JP5682622B2 - カルバメート化合物の製造方法、カルバメート化合物、およびこれを用いたイソシアネート化合物の製造方法 - Google Patents

カルバメート化合物の製造方法、カルバメート化合物、およびこれを用いたイソシアネート化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カルバメート化合物の製造方法、該方法で得られるカルバメート化合物、およびこれを用いたイソシアネート化合物の製造方法に関する。
イソシアネート化合物は、各種ウレタン化合物、尿素化合物の原料;樹脂、塗料類の硬化剤等として工業的に幅広く用いられている。
イソシアネート化合物を製造する方法として、例えば下記の方法が知られている。
(1)1級アミンとホスゲンとを反応させる方法。工業的に主として用いられている。
(2)分子内に−N(H)−C(O)O−を有するカルバメート化合物を、触媒の存在下に熱分解する方法(特許文献1など)。
(3)アミノ基が芳香環に直結する構造を有しない非芳香族ジアミンと、アルキルアリールカーボネートとを無触媒下で反応させて、非芳香族カルバメート化合物を得た後、これを触媒の存在下に熱分解してイソシアネート化合物とする方法(特許文献2)。
(4)分子内にフッ素原子を有する芳香族カルバメート化合物を、無触媒下で熱分解してイソシアネート化合物を得る方法(特許文献3)。
(5)ポリアミンと含フッ素炭酸ジエステル化合物とを触媒の存在下で反応させて、分子内にフッ素原子を有するカルバメート化合物を得た後、これを無触媒下で熱分解してイソシアネートに変換する方法(特許文献4、5)。
(6)N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸ナトリウムの存在下、トリクロロアセトアミド類の脱クロロホルム反応によってイソシアネート化合物を得る方法(非特許文献1)。
日本国特許第4328109号公報 日本国特許第4298995号公報 日本国特表2002−500654号公報 日本国特開2009−108034号公報 国際公開第2009/098327号パンフレット
ORGANIC LETTERS、2006年、第8巻、第15号、p.3263−3265
しかし、上記(1)の方法では、ホスゲンが毒性を有するため取り扱いが難しい。
上記(2)の方法では、カルバメート化合物の熱分解速度が非常に遅いため、熱分解を促進する触媒を必要とする。触媒を使用すると、目的のイソシアネート化合物を得た後に触媒を分離する操作が必要となるが、その操作は容易ではなく、また触媒の単位質量あたりの目的化合物の生成量も少ないなどの問題がある。
上記(3)の方法では、触媒を用いずに非芳香族カルバメート化合物を得ることができるものの、得られる非芳香族カルバメート化合物からイソシアネート化合物への変換には依然として触媒が必要であり、触媒を使用することに起因する問題を解決できない。
上記(4)の方法は、芳香族カルバメート化合物から無触媒で芳香族イソシアネート化合物を得る方法に限られている。
上記(5)の方法では、含フッ素炭酸ジエステル化合物から含フッ素カルバメート化合物を得る際に触媒が必要であり、触媒を使用することに起因する問題を解決できない。
上記(6)の方法においても触媒が必要であり、触媒を使用することに起因する問題を解決できない。
本発明は、上記の問題を解決するべくなされたもので、ホスゲンを用いることなく、かつ触媒を使用せずにイソシアネート化合物を製造することできる、カルバメート化合物の製造方法、該方法で得られるカルバメート化合物、およびこれを用いたイソシアネート化合物の製造方法を提供する。
上述したように、上記特許文献3〜5には、分子内にフッ素原子を有するカルバメート化合物から無触媒でイソシアネート化合物を得る方法が記載されている。しかしながら、特許文献4、5に記載されているように、かかる分子内にフッ素原子を有するカルバメート化合物を製造するには触媒が必要であると考えられていた。
すなわち、特許文献4の段落[0081]には、触媒としてホスファゼンを用いて、2,4−トルエンジアミンとビストリフルオロエチルカーボネートとを、140℃で20時間反応させて、芳香族含フッ素ジカルバメート化合物を製造した実施例が記載されており、段落[0082]には、触媒であるホスファゼンを添加しないと、同様に140℃で20時間反応させても該芳香族含フッ素ジカルバメート化合物が生成されなかった比較例が記載されている。
また特許文献5の公報第30頁の実施例2.5.には、特定の触媒の存在下で、1,2−エチレンジアミンとビストリフルオロエチルカーボネートとを反応させて、脂肪族含フッ素ジカルバメート化合物を製造した実施例が記載されている。
しかしながら本発明者等は、含フッ素炭酸ジエステル化合物と、非芳香族ジアミン化合物とから、無触媒でカルバメート化合物を得ることができ、かつ、得られたカルバメート化合物から無触媒でイソシアネート化合物を製造できる方法を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下式(1)で表される含フッ素炭酸ジエステル化合物と、下式(2)で表わされる非芳香族ジアミン化合物とを、触媒を使用せずに反応させて、下式(3)で表されるカルバメート化合物を製造する、カルバメート化合物の製造方法を提供する。
Figure 0005682622
(式中、Rは1価の含フッ素脂肪族炭化水素基を表わす。)
Figure 0005682622
(式中、Aは2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、または2価の芳香脂肪族炭化水素基を表わす。)
Figure 0005682622
(式中、Rは1価の含フッ素脂肪族炭化水素基を表わし、Aは2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、または2価の芳香脂肪族炭化水素基を表わす。)
上式(1)のRにおいて、カーボネート結合の酸素原子に結合するα位の炭素原子上にフッ素原子を有さず、その隣のβ位の炭素原子に、フッ素原子、ポリフルオロアルキル基、およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の基が、合計で2個以上結合していることが好ましい。
上式(1)におけるRが、2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−i−プロピル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−n−ペンチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−n−ブチル基、または2,2,2−トリフルオロエチル基のいずれかであることが好ましい。
上式(2)で表わされる非芳香族ジアミン化合物が、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノ(ジシクロヘキシルメタン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、または1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼンのいずれかであることが好ましい。
本発明は、本発明の製造方法で得られる、下式(4)〜()で表されるカルバメート化合物を提供する
Figure 0005682622
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本発明は、本発明のカルバメート化合物の製造方法によって、上式(3)で表されるカルバメート化合物を製造する工程と、得られたカルバメート化合物から触媒を使用せずに熱分解によって下式(20)で表されるイソシアネート化合物を製造する工程を有することを特徴とするイソシアネート化合物の製造方法を提供する。
Figure 0005682622
(式中、Aは2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、または2価の芳香脂肪族炭化水素基を表わす。)
本発明のカルバメート化合物の製造方法によれば、ホスゲンを用いることなく、かつ触媒を使用せずにカルバメート化合物を製造できる。
本発明のカルバメート化合物の製造方法で得られたカルバメート化合物は、触媒を使用せずにイソシアネート化合物に変換できる。
本発明のイソシアネート化合物の製造方法によれば、ホスゲンを用いることなく、かつ触媒を使用せずに、炭酸ジエステル化合物とジアミン化合物とからカルバメート化合物を経由してイソシアネート化合物を製造することができる。
図1は、本発明の一実施例における反応経路を示す図である。 図2は、本発明の他の実施例における反応経路を示す図である。
本明細書において、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書において、含フッ素化合物とは、フッ素原子を有する化合物を意味する。また含フッ素基とは、フッ素原子を有する基を意味する。
本明細書において、ポリフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の一部(2個以上)がフッ素原子に置換された基を意味し、パーフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の全部がフッ素原子に置換された基を意味する。
本明細書において、「炭素原子上のフッ素原子」とは、該炭素原子に直接結合しているフッ素原子を意味し、「炭素原子上にフッ素原子を有しない」とは該炭素原子に直接結合しているフッ素原子が存在しないことを意味する。
<化合物(1):含フッ素炭酸ジエステル化合物>
上式(1)において、Rは1価の含フッ素脂肪族炭化水素基である。一分子中の2つのRは、同一の基である。
Rとしての含フッ素脂肪族炭化水素基は、エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。フッ素原子以外の置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子(ただし、フッ素原子を除く。)が好ましい。
