JP2002274504A - 密閉ケースに充填液を充填する充填方法と充填装置 - Google Patents

密閉ケースに充填液を充填する充填方法と充填装置

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JP2002274504A
JP2002274504A JP2001073178A JP2001073178A JP2002274504A JP 2002274504 A JP2002274504 A JP 2002274504A JP 2001073178 A JP2001073178 A JP 2001073178A JP 2001073178 A JP2001073178 A JP 2001073178A JP 2002274504 A JP2002274504 A JP 2002274504A
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liquid
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Toyohide Kubo
豊秀 久保
Noriyasu Katou
憲泰 加藤
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AWA ENG KK
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AWA ENG CO
AWA ENG KK
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Basic Packing Technique (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Filling, Topping-Up Batteries (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 密閉ケースを充分に減圧して空気を充分に排
気しながら、充填液を変質させることなく、理想的な状
態でより速やかに密閉ケースに充填する。 【解決手段】 密閉ケースに充填液を充填する方法は、
所定量の充填液3を一時貯溜室20に蓄え、一時貯溜室
20に蓄えた充填液3を、密閉ケース1に開口している
注液開口1Aに連結する注液ノズル39でもって、一時
貯溜室20から密閉ケース1に注入する。さらに、充填
方法は、密閉ケース1内の気体を排気して密閉ケース1
内を減圧すると共に、一時貯溜室20の気体を排気して
一時貯溜室20を減圧し、減圧された密閉ケース1内に
一時貯溜室20から充填液3を充填する。とくに、本発
明の充填方法は、密閉ケース1と一時貯溜室20とを別
々に減圧し、減圧した密閉ケース1内に一時貯溜室20
から充填液3を充填している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、コンデ
ンサー、電池、液晶表示装置等の密閉ケースに、電解液
等の充填液を充填する方法と装置に関する。とくに、本
発明は、電池やコンデンサーのように、ケース内の隙間
が狭いために速やかに充填液を充填するのが難しい密閉
ケースに速やかに充填液を充填するのに最適な充填液の
充填方法と充填装置に関する。
【従来の技術】
【0002】オイルコンデンサーや電池は、電極群を入
れた密閉ケースに充填液を充填した後、密閉ケースの注
液開口を閉塞して製造される。密閉ケースに充填液を充
填するとき、電極群の隙間に充填液を含浸させるには時
間がかかる。とくに、電極板を密に積層した電極群を内
部に収納した密閉ケース、たとえば、コンデンサーやリ
チウムイオン二次電池のケースは、充填液の充填に極め
て時間がかかる。それは、密閉ケースに充填液を充填し
ても、充填液は電極群の隙間にスムーズに浸透されない
からである。充填液の浸透に時間がかかると、この間
に、密閉ケース内に不純物が侵入し易くなる弊害があ
る。この弊害を防止するために、充填液を充填した密閉
ケースを最適な環境に調整されたストックヤードに保存
して静置する必要がある。さらに、静置する湿度等の環
境が適正でないと、水分が浸入して電気特性を低下させ
る等の弊害も発生する。さらにまた、多量の密閉ケース
を静置するために広いストックヤードを必要とする。ま
た、能率よくコンデンサーや電池を多量生産できない欠
点もある。
【0003】このため、従来は、垂直に立てた密閉ケー
スに必要な所定の量の充填液を充填し、その後長い時間
静置して、電極群の隙間に徐々に充填液を浸透させてい
た。この方法は充填液を電極群に含浸させるのに時間が
かかって、能率よく充填液を充填できない欠点がある。
さらに、この方法は、密閉ケースに所定量の充填液を充
填すると、充填液が密閉ケースから溢れる。密閉ケース
に充填した充填液が漏れるのは、充填液の注液量を、電
極群に含浸された状態で適量になるように決定されるに
もかかわらず、充填液が電極群の隙間に速やかに含浸し
ないため、密閉ケースから溢れてしまうためである。し
たがって、図1に示すように、密閉ケース1の開口部
に、封口ガスケット13で水密にカバー2を装着し、カ
バー2の内部に、必要な量の充填液3を充填して静置し
ている。密閉ケース1に一つずつカバー2を装着するに
は手間がかかり、充填液3を能率よく密閉ケース1に充
填することを難しくしている。また、充填液3を電極群
4の隙間に十分に含浸させるために、例えば2時間静置
しておく必要があり、極めて生産効率が悪い。多量生産
するためには、多くの設備が必要になり、カバー2の装
着も大変な手間となる。
