JP2003217566A - 電解液注入装置及び電解液注入方法 - Google Patents

電解液注入装置及び電解液注入方法

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JP2003217566A
JP2003217566A JP2002016720A JP2002016720A JP2003217566A JP 2003217566 A JP2003217566 A JP 2003217566A JP 2002016720 A JP2002016720 A JP 2002016720A JP 2002016720 A JP2002016720 A JP 2002016720A JP 2003217566 A JP2003217566 A JP 2003217566A
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electrolyte
electrolytic solution
battery
pressure
piston shaft
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Kazuhiro Yamada
和博 山田
Yoshimi Wakamatsu
喜美 若松
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液の注入時に電解液の飛散が無く、正極
リード板と上蓋のリード板とを接合した後電解液が注入
可能な電解液注入装置を提供する。 【解決手段】 電解液注入装置40は、上蓋10bが接
続され開口10aが形成された状態の電池10を密閉収
容する密閉チャンバ部1と、電解液を貯蔵する電解液貯
蔵部2と、密閉チャンバ部1と電解液貯蔵部2とを密閉
連通するパイプ3と、電解液を押し出すピストン軸4a
とを備えている。電解液が未注入の電池10の内圧を負
圧にして電解液貯蔵部2から電池10内に電解液を押し
出して注入を開始し、所定時間経過後、電池の内圧を増
圧に転じて電池10内の極板群内部に電解液を浸透さ
せ、浸透速度に対応させて電解液を注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解液注入装置及
び電解液注入方法に係り、特に、電池に電解液を注入す
る電解液注入装置及び該電解液注入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に示すように、従来、電解液注入装
置は、開口36aが形成された状態(封口前)の電池3
6を収容固定する収容部31と、開口36aを、パッキ
ン34を介して密閉して密閉空間を形成するチャンバ部
33とを備えている。チャンバ部33の上方には、チャ
ンバ部33の内圧を増減するバルブ35、バルブ35の
上方には電解液を貯蔵する電解液貯蔵部32がそれぞれ
配設されており、チャンバ部33と電解液貯蔵部32と
は、バルブ35を介して連通した構成を有している。こ
の電解液注入装置で電池に電解液を注入するには、収容
部31に電池36を収容固定し、開口36aをパッキン
34を介して密閉してチャンバ部33により密閉空間を
形成し、チャンバ部33のみを減圧し、次いでバルブ3
5を切り替えて電解液を電池36に注入し、その後バル
ブ35を切り替えてチャンバ部33のみを加圧し、電解
液を電池36内の電極群に浸透させていた。
【0003】上述した電解液注入方法では、電解液の注
入時に電解液が飛散して電極群に接続された正極リード
板15に付着し、その後正極リード板15と上蓋から延
出した上蓋リード板とを超音波溶接等で接合する際に溶
接できない、という欠点があったために、電解液注入
後、正極リード板15の両面に不織布等を接触させて付
着した電解液を拭き取った後、正極リード板15と上蓋
から延出したリード板とを超音波溶接等で接合する方法
が新たに開発された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
電気自動車など大容量の二次電池を必要とする用途に対
応するべく、大型の円筒型電池の開発が進められるよう
になってきている。このような大型の電池では、上述し
たリード板を複数重ねた多積層構造を有しているため、
上述した新たな方法では、正極リード板に付着した電解
液を完全に拭き取ることができず、正極リード板と上蓋
から延出されたリード板との接合の強度が不安定になる
一因となっていた。
【0005】また、上記電解液注入方法では、電池36
の開口36aを密閉するパッキン34と電池の上蓋とが
干渉するために、電解液の注入前に上蓋リード板と正極
リード板15とを接合することができない、という問題
があった。
【0006】本発明は上記事案に鑑み、電解液の注入時
