JP4220150B2 - 電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置 - Google Patents

電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置 Download PDF

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  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Filling, Topping-Up Batteries (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体を充填しているコンデンサーや電池は、電極群を入れた外装缶に充填液を充填した後、外装缶の注液開口を閉塞して製造される。外装缶に充填液を充填するとき、電極群の隙間に充填液を含浸させるのに時間がかかる。とくに、電極板を密に積層した電極群を内部に収納した外装缶、たとえば、コンデンサーやリチウムイオン二次電池の外装缶は、充填液の充填に極めて時間がかかる。外装缶に充填液を供給しても、充填液が電極群の隙間にスムーズに浸透されないからである。充填液の浸透に時間がかかると、この間に、外装缶内に不純物が侵入し易くなる弊害がある。この弊害を防止するために、充填液を充填した外装缶を最適な環境に調整されたストックヤードに保存して静置する必要がある。さらに、静置する湿度等の環境が適正でないと、水分が浸入して電気特性を低下させる等の弊害も発生する。さらにまた、多量の外装缶を静置するために広いストックヤードを必要とする。また、能率よくコンデンサーや電池を多量生産できない欠点もある。
【0003】
このため、従来は、垂直に立てた外装缶に必要な所定の量の充填液を充填し、その後、長い時間静置して、電極群の隙間に徐々に充填液を浸透させていた。この方法は、充填液を電極群に含浸させるのに時間がかかって、能率よく充填液を充填できない欠点がある。さらに、この方法は、外装缶に所定量の充填液を充填すると、充填液が外装缶から溢れる。外装缶に充填した充填液が漏れるのは、充填液の注液量を、電極群に含浸された状態で適量になるように決定されるにもかかわらず、充填液が電極群の隙間に速やかに含浸しないため、外装缶から溢れてしまうためである。したがって、図1に示すように、外装缶1の開口部に、封口ガスケット61で水密にカバー60を装着し、カバー60の内部に、必要な量の充填液Sを充填して静置している。外装缶1に一つずつカバー60を装着するには手間がかかり、充填液Sを能率よく外装缶1に充填することを難しくしている。また、充填液Sを電極群55の隙間に十分に含浸させるために、例えば2時間静置しておく必要があり、極めて生産効率が悪い。多量生産するためには、多くの設備が必要になり、カバー60の装着も大変な手間となる。
【0004】
充填液を速やかに電極群に含浸させるために、本発明者は、注液ノズルを外装缶の注液開口に気密に押し付け、注液ノズルから外装缶に速やかに注液する装置を開発した。この注液装置は、多数の外装缶に能率よく注液するために、複数の注液ノズルを横1列に並べている。複数の注液ノズルは一緒に上下に移動されて、真下に並べて配置している複数の外装缶の注液開口に各々連結される。この注液装置は、注液ノズルの数と同じ数の外装缶に一緒に注液できるので、能率よく注液できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の注液ノズルを横1列に並べている注液装置は、注液ノズルの間隔に併せて外装缶を配置する必要がある。この装置は、注液ノズルの最小間隔に制限を受ける。注液ノズルの上方に、充填液を供給するためのシリンダー等の注液に必要な機構を設けているからである。注液ノズルの間隔が広くなると、外装缶の間隔も広くする必要がある。注液ノズルの真下に外装缶を配置して、全ての注液ノズルを一緒に降下して、各々の外装缶の注液開口に連結するからである。この注液装置は、注液ノズルの真下に外装缶を配置するので、外装缶の大きさや形状に関係なく、キャリアには一定の間隔で一定の個数の外装缶しか装着できない。製造ラインに使用さるキャリアは、能率よく外装缶を移送するために、できるかぎり多くの外装缶を装着して移送している。このため、薄い角型電池等は、ピッチをつめてキャリアに装着して移送している。しかしながら、従来の注液装置は、注液ノズルの真下に外装缶を配置する必要があるので、薄い角型電池の外装缶をも注液ノズルのピッチに合わせてキャリアに装着する必要がある。このため、薄い角型電池の外装缶等は、注液装置に専用のキャリアに載せ代えてセットしているのが実状である。このため、薄い角型電池の外装缶等にあっては、キャリアに装着するのに手間がかかる欠点がある。また、注液装置に専用のキャリアに載せ代えした外装缶は、次の工程で能率よく移送するために、ふたたび別のキャリアに接近させて載せ代えする必要があり、さらに手間がかかる欠点がある。したがって、従来の注液装置は、種々の形状の外装缶に能率よく注液することが難しく、注液する外装缶が変更されると、その作業に手間がかかる欠点があった。
【0006】