【0004】充填液を速やかに電極群に含浸させるため
に、充填液を入れた密閉ケースの開口部を気密に閉塞
し、閉塞した密閉ケースの開口部を真空ポンプで減圧す
る装置が開発されている。この装置は、密閉ケース内を
減圧するので、電極群の隙間にある空気が気泡となって
充填液の液面に浮上する。このため、静置する方法に比
較すると、相当に速い時間で充填液を電極群の隙間に充
填できる。ただ、この装置は、減圧したときに、電極群
の隙間にあった空気が気泡になるが、この気泡が微細な
ために、速やかに充填液の液面に浮上しない欠点があ
る。微細な気泡は、電極群の表面に付着し、あるいは、
電極群の隙間からスムーズに排出されず、充填液の液面
に速やかに浮上しない。このため、この装置は、充填液
を電極群の隙間に充分に浸透させる時間を、充分に満足
できる程度にまでは短くできない。充填液を電極群に浸
透させる時間は、電極群の隙間、すなわち密度にもよる
が、約数分間はかかって、1分以内に短縮することが難
しい。
【0005】本発明者は、さらに、充填液の充填時間を
短縮するために、減圧するのに代わって、充填液を充填
した密閉ケースの開口部を閉塞して加圧する装置を開発
した。この装置は、密閉ケース内を1気圧以上に加圧で
きるので、充填液を強制的に浸透させることで、減圧す
る装置に比較すると、より短時間で充填液を浸透できる
特長がある。ただ、この装置は、いったんは電極群の隙
間に含浸させた充填液が、密閉ケースの加圧状態を開放
して大気圧に戻した瞬間に、密閉ケースから飛び出して
しまう欠点がある。それは、密閉ケースの加圧状態を開
放した瞬間に、電極群の隙間で加圧されて小さく押し潰
されていた気泡が、大きく膨張するからである。
【0006】以上のように、密閉ケースの開口部を閉塞
して減圧する装置は、電極群の隙間にある空気をスムー
ズに排出するのが難しくて含浸に時間がかかる欠点があ
り、反対に密閉ケースを加圧する装置は、電極群の隙間
にある空気が膨張して含浸された充填液を飛び出させる
欠点がある。
【0007】本発明者は、減圧と加圧とを特別な条件で
組み合わせることにより、従来の装置では実現できない
短い時間で、定量の充填液を充填することに成功した。
この装置は、図2に示すように、セパレータを介して積
層された電極群4の挿入された密閉ケース1を気密に閉
鎖する充填密閉シリンダー5と、この充填密閉シリンダ
ー5で閉鎖される密閉ケース1内を減圧できる減圧機
と、充填密閉シリンダー5で閉鎖される密閉ケース1の
開口部に充填液3を注入する注液ノズル7と、この注液
ノズル7に連通されている充填液3の一時貯溜室8と、
一時貯溜室8に蓄えられる充填液3を押し出して、注液
ノズル7でもって密閉ケース1に充填液3を注液するピ
ストン9と、このピストン9を駆動する押圧機構10と
を備える。
【0008】以上の充填装置は、図3ないし図6に示す
ように、充填密閉シリンダー5で密閉ケース1の開口部
を気密に閉塞し、減圧機で密閉ケース1内を減圧する状
態で、ピストン9を駆動して、一時貯溜室8の充填液3
を注液ノズル7から密閉ケース1に注液する。
【0009】この装置は、下記のようにして、密閉ケー
スに充填液3を注液する。 図3に示すように、充填密閉シリンダー5が、電極
群4の挿入された密閉ケース1を気密に閉塞する。供給
ノズル11を移動して、一時貯溜室8に充填液3を充填
する。 図4に示すように、ピストン9を降下させた後、減
圧機が充填密閉シリンダー5で閉鎖された密閉ケース1
を減圧する。この工程で、密閉ケース1内の空気が排気
される。このため、電極群4の隙間にある空気も排気さ
れる。 図5に示すように、ピストン9が一時貯溜室8の充
填液3を押し出して、密閉ケース1に注液する。密閉ケ
ース1に注液された充填液3は、空気が排気された電極
群4の微細な隙間に速やかに浸透して含浸される。ピス
トン9は減圧された密閉ケース1に充填液3を注液する
ために駆動される。すなわち、減圧機が密閉ケース1を
減圧した後にピストン9が充填液3を注液する。 減圧機は密閉ケース1内を減圧した後、図6に示す
ように、圧力を上昇させて注液された充填液3を電極の
隙間にさらに速やかに含浸させる。
【0010】以上のようにして、充填液3を密閉ケース
1に注液する装置は、気密に閉鎖した密閉ケース1に減
圧状態で充填液3を注液する。減圧された状態で密閉ケ
ース1に充填液3を注液するので、電極群4の空隙にあ
る空気を、気泡状態として充填液3上に浮上させて排気
する必要はない。空気は、充填液3の充填される前に電
極群4の隙間を通過して、速やかに排気される。隙間か
ら空気を排気した電極群4に充填される充填液3は、速
やかに電極群4の微細な空隙に浸透する。空隙に溜る空
気が、充填液3の浸透を阻害しないからである。したが
って、減圧した状態で密閉ケース1に充填された充填液
3は、速やかに電極群4の隙間に浸透する。
【0011】ただ、この状態において、充填液3は完全
には電極群4の隙間に含浸されない。減圧して電極群4
の隙間にある空気を完全に排気することが難しいからで
ある。空気が残存する電極群4の空隙に充填液3を強制
的に含浸させるために、この装置は、減圧機でもって、
減圧した後に密閉ケース1内の圧力を上昇させる。圧力
が上昇すると、電極群4の隙間に残存する空気の体積が
小さくなる。空気の体積は圧力に反比例するからであ
る。とくに、減圧された状態で膨張している空気は、圧
力を上昇させることによって、体積が減少される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図2の装置は、以上の
ようにして、短時間で充填液3を密閉ケース1に注入で
