JP3467135B2 - 電解液の充填方法 - Google Patents

電解液の充填方法

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JP3467135B2
JP3467135B2 JP28641895A JP28641895A JP3467135B2 JP 3467135 B2 JP3467135 B2 JP 3467135B2 JP 28641895 A JP28641895 A JP 28641895A JP 28641895 A JP28641895 A JP 28641895A JP 3467135 B2 JP3467135 B2 JP 3467135B2
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豊秀 久保
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  • Filling, Topping-Up Batteries (AREA)
  • Basic Packing Technique (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、コンデ
ンサーや電池を製造する工程において、電極を入れたケ
ースに電解液を充填する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オイルコンデンサーや電池は、電極群を
入れたケースに電解液を充填し、その後ケースを閉塞し
て製造される。ケースに電解液を充填するとき、電極群
の隙間に電解液を含浸させるには時間がかかる。とく
に、電極板を密に積層した電極群を内蔵したケースは、
電解液の充填に極めて時間がかかる。それは、ケースに
電解液を充填しても、電解液は電極群の隙間にスムーズ
に浸透されないからである。電解液の浸透に時間がかか
るため、この時間にケースに不純物が侵入し易い弊害が
ある。この弊害を防止するために、電解液を充填したケ
ースを、最適な環境に調整されたストックヤードに静置
する必要がある。さらに、静置する湿度等の環境が適正
でないと、水分が侵入して電気特性を低下させる等の弊
害も発生する。さらにまた、多量のケースを静置するた
めには広いストックヤードを必要とする。また、能率よ
くコンデンサーや電池を多量生産できない欠点もある。
【0003】このため、従来は、垂直に立てたケースに
所定量の電解液を充填し、その後長い時間静置して、電
極群の隙間に徐々に電解液を浸透させていた。この方法
は、電解液を電極群に含浸させるのに時間がかかって、
能率よく電解液を充填できない欠点がある。静置した電
解液が自然に電極間の隙間に浸透するまで、たとえば一
昼夜放置させておく必要があり、極めて生産効率が悪
い。さらに、この方法はケースに所定の必要な量の電解
液を充填すると、電解液がケースから溢れてしまう欠点
がある。ケースに充填した電解液が漏れるのは、電解液
の注液量が、電極群に含浸された状態で適量になるよう
に決定されるにもかかわらず、電解液が電極群の隙間に
速やかに含浸しないからである。よって、図1に示すよ
うに、ケース1の開口部に、封口ガスケットで水密にカ
バー2を装着し、カバー2の内部に、所定量の電解液3
を充填して静置している。ただ、ケース1に一つづつカ
バー2を装着するには手間がかかり、電解液3を能率よ
くケース1に充填することを難しくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電解液を速やかに電極
群に含浸するために、電解液を入れたケースの開口部を
気密に閉塞し、閉塞したケースの開口部を真空ポンプで
減圧する方法が開発されている。この方法は、ケース内
を減圧するので、電極群の隙間にある空気が気泡となっ
て電解液の液面に浮上する。このため、静置する方法に
比較すると、相当に速い時間で電解液を電極群の隙間に
充填できる。ただ、この方法は、減圧したときに、電極
群の隙間にあった空気が気泡になるが、この気泡が微細
なために、速やかに電解液の液面に浮上しない欠点があ
る。微細な気泡は、電極群の表面に付着し、あるいは、
電極群の隙間からスムーズに排出されず、電解液の液面
に速やかに浮上しない。このため、この方法は、電解液
を電極群の隙間に充分に浸透させる時間を、満足できる
程度にまで短縮できない。この方法により電解液を電極
群に浸透させるのに要する時間は、電極群の隙間、すな
わち密度にもよるが、約数分間はかかり、1分以内に短
縮することが難しい。
【0005】本発明者は、さらに、電解液の充填時間を
短縮するために、減圧する方法に代わって、電解液を充
填したケースの開口部を閉塞して加圧する方法を開発し
た。この方法は、ケース内を1気圧以上に加圧できるの
で、電解液を強制的に浸透させることで、減圧する方法
よりも短時間で電解液を浸透できる特長がある。ただ、
この方法は、いったんは電極群の隙間に含浸させた電解
液が、ケースの加圧状態を開放して大気圧に戻した瞬間
に、ケースから飛び出してしまう欠点がある。それは、
ケースの加圧状態を開放した瞬間に、電極群の隙間で加
圧されて小さく押し潰されていた気泡が、大きく膨張す
るからである。