本発明は、このような欠点を解決することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、広範囲な外形の外装缶に対応して、能率よく注液して搬送できる電池またはコンデンサーの外装缶に電解液を注液する注液装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の注液装置は、電極群55を内蔵している複数の外装缶1を所定の配列で装着しているキャリア2と、このキャリア2を供給位置から注液位置に、さらに注液位置から排出位置に移動させる供給排出機構3と、供給排出機構3でもって注液位置に移動されたキャリア2に装着している外装缶1の注液開口1Aに注液ノズル15を気密に密着させて、注液ノズル15から外装缶1に注液する注液機構4とを備える。注液機構4は、キャリア2に装着している複数の外装缶1の個数よりも少ない複数の注液ノズル15を備え、各々の注液ノズル15の先端と、キャリア2に装着されている外装缶1の注液開口1Aとの相対位置を、注液ノズル15を注液開口1Aに連結できる位置に配設している。さらに、注液機構4は、キャリア2を水平方向に移動させて、全ての外装缶1を注液ノズル15に連結できる位置に移動させる水平移動機構16を備える。注液装置は、各々の注液ノズル15を外装缶1の注液開口1Aに連結して、注液ノズル15の数と同じ数の外装缶1に注液すると共に、水平移動機構16でキャリア2と注液ノズル15のいずれか、または両方の位置を水平方向に移動させて、残りの外装缶1の注液開口1Aを注液ノズル15に連結して、全ての外装缶1に充填液Sを注液する
【0008】
注液装置は、キャリア2に一定のピッチで複数の外装缶1を装着して、注液機構4の注液ノズル15の間隔を、キャリア2に並べて装着している外装缶1の注液開口1Aのピッチの整数倍としている。さらに、注液装置は、注液ノズル15の数を、キャリア2に装着している外装缶1の整数分の1としている。
【0009】
キャリア2に装着する外装缶1は、電池の外装缶あるいはコンデンサーの外装缶とすることができる。電池の外装缶は、角型電池または円筒型電池の外装缶とすることができる。キャリア2は、外装缶1を1列に並べて配設することができる。
【0010】
供給排出機構3は、好ましくは、供給位置に配設している供給コンベア8と、排出位置に配設している排出コンベア9とを備え、供給コンベア8と排出コンベア9とを互いに平行で水平面内で位置をずらせて配設すると共に、供給コンベア8と排出コンベア9との間に注液位置を配設することができる。さらに、供給排出機構3は、好ましくは、供給コンベア8の注液位置から排出コンベア9の排出位置にキャリア2を移送する横移送機構10を備える。
【0011】
さらに、注液装置は、キャリア2に位置決嵌入部7を設けると共に、この位置決嵌入部7に嵌入されてキャリア2を定位置に保持する往復運動機構19を水平移動機構16に設けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための注液装置を例示するものであって、本発明は注液装置を下記のものに特定しない。
【0013】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0014】
図1ないし図3に示す外装缶に充填液を注液する注液装置は、複数の外装缶1を横一列に並べているキャリア2と、このキャリア2を供給位置から注液位置に、さらに注液位置から排出位置に移動させる供給排出機構3と、この供給排出機構3で注液位置に移動されたキャリア2に装着している外装缶1に注液する注液機構4とを備える。
【0015】
キャリア2に装着される外装缶1は、電池の外装缶、またはコンデンサーの外装缶である。電池の外装缶は、充填液を充填した後、注液開口1Aを閉塞してリチウムイオン二次電池とする。リチウムイオン二次電池やコンデンサーは一対の電極を密に積層して外装缶に入れているので、充填液の含浸に時間がかかる。このため、充填液を注液する工程の時間をいかにして短縮するかが、多量生産において極めて大切となる。ニッケル−水素電池等の最近の電池は、大電流特性を向上させるために、薄い電極を密に集合して対向面積を広くする傾向がある。このことは、充填液の注液時間を長くする。このため、リチウムイオン二次電池やニッケル−水素電池のみでなく他の電池の外装缶にも、速やかに充填液を充填することが要求される。
【0016】
図4の正面図と図5の平面図に示すキャリア2は、角型電池の外装缶1を、互いに平行な姿勢で横一列に並べている。キャリア2は、図6ないし図9に示す配列で外装缶1を装着することもできる。図6のキャリア2は、複数の外装缶1を傾斜する姿勢で横一列に並べている。図7のキャリア2は、複数の外装缶1を縦横に並べている。図8のキャリア2は、円筒型電池やコンデンサーに使用される円筒状の外装缶1を横一列に並べており、図9のキャリア2は、円筒状の外装缶1を縦横に並べている。
【0017】
キャリア2は、図4と図5に示すように、本体部5と、この本体部5の上に固定されて外装缶1を脱着できるように挿入するホルダー部6とを備える。本体部5は、外装缶1に注液するときに、キャリア2を正確な位置に停止させる位置決嵌入部7を有する。位置決嵌入部7は凹部で、図のキャリア2はふたつの位置に停止されるので、ふたつの位置決嵌入部7を有する。ホルダー部6は、外装缶1を垂直に立てた姿勢で挿入して保持するために、外装缶1の外形よりもわずかに大きい内形の嵌入凹部6Aを垂直に設けている。図のキャリア2は、ホルダー部6の嵌入凹部6Aに外装缶1を入れて、一定の間隔で装着している。キャリア2には、注液ノズル15のピッチの整数分の1の間隔で外装缶1を装着している。図のキャリア2は、注液ノズル15のピッチの1/2の間隔で外装缶1を装着している。
【0018】
供給排出機構3は、供給位置に配設している供給コンベア8と、排出位置に配設している排出コンベア9と、供給コンベア8の注液位置から排出コンベア9の排出位置にキャリア2を移送する横移送機構10を備える。供給コンベア8と排出コンベア9は、互いに平行で水平面内で位置をずらせて配設しており、供給コンベア8と排出コンベア9との間に注液位置を設けている。したがって、注液位置の両側に供給コンベア8と排出コンベア9を配設している。供給コンベア8は、ストッパ11を備える。ストッパ11は、供給コンベア8で移送されてくるキャリア2を供給位置に停止させる。供給位置は、注液位置の真横に位置する。
【0019】