きる。ただ、この装置においても、一時貯溜室8に蓄え
る充填液3に気泡が含まれていると、気泡が充填液3と
一緒に密閉ケース1に注入されて、コンデンサーや電池
の電気特性を低下させる。この図の装置は、気密チャン
バー12内の空気を排気して、注液ノズル7を介して一
時貯溜室8の上部の空気を排気できる。ただ、注液ノズ
ル7は、充填液3を密閉ケース1に注入する状態になる
と、充填液3で満たされるので、充填液3を密閉ケース
1に注入する状態においては、充填液3に含まれる気泡
を分離して排気できなくなる。このため、一時貯溜室8
で十分に気泡を分離していない充填液3が、注液ノズル
7で密閉ケース1に注入される。さらに、充填液3と一
緒に密閉ケース1に注入された気泡は、簡単に密閉ケー
ス1の外部に排出できない。とくに、注液開口が小さい
密閉ケース1に気泡が注入されると、速やかに排出する
ことが難しく、コンデンサー等の電気特性を低下させ
る。
【0013】本発明者は、さらにこの欠点を解決するこ
とを目的に、図7ないし図14に示す充填装置を開発し
た。この充填装置は、所定量の充填液3を一時貯溜室8
に供給して蓄えて密閉ケース1に注入する。一時貯溜室
8の充填液3は、密閉ケース1の注液開口1Aに、注液
ノズル7を連結して、注液ノズル7でもって、閉鎖状態
の一時貯溜室8から密閉ケース1に注入される。
【0014】この充填装置は、閉鎖状態にある一時貯溜
室8の上部に、気泡分離チャンバー6を設け、気泡分離
チャンバー6に開口された排気口14から一時貯溜室8
の空気を排気して減圧し、減圧状態において、一時貯溜
室8に蓄えられる充填液3の気泡を浮上させて気泡分離
チャンバー6で分離する。さらに、一時貯溜室8におい
て、充填液3から気泡を分離しながら、ここに蓄える充
填液3を、注液ノズル7でもって密閉ケース1に注入す
ることができる。
【0015】したがって、この装置は、充填液に含まれ
る気泡を分離して、密閉ケースに充填できる。しかしな
がら、この装置は、密閉ケースの空気を充分に排気する
ために、とくに、電池のように緻密な電極を最小の隙間
で入れている密閉ケースに、充填液をむらなく充填液を
速やかに短時間で充填するためには、内部に閉じ込めら
れている空気を充分に排気することが大切である。この
ことを実現するには、密閉ケース内を高真空に減圧して
内部の微細な隙間に存在する空気を充分に排気する必要
がある。しかしながら、密閉ケース内を高真空に減圧す
ると、これに連通している一時貯溜室も高真空に減圧さ
れることになる。一時貯溜室が高真空に減圧されると、
ここに蓄えている充填液の沸点が低下して、充填液自体
が沸騰してしまう。充填液が沸騰する種々の成分を含有
するものにあっては沸点が異なるので、成分が変化して
しまう弊害が発生する。また、充填液が沸騰すると、密
閉ケース内を高真空に減圧できなくなってしまう。この
ため、密閉ケース内の空気を充分に排気しながら、充填
液を成分を変更することなく速やかに充填するのが難し
い欠点があった。
【0016】本発明は、さらにこの欠点を解消すること
を目的に開発されたもので、本発明の大切な目的は、密
閉ケースを充分に減圧して空気を充分に排気しながら、
充填液を変質させることなく、理想的な状態でより速や
かに密閉ケースに充填できる充填液の充填方法と充填装
置とを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の密閉ケースに充
填液を充填する方法は、所定量の充填液3を一時貯溜室
20に蓄え、一時貯溜室20に蓄えた充填液3を、密閉
ケース1に開口している注液開口1Aに連結する注液ノ
ズル39でもって、一時貯溜室20から密閉ケース1に
注入する。さらに、充填方法は、密閉ケース1内の気体
を排気して密閉ケース1内を減圧すると共に、一時貯溜
室20の気体を排気して一時貯溜室20を減圧し、減圧
された密閉ケース1内に一時貯溜室20から充填液3を
充填する。とくに、本発明の充填方法は、密閉ケース1
と一時貯溜室20とを別々に減圧することを特徴として
いる。密閉ケース1と一時貯溜室20とを別々に減圧し
た後、減圧した密閉ケース1内に一時貯溜室20から充
填液3を充填している。
【0018】充填液3の充填方法は、一時貯溜室20を
密閉ケース1内よりも高い圧力に減圧して、充填液3を
密閉ケース1に充填することができる。とくに、一時貯
溜室20を密閉ケース1内よりも高い圧力に減圧するこ
とによって、密閉ケース1と一時貯溜室20との圧力差
で密閉ケース1に充填液3を充填できる。この充填方法
は、速やかに充填液3を密閉ケース1に充填できる。
【0019】本発明の充填装置は、密閉ケース1内の気
体を排気して減圧するケース減圧機構21と、このケー
ス減圧機構21の気体排気路25に開閉弁40を介して
連結されると共に、密閉ケース1に充填する充填液3を
蓄える一時貯溜室20と、この一時貯溜室20を閉鎖し
て減圧する貯溜室減圧機構22とを備える。この充填装
置は、開閉弁40を閉弁して、ケース減圧機構21で密
閉ケース1を減圧すると共に、貯溜室減圧機構22で一
時貯溜室20を減圧する。さらに、充填装置は、開閉弁
40を開弁して、ケース減圧機構21で減圧された密閉
ケース1内に一時貯溜室20の充填液3を充填してい
る。
【0020】さらに、請求項5の充填装置は、貯溜室減
圧機構22が、内部に一時貯溜室20を設けている充填
シリンダー35を備える。この充填シリンダー35は、
内部にケース減圧機構21の気体排気路25を有する排
気シリンダー23を配設しており、排気シリンダー23
を充填シリンダー35の内部で軸方向に上下に移動でき
