JP6526220B2 - 繊維ガイド - Google Patents

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Description

本開示は、繊維ガイドに関する。
繊維の案内においては、オイリングノズル、ローラガイド、ロッドガイドおよびトラバースガイドと呼ばれる様々な形状の繊維ガイドが繊維機械に取り付けられて使用されている。そして、繊維の生産にあたっては、生産効率向上のために年々繊維の送り速度が高速化されてきている。このことから、繊維と接触する繊維ガイドの表面(以下、摺動面という。)の材質としては、耐磨耗性に優れたセラミックスが用いられている。
例えば、特許文献1には、繊維との摺動面がセラミックスからなり、この摺動面がセラミックスの結晶に依存しない滑らかな凹凸を備え、この凹凸を含む摺動面の表面粗さRaが0.3〜0.5μmである繊維ガイドが提案されている。
特開平10−102330号公報
本開示の繊維ガイドは、繊維と接触する摺動面を備え、該摺動面はセラミックスからなり、最大断面高さRzが1.0μm以上3.1μm以下であるとともに、前記摺動面の二乗平均平方根傾斜RΔqが0.32以上0.42以下であり、前記摺動面は、送入部と送出部とを有し、前記送入部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk1および前記送出部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk2が0より小さく、前記送出部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk2は、前記送入部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk1よりも小さい。
または、本開示の繊維ガイドは、繊維と接触する摺動面を備え、該摺動面は、セラミックスからなり、最大断面高さRzが1.0μm以上3.1μm以下であるとともに、二乗平均平方根傾斜RΔqが0.32以上0.42以下であり、前記摺動面は、送入部と送出部とを有し、前記送入部における粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsm1は、前記送出部における粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsm2よりも小さい。
本開示の繊維ガイドの一例を示すオイリングノズルの斜視図である。 本開示の繊維ガイドの一例を示すローラガイドの斜視図である。 本開示の繊維ガイドの一例を示すロッドガイドの斜視図である。 本開示の繊維ガイドの一例を示すトラバースガイドの斜視図である。 本開示の繊維ガイドであるオイリングノズルの一例を示す断面図である。 摺動試験装置の概略図である。
近年、繊維の送り速度の高速化は一層進んでいる。そのため、繊維ガイドの摺動面は、繊維への傷やほつれ等のダメージを与えにくくすることができるように、摩擦係数が小さいことが求められている。
本開示の繊維ガイドは、繊維の高速摺動によっても、繊維へ傷やほつれ等のダメージを与えにくい。以下に、本開示の繊維ガイドについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
最初に、繊維ガイドの代表的な種類について、図1〜図4を参照しながら説明する。まず、図1に示すオイリングノズル10は、摺動する繊維1にオイルを付着させるのに用いられるものである。次に、図2に示すローラガイド20は、回転しながらV溝状部分で繊維1を案内するものである。また、図3に示すロッドガイド30は、繊維1を収束したり分離したりするために使用されるものである。さらに、図4に示すトラバースガイド40は、円筒状のパッケージの外周に繊維1を巻き取るときの案内に使用されるものである。
本開示の繊維ガイドは、図5に示すように、繊維1と接触する摺動面2を備える。
また、本開示の繊維ガイドは、少なくとも摺動面2がセラミックスからなるものである。ここで、セラミックスとしては、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち50質量%を超える成分である主成分が、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、酸化チタン等からなるものが挙げられる。なお、摺動面のみならず、繊維ガイド全てがセラミックスからなれば、繊維ガイドの作製が容易となる。
そして、本開示の繊維ガイドは、摺動面2の最大断面高さRzが1.0μm以上3.1μm以下であるとともに、摺動面2の二乗平均平方根傾斜RΔqが0.32以上0.42以下である。ここで、最大断面高さRzとは、凹部と凸部との凹凸差の最大値のことである。また、二乗平均平方根傾斜RΔqとは、凸部の傾きのなだらかさを示すものである。本開示の繊維ガイドは、このような構成を満たしていることにより、摺動面2における繊維1との摩擦係数が小さく、繊維1の高速摺動によっても、繊維1へ傷やほつれ等のダメージを与えにくい。そして、本開示の繊維ガイドは、繊維1へダメージを与えにくいものであることから、繊維1の送り速度の更なる高速化を図ることが可能となる。