横移送機構10は、キャリア2を横方向に移送して、供給位置から注液位置に移送する。この横移送機構10は、キャリア2を横方向に移送するアーム12と、このアーム12を前後方向と上下方向に移動させる水平シリンダー13と上下シリンダー14とを備える。アーム12は、図1に示すように、供給位置のキャリア2を嵌入して移送する移送凹部12Aを下面に有する。このアーム12は、移送凹部12Aに供給位置のキャリア2を嵌入して移送するとき、先端で注液位置のキャリア2を排出位置に押し出す。この横移送機構10は、供給位置と注液位置にあるふたつのキャリア2を一緒に注液位置と排出位置に移送できる。
【0020】
この横移送機構10は、以下の動作をしてキャリア2を移送する。
(1) 図1の実線位置に待機するアーム12が水平シリンダー13で押し出される。押し出し位置は、移送凹部12Aを供給位置のキャリア2の真上とする位置である。
(2) この位置に移動されたアーム12は、上下シリンダー14で降下されて、移送凹部12Aに供給位置のキャリア2を嵌入する。この状態で、アーム先端の凸部12Bは、注液位置と排出位置とのキャリア2の間に挿入される。
(3) この状態で水平シリンダー13がアーム12を図の鎖線で示す位置まで押し出すと、供給位置のキャリア2は注液位置に、注液位置のキャリア2は排出位置に移送される。
(4) その後、上下シリンダー14がアーム12を上昇させた後、水平シリンダー13がアーム12を実線で示す待機位置に後退させる。
【0021】
注液機構4は、外装缶1に充填液を注液する複数の注液ノズル15と、キャリア2を水平方向に移動させて、外装缶1の注液開口1Aに注液ノズル15を連結できる位置に移動させる水平移動機構16を備えている。複数の注液ノズル15は上下台17に固定されて、一緒に上下すると共に、一緒に外装缶1に注液する。図の注液機構4は、キャリア2に装着している外装缶1の個数の半分の注液ノズル15を備える。図4と図5のキャリア2は、16個の外装缶1を装着しているので、注液機構4は8個の注液ノズル15を備える。外装缶1の半分の個数の注液ノズル15は、その中心間隔を外装缶1の中心間隔の2倍としている。この注液機構4は、1回の注液でひとつのキャリア2に装着している半分の外装缶1、すなわち8個の外装缶1に注液する。したがって、2回の注液でキャリア2に装着している全ての外装缶1である16個の外装缶1に注液できる。この注液機構4は、1回目の注液が完了した後、注液ノズル15と外装缶1との相対位置をキャリア2の縦方向にずらせて、2回目で残り8個の外装缶1に注液する。注液ノズル15と外装缶1の相対位置は、キャリア2と注液ノズル15のいずれか、または両方をキャリア2の縦方向に移動してずらせることができる。図の装置は、キャリア2を縦方向に移動して、注液ノズル15を隣の外装缶1の注液開口1Aの真上に移動させる。ただ、図示しないが、注液ノズルをキャリアの縦方向に移動させて、注液ノズルと注液開口との相対位置をずらせることもできる。ただし、本明細書において、キャリアの縦方向とはキャリアの長手方向を意味し、キャリアの横方向とは、キャリアの短手方向を意味するものとする。
【0022】
注液機構は、3回に分けて注液して、ひとつのキャリアに装着している全ての外装缶に注液することもできる。この注液機構は、ひとつのキャリアに装着している外装缶の1/3の個数の注液ノズルを備える。たとえば、キャリアに18個の外装缶を装着して、注液ノズルの数を6個とする。この注液機構は、注液ノズルの中心間隔を外装缶の中心間隔の3倍としている。この注液機構は、1回の注液で1/3個の外装缶である6個の外装缶に注液し、これを3回繰り返して全ての外装缶である18個の外装缶に注液する。注液が完了する毎に、キャリアまたは注液ノズルをキャリアの縦方向に移動させる。キャリアの移動距離は、外装缶の間隔に等しくする。注液機構が3回に分けて注液する注液装置は、キャリアに3つの位置決嵌入部を設ける。
【0023】
以上のように、注液ノズル15の数をキャリア2に装着している外装缶1の整数分の1(1/n)とする注液機構4は、複数回(n回)で全ての外装缶1に注液することができる。この注液機構4が、図4、図5および図8に示すように、キャリア2に1列に並べている外装缶1に注液する場合、注液ノズル15の中心間隔を外装缶1の中心間隔の整数倍(n倍)とする。図6に示すように、キャリア2が複数の外装缶1を傾斜する姿勢で1列に並べている場合、注液ノズル15の中心間隔を外装缶1の注液開口1Aの間隔の整数倍(n倍)とする。
【0024】
注液機構4は、複数回に分けてキャリア2に装着している全ての外装缶1に注液するので、注液ノズル15の数は、ひとつのキャリア2に装着している外装缶1の個数よりも少ない。ひとつの注液ノズル15が、ひとつのキャリア2に装着している複数の外装缶1に注液するからである。注液機構4は、各々の注液ノズル15の先端、すなわち、下端を、キャリア2に装着している外装缶1の注液開口1Aの真上に位置させる。各々の注液ノズル15の先端と、キャリア2に装着されている外装缶1の注液開口1Aとの相対位置を、注液ノズル15の下端を注液開口1Aに連結できる位置とするためである。外装缶1の注液開口1Aの真上に位置する注液ノズル15は、垂直に降下して、注液開口1Aに連結される。
【0025】
この注液機構4は、各々の注液ノズル15の下端を外装缶1の注液開口1Aに連結して、注液ノズル15の数と同じ数の外装缶1に注液した後、キャリア2と注液ノズル15のいずれか、または両方の位置を水平方向に移動させて、残りの外装缶1の注液開口1Aに注液ノズル15の下端を連結して、キャリア2に装着している全ての外装缶1に注液する。
【0026】
