で激しく弾けて電解液がガスケット装着面45に飛散するということがない。
時間t16でチャンバー29内が大気圧に戻ったら、電解液供給バルブ41とノズル開閉バルブ43が開いて、注液ポンプ42のピストン42bを押し出して電解液を追加注入する(2回目の電解液注入)。液面46がガスケット装着面45に到達する直前にピストン42bの動作を停止して、電解液供給バルブ41とノズル開閉バルブ43が閉じる。
時間t17以降の圧力プロファイルは、実施例1における圧力プロファイル1の時間t3からt13までと同様である。但し、時間t4からt5までの加圧保持時間は、実施例1のときよりも短くすることが可能である。また、電解液注入プロファイル61の3回目の電解液注入で、ピストン42bを最後まで押し出して所定量の電解液を電池容器3に注入する。
電解液注入後に大気解放して加圧する場合に、液面46の高さ位置が図10(a)に示す正極タブ9の位置であって、より正確に定義すると、正極板16の両面に層状に塗工された正極活物質16aの上端縁部の高さ位置よりも上方に位置するときは、極板群10の最外周にあるセパレータ15表面及び正極タブ9側と負極タブ12側の上下から電解液が極板群10に浸透する。
さらに加圧して液面46の高さ位置が正極活物質16aの上端縁部の高さ位置以下まで下降すると、正極活物質16aよりも上方には電解液が存在しなくなるので、正極タブ9側からは極板群10に電解液が浸透しなくなる。つまり、液面46が、正極活物質16aの上端縁部の高さ位置よりも上方に位置しているときの方が、正極活物質16aの上端縁部の高さ位置以下にあるときよりも、極板群10への浸透は促進される。
本実施例では、負圧からの大気解放時に液面46を少し下げて、さらに低圧で加圧して液面46を正極活物質16aの上端縁部の高さ位置以下まで下降させる。その後大気圧に戻して、液面46がガスケット装着面45に到達する直前の高さ位置まで電解液を注入する。時間t17で高圧で加圧を開始するときの液面46は、図10(b)に示すガスケット装着面45の直下の位置にある。よって時刻t3で液面46を少し下げた状態からすぐに高圧で加圧する場合よりも、加圧時に正極活物質16aの上端縁部の高さ位置より上部に存在する電解液量が多く、その分極板群10の上部からの浸透量も多くなるので効率よく浸透させることができる。本実施例は、例えば極板群10に浸透しにくいため3回以上に分けて注入しなければならない電池に対してより迅速かつガスケット装着面45等に電解液を付着させることなく注入できる。
他の例として時間t3で大気解放が終了した時点で、液面46が正極活物質16aの上端縁部の高さ位置より下方まで下降している場合は低圧で加圧する工程を省略して、すぐに電解液を注入して図10(b)に示す高さ位置まで液面46を上昇させてもよい。
図11は4回に分けて注入しなければならない時に、実施例2の一部を繰り返すプロファイルの例である。高圧からの大気解放後に真空引きをしてチャンバー29内を減圧し、時間t18で所定の真空度に達したら電解液を注入する。注入後、時間t19から時間t23までは実施例2の圧力プロファイル60の時間t2からt16までと同様のプロファイルを繰り返す。時間t23で大気圧に戻ったら、最後の電解液注入(追加注入)を実施して時間t24で注液工程S3が終了となる。時間t19からt20の真空引きからの大気解放時に液面46が十分下がれば、その後の低圧での加圧を省略してもよい。
[実施例3]
本実施例は、電解液の注入を複数回に分けずに1回で行う電解液の注入方法の例である。図12は本実施例の注液工程S3のプロファイルである。図中の実線は圧力プロファイル80、破線は電解液の電解液注入プロファイル81を示す。
チャンバー29内を減圧して大気圧よりも低い圧力である負圧とし、かかる負圧状態を保持した状態で電解液を注入する時間t2までは、上記した実施例1、2と同じである。本実施例は、時間t2から、電池容器3内に電解液を注入しながら電池容器内を加圧して高圧に保持する構成を有している。
具体的には、時間t2で液面46の高さがガスケット装着面45に到達する直前に大気解放バルブ18を開いてチャンバー29内を大気解放し、時間t25で大気圧に戻ったら大気解放バルブ18を閉じて加圧用バルブ23を開く。時間t26で高圧に達したら時間t28まで圧力を保持する。
