JP2009224159A - アルカリマンガン電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】アルカリ電解液の飛散や漏液の発生を効果的に防止しながらも、アルカリ電解液の吸液量の増大と生産性の向上とを図ることができるアルカリマンガン電池の製造方法を提供する。
【解決手段】電池ケース1内に複数個の筒状の正極合剤2A,2Bおよび筒状セパレータ4を挿入したのち、筒状セパレータ4の内側アルカリ電解液7を注入する注液工程と、アルカリ電解液7を注入した電池ケースを所定時間の間放置する自然吸液工程28と、チャンバー23の天板23aと電池ケース1の開口端との隙間dを電池ケース1の直径Dの1/3以上で2/3以下に設定して、電池ケース1を密閉状態のチャンバー23内に収容したのち、チャンバー23の内部を所定の真空度まで減圧したのちに大気に開放してアルカリ電解液7を減圧吸液方式により筒状セパレータ4を介して正極合剤2A,2Bに吸液させる減圧吸液工程29とを有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、アルカリマンガン電池の製造方法に関するものであり、より詳しくは、アルカリ電解液の吸液工程での電池ケース内のアルカリ電解液の飛散の発生を防止しながら高い生産性で吸液量を増大させたアルカリマンガン電池を製造できるように図ったものである。
近年、アルカリマンガン電池は、これを駆動電源として用いる携帯型電子機器やデジタルカメラなどの多機能化に伴って更なる高容量化が求められており、この傾向は今後も続くものと予想される。アルカリマンガン電池は電池構造が単純で内容積も限られているので、高容量化を達成するためには新素材の開発が必要となるが、単純な化学反応であることから、新素材の開発が困難であり、利用率の高い素材を活用するに留まっている。そこで、アルカリマンガン電池の高容量化を図るために、正極合剤の密度を高めて活物質を多く詰め込むとともにアルカリ電解液の注入量を増大させる方法が試みられている。
ところが、従来の低密度の正極合剤を用いる場合には、規定量のアルカリ電解液を注入したのち放置しておく自然吸液方式により、比較的短時間のうちに全てのアルカリ電解液が筒状セパレータおよび正極合剤に吸液されたが、高密度化された正極合剤はアルカリ電解液の吸液性が極めて悪い。
従来では、高密度化された正極合剤にアルカリ電解液を効率的に吸液させるための有効な手段として、減圧吸液方式が広く採用されている。この減圧吸液方式は、電解液を注入した多数の電池ケースを密閉されたチャンバーの内部に収容した状態で、チャンバー内部を所定の真空度まで減圧して電池ケース内の空気を排気し、そののちにチャンバーの内部を大気に開放することで生じる真空圧と大気圧との差圧を利用して、電解液を正極合剤の活物質中に強制的に含浸させるように図ったものである。ところが、この減圧吸液方式には、タクトを短縮して生産性を高めるために所定の真空度まで短時間で減圧したり、吸液量を高めるために高い真空度に設定すると、アルカリ電解液が電池ケースにおける環状溝の上方の封口部分に飛散したり、或いは開口部から外部に飛び出す、いわゆる液飛び現象が発生し易い課題がある。
上記課題を解消するために、1分以上の時間をかけて800hpa以下の気圧まで減圧したのちに、大気に開放する吸液手段(特許文献1参照)が提案されている。また、電池ケース内に規定量のアルカリ電解液を注入したのちに所定時間の間放置し、続いて減圧または加圧を行って、その状態を2秒間程度保持する吸液手段(特許文献2参照)や、シリンダ内のピストンの吸気方向の移動により、電池ケース内の空気を通気管を通じてシリンダ内に吸気することで電池ケースの内部圧力を減圧し、ピストンの移動により、吸気したシリンダ内の空気を電池ケース内に送り込んで電池ケース内部を大気圧に開放するようにした吸液手段(特許文献3参照)も知られている。
特開平11−45723号公報 特開10−270061号公報 特開2000−48826号公報
しかしながら、特許文献1の吸液手段では、アルカリ電解液の飛散や液飛び現象の発生を防止するために、1分以上もの長い時間をかけて所定の真空度まで減圧しているので、
生産性の低下を招く。また、減圧に際しては、800hpa以下の気圧に設定するので、十分な吸液量を確保することができない。しかも、減圧吸液工程後に筒状セパレータの内部に残ったアルカリ電解液を吸入器で吸い出すようにしているので、電池としての所要の特性を得ることができない。なお、アルカリマンガン電池の吸液工程において、上述のように筒状セパレータ内にアルカリ電解液が残らないようにするのは、以下のような理由による。
すなわち、筒状セパレータの内側に少量であってもアルカリ電解液が残存している場合は、この状態でゲル状負極が注入されたときに残存するアルカリ電解液が筒状セパレータの底部に閉じ込められると、ゲル状負極のゲル面が高くなって筒状セパレータの上端部から零れ出て、電池としたときにショートが発生する。逆に、アルカリ電解液の比重がゲル状負極よりも小さいために分離が生じて、残存するアルカリ電解液が電池ケースの上部に浮き上がった場合には、浮き上がったアルカリ電解液が、電池ケースの搬送中に飛び散ったり、電池ケースの開口近傍の封口部分に付着あるいは電池ケースの外側に溢れて汚染し、さらに、封口工程での加圧力によって漏液する不具合が生じるからである。さらに、アルカリ電解液が残っていると、ゲル状負極を充填するノズルの先端が残存するアルカリ電解液で濡れるため、ゲル状負極がノズルに付着し易くなってゲル状負極がノズルから出終わるときの切れが悪くなる結果、ゲル状負極の充填量がばらついて規格外となる不具合が生じ易い。
また、特許文献2の吸液手段は、電池ケースを支持台に設置して、その上にシーリング部材を介してシリンダを被せたのち、ピストンの吸気口を閉じた状態で、シリンダ内の空気を排気口から排出して、シリンダ内の圧力を低下させることにより、電池ケースの内部を減圧状態としているので、開示内容のみからは電池ケースを1個ずつしか減圧処理することができないものと思われるが、少なくとも多数の電池ケースを同時に減圧吸液させることはできないので、生産性の低下を招く。また、減圧するに際して、肝心のアルカリ電解液の飛散の発生を防止することが何ら考慮されていない。
さらに、特許文献3の吸液手段は、減圧時のアルカリ電解液の飛散の発生を防止することはできるが、正極合剤の活物質の充填量およびアルカリ電解液の注液量が共に多い近年のアルカリマンガン電池に対しては、減圧吸液を10数回繰り返す必要があることから、適用することができない。しかも、この吸液手段では、シーリングパッキン部を介して通気管を電池ケースの開口部に連結するヘッドを多数用意する必要があり、設備費が高くつく上に生産性が悪い欠点がある。