注液ノズル15とキャリア2との相対位置をずらせるために、注液機構4は水平移動機構16を備える。図3は、キャリア2を縦方向に移動させる水平移動機構16を示す。この水平移動機構16は、キャリア2の両端を押圧する一対の押圧シリンダー16Aを備える。一対の押圧シリンダー16Aは、いずれか片方で定位置まで押圧し、他方で所定の圧力で押圧して位置決めする。たとえば、図において右側の押圧シリンダー16Aを定位置まで押し出してキャリア2を第1の停止位置とし、左側の押圧シリンダー16Aで定位置まで押し出してキャリア2を第2の停止位置に停止させる。
【0027】
さらに、水平移動機構16は、キャリア2を第1の停止位置と第2の停止位置で、正確に位置決めして停止させるために、キャリア2の位置決嵌入部7に嵌入ロッド18を嵌入させてキャリア2を定位置に保持する往復運動機構19を備える。図の往復運動機構19は、注液ノズル15を上下に移動させる上下台17に嵌入ロッド18を固定している。嵌入ロッド18は、注液ノズル15と一緒に降下されて、キャリア2の位置決嵌入部7に案内されて、キャリア2を定位置に固定する。この往復運動機構19は、注液ノズル15と嵌入ロッド18を一緒に降下させるので、嵌入ロッド18でキャリア2を定位置に保持して、注液ノズル15の下端を正確に外装缶1の注液開口1Aに案内できる。ただ、嵌入ロッド18は、必ずしも注液ノズル15と一緒に降下させる必要はない。往復運動機構は、装置のフレームに上下に移動できる嵌入ロッドを設け、これをキャリアの位置決嵌入部に案内して、キャリアを定位置に停止することもできる。図4と図5に示すキャリア2は、注液機構4で2回に分けて全ての外装缶1に注液するので、キャリア2の両端部に、それぞれ2個ずつの位置決嵌入部7を設けている。各2個の位置決嵌入部7は、水平移動機構16でキャリア2を移動する方向に離して設けている。2個の位置決嵌入部7の間隔は、外装缶1の中心間隔と等しくしている。
【0028】
以上の注液機構4は、以下の工程で、注液位置にあるキャリア2に装着している外装缶1に注液する。
(1) 横移送機構10で注液位置に移送されたキャリア2が、水平移動機構16の押圧シリンダー16Aに押されて第1の停止位置に停止される。
(2) 上下台17が降下されて、往復運動機構19の嵌入ロッド18がキャリア2の位置決嵌入部7に案内される。嵌入ロッド18は、キャリア2を正確に定位置に保持する。嵌入ロッド18と一緒に、上下台17に固定している注液ノズル15も降下される。
(3) 降下した各々の注液ノズル15は、下端の注液孔を外装缶1の注液開口1Aに連結する。注液ノズル15の下端は、液漏れしないように、外装缶1の注液開口1Aに気密に連結される。
(4) 注液ノズル15が、所定量の充填液を排出して、外装缶1に定量の充填液を注液し、その後、注液ノズル15は充填液の排出を停止する。
(5) 上下台17が上昇して、注液ノズル15と嵌入ロッド18を上昇させる。
(6) 水平移動機構16がキャリア2を縦に移動させる。水平移動機構16は、キャリア2を押圧していた押圧シリンダー16Aを切り換えて、キャリア2を第2の停止位置に停止させる。第2の停止位置は、充填液が充填されない外装缶1の注液開口1Aを注液ノズル15の真下に位置させる。
(7) 上下台17が降下して、嵌入ロッド18をキャリア2の位置決嵌入部7に案内させると共に、注液ノズル15の下端を充填液を充填していない外装缶1の注液開口1Aに連結する。この状態で、注液ノズル15は定量の充填液を排出して、外装缶1に注液し、その後、充填液の排出を停止する。
(8) 上下台17が上昇して、注液ノズル15を外装缶1から分離する。
(9) 横移送機構10でもって、供給位置のキャリア2が排出位置に送り出されると共に、供給位置のキャリア2が供給位置に送りこまれる。
【0029】
その後、(1)〜(9)の動作を繰り返して、キャリア2に装着している外装缶1に注液される。
【0030】
さらに、注液機構4は、図7と図9に示すように、複数の外装缶1を縦横に装着しているキャリア2に注液するとき、キャリア2または注液ノズル15をキャリア2の横方向に移動させて、注液ノズル15を横に隣接する外装缶1の注液開口1Aの真上に移動させる。
【0031】
図7に示すキャリア2は、縦方向に4列、横方向に4列、合計16個の外装缶1を装着している。このキャリア2に注液する注液機構は、4個の注液ノズルを備え、これらの注液ノズルの中心間隔を、図の矢印で示すように、キャリア2の縦方向に装着された外装缶1の注液開口1Aの間隔と等しくする。この注液機構は、縦方向に配列された第1列の外装缶1への注液が完了すると、注液ノズルと外装缶1との相対位置をキャリア2の横方向にずらせて、第2列の外装缶1に注液する。その後、第3列と第4列の外装缶1に注液して全ての外装缶1への注液を完了する。この注液機構は、キャリア2を縦方向に移動させることなく、横方向にのみ移動して全ての外装缶1に注液できる。図のキャリア2は、両端部にそれぞれ4個の位置決嵌入部7を設けている。4個の位置決嵌入部7は、キャリア2を移動する横方向に離して設けている。4個の位置決嵌入部7の間隔は、横方向に隣接する外装缶1の中心間隔と等しくしている。
【0032】
さらに、図9に示すキャリア2は、縦方向に8列、横方向に2列、合計16個の外装缶1を装着している。このキャリア2に注液する注液機構は、4個の注液ノズルを、図の矢印で示す間隔で配設している。この注液機構は、キャリア2または注液ノズルをキャリア2の縦横の方向に移動させて、縦横に配列された全ての外装缶1に注液する。この注液機構は、4個の注液ノズルで、縦方向に配列された8個の外装缶1に、2回に分けて注液する。したがって、第1列と第2列に配列された各8個の外装缶1をそれぞれ2回ずつ、合計4回に分けて注液する。図のキャリア2は、両端部にそれぞれ4個の位置決嵌入部7を設けている。4個の位置決嵌入部7は、キャリア2を移動する縦横の方向に離して設けている。縦方向に離して設けられる2個の位置決嵌入部7の間隔は、縦方向に隣接する外装缶1の中心間隔と等しくしており、横方向に離して設けられる2個の位置決嵌入部7の間隔は、横方向に隣接する外装缶1の中心間隔と等しくしている