一方、時間t2から注入が完了する時間t27まで電解液の液面46が図13の液面維持領域82の収まるように、電解液の注入速度を調整する。液面維持領域82は、正極活物質16aの上端縁部の高さ位置を下限とし、ガスケット装着面45の直下の高さ位置を上限とする領域である。極板群10の空隙部へ電解液が浸透し始めてから時間t後の電解液の浸透量Wを表す基本的な理論式は、Lucas−Washburnの式から
[式1]
Figure 0005683938
と表せる。上記した式(1)でAは極板群10の断面積、φは極板群10の体積に対する空隙部の体積を示す空隙率、ρは電解液の密度、rは極板群10の空隙部の半径、γは電解液の表面張力、θは接触角、ηは電解液の粘度、ΔPは極板群10の外部と内部の圧力差を表す。
ここで時間t2から時間t26まで時間に比例するように加圧した場合、上記式(1)から時間が経つにつれて浸透量の増加速度がある値まで落ちて、そこからはほぼ一定となる。さらに、時間t26から時間t27の間は高圧に保持されているので、時間の経過とともに増加速度はまた小さくなる。そこで液面46が液面維持領域82内に収まるように、時間t2以降電解液の注入速度がある値まで落ちて、そこから時間t26まで一定となり、時間t26から時間t27の間でさらに落ちる電解液注入プロファイル81のように注入する。この電解液注入プロファイル81は、電池の規格、大きさ、極板群10を形成する各種材料等によって異なり、予め実験等により求めたものを用いる。時間t27の電解液注入完了後、時間t28までしばらく高圧で加圧して液面46を下降させから、段階的に減圧していき最後大気圧まで戻す。これにより減圧していく過程で液面46が上昇してガスケット装着面45を電解液が濡らすのを防止する。
上記方法により、時刻t3から時間t27まで液面46の高さ位置を常に液面維持領域82内に収めることで加圧時に常時極板群10の上側からも電解液を浸透させることができるので、浸透が促進されて注液工程S3の時間短縮に繋がる。
上記した電解液注入方法および装置によれば、負圧に保持された電池容器3内に電解液を注入するので、極板群10の空隙部からより多くの空気を排気して、空隙部に電解液を容易に浸透させることができる。そして、電解液が注入された電池容器3内を加圧して大気圧よりも圧力が高い正圧に保持するので、空隙部に残存した空気を圧縮して、電解液が空隙部に浸透できる領域を拡大でき、更に電解液を浸透させることができる。そして、正圧に保持された電池容器3内の圧力を段階的に減圧して大気圧に戻すので、極板群10の空隙部に残存した空気の急激な膨張を抑制して、大量の気泡が急激に発生するのを防ぐことができる。したがって、電解液の液面における気泡の弾け方を穏やかにすることができ、ガスケット装着面45等の電解液付着禁止部に電解液が付着するのを防ぐことができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本実施例では円筒型のリチウムイオン電池を用いて説明したが、角型、ラミネート型のリチウムイオン電池に関しても適用できる。さらには、電解液を注入する工程がある電池全般に適用できる。
1、60、70、80 圧力プロファイル
2、61、71、81 電解液注入プロファイル
3 電池容器
10 極板群
24 加圧用レギュレータ(圧力調整手段)
25 加圧ポンプ(加圧手段)
26 真空ポンプ(減圧手段)
27 真空用レギュレータ
42 注入ポンプ(注入ポンプ手段)
45 ガスケット装着面
46 液面

Claims (6)

  1. 電池容器内に極板群と電解液を封入する二次電池の製造方法であって、
    前記極板群が収容された電池容器内に電解液を注入する注液工程において、
    前記電池容器内を減圧して大気圧よりも低い圧力である負圧に保持する工程と、
    該負圧に保持された前記電池容器内に前記電解液を注入して、前記電解液の液面を前記極板群における活物質の上端縁部の高さ位置よりも上方に位置させる工程と、
    該電解液が注入された前記電池容器内を加圧して大気圧よりも高い圧力である正圧でかつ比較的低い圧力の低圧に保持し、所定時間経過後に、該低圧に保持された前記電池容器内を大気開放して該電池容器内の圧力を大気圧に戻す工程と、