るように配設すると共に、排気シリンダー23の下端に
開閉弁40を設けている。開閉弁40は、排気シリンダ
ー23を上昇させると開弁し、排気シリンダー23を降
下させると閉弁するようにしている。
【0021】充填シリンダー35は、下端に注液ノズル
39を設けて、この注液ノズル39の下端に、密閉ケー
ス1の注液開口1Aに気密に密着されるパッキン44を
設けることができる。この充填シリンダー35は、パッ
キン44によって、注液ノズル39の下端を密閉ケース
1の注液開口1Aに気密に密着できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための密閉ケースに充填液を充
填する充填方法と充填装置を例示するものであって、本
発明は、充填方法と充填装置を下記のものに特定しな
い。
【0023】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0024】図15に示す密閉ケースに充填液を充填す
る充填装置は、密閉ケース1内の気体を排気して減圧す
るケース減圧機構21と、密閉ケース1に充填する充填
液3を蓄える一時貯溜室20と、この一時貯溜室20を
閉鎖して減圧する貯溜室減圧機構22とを備える。
【0025】ケース減圧機構21は、内部に気体排気路
25を有する排気シリンダー23と、排気シリンダー2
3に連通されて密閉ケース1内の気体を排気するケース
減圧機24を備える。
【0026】排気シリンダー23は、細長い円筒状で、
垂直の姿勢に配設されている。排気シリンダー23は、
下端を弁体27で閉塞すると共に、内部に軸方向に延長
された内側ピストン26を挿通している。内側ピストン
26は、排気シリンダー23の内径よりも小さな外径の
ピストンである。排気シリンダー23は、内側ピストン
26を同軸に挿通しており、排気シリンダー23の内側
であって、ピストンの外側を気体排気路25としてい
る。
【0027】さらに、排気シリンダー23は、上端縁か
ら延長して外筒28を連結している。外筒28は、外周
を貫通して排気部29を設けており、この排気部29を
ケース減圧機24に連結している。ケース減圧機24
は、真空ポンプ24Aと電磁弁24Bと流量調整弁24
Cとを備える。ケース減圧機24は、電磁弁24Bを制
御して、気体排気路25を介して密閉ケース1内の空気
を排気して、密閉ケース1内を減圧できるようにしてい
る。ケース減圧機24は、密閉ケース1を、ほぼ真空状
態まで減圧する。真空状態まで減圧される密閉ケース1
は、電極群4の隙間に存在する空気の大部分が排気され
る。
【0028】外筒28の上端部には、内側ピストン26
を排気シリンダー23内で上下に移動させるピストン移
動機構30を連結している。ピストン移動機構30は、
内側ピストン26を上下に移動させるエアーシリンダー
31と、このエアーシリンダー31に供給するエアーを
調整するエアー調整機32を備える。エアーシリンダー
31は、ロッド31Aの先端を内側ピストン26の上端
に固定しており、空気圧でロッド31Aを伸縮させて内
側ピストン26を上下に移動させる。エアー調整機32
は、エアー源32Aと電磁弁32Bと流量調整弁32C
とを備える。エアー調整機32は、エアーシリンダー3
1に供給または排気する空気を制御して、内側ピストン
26に連結されたロッド31Aを伸縮させる。このピス
トン移動機構30は、エアーシリンダー31がロッド3
1Aを伸長すると内側ピストン26を押し下げて、ロッ
ド31Aを収縮すると内側ピストン26を引き上げるよ
うにしている。ただ、ピストン移動機構は、エアーシリ
ンダーに代わって油圧シリンダーを使用することもでき
る。
【0029】内側ピストン26の下端は、排気シリンダ
ー23の下端に連結された弁体27まで延長されてお
り、上下に移動する内側ピストン26の下端面と弁体2
7とで開閉弁33を構成している。弁体27は、中心に
通気孔27Aを開口しており、この通気孔27Aを開閉
弁33を介して気体排気路25に連通している。開閉弁
33は、内側ピストン26が降下されて、内側ピストン
26の下端面が弁体27の上面に当接すると、通気孔2
7Aが閉塞されて閉弁する。逆に、開閉弁33は、内側
ピストン26が上昇されると、内側ピストン26の下端
面が弁体27から離れて開弁され、通気孔27Aを気体
排気路25に連通する。開閉弁33は、内側ピストン2
6と弁体27との当接面にパッキンを設けて、より気密
に開閉できる。
【0030】排気シリンダー23は、上部に第1保持ア
ーム34を連結している。排気シリンダー23は、この
第1保持アーム34を介して第1上下移動機構(図示せ
ず)に連結されている。第1上下移動機構は、第1保持
アーム34を上下方向に移動させて、排気シリンダー2
3を垂直の姿勢で上下に移動させる。
【0031】貯溜室減圧機構22は、充填液3の一時貯
溜室20を設けている充填シリンダー35と、この充填
シリンダー35の上方開口部を気密に閉塞する閉塞蓋3
6と、一時貯溜室20の空気を減圧する貯溜室減圧機3
7を備える。
【0032】充填シリンダー35は、内側に一時貯溜室
20を形成する上側外管35Aと、この充填外管35A
の下端部の内側に連結される内側連結管35Bと、充填
外管35Aの下端に連結されて、充填外管35Aとで内
側連結管35Bを固定する下側外管35Cとを備える。
【0033】上側外管35Aは、円筒状の筒体で、内側
に一時貯溜室20を設けている。上側外管35Aは、内
径を、ケース減圧機構21の排気シリンダー23の外径
よりも大きくしており、内側に排気シリンダー23の下
部を挿入している。上側外管35Aは、排気シリンダー
23を同軸に配設しており、上側外管35Aの内側であ
