JP5680810B2 - 釣り糸用ガイド部材およびこれを備える釣り糸用ガイドならびに釣り竿 - Google Patents

釣り糸用ガイド部材およびこれを備える釣り糸用ガイドならびに釣り竿 Download PDF

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Description

本発明は、釣り糸用ガイド部材およびこれを備える釣り糸用ガイドならびに釣り竿に関する。
一般に、釣り竿に取り付けられる釣り糸用ガイドは硬質な釣り糸用ガイド部材、いわゆる導糸環と、釣り糸用ガイド部材を内周部に嵌合することが可能な形状の保持部と、釣り糸用ガイドを釣り竿へ取り付けるための取り付け部とから構成される。そして、前記釣り糸用ガイド部材は、リールから引き出された釣り糸を挿通して案内することができるように、リング状に形成され、その材質としては優れた耐摩耗性を有する金属やセラミックスが適用されている。
近年では、案内する釣り糸との接触部で生じる負荷の影響を低減する目的として、種々の釣り糸用ガイド部材が提案されている。例えば、特許文献1では、釣り糸用ガイド部材である案内環の内周部の一または二以上の部位を外向凹入部として形成してなる案内孔を設けることにより、正円形案内孔に比べて釣り糸が案内環に接触する面積を単に減少させたリール釣り竿用の釣り糸用ガイド部材が提案されている。
特開平9−163900号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるような、従来技術に基づいた多くの釣り糸用ガイド部材は、軸線を含む切断面の断面視において、釣り糸が釣り糸用ガイド部材に接して摺動する領域が小さく、釣り糸が釣り糸用ガイド部材の内周面を摺動するときに、釣り糸に加わる内周面に垂直な方向の圧力(面圧力)が大きくなり釣り糸が切断されやすいという課題があった。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、釣り糸が切れにくい釣り糸用ガイド部材およびこれを備える釣り糸用ガイドならびに釣り竿を提供することを目的とする。
本発明の釣り糸用ガイド部材は、リング状をなし、軸線を含む切断面の断面視において、内周側から外周側に向かって曲面とされており、内周側の曲面において、軸線方向中央部側の曲面の曲率半径をR1、軸線方向端部側の曲面の曲率半径をR2、前記内周側の曲面の一方の端部から一方の外周側に延びる曲面の曲率半径をR3としたとき、R2よりもR1が大きく、R3がR2以上であることを特徴とするものである。
本発明の釣り糸用ガイドは、上記釣り糸用ガイド部材と、該釣り糸用ガイド部材を保持するための保持部と、該保持部を釣り竿に取り付けるための取り付け部とを有してなることを特徴とするものである。
本発明の釣り竿は、竿体と、該竿体に取り付けられた上記釣り糸用ガイドとを備えることを特徴とするものである。
本発明の釣り糸用ガイド部材によれば、釣り糸が摺動可能な領域を大きくできる。これによって、釣り糸が釣り糸用ガイド部材の内周面を摺動するときに釣り糸に加わる釣り糸用ガイド部材の内周面に垂直な方向の圧力が大きくなるのを抑制できるため、釣り糸の摩耗を抑制でき、釣り糸が切断されにくくなる。
本発明の釣り糸用ガイドによれば、釣り糸が摩耗によって切断されにくくなる。
本発明の釣り竿によれば、釣りの際に釣り糸が切れる、いわゆるラインブレイクの発生が少なく、長時間にわたって安定して魚釣りを行なえる。
本発明の目的、特色、および利点は、下記の詳細な説明と図面とからより明確になるであろう。
本実施形態の釣り糸用ガイド部材の一例を示す、(a)は正面図、(b)は(a)で示すZ−Z’線で切断した状態を示す側面断面図であり、(c)は(b)の側面断面図におけるA部の拡大図である。 (a)、(b)はリールから釣り糸用ガイド部材に送られる釣り糸の状態を模式的に示す断面図である。 図2(b)に示す釣り糸用ガイド部材におけるC部の拡大図である。 (a)、(b)はリールから送り出した釣り糸を巻き戻す際の釣り糸用ガイド部材1と釣り糸との接触状態を模式的に示す断面図である。 本実施形態の釣り糸用ガイド部材の他の一例を示す、(a)は正面図、(b)は(a)で示すZ−Z’線で切断した状態を示す側面断面図であり、(c)は(b)の側面断面図におけるA部の拡大図である。 本実施形態の釣り糸用ガイド部材のさらに他の一例を示す、(a)は正面図、(b)は(a)で示すZ−Z’線で切断した状態を示す側面断面図であり、(c)は(b)の側面断面図におけるA部の拡大図である。 本実施形態の釣り糸用ガイド部材が保持された釣り糸用ガイドの一例を示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は(a)で示すY−Y’線で切断した状態を示す側面断面図である。 本実施形態の釣り糸用ガイドを備えた釣り竿の一例を示す模式図である。 釣り糸用ガイド部材の釣り糸に対する耐摩耗性の評価に用いる耐摩耗性評価装置の構成の一例を示す概略図である。 釣り糸用ガイド部材の圧環強度試験方法を説明するための模式図である。 窒化珪素質焼結体からなる本実施形態の釣り糸用ガイド部材の一例を示すX線回折チャートである。 窒化珪素質焼結体からなる本実施形態の釣り糸用ガイド部材の他の一例を示すX線回折チャートである。
以下、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1の一例について説明する。
図1は、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1の一例を示す、(a)は正面図、(b)は(a)で示すZ−Z’線で切断した状態を示す側面断面図であり、(c)は(b)の側面断面図におけるA部の拡大図である。
図1(a)〜(c)に示すように、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1は、リング状をなしており、このリング状の釣り糸用ガイド部材1の内周側の空間が釣り糸の案内孔3となる。この案内孔3の中心を通る線が軸線となる。図1(b)では、この軸線が示す方向L(図1(a)における紙面と垂直な方向、以下軸方向Lという。)が、釣り糸(図示しない)が通る方向となることを示している。なお、図1(c)において、軸方向Lに垂直なA−A’で示す一点鎖線は、釣り糸用ガイド部材1の厚み(半径方向寸法)が最大厚みTとなる位置を表し、軸方向Lに平行なB−B’で示す一点鎖線は、釣り糸用ガイド部材1の幅(軸方向寸法)が最大幅Wとなる位置を表している。