    該大気開放により大気圧に戻された前記電池容器内に前記電解液を追加注入して、前記電解液の液面を前記極板群における活物質の上端縁部の高さ位置よりも上方に位置させる工程と、
    該電解液が追加注入された電池容器内を加圧して大気圧よりも高い圧力である正圧でかつ比較的高い圧力の高圧に保持し、所定時間経過後に、該高圧に保持された前記電池容器内の圧力を減圧し、該減圧する際に予め設定された圧力に所定時間保持して段階的に減圧して大気圧に戻す工程と、
    を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
  2. 前記段階的減圧により大気圧に戻された前記電池容器内を減圧して大気圧よりも低い負圧に保持する工程と、
    該負圧に保持された前記電池容器内に前記電解液を追加注入して、前記電解液の液面を前記極板群における活物質の上端縁部の高さ位置よりも上方に位置させる工程と、
    該電解液が注入された前記電池容器内を加圧して大気圧よりも高い圧力である正圧でかつ比較的低い圧力の低圧に保持し、所定時間経過後に、該低圧に保持された前記電池容器内を大気開放して該電池容器内の圧力を大気圧に戻す工程を含むことを特徴とする請求項に記載の二次電池の製造方法。
  3. 前記段階的減圧により大気圧に戻された前記電池容器内に前記電解液を追加注入して、前記電解液の液面を前記極板群における活物質の上端縁部の高さ位置よりも上方に位置させる工程を含むことを特徴とする請求項に記載の二次電池の製造方法。
  4. 前記電解液が追加注入された前記電池容器内を再加圧して大気圧よりも高い圧力である正圧でかつ比較的高い圧力の高圧に保持し、所定時間経過後に、該高圧に保持された前記電池容器内の圧力を減圧して大気圧に戻す工程を含むことを特徴とする請求項に記載の二次電池の製造方法。
  5. 電池容器内に極板群と電解液を封入する二次電池の製造方法であって、
    前記極板群が収容された電池容器内に電解液を注入する注液工程において、
    前記電池容器内を減圧して大気圧よりも低い圧力である負圧に保持する工程と、
    該負圧に保持された前記電池容器内に前記電解液を注入して、前記電解液の液面を前記極板群における活物質の上端縁部の高さ位置よりも上方に位置させる工程と、
    該電池容器内に前記電解液を注入しながら前記電池容器内を加圧して前記電池容器内を大気圧よりも高い圧力である正圧に保持する工程と、
    該正圧に保持された前記電池容器内の圧力を減圧し、該減圧する際に予め設定された圧力で所定時間保持して段階的に減圧して大気圧に戻す工程と
    を含み、
    前記正圧に保持する工程では、
    前記負圧から前記正圧まで一定速度で加圧し、
    前記電解液は、前記電解液の液面が前記極板群における活物質の上端縁部の高さ位置よりも常に上方に位置するように、前記負圧から前記正圧までの間で徐々に速度を落としながら注入され、次いで、一定の注入速度で注入され、前記正圧に保持する工程でさらに注入速度を落としながら注入されることを特徴とする二次電池の製造方法。
  6. 極板群が収容された電池容器内に電解液を注入する電解液注入装置であって、
    空気の供給により前記電池容器内を加圧して大気圧よりも高い圧力である正圧にする加圧手段と、
    空気の吸引により前記電池容器内を減圧して前記大気圧よりも低い圧力である負圧にする減圧手段と、
    空気の排気により前記電池容器内を減圧して前記正圧から前記大気圧までの任意の圧力に調整する圧力調整手段と、
    前記電解液を吐出して前記電池容器内に注入する注入ポンプ手段と、
    前記減圧手段により前記電池容器内を負圧とし、該負圧とした前記電池容器内に前記注入手段により前記電解液を注入し、前記電解液の液面を前記極板群における活物質の上端縁部の高さ位置よりも上方に位置させ、該電解液を注入した前記電池容器内を前記加圧手段により加圧して前記大気圧よりも高い圧力である正圧に保持し、所定時間経過後に、前記圧力調整手段により前記電池容器内を前記正圧から前記大気圧まで減圧し、該減圧する際に予め設定された圧力で所定時間保持して段階的に減圧させる制御を行う制御手段と、
    を有することを特徴とする電解液注入装置。
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