【0006】以上のように、ケースの開口部を閉塞して
減圧する方法は、電極群の隙間にある空気をスムーズに
排出するのが難しくて含浸に時間がかかる欠点があり、
反対にケースを加圧する方法は、電極群の隙間にある空
気が膨張して含浸された電解液を飛び出させる欠点があ
る。
【0007】本発明は、減圧方法と加圧方法とを特別な
条件で組み合わせることにより、従来の方法では到底実
現できないほど短い時間に、電極群の微細な隙間に、定
量の電解液を速やかに浸透させることに成功した。した
がって、本発明の重要な目的は、簡単かつ容易に、しか
も短時間に定量の電解液を充填できる電解液の充填方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電解液の充填方
法は、セパレータを介して積層された電極群4をケース
1に入れ、このケース1に所定量の電解液3を充填し
て、電極群4の隙間に電解液3を含浸させる方法を改良
したものである。本発明の電解液の充填方法は、ケース
1の開口部を気密に閉塞して減圧し、減圧したケース1
に電解液3を充填して電極群4の隙間に電解液3を含浸
させる。電解液3を充填して減圧するのではなく、ケー
ス1の開口部を減圧した後に、電解液3を充填する。減
圧したケース1に電解液3を充填して、電極群4の隙間
に電解液3を浸透させた後、さらに、ケース1内の圧力
を上昇させて電解液3を電極群4の隙間に浸透させる。
【0009】さらに、本発明の電解液の充填方法は、電
解液3を充填しながら、ケース1内の圧力を次第に上昇
して、電極群4に所定量の電解液3を充填する。
【0010】本発明の電解液の充填方法は、電解液を充
填してケース内を減圧するのではない。電解液3を充填
する前に、ケース1の開口部を閉塞して吸引ポンプで排
気して減圧する。この工程で、電極群4の隙間にある空
気は吸引ポンプに排気される。電極群4の隙間から排気
される空気は、気泡のように電解液中を浮上する必要は
ない。まだ電解液が充填されていないからである。空気
は、電解液の充填されない電極群4の隙間を通過して、
吸引ポンプで速やかに排気される。次に、ケース1内が
減圧された状態で、電解液3を注入する。隙間から空気
を排気した電極群4に充填される電解液3は、速やかに
電極群4の微細な空隙に浸透する。空隙に溜る空気が、
電解液3の浸透を阻害しないからである。したがって、
減圧した状態でケース1に充填された電解液3は、速や
かに電極群4の隙間に浸透する。
【0011】ただ、この状態において、電解液3は完全
には電極群4の隙間に含浸されない。減圧して電極群4
の隙間にある空気を完全に排気することが難しいからで
ある。空気が残存する電極群4の空隙に電解液3を強制
的に含浸させるために、本発明の充填方法は、電解液3
を充填した後、ケース1を閉塞状態に保持して内部の圧
力を上昇させる。圧力が上昇すると、電極群4の隙間に
残存する空気の体積が小さくなる。空気の体積は圧力に
反比例するからである。とくに、減圧された状態で膨張
されている空気は、圧力を上昇させることによって、体
積が減少される。たとえば、76Torrの真空度に減
圧しているケース内を大気圧にすると、空気の体積は1
/10に減少し、大気圧よりも1気圧高くすると、1/
20に減少する。体積の減少した空気は、電極群4の隙
間に電解液3が浸透されるのを阻害しなくなる。このた
め、圧力を上昇させることにより、電解液3は電極群4
の隙間にさらにスムーズに浸透される。さらに、減圧し
た状態から圧力を上昇させるので、それほど圧力を大気
圧よりも高くすることなく、電極群4の隙間に残存する
空気の体積を著しく減少できる。このため、ケース1内
の圧力は上昇させるが、それほど加圧しないで、電解液
3を浸透できるので、ケース1の加圧状態を開放したと
きに、電極群4に含浸された電解液3が飛び出すことも
ない。例えば、大気圧の状態から加圧して圧力を上げ、
その後加圧状態を開放して大気圧に戻すと減圧状態にな
るので、空気は膨張する。しかし、先に減圧して大気圧
以下の状態としておき、この状態から加圧して大気圧に
近づけ、あるいは大気圧よりも若干大きい気圧とした場
合は、その後に加圧状態を開放して大気圧に戻しても、
ほとんど気圧変化が生じないため、空気は膨張すること
なく、ケース1から電解液3が飛び出すことが防止でき
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態
は、本発明の技術思想を具体化するための充填方法を例
示するものであって、本発明は電解液の充填方法を下記
のものに特定しない。
【0013】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応す
る番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解
決するための手段の欄」に示される部材に付記してい
る。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形
態の部材に特定するものでは決してない。
【0014】本発明の電解液の充填方法を実現する装置
の一実施の形態を図2に示す。この図に示す装置は、大
きく分けて土台10と閉塞シリンダー5とピストン9か