本発明は前記従来の課題に鑑みてなされたもので、アルカリ電解液の飛散や漏液の発生を効果的に防止しながらも、アルカリ電解液の吸液量の増大と生産性の向上とを図ることができるアルカリマンガン電池の製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明のアルカリマンガン電池の製造方法は、電池ケース内に複数個の筒状の正極合剤を互いに重ねた配置で挿入し、前記各正極合剤の内側に筒状セパレータを挿入したのち、前記筒状セパレータの内側の空間に規定量のアルカリ電解液を注入する注液工程と、アルカリ電解液を注入した電池ケースを所定時間の間放置してアルカリ電解液を自然吸液方式により前記筒状セパレータを介して前記正極合剤に吸液させる自然吸液工程と、チャンバーの天板と電池ケースの開口端との隙間を電池ケースの直径の1/3以上で2/3以下に設定して、電池ケースを密閉状態の前記チャンバー内に収容したのち、前記チャンバーの内部を所定の真空度まで減圧したのちに大気に開放してアルカリ電解液を減圧吸液方式により前記筒状セパレータを介して前記正極合剤に吸液させる減圧吸液工程とを有していることを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1の発明における減圧吸液工程において、チャンバー内部を所定の真空度まで減圧する減圧時間よりも所定の真空度から大気に開放までの大気開放時間を長く設定するようにした。
請求項3に係る発明は、請求項2の発明において、減圧吸液工程の全体時間のうちの1/2から3/4を大気開放時間に設定するようにした。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3の何れかの発明において、自然吸液工程の放置時間を、注液工程で注液したアルカリ電解液の少なくとも70%が筒状セパレータおよび正極合剤に吸液されるのに要する時間に設定した。
請求項1に係る発明によれば、自然吸液工程でアルカリ電解液を吸液させたのち、チャンバーの天板と電池ケースの開口端との隙間を電池ケースの直径の1/3以上で2/3以下に設定した状態で減圧吸液工程を行うので、減圧時において、電池ケース内で急激な圧力変化および風速の急激な変化が発生するのを効果的に抑制できるとともに、チャンバーの内部が均一に圧力変化するので、アルカリ電解液の飛散の発生を効果的に防止することができる。しかも、上記状態で減圧吸液工程を行えば、真空度を高く設定した場合においてもアルカリ電解液の飛散の発生が生じないので、高い真空度に設定してアルカリ電解液の吸液量の更なる増大を図ることができるとともに、短時間の間に所定の真空度まで急激に減圧した場合であってもアルカリ電解液の飛散が生じないので、減圧吸液工程のタクトを短縮して生産性の向上を図ることもできる。
請求項2に係る発明によれば、減圧時間を短く設定しているが、この短時間の減圧によってチャンバー内部が所定の真空度に達していれば、続いて大気開放が開始された直後においても正極合剤中の空気がチャンバー内部の真空と置換されて正極合剤を吸液し易い状態に移行する状況が継続される。また、短時間で所定の真空度まで急激に減圧しても、電池ケースの開口端とチャンバーの天板との隙間を小さくすることでアルカリ電解液が飛散するのを防止できる。一方、大気開放時間を長く設定しているので、真空圧と大気圧との差圧によりアルカリ電解液を正極合剤に強制的に押し込む吸液作用が長く継続されるから、アルカリ電解液の吸液量が増大する。
請求項3に係る発明によれば、大気開放時間を減圧吸液工程の全体時間のうちの2/3以下に設定すると、アルカリ電解液の吸液量が急に減少し、大気開放時間を減圧吸液工程の全体時間のうちの3/4以上に設定する場合、減圧時間が極端に短くなって好ましくない。したがって、減圧吸液工程の全体時間のうちの1/2から3/4を大気開放時間に設定すれば、アルカリ電解液の飛散の発生を防止しながらアルカリ電解液の吸液量の増大を図ることができる。
請求項4に係る発明によれば、自然吸液工程においてアルカリ電解液の少なくとも70%が吸液された状態で次の減圧吸液工程に送ることにより、減圧吸液工程において短時間で所定の真空度まで急激に減圧した場合であってもアルカリ電解液の飛散の発生を一層確実に防止できる。なお、アルカリ電解液の少なくとも70%が吸液された状態は、予め実験的に求めた自然吸液時間の経過によって管理することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。先ず、本発明の製造方法により製造するアルカリマンガン電池について、図1を参照しながら説明する
。このアルカリマンガン電池は以下のような工程を経て製作される。すなわち、アルカリマンガン電池は、正極端子を兼ねる有底筒状の金属製電池ケース1の内側に沿って筒状に成型されたペレット状の二つの正極合剤2A,2Bが上下に重ねた状態で装填されたのち、電池ケース1における上方側の正極合剤2Aよりも上方の近傍個所に環状溝1aが形成される。
さらに、電池ケース1内には、正極合剤2A,2Bの内側に筒状セパレータ4が、且つ筒状セパレータ4の底部に底部セパレータ3がそれぞれ配置される。底部セパレータ3と筒状セパレータ4とで囲まれたカップ状の空間内には、規定量のアルカリ電解液(図示せず)が注入されて、このアルカリ電解液の全てが筒状セパレータ4を介して上下の正極合剤2A,2Bに吸液され終わったのちに、空になった上記カップ状空間に、ゲル状電解液に亜鉛粉末状活物質を分散させた流動性を有するゲル状負極8が注入される。続いて、ゲル状負極8内に負極集電体9が挿入され、電池ケース1の上端開口部に封口板10が絶縁ガスケット11および絶縁ワッシャ12を介して嵌め込まれたのちに、電池ケース1の開口部近傍個所が内方へかしめ加工されることにより、電池ケース1の内部が密閉され、最後に電池ケース1の外周面に外装ラベル15が貼着される。このアルカリマンガン電池は、電池ケース1の下面の凸部が正極端子となり、封口板10が負極端子となる。