に電解液の飛散が無く、正極リード板と上蓋のリード板
とを接合した後電解液が注入可能な電解液注入装置及び
該注入方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様は、上蓋が接続され電解液が未
注入の電池を収容密閉するチャンバ部と、電解液を貯蔵
する電解液貯蔵部と、前記電解液貯蔵部と前記チャンバ
部とを密閉連通する連通部と、前記電解液貯蔵部に貯蔵
された電解液を押し出すピストン部とを備える。
【0008】本態様では、電解液注入装置は、チャンバ
部と電解液貯蔵部とが連通部により密閉連通されている
ので、電解液貯蔵部内の電解液の圧力は常にチャンバ部
の圧力と等しくなり、電解液貯蔵部内の電解液を押し出
す力はピストン部からのみ発生するので、ピストン部の
押し出し速度を調整することで、チャンバ部の内部で電
解液が飛散すること無く注入することができると共に、
電解液の飛散が無いので、電池の開口を密閉する必要が
ないため、電池缶の外形とほぼ等しい外形の上蓋を接合
した電池をチャンバ部に密閉収容することができる。
【0009】本態様において、ピストン部による電解液
の押し出し速度は、電解液の飛散を防止するために、電
池内の電極板内部に電解液が浸透する速度に対応させる
ことが好ましい。また、電解液貯蔵部とチャンバ部とは
連通部で密閉連通しているので、チャンバ部の内部の圧
力を負圧又は増圧にした場合、電解液貯蔵部の内部の圧
力も負圧又は増圧となる。このとき、電解液が電解液貯
蔵部から流出しないためには、ピストン部、すなわち、
ピストン軸及びシリンダ間の気密を保つ必要がある。こ
のような摺動部の気密を保つものとしてはOリングやU
パッキン等があるが、Oリングは潤滑油がないと寿命が
短く、Uパッキンはリング状で軸方向の1端面が窪んだ
形状をしており窪んだ方向からかかる圧力に対してのみ
気密を保つ構造となっているので、本装置のように潤滑
油が使用できず、圧力が負圧及び正圧になり、パッキン
に2方向から圧力がかかる部位の気密を保つのには適し
ていない。そこで、ピストン軸の周りに固定されたリン
グ状であり、ピストン軸の摺動方向に互いに逆向きの窪
んだ2端面を有するパッキンを使用することで、2方向
から圧力がかかるピストン部の気密を保持することがで
き、電解液が電解液貯蔵部から流出することを防止する
ことができる。本態様では、電解液の飛散を防止すると
共に電解液の浸透性を確保するために、チャンバ部が内
部の気圧を変化させる圧力源を有することが好ましく、
チャンバ部が内部の気圧が−0.09MPa未満である
と電解液に含まれるガス成分が気化し電解液注入時の電
解液の飛散の原因となり、−0.06MPaを超えると
極板群への浸透性が悪くなるので、圧力源はチャンバ部
の内部の気圧を−0.09乃至−0.06MPaの負圧
とすることがより好ましく、水分の進入を防止するため
に、圧力源がチャンバ部を増圧するときには除湿したガ
スを供給することが更に好ましい。
【0010】また、上記課題を解決するために、本発明
の第2の態様は、電解液注入方法であって、電解液が未
注入の電池の内圧を負圧にして電解液を貯蔵する電解液
貯蔵部から前記電池内に電解液を押し出して注入を開始
し、所定時間経過後、前記電池の内圧を増圧に転じて該
電池内の極板群内部に電解液を浸透させ、該浸透速度に
対応させて電解液を注入する。
【0011】本態様では、電解液が未注入の電池の内圧
を負圧にして電解液を貯蔵する電解液貯蔵部から電池内
に電解液を押し出すことで、電池の内部で電解液が飛散
すること無く電解液の注液を開始でき、所定時間経過
後、電池の内圧を増圧に転じることで、極板群への電解
液の浸透を確保することができ、浸透速度に対応させて
電解液を注入することで、電解液が飛散すること無く極
板群への電解液の浸透を確保することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る電解液注入方法の実施の形態について、大型円筒型
電池の製造手順に従って説明する。
【0013】(製造方法)平均粒径約20μmのマンガ
ン酸リチウムと、平均粒径約5μmのグラファイトと、
PVDFとをそれぞれ重量比80:10:10の割合で
混合し、分散溶媒となるN−メチル−2−ピロリドン
(NMP)を添加し、混練、分散して、スラリー状の正
極活物質とし、ロールからロールヘの転写(ロール・ツ
ー・ロール転写)により厚さ20μmの帯状でアルミニ
ウム箔の正極集電体の両側に同じ厚さになるように塗着
して正極活物質層を形成し、乾燥させた後、プレスによ
り所定厚さとなるまで圧縮し、裁断して、正極を作製し
た。なお、後述する電解液注入前の正極の厚さを98±
2μmとし、正極活物質層の密度を2.65g/cm
とした。
【0014】平均粒径20μmの非黒鉛炭素とPVDF