このように、本開示の繊維ガイドが、繊維1へダメージを与えにくくすることができるのは、摺動面2と繊維1との接触面積が小さく、かつ、繊維1が接触する摺動面2の凸部形状によって繊維1に掛かるせん断強さが小さいためであると考えられる。
これに対し、最大断面高さRzが1.0μm未満(摺動面2の凹部と凸部との凹凸差が小さい)または二乗平均平方根傾斜RΔqが0.32未満(摺動面2の凸部の傾きがなだらか)であれば、摺動面2と繊維1との接触面積が大きくなり、摺動面2における繊維1との摩擦係数が大きくなる。また、最大断面高さRzが3.0μmを超える(摺動面2の凹部と凸部との凹凸差が大きい)または二乗平均平方根傾斜RΔqが0.42を超える(摺動面2の凸部の傾きが急)であれば、摺動面2の凸部形状によって繊維1に掛かるせん断強さが大きくなり、摺動面2における繊維1との摩擦係数が大きくなる。
また、本開示の繊維ガイドにおいては、摺動面2の算術平均粗さRaが0.2μm以上0.4μm以下であってもよい。このような構成を満たすならば、本開示の繊維ガイドにおける摺動面2の摩擦係数がさらに小さくなる。このように、摺動面2の摩擦係数がさらに小さくなるのは、摺動面2と繊維1との接触面積、および、摺動面2の凸部形状によって繊維1に掛かるせん断強さの少なくともいずれかが上記範囲外のときよりも小さくなるためであると考えられる。
ここで、最大断面高さRz、二乗平均平方根傾斜RΔqおよび算術平均粗さRaは、JIS B 0601−2001に準じて測定すればよく、例えば、株式会社東京精密製の表面粗さ形状測定機サーフコム1400Dにより測定し、同社の解析ソフトTiMSを用いることにより求めることができる。なお、測定にあたっては、繊維1の摺動方向に沿って、摺動面2の5箇所の測定を行ない、この測定で得られた値の平均値を算出すればよい。なお、摺動面2の5箇所は、摺動面2全体の平均値を算出できるように、測定箇所を選択すればよい。また、摺動面2が曲面である場合には、上記ソフトの機能により平面状に補正すればよい。
また、本開示の繊維ガイドは、摺動面2における平均結晶粒径が10μm以上20μm以下であってもよい。このような構成を満たすならば、繊維1の摺動による結晶粒子の脱落が少ないため、摺動面2表面性状を保ち続けることができる。また、結晶粒子の脱落が少ないため、結晶粒子の脱落した部分との摺動の機会が少ないことから、摺動面2の摩擦係数がさらに小さくなる。
なお、摺動面2における平均結晶粒径とは、以下の測定方法により得られるものである。まず、摺動面2を鏡面に加工する。次に、この鏡面に加工した面を水酸化ナトリウム水溶液でエッチングするか、または1350〜1430℃で熱処理して、セラミックスの結晶粒子の粒界を除去する。その後、この面を測定面とし、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて500倍〜3000倍程度の倍率の写真を撮影する。次に、この写真を用いてコード法により結晶粒子の結晶粒径を測定し、ここで得られた結晶粒径の平均が、摺動面2における平均結晶粒径である。
また、本開示の繊維ガイドにおける摺動面2は、送入部と送出部とを有し、送入部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk1および送出部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk2が0より小さくてもよい。
ここで、摺動面2が送入部と送出部とを有する繊維ガイドとは、図5に示すように、摺動面2において繊維1の送入側と送出側とが明確に区別できるものに限られる。例えば、図1におけるオイリングノズル10が、送入部と送出部とを有する繊維ガイドである。このようなオイリングノズル10の摺動面2は、繊維1の摺動方向に一対の第1端および第2端を有する。ここで、第1端とは、送入側において摺動面2に最初に接する部分のことである。また、第2端とは、送出側において最後まで摺動面2に接していた部分のことである。そして、送入部とは、摺動面2における第1端から第2端までを全長としたとき、繊維1の摺動方向における手前から、全長の1/5にあたる部分までのことを指す。一方、送出部とは、繊維1の摺動方向における奥から、全長の1/5にあたる部分までのことを指す。
また、スキューネスRskとは、粗さの平均高さを中心線とした際に、これに対する凸部の領域と凹部の領域との比率を示す指標である。そして、スキューネスRskが0よりも小さい値ならば、凹部の領域よりも凸部の領域の方が広いことを示している。