つぎに、本発明の一実施形態に係るアルカリマンガン電池の製造方法を具現化するための製造装置について、図2および図3を参照しながら説明する。図2において、先ず、電池ケース1は、図1に図示した2個の正極合剤2A,2B、筒状セパレータ4および底部セパレータ3が挿入されたのち、開口近傍の所定個所に環状溝1aが加工され、その環状部の上部内面にピッチ(図示せず)が塗布された状態で、有底筒状の保持治具13に嵌入される。パレット14には、複数の保持治具13を摺動自在に嵌合させて鉛直の直立姿勢に保持する断面略U字形状の保持ガイド溝17が互いに平行な配置で複数列形成されている。保持ガイド溝17は、図における手前側の一端部が開口されて、電池ケース1が嵌入された保持治具13を順次嵌入させるための挿入口17aになっている。したがって、保持ガイド溝17には、保持治具13が挿入口17aから順次嵌入されていくことにより一列配置に並べられる。所定数の保持治具13が保持ガイド溝17に整列状態に保持され終わると、注液機構における一列配置の電池ケース1分の複数の注液ノズル16が、同時に下降されて各電池ケース1の開口に挿入された状態で、電池ケース1内に規定量の電解アルカリ液を注液する。
パレット14は、全ての保持ガイド溝17に保持している電池ケース1にアルカリ電解液が注入され終わったときに、そのままの状態で次工程の減圧吸液工程に搬送され、この搬送中に電池ケース1内のアルカリ電解液が自然吸液方式によって筒状セパレータ4および正極合剤2A,2Bに吸液されていく。このとき、アルカリ電解液が注入された電池ケース1は、保持治具13を介して保持ガイド溝17に保持されているので、ベルトコンベアで搬送される場合のように電池ケース1内のアルカリ電解液7が電池ケース1の開口から零れ出るおそれがない。
パレット14が減圧吸液工程まで搬送されて停止されると、図3のチャンバー23が、昇降機構(図示せず)の作動により上方の待機位置から下降してパレット14の周縁上面に載置されたのち、エアーシリンダ33の作動によりパレット14上に圧接される。このチャンバー23がパレット14上に圧接されたときには、チャンバー23の下端周面に取り付けられたシリコンゴムなどのシール部材18がパレット14との間で圧縮されることにより、チャンバー23の内部が密閉状態とされる。このチャンバー23とパレット14間のシール性は、シール部材18にグリースを薄く塗布しておけば、一層向上する。
チャンバー23は、パレット14上に圧接されたときに、自体の天板23aと各電池ケ
ース1の上端である開口端との隙間dが電池ケース1の直径Dの1/3以上で2/3以下の範囲になる高さに設定した外形になっており、好ましい隙間dは、直径Dの半分以下である。これにより、減圧吸液工程での電池ケース1内の圧力や風速が急激に変化するのを効果的に抑制できるとともに、空気の流れを緩和することができる。
また、チャンバー23には、真空吸引口24および大気開放口27が設けられている。真空吸引口24には、フレキシブル配管19を介して真空弁20および真空ポンプ21が接続されている。一方、大気開放口27は、電磁弁30および流量調整弁31が設けられたフレキシブル配管22を介して大気に連通されている。これら真空弁20、真空ポンプ21、電磁弁30および流量調整弁31は、コントローラ32が予め設定されたソフトプログラムを実行することにより作動制御される。
図4は本発明の一実施形態に係るアルカリマンガン電池の製造方法を具現化する吸液工程の全体を簡略化して示したものである。この吸液工程は、大別すると、自然吸液工程28と減圧吸液工程29とを有している。自然吸液工程28には、図2に示したパレット14を複数配列できるスペースを有している。各パレット14には、図2に示した保持ガイド溝17が複数列(この実施形態では4列の場合を例示)設けられている。これら各パレット14は、パレット14の幅に相当する所定のピッチP1で図の右方に向け間欠的に順次搬送されるようになっている。但し、電池供給機構38に対向する図の左端側に位置するパレット14は、パレット14の各保持ガイド溝17の配設間隔に相当する小さい所定のピッチP2で図の右方に向け間欠的に移送されるようになっている。パレット14の搬送手段としては、例えば、チェーンを回送させる方式またはローラーコンベア上をエアーシリンダで押す方式などを採用できる。
自然吸液工程28では、左端に位置するパレット14における電池供給機構38に対向する保持ガイド溝17上に、2個の正極合剤2A,2B、底部セパレータ3および筒状セパレータ4が挿入された電池ケース1が、図2の保持治具13に嵌入されて鉛直の直立姿勢で電池供給機構38から順次供給される。一つの保持ガイド溝17上には、200〜400個の電池ケース1が一列に整列した配置に並べて保持される。なお、保持治具13には、嵌入された電池ケース1を吸着して確実に保持するためのマグネット(図示せず)が設けられている。一つの保持ガイドレール17上に所要個数の電池ケース1が並べ終わると、注液機構39が作動して、図2の注液ノズル16により各電池ケース1内に規定量のアルカリ電解液7がそれぞれ注入される。このとき、各電池ケース1が鉛直に直立されているので、アルカリ電解液7の注入が容易に行える。
続いて、パレット14が所定のピッチP2で図の右方に移送されて、次の保持ガイド溝17が電池供給機構38に対向し、この保持ガイド溝17に、上述したと同様に、所要個数の電池ケース1が供給され、これら各電池ケース1内に規定量のアルカリ電解液7が注入されたのち、パレット14が所定のピッチP2で図の右方に移送される。この工程を繰り返して、一つのパレット14の全ての保持ガイド溝17に電池ケース1が供給され、その電池ケース1にアルカリ電解液7が注入され終えたならば、そのパレット14が所定のピッチP1ずつ間欠的に図の右方に向け順次搬送されていく。電池ケース1にアルカリ電解液7が注入された時点から自然吸液工程28の最終段の位置まで電池ケース1が搬送されるのに要する自然吸液時間は、自然吸液方式においてアルカリ電解液7が効率的に正極合剤2A,2Bに吸液される時間である5分に設定されている。なお、5分以上〜6分以下がさらに好ましい。
上述の自然吸液時間を5分に設定する根拠について、図5を参照しながら説明する。図5(a)に示すように、アルカリマンガン電池では、電池ケース1内に複数個の筒状の正極合剤2A,2Bを充填し、この正極合剤2A,2Bの内側に、筒状セパレータ4および底部セパレータ3を配置したのち、底部セパレータ3と筒状セパレータ4とで囲まれたカ
ップ状の比較的大きな容積を有する空間に規定量のアルカリ電解液7を一度に注入すると、1分後、2分後、3分後、4分後および5分後には、それぞれ図5(b)〜(f)に示すように、アルカリ電解液7が筒状セパレータ4および正極合剤2A,2Bに効率的に吸液されていくが、5分程度が経過した時点から吸液性が著しく悪くなる。
このように注入後から5分程度が経過した時点で吸液性が極端に低下するのは、後工程でゲル状負極を注入するための筒状セパレータ4の内側の比較的広い空間内に注入された規定量のアルカリ電解液7の液面が電池ケース1における長手方向の中程の位置となるため、筒状セパレータ4を介してアルカリ電解液7に接している下方の正極合剤2Bへはアルカリ電解液7が5分程度で迅速に吸液されるが、液面よりも上方の正極合剤2Aへの吸液が以下のように吸液メカニズムで行われるためである。