とを重量比90:10で混合し、分散溶媒となるNMP
を添加し、混練、分散して、スラリー状の負極活物質と
し、ロール・ツー・ロール転写により厚さ10μmの帯
状で銅箔の負極集電体の両側に同じ厚さになるように塗
着して負極活物質層を形成し、乾燥させた後、プレスに
より所定厚さとなるまで圧縮し、裁断して、負極を作製
した。なお、後述する電解液注入前の負極の厚さを60
±2μmとし、負極活物質層の密度を1.02g/cm
とした。非黒鉛炭素には、呉羽化学工業(株)製の商
品名カーボトロンPを用いた。
【0015】図3に示すように、作製した帯状の正極及
び負極の間に、これら両極が直接接触しないように厚さ
40μmの微多孔性のポリエチレンフィルムからなる帯
状のセパレータを介して円筒状の捲芯23の周りに渦巻
き状に捲回することにより電極群24を得た。
【0016】電極群24の両端に正極集電体からの電位
を集電するためのリング状の正極集電リング21、負極
集電体からの電位を集電するためのリング状の負極集電
リング25を配置して、正極集電リング21、負極集電
リング25の周縁にそれぞれ正極集電体、負極集電体か
ら延出された上端部、下端部を溶接した。正極集電リン
グ21、負極集電リング25を、それぞれ正、負極集電
リング21、25を支持する正、負極集電リング支えを
介して捲芯23の両端部に固定し集電リング付き電極群
を得た。
【0017】この集電リング付き電極群を、負極集電リ
ング25側が底になるように円筒状の有底電池缶22内
に挿入し、負極集電リング25に予め溶接しておいた断
面逆ハット状の負極リード板のハット先端平面部を電池
缶22に溶接した。その際、負極集電リング25と電池
缶22との間には、電極群24を固定するための負極集
電リングスペーサを配置した。
【0018】一方、正極集電リング21上面にリボン状
の導電性部材を多層に積層した正極リード板15を予め
溶接しておき、上蓋10bの底面に上蓋リード板17を
溶接によって取り付けておいて、正極リード板15及び
上蓋リード板17の自由端同士を溶接した。この状態で
電池10は、上蓋10bが正極リード板15、上蓋リー
ド板17及び正極集電リング21を介して電極群と接続
された状態となっており、電池10の上部には開口10
aが形成されている(図1参照)。なお、正極リード板
15及び上蓋リード板17の溶接前に正極集電リング2
1の周縁上部に正極集電リングスペーサを配置した。こ
の状態の電池10を、真空乾燥器により圧力−0.1M
Paで72h乾燥させ、電極群24内部に存在する水分
及びNMPの除去を行った。
【0019】次に、電解液注入装置により、電池10内
に電解液を所定量(50ml)注入した。なお、電解液
は、体積比にして30:50:20のエチレンカーボネ
ート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジエ
チルカーボネート(DEC)の混合溶媒に、1モル濃度
となるように6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を
溶解したものを用いた。
【0020】(電解液注入装置の構成)図1に示すよう
に、電解液注入装置40は、密閉チャンバ部1を有する
密閉機構部40aと、電解液貯蔵部2内の電解液を押し
出す押し出し機構部40bとで構成されている。密閉機
構部40aは、床面に当接載置するための基台5を備え
ている。基台5上には、円柱状のピストン7を上下方向
に摺動させるピストン駆動部6及び板状の支持部材11
が固定されている。ピストン7の上端には、密閉チャン
バ部1を支持する円柱状の支持固定台8が連設されてい
る。密閉チャンバ部1は、支持部材11に固定された円
盤状の上板部材1aと、上板部材1aの底面に上端が密
着固定された円筒部材1bと、支持固定台8の上面に固
定された有底円筒部材1cとを有している。有底円筒部
材1cの中央部には、上部に開口10aが形成されてい
る状態の電池10を底側から高さ方向で1/2以上を密
着して挿入可能な電池挿入穴が形成されている。また、
円筒部材1bの下端と、有底円筒部材1cの上端とは気
密を保持可能なように嵌合構造が採用されており、円筒
部材1bの下端と有底円筒部材1cの上端とを嵌合させ
た状態で、円筒部材1b内には、開口10aを含む電池
10の上部側と正極集電リング21に接続された上蓋1
0bとを収容して密閉した密閉空間が形成される。
【0021】また、円筒部材1bの高さ方向中央部に
は、上述した密閉空間の内部の気圧を変化させる真空ポ
ンプ9に他端が連結されたパイプが接続されている。真
空ポンプ9は、密閉空間の内部の気圧を−0.09〜−
0.06MPaの負圧の範囲に維持することができると
共に、除湿剤を内蔵しており、外気(空気)を取り込ん
で除湿剤を介して除湿し、密閉空間内部の気圧を−0.