本実施形態の釣り糸用ガイド部材1は、軸線を含む切断面の断面視(以下、単に断面視という場合がある。)において、内周側から外周側に向かって曲面とされている。なお断面視において、最大幅WであるB−B’線より内周側にある曲面を、内周側の曲面2(以下、第1の曲面2という。)とする。また、第1の曲面2は、それぞれ曲率半径の異なる2つ以上の曲面からなる。具体的には、第1の曲面2が2つの曲面からなる場合は、図1(c)に示す断面において、第1の曲面2は、第1の曲面2とA−A’線とが交わる部位である軸線方向中央部側の曲面(以下、単に中央部側曲面ともいう。)と、第1の曲面2のうち中央部側曲面を挟んで両側に配置される軸線方向端部側の曲面(以下、端部側曲面ともいう。)とからなる。後述するように、この中央部側曲面の曲率半径と端部側曲面の曲率半径とが互いに異なっている。
なお、図1(c)に示す断面において、中央部側曲面の端点を点Dおよび点D’、端部側曲面の端点のうち中央部側曲面との境界の端点(点Dおよび点D’)とは反対側の端点を点Cおよび点C’で示す。すなわち、中央部側曲面の形状は、前記断面において、弧D⌒D’、端部側曲面の形状は弧C⌒Dおよび弧D’⌒C’で示される。
ここで、本実施形態において、A−A’線と弦D−D’の交点は、弦D−D’の中点Oとなるのが対称性の観点からより好適であるが、A−A’線と弦D−D’の交点と弦D−D’の中点Oとがずれていても構わない。なお、第1の曲面2が3つ以上の曲面からなる場合には、断面において、A−A’線と第1の曲面2との交点が存在する曲面を中央部側曲面とし、中央部側曲面を挟んで位置し、B−B’線と第1の曲面2との交点が存在する曲面を端部側曲面とし、中央部側曲面と端部側曲面との間に、中央部側曲面および端部側曲面とは異なる曲率半径を有する他の曲面を有すればよい。なおそれぞれの曲面については、曲面における任意の点を複数選択し、その選択した範囲での曲率半径を測定して、曲率半径が異なった場合に、その異なった部分を含む任意の点を複数選択して曲率半径を測定することを繰り返すことで、曲面の範囲を確認することができる。
また、釣り糸用ガイド部材1は、断面視において、第1の曲面2の一方の端部(点C’)から一方の外周4側に延びる面が曲面2’(以下、第2の曲面2’という)とされている。すなわち、本実施形態において、内周側から外周側に向かう曲面とは、第1の曲面2と第2の曲面2’とからなっている。言い換えると、内周側から外周側に向かう曲面とは、図1(c)に示す断面において、第1の曲面2とA−A’との交点を起点として釣り糸用ガイド部材1の外周4に向かって延びる面のことである。なお、図1に示す釣り糸用ガイド部材1においては、第1の曲面2の他方の端部(点C)から他方の外周4側に延びる面も曲面とされており、一方側および他方側の曲面が線対称(もしくはほぼ線対称)の関係となっている。以下の説明において、図1に示す形状を用いて説明する場合、この他方側の曲面については、一方側と同じ符号を用いて説明する。
なお、釣り糸が釣り糸用ガイド部材1の内周面を摺動するとき、第1の曲面2は、釣り糸に接触し、釣り糸が摺動可能な領域となる。
そして、釣り糸用ガイド部材1は、内周側の中央部側曲面の曲率半径をR1(以下、単にR1と略す場合がある。)、端部側曲面の曲率半径をR2(以下、単にR2と略す場合がある。)としたとき、R2よりもR1が大きい。このような構成であると、釣り糸が摺動可能な領域を大きくできる。これによって、釣り糸が釣り糸用ガイド部材1の内周面を摺動するときに釣り糸に加わる釣り糸用ガイド部材1の内周面に垂直な方向の圧力が大きくなるのを抑制できるため、釣り糸の摩耗を抑制でき、釣り糸が切断されにくくなる。
ここで、R1は、釣り糸用ガイド部材1の断面において、A−A’線と第1の曲面2との交点が存在する中央部側曲面の曲率半径で、R2は、B−B’線と第1の曲面2との交点が存在する端部側曲面の曲率半径とみなせばよい。なお、R1、R2の実寸における好ましい範囲としては、釣り糸用ガイド部材1の大きさにもよるが、一般的に使用される釣り糸用ガイド部材の大きさにあわせて、例えば最大厚みTが0.2〜3.0mm、最大幅Wが0.5〜5.0mmの場合に、R1が0.5〜8.0mmであり、R2が0.1〜1.0mmとすることができる。
さらに、上記構成とすることで、下記で説明する2つの相乗効果を得ることができる。
また、釣り糸用ガイド部材1は、断面視において、最大厚みTの最大幅Wに対する比率T/Wの値が0.2以上0.7以下であることが好適である。このような構成であると、釣り糸用ガイド部材1の圧環強度を高く維持するとともに、釣り糸が摺動可能な領域を確保しつつ、中央部側曲面の曲率半径R1を大きくできるため、釣り糸がより切断されにくくなる。
以下では、図2および図3を用いて釣り糸用ガイド部材1の第1の相乗効果について説明する。
図2(a)、(b)は、リールから釣り糸用ガイド部材1,11に送られる釣り糸5の状態を模式的に示す断面図である。なお、図2(a)に示す釣り糸用ガイド部材11は、断面において第1の曲面の中央部側曲面の曲率半径R1が、端部側曲面の曲率半径R2よりも小さい参考形態を示しており、図2(b)に示す釣り糸用ガイド部材1は、断面において第1の曲面の中央部側曲面の曲率半径R1が、端部側曲面の曲率半径R2よりも大きい実施形態を示している。
釣り糸用ガイド部材1,11は、それぞれ釣り竿(図示しない)に釣り糸用ガイド(図示しない)を用いて取りつけられており、リール(図示しない)から送り出された釣り糸5は、釣り糸用ガイド部材1,11の案内孔3に挿通され、その内周側の第1の曲面2に沿って摺動しながら穂先まで案内されている。なお、図2(a),(b)では釣り糸5がリールから送り出されている状態を示す。いわゆるスピニングリールにおいて、仕掛けをキャストする時に送り出される釣り糸5は、B部で示されるように螺旋状に回転しながら送り出され、その螺旋状に回転した釣り糸5は、釣り糸用ガイド部材1,11の内周側の第1の曲面に接触し、その内周面を沿って回転しながら進行して穂先方向に送り出される。
図3は、図2(b)の釣り糸用ガイド部材1のC部の拡大図である。また、二点鎖線は、図2(a)において参考形態として示した釣り糸用ガイド部材11の内周面を示す仮想輪郭線11’を表している。さらに、矢印Xは、釣り糸5が釣り糸用ガイド部材1と接触するときの釣り糸5の進入方向を示すもので、矢印Xと釣り糸用ガイド部材1の軸線とのなす角度をθ(以下、進入角θという。)で示す。また矢印X’は、釣り糸5が釣り糸用ガイド部材11(釣り糸用ガイド部材11の内周面を示す仮想輪郭線11’)と接触したときの釣り糸5の進入方向を示すもので、矢印X’と釣り糸用ガイド部材1の軸線とのなす角度をθ(以下、進入角θという。)で示す。なお、図3においては理解しやすいように軸線の位置を適宜ずらして示している。
釣り糸用ガイド部材1は、断面において曲率半径R2よりも曲率半径R1が大きい、言い換えると、端部側曲面の曲率半径が中央部側曲面の曲率半径より小さい。そのため、釣り糸5がリールから釣り糸用ガイド部材1に送られるとき、釣り糸5と端部側曲面とが接触しにくく、釣り糸5と第1の曲面2とが接触する位置は、釣り糸用ガイド部材11の場合に比べて、第1の曲面2の中央部側により近くなる傾向がある。すなわち、釣り糸5が釣り糸用ガイド部材1と接触するときの進入角θは、釣り糸用ガイド部材11の場合の進入角θに比べて小さくなるため、釣り糸用ガイド部材1を用いると、釣り糸5がリールから送り出されるときに生じる、螺旋状の回転の回転直径が小さくなる傾向がある。つまり、釣り糸用ガイド部材1は、断面においてR2よりもR1が大きいので、釣り糸5がリールから送り出されるときに生じる、螺旋状の回転の回転直径が小さくなる傾向になり、螺旋状の回転による遠心力を抑制できる。それにより、遠心力による釣り糸5への負担を軽減するとともに、釣り糸5の送り速度の低下を抑制することができ、キャストの飛距離が上がるという第1の相乗効果を奏することができる。