すなわち、電池ケース1の底部に溜まったアルカリ電解液7は、多孔質の筒状セパレータ4により毛細管現象で吸い上げられて上方の正極合剤2A,2Bに吸液されていくが、5分程度が経過したときには、図3(f)に示すようにアルカリ電解液7の80〜90%が筒状セパレータ4および正極合剤2A,2Bに吸液されて、筒状セパレータ4内部のアルカリ電解液7の液面が極めて低くなるため、重力に抗して鉛直上方の高い位置まで毛細管現象で吸い上げなければならなくなるので、筒状セパレータ4によるアルカリ電解液7の保液量が極端に低下する。そのため、規定量のアルカリ電解液7を高密度の正極合剤2A,2Bに自然吸液方式のみで吸液させるには、正極合剤2A,2Bの組成によっても異なるが、12時間ないし24時間もの長い放置時間が必要となる。
そこで、自然吸液方式によるアルカリ電解液7の効率的な吸液性が得られる限界時間である5分が経過したときに、パレット14を減圧吸液工程29に搬送して吸液されずに残存しているアルカリ電解液7を強制的に筒状セパレータ4および正極合剤2A,2Bに吸液させるようにしている。パレット14が減圧吸液工程29に搬送されると、図2で説明したように、上方からチャンバー23が下降してパレット14の周縁上面に圧接されて、チャンバー23の内部が密閉状態に保持されたのち、真空弁20、真空ポンプ21、電磁弁31および流量調整弁31の何れかがコントローラ32により順次に作動制御されて、残存するアルカリ電解液7が筒状セパレータ4および正極合剤2A,2Bに強制的に吸液される。この減圧吸液工程29における吸液制御の詳細については後述する。
この減圧吸液が終了すると、チャンバー23が上昇して、パレット14がそのまま減圧注液工程29の次のポジションまで移送され、パレット14上にチャンバー23が下降して圧接し、上述したと同様の減圧吸液が実施される。この減圧吸液が複数のポジションで繰り返され、パレット14が減圧吸液工程29から送り出されて電池取出機構40に対向する位置に停止されると、電池取出機構40に対向している保持ガイド溝17上の各電池ケース1が電池取出機構40により取り出される。続いて、パレット14が1ピッチP2だけ移送されて次の保持ガイド溝17が電池取出機構40に対向され、その保持ガイド溝17上の各電池ケース1が電池取出機構40に取り出され、これを繰り返してパレット14上の全ての電池ケース1が電池取出機構40に取り出される。
つぎに、上述した製造装置を用いて具現化した本発明に係るアルカリマンガン電池の製造方法の一実施形態における主要工程である吸液工程について説明する。図6は注液工程における時間とチャンパー23内部の真空度との関係を示す説明図である。図6において、自然吸液工程28では、アルカリ電解液7が注入された各電池ケース1を保持するパレット14を、自然吸液方式により効率的に吸液できる限界時間である5分間で減圧吸液工程まで搬送して、その搬送中に自然吸液方式で電池ケース1内のアルカリ電解液7を筒状セパレータ4および正極合剤2A,2Bに吸液させる。アルカリ電解液7の注入後から5分が経過して電池ケース1内のアルカリ電解液7が効率的に正極合剤2A,2Bに吸液された時点でパレット14が減圧吸液工程19に停止されると、チャンバー23が下降してパレット14上に圧接され、減圧吸液工程29が開始される。但し、自然吸液方式により効率的に吸液できる限界時間は、電池の種類によって若干の相違があると思われるので、予め実験結果から電池の種類毎に求めて設定するのが好ましい。
減圧吸液工程29では、先ず、真空パンプ21が駆動されてチャンバー23内部の減圧が開始され、真空弁20の調整により予め設定された減圧時間で−90Kpa程度の所定の真空度まで減圧するようにコントローラ32で制御される。所定の真空度に達すると、真空ポンプ21の駆動が停止され、且つ真空弁20が閉じられて、所定の真空度の状態を一定時間だけ保持し、そののちに電磁弁30が開けられてチャンバー23内部が大気に開放される。
上記減圧吸液工程29は、減圧時間T1よりも大気開放時間T2を長く設定して行うことを特徴としている。減圧時間T1は、チャンバー23内部を大気圧から所定の真空度まで減圧してその真空度を保持して大気開放を開始するまでの時間であり、大気開放時間T2は所定の真空度から大気圧に戻すまでの時間である。所定の真空度まで減圧するのは、正極合剤2A,2Bおよび筒状セパレータ4の内部に含有されている空気を排気して、アルカリ電解液7が入り込む空隙を確保するためである。一方、所定の真空度から大気に開放するのは、減圧により正極合剤2A,2Bおよび筒状セパレータ4の内部に確保した空隙に、電池ケース1の内部圧力とチャンバー23の内部圧力との間に生じる差圧によりアルカリ電解液7を強制的に押し込むようにして吸液を促進させるためである。
したがって、減圧時間T1および大気開放時間T2を共に長く設定すれば、アルカリ電解液7の吸液量が増大することになるが、そのように設定すれば、減圧吸液工程9の全体時間であるタクト時間Tが長くなって生産性の低下を招く。そこで、タクト時間Tは生産性の低下を招かない一定時間に設定する。このため、大気開放時間T2を長く設定すれば、その分だけ減圧時間が短くなる。この実施形態では、大気開放時間T2をタクト時間Tの3/4に設定し、減圧時間T1をタクト時間Tの1/4に設定している。この減圧時間T1および大気開放時間T2の設定はコントローラ32が真空弁20および流量調整弁30を制御して調整することにより行われる。
上述のように減圧時間T1および大気開放時間T2を設定すれば、アルカリ電解液7の吸液量が相当に増大する効果が得られるが、それは、以下のような理由による。すなわち、減圧時には、減圧時間T2が著しく短いことから、正極合剤2A、2Bの内部が十分に排気された状態まで至っていないと思われるが、短い減圧時間T2の間に急激に減圧してチャンバー23内部が所定の真空度に達していれば、続いて大気開放が開始された直後においても正極合剤2A,2B中の空気がチャンバー23内部の真空と置換されて正極合剤2A,2Bを吸液し易い状態に移行する作用が継続される。これに加えて、大気に開放する際には、電池ケース1内の圧力とチャンバー23内部の圧力との差圧によりアルカリ電解液7を正極合剤2A,2Bに強制的に押し込む吸液作用が長い大気開放時間T2にわたり継続される結果、アルカリ電解液7の吸液量が増大する。