含フッ素脂肪族炭化水素基としては、カーボネート結合(−O−C(O)−O−)の酸素原子(−O−)に結合するα位の炭素原子上にフッ素原子を有しない炭素数2〜10のポリフルオロアルキル基が好ましく、α位の炭素原子上にフッ素原子を有しない炭素数2〜5のポリフルオロアルキル基がより好ましい。該ポリフルオロアルキル基はエーテル性の酸素原子を有してもよい。
炭素数2〜10のポリフルオロアルキル基におけるアルキル基としては、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、またはn−ペンチル基が好ましく、エーテル性の酸素原子を有するポリフルオロアルキル基におけるアルキル基としては、(エトキシ(エトキシ))エチル基、(エトキシ(エトキシ(エトキシ)))エチル基、(プロポキシ)プロピル基、(プロポキシ(プロポキシ))プロピル基が好ましい。
上式(1)のRにおいて、カーボネート結合の酸素原子に結合するα位の炭素原子上にフッ素原子を有さず、該α位の隣のβ位の炭素原子に、フッ素原子、ポリフルオロアルキル基、およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の基が、合計で2個以上結合していることが好ましい。該ポリフルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基はそれぞれエーテル性の酸素原子を有してもよい。
該α位の炭素原子上にフッ素原子を有しないと、化合物(1)の安定性、および化合物(1)と化合物(2)との反応(カルバメート化反応)で副生するアルコールの安定性が良好であり、これらの分解によるフッ化水素の発生が抑えられる点で好ましい。
また、β位の炭素原子に、フッ素原子、ポリフルオロアルキル基、および/またはパーフルオロアルキル基が合計で2個以上結合していると、該フッ素原子、ポリフルオロアルキル基、および/またはパーフルオロアルキル基の電子吸引性により、カーボネート結合の酸素原子の活性が高くなる点で好ましい。該酸素原子の活性が高くなると、無触媒下での、化合物(1)と化合物(2)とのカルバメート化反応、および化合物(3)の脱アルコール反応によるイソシアネート化反応が容易に進行しやすくなる。
Rとしての含フッ素脂肪族炭化水素基の好ましい例としては、2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−i−プロピル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−n−ペンチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−n−ブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロ−2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)エトキシ)エチル基(CFCFOCFCFOCFCH−)、2,2−ジフルオロ−2−(テトラフルオロ−2−(テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基(CFCFOCFCFOCFCFOCFCH−)、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ)−i−プロピル基(CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CH−)、2,3,3,3−テトラフルオロ−2−(1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロポキシ)−i−プロピル基(CFCFCFOCF(CF)CH−)が挙げられる。
これらのうち、特に汎用性の点で、2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−i−プロピル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−n−ペンチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−n−ブチル基、または2,2,2−トリフルオロエチル基が好ましい。
化合物(1)は後述の製造方法で製造できる。
<化合物(2):非芳香族ジアミン化合物>
上式(2)において、Aは2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、または2価の芳香脂肪族炭化水素基のいずれかである。化合物(2)は1級アミノ基を2つ有する。2価の芳香脂肪族炭化水素基とは、芳香環と、該芳香環を構成する炭素原子に直接結合している2個のアルキレン基とを有する基を意味し、化合物(2)の2個のアミノ基は該2個のアルキレン基にそれぞれ結合している。すなわち、化合物(2)は芳香環に直接結合したアミノ基を有しない。
Aは、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、スルホン基、カルボニル基、ハロゲン原子などの、イソシアネート化反応工程の温度において、熱的に安定で、かつイソシアネート基と反応しない、結合または官能基を含んでいてもよい。
Aが2価の脂肪族炭化水素基であるとき、化合物(2)は脂肪族ジアミンである。Aである脂肪族炭化水素基の炭素数は2〜40が好ましく、2〜20がより好ましい。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン(1,6−ヘキサメチレンジアミンともいう)、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,2−ビス(アミノエチルチオ)エタンなどが挙げられる。
また、脂肪族ジアミンには、例えば、ポリオキシプロピレンジアミンなどのアミノ基含有ポリオキシアルキレン化合物やアミノ基含有ポリシロキサン化合物なども含まれる。
Aが2価の脂環式炭化水素基であるとき、化合物(2)は脂環式ジアミンである。Aである脂環式炭化水素基の炭素数は4〜40が好ましく、4〜20がより好ましい。
脂環式ジアミンとしては、例えば、ジアミノシクロブタン、イソホロンジアミン(3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン)、1,2−ジアミノシクロへキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロへキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノ(ジシクロヘキシルメタン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、水添2,4−トルエンジアミン、水添2,6−トルエンジアミンなどが挙げられる。
Aが2価の芳香脂肪族炭化水素基であるとき、化合物(2)は芳香脂肪族ジアミンである。Aである芳香脂肪炭化水素基の炭素数は8〜40が好ましく、8〜20がより好ましい。芳香環と、アミノ基との間に存在するアルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。該アルキレン基は直鎖状であることが好ましい。
芳香脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼンなどが挙げられる。
これらのうち、特に工業的に有用なジイソシアネートが得られる点で、化合物(2)として、例えば、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノ(ジシクロヘキシルメタン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼンが好ましく用いられる。特に反応性の点で1,6−ヘキサメチレンジアミンまたは1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼンが好ましい。
化合物(2)は公知の製法で製造することができ、市販品からも入手可能である。
<化合物(3)〜(19):カルバメート化合物>
化合物(3)は、化合物(1)と化合物(2)の反応生成物である。上式(3)において、Rは化合物(1)由来のRであり、Aは化合物(2)由来のAである。化合物(3)は、無触媒下でも容易に熱分解してジイソシアネート化合物となる。すなわち化合物(3)は化合物(1)と化合物(2)とからジイソシアネート化合物(20)を製造する際の中間体として使用できる。また化合物(3)はブロック化ジイソシアネート化合物としても使用できる。
化合物(3)のうち、特に安定性と反応性のバランスが良好である点、および付加価値の高いイソシアネートを得られるという点で化合物(4)〜(19)が好ましい。