以下では、図4を用いて釣り糸用ガイド部材1の第2の相乗効果について説明する。
図4(a),(b)は、リールから送り出した釣り糸5を巻き戻す際の釣り糸用ガイド部材と釣り糸5との接触状態を模式的に示す断面図である。図4(a)は、参考形態の釣り糸用ガイド部材11を示し、図4(b)は、実施形態の釣り糸用ガイド部材1を示している。
釣り糸用ガイド部材1,11は、それぞれ釣り竿(図示しない)に釣り糸用ガイド(図示しない)を用いて取りつけられており、リール(図示しない)から引き出された釣り糸5は、釣り糸用ガイド部材1,11の案内孔3に挿通され、その内周側の第1の曲面2に沿って摺動しながら穂先まで案内されている。また、図4(a),(b)においては、釣り糸5が一旦リールから送り出された後、リールによって釣り糸5を巻き戻したときの釣り糸用ガイド部材1,11と釣り糸5との接触状態を模式的に示している。
釣り糸用ガイド部材1は、断面において曲率半径R2よりも曲率半径R1が大きいので、釣り糸5との接触端部の傾斜が緩やかになり、釣り糸5が一旦リールから送り出された後、釣り糸5を巻き戻したときにも、図4(b)に示すように、第1の曲面2において釣り糸5の屈曲といった変形を抑えることができる。ここで、参考形態の釣り糸用ガイド部材11は、断面において第1の曲面2aの中央部側曲面の曲率半径R1が、端部側曲面の曲率半径R2よりも小さい、言い換えると、第1の曲面の釣り糸5との接触端部の傾斜が急になる。このような曲面形状の釣り糸用ガイド部材11を用いるといわゆるスピニングリールにおいて、釣り糸5が一旦リールから送り出された際、図2(a)のB部に示すような螺旋状の糸よれが生じる。その後、釣り糸5に糸よれが生じた状態で釣り糸5が巻き戻されることで、巻き戻るにつれて釣り糸5の糸よれが釣り糸用ガイド部材11の第1の曲面の端部の急な傾斜で蓄積され、図4(a)のD部に示すように釣り糸5が屈曲することで釣り糸5が切断されやすくなる。さらに、釣り糸5の屈曲が維持されれば、再度、釣り糸5がリールから送り出される際に、釣り糸用ガイド部材11に対する抵抗である送り抵抗が増し、キャストの飛距離が下がる。これに対し、実施形態の釣り糸用ガイド部材1は、断面において端部側曲面の曲率半径R2よりも第1の曲面2の中央部側曲面の曲率半径R1が大きいので、釣り糸5が一旦リールから送り出された後、釣り糸5を巻き戻したとしても、糸よれが蓄積されることがなく、図4(b)に示すように、第1の曲面2において釣り糸5が屈曲しにくいため、釣り糸5が切断されにくいという第2の相乗効果を奏することができる。
ここで、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1は、曲率半径R1および曲率半径R2の比率であるR1/R2の値が3以上、特には3以上15以下の範囲であることが好適である。このような範囲であると、釣り糸5が摺動可能な領域を特に大きくできる。これによって、釣り糸5が釣り糸用ガイド部材1の内周面を摺動するときに釣り糸5に加わる釣り糸用ガイド部材1の内周面に垂直な方向の圧力が大きくなるのを十分に抑制できるため、釣り糸5の摩耗をより抑制でき、釣り糸5がより切断されにくくなる。また、比率R1/R2の値が前記範囲にあれば、第1の相乗効果および第2の相乗効果を特に高く得ることができる。
なお、前記曲率半径R1,R2は、釣り糸用ガイド部材1の任意の断面5箇所の写真を市販の金属顕微鏡などを用いて撮影し、写真を画像データ化した後、市販の画像解析ソフトなどを用いて、各断面の曲率半径R1,R2をそれぞれ測定し、測定値の算術平均値を算出することにより求められる。なお、測定する写真において、釣り糸用ガイド部材1表面が凹凸の影響により曲面の一部がとぎれている場合や、うねりが存在している場合には近似により曲面の輪郭線を補正してもかまわない。
ちなみに、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1は、PE(いわゆるブレイデッドライン),ナイロン,ポリフッ化ビニリデン(いわゆるフロロカーボンライン)などの高分子化合物および金属ワイヤー等からなる釣り糸5の案内に用いることができる。
ところで、図1に示す釣り糸用ガイド部材1においては、第2の曲面2’の曲率半径をR3としたとき、R3がR2以上であることが好適である。R3は、図1に示す釣り糸用ガイド部材1の断面において、B−B’線と第1の曲面2との交点CおよびC’から外周側へ延びる曲線の曲率半径とみなせばよい。なお、R3の実寸における好ましい範囲は、釣り糸用ガイド部材1の大きさにもよるが、一般的に使用される釣り糸用ガイド部材の大きさにあわせて、例えば最大厚みTが0.2〜3.0mm、最大幅Wが0.5〜5.0mmの場合に、R3が0.1〜2.0mmである。
第1の曲面2の端部側曲面の曲率半径R2より、第2の曲面2’の曲率半径R3を同等以上にすることにより、例えば、釣り竿を落とした際など、釣り糸用ガイド部材1に衝撃が加わったとしても応力緩和されやすく、変形や破損が生じることを抑制することができる。
特には、曲率半径R2およびR3の比率であるR3/R2の値が1.2以上であることが好適である。このような範囲であると、釣り糸用ガイド部材1全体としてより高い機械的強度を得ることができる。
ここで、魚釣りをする中で、釣り糸5は張っているだけでなく、緩むこともあり、その場合は、第1の曲面2および第2の曲面2’が釣り糸5と釣り糸用ガイド部材1とが接触する領域となる。それゆえ、R3がR2以上であると、第1の曲面2および第2の曲面2’において、釣り糸5に加わる摩擦等の負担を緩和することができる。
図5は、本実施形態の釣り糸用ガイド部材の他の一例を示す、(a)は正面図、(b)は(a)で示すZ−Z’線で切断した状態を示す側面断面図であり、(c)は(b)の側面断面図におけるA部の拡大図である。
特に釣り竿の先端部に設置される釣り糸用ガイド部材は、暴れた魚を釣り上げる場合に、広範囲に釣り糸5が動作するので、他の部位に設置される釣り糸用ガイド部材に比べて、多方向に不意な荷重がかかるため、釣り糸用ガイド部材を保持する釣り糸用ガイドの保持部と強固に接合されていることが好ましい。
ここで、図5に示す釣り糸用ガイド部材6は、断面視において、他方の外周側に、一端が内周側の曲面につながる外面の少なくとも一部が曲面8とされたフランジ部7を有している。それにより、釣り糸用ガイド部材6と環状の保持部とを嵌め合わせて接合できるほか、釣り糸用ガイド部材6と保持部との接合面積を増加することができるため、接着剤にて強固に接合することができる。