ら構成される。図のような装置が1台または数台、ある
いは数十台、ラインとして並べられ、並列にそれぞれの
装置がケース1に電解液3を充填して、処理能力を大き
くできる。
【0015】土台10には、電極群4の挿入されたケー
ス1が装着される。ケース1は土台10に垂直に固定さ
れ上端を開口しており、ここから電解液3が注入され
る。ケース1の内部には、セパレータ等を介して積層さ
れた電極群4が挿入されている。この電極群4に電解液
3を含浸させて、電解液3をケース1内に充填する。
【0016】土台10は図2に示す装置の下部に位置
し、中央にケース1を固定するための支持部10Aが設
けられている。支持部10Aは、ケース1に電解液3が
充填できるようにケース1を保持するためのものであ
り、例えばケースの側面を挟着する部材や、ケースを挿
入する挿入口等の構造が使用できる。
【0017】土台10はキャリアの役目も果たし、電解
液3を充填しようとするケース1を保持して閉塞シリン
ダー5の下面に移動し、ケース1に電解液3が充填され
ると土台10が移動して、次の電解液3を充填するケー
ス1を保持した土台10が閉塞シリンダー5の下面に移
動し、順次ケース1を閉塞シリンダー5に移送してい
く。たとえばライン状のコンベアに複数のケースを保持
した土台や、ルーレット状にケースを保持した土台等が
使用できる。また、一つの土台に一つのケースを保持す
る構造の他、一つの大きな土台に複数のケースを保持す
る構造も使用できる。
【0018】電解液3を充填するケース1には、コンデ
ンサーや電池等、内部に電極群4を収納しており、ここ
に電解液3を充填しようとするものが全て使用できる。
特に、高性能化を図るために電極板を高密度に積層した
電極群4は隙間がほとんどないので、電解液の充填が困
難である。本発明の電解液の充填方法はこのような電極
群を収納したケースでも、効率よく電解液を充填でき
る。また、この方法は電解液に限らず、隙間の狭い部分
に液体を充填する他のものにも応用できる。
【0019】土台10は、閉塞シリンダー5に連結され
る。閉塞シリンダー5は、電解液3の充填部5Aと、シ
リンダー本体5Bからなる。電解液3の充填部5Aは、
閉塞シリンダー5の下面を開口している開口壁5aと、
開口壁5aの上部に位置するノズル部11で構成され
る。また充填部5Aは、ケース1に電解液3を充填する
充填チャンバー12を有する。充填チャンバー12は、
上面をノズル部11、側面を開口壁5a、下面の開口部
を土台10の上面で密閉されて構成される。
【0020】また、閉塞シリンダー5には減圧機(図示
せず)と連結するための吸引部13が接続される。吸引
部13は閉塞シリンダー5内部の充填チャンバー12と
連結され、吸引部13を介して減圧機は充填チャンバー
12と接続される。
【0021】閉塞シリンダー5は、一時貯溜室8と充填
チャンバー12を有する。充填チャンバー12は電解液
3の充填部5Aの内部に設けられ、充填部5Aの上部
は、シリンダー本体5Bと固定される。シリンダー本体
5Bと充填部5Aの間にはノズル部11があり、ノズル
部11はシリンダー本体5Bの下面を封鎖する。シリン
ダー本体5Bは上方を開口しており、開口部はピストン
9と接続して閉鎖される。シリンダー本体5Bで構成さ
れる閉塞シリンダー5の上部は、電解液3の一時貯溜室
8を有する。
【0022】一時貯溜室8は、シリンダー本体5Bとノ
ズル部11からなる。一時貯溜室8には電解液3が充填
される。一時貯溜室8の底面はノズル部11で封鎖され
ている。ノズル部11の中心には注液管7が挿通して固
定されている。注液管7は一時貯溜室8を連通して、上
端部分は電解液3の液面よりも上方まで延長されてい
る。注液管7の下端は充填チャンバー12内に突出し、
ケース1の開口部に位置する。本発明の電解液の充填方
法にかかる装置は、ピストン9で一時貯溜室8内の電解
液3の液面を押し上げ、電解液3を注液管7を通じてケ
ース1に充填する。
【0023】閉塞シリンダー5の上部はピストン9と連
結される。ピストン9はピストン上下機構(図示せず)
に連結されて、上下に移動する。ピストン9は、ピスト
ン本体14と閉鎖環15とスプリング16と押圧板17
とからなる。閉鎖環15の中心にはピストン本体14が
挿通され、摺動自在に連結される。ピストン本体14は
円柱状で、中心に挿通孔18を設ける。ピストン本体1
4の上端は押圧板17に固定され、押圧板17と閉鎖環
15はスプリング16で連結される。スプリング16
は、ピストン9と閉塞シリンダー5を連結したときにこ
の連結部を気密に保持するためのものである。押圧板1
7はさらに押圧機構(図示せず)に連結されており、押
圧機構で押圧板17は上下される。押圧機構で押圧板1
7が押し下げられるとピストン本体14は降下され、押
圧板17が引き上げられると、ピストン本体14は上昇
される。
【0024】次に、土台10と閉塞シリンダー5の連結
部を説明する。土台10は閉塞シリンダー5の下部と連
結される。閉塞シリンダー5は垂直方向に上昇、降下が
可能で、図示しないがシリンダー上下機構に連結されて
いる。閉塞シリンダー5は上部のシリンダー本体5Bと
下部の電解液3の充填部5Aとからなる。充填部5Aは
電解液3をケース1に充填する部分であり、土台10と