【0033】
本発明の注液装置は、注液機構4を特定するものでないが、以下の注液機構4で極めて能率よく速やかに注液できる。
【0034】
図10に示す外装缶に充填液を充填する注液機構は、外装缶1内の気体を排気して減圧するケース減圧機構21と、外装缶1に充填する充填液Sを蓄える一時貯溜室20と、この一時貯溜室20を閉鎖して減圧する貯溜室減圧機構22とを備える。
【0035】
ケース減圧機構21は、内部に気体排気路25を有する排気シリンダー23と、排気シリンダー23に連通されて外装缶1内の気体を排気するケース減圧機24を備える。
【0036】
排気シリンダー23は、細長い円筒状で、垂直の姿勢に配設されている。排気シリンダー23は、下端を弁体27で閉塞すると共に、内部に軸方向に延長された内側ピストン26を挿通している。内側ピストン26は、排気シリンダー23の内径よりも小さな外径のピストンである。排気シリンダー23は、内側ピストン26を同軸に挿通しており、排気シリンダー23の内側であって、ピストンの外側を気体排気路25としている。
【0037】
さらに、排気シリンダー23は、上端縁から延長して外筒28を連結している。外筒28は、外周を貫通して排気部29を設けており、この排気部29をケース減圧機24に連結している。ケース減圧機24は、真空ポンプ24Aと電磁弁24Bと流量調整弁24Cとを備える。ケース減圧機24は、電磁弁24Bを制御して、気体排気路25を介して外装缶1内の空気を排気して、外装缶1内を減圧できるようにしている。ケース減圧機24は、外装缶1を、ほぼ真空状態まで減圧する。真空状態まで減圧される外装缶1は、電極群55の隙間に存在する空気の大部分が排気される。
【0038】
外筒28の上端部には、内側ピストン26を排気シリンダー23内で上下に移動させるピストン移動機構30を連結している。ピストン移動機構30は、内側ピストン26を上下に移動させるエアーシリンダー31と、このエアーシリンダー31に供給するエアーを調整するエアー調整機32を備える。エアーシリンダー31は、ロッド31Aの先端を内側ピストン26の上端に固定しており、空気圧でロッド31Aを伸縮させて内側ピストン26を上下に移動させる。エアー調整機32は、エアー源32Aと電磁弁32Bと流量調整弁32Cとを備える。エアー調整機32は、エアーシリンダー31に供給または排気する空気を制御して、内側ピストン26に連結されたロッド31Aを伸縮させる。このピストン移動機構30は、エアーシリンダー31がロッド31Aを伸長すると内側ピストン26を押し下げて、ロッド31Aを収縮すると内側ピストン26を引き上げるようにしている。ただ、ピストン移動機構は、エアーシリンダーに代わって油圧シリンダーを使用することもできる。
【0039】
内側ピストン26の下端は、排気シリンダー23の下端に連結された弁体27まで延長されており、上下に移動する内側ピストン26の下端面と弁体27とで開閉弁33を構成している。弁体27は、中心に通気孔27Aを開口しており、この通気孔27Aを開閉弁33を介して気体排気路25に連通している。開閉弁33は、内側ピストン26が降下されて、内側ピストン26の下端面が弁体27の上面に当接すると、通気孔27Aが閉塞されて閉弁する。逆に、開閉弁33は、内側ピストン26が上昇されると、内側ピストン26の下端面が弁体27から離れて開弁され、通気孔27Aを気体排気路25に連通する。開閉弁33は、内側ピストン26と弁体27との当接面にパッキンを設けて、より気密に開閉できる。
【0040】
排気シリンダー23は、上部に第1保持アーム34を連結している。排気シリンダー23は、この第1保持アーム34を介して第1上下移動機構(図示せず)に連結されている。第1上下移動機構は、第1保持アーム34を上下方向に移動させて、排気シリンダー23を垂直の姿勢で上下に移動させる。
【0041】
貯溜室減圧機構22は、充填液Sの一時貯溜室20を設けている充填シリンダー35と、この充填シリンダー35の上方開口部を気密に閉塞する閉塞蓋36と、一時貯溜室20の空気を減圧する貯溜室減圧機37を備える。
【0042】
充填シリンダー35は、内側に一時貯溜室20を形成する上側外管35Aと、この充填外管35Aの下端部の内側に連結される内側連結管35Bと、充填外管35Aの下端に連結されて、充填外管35Aとで内側連結管35Bを固定する下側外管35Cとを備える。
【0043】
上側外管35Aは、円筒状の筒体で、内側に一時貯溜室20を設けている。上側外管35Aは、内径を、ケース減圧機構21の排気シリンダー23の外径よりも大きくしており、内側に排気シリンダー23の下部を挿入している。上側外管35Aは、排気シリンダー23を同軸に配設しており、上側外管35Aの内側であって排気シリンダー23の外側の空間を一時貯溜室20としている。一時貯溜室20は、上方を開口しており、この開口部を充填液Sの供給部20Aとしている。
【0044】
内側連結管35Bは、上部に、排気シリンダー23の下端部が挿入される挿入部38を有し、下部には、外装缶1に充填液Sを供給する注液部39を有する。内側連結管35Bは、挿入部38の内径を、上側外管35Aの内径よりも細く成形している。挿入部38の内径は、排気シリンダー23の下端を挿入できるように、排気シリンダー23の外径よりもやや大きく設計している。内側連結管35Bは、挿入部38の上部の内面を、上方に向かって次第に太くなるテーパー状として上側外管35Aの内側面に連結すると共に、挿入部38の下部の内面を、下方に向かって次第に細くなるテーパー状として、下端を注液部39に連通している。この注液部39は、下方に延長された細長い管で、外装缶1に充填液Sを注液する注液ノズル15を構成している
【0045】