特に、このフランジ部7は、一端が内周側の曲面につながる外面を備えており、この外面の少なくとも一部が曲面状とされており、曲面8の曲率半径をR4としたとき、R4がR2以上であることが好適である。なお図5においては、一端が内周側の曲面につながる外面全体が曲面8とされている例を示しているが、例えば、外面の一部が曲面8とされ、一部に平坦面となる部位があってもよい。
このようなフランジ部7を有する釣り糸用ガイド部材6では、釣り竿の先端方向にフランジ部7を向けて設置すれば、キャスト時や魚がヒットして竿を引き上げたときなどに、釣り糸5が釣り竿と90°未満となる角度をなした際にも、釣り糸5が曲面8を摺動することから、釣り糸が切断されにくくなる。特に、曲面8の曲率半径R4を、端部側曲面の曲率半径R2以上とすることで、曲面8における釣り糸の摺動可能な領域を大きくできるため、釣り糸がより切断されにくくなる。
なお、図5においては、他方の外周側(図において左下側)に設けられたフランジ部7の外面が、一端が内周側の曲面である端部側曲面に直接つながっている例を示している。すなわち、図5(c)において、左側の端部側曲面は、外周4の延長線上にあるCの部位にまで設けられており、外周4より下方に位置する部分が、フランジ部7とされている。なお、この外面の他端から厚み方向に延びる面が内側面9とされている。
ここで、フランジ部7の厚みは、釣り糸用ガイド部材6が取り付けられる保持部の大きさ等に応じて適宜設定することができるが、例えば、フランジ部7を含む釣り糸用ガイド部材6の最大厚みT2と、フランジ部7を除く釣り糸用ガイド部材6の最大厚みT1との比であるT2/T1が1.1〜2.5の範囲となることが好ましく、この場合において、曲面8の曲率半径R4の実寸における好ましい範囲は、0.2〜5.0mmである。
図6は、本実施形態の釣り糸用ガイド部材の他の一例を示す、(a)は正面図、(b)は(a)で示すZ−Z’線で切断した状態を示す側面断面図であり、(c)は(b)の側面断面図におけるA部の拡大図である。
図6に示す釣り糸用ガイド部材14においては、図5に示した釣り糸用ガイド部材6と同様に、一端が内周側の曲面につながる外面の少なくとも一部が曲面8とされたフランジ部7を有し、さらにフランジ部7が、外面の他端から厚み方向に伸びる内側面9において、窪み部15を有している。この窪み部15が、釣り糸用ガイド部材14と保持部とを接着剤で接着する際の接着剤だまりとして機能し、それにより釣り糸用ガイド部材14と保持部とをより強固に接合することができる。なお、窪み部15の大きさは、フランジ部7の強度を考慮して、適宜設定することができる。なお、図6においては、この内周面9の外面の他端側が曲面状の凸形状となっているが、窪み部15が形成されていれば、例えば平坦状の凸形状であってもかまわない。
図7は、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1が保持された釣り糸用ガイド10の一例を示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は(a)で示すY−Y’線で切断した状態を示す側面断面図である。
図7に示す本実施形態の釣り糸用ガイド10は、本実施形態のリング状の釣り糸用ガイド部材1を保持するための環状の保持部12と、釣り竿に取り付けるための取り付け部13とを有する。また、保持部12は、釣り糸用ガイド部材1が嵌り込む程度の大きさの嵌合孔を備え、保持部12の嵌合孔に釣り糸用ガイド部材1の外周4側を嵌合させて保持している。保持部12と外周4の嵌合するお互いの面は、動くことなく保持する為に、直線面であることがより好適である。このような構成の釣り糸用ガイド10は、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1を備えていることから、釣り糸が摩耗によって切断されにくいほか、釣り竿に着脱が可能な釣り糸用ガイド10とすることができる。さらに、釣り糸用ガイド10は、上述した第1の相乗効果および第2の相乗効果を奏することができる。
図8は、本実施形態の釣り糸用ガイド10を備えた釣り竿20の一例を示す模式図である。
図8に示すように、本実施形態の釣り竿20は、複数の釣り糸用ガイド10のそれぞれの取り付け部13を、釣り竿20を構成する竿体21の所定位置に固定し、保持部22のリールシートに取り付けられたリール23に巻かれた釣り糸5を、釣り糸用ガイド10の釣り糸用ガイド部材1の案内孔3を通して用いられる。さらに、釣り竿20を魚釣りに使用するときは、リールから引き出した釣り糸5の先端付近に、ルアーや、釣り針、重りおよび浮き(不図示)等の仕掛けを取り付け、釣り竿20の保持部22を掴んで竿体21を振り、仕掛けの荷重を利用してリール23に巻かれた釣り糸5を送り出すことができる。本実施形態の釣り糸用ガイド10が取り付けられた釣り竿20を用いて釣りを実施することにより、釣りの際に釣り糸5が切れる、いわゆるラインブレイクの発生が少なく、長時間にわたって安定して魚釣りを行なえる。
ここで、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1の材質は、金属、樹脂またはセラミックスなど、使用する釣り糸5の材質に合わせて適宜選定することができるが、機械的特性や耐摩耗性の観点からセラミックスを用いることが好適である。
また、釣り糸用ガイド部材1の色調は、JIS Z 8729−1980のL表色系における明度指数Lが35以下であることが好適である。これは、色調が上記範囲であると、釣り糸用ガイド部材1の高級感が高まる傾向があるためである。
ここで、釣り糸用ガイド部材1の材質として適用できるセラミックスとしては、アルミナ(Al),ジルコニア(ZrO),スピネル(MgAl)などの酸化物セラミックスや、炭化珪素(SiC),窒化珪素(Si),窒化アルミ(AlN),窒化チタン(TiN),炭化チタン(TiC)などの非酸化物セラミックスがある。さらに、その中でも釣り糸5との摩擦により発生する熱を逃がし易くして、釣り糸5へのダメージを極力低減するという観点では、炭化珪素質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体からなることが好適である。また、釣り糸用ガイド部材1の最大厚みTを薄くする場合には、優れた機械的強度、耐摩耗性および靭性等の機械的特性を有する窒化珪素質焼結体からなることが好適である。
また、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1に用いる窒化珪素質焼結体は、とくに限定されるものではないが、イットリウム(Y)をY換算で3質量%以上12質量%以下、アルミニウム(Al)をAl換算で2質量%以上5質量%以下および珪素(Si)をSiO換算で2質量%以上4質量%以下含有し、残部が窒化珪素からなる構成であれば、より高密度化でき、高い機械的特性を有するためより好適である。