連結して充填チャンバー12を構成する。閉塞シリンダ
ー5は下部の充填部5Aで土台10と連結され、土台1
0と閉塞シリンダー5の連結部は気密に閉鎖される。閉
塞シリンダー5は圧変化に十分対応できる強度を有し、
かつ電解液3に接触して錆等の変質をしないもの、例え
ばステンレス等の金属が使用できる。
【0025】図3に示す土台10は、ケース1の支持部
10Aと、段差面10Bとを有し、凸状の円柱形状をし
ている。一方、電解液3の充填部5Aは底面を開口する
円筒状で、側面を開口壁5aで構成しており、その断面
は逆凹状で、凸状の土台10と嵌合できる形状をしてい
る。両者は中心軸が一直線上にあり、閉塞シリンダー5
を垂直に降下させると充填部5Aと土台10とが嵌合で
きる位置にある。閉塞シリンダー5を土台10に降下す
ると、土台10の段差面10Bと、開口壁5aの端面が
接触して、土台10と充填部5Aはぴったりと嵌合し、
土台10の支持部10Aの外周と充填部5Aの開口壁5
aの内面が密着して、この部分で気密に閉鎖される。充
填部5Aと土台10が気密に密着できるよう、土台10
の支持部10Aの外径は、充填部5Aの開口壁5aの内
径にほぼ等しい。また、支持部10Aの側面にはOリン
グ等のシーリング部材が設けられ、土台10と充填部5
Aが密着して、支持部10Aと開口壁5aの隙間から空
気が漏れないようにしている。
【0026】開口壁5aの中間部では、ケース1の開口
部で電解液3が充填される状態が確認できるよう、この
部分に確認窓19が設けられる。確認窓19は圧変化に
対応できる十分な強度を有し、かつ透明なガラス製等と
し、閉塞シリンダー5の開口壁5aに密着する円筒状を
している。接触面にOリングを配して完全に密着でき
る。閉塞シリンダー5の開口壁5aの一部で、ケース1
の開口部が確認できる位置の部分を除去して、ここから
確認窓19を通じて電解液3の充填状態を確認できる。
また、開口壁5aを除去する部分は、閉塞シリンダー5
の中心軸に対して相対する位置に2箇所または複数設け
て、一部を確認窓19とし、他を採光窓20とすること
ができる。確認窓19と相対する位置に採光窓20を開
口することで、ここから外部の光を閉塞シリンダー5に
採光し、ケース1の開口部付近を明るくして電解液3を
充填する様子が確認できる。
【0027】閉塞シリンダー5には図示しないが、減圧
機が連結される。減圧機は、閉塞シリンダー5で閉鎖さ
れる空間を減圧でき、さらに減圧状態から圧力を上昇で
きる全てもの、例えば吸引ポンプや真空ポンプが使用で
きる。真空ポンプは、ポンプの運転を調節して空気の吸
引量を変化でき、真空度を変えることで圧力を調節でき
る。はじめに空気を多く吸引して真空度を高め、すなわ
ち圧力を低下して、ここから徐々に吸引を弱めて大気圧
に近づけていき、すなわち相対的に加圧していくことが
できる。さらにポンプを逆転させて加圧して、大気圧よ
りも高い圧力状態とすることもできる。
【0028】減圧機は図示しないが、減圧機と閉塞シリ
ンダー5の連結部は、図2に示すように、閉塞シリンダ
ー5の側面で吸引部13を、充填チャンバー12に気密
に接続している。充填チャンバー12は、注液管7を通
じて一時貯溜室8に連通される。一時貯溜室8および充
填チャンバー12を気密に閉鎖して減圧機を作動させる
と、充填チャンバー12内部の空気が吸引され、減圧さ
れる。すると、充填チャンバー12内のケース1の開口
部から、電極群4の隙間の空気が排気され、電解液3を
充填しやすい環境となる。同時に、一時貯溜室8に蓄え
られる電解液3の上部に溜まった空気も、ピストン本体
14の挿通孔18から注液管7を通じて排気される。一
時貯溜室8から空気を除くことで、電解液3を充填する
際に、電解液3中に気泡が混じってケース1に充填され
ることが防止される。減圧中の時点では、まだ電解液3
は充填されない。
【0029】図2に示す装置を複数台備えて、多量のケ
ースに並列に電解液を充填する場合、減圧機は複数設け
る必要はなく、一台の減圧機にロータリージョイントを
介して複数のホースに分岐して、各々の装置に吸引部を
接続することもできる。この場合、ロータリージョイン
トを回転して吸引のオンオフを切り換え、あるいは吸引
力を調整をすることができる。
【0030】本発明の電解液の充填方法は、減圧機で閉
塞シリンダー5内を減圧した後、ピストン9を降下して
ケース1に電解液3を充填する。閉塞シリンダー5は上
部に電解液3の一時貯溜室8を有する。一時貯溜室8
は、シリンダー本体5Bとノズル部11の上面からな
る。シリンダー本体5Bは閉塞シリンダー5の上部に固
定される。シリンダー本体5Bは円筒状で、内部に電解
液3の一時貯溜室8を設ける。円筒状のシリンダー本体
5Bの下面は、ノズル部11の上面で閉鎖される。図2
に示す装置では、電解液3の充填部5Aを構成する開口
壁5aを円筒状として、開口壁5aの上部で内周に密着
させるように、円筒状のシリンダー本体5Bの外周と、
シリンダー本体5Bの底面を封鎖する円盤状のノズル部
11とを固定する。
【0031】ノズル部11の中心には注液管7が固定さ
れる。注液管7は閉塞シリンダー5内部で垂直方向に延
長され、上端は一時貯溜室8に、下端は充填チャンバー
12に突出し、これらを連通する。注液管7の上端は、