化合物(4)は、Rが2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル基である化合物(1)と、化合物(2)である1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(5)は、Rが2,2,2−トリフルオロエチル基である化合物(1)と、化合物(2)である1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(6)は、Rが2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基である化合物(1)と、化合物(2)である1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(7)は、Rが2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−n−ペンチル基である化合物(1)と、化合物(2)である1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(8)は、Rが2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル基である化合物(1)と、化合物(2)である1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(9)は、Rが2,2,2−トリフルオロエチル基である化合物(1)と、化合物(2)である1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(10)は、Rが2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基である化合物(1)と、化合物(2)である1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(11)は、Rが2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−n−ペンチル基である化合物(1)と、化合物(2)である1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(12)は、Rが2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル基である化合物(1)と、化合物(2)である4,4’−ジアミノ(ジシクロヘキシルメタン)とを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(13)は、Rが2,2,2−トリフルオロエチル基である化合物(1)と、化合物(2)である4,4’−ジアミノ(ジシクロヘキシルメタン)とを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(14)は、Rが2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基である化合物(1)と、化合物(2)である4,4’−ジアミノ(ジシクロヘキシルメタン)とを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(15)は、Rが2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−n−ペンチル基である化合物(1)と、化合物(2)である4,4’−ジアミノ(ジシクロヘキシルメタン)とを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(16)は、Rが2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル基である化合物(1)と、化合物(2)である3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(17)は、Rが2,2,2−トリフルオロエチル基である化合物(1)と、化合物(2)である3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(18)は、Rが2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基である化合物(1)と、化合物(2)である3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
化合物(19)は、Rが2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−n−ペンチル基である化合物(1)と、化合物(2)である3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンとを無触媒下で反応させて得られる反応生成物である。
<化合物(20):イソシアネート化合物>
化合物(20)は、化合物(3)を熱分解して得られるジイソシアネート化合物である。上式(20)において、Aは化合物(2)由来のAである。
<化合物(1)の製造方法>
化合物(1)は、例えば以下の方法で、ホスゲンを用いずに収率よく製造することができる。なお、この製造方法に限られるものではない。
すなわち、必要に応じて触媒の存在下に、化合物(21)と、R−OH(Rは式(1)におけるRと同じである。)で表わされる、含フッ素脂肪族アルコールとを反応させることにより、化合物(1)が得られる。
Figure 0005682622
式(21)において、X〜Xは、それぞれ水素原子またはハロゲン原子を表し、X〜Xのうち少なくとも1つはハロゲン原子である。X〜Xは、それぞれ水素原子またはハロゲン原子を表し、X〜Xのうち少なくとも1つはハロゲン原子である。
〜Xは、すべてハロゲン原子であることが好ましく、フッ素原子または塩素原子であることがより好ましい。副生物として、工業的に有用なクロロホルムを高収率で併産できる点、および反応性の点から、化合物(21)はヘキサクロロアセトンが最も好ましい。
触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属;アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物;アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物;相関移動触媒;アルカリ金属のハロゲン塩、アルカリ土類金属のハロゲン塩:アンモニウムのハロゲン塩;イオン交換樹脂;スズ、チタン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ジルコニウムおよび亜鉛からなる群から選ばれる1種以上の金属の化合物;およびエステル交換反応触媒からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
工業的に用いる際の取り扱いやすさ、反応活性、目的物の選択性の点から、ハロゲン塩が好ましい。ハロゲン塩としては、アルカリ金属のハロゲン塩、アルカリ土類金属のハロゲン塩、アンモニウムのハロゲン塩、第4級アンモニウムのハロゲン塩、およびハロゲン塩構造を有するイオン交換樹脂からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
また触媒とともに助触媒を用いると、触媒活性を向上できる。助触媒としては、酸点を有する金属酸化物、ヘテロポリ酸、および陽イオン交換樹脂からなる選ばれる固体酸触媒が好ましい。
酸点を有する金属酸化物としては、酸化セリウム(CeO/Ce)、シリカアルミナ(SiO・Al)、γ−アルミナ(Al)、シリカマグネシア(SiO・MgO)、ジルコニア(ZrO)、シリカジルコニア(SiO・ZrO)、ZnO・ZrO、およびAl・Bからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの触媒及び助触媒は、反応終了後にろ過、蒸留、水洗浄等の一般的な方法で、またはこれらを組み合わせることによって、良好に分離除去できる。
<化合物(3)の製造方法>
本発明では化合物(1)と化合物(2)とを、触媒を使用せずに反応させて化合物(3)を得る。化合物(2)の1モルに対して、化合物(1)を2〜20モル反応させることが好ましく、2〜10モルがより好ましい。この反応でR−OHが副生する。
この反応は、溶媒を用いない無溶媒下で行ってもよく、溶媒中で行ってもよい。過剰に用いる化合物(1)自身が溶媒としての働きをする点、溶媒を用いると希釈による反応活性の低下が生じる場合がある点、および溶媒除去が不要であるという点から、無溶媒下で行うのが好ましい。また、常圧で行ってもよく、加圧条件下(例えば0.11〜0.5MPa程度)で行ってもよい。
反応温度は、高すぎると分解反応が促進し、低すぎると原料や生成物が固化してしまうため、これらの不都合が生じない範囲で設定することが好ましい。例えば−10〜250℃が好ましく、0〜150℃がより好ましい。
反応時間は、長すぎると製造プロセスにおける装置効率が悪くなり、短時間で反応させようとすると発熱による熱暴走が制御できなくなるおそれがあるため、これらの不都合が生じない範囲で設定することが好ましい。例えば0.1〜40時間が好ましく、0.5〜20時間がより好ましい。なお、反応溶媒の種類や選択率を重視した場合にはこれに限定されるものではない。
副生するR−OH(含フッ素脂肪族アルコール)は、加熱または減圧加熱により留去できる。減圧加熱条件は、目的物である化合物(3)に悪影響を与えない範囲で適宜設定できる。例えば、50〜160℃、135〜100Torr(約18.0×10〜13.3×10Pa)の条件で行うことが好ましい。
溶媒を用いる場合は、下記条件(i)を満足する溶媒が好ましい。
条件(i):化合物(3)と実質的に反応しないこと。
「化合物(3)と実質的に反応しない」とは、化合物(3)の−N(H)−C(O)−O−R基とまったく反応しないか、反応しても微かであって本発明の効果を損なわない程度であることを意味する。
化合物(3)の−N(H)−C(O)−O−R基と反応し得る基としては、アルデヒド基、アセトアセチル基、活性水素含有基等が挙げられる。よって、溶媒としては、これらの基を有さない溶媒が好ましい。
前記活性水素としては、ヘテロ原子に直接結合した水素原子;電子吸引基に隣接する炭素原子に結合した水素原子(α−水素原子);置換芳香族を構成する水素原子;アルデヒド、カルボン酸等の官能基を構成する水素原子等が挙げられる。
前記ヘテロ原子に直接結合した水素原子としては、−NH基、−CONH基、−OH基、−SH基等の官能基を構成する水素原子が挙げられる。
前記電子吸引基に隣接する炭素に結合した水素としては、カルボニル化合物のα位の水素原子等が挙げられる。
<化合物(20)の製造方法>
化合物(1)と化合物(2)とを、無触媒下に反応させて化合物(3)を得た後、必要に応じて過剰の原料および副生物を留去し、該化合物(3)から触媒を使用せずに化合物(20)を製造する。具体的には化合物(3)を熱分解することにより化合物(20)が得られる。この反応は脱アルコール反応でありR−OHが副生するため、副生するR−OHを留去しながら反応を行うことが好ましい。