09〜−0.06MPaの範囲内で増圧するときに、除
湿したキャリアガス(空気)を密閉空間に供給する。
【0022】一方、押し出し機構部40bは、床面に当
接載置するための基台14を備えており、基台14の上
には、伝達部13を介して、ピストン部4と、油圧ピス
トン軸12とが上下方向に摺動可能に固定されている。
従って、油圧ピストン軸12を上下動させることによっ
て、伝達部13と共にピストン軸4aを上下動させるこ
とができる。
【0023】図2に示すように、ピストン部4は、電解
液を貯蔵した電解液貯蔵部2から電解液を押し出すピス
トン軸4aと、ピストン軸4aを内包するシリンダ4b
と、ピストン軸4a及びシリンダ4bの間の気密性を保
つリング状のパッキン4cと、を有している。パッキン
4cは、例えばEDPM等の合成樹脂製で、シリンダ4
bの内周面に密接してピストン軸4aに内周側が固定さ
れており、ピストン軸4aの摺動方向(軸方向)に互い
に逆向きに窪んだ2端面を有している。このピストン軸
4aの下端が上述した油圧伝達部13に上下方向に摺動
可能に固定されている。
【0024】電解液貯蔵部2の下部には、ピストン軸4
aの先端部が挿入されている。一方、電解液貯蔵部2の
上端には、密閉チャンバ部1と電解液貯蔵部2とを密閉
連通するパイプ3が接続されている。パイプ3の他端側
(密閉機構部40a側)には上板部材1aの中央部を貫
通し開口10a近傍で電解液を排出して電解液を電池1
0内に注入するためのノズル3aが連結されている。こ
のため、油圧ピストン軸12の上方移動速度を調整する
(ピストン軸4aの上方移動速度を調整する)ことで、
ピストン軸4aが電解液貯蔵部2内の電解液を押し出す
速度を可変とすることができ、ノズル3aからは油圧ピ
ストン軸12の上方移動に応じて電解液量が排出される
構成とされている。
【0025】(動作)次に、電解液注入装置40の動作
(電解液注入の手順)について説明する。
【0026】まず、支持固定台8を下降させておき、有
底円筒部材1cの電池収容穴内に電池10を挿入収容す
る。次に、ピストン駆動部6を駆動してピストン7を所
定の高さまで上昇させ、有底円筒部材1cの上端と円筒
部材1bの下端とを嵌合させて円筒部材1b内に密閉空
間を形成する。これにより、電解液の注入を開始する前
に、密閉チャンバ部1内に上蓋10bが接続され開口1
0aが形成された状態の電池10が密閉収容される。
【0027】次に、真空ポンプ9を作動させて、密閉空
間の内部の気圧を−0.09〜−0.06MPaの負圧
にした後、油圧ピストン軸12を所定速度で移動して、
ピストン軸4aを上方に押し込む。ピストン軸4aが上
昇すると、電解液がパイプ3内を密閉チャンバ部1側へ
移動し、ノズル3aから電解液の注入が開始される。
【0028】所定時間経過後、密閉空間の内部の気圧を
真空ポンプ9で−0.09〜−0.06MPaの範囲内
で増圧させる。これにより、電解液の電極群24への浸
透が促進される。その後、密閉空間の内部の気圧を増圧
したままの気圧に保ち、油圧ピストン軸12を所定速度
で移動してピストン軸4aが電解液を押し出す速度を、
電極群24に電解液が浸透する速度に対応させて一定と
した。電池10内に電解液が所定量注入された時点で油
圧ピストン軸12の移動を停止する。
【0029】その後、支持固定台8を下降させて、電池
10を有底円筒部材1cから取り出し、図3に示すよう
に、絶縁性のガスケット18を介して上蓋10bを開口
10aを形成する電池缶22上部の周縁部でカシメるこ
とにより円筒型リチウムイオン二次電池30を作製し
た。
【0030】本実施形態の電解液注入装置40によれ
ば、密閉チャンバ部1と電解液貯蔵部2とがパイプ3に
より密閉連通されているので、電解液貯蔵部2の内部の
電解液の圧力は常に密閉チャンバ部1の圧力と等しく、
電解液貯蔵部2の内部の電解液を押し出す力はピストン
軸4aからのみ発生するので、ピストン軸4aを押し出
す速度が油圧ピストン軸12で調整されて、密閉チャン
バ部1の内部で電解液が飛散することなく電解液を注入
することができる。また、電解液の飛散がないので、電