一時貯溜室8に蓄えられる電解液3の液面よりも上方ま
で延長される。注液管7の下端は、充填チャンバー12
内でケース1の開口部に位置する。ピストン9が降下し
一時貯溜室8の電解液3の液面を押し上げると、液面が
注液管7の上端に達し、電解液3は注液管7を通じて、
減圧されたケース1に充填されるように構成されてい
る。
【0032】一時貯溜室8は、電解液3が充填された状
態で、ピストン9が降下して上端の開口部を閉鎖され
る。ピストン9はピストン上下機構(図示せず)によっ
て、上昇、下降される。ピストン9を上昇位置として、
一時貯溜室8の上端を開口して、ここから電解液3を供
給ノズル21で一時貯溜室8に充填する。電解液3の充
填された一時貯溜室8の上端に、ピストン9は垂直に降
下して、一時貯溜室8を気密に閉鎖する。したがって、
ピストン9の中心軸と一時貯溜室8の中心軸、すなわち
閉塞シリンダー5の中心軸は、同一の垂直線上にある。
ピストン9に設けられたスプリング16と、シリンダー
本体5Bの上端に設けられたOリング等の作用で、ピス
トン本体14の降下等によっても、一時貯溜室8は気密
状態に保たれる。
【0033】ピストン9をピストン上下機構で降下し
て、一時貯溜室8を閉鎖した状態から、さらにピストン
本体14を降下して、電解液3を押し出す。ピストン本
体14の上下移動は、押圧機構(図示せず)によって駆
動される。押圧機構は、押圧板17に連結されており、
押圧板17の下面には、ピストン本体14の上端が固定
されている。したがって、押圧機構が押圧板17を降下
させると、ピストン本体14は押し下げられ、押圧機構
が押圧板17を上昇させると、ピストン本体14は引き
上げられる。
【0034】ピストン本体14の中心には、挿通孔18
が設けられる。挿通孔18は、円柱状のピストン本体1
4の底面の中心から、中心軸に沿って、ピストン本体1
4内部の途中まで設けられる。図2において、挿通孔1
8はピストン本体14の底面を開口し、途中で閉鎖され
ている。挿通孔18の中心に注液管7が挿通できるよう
に、挿通孔18と注液管7も同一垂直線上にあり、挿通
孔18の内径は、注液管7の外径よりも一回り大きい。
挿通孔18と注液管7の隙間に電解液3を通すためであ
る。また、挿通孔18の長さは、ピストン本体14を一
時貯溜室8の底面までいっぱいに押し込んだときに、注
液管7の先端が挿通孔18の上端の閉鎖部に接触しない
長さとする。
【0035】ピストン9を降下した状態で、注液管7は
挿通孔18に挿入される。ピストン本体14をさらに降
下させると、注液管7はさらに挿入される。一時貯溜室
8には電解液3が充填されるので、ピストン本体14を
降下すると、電解液3には圧力が加わる。圧力の加えら
れた電解液3は、液面を下げられ、下方に行き場を失っ
て、挿通孔18と注液管7の間の隙間に押し上げられ
る。すなわち、挿通孔18での電解液3の液面は上昇す
る。さらにピストン本体14が押し下げられて、電解液
3の液面が上昇して、挿通孔18に挿入された注液管7
の上端にまで達すると、電解液3は注液管7を通じて下
方の充填チャンバー12に流れ込む。注液管7の下端は
充填チャンバー12内に固定されたケース1の開口部に
位置するので、一時貯溜室8から押し上げられた電解液
3は、ケース1内に充填される。
【0036】シリンダー本体5Bは上端を開口した円筒
状で、開口部をピストン9で閉鎖して一時貯溜室8は気
密に封鎖される。一時貯溜室8の大きさはピストン本体
14が内部に挿入でき、かつ必要量の電解液3を充填で
きる容積に設計される。よって、シリンダー本体5Bの
内径と、ここに挿入されるピストン本体14の外径とは
ほぼ等しい。シリンダー本体5Bの内径と高さは、ケー
ス一本に必要な量の電解液3を蓄えられる十分な容積と
なるよう決定される。一時貯溜室8には電解液3を蓄え
ておけるように底面をノズル部11で封鎖している。
【0037】ノズル部11はOリング等を使用してシリ
ンダー本体5Bと気密に閉鎖される。ノズル部11の中
心には注液管7が固定される。ノズル部11は、シリン
ダー本体5Bの底面を構成し、また充填チャンバー12
の上部に位置してケース1の開口部に注液管7を位置さ
せる。ノズル部11で一時貯溜室8と充填チャンバー1
2を分離し、注液管7を通じて一時貯溜室8と充填チャ
ンバー12を連通する。
【0038】ピストン9の駆動は、押圧機構によって制
御される。押圧機構がピストン本体14を上下させるタ
イミング、周期は、減圧機の動作と同期させる。すなわ
ち、減圧機が作動して、気密に閉鎖された充填チャンバ
ー12内の空気を吸引しているときはピストン本体14
を上昇位置で停止させる。減圧機がケース1内を十分減
圧してから、押圧機構はピストン本体14を降下して電
解液3を押し出し、ケース1に充填する。このように、
まずケース1内の空気を除去して、電解液3を充填しや
すい状態としてから、ピストン9で電解液3をケース1
に充填するように、減圧機と押圧機構の動作を同期させ
ることで、スムーズかつ迅速に電解液3をケース1内に
充填することができる。
【0039】本発明の電解液の充填方法がケース1に電
解液3を充填する様子を、図3から図11に基づいて説
明する。 図3に示すように、ケース1を土台10に