この反応は、溶媒を用いない無溶媒下で行ってもよく、溶媒中で行ってもよい。また常圧で行ってもよく、減圧条件下(例えば20〜6Torr(約2,660Pa〜約800Pa)程度)で行ってもよい。
反応温度は、高すぎると目的物(イソシアネート化合物)の分解や重合物の生成が起こり、低すぎると反応が進行しないため、これらの不都合が生じない範囲で設定することが好ましい。例えば100〜350℃が好ましく、150〜250℃がより好ましい。
反応時間は、長すぎると製造プロセスにおける装置効率が悪くなる。例えば100時間以下が好ましく、40時間以下がより好ましい。なお、反応溶媒の種類や選択率を重視した場合にはこれに限定されるものではなく、反応条件によっても異なる。生成物の分解を抑制するために、連続反応プロセスなどを用いて、高温短時間で反応を実施する方が目的物の選択率を向上できる場合がある。
溶媒を用いる場合、下記条件(ii)を満足する溶媒が好ましい。
条件(ii):化合物(20)のイソシアネート基と実質的に反応しない、すなわち上記条件(i)で述べた活性水素を有さないこと。
条件(i)および(ii)の両方を満足する溶媒を用いると、化合物(1)と化合物(2)とから化合物(3)を得る工程と、化合物(3)から化合物(20)を得る工程を連続して行うことができるため好ましい。
条件(i)および(ii)の両方を満足する溶媒としては、具体的には、活性水素を有さないエーテル類(ジグライム、トリグライム、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等。)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等。)、ケトン類(アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等。)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、オクタン等。)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等。)およびハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、四塩化炭素、ジクルルエチレン、トリクロロエチレン等。)からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
また、溶媒は、1分子中に、エーテル結合、エステル結合、ケトン、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、およびハロゲン原子からなる群から選択される2種以上の結合、基、および/または原子を有していてもよい。かかる溶媒としては、例えば、エステルエーテル類(エチレングリゴールモノエチルエーテルモノアセテート等。)が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、化合物(1)と化合物(2)とから、無触媒で、化合物(3)を高い収率で製造することができ、さらに該化合物(3)から、無触媒で、化合物(20)を高い収率で製造することができる。
例えばジアミン化合物である化合物(2)を基準とする化合物(3)の収率は、80モル%以上を達成することができる。カルバメート化合物である化合物(3)を基準とする化合物(20)の収率は、50モル%以上を達成することができる。
また、触媒をまったく用いないので、生成物(化合物(3)または化合物(20))を簡単に単離することができ、高純度の目的物が容易に得られる。
上述したように、従来は含フッ素カルバメート化合物の製造には触媒が必要であると考えられており、特許文献4には、実際に、触媒を用いないと芳香族含フッ素ジカルバメート化合物が生成されなかった例が記載されている。また該特許文献4の段落[0030]に、「本発明の関係で用いられるアミン類は、脂肪族または芳香族アミン類…」と記載されているように、脂肪族アミンであっても芳香族アミンであっても、同様に反応すると考えられていた。
しかしながら、驚くべきことに、本発明では、化合物(1)の含フッ素炭酸ジエステル化合物と反応させるジアミン化合物として、芳香環に直接結合するアミノ基を持たない非芳香族ジアミン化合物を用いることにより、これらが無触媒でも反応して含フッ素ジカルバメート化合物が得られる。しかも、こうして得られる含フッ素ジカルバメート化合物は無触媒でもジイソシアネート化合物に変換することができる。
その理由は明確ではないが、含フッ素炭酸ジエステル化合物との反応において、芳香環に直接結合するアミノ基と、芳香環に結合していないアミノ基とでは、反応性に大きな違いがあるものと考えられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、転化率は「モル%」、純度は「ガスクロマトグラフィ分析における面積%」、収率は「モル%」である。
[合成例1]
撹拌機、20℃の還流冷却器および留出ラインを備えた500mLのガラス製の反応器に、ヘキサクロロアセトン(東京化成工業株式会社試薬:製品コードH0335)の262g(0.99mol)、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(シンクエスト社試薬:製品番号2101−3−10)の392g(2.97mol)、無水フッ化カリウム(Yellow River Fine Chemical社製)の4gを仕込んだ後、撹拌を行いながら、徐々に温度を上昇し、内温100℃で反応を行った。
反応により生成するクロロホルムを留出ラインから留去させながら、10時間反応を行った。反応終了後に、留出ラインから留去した留分および反応器内に存在する反応粗液を回収し、645gの回収粗液を得た(回収率:98%)。回収粗液を減圧下に蒸留することで使用した触媒との分離を行うと同時に、純度99%のビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート(以下BTFCとする)の100gを得た。
[合成例2]
2,2,2−トリフルオロエタノール(シンクエスト社試薬:製品番号2101−3−03)の297g(2.97mol)を用いる以外は合成例1と同様に反応及び蒸留を実施し、純度99%のビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート(以下BTrFCとする)の80gを得た。
[合成例3]
2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール(シンクエスト社試薬:製品番号2101−3−08)の446g(2.97mol)を用いる以外は合成例1と同様に反応及び蒸留を実施し、純度99%のビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)カーボネート(以下BPFCとする)の110gを得た。
[合成例4]
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール(シンクエスト社試薬:製品番号2101−3−15)の689g(2.97mol)を用いる以外は合成例1とまったく同様に反応及び蒸留を実施し、純度99%のビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)カーボネート(以下BOFCとする)の150gを得た。
〔例1:脂肪族ジイソシアネート化合物の合成〕
図1に示す反応により1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIとする)を合成した。
すなわち、攪拌機、20℃の還流冷却器および留出ラインを備えた50mLのガラス製の反応器内に、1,6−ヘキサメチレンジアミン(関東化学株式会社試薬:製品番号18033−10、以下HDAとする)の8.78g(0.0756mol)を仕込んだ後、攪拌を行いながら70℃に昇温した。ここに合成例1で合成したビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート(以下BTFCとする)の44.79g(0.1544mol)を滴下した。このとき内温の上昇(ΔT)が10℃以下になるように滴下速度を調整した。滴下終了後、70℃で1時間攪拌を行いながら反応させた。
反応終了後の粗液を室温まで冷却した後、粗液の一部を採取しH−NMRにより組成を解析した。結果を下記に示す。解析結果より、未反応のHDAが完全に消失したこと(HDA転化率100%)および、1,6−ヘキサメチレンビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピルカルバメート)(以下HDCとする)が主生成物として生成していることを確認した。HDAを基準とするHDC(ガスクロマトグラフィ純度99%)の収率は99.4モル%であった。HDC:H−NMR δ:1.267(4H,s),1.445(4H,s),3.119(4H,m, J=6.6),4.385(4H,t,J=13.2),5,783(2H,tt, J=3.9, 53.1)
上記で得た粗液から、HDAとBTFCとの反応により副生した2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(以下TFPOとする)と、未反応のBTFCを減圧加熱により留去した。減圧加熱は、まず100℃、135Torr(約18.0×10Pa)、1時間の条件でTFPOを留去し、続いて160℃、100Torr(約13.3×10Pa)、1時間の条件でBTFCの留去を行った。
続いて、反応容器内の液を200℃に昇温し、発泡が生じるまで減圧した(940Pa)。発泡は、HDCが熱分解してTFPOが生じた目安となる。
この状態で、反応により生成するTFPOを、ドライアイストラップで回収しながら、14時間反応を行った。該ドライアイストラップは、還流冷却器の留出ラインに接続された減圧ラインの途中に設置されている。目的物であるHDIは留出ラインに設置した受器で回収した。
受器に回収した粗液(6.04g)の一部について、ガスクロマトグラフィによる分析を行い、標準品との比較によりHDIが確認された。HDCを基準とするHDI(ガスクロマトグラフィ純度95%)の収率は64モル%であった。