って排気シリンダー23の外側の空間を一時貯溜室20
としている。一時貯溜室20は、上方を開口しており、
この開口部を充填液3の供給部20Aとしている。
【0034】内側連結管35Bは、上部に、排気シリン
ダー23の下端部が挿入される挿入部38を有し、下部
には、密閉ケース1に充填液3を供給する注液ノズル3
9を有する。内側連結管35Bは、挿入部38の内径
を、上側外管35Aの内径よりも細く成形している。挿
入部38の内径は、排気シリンダー23の下端を挿入で
きるように、排気シリンダー23の外径よりもやや大き
く設計している。内側連結管35Bは、挿入部38の上
部の内面を、上方に向かって次第に太くなるテーパー状
として上側外管35Aの内側面に連結すると共に、挿入
部38の下部の内面を、下方に向かって次第に細くなる
テーパー状として、下端を注液ノズル39に連通してい
る。
【0035】充填シリンダー35に挿入される排気シリ
ンダー23は、充填シリンダー35の内部で軸方向に上
下に移動できるように配設される。上下に移動する排気
シリンダー23と内側連結管35Bは、一時貯溜室20
を注液ノズル38に連通する開閉弁40を備える。開閉
弁40は、排気シリンダー23の下端に連結された弁体
27と、挿入部38の下部に設けられた弁座41とで構
成される。挿入部38は、下部に設けられたテーパー面
を、排気シリンダー23の下端に連結した弁体27が当
接する弁座41としている。図に示す開閉弁40は、弁
座41をテーパー面としているので、弁体27も、弁座
41のテーパー面に沿う、先細のテーパー形状としてい
る。さらに、弁体27は、外周面にOリング42を配設
しており、弁体27と弁座41とを確実に、気密に閉塞
できるようにしている。この構造の開閉弁40は、排気
シリンダー23を上昇させて、弁体27が弁座41から
離れると開弁し、排気シリンダー23を降下させて、弁
体27が弁座41に当接する状態では閉弁する。
【0036】注液ノズル39は、下方に延長された細長
い管である。注液ノズル39は、開閉弁40を介して一
時貯溜室20に連通されると共に、開閉弁33を介して
排気シリンダー23の気体排気路25に連通される。注
液ノズル39は、開閉弁33が閉弁されて開閉弁40が
開弁された状態で一時貯溜室20に連通されて、一時貯
溜室20に充填された充填液3を密閉ケース1に供給す
る。また、注液ノズル39は、開閉弁40が閉弁されて
開閉弁33が開弁された状態で気体排気路25に連通さ
れて、密閉ケース1から空気を排気する。
【0037】さらに、注液ノズル39は、下端部に、注
液ノズル39に対して弾性的に上下に移動する注液部4
3を設けている。注液部43は、注液ノズル39の外側
であって、下側外管35Cの内側に配設されている。注
液部43は、下端に密閉ケース1の注液開口1Aに気密
に密着されるパッキン44を有し、この部分を下側外管
35Cから下方に突出させている。さらに、注液部43
は、弾性体45を介して内側連結部35Bに連結されて
いる。図に示す弾性体45は、押しバネで、注液部43
を下方に弾性的に押し出している。この構造の注液部4
3は、充填シリンダー35の下側外管35Cに対して出
入して、密閉ケース1に当接して押圧された状態で密閉
ケース1の注液開口1Aを気密に密閉できる。ただ、注
液ノズルは、弾性的に出入りする注液部を設けることな
く、下端にパッキンを設けて、直接に密閉ケースの注液
開口に密着させることもできる。
【0038】閉塞蓋36は、充填シリンダー35の上方
に位置して、上下方向に移動できるように配設されてい
る。図に示す閉塞蓋36は、排気シリンダー23の外周
に沿って配設された筒体で、この筒体を貫通している排
気シリンダー23に沿って上下方向に移動できるように
している。この構造の閉塞蓋36は、排気シリンダー2
3をガイドに併用しながら閉塞蓋36を上下に移動でき
る。逆に、排気シリンダー23を上下に移動させるとき
は、この筒状の閉塞蓋36がガイドの働きをする。
【0039】閉塞蓋36は、下端に充填シリンダー35
の上方開口部を気密に閉塞する閉塞部36Aを有する。
閉塞部36Aは、下方に突出する凸部を有し、この凸部
を充填シリンダー35の開口部に挿入できるようにして
いる。閉塞部36Aの凸部は、外周にOリング46を備
え、充填シリンダー35の開口部を閉塞する状態で、気
密に閉塞できるようにしている。閉塞蓋36は、第2保
持アーム47で保持されており、この第2保持アーム4
7を第2上下移動機構(図示せず)に連結して、上下に
移動できるようにしている。閉塞蓋36は、第2上下移
動機構で駆動されて一時貯溜室20の上方開口部を閉塞
し、あるいは開放する。
【0040】さらに、充填シリンダー35は、一時貯溜
室20を貯溜室減圧機37に連結するために、上側外管
35Aの上端部の外周を貫通して吸引部48を設けてお
り、この吸引部48を貯溜室減圧機37に連結してい
る。貯溜室減圧機37は、真空ポンプ37Aと電磁弁3
7Bと流量調整弁37Cとを備える。貯溜室減圧機37
は、電磁弁37Bを制御して、一時貯溜室20から空気
を排気して一時貯溜室20内を減圧できるようにしてい
る。貯溜室減圧機37は、一時貯溜室20を密閉ケース
1内よりも高い圧力に減圧する。密閉ケース1内の充填
液3が減圧によって沸騰するのを防止すると共に、密閉
ケース1と一時貯溜室20との圧力差で、速やかに充填
液3を密閉ケース1に充填するためである。したがっ
て、貯溜室減圧機37は、減圧によって充填液3が沸騰
しない範囲で一時貯溜室20を減圧する。
【0041】充填シリンダー35は、下側外管35Cに
第3保持アーム49を連結しており、この第3保持アー