セットする。ピストン9と閉塞シリンダー5は上昇位置
にある。ケース1のセットされた土台10を閉塞シリン
ダー5の下部に位置させる。
【0040】 図4に示すように、土台10の上に閉
塞シリンダー5を降下させて、閉塞シリンダー5と土台
10の接続部分を気密に密着する。このとき、ピストン
9は上昇位置にあるので、閉塞シリンダー5は閉鎖され
ておらず、一時貯溜室8の上部は開口している。
【0041】 図5に示すように、供給ノズル21を
移動して一時貯溜室8の開口部に位置させ、電解液3を
一時貯溜室8に充填する。供給ノズル21は、先端を一
時貯溜室8の開口部に位置させることができるように、
図示しないが、供給ノズル移動機構に連結される。また
供給ノズル21には、ケース1に充填する電解液3の貯
蔵タンクが連結されており(図示せず)、貯蔵タンクか
ら電解液3を必要な量供給できる。充填される電解液の
量は、一本のケースに必要とされる電解液の量とする。
このとき、注液管7の上端は電解液3の液面よりも上に
位置するので、電解液3は注液管7から下に落ちること
がなく、一時貯溜室8に溜まる。所定量の電解液3が充
填されると、供給ノズル21は一時貯溜室8の開口部か
ら移動する。
【0042】 図6に示すように、ピストン9をピス
トン上下機構で降下させて、閉塞シリンダー5の上部に
連結する。この状態でピストン9と閉塞シリンダー5は
密着されるので、一時貯溜室8は気密に閉鎖され、同時
に充填チャンバー12も密閉される。次に、密閉された
充填チャンバー12を減圧機で減圧する。減圧機は充填
チャンバー12と吸引部13を介して連結されているの
で、減圧機で吸引して充填チャンバー12内の空気を排
気して減圧する。このとき、充填チャンバー12と一時
貯溜室8は注液管7を介して連結されているので、一時
貯溜室8内の空気も吸引され、注液管7を通じて充填チ
ャンバー12内の空気と一緒に排気される。充填チャン
バー12は真空状態にまでする必要はなく、例えば60
Torrとする。この工程で、ケース1内の電極群の隙
間に存在する空気は大部分が排気される。
【0043】 図7に示すように、減圧機で充填チャ
ンバー12内の負圧状態を保ったまま、ピストン本体1
4を降下させる。すると一時貯溜室8の体積が減少して
一時貯溜室8の圧力が上昇し、電解液3が挿通孔18に
押し上げられる。押し上げられた電解液3が注液管7の
上端に達すると、注液管7を通過して下方に流れ込み、
充填チャンバー12のケース1に電解液3が充填され
る。充填チャンバー12は減圧されており、ケース1内
の電極群の隙間の空気はかなりの部分で排気されてい
る。このため、電解液3は空気に邪魔されることなくス
ムーズに電極群の隙間に入り込み、またケース1内は真
空状態に近い負圧なので吸い込まれるように急速に電極
群の隙間に浸透していく。
【0044】なお、一時貯溜室8の電解液全てを押し出
さなくとも、ケースに必要な量の電解液が充填されれば
よいので、ピストン本体14を一時貯溜室8の最下部ま
で降下せずにピストン本体14の降下を止め、一時貯溜
室8に電解液3が少量残る状態とすることもできる。こ
の場合、図5のようにピストン9を上昇したときの一時
貯溜室8にはケース1に必要な量よりも多めの電解液3
が充填されており、ピストン本体14を降下すると一時
貯溜室8には少量の電解液3が残り、次のケース1に充
填する電解液3を必要な量、すなわち先にケース1に充
填した量だけ供給ノズル21から補充していき、ピスト
ン本体14の降下時には常に少量の電解液3が一時貯溜
室8に残ることとなる。
【0045】一度にピストン本体14を降下して電解液
を所定量充填する方法の他、数段階に分けて充填するこ
ともできる。図8に示すように、ある程度ピストン本体
14を降下した状態で、ピストン本体14の降下を一時
的に止め、減圧機を調整して充填チャンバー12の圧力
を上げる。圧力を上げるには、充填チャンバー12が負
圧状態であるから、減圧機の吸引を弱めることで簡単に
調整できる。そして、この圧力を維持したまま、図9に
示すようにピストン本体14をさらに降下して電解液3
を加圧し、ケース1に供給する。圧力が上昇すると、空
気は圧縮されて体積が減少するので、電極群の隙間の空
気はさらに減少し、ピストン本体14によって加圧され
た電解液3がさらにスムーズにケース1内に浸透する。
ここで再びピストン本体14の降下を止め、さらに減圧
機を調整して充填チャンバー12を加圧し、またピスト
ン本体14を降下して電解液3をケース1に充填する。
このように、減圧機で加圧する工程とピストン本体14
を降下して電解液3を充填する工程を数回繰り返し、所
定量の電解液3をケース1に充填する。例えば、はじめ
に減圧する圧力を60Torrとし、一定量電解液3を
充填した後、減圧を弱めて260Torrとして相対的
に加圧し、以下同様に電解液3注入後460Torr、
吸引を止め大気圧の760Torrとし、さらに図9に
示すように加圧して、大気圧より若干高い1.5kg/
cmとする。この方法であれば、一度に電解液を供給
する方法に較べよりスムーズに、確実に無理なく電解液
を浸透できる。
【0046】さらに、ケース内を加圧する工程と、電解
液を充填する工程を分けずに、加圧と充填を同時に行う