〔例2:芳香脂肪族ジイソシアネート化合物の合成〕
図2に示す反応によりm−キシリレンジイソシアネート(以下XDIとする)を合成した。
すなわち、攪拌機、20℃の還流冷却器および留出ラインを備えた50mLのガラス製の反応器内に、m−キシリレンジアミン(東京化成工業株式会社試薬:製品コードD0127、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼンともいう、以下XDAとする。)の8.83g(0.0648mol)を仕込んだ後、攪拌を行いながら50℃に昇温した。ここに合成例1で合成したBTFCの47.63g(0.1642mol)を滴下した。このとき内温の上昇(△T)が10℃以下になるように滴下速度を調整した。滴下終了後、50℃で1時間攪拌を行いながら反応させた。
反応終了後の粗液を室温まで冷却した後、粗液の一部を採取し、H−NMRにより組成を解析した。解析結果を下記に示す。解析結果より、未反応のXDAが完全に消失したこと(XDA転化率100%)および、m−キシリレンビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピルカルバメート)(以下XDC−1とする)が主生成物として生成していることを確認した。XDAを基準とするXDC−1(ガスクロマトグラフィ純度99%)の収率は99.4モル%であった。XDC−1:H−NMR δ:4.357(4H,d,J=6Hz),4.492(4H,t,J=12.9Hz),5.329(2H,bs),5.851(2H,tt,J=3.9,53.1),7.179〜7.346(4H,m)
得られたXDC−1について、さらに19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を解析した。解析結果を下記に示す。XDC−1:19F−NMR δ:−137.936(4F,d,J=31.2Hz),−124.506(4F,m)XDC−1:MS m/z:91(PhCH);118(CHPhCHN);146(CHNHPhCHNHC);161(CHPhCHNC(=O)O);277(CHPhCHNHC(=O)OCHCFCFH)
上記で得た粗液から、XDAとBTFCとの反応により副生したTFPOと、未反応のBTFCを減圧加熱により留去した。減圧加熱は例1と同条件で行った。
続いて、反応容器内の液を200℃に昇温し、発泡が生じるまで減圧した(940Pa)。発泡は、XDC−1が熱分解してTFPOが生じた目安となる。
この状態で、反応により生成するTFPOを例1と同様にして回収しながら、14時間反応を行った。目的物であるXDIは留出ラインに設置した受器で回収した。
受器に回収した粗液(6.23g)の一部について、ガスクロマトグラフィによる分析を行い、標準品との比較によりXDIが確認された。XDC−1を基準とするXDI(ガスクロマトグラフィ純度90%)の収率は50モル%であった。
〔例3:芳香脂肪族ジイソシアネート化合物の合成:m−キシリレンジカルバメート(XDC−1)の合成〕
攪拌機、20℃の還流冷却器および留出ラインを備えた50mLのガラス製の反応器内に、m−キシリレンジアミン(東京化成工業株式会社試薬:製品コードD0127、以下XDAとする)の8.83g(0.0648mol)を仕込んだ後、攪拌を行いながら50℃に昇温した。次に合成例1で合成したビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート(以下BTFCとする)の47.63g(0.1642mol)を内温の上昇(ΔT)が10℃以下になるように速度を調整して滴下した。滴下終了後、50℃で1時間攪拌を行いながら反応した。反応終了後、室温まで粗液を冷却後、粗液の一部を採取しH−NMRにより組成を解析した。結果として未反応XDAが完全に消失したこと(XDA転化率100%)および、m−キシリレンビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピルカルバメート)(以下XDC−1とする)が主生成物として生成していることを確認した(XDAベースの収率99.4%)。生成物であるXDC−1は99.4%の収率で得られた。生成物であるXDC−1はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。XDC−1のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
XDC−1:H−NMR δ:4.357(4H,d,J=6Hz),4.492(4H,t,J=12.9Hz),5.329(2H,bs),
5.851(2H,tt,J=3.9,53.1),7.179〜7.346(4H,m)
XDC−1:19F−NMR δ:−137.936(4F,d,J=31.2Hz),−124.506(4F,m)
XDC−1:MS m/z:91(PhCH);118(CHPhCHN);146(CHNHPhCHNHC);161(CHPhCHNC(=O)O);
277(CHPhCHNHC(=O)OCHCFCFH)
Figure 0005682622
m−キシリレンジイソシアネート(XDI)の合成:
上記で得た粗液から、XDAとBTFCとの反応により副生した2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(以下TFPOとする)と、未反応のBTFCを減圧加熱により留去した。減圧加熱は、まず100℃、135Torr(約18.0×10Pa)、1時間の条件でTFPOを留去し、続いて160℃、100Torr(約13.3×10Pa)、1時間の条件でBTFCの留去を行った。TFPOと未反応のBTFCの留去によって純度99%のXDC−1を29g回収することが出来た。
次に、100℃に保温したステンレス貯槽(SUS−316製)に回収したXDC−1を導入し、100℃に保温した流量調整バルブを経由して加熱反応管に接続した。加熱反応管には長さ30cm、外径3/8インチのステンレス管(SUS−316)にステンレス製の不規則充填物(トウトクエンジ株式会社製ヘリパックNo.1)を20cm充填したものを用いた。加熱反応管を管状炉で加熱し、反応管内を減圧度5mmHgに保ちながら、流量調整バルブを調整し反応器上部からXDC−1を10mL/hの速度で連続的に供給した。反応器入口部分の温度が235℃±10℃となるよう管状炉の温度をコントロールしながら熱分解反応を実施した。反応生成物は室温に冷却したガラス回収器部分と−78℃に冷却したガラストラップ中に回収し、それぞれの回収粗液を内部標準としてトルエンを用いてガスクロマトグラフ及び高速液体クロマトグラフで分析を行った。分析の結果を表1に示した(転化率、選択率はXDC−1ベースのモル%として計算した)。
Figure 0005682622
回収した反応粗液を20℃に冷却した還留ラインを設置した50mlのガラスフラスコに導入し、減圧留去でXDIとTFPOを除去することでXMIを濃縮した後に、反応容器内の液を200℃に昇温し、発泡が生じるまで減圧した(940Pa)。この状態で、反応を行い、生成物を還留ラインに設置した回収器及び還留ラインと減圧ポンプの間に設けたドライアイストラップで回収しながら、5時間反応を行った。回収器に回収された反応物をガスクロマトグラフで分析を行い、XDIが主生成物として回収されることを確認した。中間体であるXMIは回収後に、再び原料であるXDC−1とともに熱分解反応器に導入することで、高収率でXDIに変換することが可能であるため、本反応ではXDC−1の反応でXDIを高い収率で合成し得ることが可能である。
反応粗液を減圧留去でXDIとTFPOを除去して濃縮されたXMIの一部をマススペクトルで解析した結果、式(C)に示す構造であることを確認した。
XMI:MS m/z:51(CFH);91(PhCH);118(CHPhCHN);146(CHPhCHNC(=O));161(CHNPhCHNC(=O));
188(CHNHC(=O)OCHCFCFH);264(PhCHNHC(=O)OCHCFCFH);277(CHPhCHNHC(=O)OCHCFCFH);319(NCOCHPhCHNHC(=O)OCHCFCF
Figure 0005682622
Figure 0005682622
〔例4:m−キシリレンジカルバメート(XDC−2)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例2で合成したビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート(以下BTrFCとする)の37.1g(0.1642mol)を用いる以外は例3と同様に反応を行い、m−キシリレンビス(2,2,2−トリフルオロエチルカルバメート)(以下XDC−2とする)が主生成物として生成していることを確認した(XDAベースの収率93.5%)。生成物であるXDC−2はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。XDC−2のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
XDC−2:H−NMR δ:4.279〜4.300(4H,d,J=6.31Hz),4.472〜4.589(4H,q,J=9.01Hz),7.179〜7.338(4H,m)
XDC−2:19F−NMR δ:−73.802〜73.863(6F,t,J=8.48Hz)
XDC−2:MS m/z:91(PhCH2);118(CHPhCHN);146(NHCHPhCHNHC);161(CHPhCHNC(=O)O);
232(CFCHOC(=O)NHPh);246(CFCHOC(=O)NHPhCH);261(CFCHOC(=O)NHPhCHNH)
305(CFCHOC(=O)NHPhCHNHC(=O)O)
Figure 0005682622