池10の開口10aを密閉する必要がないため、電池1
0の外径とほぼ等しい外径の上蓋10bが接続された電
池10を密閉チャンバ部1で密閉収容することができ
る。このため、電解液を拭き取ったり、正極リード板1
5及び上蓋リード板17の自由端同士の溶接を後回しに
して別工程とする必要がなくなると共に、電解液の注入
前に上蓋リード板17及び正極リード板15とを接合す
るので、上蓋リード板17及び正極リード板15の接合
強度に優れた電池10を得ることができる。従って、本
実施形態の電解液注入装置40により電解液が注入され
た電池10は、上蓋リード板17及び正極リード板15
が多積層構造とされた電気自動車用の大型電池に好適で
ある。
【0031】また、本実施形態では、油圧ピストン軸1
2の移動速度を調整して、ピストン軸4aが電解液を押
し出す速度を、電極群24に電解液が浸透する速度に対
応するようにしたので、電解液が飛散することなく短時
間で電解液を注入することができる。
【0032】更に、本実施形態では、密閉チャンバ部1
の内部の圧力を負圧又は増圧した場合、電解液貯蔵部2
の内部の圧力も負圧又は増圧となる。このとき電解液が
電解液貯蔵部2から流出するのを防止するためにはピス
トン軸4a及びシリンダ4b間の気密性を保つ必要があ
る。気密性を保つためにOリングやピストン軸4aの軸
方向に窪んだ1凹面を有するUパッキンがあるが、Oリ
ングは潤滑油がないと寿命が短く、Uパッキンは、ピス
トン軸4aの軸方向の凹面側からの圧力に対してのみし
か気密性を保てない。パッキン4cは、合成樹脂製のリ
ング状でピストン軸4aの外周面に密接してシリンダ4
bに外周側が埋設されて固定されており、ピストン軸4
aの軸方向に互いに逆向きに2凹面を有しているので、
ピストン軸4aの軸に沿った2方向から圧力に対して気
密性を保つことができる。従って、電解液注入時でも、
電解液が電解液貯蔵部2から流出することを防止するこ
とができる。
【0033】また、本実施形態の密閉チャンバ部1は、
真空ポンプ9を備えているため、密閉チャンバ部1の内
圧を−0.09〜−0.06MPaの負圧にすることが
できるので、圧力が−0.09MPa以下で電解液に含
まれるガス成分が気化し電解液注入時の電解液の飛散の
原因になることを防ぎ、圧力が−0.06MPa以上で
電極群24への電解液の浸透性が低下するのを避けるこ
とができる。更に、真空ポンプ9は、密閉チャンバ部1
を増圧するときに、除湿したガスを供給することができ
るので、電解液注入時の電解液の飛散を更に抑制するこ
とができる。
【0034】なお、本実施形態では、円筒型リチウムイ
オン二次電池30を例示したが、円筒型に限定されるも
のではなく、例えば、角型の電池に適用してもよいし、
二次電池に限定されるものではなく、一次電池に適用し
てもよい。
【0035】また、本実施形態では、ピストン軸4aを
上下動させるために油圧を用いて例示したが、これに限
定されるものではなく、例えば水圧や空気圧を用いて伝
達するようにしてもよく、また、伝達部13を設けずピ
ストン部4に直接加圧する構成を採用するようにしても
よい。
【0036】更に、本実施形態では、密閉チャンバ部1
を上板部材1a、円筒部材1b及び有底円筒部材1cで
構成した例を示したが、これに限定されるものではな
く、例えば蓋状部材と有底円筒状の部材とで電池を密閉
収容するようにしてもよく、更に、真空ポンプ9を円筒
部材1bの側面に連結した例を示したが、上板部材1a
に連結するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の態
様によれば、チャンバ部と電解液貯蔵部とが連通部によ
り密閉連通されているので、電解液貯蔵部内の電解液の
圧力は常にチャンバ部の圧力と等しくなり、電解液貯蔵
部内の電解液を押し出す力はピストン部からのみ発生す
るので、ピストン部の押し出し速度を調整することで、
チャンバ部の内部で電解液が飛散すること無く注入する
ことができると共に、電解液の飛散が無いので、電池の
開口を密閉する必要がないため、電池缶の外形とほぼ等
しい外形の上蓋を接合した電池をチャンバ部に密閉収容