また、減圧状態時には、正極合剤2A,2Bから排出された空気が筒状セパレータ4を通過しながら排気されるが、その空気の一部が、筒状セパレータ4を電池ケース1に対し内方側へ押して正極合剤2A,2Bと筒状セパレータ4の間からも排気されるため、筒状セパレータ4が正極合剤2A,2Bに密着できず、正極合剤2A,2Bに対しアルカリ電解液7の効率的な吸液が行われない。そのため、減圧時間T2を長く設定しても、アルカリ電解液7の吸液量を向上させることができない。
一方、大気開放される際には、正極合剤2A,2Bが減圧状態になっているため、この
正極合剤2A,2Bに筒状セパレータ4が密着する。多くのアルカリ電解液7を保液する筒状セパレータ4は、電池ケース1内に流入した大気により正極合剤2A,2Bにさらに押し付けられて、筒状セパレータ4に保液されていたアルカリ電解液7が正極合剤2A,2Bに効果的に吸液される。このときの大気開放時間T2を長く設定していることにより、アルカリ電解液7の吸液量が増大する。逆に、大気開放時間T2を短く設定して短時間の間に急激に大気開放すると、筒状セパレータ4に保液されていた多くのアルカリ電解液7の一部が、電池ケース1内に急激に流れ込む空気によって電池ケース1の底部に払い落とされてしまい、正極合剤2A,2Bへのアルカリ電解液7の吸液量が減少する。
以上のことから、減圧吸液工程29の一定に設定したタクト時間T内において、減圧時間T1を短く、且つ大気開放時間T2を長く設定することが好ましく、大気開放時間T2は、タクト時間Tのうちの1/3以下に設定すると、アルカリ電解液7の吸液量が急に少なくなるので、吸液量の増大を図るためにはタクト時間Tのうちの1/2から3/4に設定する必要があり、最も好ましい大気開放時間T2は、タクト時間Tのうちの3/4に設定することである。
ところで、上述のように短い減圧時間T1の間に所定の真空度に達するように急激に減圧すると、電池ケース1内のアルカリ電解液7が飛散して電池ケース1の封口部分に付着するおそれがあるが、この液飛散の発生を以下のような手段で防止している。まず、第1に、自然吸液工程28において、規定量のアルカリ電解液7を注入した電池ケース1を減圧吸液工程29まで搬送する過程を利用して、5分間の自然吸液によって電池ケース1内に注入したアルカリ電解液7の80〜90%を吸液させ終えることにより、アルカリ電解液7が飛散し難い状態で減圧吸液工程29を開始していることである。
さらに、第2に、図3で説明したように、減圧吸液工程29では、チャンバー23の天板23aと電池ケース1の開口端との隙間dを電池ケース1の直径Dの1/3以上で2/3以下に設定したことにより、短い減圧時間T1の間に所定の真空度まで急激に減圧した場合であってもチャンバー23の内部および電池ケース1内で急激な圧力変化および風速の急激な変化が発生するのを効果的に抑制できるとともに、チャンバー23の内部が均一に圧力変化することである。このように注入したアルカリ電解液7の80〜90%を自然吸液させた状態で減圧吸液工程29を開始することと、チャンバー23の天板23aと電池ケース1の開口端との隙間dを電池ケース1の直径Dの1/3以上で2/3以下に設定して減圧することとにより、短い減圧時間T1の間に所定の真空度まで急激に減圧してもアルカリ電解液7の飛散が生じなく、しかも、真空度を高く設定した場合においてもアルカリ電解液7の飛散が生じない。実験の結果では、−96Kpaの高い真空度まで減圧してもアルカリ電解液7の飛散が生じないことが確認できた。これにより、高い真空度に設定して減圧することで、アルカリ電解液の吸液量の更なる増大が図れる。
なお、チャンバー23の天板23aと電池ケース1の開口端との隙間dを電池ケース1の直径Dの1/3以上で2/3以下に設定する手段としては、実施形態のようにチャンバー23を所定の高さを有する外形とする固定式に限らず、例えば、減圧吸液工程29においてパレット14上にチャンバー23が圧接された時点で電池ケース1を所定高さまで上昇させたり、チャンバー23内部に設けた上下動自在に設けた仕切り板のような可動式天板を下降させるようにしてもよい。この可動式の手段は、電池ケースのサイズの相違に容易に対応できる利点がある。
実施例1は、外径が14mmで、高さが50mmのLR6と呼称されるアルカリマンガン電池を、本発明の製造方法を適用して試作し、その注液性の評価試験を行ったものである。先ず、正極合剤2A,2Bは以下のようにして製作した。すなわち、二酸化マンガン
と黒鉛とを90:10の重量比で混合し、この混合物とアルカリ電解液7とを100:3の重量比で混合して十分に攪拌したのち、フレーク状に圧縮成型して混合物ペレットを得た。アルカリ電解液7には、40重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用い、フレーク状の混合物ペレットを粉砕して粉末状にしたのちにふるいによって分級し、10〜100メッシュのものを中空円筒状に圧縮成形して正極合剤2A,2Bを得た。
2個の正極合剤2A,2Bを電池ケース1内に挿入したのち、1.2トンで加圧した。つぎに、正方形に切断された底部セパレータ3を正極合剤2A,2Bの中空部に挿入したのち、巻芯を用いて円筒状に3回巻回した筒状セパレータ4を正極合剤2A,2Bの中空部に挿入した。筒状セパレータ4は、イオンのみを透過させる微孔性フイルムとして再生セルロースを用い、この再生セルロースの両面に化学繊維からなる不織布をラミネートして、0.1mmの厚みに製作した。アルカリ電解液7は、33%のKOH水溶液で、1%のZnOを添加して、液比重を1.36g/cm2 (20℃)としたものを用いた。
このように電池ケース1に正極合剤2A,2B、底部セパレータ3、筒状セパレータ4を挿入した電池中間品を用いて、減圧吸液工程においてどこまで高い真空度を採用できるかを確認する実験を行い、つぎに、自然吸液工程での自然吸液時間が吸液量に及ぼす影響について確認した。評価方法は、電池ケース1の環状溝1aの上部の封口部分にアルカリ電解液が飛散して付着したか否かで判断した。また同時に、吸液性が向上する高い真空度を使用するために、アルカリ電解液7が飛散して電池ケースの封口部分に付着しない方法についても検討した。
実験には図8に示すような装置を用いた。チャンバー34は、アクリルを材料として、幅が150mm、奥行きが150mmおよび高さが100mmのサイズに形成したものを用いた。このチャンバー34の真空吸引口24および大気開放口27の近傍箇所には邪魔板37,39を設けて、急激な圧力変化が生じるのを防止した。その他は図3の装置と同様の構成とした。この装置は所定の真空度まで減圧したのちに大気に開放する一連の動作を何回も繰り返すことが可能になっている。