〔例5:m−キシリレンジカルバメート(XDC−3)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例3で合成したビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)カーボネート(以下BPFCとする)の53.5g(0.1642mol)を用いる以外は例3と同様に反応を行い、m−キシリレンビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルカルバメート)(以下XDC−3とする)が主生成物として生成していることを確認した(XDAベースの収率96.5%)。生成物であるXDC−3はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。XDC−3のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
XDC−3:H−NMR δ:4.277〜4.298(4H,d,J=6.31Hz),4.589〜4.638(4H,q,J=13.52Hz),7.172〜7.338(4H,m)
XDC−3:19F−NMR δ:−83.345(6F,s),−123.137〜123.229(4F,t,J=13.0Hz)
XDC−3:MS m/z:91(PhCH);133(CFCFCH);
161(CFCFCHOC);206(CFCFCHOC(=O)NHCH);282(CFCFCHOC(=O)NHCHPh);295(CFCFCHOC(=O)NHCHPhCH)311(CFCFCHOC(=O)NHCHPhCHNH);355(CFCFCHOC(=O)NHCHPhCHNHC(=O)O);488(CFCFCHOC(=O)NHCHPhCHNHC(=O)OCHCFCF
Figure 0005682622
〔例6:m−キシリレンジカルバメート(XDC−4)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例4で合成したビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)カーボネート(以下BOFCとする)の80.5g(0.1642mol)を用いる以外は例3と同様に反応を行い、m−キシリレンビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルカルバメート)、(以下XDC−4とする)が主生成物として生成していることを確認した(XDAベースの収率98.5%)。生成物であるXDC−4はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。XDC−4のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
XDC−4:H−NMR δ:4.279〜4.300(4H,d,J=6.31Hz),4.616〜4.711(4H,t,J=14.12Hz),6.228〜6.605(2H,tt,J=5.71Hz),7.174〜7.338(4H,m)
XDC−4:19F−NMR δ:−119.413〜119.583(4F,m),−124.694(4F,s),−129.473〜129.496(4F,m),−137.644〜137.868(4F,m)
XDC−4:MS m/z:105(NHCHPh),133(C(=O)NHCHPh),147(C(=O)NHCHPhCH),213(CFHCFCFCFC);288(CHNHC(=O)OCHCFCFCFCFH);378;(CFHCFCFCFCHOC(=O)NHCHPhCH),449;(CFHCFCFCFCHOC(=O)NHCHPhCHNHC(=O)OC)
Figure 0005682622
〔例7:テトラヒドロ−m−キシリレンジカルバメート(H−XDC−1)の合成〕
攪拌機、20℃の還流冷却器および留出ラインを備えた50mLのガラス製の反応器内に、テトラヒドロ−m−キシリレンジアミン(東京化成工業株式会社試薬:製品コードB1005、以下H−XDAとする)9.20g(0.0648mol)を仕込んだ後、攪拌を行いながら50℃に昇温した。次に合成例1で合成したビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート(以下BTFCとする)47.63g(0.1642mol)を内温の上昇(ΔT)が10℃以下になるように速度を調整して滴下した。滴下終了後、50℃で1時間攪拌を行いながら反応した。反応終了後、室温まで粗液を冷却後、粗液の一部を採取しH−NMRにより組成を解析した。結果として未反応H−XDAが完全に消失したこと(H−XDA転化率100%)および、テトラヒドロ−m−キシリレンビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピルカルバメート)(以下H−XDC−1とする)が主生成物として生成していることを確認した(H−XDAベースの収率95.9%)。生成物であるH−XDC−1は95.9%の収率で得られた。生成物であるH−XDC−1はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。H−XDC−1のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
H−XDC−1:H−NMR δ:0.536〜1.804(10H,m),2.933〜2.976(4H,t,J=6.3Hz),4.413〜4.504(4H,t,J=13.8Hz),5.927〜6.276(2H,tt,J=4.8Hz)
H−XDC−1:19F−NMR δ:−125.017〜−125.129(4F,m),−138.503〜−138.706(4F,d,J=56.1Hz)
H−XDC−1:MS m/z:51(CFH);95((C)CH);139(NHCH(C)CHNH);167(NHCH(C)CHNHC(=O));188(CHNHC(=O)OCHCFCFH);240(CHOC(=O)NHCH(C)CHNHC(=O)O);255(CHOC(=O)NHCH(C)CHNHC(=O)OCH);327(CFHCFCHOC(=O)NHCH(C10)CHNHC(=O));458((CFHCFCHOC(=O)NHCH(C10))
Figure 0005682622
〔例8:テトラヒドロ−m−キシリレンジカルバメート(H−XDC−2)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例2で合成したビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート(以下BTrFCとする)の37.1g(0.1642mol)を用いる以外は例7と同様に反応を行い、テトラヒドロ−m−キシリレンビス(2,2,2−トリフルオロエチルカルバメート)(以下H−XDC−2とする)が主生成物として生成していることを確認した(H−XDAベースの収率93.2%)。生成物であるH−XDC−2はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。H−XDC−2のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
H−XDC−2:H−NMR δ:0.553〜1.821(10H,m),2.991〜3.033(4H,t,J=6.31Hz),4.515〜4.605(4H,q,J=9.01Hz)
H−XDC−2:19F−NMR δ:−74.747〜74.808(6F,t,J=8.4795Hz)
H−XDC−2:MS m/z:83(CFCH);127(CFCHOC(=O));156(CFCHOC(=O)NHCH);238(CFCHOC(=O)NHCH(C10));
252(CFCHOC(=O)NHCH(C10)CH);295(CFCHOC(=O)NHCH(C10)CHNHC(=O));337(CFCHOC(=O)NHCH(C10)CHNHC(=O)OCHC);
394(CFCHOC(=O)NHCH(C10)CHNHC(=O)OCHCF
Figure 0005682622
〔例9:テトラヒドロ−m−キシリレンジカルバメート(H−XDC−3)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例3で合成したビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)カーボネート(以下BPFCとする)の53.5g(0.1642mol)を用いる以外は例7と同様に反応を行い、テトラヒドロ−m−キシリレンビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルカルバメート)(以下H−XDC−3とする)が主生成物として生成していることを確認した(H−XDAベースの収率95.5%)。生成物であるH−XDC−3はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。H−XDC−3のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
H−XDC−3:H−NMR δ:0.545〜1.801(10H,m),2.991〜3.033(4H,t,J=6.31Hz),4.614〜4.707(4H,t,J=12.62Hz)
H−XDC−3:19F−NMR δ:−84.621(6F,s)−124.351〜124.451(4F,t,J=13.00Hz)
H−XDC−3:MS m/z:133(CFCFCH);177(CFCFCHOC(=O));206(CFCFCHOC(=O)NHCH);
288(CFCFCHOC(=O)NHCH(C10));317(CFCFCHOC(=O)NHCH(C10)CHNH);345(CFCFCHOC(=O)NHCH(C10)CHNHC(=O);
494(CFCFCHOC(=O)NHCH(C10)CHNHC(=O)OCHCFCF
Figure 0005682622