また、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1が、窒化珪素質焼結体からなるとき、見掛け密度が3.27g/cm以上であることが好適である。見掛け密度が3.27g/cm以上であるときには、高密度化された窒化珪素質焼結体となるため、摩耗による窒化珪素の結晶が脱粒しにくくなり、釣り糸用ガイド部材1の釣り糸5に対する耐摩耗性がさらに高まる。また、窒化珪素質焼結体における平均結晶粒径は0.8μm以下とすることが好適である。
なお、見掛け密度は、JIS R 1634−1998に準拠して測定すればよい。また、平均結晶粒径については、プラニメトリック法により算出すればよい。算出方法としては、窒化珪素質焼結体を鏡面研磨した後、研磨面を超音波洗浄またはエッチング処理し、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて例えば5000倍の倍率で観察し、このときの観察像を用いてプラニメトリック法により算出すればよい。なお、プラニメトリック法とは、撮像倍率がm倍の観察像において、面積(A)の既知の円を描き、円内の粒子数nと円周にかかった粒子数nから次式(1)によって単位領域あたりの粒子数Nを求め、次式(2)を用いて円相当径(D)を算出して平均結晶粒径とする方法である。
=(n+1/2n)/(A/m)・・・・・・・・・・・・・(1)
D=2/(πN1/2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
また、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1が、窒化珪素質焼結体からなるとき、釣り糸用ガイド部材1の任意の断面において、円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子は、縦横が10μm×10μmの単位領域当たり20個以下(0個を含まず)存在することが好適である。これは、10μm×10μmの単位領域当たりにおける円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子の個数が20個以下であることにより、耐摩耗性を向上させることができたという知見に基づくものである。なお、本実施形態においては、釣り糸用ガイド部材1の任意の断面が、釣り糸5が摺動可能な領域の表面性状を表しているとみなしている。
また、10μm×10μmの単位領域当たりにおける円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子の個数の下限値は5個であることが好適である。この理由についても明らかではないが、窒化珪素質焼結体中に存在する円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子の個数が、主相である窒化珪素の結晶に掛かる圧縮応力に影響を及ぼしているからであると考えられる。さらに、10μm×10μmの単位領域当たりにおける円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子の個数は6個以上16個以下が好適である。また、さらに10μm×10μmの単位領域当たりにおける円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子の個数は8個以上14個以下が好適である。
ここで、10μm×10μmの単位領域当たりに存在する、円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子の個数は、窒化珪素質焼結体の任意の断面を鏡面研磨した後、研磨面を超音波洗浄またはエッチング処理し、SEM(走査型電子顕微鏡)や金属顕微鏡により所定の倍率で撮影して得られた画像を基に、直径が1μmの円を基準円とし、この基準円と、10μm×10μmの単位領域における窒化珪素の結晶粒子とを照らし合わせて、この基準円の大きさ(面積)と同等若しくは大きい結晶粒子の個数を数えればよい。また、画像解析ソフトを用いて算出してもよい。
また、釣り糸用ガイド部材1がセラミックスからなるとき、ボイド率が1.8%以下であることが好適である。ボイド率が1.8%以下であるときには、機械的強度が高まり、釣り糸用ガイド部材1の釣り糸5に対する耐摩耗性を向上させることができる。なお、ここでいうボイド率とは、釣り糸用ガイド部材1の任意の断面を鏡面研磨した後、SEM(走査型電子顕微鏡)や金属顕微鏡によりその表面を観察し、画像解析により測定面積中のボイド総面積を面積比率で表したものである。
また、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1が、窒化珪素質焼結体からなるときは、ボイド率が0.3%以上1.5%以下であることがより好適である。ボイド率がこの範囲内である場合には、優れた機械的強度を有するものとでき、さらに釣りの最中にボイドに保持される水が釣り糸5の表面と釣り糸用ガイド部材1の表面との間で潤滑剤の役割を果たし摩擦係数が低減されるために耐摩耗性を向上させることができる。なお、ボイド率が0.3%未満である場合には、ボイドに保持される水の量が少なく、耐摩耗性向上の効果が低く、1.5%を超えると機械的強度が低下する傾向を示す。
また、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1が、窒化珪素質焼結体からなるとき、粒界(ここでは窒化珪素の結晶間)に、メリライト(YSi:イットリウムナイトライドシリケート)結晶を有することが好適である。なお、窒化珪素の結晶や、粒界にメリライト結晶が存在するか否かは、X線回折装置を用いて確認することができる。たとえばX線回折装置(Bruker AXS社製 D8 ADVANCE)を用いて、窒化珪素質焼結体の表面にCuKα線を照射し、CuKα線の回折方向と入射方向の角度差(2θ)と回折X線強度を検出器で走査した結果であるX線回折チャートを得て、JCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)カードに基づいて同定することにより確認することができる。
粒界にメリライト結晶が存在し、X線回折チャートにおける2θ=37.2°のメリライト(YSi:イットリウムナイトライドシリケート)結晶のピーク強度をI、2θ=27.0°の窒化珪素結晶のピーク強度をIとしたとき、I/Iの値は0.1以下であることが好適である。I/Iの値が0.1以下である場合には、良好な耐摩耗性を有するとともに、高い強度を有する釣り糸用ガイド部材が得られる。I/Iの値が0.1を超える場合には、より高い強度(圧環強度)が得られにくく、I/Iの値が0で粒界にメリライト結晶が存在しない場合は、窒化珪素結晶が粒成長し易く、全体的に結晶粒径が大きくなるため、より良好な耐摩耗性が得られにくい。