こともできる。すなわち、図7の状態で、充填チャンバ
ー12の加圧中にピストン本体14を停止させず、ピス
トン本体14を徐々に、減圧機が充填チャンバー12を
加圧する速度に応じて、ゆっくりと降下させ、電解液3
をケース1に充填し続ける。ピストン本体14を降下す
ると、一時貯溜室8内の電解液3は加圧されて、液面を
上げて注液管7から勢い良くケース内に流れ込む。加圧
された電解液3を、加圧中のケース1内に充填すること
で、よりスムーズにケース1内の電極群の隙間に電解液
を含浸させることができる。
【0047】 所定量の電解液3がケース1内に供給
されると、加圧状態を解除する。このときの充填チャン
バー12内の圧力は大気圧に近い気圧となっている。本
発明の電解液の充填方法は大気圧を一旦減圧状態として
から徐々に加圧していくので、最終的にはもとの大気圧
に近い圧力に戻っており、例えば1.5kg/cm
なっている。この状態で充填チャンバー12を開放して
もほとんど圧力変化がないので、空気の膨張による電解
液の飛び跳ねやオーバーフローはほとんど生じない。土
台10と閉塞シリンダー5の密閉状態を開放した後、図
10に示すように閉塞シリンダー5を上昇させ、さらに
図11に示すようにピストン9も上昇させてピストン9
と閉塞シリンダー5の密閉状態を解除する。土台10は
閉塞シリンダー5の下部から水平方向に移動して、次に
電解液3を充填するケース1を装着した土台10が上昇
した閉塞シリンダー5の下部に移送される。電解液3の
充填されたケース1は土台10から外し、さらに別の電
解液3を充填するケース1を装着し、以下同様の工程を
繰り返す。
【0048】
【発明の効果】本発明の電解液の充填方法は、極めて短
時間に、電極群を挿入したケースに電解液を効率よく充
填できる特長を実現する。それは、いったん減圧状態と
して、電極群の隙間にある空気を排除し、隙間に電解液
が浸透しやすい状態としてから電解液を充填し、さらに
加圧して電解液をよりスムーズに充填する独特の構成に
よって、電解液をケースに充填するからである。内部に
電極板を密に積層した電極群を有するケースに、短時間
に電解液を充填するのは極めて困難である。特に、性能
を上げるため高密度に積層した電極群を有するケースで
は、電極間の隙間が極めて小さく、さらに隙間には空気
もあるのでここに電解液を注入するにはかなりの時間が
かかった。ケースを減圧して電解液を充填する方法で
は、電極群の隙間の空気が気泡になり、これが速やかに
液面に浮上せず、電解液を電極群の隙間に浸透させる時
間を短くできなかった。また、ケースを加圧して電解液
を充填する方法では、加圧状態を開放したときに気泡が
膨張して電解液が飛び散る欠点があった。本発明の電解
液の充填方法は、減圧と加圧を巧みに組み合わせること
により、これらの方法の持つ欠点を解決することに成功
した。
【0049】本発明の電解液の充填方法は、まず閉塞シ
リンダーを減圧して、充填チャンバー内の空気を吸引
し、ケース内の電極群の隙間から空気を除去する。これ
により、電極群に注液される電解液が、電極群の隙間に
溜まる空気で浸透を邪魔されることが回避できる。電解
液を充填してから減圧するのでなく、先に減圧状態とし
てケース内の空気を排気してから電解液を注入すると、
スムーズに電極群の隙間に電解液は浸透する。また、負
圧状態であるから、電解液は電極群の間に吸い込まれる
ように急速に吸収される。さらに、この状態から加圧し
て電解液を充填することで、さらにスムーズにケース内
に浸透される。加圧することで、隙間に残った微細な気
泡が圧縮され体積が小さくなるので、気泡によって浸透
が阻害されることがさらに減り、電解液が電極群の微細
な隙間に入りやすくなるからである。圧力を上げるほ
ど、電解液はケース内により浸透される。また、いった
ん減圧してから徐々に、段階的に加圧していくことで、
ケース内の圧力を絶対的に高くすることなく、相対的に
高めていくことができる。すなわち、圧力が高くなると
いっても、減圧した状態から高くするので、大気圧か、
大気圧よりも少し高い程度の圧力とできる。したがっ
て、加圧状態を開放して大気圧に戻しても、圧変化はほ
とんど生じない。このことは、電解液の充填方法にとっ
て極めて大切な特長を実現するものである。それは、単
に加圧するだけであれば、加圧状態から開放して大気圧
に戻すと、体積が急激に膨張するため、押し縮められて
いた気泡がはじけ、電解液がケースから飛び出して溢れ
てしまうからである。一方、減圧して電解液を充填する
だけでは、電極群の隙間から完全に空気を排気すること
が難しく、排気のための真空ポンプも大がかりで高価な
装置となる。
【0050】本発明の電解液の充填方法は、減圧と加圧
をうまく組み合わせることで、両方のメリットを生か
し、極めて効率よくスムーズに、これまで困難とされて
きた短時間での電極群を入れたケースへの電解液の充填
を実現した。すなわち、まずケースを減圧して、電解液
の浸透を阻害する空気を排除し、浸透しやすい環境とす
る。減圧する工程だけで空気を完全に排気するのは困難
であるから、本発明の電解液の充填方法では真空状態に
までせずにおくことで、真空とするための大がかりな設
備を不要にできる。つぎに、減圧状態から加圧していく
ことで、さらにスムーズに電解液を充填できる。いった