ム49を介して第3上下移動機構(図示せず)に連結さ
れている。第3上下移動機構は、第3保持アーム49を
上下方向に移動させて、充填シリンダー35を垂直の姿
勢で上下に移動させる。
【0042】さらに、図16に示す充填装置は、注液ノ
ズル39の下方に、密閉ケース1を定位置に確実に配置
させる土台50を設けている。土台50は、電極群4の
挿入された密閉ケース1を装着して、これを定位置に配
置する。密閉ケース1は、土台50に垂直に挿入して定
位置に保持される。
【0043】土台50は、充填シリンダー35の下部に
位置し、密閉ケース1を定位置に固定するための支持部
50Aを有する。支持部50Aは、密閉ケース1に充填
液3を充填するときに、密閉ケース1を定位置に保持す
るためのもので、例えば密閉ケース1の側面を挟着する
部材や、密閉ケース1を挿入する挿入口等の構造が使用
できる。
【0044】さらに、土台50は、密閉ケース1を搬送
するキャリアにも併用され、充填液3を充填しようとす
る密閉ケース1を保持して、充填シリンダー35の下方
に移動する。ひとつの密閉ケース1に充填液3が充填さ
れると、土台50が移動して、次に充填液3を充填する
密閉ケース1を保持している土台50が充填シリンダー
35の下方に移動する。順次、密閉ケース1を充填シリ
ンダー35の下方に移送して、次々と密閉ケース1に充
填液3を充填する。また、一つの土台に一つのケースを
保持する構造の他、一つの大きな土台に複数のケースを
保持する構造も使用できる。
【0045】充填液3の注入される密閉ケース1は、内
部に、セパレータ等を介して積層された電極群4を挿入
している。密閉ケース1は、上面に、充填液3を注入す
るための注液開口1Aを開口している。密閉ケース1の
注液開口1Aは、ケース1の上端に封口板を固定して、
封口板の貫通孔で設けられる。封口板に開口される注液
開口1Aは、充填液3を注入した後に気密に閉塞され
る。したがって、封口板の注液開口1Aは、できる限り
小さく、たとえば、1〜2mmの直径に開口される。小
さい注液開口1Aは、充填液3を注入した後に、簡単か
つ容易に、しかも確実に気密に閉塞できる。小さい注液
開口1Aは、充填液3を短時間で注入するのが難しくな
るが、本発明の充填装置は、小さい注液開口1Aも、ス
ムーズに短時間で充填液3を注入できる。
【0046】充填液3を充填するケース1は、コンデン
サーや電池のケース1で、内部に電極群4を収納してお
り、充填液3を充填して閉塞する。特に、高性能化を図
るために電極板を高密度に積層した電極群4は、隙間が
ほとんどないので、充填液3の充填が困難である。本発
明の充填装置は、このような電極群を収納したケース1
に、効率よく充填液3を充填する。また、この装置は、
充填液3に限らず、隙間の狭い部分に液体を充填する他
のものにも応用できる。
【0047】以上の構造の充填装置は、以下のようにし
て密閉ケースに充填液を充填する。 図16に示すように、密閉ケース1を土台50にセ
ットする。密閉ケース1は、セパレータを介して積層さ
れた電極群4を挿入しており、上端面に注液開口1Aを
開口している。このとき、充填シリンダー35は上昇位
置にある。密閉ケース1のセットされた土台50を充填
シリンダー35の下部に位置させる。
【0048】 排気シリンダー23を降下させて、一
時貯溜室20の底部の開閉弁40を閉弁する。閉塞蓋3
6を上昇させて、一時貯溜室20の上方を開放する。一
時貯溜室20に所定量の充填液3を供給する。充填液3
は、例えば、供給ノズル51から供給される。供給ノズ
ル51は、先端を充填シリンダー35上端の開口部であ
る供給部20Aに位置させることができるように、供給
ノズル移動機構(図示せず)に連結される。また供給ノ
ズル51は、充填液3の貯蔵タンク(図示せず)に連結
されており、貯蔵タンクから充填液3が定量供給され
る。充填される充填液3の量は、一本の密閉ケース1に
必要とされる量とする。一時貯溜室20に供給された充
填液3は、開閉弁40が閉弁されているので注液ノズル
39から下に落ちることがなく、一時貯溜室20に溜ま
る。
【0049】 一時貯溜室20に所定量の充填液3が
充填されると、図17に示すように、閉塞蓋36を充填
シリンダー35に向かって降下させて、充填シリンダー
35の上方開口部を閉塞蓋36で閉塞する。一時貯溜室
20が密閉された状態で、一時貯溜室20内の空気を貯
溜室減圧機37で排気して減圧する。このとき、貯溜室
減圧機37は、一時貯溜室37を完全な真空状態にまで
は減圧しない。貯溜室減圧機37は、減圧によって充填
液3が沸騰しない範囲で減圧する。貯溜室減圧機37
は、たとえば、大気圧から730〜710mmHg圧力
が低下するまで減圧する。一時貯溜室20内を減圧する
ことによって、一時貯溜室20に蓄えられる充填液3に
含まれる気泡は浮上して排気される。
【0050】 図18に示すように、充填シリンダー
35と閉塞蓋36と排気シリンダー23とを、密閉ケー
スに向かって一緒に降下させる。すなわち、充填シリン
ダー35の上端が閉塞蓋36で密閉された状態で、か
つ、第2開閉弁40が排気シリンダー23で閉弁された
状態で、充填シリンダー35と閉塞蓋36と排気シリン
ダー23が一体となって降下される。降下する充填シリ
ンダー35は、注液ノズル39の下端に設けられた注液
部43が密閉ケース1に当接して注液開口1Aを閉塞す
る。
【0051】 図19に示すように、内側ピストン2
6を上昇させて、開閉弁33を開弁する。この状態で気
体排気路25は、開閉弁33と注液ノズル39を介して
密閉ケース1の内部に連通される。気体排気路25が密