充填シリンダー35に挿入される排気シリンダー23は、充填シリンダー35の内部で軸方向に上下に移動できるように配設される。上下に移動する排気シリンダー23と内側連結管35Bは、一時貯溜室20を注液部39に連通する開閉弁40を備える。開閉弁40は、排気シリンダー23の下端に連結された弁体27と、挿入部38の下部に設けられた弁座41とで構成される。挿入部38は、下部に設けられたテーパー面を、排気シリンダー23の下端に連結した弁体27が当接する弁座41としている。図に示す開閉弁40は、弁座41をテーパー面としているので、弁体27も、弁座41のテーパー面に沿う、先細のテーパー形状としている。さらに、弁体27は、外周面にOリング42を配設しており、弁体27と弁座41とを確実に、気密に閉塞できるようにしている。この構造の開閉弁40は、排気シリンダー23を上昇させて、弁体27が弁座41から離れると開弁し、排気シリンダー23を降下させて、弁体27が弁座41に当接する状態では閉弁する。
【0046】
注液ノズル15は、注液部39が中心に連結されており、下端縁が外装管1の注液開口1Aに連結されて充填液Sを外装缶1に注液する。注液ノズル15は、開閉弁40を介して一時貯溜室20に連通されると共に、開閉弁33を介して排気シリンダー23の気体排気路25に連通される。注液ノズル15は、開閉弁33が閉弁されて開閉弁40が開弁された状態で一時貯溜室20に連通されて、一時貯溜室20に充填された充填液Sを外装缶1に供給する。また、注液ノズル15は、開閉弁40が閉弁されて開閉弁33が開弁された状態で気体排気路25に連通されて、外装缶1から空気を排気する。
【0047】
さらに、注液ノズル15は、下端部に、注液部39に対して弾性的に上下に移動する可動連結部43を設けている。可動連結部43は、内側連結管35Bの注液部39の外側であって、下側外管35Cの内側に配設されている。可動連結部43は、下端に外装缶1の注液開口1Aに気密に密着されるパッキン44を有し、この部分を下側外管35Cから下方に突出させている。さらに、可動連結部43は、弾性体45を介して内側連結部35Bに連結されている。図に示す弾性体45は、押しバネで、可動連結部43を下方に弾性的に押し出している。この構造の可動連結部43は、充填シリンダー35の下側外管35Cに対して出入して、外装缶1に当接して押圧された状態で外装缶1の注液開口1Aを気密に密閉できる。ただ、注液ノズルは、弾性的に出入りする可動連結部を設けることなく、下端にパッキンを設けて、直接に外装缶の注液開口に密着させることもできる。
【0048】
閉塞蓋36は、充填シリンダー35の上方に位置して、上下方向に移動できるように配設されている。図に示す閉塞蓋36は、排気シリンダー23の外周に沿って配設された筒体で、この筒体を貫通している排気シリンダー23に沿って上下方向に移動できるようにしている。この構造の閉塞蓋36は、排気シリンダー23をガイドに併用しながら閉塞蓋36を上下に移動できる。逆に、排気シリンダー23を上下に移動させるときは、この筒状の閉塞蓋36がガイドの働きをする。
【0049】
閉塞蓋36は、下端に充填シリンダー35の上方開口部を気密に閉塞する閉塞部36Aを有する。閉塞部36Aは、下方に突出する凸部を有し、この凸部を充填シリンダー35の開口部に挿入できるようにしている。閉塞部36Aの凸部は、外周にOリング46を備え、充填シリンダー35の開口部を閉塞する状態で、気密に閉塞できるようにしている。閉塞蓋36は、第2保持アーム47で保持されており、この第2保持アーム47を第2上下移動機構(図示せず)に連結して、上下に移動できるようにしている。閉塞蓋36は、第2上下移動機構で駆動されて一時貯溜室20の上方開口部を閉塞し、あるいは開放する。
【0050】
さらに、充填シリンダー35は、一時貯溜室20を貯溜室減圧機37に連結するために、上側外管35Aの上端部の外周を貫通して吸引部48を設けており、この吸引部48を貯溜室減圧機37に連結している。貯溜室減圧機37は、真空ポンプ37Aと電磁弁37Bと流量調整弁37Cとを備える。貯溜室減圧機37は、電磁弁37Bを制御して、一時貯溜室20から空気を排気して一時貯溜室20内を減圧できるようにしている。貯溜室減圧機37は、一時貯溜室20を外装缶1内よりも高い圧力に減圧する。外装缶1内の充填液Sが減圧によって沸騰するのを防止すると共に、外装缶1と一時貯溜室20との圧力差で、速やかに充填液Sを外装缶1に充填するためである。したがって、貯溜室減圧機37は、減圧によって充填液Sが沸騰しない範囲で一時貯溜室20を減圧する。
【0051】
充填シリンダー35は、下側外管35Cを上下台17に固定すると共に、この上下台17を第3保持アーム49に連結している。上下台17は、第3保持アーム49を介して第3上下移動機構(図示せず)に連結されている。第3上下移動機構は、第3保持アーム49を上下方向に移動させて、充填シリンダー35を垂直の姿勢で上下に移動させる。
【0052】
以上の構造の注液機構4は、以下のようにして外装缶1に充填液Sを充填する。
(1) 図3に示すように、外装缶1のセットされたキャリア2を充填シリンダー35の下部に位置させる。このとき、充填シリンダー35は上昇位置にある。
【0053】
(2) 排気シリンダー23を降下させて、一時貯溜室20の底部の開閉弁40を閉弁する。閉塞蓋36を上昇させて、一時貯溜室20の上方を開放する。一時貯溜室20に所定量の充填液Sを供給する。充填液Sは、例えば、供給ノズル51から供給される。供給ノズル51は、先端を充填シリンダー35上端の開口部である供給部20Aに位置させることができるように、供給ノズル移動機構(図示せず)に連結される。また供給ノズル51は、充填液Sの貯蔵タンク(図示せず)に連結されており、貯蔵タンクから充填液Sが定量供給される。充填される充填液Sの量は、一本の外装缶1に必要とされる量とする。一時貯溜室20に供給された充填液Sは、開閉弁40が閉弁されているので注液ノズル15から下に落ちることがなく、一時貯溜室20に溜まる。