先ず、真空度をどこまで高く設定できるかの実験を行った。真空度を高く設定する程、アルカリ電解液7の吸液性が向上するが、アルカリ電解液の飛散の発生が多くなって電池ケース1の封口部分へ付着する可能性も高くなる。そこで、除々に真空度を上げていきながら限界値を見極めることにした。実験の条件としては、自然吸液時間を5分に設定し、減圧したのちに大気に開放する減圧吸液工程を4回繰り返すことにした。その減圧吸液工程のタクト時間T(図6参照)を40秒に設定し、そのタクト時間Tのうちの7秒を大気開放時間T2(図6参照)とした。この大気開放時間T2は、実験に用いる真空ポンプ21の能力を考慮して、できるだけ短く設定し、その分だけ減圧時間T1(図6参照)に余裕を持たせた。
1回の実験に上述の電池中間品を2セル分用意し、図9(a)に示す感応紙41を、図9(b)に示すように、電池ケース1の封口部分の内周面に取り付けた。この感応紙41はアルカリ電解液7が少しでも付着すると変色するものであり、この感応紙41には、判別が一層容易になるように、リトマス紙にクレゾールとインプロピルアルコール混合液を塗布したのちに乾燥したものを使用した。
「実験1」の手順は、4セル分の電池中間品に、ハイバーポンプで1.58gのアルカリ電解液7を注入しのち、電池中間品の封口部分に取り付けた感応紙41が変色しなかったことを目視で確認し、そのまま5分間放置して自然吸液方式でアルカリ電解液7を吸液させた。5分後、真空度に保持する保持時間を10秒に設定した。この減圧吸液工程を4回繰り返したのちに、チャンバー34から電池中間品を取り出して感応紙41が変色しているか否かを判別した。この判別では、感応紙41が少しでも変色していたら、アルカリ電解液7が付着したと判断するようにした。
上記「実験1」から得た結果は、−90Kpaから−94Kpaまで1Kpa毎にデータを取ったが、何れもアルカリ電解液の付着が認められなかった。このとき、設定真空度まで減圧するのに要した時間は8〜10秒である。使用した真空ポンプ21は排気量の多いドライポンプであり、−94Kpaの真空度までしか減圧できない。そこで、−95Kpa以上の真空度に減圧するのに油回転ポンプを用いた。その結果、−95Kpaでは液付着が発生しなかったが、−96Kpaでは4セル分の電池中間品のうちの1セルの電池中間品に液付着が発生し、−97Kpaで4セルのうちの2セルに液付着が発生した。この油回転ポンプを用いて設定真空度まで減圧するのに要した時間は22秒〜32秒であった。油回転ポンプを用いれば高い真空度が得られるが、油回転ポンプは排気能力が少ないことから、所定の真空度に減圧するまでに時間がかかり過ぎ、電池の量産には適していないことが判明した。
つぎに、自然吸液時間と電池ケース1の封口部分への液付着との関係を調べる「実験2」行った。上述の「実験1」では自然吸液時間を5分に設定したが、その自然吸液時間を3分および1分に短縮して、液付着の状況を調べた。その他の実験条件は「実験1」と同じであり、真空ポンプ21として、ドライポンプを用いた。この「実験2」の結果は、自然吸液時間を3分に設定した場合に−96Kpaの真空度まで液付着が発生しなかったが、多くの気泡の発生が目視で確認でき、液付着が発生し易い状況であると思われた。自然吸液時間を1分に設定した場合は、−92Kpaまで液付着が発生しながったが、−93Kpaで4セル分の電池中間品のうちの1セルの電池中間品に液付着が発生し、−94Kpaでは4セル分の電池中間品のうちの2セル分の電池中間品に液付着が発生した。この「実験2」の結果から、液付着の発生を防止するためには、自然吸液時間を長く設定することが有効であることが判明した。
これは、正極合剤2A,2Bは多孔質であるから、自然吸液時間を長く設定すると、正極合剤2A,2Bの多くの孔がアルカリ電解液7で満たされるため、所定の真空度まで減圧したときに気泡の発生が少なくなり、一方、自然吸液時間を短く設定すると、所定の真空度まで減圧したときに多くの気泡が発生し、その気泡が破れるときにアルカリ電解液7が飛び散って電池ケース1の封口部分に付着するものと思われる。
続いて、アルカリ電解液7の飛散や電池ケース1の封口部分への付着を防止する手段について検討した。真空度を高める程アルカリ電解液7の飛散が生じ易いのは、アルカリ電解液に含まれる水が沸点に近づくからであると思われる。例えば、液温が25℃であれば、−98Kpaが水の蒸気圧になる。したがって、−96〜−97Kpaの真空度は、アルカリ電解液7が既に非常に不安定な状態になっているものと思われ、この真空度まで高めるのは困難である。
上述の2種の液付着現象は、減圧するときの急激な圧力変化に起因して発生するものと思われるので、所定の真空度に向け時間をかけて緩やかに減圧していけば、大きな気泡の発生を抑制して電池ケース1の環状溝1a付近の空気の流れも緩やかになり、液付着が発生し難くなる。これは、図8の装置に設けた邪魔板37がチャンバー内部の真空度を均一にする機能を果していないためであると思われる。そこで、邪魔板37による効果を確認するために、邪魔板37をチャンバー34から取り外して、この状態で電池ケース1を真空吸引口24の近傍に配置して、電池ケース1の封口部分への液付着を調べるための「実験3」を行った。この「実験3」の実験条件は「実験1」と同じであり、真空ポンプ21
として、ドライポンプを用いた。
この「実験3」の結果、邪魔板37が無い場合、5分の自然吸液を行った電池中間品は−90Kpaと90Kpaにおいて液付着が発生せず、−94Kpaで4セル分の電池中間品のうちの3セル分の電池中間品に液付着が発生した。1分の自然吸液を行った電池中間品は、−90Kpaで4セル分のうちの1セル分に、−92Kpaで4セルのうちの2セルに、−94Kpaで4セルの全部にそれぞれ液付着が発生した。この「実験3」の結果から、邪魔板37は液付着の抑制効果があり、その形状をもう少し工夫すれば、液付着の発生を一層抑制できるものと思われた。
そこで、真空吸引口24の近傍に設ける邪魔板37に代えて、電池ケース1の開口部に近接する位置に邪魔板を設けて、真空吸引口24の近傍に邪魔板37を設けた場合よりも均一な圧力変化が得られるか否かを実験した。具体的に、図4の装置において、保持治具13の下に厚みが異なるスペーサを介在させることにより、電池ケース1の開口端をチャンバー34の天板34aに除々に近接させた。この「実験4」の結果、電池ケース1の開口端とチャンバー34の天板34aとの隙間が電池ケース1の直径の約半分になった時点で液付着が発生しないことが判明した。この効果を確認するために、最もアルカリ電解液7の飛散が発生し易い条件で「実験4」を行った。