閉ケース1に連通された状態で、密閉ケース1内の空気
をケース減圧機24で排気して減圧する。このとき、ケ
ース減圧機24は、ほぼ真空状態まで減圧する。真空状
態まで減圧される密閉ケース1は、この工程で、電極群
4の隙間に存在する空気の大部分が排気される。また、
気体排気路25が一時貯溜室20に連通されていないの
で、減圧によって充填液3が沸騰することはない。密閉
ケース1が所定の圧力まで減圧されると、内側ピストン
26を降下させて開閉弁33を閉弁する。
【0052】 図20に示すように、排気シリンダー
23を上昇させて開閉弁40を開弁する。一時貯溜室2
0の充填液3は、注液ノズル39を通過して、密閉ケー
ス1に流入される。この状態で、注液ノズル39から密
閉ケース1に充填液3を速やかに注入するために、貯溜
室減圧機37は、一時貯溜室20を大気に開放する。一
時貯溜室20が大気開放されると、密閉ケース1内を減
圧しているので、一時貯溜室20内の充填液3は、上面
と下面の圧力差で速やかに密閉ケース1に流入される。
さらに、密閉ケース1は、真空状態まで減圧されて、電
極群4の隙間の空気が除去されている。このため、充填
液3は、密閉ケース1内の空気に邪魔されることなくス
ムーズに電極群4の隙間に入り込み、極めて効率よく浸
透される。
【0053】貯溜室減圧機37は、一時貯溜室20を大
気に開放することもできるが、ドライエアーの空気源、
あるいは、窒素ガス等の不活性なガス源に連結すること
もできる。さらに、貯溜室減圧機は、加圧ガス源を連結
して、一時貯溜室を加圧することもできる。この装置
は、一時貯溜室を大気圧よりもさらに高い圧力に加圧す
るので、一時貯溜室の充填液をより短時間で密閉ケース
に圧入できる。
【0054】 所定量の充填液3が密閉ケース1内に
供給されると、図20に示すように、充填シリンダー3
5を上昇させる。このときの、密閉ケース1内の圧力
は、大気圧に近い気圧となっている。したがって、注液
ノズル39の注液部43を注液開口1Aから離して密閉
ケース1を大気に開放しても、ほとんど圧力変化はな
く、密閉ケース1内の充填液3が密閉ケース1から飛び
出すことがない。
【0055】 充填液3の充填された密閉ケース1を
土台50から外し、さらに充填液3を充填する別の密閉
ケースを装着し、以下同様の工程を繰り返して充填液を
充填する。
【0056】さらに、本発明の充填装置は、図21に示
すように。充填シリンダー35の下部に気密シリンダー
52を設けて、土台50と密閉ケース1を気密に閉塞す
る気密チャンバー53を設けることもできる。気密シリ
ンダー52は、内側に土台50の支持部50Aを気密に
挿入できる垂直な筒状に形成されている。気密シリンダ
ー52が降下すると、支持部50AのOリング54が気
密シリンダー52の内面に密着して、支持部50Aとで
気密チャンバー53が成形される。気密シリンダー52
は、土台50の支持部50Aの外側に挿入されて密閉ケ
ース1を気密チャンバー53に収納する。この構造の充
填装置は、密閉ケース1の上端に封口板を固定しない
で、すなわち、上端全体を開口した状態で充填液3を充
填できる。
【0057】
【発明の効果】本発明の充填方法と充填装置は、密閉ケ
ースを充分に減圧して空気を充分に排気しながら、充填
液を変質させることなく、理想的な状態でより速やかに
密閉ケースに充填できる特長がある。それは、本発明の
充填方法と充填装置が、密閉ケースと一時貯溜室とを別
々に減圧し、減圧した密閉ケース内に一時貯溜室から充
填液を充填しているからである。本発明の充填方法と充
填装置は、密閉ケースと一時貯溜室とを別々に減圧する
ので、密閉ケースを充分に減圧して密閉ケース内の空気
を充分に排気できると共に、一時貯溜室を、減圧によっ
て充填液を変質させることなく減圧できる。このよう
に、本発明の充填方法と充填装置は、密閉ケースと一時
貯溜室とを、それぞれ理想的な状態で減圧できるので、
充填液をより速やかに効率よく密閉ケースに充填でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の充填方法を示す断面図
【図2】本発明者が先に開発した充填装置の断面図
【図3】図2に示す充填装置が充填液をケースに注液す
る工程を示す断面図
【図4】図2に示す充填装置が充填液をケースに注液す
る工程を示す断面図
【図5】図2に示す充填装置が充填液をケースに注液す
る工程を示す断面図
【図6】図2に示す充填装置が充填液をケースに注液す
る工程を示す断面図
【図7】本発明者が先に開発した他の充填装置の断面図
【図8】図7に示す充填装置が充填液を密閉ケースに注
液する工程を示す断面密閉図
【図9】図7に示す充填装置が充填液を密閉ケースに注
液する工程を示す断面図
【図10】図7に示す充填装置が充填液を密閉ケースに
注液する工程を示す断面図
【図11】図7に示す充填装置が充填液を密閉ケースに
注液する工程を示す断面図
【図12】図7に示す充填装置が充填液を密閉ケースに
注液する工程を示す断面図
【図13】図7に示す充填装置が充填液を密閉ケースに
注液する工程を示す断面図
【図14】図7に示す充填装置が充填液を密閉ケースに
注液する工程を示す断面図
【図15】本発明の実施例にかかる充填装置の断面図
【図16】図15に示す充填装置が充填液を密閉ケース
に注液する工程を示す断面図
【図17】図15に示す充填装置が充填液を密閉ケース
に注液する工程を示す断面図
【図18】図15に示す充填装置が充填液を密閉ケース
に注液する工程を示す断面図
【図19】図15に示す充填装置が充填液を密閉ケース
に注液する工程を示す断面図
【図20】図15に示す充填装置が充填液を密閉ケース