【0054】
(3) 一時貯溜室20に所定量の充填液Sが充填されると、図12に示すように、閉塞蓋36を充填シリンダー35に向かって降下させて、充填シリンダー35の上方開口部を閉塞蓋36で閉塞する。一時貯溜室20が密閉された状態で、一時貯溜室20内の空気を貯溜室減圧機37で排気して減圧する。このとき、貯溜室減圧機37は、一時貯溜室37を完全な真空状態にまでは減圧しない。貯溜室減圧機37は、減圧によって充填液Sが沸騰しない範囲で減圧する。貯溜室減圧機37は、たとえば、大気圧から730〜710mmHg圧力が低下するまで減圧する。一時貯溜室20内を減圧することによって、一時貯溜室20に蓄えられる充填液Sに含まれる気泡は浮上して排気される。
【0055】
(4) 図13に示すように、充填シリンダー35と閉塞蓋36と排気シリンダー23とを、外装缶1に向かって一緒に降下させる。すなわち、充填シリンダー35の上端が閉塞蓋36で密閉された状態で、かつ、第2開閉弁40が排気シリンダー23で閉弁された状態で、充填シリンダー35と閉塞蓋36と排気シリンダー23が一体となって降下される。降下する充填シリンダー35は、注液ノズル15の下端に設けられた可動連結部43が外装缶1に当接して注液開口1Aを閉塞する。
【0056】
(5) 図14に示すように、内側ピストン26を上昇させて、開閉弁33を開弁する。この状態で気体排気路25は、開閉弁33と注液ノズル15を介して外装缶1の内部に連通される。気体排気路25が外装缶1に連通された状態で、外装缶1内の空気をケース減圧機24で排気して減圧する。このとき、ケース減圧機24は、ほぼ真空状態まで減圧する。真空状態まで減圧される外装缶1は、この工程で、電極群55の隙間に存在する空気の大部分が排気される。また、気体排気路25が一時貯溜室20に連通されていないので、減圧によって充填液Sが沸騰することはない。外装缶1が所定の圧力まで減圧されると、内側ピストン26を降下させて開閉弁33を閉弁する。
【0057】
(6) 図15に示すように、排気シリンダー23を上昇させて開閉弁40を開弁する。一時貯溜室20の充填液Sは、注液ノズル15を通過して、外装缶1に流入される。この状態で、注液ノズル15から外装缶1に充填液Sを速やかに注入するために、貯溜室減圧機37は、一時貯溜室20を大気に開放する。一時貯溜室20が大気開放されると、外装缶1内を減圧しているので、一時貯溜室20内の充填液Sは、上面と下面の圧力差で速やかに外装缶1に流入される。さらに、外装缶1は、真空状態まで減圧されて、電極群55の隙間の空気が除去されている。このため、充填液Sは、外装缶1内の空気に邪魔されることなくスムーズに電極群55の隙間に入り込み、極めて効率よく浸透される。
【0058】
貯溜室減圧機37は、一時貯溜室20を大気に開放することもできるが、ドライエアーの空気源、あるいは、窒素ガス等の不活性なガス源に連結することもできる。さらに、貯溜室減圧機は、加圧ガス源を連結して、一時貯溜室を加圧することもできる。この注液機構4は、一時貯溜室を大気圧よりもさらに高い圧力に加圧するので、一時貯溜室の充填液をより短時間で外装缶1に圧入できる。
【0059】
(7) 所定量の充填液Sが外装缶1内に供給されると、図15に示すように、充填シリンダー35を上昇させる。このときの、外装缶1内の圧力は、大気圧に近い気圧となっている。したがって、注液ノズル15の可動連結部43を注液開口1Aから離して外装缶1を大気に開放しても、ほとんど圧力変化はなく、外装缶1内の充填液Sが外装缶1から飛び出すことがない。
【0060】
【発明の効果】
本発明の注液装置は、広範囲な外形の外装缶に対応して、能率よく注液して搬送できる特長がある。それは、本発明の注液装置が、複数の外装缶を所定の配列で装着しているキャリアと、キャリアに装着している複数の外装缶の個数よりも少ない複数の注液ノズルを有する注液機構とを備え、この注液機構は、各々の注液ノズルの先端を外装缶の注液開口に連結できる位置に配設すると共に、水平移動機構でキャリアを水平方向に移動させて、全ての外装缶を注液ノズルに連結できるようにしているからである。この構造の注液装置は、各々の注液ノズルを外装缶の注液開口に連結して、注液ノズルの数と同じ数の外装缶に注液すると共に、水平移動機構でキャリアと注液ノズルのいずれか、または両方の位置を水平方向に移動させて、残りの外装缶の注液開口を注液ノズルに連結して、全ての外装缶に充填液を注液できる。したがって、薄い角型電池の外装缶であっても、注液ノズルのピッチに合わせてキャリアに装着することなく、すなわち、従来のように専用のキャリアに載せ代えてセットすることなく、省スペースにキャリアに装着して、しかも効率よく全ての外装缶に充填液を注液できる。このように、本発明の注液装置は、種々の形状の外装缶に対応して、極めて能率よく注液して搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の注液装置を示す断面図
【図2】 本発明の一実施例にかかる注液装置を示す一部断面概略側面図
【図3】 図2に示す注液装置の供給排出機構を示す概略平面図
【図4】 図2に示す注液装置のキャリアと注液機構を示す概略正面図
【図5】 図4に示すキャリアの拡大平面図
【図6】 キャリアの他の一例を示す平面図
【図7】 キャリアの他の一例を示す平面図
【図8】 キャリアの他の一例を示す平面図
【図9】 キャリアの他の一例を示す平面図
【図10】 注液機構の一例を示す断面図
【図11】 図10に示す注液機構が充填液を外装缶に注液する工程を示す断面図
【図12】 図10に示す注液機構が充填液を外装缶に注液する工程を示す断面図
【図13】 図10に示す注液機構が充填液を外装缶に注液する工程を示す断面図