すなわち、「実験4」は、図8の邪魔板37を取り除いて、電池ケース1を真空吸引口24の真下近傍に配置し、且つ電池ケース1の開口端とチャンバー34の天板34aとの隙間が電池ケース1の直径の半分になるように設定した。その他の条件は「実験1」と同じである。この「実験4」の結果、1分間の自然吸液を行った電池中間品では、−93Kpaまで液付着が発生せず、さらに−94Kpaにしても液付着が発生しなかった。−96Kpaに設定した時点て液付着が発生した。これにより、電池ケース1の開口端とチャンパー34の天板34aとの隙間を電池ケース1の直径の約半分に設定すると、短時間の自然吸液を行った後の電池中間品においても、高い真空度まで減圧した場合にもアルカリ電解液の飛散か発生しないことが確認できた。
続いて、真空ポンプ21を油回転ポンプに交換して、5分の自然吸液後の電池中間品を−96Kpaまで減圧したところ、液付着が発生しなかった。但し、−97Kpaでは4セル分の電池中間品のうちの1セル分に液付着が発生した。これは、−97Kpaの真空度は沸点に近いためである。以上の実験により、電池ケース1の開口端とチャンバー34の天板34aとの隙間を電池ケース1の直径の約半分程度に設定すると、アルカリ電解液の飛散を抑制する大きな効果が得られることが実証できた。また、アルカリマンガン電池の減圧吸液工程に使用できる真空度は−96Kpaまでであることも確認できた。量産設備では、チャンバー34のサイズが大きくなり、チャンバー34内部の圧力分布のばらつきが大きくなるが、チャンバー34の高さを低くするだけの安価な構成で上述のアルカリ電解液の飛散を効果的に防止できる大きな効果が得られる。
続いて、自然吸液特性について調べた。アルカリ電解液は上述したものと同じ33%のKOH水溶液に1%のZnOを添加したものを用いた。先ず、各電池中間品の重量を測定したのち、2セル分の電池中間品にハイバーポンプで1.58gのアルカリ電解液を注入し、この注入時から1分が経過した時点で吸液されずに電池ケース内に残存しているアルカリ電解液を注射器で吸い出した。この吸い出しを2回行って、残存するアルカリ電解液を全て吸い出し、その吸い出したアルカリ電解液の重量を測定して、その測定重量を最初に測定した電池中間品の重量から減算することにより、1分経過後の正極合剤2A,2Bによるアルカリ電解液7の吸液量を算出した。同様にして、注液時から2分経過後、3分経過後の正極合剤2A,2Bによるアルカリ電解液7の吸液量を順次算出していき、11
分経過後までの正極合剤2A,2Bによるアルカリ電解液7の吸液量を順次算出した。このときの平均吸液量は図7にプロットした特性となった。
図7から明らかなように、アルカリ電解液7の注入時から5分が経過するまではアルカリ電解液7が効率良く吸液されていくが、その後の吸液量は微増に止まっている。したがって、減圧吸液工程は、注液時から5分が経過した時点で開始するのが好ましく、より好ましくは6分が経過した時点で開始することである。すなわち、図5に示したように、注液後から4分経過時点までは吸液されていないアルカリ電解液7が電池ケース1内に多く残存しているので、この状態で減圧吸液工程を開始すると、アルカリ電解液の飛散が発生し易い。
上述した「実験1」〜「実験4」の結果を一覧で表すと、表1のようになる。実験に用いた電池中間品はいずれも4個である。表1は、液飛散が発生した回数を示しており、−は実験を行っていないことを表している。また、実験条件の欄におけるAは、自然吸液が5分で邪魔板有り、Bは自然吸液が3分で邪魔板有り、Cは自然吸液が1分で邪魔板有り、Dは自然吸液が5分で邪魔板無し、Eは自然吸液が1分で邪魔板無し、Fは自然吸液が5分で電池ケースの開口端を天板に接近、Gは自然吸液が1分で電池ケースの開口端を天板に接近をそれぞれ示している。
Figure 2009224159
この表1から明らかなように、自然吸液工程を5分に設定して、電池ケースの開口端をチャンバーの天板に接近させた状態で減圧吸液を行えば、高い真空度まで減圧しても液飛散が発生しないことが判明し、本発明の効果が得られることが実証できた。
この実施例では、実施例1と同様の外径が14mmで、高さが50mmの形状を有するLR6と呼称されるアルカリマンガン電池を本発明の製造方法によって試作して、注液性の評価試験を行ったものである。先ず、正極合剤2A,2Bは以下のようにして製作した。すなわち、二酸化マンガンと黒鉛とを90:10の重量比で混合し、この混合物とアルカリ電解液7とを100:3の重量比で混合して十分に攪拌したのち、フレーク状に圧縮成型して混合物ペレットを得た。アルカリ電解液7には、40重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用い、フレーク状の混合物ペレットを粉砕して粉末状にしたのちにふるいによって分級し、10〜100メッシュのものを中空円筒状に圧縮成形して正極合剤2A,2Bを得た。
2個の正極合剤2A,2Bを電池ケース1内に挿入したのち、1.2トンで加圧した。つきに、正方形に切断された底部セパレータ3を正極合剤2A,2Bの中空部に挿入したのち、巻芯を用いて円筒状に3回巻回した筒状セパレータ4を正極合剤2A,2Bの中空部に挿入した。筒状セパレータ4は、イオンのみを透過させる微孔性フイルムとして再生セルロースを用い、この再生セルロースの両面に化学繊維からなる不織布をラミネートして、0.1mmの厚みに製作した。
上述の電池中間品を用いて、減圧吸液工程における減圧時間と大気開放時間との割合が吸液性に及ぼす影響について調べる実験を行った。量産に際して減圧吸液工程を実施する場合には、或る一定時間内に1サイクルを終了する必要があり、その1サイクルのタクト時間を決定するためには、減圧時間や大気開放時間についての知見が必要となり、それを得るための実験を行った。この実験は、設備のタクト時間を40秒、自然吸液時間を12秒、減圧吸液時間を28秒にそれぞれ設定して行った。吸液性に及ぼす影響の確認は、減圧吸液時間である28秒のうちの大気開放時間を26秒,22秒、18秒、14秒、10秒、6秒、2秒の7種類に設定して、それぞれの大気開放時間を減圧吸液時間から減算した時間を減圧時間に設定した。すなわち、大気開放時間が26秒の場合には減圧時間が2秒となる。
この実験には以下のような装置を用いた。すなわち、チャンバーは、直径が47mmで高さが70mmの小型の円筒形のもので、材質がアクリルである。真空ポンプは、−100Kpaの真空度まで減圧可能な油回転式のものを用いたが、真空減圧弁で−90Kpaに設定して用いるようにした。上述のようにチャンバーの容積が小さいので、−90Kpaの真空度まで約1秒で減圧することができ、この実験の減圧時間を短く設定するのに適している。一方、大気開放時間の調整は絞り弁で行う。−90Kpaから0Kpaまでの大気開放への経過をストップウォッチで計測して、絞り弁の絞り量を調整した。実験の共通条件として、自然吸液時間を5分に設定した。また、所定の真空度まで減圧したのちに大気に開放するサイクルの繰り返し回数を4回とし、真空度は−90Kpaに設定した。アルカリ電解液7は、33%のKOH水溶液で、1%のZnOを添加して、液比重を1.36g/cm2 (20℃)としたものを用いた。