に注液する工程を示す断面図
【図21】本発明の他の実施例にかかる充填装置の断面
【符号の説明】
1…密閉ケース 1A…注液開口 2…カバー 3…充填液 4…電極群 5…充填密閉シリンダー 6…気泡分離チャンバー 7…注液ノズル 8…一時貯溜室 9…ピストン 10…押圧機構 11…供給ノズル 12…気密チャンバー 13…封口ガスケット 14…排気口 20…一時貯溜室 20A…供給部 21…ケース減圧機構 22…貯溜室減圧機構 23…排気シリンダー 24…ケース減圧機 24A…真空ポンプ 2
4B…電磁弁 24C…流量調整弁 25…気体排気路 26…内側ピストン 27…弁体 27A…通気孔 28…外筒 29…排気部 30…ピストン移動機構 31…エアーシリンダー 31A…ロッド 32…エアー調整機 32A…エアー源 3
2B…電磁弁 32C…流量調整弁 33…開閉弁 34…第1保持アーム 35…充填シリンダー 35A…上側外管 3
5B…内側連結管 35C…下側外管 36…閉塞蓋 36A…閉塞部 37…貯溜室減圧機 37A…真空ポンプ 3
7B…電磁弁 37C…流量調整弁 38…挿入部 39…注液ノズル 40…開閉弁 41…弁座 42…Oリング 43…注液部 44…パッキン 45…弾性体 46…Oリング 47…第2保持アーム 48…吸引部 49…第3保持アーム 50…土台 50A…支持部 51…供給ノズル 52…気密シリンダー 53…気密チャンバー 54…Oリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E118 AA04 AB14 BB04 BB15 EA03 EA05 5E082 AB09 BC28 HH01 LL21 MM23 PP07 5H023 AS02 AS10 BB05 CC01 CC06 CC11 CC19 CC22 CC23 CC24 DD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定量の充填液(3)を一時貯溜室(20)に
    蓄え、一時貯溜室(20)に蓄えた充填液(3)を、密閉ケー
    ス(1)に開口している注液開口(1A)に連結する注液ノズ
    ル(39)でもって、一時貯溜室(20)から密閉ケース(1)に
    注入する充填方法であって、 密閉ケース(1)内の気体を排気して密閉ケース(1)内を減
    圧すると共に、一時貯溜室(20)の気体を排気して一時貯
    溜室(20)を減圧し、減圧された密閉ケース(1)内に一時
    貯溜室(20)から充填液(3)を充填する充填方法におい
    て、 密閉ケース(1)と一時貯溜室(20)とを別々に減圧し、減
    圧した密閉ケース(1)内に一時貯溜室(20)から充填液(3)
    を充填することを特徴とする密閉ケースに充填液を充填
    する充填方法。
  2. 【請求項2】 一時貯溜室(20)を密閉ケース(1)内より
    も高い圧力に減圧して、充填液(3)を密閉ケース(1)に充
    填する請求項1に記載される密閉ケースに充填液を充填
    する充填方法。
  3. 【請求項3】 一時貯溜室(20)を密閉ケース(1)内より
    も高い圧力に減圧して、密閉ケース(1)と一時貯溜室(2
    0)との圧力差で密閉ケース(1)に充填液(3)を充填する請
    求項2に記載される密閉ケースに充填液を充填する充填
    方法。
  4. 【請求項4】 密閉ケース(1)内の気体を排気して減圧
    するケース減圧機構(21)と、このケース減圧機構(21)の
    気体排気路(25)に開閉弁(40)を介して連結されると共
    に、密閉ケース(1)に充填する充填液(3)を蓄える一時貯
    溜室(20)と、この一時貯溜室(20)を閉鎖して減圧する貯
    溜室減圧機構(22)とを備え、 開閉弁(40)を閉弁して、ケース減圧機構(21)で密閉ケー
    ス(1)を減圧すると共に、貯溜室減圧機構(22)で一時貯
    溜室(20)を減圧し、開閉弁(40)を開弁して、ケース減圧
    機構(21)で減圧された密閉ケース(1)内に一時貯溜室(2
    0)の充填液(3)を充填するようにしてなる密閉ケースに
    充填液を充填する充填装置。
  5. 【請求項5】 貯溜室減圧機構(22)が内部に一時貯溜室
    (20)を設けている充填シリンダー(35)を備えており、こ
    の充填シリンダー(35)の内部に、ケース減圧機構(21)の
    気体排気路(25)を有する排気シリンダー(23)を配設して
    おり、排気シリンダー(23)を充填シリンダー(35)の内部
    で軸方向に上下に移動できるように配設すると共に、排
    気シリンダー(23)の下端に開閉弁(40)を設けており、排
    気シリンダー(23)を上昇させて開閉弁(40)を開弁し、排
    気シリンダー(23)を降下させて開閉弁(40)を閉弁するよ
    うにしてなる請求項4に記載される密閉ケースに充填液
    を充填する充填装置。
  6. 【請求項6】 充填シリンダー(35)が下端に注液ノズル
    (39)を有し、この注液ノズル(39)の下端に、密閉ケース
    (1)の注液開口(1A)に気密に密着されるパッキン(44)を
    設けている請求項4に記載される密閉ケースに充填液を
    充填する充填装置。
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Cited By (5)

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