ん減圧してから加圧していくので、加圧のための特別な
装置でなくても、例えば吸引ポンプの吸引力を弱めてい
くことで、負圧から相対的に加圧して圧力を上げていく
ことができる。つまり、減圧機の吸引力を調整すること
で、簡単に圧力を上げることができる。圧力を段階的
に、あるいは徐々に上げていき、最終的に大気圧に戻す
か、大気圧よりも少し高い圧力とするだけで良いので、
加圧のための設備も極めて簡単にできる。例えば、吸引
ポンプを逆転させればよい。
【0051】このように、減圧してから加圧する電解液
の充填方法は、真空状態にしたり、極めて高い圧力とし
たりする必要がなく、この方法を実現するための装置自
体の構造を簡単でコンパクトに設計できる。ケースを静
置しておくためのストックヤードのような、厳しい環境
下で長時間管理する設備も不要で、従来の方法と較べ装
置自体の小型化も図れ、また単位時間当たりの処理能力
が極めて大きいので、装置の規模に対し生産能力の高い
プラントとできる。本発明者が行った実験では、約6c
cのケースに4ccの電解液を充填するのに要した時間
は30秒以下で、従来の装置に比較してはるかに短縮す
ることができた。
【0052】さらにまた、本発明の電解液の充填方法
は、電解液を充填しながら、ケース内の圧力を次第に上
昇していくことで、負圧状態のケースに電解液を供給す
る。この方法であれば、ケースの加圧と電解液の充填を
同時に行うことができる。このため、いったん減圧して
から加圧中であってもピストン本体の駆動を停止させる
ことなく、ピストン本体を徐々に降下して電解液を連続
的に供給できる。このため、ピストン本体を段階的に駆
動しなくてもよく、ピストン本体の制御が容易になり、
また駆動のためのタイミングを取るのが簡単になるメリ
ットもある。さらにまた、減圧機によるケース内の加圧
に、ピストン本体による電解液の加圧を加えて、よりス
ムーズに電解液を充填できる特長も実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電解液の充填方法にかかる装置を示す断
面図
【図2】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示す
断面図
【図3】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示す
断面図
【図4】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示す
断面図
【図5】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示す
断面図
【図6】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示す
断面図
【図7】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示す
断面図
【図8】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示す
断面図
【図9】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示す
断面図
【図10】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示
す断面図
【図11】本発明の電解液の充填方法にかかる装置を示
す断面図
【符号の説明】
1…ケース 2…カバー 3…電解液 4…電極群 5…閉塞シリンダー 5A…充填部 5B…シ
リンダー本体 5a…開口壁 7…注液管 8…一時貯溜室 9…ピストン 10…土台 10A…支持部 10B…
段差面 11…ノズル部 12…充填チャンバー 13…吸引部 14…ピストン本体 15…閉鎖環 16…スプリング 17…押圧板 18…挿通孔 19…確認窓 20…採光窓 21…供給ノズル

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セパレータを介して積層された電極群
    (4)を、電解液(3)を充填した後に閉塞するケース(1)に
    入れ、このケース(1)に所定量の電解液(3)を充填して電
    極群(4)の隙間に電解液(3)を含浸させる電解液の充填方
    法において、 ケース(1)の開口部を気密に閉塞して減圧し、減圧した
    ケース(1)に、ケース(1)の開口部に位置する注液管(7)
    から電解液(3)を充填して電極群(4)の隙間に電解液(3)
    を含浸し、その後ケース(1)内の圧力を上昇させて電解
    液(3)をさらに電極群(4)の隙間に含浸させると共に、電
    解液(3)を充填しながら、ケース(1)内の圧力を次第に上
    昇させることを特徴とする電解液の充填方法。
  2. 【請求項2】 電解液(3)を充填するケース(1)がコンデ
    ンサーである請求項1に記載される電解液の充填方法。
  3. 【請求項3】 電解液(3)を充填するケース(1)が電池で
    ある請求項1に記載される電解液の充填方法。
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