この実験は、先ず、4セル分の電池中間品の重量を測定したのち、その各電池中間品にハイバーポンプで1.58gのアルカリ電解液を注入したのち、そのまま5間放置して、アルカリ電解液を筒状セパレータおよび正極合剤に自然吸液させた。最初は大気開放時間を26秒に設定した実験を行った。自然吸液を5分行ったのち、真空ポンプを作動して減圧を開始し、2秒経過した時点で真空ポンプの作動を停止させると同時に大気開放を開始した。その大気開放が終了すると、そのままの状態でタクト時間である40秒が経過するまで待って、再び真空ポンプを作動させ、2秒経過後に大気開放を開始する。このようにして−90Kpaまでの減圧したあとに大気開口する工程を4回繰り返せば、減圧吸液工程が終了する。
つぎに、注射器を電池ケースの底まで挿入して、吸液されずに残存しているアルカリ電解液を吸い出す。注射器は、先端を平らにカットした注射針を有するものを使用し、このアルカリ電解液の吸い出し作業を1つの電池中間品に対し2回行い、残存するアルカリ電解液を全て吸い出す。そののち、再び電池中間品の重量を測定し、この測定重量から初期に測定した電池中間品の重量を減算して、筒状セパレータおよび正極合剤へのアルカリ電解液の吸液量を算出する。同じ実験条件で再び4セル分の電池中間品のデータを取り、合計8セル分の電池中間品の平均吸液量を算出し、これを減圧時間が2秒で大気開放時間が26秒の実験条件の平均吸液量とした。
以下、上述と同様にして、減圧時間が6秒で大気開放時間がそれぞれ22秒、18秒、14秒、10秒、6秒および2秒で大気開放時間が6秒、10秒、14秒、18秒および22秒の実験条件における平均吸液量を順次算出する。この結果を図10に示す。減圧開始から大気圧に戻るまで減圧吸液工程の時間が28秒であるから、この28秒から横軸の大気開放時間を減算した時間で減圧時間となる。
図10から明らかなように、減圧時間を長く設定するよりも大気開放時間を長く設定した方が吸液量が多くなり、また、大気開放時間は、所要の吸気量を得るために少なくとも10秒以上に設定する必要があることが判明した。また、大気開放時間を26秒に設定した場合には、減圧時間が僅かに2秒となり、この2秒の減圧で正極合剤の排気が十分に行われるとは思えないが、それにも拘らず十分な吸液量が得られる結果となった。これは、大気開放が開始されても、正極合剤中の空気がチャンバ内部の真空と置換が行われるためであると思われる。この実験結果により、減圧時間を可及的に短く設定して、その短くした分だけ大気開放時間を長く設定すれば、吸液量が増大し、本発明の上述した効果が確実に得られることが実証された。
この発明のアルカリマンガン電池の製造方法によれば、自然吸液工程でアルカリ電解液を吸液させたのち、チャンバーの天板と電池ケースの開口端との隙間を電池ケースの直径の1/3以上で2/3以下に設定して減圧吸液工程を行うので、減圧時において、電池ケース内で急激な圧力変化および風速の急激な変化が発生するのを効果的に抑制できるとともに、チャンバーの内部が均一に圧力変化するので、アルカリ電解液の飛散の発生を効果的に防止することができ、また、真空度を高く設定した場合においてもアルカリ電解液の飛散の発生が生じないので、アルカリ電解液の吸液量の更なる増大を図ることができ、さらに、短時間の間に所定の真空度まで急激に減圧した場合であってもアルカリ電解液の飛散が生じないので、生産性の向上を図ることもできる。
本発明の製造方法により製造すべきアルカリマンガン電池を示す半部切断した縦断面図。 本発明の一実施形態の製造方法における自然吸液工程を具現化した装置を示す斜視図。 同上の実施形態の製造方法における減圧吸液工程を具現化した装置を示す断面図。 各実施形態における工程の全体を簡略化して示した説明図。 (a)〜(f)は同上の自然吸液工程における時間経過に伴うアルカリ電解液の吸液状態を順に示す縦断面図。 同上の実施形態における時間とチャンパー内部の真空度との関係を示す説明図。 実施例の実験結果の自然吸液工程での時間と吸液量の関係を示す特性図。 実施例における減圧吸液の実験に用いた装置の概略構成図。 (a),(b)は実施例における電池ケースの封口部分への液付着を検出する手段を示す縦断面図。 実施例の実験結果の大気開放時間と吸液量との関係を示す特性図。
符号の説明
1 電池ケース
2A,2B 正極合剤
4 筒状セパレータ
7 アルカリ電解液
23 チャンバー
23a 天板
28 自然吸液工程
29 減圧吸液工程
d 隙間
D 電池ケースの直径
T タクト時間(減圧吸液工程の全体時間)
T1 減圧時間
T2 大気開放時間

Claims (4)

  1. 電池ケース内に複数個の筒状の正極合剤を互いに重ねた配置で挿入し、前記各正極合剤の内側に筒状セパレータを挿入したのち、前記筒状セパレータの内側の空間に規定量のアルカリ電解液を注入する注液工程と、
    アルカリ電解液を注入した電池ケースを所定時間の間放置してアルカリ電解液を自然吸液方式により前記筒状セパレータを介して前記正極合剤に吸液させる自然吸液工程と、
    チャンバーの天板と電池ケースの開口端との隙間を電池ケースの直径の1/3以上で2/3以下に設定して、電池ケースを密閉状態の前記チャンバー内に収容したのち、前記チャンバーの内部を所定の真空度まで減圧したのちに大気に開放してアルカリ電解液を減圧吸液方式により前記筒状セパレータを介して前記正極合剤に吸液させる減圧吸液工程とを有していることを特徴とするアルカリマンガン電池の製造方法。
  2. 減圧吸液工程において、チャンバー内部を所定の真空度まで減圧する減圧時間よりも所定の真空度から大気に開放までの大気開放時間を長く設定するようにした請求項1に記載のアルカリマンガン電池の製造方法。
  3. 減圧吸液工程の全体時間のうちの1/2から3/4を大気開放時間に設定するようにした請求項2に記載のアルカリマンガン電池の製造方法。
  4. 自然吸液工程の放置時間を、注液工程で注液したアルカリ電解液の少なくとも70%が筒状セパレータおよび正極合剤に吸液されるのに要する時間に設定した請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルカリマンガン電池の製造方法。
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