ここで、釣り糸用ガイド部材1の釣り糸5に対する耐摩耗性は、以下に示す構成の耐摩耗性評価装置を用いて評価することができる。
図9は、釣り糸用ガイド部材1の釣り糸5に対する耐摩耗性の評価に用いる耐摩耗性評価装置30の構成の一例を示す概略図である。この耐摩耗性評価装置30は、釣り糸5と、所定位置で釣り糸5に張力を与えるプーリー35と、釣り糸5を走行させるモーター33と、釣り糸5に泥水を付着させる水槽32とを備えている。そして、所定位置に治具(図示しない)等で固定されたリング状の釣り糸用ガイド部材1にワイヤー37を介しておもり34の質量分の荷重が鉛直上方向きに与えられ、水槽32を通って泥水が付着した釣り糸5が釣り糸用ガイド部材1の下方側内周面を摺動する構造となっている。そして、この耐摩耗性評価装置30を用いて、釣り糸5を釣り糸用ガイド部材1の内周面に接触した状態で一定時間摺動させ、摺動後に釣り糸用ガイド部材1がどれだけ摩耗しているかを、摩耗によりできた摩耗痕の深さ(以下、単に、摩耗深さという。)を測定することで釣り糸用ガイド部材1の釣り糸5に対する耐摩耗性を評価することができる。
また、釣り糸用ガイド部材1の前記圧環強度は、以下に説明する圧環強度試験により評価することができる。
圧環強度は、JIS Z 2507:2000の圧環強さ試験方法に準じた方法で測定することができる。図10は、釣り糸用ガイド部材の圧環強度試験方法を説明するための模式図である。図10に示すように、被試験物(釣り糸用ガイド部材1)を上下一対の固定治具(セラミック治具40)間に挟んで固定し、上方から被試験物に半径方向の荷重を加えていき、被試験物が破壊されたときの最大荷重pを測定して圧環強度を求める。この試験方法によって、被試験物の圧環強度(σr)(単位:MPa)は、被試験物が破壊されたときの最大荷重をp(単位:kgf)、釣り糸用ガイド部材1の外径の値をd(単位:mm)、厚みTの値をt(単位:mm)、幅Wの値をw(単位:mm)としたとき、σr=(p(d−t)/(w×t))×9.8の式により求めることができる。
また、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1は、窒化珪素質焼結体からなるとき、粒界(ここでは窒化珪素の結晶間)に、YSiAlON,YSiAlON,YSiOおよびα−YSiの少なくともいずれかの結晶を有することが好適である。なお、粒界にYSiAlON,YSiAlON,YSiO,α−YSiの結晶が存在するか否かは、上記と同様にX線回折装置を用いて確認することができる。
粒界に、YSiAlON,YSiAlON,YSiOおよびα−YSiの少なくともいずれかの結晶が存在しているときには、窒化珪素質焼結体の強度を向上させることができ、優れた機械的強度および破壊靱性を有するものとすることができる。その理由については明らかではないが、粒界に、YSiAlON,YSiAlON,YSiOおよびα−YSiの少なくともいずれかの結晶が存在することにより、主相である窒化珪素の結晶の粒成長を抑制して微細な組織構造とすることができ、かつ粒界相にかかる応力を分散させる働きがあるためと考えられる。また、粒界にYSiAlON,YSiAlON,YSiOおよびα−YSiの少なくともいずれかの結晶を有する窒化珪素質焼結体からなる釣り糸用ガイド部材1は、優れた機械的強度および破壊靱性により、高い圧環強度を有する。
図11は、窒化珪素質焼結体からなる本実施形態の釣り糸用ガイド部材の一例を示すX線回折チャートである。このX線回折チャートにおいて、窒化珪素の結晶が存在していることを示すピークは、2θ=23.5°付近,27.2°付近,33.6°付近,36°付近に現れている。そして、YSiAlONの結晶が存在していることを示すピークが、2θ=32°〜33°(例えば32.6°)に現れ、YSiAlONの結晶が存在していることを示すピークが、2θ=29°〜31°(例えば29.4°,30.7°,31.1°)に現れているので、それぞれのピークにより、YSiAlONおよびYSiAlONの結晶の存在が確認できる。また、窒化珪素、YSiAlONおよびYSiAlONの存在を示すピークの間のブロードなピークは、窒化珪素質焼結体に非晶質(アモルファス)相が存在していることを示している。
なお、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1は、窒化珪素質焼結体表面のX線回折チャートにおける2θ=32.6°付近のYSiAlONの結晶のピーク強度の値をXとし、2θ=29.4°付近のYSiAlONの結晶のX線回折におけるピーク強度の値をYとしたとき、その比率X/Yが1.2以下(0を除く)であると、機械的強度および破壊靱性がより高まる傾向があるため、釣り糸用ガイド部材1の圧環強度がより高まる傾向がある。
図12は、窒化珪素質焼結体からなる本実施形態の釣り糸用ガイド部材の他の一例を示すX線回折チャートである。このX線回折チャートにおいて、図11に示す例と同様の窒化珪素、YSiAlONおよびYSiAlONの各結晶が存在していることを示すピークに加えて、2θ=28°〜29°(例えば28.3°)に、YSiOまたはα−YSiの結晶の存在を示すピークが表れており、図12に示す例では、これらの結晶の存在が確認できる。
次に、本実施形態の製造方法の一例として、釣り糸用ガイド部材1の材質に窒化珪素質焼結体を適用した場合を説明する。
まず、出発原料として、Si粉末(平均粒径D50=0.5〜100μm)およびSi粉末(α化率50%以上、平均粒径D50=0.5〜10μm)と、焼結助剤であるY粉末(平均粒径D50=0.5〜10μm)、Al粉末(平均粒径D50=0.5〜10μm)およびSiO粉末(平均粒径D50=0.5〜10μm)とを準備する。その後、それぞれの粉末を所定量秤量し、ポリビニルアルコール(PVA)やポリエチレングリコール(PEG)などの各種バインダと、溶媒とともに、例えば回転ミル、振動ミル、ビーズミルなどのミルに入れて湿式混合・粉砕し、スラリーを作製する。
なお、Si粉末とSi粉末との質量比率は、Si粉末/Si粉末≧1となるように秤量する。そして、窒化珪素質焼結体の組成が、イットリウム(Y)をY換算で3質量%以上12質量%以下、アルミニウム(Al)をAl換算で2質量%以上5質量%以下および珪素(Si)をSiO換算で2質量%以上4質量%以下含有し、残部が窒化珪素からなるものとするには、Si粉末とSi粉末との質量比率が85:15であるとき、Y粉末およびAl粉末については、それぞれ4.3質量%以上17質量%以下、2.9質量%以上7.2質量%以下となるように秤量する。なお、各粉末の秤量時と窒化珪素質焼結体の含有量とで質量%が異なるのは、Si粉末を窒化させて窒化珪素としているためである。なお、安価なSi粉末を適用した例を上述したが、Si粉末のみを1次原料として製造された窒化珪素質焼結体を適用することも可能である。