【図14】 図10に示す注液機構が充填液を外装缶に注液する工程を示す断面図
【図15】 図10に示す注液機構が充填液を外装缶に注液する工程を示す断面図
【符号の説明】
1…外装缶 1A…注液開口
2…キャリア
3…供給排出機構
4…注液機構
5…本体部
6…ホルダー部 6A…嵌入凹部
7…位置決嵌入部
8…供給コンベア
9…排出コンベア
10…横移送機構
11…ストッパ
12…アーム 12A…移送凹部 12B…凸部
13…水平シリンダー
14…上下シリンダー
15…注液ノズル
16…水平移動機構 16A…押圧シリンダー
17…上下台
18…嵌入ロッド
19…往復運動機構
20…一時貯溜室 20A…供給部
21…ケース減圧機構
22…貯溜室減圧機構
23…排気シリンダー
24…ケース減圧機 24A…真空ポンプ 24B…電磁弁
24C…流量調整弁
25…気体排気路
26…内側ピストン
27…弁体 27A…通気孔
28…外筒
29…排気部
30…ピストン移動機構
31…エアーシリンダー 31A…ロッド
32…エアー調整機 32A…エアー源 32B…電磁弁
32C…流量調整弁
33…開閉弁
34…第1保持アーム
35…充填シリンダー 35A…上側外管 35B…内側連結管
35C…下側外管
36…閉塞蓋 36A…閉塞部
37…貯溜室減圧機 37A…真空ポンプ 37B…電磁弁
37C…流量調整弁
38…挿入部
39…注液部
40…開閉弁
41…弁座
42…Oリング
43…可動連結部
44…パッキン
45…弾性体
46…Oリング
47…第2保持アーム
48…吸引部
49…第3保持アーム
51…供給ノズル
55…電極群
60…カバー
61…封口ガスケット
S…充填液

Claims (8)

  1. 電極群(55)を内蔵している複数の外装缶(1)を所定の配列で装着しているキャリア(2)と、このキャリア(2)を供給位置から注液位置に、さらに注液位置から排出位置に移動させる供給排出機構(3)と、供給排出機構(3)でもって注液位置に移動されたキャリア(2)に装着している外装缶(1)の注液開口(1A)に注液ノズル(15)を気密に密着させて、注液ノズル(15)から外装缶(1)に注液する注液機構(4)とを備え、
    注液機構(4)が、キャリア(2)に装着している複数の外装缶(1)の個数よりも少ない複数の注液ノズル(15)を備えると共に、各々の注液ノズル(15)の先端と、キャリア(2)に装着されている外装缶(1)の注液開口(1A)との相対位置を、注液ノズル(15)を注液開口(1A)に連結できる位置に配設しており、
    さらに、注液機構(4)は、キャリア(2)を水平方向に移動させて、全ての外装缶(1)を注液ノズル(15)に連結できる位置に移動させる水平移動機構(16)を備えており、
    前記キャリア (2) に一定のピッチで複数の外装缶 (1) を装着しており、前記注液機構 (4) の注液ノズル (15) の間隔が、キャリア (2) に並べて装着している外装缶 (1) の注液開口 (1A) のピッチの整数倍で、注液ノズル (15) の数がキャリア (2) に装着している外装缶 (1) の整数分の1としており、
    各々の注液ノズル(15)を外装缶(1)の注液開口(1A)に連結して、注液ノズル(15)の数と同じ数の外装缶(1)に注液すると共に、水平移動機構(16)でキャリア(2)と注液ノズル(15)のいずれか、または両方の位置を水平方向であって、複数の外装缶 (1) の配列方向である縦方向に移動させて、残りの外装缶(1)の注液開口(1A)を注液ノズル(15)に連結して、全ての外装缶(1)に注液するようにしてなる電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置。
  2. キャリア(2)に装着される外装缶(1)が電池の外装缶である請求項1に記載の電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置。
  3. キャリア(2)に装着される外装缶(1)が角型電池または円筒型電池の外装缶である請求項4に記載の電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置。
  4. キャリア(2)に装着される外装缶(1)がコンデンサーの外装缶である請求項1に記載の電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置。
  5. キャリア(2)が外装缶(1)を1列に並べて配設している請求項1に記載の電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置。
  6. 供給排出機構(3)が、供給位置に配設している供給コンベア(8)と、排出位置に配設している排出コンベア(9)とを備え、供給コンベア(8)と排出コンベア(9)とが互いに平行で水平面内で位置をずらせて配設されると共に、供給コンベア(8)と排出コンベア(9)との間に注液位置を配設している請求項1に記載の電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置。
  7. 供給排出機構(3)が、供給コンベア(8)の注液位置から排出コンベア(9)の排出位置にキャリア(2)を移送する横移送機構(10)を備える請求項8に記載の電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置。
  8. キャリア(2)が位置決嵌入部(7)を有すると共に、水平移動機構(16)がこの位置決嵌入部(7)に嵌入されてキャリア(2)を定位置に保持する往復運動機構(19)を有する請求項1に記載の電池またはコンデンサーの外装缶に充填液を注液する注液装置。
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