〔例10:テトラヒドロ−m−キシリレンジカルバメート(H−XDC−4)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例4で合成したビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)カーボネート(以下BOFCとする)の80.5g(0.1642mol)を用いる以外は例7と同様に反応を行い、テトラヒドロ−m−キシリレンビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルカルバメート)(以下H−XDC−4とする)が主生成物として生成していることを確認した(H−XDAベースの収率98.0%)。生成物であるH−XDC−4はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。H−XDC−4のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
H−XDC−4:H−NMR δ:0.593〜1.845(10H,m),2.971〜3.038(4H,t,J=6.61Hz),4.631〜4.728(4H,t,J=14.72Hz),6.536〜6.913(2H,tt,J=5.71Hz)
H−XDC−4:19F−NMR δ:−120.428〜120.613(4F,m),−125.623〜125.839(4F,m),−130.618〜130.657(4F,m),−138.774〜139.028(4F,m)
装置:JMS−T100GC (JEOL社)
イオン化法:FD法
カソード電圧:‐10 kV
エミッタ電流:0 mA → 51.2 mA/min → 40mA
検出器電圧:2500 V
測定質量範囲: m/z 3 ‐ 2000
H−XDC−4:MS m/z:658(CHF(CFCHO(O=)CNHCH(C10)CHNHC(=O)OCH(CFCHF)
Figure 0005682622
〔例11:ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジカルバメート(H−MDC−1)の合成〕
攪拌機、20℃の還流冷却器および留出ラインを備えた50mLのガラス製の反応器内に、4,4’−ジアミノ(ジシクロヘキシルメタン)(東京化成工業株式会社試薬:製品コードM0699、以下H−MDAとする)の13.6g(0.0648mol)を仕込んだ後、攪拌を行いながら50℃に昇温した。次に合成例1で合成したビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート(以下BTFCとする)47.63g(0.1642mol)を内温の上昇(ΔT)が10℃以下になるように速度を調整して滴下した。滴下終了後、50℃で1時間攪拌を行いながら反応した。反応終了後、室温まで粗液を冷却後、粗液の一部を採取しH−NMRにより組成を解析した。結果として未反応H−MDAが完全に消失したこと(H−MDA転化率100%)および、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピルカルバメート)(以下H−MDC−1とする)が主生成物として生成していることを確認した(H−MDAベースの収率92.9%)。生成物であるH−MDC−1は92.9%の収率で得られた。生成物であるH−MDC−1はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。H−MDC−1のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
H−MDC−1:H−NMR δ:0.889〜1.942(20H,m),3.279〜3.409(2H,m),4.431〜4.523(4H,t,J=13.82Hz),6.082〜6.465(2H,tt,J=5.11Hz
H−MDC−1:19F−NMR δ:−126.263〜126.394(4F,m),−139.745〜139.930(4F,d,J=52.29Hz)
H−MDC−1:MS m/z:81((C));95((C)CH);110(HN(C)CH)138((O=)CHN(C)CH);179((C11)CH(C10));190(N(C)CH(C));205(N(C)CH(C10)N);217(N(C)CH(C10)NC);232(CNH(C11)CH(C10)NHC)262(C(=O)N(C10)CH(C10)NC(=O));310(O(O=C)NH(C10)CH(C10)NHC(=O)OCH
Figure 0005682622
〔例12:ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジカルバメート(H−MDC−2)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例2で合成したビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート(以下BTrFCとする)の37.1g(0.1642mol)を用いる以外は例11と同様に反応を行い、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ビス(2,2,2−トリフルオロエチルカルバメート)(以下H−MDC−2とする)が主生成物として生成していることを確認した(H−MDAベースの収率90.2%)。生成物であるH−MDC−2はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。H−MDC−2のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
H−MDC−2:H−NMR δ:0.676〜1.728(20H,m),3.066〜3.197(2H,m),4.227〜4.367(4H,q,J=9.012Hz)
H−MDC−2:19F−NMR δ:−74.927〜75.043(6F,t,J=8.76Hz)
H−MDC−2:MS m/z:81(CFC);95((C)CH);
127(CFCHOC(=O));206(N(C10)CH(C10)N);219(N(C10)CH(C10)NHC)262(C(=O)N(C10)CH(C10)NHC(=O));344(N(C10)CH(C10)NHC(=O)OCHCF);362(C(=O)N(C10)CH(C10)NHC(=O)OCHCF
Figure 0005682622
〔例13:ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジカルバメート(H−MDC−3)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例3で合成したビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)カーボネート(以下BPFCとする)の53.5g(0.1642mol)を用いる以外は例11と同様に反応を行い、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルカルバメート)(以下H−MDC−3とする)が主生成物として生成していることを確認した(H−MDAベースの収率91.5%)。生成物であるH−MDC−3はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。H−MDC−3のMassフラグメント及び、H−NMR、F−NMRの解析結果は下記に示した。
H−MDC−3:H−NMR δ:0.915〜1.942(20H,m),3.302〜3.406(2H,m),4.598〜4.689(4H,t,J=13.82Hz)
H−MDC−3:19F−NMR δ:−84.432(4H,s),−124.089〜124.184(6F,t,J=13.00Hz)
H−MDC−3:MS m/z:81(CFC),((C));95((C)CH);133(CFCFCH);177(CFCFCHOC(=O));191(CFCFCHOC(=O)N);206(N(C10)CH(C10)N);219(N(C10)CH(C10)NHC);232(CNH(C10)CH(C10)NHC)263(C(=O)NH(C10)CH(C10)NHC(=O));384(N(C10)CH(C10)NHC(=O)OCHCFCF);412(C(=O)N(C10)CH(C10)NHC(=O)OCHCFCF
Figure 0005682622
〔例14:ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジカルバメート(H−MDC−4)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例4で合成したビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)カーボネート(以下BOFCとする)の80.5g(0.1642mol)を用いる以外は例11と同様に反応を行い、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルカルバメート)(以下H−MDC−4とする)が主生成物として生成していることを確認した(H−MDAベースの収率93.0%)。生成物であるH−MDC−4はH−NMRの他、19F−NMR及びGC−Mass分析により構造帰属を行った。H−MDC−4のMassフラグメント及び、H−NMR、19F−NMRの解析結果は下記に示した。
H−MDC−4:H−NMR δ:0.907〜2.028(20H,m),3.416〜3.442(2H,m),4.518〜4.611(4H,t,J=14.12Hz),5.850〜6.232(2H,tt,J=5.41Hz)
H−MDC−4:19F−NMR δ:−120.593〜120.697(4F,m),−125.965(4F,s),−130.575(4F,s),−137.598〜137.783(4F,d,J=52.29Hz)
装置:JMS−T100GC (JEOL社)
イオン化法:FD法
カソード電圧:‐10 kV
エミッタ電流:0 mA → 51.2 mA/min → 40mA
検出器電圧:2500 V
測定質量範囲: m/z 3 ‐ 2000
H−MDC−4:MS m/z:726(CHF(CFCHO(O=)CNH(C10)CH(C10)NHC(=O)OCH(CFCHF)