また、SiO粉末については、Si粉末およびSi粉末に不可避的に含まれる酸素をSiOに換算した量と合わせて窒化珪素質焼結体に含まれるSiO換算での含有量が2質量%以上4質量%以下となるように秤量する。なお、Y:Al:SiOの窒化珪素質焼結体の含有量は、質量比率で50〜66質量%:18〜26質量%:16〜24質量%であることが好適である。
次に、噴霧造粒乾燥装置(スプレードライヤ)を用いてスラリーを噴霧造粒して球状顆粒を得た後、この球状顆粒を用いて粉末プレス成形法にて成形し、必要に応じて切削加工を施すことにより成形体を得る。
次に、この成形体を50kPa〜1.1MPaの窒素分圧で、1000〜1400℃の温度で焼成することで成形体中の珪素(Si粉末)を窒化させ、成形体中の窒化珪素のα化率を90%以上とした後、50〜300kPaの窒素分圧で、1700〜1900℃の最高温度で焼成する。そして、粒界にメリライト(YSi)、YSiAlONおよびYSiAlONの結晶を存在させるには、最高温度から1200℃までの降温速度を10℃/min以下とすればよい。なお、X線回折チャートにおける2θ=37.2°のメリライト(YSi:イットリウムナイトライドシリケート)結晶のピーク強度をI、2θ=27.0°の窒化珪素結晶のピーク強度をIとしたとき、I/Iの値が0.1以下(0を除く)とするには、最高温度から1200℃までの降温速度を5℃/min以上10℃/min以下とすればよい。また、X線回折チャートにおける2θ=32.6°付近のYSiAlONの結晶のピーク強度をXとし、2θ=29.4°付近のYSiAlONの結晶のX線回折におけるピーク強度をYとしたとき、その比率X/Yを1.2以下とするには、前記降温速度を7℃/min以上10℃/min以下とすればよい。また、X線回折チャートにおける2θ=28°〜29°間にピークを示す結晶(YSiOまたはα−YSi)を存在させるには、焼成時の最高温度を1700〜1800℃の範囲内として、比較的低温で焼成すればよい。
また、色調を、JIS Z 8729−1980のL表色系における明度指数Lを35以下とするためには、所定量の遷移金属からなる着色剤を出発原料に加えればよい。このように、出発原料に遷移金属からなる着色剤を添加すれば、窒化珪素質焼結体の粒界に遷移金属の珪化物が存在することとなり、明度指数Lを35以下とすることができる。なお、添加する遷移金属としては、焼成時に粒界で珪化物を形成し易い、鉄やタングステンを用いることが好適である。
また、見掛け密度を3.27g/cm以上とするには、焼成時の最高温度を、1700℃以上とすればよい。
また、窒化珪素の平均結晶粒径を、0.8μm以下とするためには、出発原料としてSi粉末およびSi粉末を用いた反応焼結法により窒化珪素質焼結体を作製すればよい。
また、円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子を、10μm×10μmの単位領域当たり20個以下(0個を含まず)存在させるには、焼成時の最高温度を1710〜1750℃と比較的低温とすればよい。
また、焼成時の最高温度を、1710℃以上とすることで、ボイド率を1.8%以下とすることができ、特に焼成時の最高温度の保持時間を3〜20時間の範囲内とすることで、ボイド率を0.3%以上1.5%以下の範囲内とすることができる。なお、さらにボイド率を低くするためには、焼成後に熱間静水圧プレス成形(HIP)処理を行なえばよい。
そして、室温まで冷却した後、バレル加工や研削加工により曲面を形成し、最終的にセンタレス加工を施すことにより窒化珪素質焼結体からなる本実施形態の釣り糸用ガイド部材1を得ることができる。
なお、本実施形態の釣り糸用ガイド部材1として、窒化珪素質焼結体からなるものの製造方法の詳細を上述したが、この他にも、アルミナ(Al),ジルコニア(ZrO),スピネル(MgAl),炭化珪素(SiC),窒化アルミ(AlN),窒化チタン(TiN)および炭化チタン(TiC)などのセラミックスからなるものも製造可能であり、ステンレス鋼やチタニウムなどの金属からなるものも製造可能である。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
出発原料として、Si粉末(平均粒径D50=10μm)およびSi粉末(α化率70%、平均粒径D50=1μm)と、焼結助剤であるY粉末(平均粒径D50=1μm)、Al粉末(平均粒径D50=1μm)、SiO粉末(平均粒径D50=1μm)を準備した。続いて、それぞれの粉末を、Si粉末を65質量%、Si粉末を15質量%、Y粉末を12質量%、Al粉末を5質量%、SiO粉末を3質量%秤量した。
そして、秤量後の粉末と、ポリビニルアルコール(PVA)と、溶媒とを回転ミルに入れて、所定時間混合・粉砕し、スラリーを作製した。そして、噴霧造粒乾燥装置を用いてスラリーを噴霧造粒して球状顆粒を得た後、この球状顆粒を用いて粉末プレス成形法にて成形体を得た。次に、この成形体を120kPaの窒素分圧で、1300℃の温度で焼成し、窒化珪素のα化率が90%以上の窒化体を得た後、さらに120kPaの窒素分圧で、表1に示す最高温度でそれぞれ5時間保持することにより、10μm×10μmの単位領域当たりにおける円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子の個数が異なる試料No.1〜10を得た。ここで、試料No.1〜10の形状はいずれも、外径が12mm,内径が10mm、幅(W)が=2mmで、断面視において、図2に示す釣り糸用ガイド部材1として、曲率半径R1が4.5mm、曲率半径R2が0.8mmであった。
そして、試料No.1〜10を前述の耐摩耗性評価装置30を用いて釣り糸用ガイド部材の釣り糸に対する耐摩耗性を評価し、その結果を摩耗深さとして表1に示した。
なお、耐摩耗性評価装置30の設定条件は、おもり34の質量を500gとし、糸6が試料の内周面を摺動する速度を60m/分とし、糸6の走行距離を3000mとした。
また、試料の任意の断面を鏡面研磨した後、研磨面を超音波洗浄処理し、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて倍率5000倍に拡大した観察像を得た。そして、前記観察像を画像データとし、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標,旭化成エンジニアリング(株)製)を用い、円形粒子解析手法を適用して、画像データ内の10μm×10μmの範囲内にある結晶粒子の数と粒子1つ1つの面積をそれぞれ求め、画像データ内のスケールで描いた直径1μmの円の面積を上回る結晶粒子がいくつ存在するかを算出し、円相当径1μm以上の窒化珪素結晶粒子の数を求めた。結果を表1に示す。