することができる、という効果を得ることができる。ま
た、本発明の第2の態様によれば、電解液が未注入の電
池の内圧を負圧にして電解液を貯蔵する電解液貯蔵部か
ら電池内に電解液を押し出すことで、電池の内部で電解
液が飛散すること無く電解液の注液を開始でき、所定時
間経過後、電池の内圧を増圧に転じることで、極板群へ
の電解液の浸透を確保することができ、浸透速度に対応
させて電解液を注入することで、電解液が飛散すること
無く極板群への電解液の浸透を確保することができる、
という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の電解液注入装置
の概略図である。
【図2】実施形態の電解液注入装置のピストン部の拡大
断面図である。
【図3】実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池の断
面図である。
【図4】従来の電解液注入装置の概略図である。
【符号の説明】
1 密閉チャンバ部 1a 上板部材(チャンバ部の一部) 1b 円筒部材(チャンバ部の一部) 1c 有底円筒部材(チャンバ部の一部) 2 電解液貯蔵部 3 パイプ(連通部) 4 ピストン部 4a ピストン軸 4b シリンダ 4c パッキン 9 真空ポンプ(圧力源) 10 電池 10a 開口 10b 上蓋 40 電解液注入装置
フロントページの続き Fターム(参考) 5H023 AA03 AA10 BB05 BB10 5H029 AJ14 AK03 AL06 AM03 AM05 AM07 BJ14 CJ13 CJ30 HJ15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上蓋が接続され電解液が未注入の電池を
    収容密閉するチャンバ部と、電解液を貯蔵する電解液貯
    蔵部と、前記電解液貯蔵部と前記チャンバ部とを密閉連
    通する連通部と、前記電解液貯蔵部に貯蔵された電解液
    を押し出すピストン部とを備えた電解液注入装置。
  2. 【請求項2】 前記ピストン部による電解液の押し出し
    速度は、前記電池内の電極板内部に電解液が浸透する速
    度に対応させたことを特徴とする請求項1に記載の電解
    液注入装置。
  3. 【請求項3】 前記ピストン部は、ピストン軸と、該ピ
    ストン軸を内包するシリンダと、前記ピストン軸及び前
    記シリンダ間の気密を保つパッキンとを有し、該パッキ
    ンは前記ピストン軸の周りに固定されたリング状であ
    り、前記ピストン軸の摺動方向に互いに逆向きの窪んだ
    2端面を有することを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の電解液注入装置。
  4. 【請求項4】 前記チャンバ部は、内部の気圧を変化さ
    せる圧力源を有することを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれか一項に記載の電解液注入装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力源は、前記チャンバ部の内圧を
    −0.09乃至−0.06MPaの負圧とすることを特
    徴とする請求項4に記載の電解液注入装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力源は、前記チャンバ部を増圧す
    るときに、除湿したガスを供給することを特徴とする請
    求項4又は請求項5に記載の電解液注入装置。
  7. 【請求項7】 電解液が未注入の電池の内圧を負圧にし
    て電解液を貯蔵する電解液貯蔵部から前記電池内に電解
    液を押し出して注入を開始し、所定時間経過後、前記電
    池の内圧を増圧に転じて該電池内の極板群内部に電解液
    を浸透させ、該浸透速度に対応させて電解液を注入する
    ことを特徴とする電解液注入方法。
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