Figure 0005682622
〔例15:イソホロンジカーバメート(IPDC−1)の合成〕
攪拌機、20℃の還流冷却器および滴下ロートを備えた500mLのガラス製の反応器内に、合成例1で合成したビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)カーボネート(以下BTFCとする)344.90g(1.19 mol)を仕込んだ後、攪拌を行いながら60℃に昇温した。次にイソホロンジアミン(東京化成工業株式会社試薬:製品コードI0228、以下IPDAとする)49.66g(0.292mol)を内温の上昇(ΔT)を見ながら速度を調整して滴下した。滴下終了後、100℃で1時間攪拌を行いその後、発熱具合を見ながら120℃まで昇温し、計5時間加熱した。反応終了後、室温まで粗液を冷却後、粗液の一部を採取しIRスペクトル測定を実施し、アミン由来のN−H吸収(2900〜2950cm−1)の消失と、カルバメート由来のカルボニル吸収(1710〜1740cm−1)の生成から反応の完結を確認した。反応粗液を減圧下に蒸留することで、反応により副生する2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール76.21g(0.577mol)、及び未反応のBTFC173g(0.597mol)を回収した。最後にイソホロンビス(2,2,3,3-テトラフルオロ−n−プロピル)カーバメート(以下IPDC−1とする)140.2g(0.288mol)を回収した。目的生成物であるIPDC−1の収率は98.8%(IPDAベース)であった。IPDC−1の構造帰属はIR及びメタンガスを用いたケミカルイオン質量分析(CI−Mass)分析により行った。IPDC−1のCI−Massフラグメント解析結果を表2に示した。
Figure 0005682622
Figure 0005682622
〔例16:イソホロンジカーバメート(IPDC−2)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例2で合成したビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート(以下BTrFCとする)の269g(1.19mol)を用いる以外は例15と同様に反応を行い、イソホロンビス(2,2,2-トリフルオロエチル)カーバメート(以下IPDC−2とする)120.3g(0.285mol)を回収した。目的生成物であるIPDC−2の収率は97.6%(IPDAベース)であった。IPDC−2の構造帰属はIR(カルバメート由来のカルボニル吸収(1710〜1740cm−1))及びメタンガスを用いたケミカルイオン質量分析(CI−Mass)分析により行った。IPDC−2のCI−Massフラグメント解析結果を表3に示した。
Figure 0005682622
Figure 0005682622
〔例17:イソホロンジカーバメート(IPDC−3)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例3で合成したビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)カーボネート(以下BPFCとする)の388g(1.19mol)を用いる以外は例15と同様に反応を行い、イソホロンビス(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)カーバメート(以下IPDC−3とする)150.8g(0.289mol)を回収した。目的生成物であるIPDC−3の収率は99.0%(IPDAベース)であった。IPDC−3の構造帰属はIR(カルバメート由来のカルボニル吸収(1710〜1740cm−1))及びメタンガスを用いたケミカルイオン質量分析(CI−Mass)分析により行った。IPDC−3のCI−Massフラグメント解析結果を表4に示した。
Figure 0005682622
Figure 0005682622
〔例18:イソホロンジカーバメート(IPDC−4)の合成〕
BTFCの代わりに、合成例4で合成したビス(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)カーボネート(以下BOFCとする)の583g(1.19mol)を用いる以外は例15と同様に反応を行い、イソホロンビス(2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ−n−ペンチル)カーバメート(以下IPDC−4とする)192.1g(0.280mol)を回収した。目的生成物であるIPDC−4の収率は96.0%(IPDAベース)であった。IPDC−4の構造帰属はIR(カルバメート由来のカルボニル吸収(1710〜1740cm−1))及びメタンガスを用いたケミカルイオン質量分析(CI−Mass)分析により行った。IPDC−4のCI−Massフラグメント解析結果を表5に示した。
Figure 0005682622
Figure 0005682622
〔例19:イソホロンジイソシアネート(IPDI)の合成〕
熱分解装置が付属した注入口を有するガスクロマトグラフの熱分解装置内に例15で合成単離したイソホロンビス(2,2,3,3-テトラフルオロ−n−プロピル)カーバメート(IPDC−1)1mgを導入しヘリウムガス雰囲気下に290℃で1秒間熱分解を行い、生成物をヘリウムキャリヤーガスとともに全量ガスクロマトグラフ装置内に導入した。ガスクロマトグラフによる分析を行い、市販されている標準品との比較によりIPDIの生成を確認した。ガスクロマトグラフのピーク面積からIPDC−1を基準とするIPDIの収率を計算すると50モル%であった。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な修正や変更を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2010年4月2日出願の日本特許出願2010−086126に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の製造方法で得られるイソシアネート化合物は、例えば各種ウレタン化合物、尿素化合物、ポリウレタン等の原料として有用である。

Claims (6)

  1. 下式(1)で表される含フッ素炭酸ジエステル化合物と、下式(2)で表わされる非芳香族ジアミン化合物とを、触媒を使用せずに反応させて、下式(3)で表されるカルバメート化合物を製造する、カルバメート化合物の製造方法。
    Figure 0005682622
    (式中、Rは1価の含フッ素脂肪族炭化水素基を表わす。)
    Figure 0005682622
    (式中、Aは2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、または2価の芳香脂肪族炭化水素基を表わす。)
    Figure 0005682622
    (式中、Rは1価の含フッ素脂肪族炭化水素基を表わし、Aは2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、または2価の芳香脂肪族炭化水素基を表わす。)
  2. 上式(1)のRにおいて、カーボネート結合の酸素原子に結合するα位の炭素原子上にフッ素原子を有さず、その隣のβ位の炭素原子に、フッ素原子、ポリフルオロアルキル基、およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1種以上の基が、合計で2個以上結合している、請求項1記載のカルバメート化合物の製造方法。
  3. 上式(1)におけるRが、2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−i−プロピル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−n−ペンチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−n−ブチル基、または2,2,2−トリフルオロエチル基のいずれかである、請求項1または2に記載のカルバメート化合物の製造方法。
  4. 上式(2)で表わされる非芳香族ジアミン化合物が、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノ(ジシクロヘキシルメタン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、または1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼンのいずれかである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカルバメート化合物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法で得られる、下式(4)〜(7)で表されるいずれかのカルバメート化合物。
    Figure 0005682622
    Figure 0005682622
    Figure 0005682622
    Figure 0005682622
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のカルバメート化合物の製造方法によって、上式(3)で表されるカルバメート化合物を製造する工程と、得られたカルバメート化合物から触媒を使用せずに熱分解によって下式(20)で表されるイソシアネート化合物を製造する工程を有することを特徴とするイソシアネート化合物の製造方法。
    Figure 0005682622
    (式中、Aは2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、または2価の芳香脂肪族炭化水素基を表わす。)
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