なお、上記観察像を用いて、プラニメトリック法により試料No.1〜10の平均結晶粒径を算出したところ、試料No.1〜10は全て平均結晶粒径が0.8μm以下であった。また、JIS R 1634−1998に準拠して試料No.1〜10の見掛け密度を測定したところ、試料No.1〜10は全て見掛け密度が3.27g/cm以上であった。また、試料1〜10の上記断面において、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて倍率500倍に拡大した観察像から、100μm×100μmの領域を占めるボイドの面積を測定し、ボイド率を算出したところ、試料1〜10は全てボイド率が1.8%以下であった。
Figure 0005680810
表1に示した通り、円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子が、10μm×10μmの単位領域当たり20個以下である試料No.3〜10は、摩耗深さが1.6μm以下であり、上記範囲外である試料No.1および2に比べて摩耗深さが浅くなっており、釣り糸に対する耐摩耗性が優れていることが分かった。さらに、試料No.3〜10において、試料No.3〜9は摩耗深さが1.4μm以下であり、円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子の個数が、5個以上20個以下であると釣り糸に対する耐摩耗性が高まりやすいといえる。さらに、試料No.4〜8は摩耗深さが1.3μm以下であり、10μm×10μmの単位領域当たりにおける、円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子の個数が、6個以上16個以下であると釣り糸に対する耐摩耗性が特に高まりやすいといえる。
次に、焼成時の最高温度の保持時間を表2に示すように種々変更した以外は、実施例1の試料No.5と同様の方法を用いて試料No.11〜17を製造した。各試料は、実施例1と同様に外径が12mm、内径が10mm、幅(W)が2mmで、断面視において、図2に示す釣り糸用ガイド部材1として、曲率半径R1が4.5mm、曲率半径R2が0.8mmである形状の試料を準備した。なお、各試料のボイド率については、実施例1と同様の方法を用いて測定を行い、実施例1と同様の耐摩耗試験を実施するとともに、前述の圧環強度試験を行い、各試料の摩耗深さおよび圧環強度を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0005680810
表2に示した通り、焼成時の最高温度の保持時間を3〜20時間の範囲内とした試料No.12〜15については、ボイド率が0.3%以上1.5%以下であり、1.2μm以下の摩耗深さと700MPa以上の圧環強度が得られた。
次に、焼成時の最高温度から1200℃までの降温速度を表3に示すように種々変更した以外は、実施例1の試料No.7と同様の方法を用いて、試料No.18〜22を製造した。試料は、実施例1と同様に外径が12mm,内径が10mm、幅(W)が2mmで、断面視において、図2に示す釣り糸用ガイド部材1として、曲率半径R1が4.5mm、曲率半径R2が0.8mmである形状の試料を準備した。
なお、各試料のI/Iの値については、X線回折装置(Bruker AXS社製 D8 ADVANCE)を用いて、試料の表面にCuKα線を照射し、CuKα線の回折方向と入射方向の角度差(2θ)と回折X線強度を検出器で走査した結果であるX線回折チャートを得て、2θ=37.2°と2θ=27.0°のピーク強度I,Iを確認し、この比率を求めることにより算出した。
そして試料No.18〜22について、実施例1と同様の耐摩耗試験を実施するとともに、圧環強度試験を行い、各試料の摩耗深さおよび圧環強度を求めた。結果を表3に示す。
Figure 0005680810
表3に示した通り、降温速度が5〜10℃/minの試料No.19〜21については、I/Iが0.1以下であり、1.2μm以下の摩耗深さと、700MPa以上の圧環強度が得られた。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
1,6,11,14:釣り糸用ガイド部材
2:第1の曲面
2’:第2の曲面
3:案内部
4:外周
5:釣り糸
7:フランジ部
10:釣り糸用ガイド
12:保持部
13:取り付け部
20:釣り竿
30:耐摩耗性評価装置
40:セラミック治具

Claims (10)

  1. リング状をなし、軸線を含む切断面の断面視において、内周側から外周側に向かって曲面とされており、内周側の曲面において、軸線方向中央部側の曲面の曲率半径をR1、軸線方向端部側の曲面の曲率半径をR2、前記内周側の曲面の一方の端部から一方の外周側に延びる曲面の曲率半径をR3としたとき、R2よりもR1が大きく、R3がR2以上であることを特徴とする釣り糸用ガイド部材。
  2. 比率R1/R2の値が3以上であることを特徴とする請求項1に記載の釣り糸用ガイド部材。
  3. 比率R3/R2の値が1.2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の釣り糸用ガイド部材。
  4. 外周側にフランジ部を有するとともに、前記断面視において、該フランジ部は、一端が前記内周側の曲面につながる外面の少なくとも一部が曲面とされており、該曲面の曲率半径をR4としたとき、R4がR2以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の釣り糸用ガイド部材。
  5. 前記断面視において、前記フランジ部は、前記外面の他端から厚み方向に伸びる内側面を有しており、該内側面の少なくとも一部に窪み部を有していることを特徴とする請求項に記載の釣り糸用ガイド部材。
  6. 窒化珪素質焼結体からなり、任意の断面において、円相当径1μm以上の窒化珪素の結晶粒子が、10μm×10μmの単位領域当たり20個以下(0個を含まず)存在することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の釣り糸用ガイド部材。
  7. 窒化珪素質焼結体からなり、ボイド率が0.3%以上1.5%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の釣り糸用ガイド部材。
  8. 窒化珪素質焼結体からなり、X線回折チャートにおける2θ=37.2°のメリライト(YSi:イットリウムナイトライドシリケート)結晶のピーク強度をI、2θ=27.0°の窒化珪素結晶のピーク強度をIとしたとき、I/Iの値が0.1以下(0を除く)であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の釣り糸用ガイド部材。
  9. 請求項1〜のいずれか1つに記載の釣り糸用ガイド部材と、該釣り糸用ガイド部材を保持するための保持部と、該保持部を釣り竿に取り付けるための取り付け部とを有してなることを特徴とする釣り糸用ガイド。
  10. 竿体と、該竿体に取り付けられた請求項に記載の釣り糸用ガイドとを備えることを特徴とする釣り竿。
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