そして、本開示の繊維ガイドは、このような構成を満たすならば、繊維1が跳ねやすい箇所である送入部および送出部の凸部の領域の方が広いことから、繊維1が跳ねることが抑制され、摺動面2の摩擦係数がさらに小さくなる。
ここで、スキューネスRsk1およびRsk2は、JIS B 0601−2001に準じて測定すればよく、摺動面2の送入部および送出部の各3箇所において、繊維1の摺動方向に沿って測定を行ない、この測定で得られた値の平均をそれぞれスキューネスRsk1およびRsk2とすればよい。
さらに、本開示の繊維ガイドの摺動面2において、スキューネスRsk1およびスキューネスRsk2は0より小さいとともに、スキューネスRsk2はスキューネスRsk1よりも小さくてもよい。
このような構成を満たすならば、送入部よりも繊維1が跳ねやすい箇所である送出部において、繊維1が跳ねることをより抑制され、摺動面2における送出部の摩擦係数がさらに小さくなる。
また、本開示の繊維ガイドの摺動面2において、送入部における粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsm1は、送出部における粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsm2よりも小さくてもよい。
ここで、粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsmとは、1つの凸部およびそれに隣り合う1つの凹部に対応する中心線の長さの和を凹凸の間隔とした際の凹凸の間隔の平均値を示す指標である。
そして、本開示の繊維ガイドが、このような構成を満たすならば、摺動面2における繊維の跳ね抑制の効果が高まることから、摺動面2の摩擦係数がさらに小さくなる。また、送出部における凹凸の平均間隔Rsm2が28以上60以下ならば、摺動面2の摩擦係数をより一層小さくなる。
ここで、凹凸の平均間隔Rsm1およびRsm2は、スキューネスRsk1およびスキューネスRsk2を算出したときと同様の方法で、JIS B 0601−2001に準じて測定することで算出すればよい。
次に、摺動面2における繊維1との摩擦係数の測定方法について図3を用いて説明する。図6に示す摺動試験装置は、ローラーR1、ローラーR2、繊維ガイドG、ローラーR3、ローラーR4を備え、この順に繊維1を走らせることができる装置である。なお、ローラーR2およびローラーR3には、図示していないテンション検出器が接続されている。
そして、この摺動試験装置を用いて繊維1を走らせ、ローラーR2のテンション検出器によって検出されたテンションT1と、ローラーR3のテンション検出器によって検出されたテンションT2の測定値を用いて、アモントンの法則の式(μ={ln(T2−T1)}/θ)で計算することにより摩擦係数(μ)を求めることができる。
なお、摩擦係数は、繊維1の種類、繊維1の形状、摺動速度、繊維1の張力、θなどの試験条件によって変化する。このため、摩擦係数の比較にあたっては、同じ試験条件で行なう必要がある。
次に、本開示の繊維ガイドの製造方法の一例について説明する。なお、以下に示す製造方法は、繊維ガイド自体がアルミナ質セラミックスからなる例について説明する。
まず、主原料であり、平均粒径が0.4〜2.4μmのアルミナ粉末と、焼結助剤粉末とを準備し、所望量秤量して混合する。なお、アルミナ粉末の平均粒径が小さいと焼成活性が高く、平均結晶粒径が大きくなりやすい。一方、アルミナ粉末の平均粒径が大きいと焼成活性が低く、平均結晶粒径が大きくなりにくい。そこで、平均粒径が0.5〜1.4μmのアルミナ粉末を用いれば、平均結晶粒径の制御がしやすくなる。
また、同じ平均粒径のアルミナ粉末を用いた場合、一般的に焼成温度が高ければ平均結晶粒径は大きくなり、焼成温度が低ければ平均結晶粒径は小さくなるため、用いるアルミナ原料粉末の平均粒径に応じて焼成温度を調整する必要があることは言うまでもない。そこで、上記範囲の平均粒径のアルミナ粉末を用い、後述する温度範囲で焼成すれば、摺動面2における平均結晶粒径を10μm以上20μm以下とすることができる。
また、焼結助剤粉末としては、酸化ニッケル粉末、酸化鉄粉末、酸化コバルト粉末、酸化亜鉛粉末、酸化クロム粉末、炭酸マグネシウム粉末のうちの少なくとも1つと、酸化チタン粉末との組み合わせであるのがよい。そして、焼結助剤粉末の添加量としては、アルミナ粉末と焼結助剤粉末との合計100質量部のうち、0.1〜3.0質量部とすればよい。
焼結助剤粉末が、上述した組み合わせであり、かつ、上述した範囲の添加量であれば、焼結助剤としての作用を為すとともに、焼結後のアルミナ結晶粒子に、焼結助剤成分に含まれる金属成分が固溶することとなり、粒界相を少なくすることができる。そして、粒界相を少なくすることができることにより、繊維1の摺動によってアルミナ結晶粒子が脱落しにくくなる。
次に、アルミナ粉末と焼結助剤粉末とを混合した混合粉末100質量部に対し、ポリブチルメタクリレートなど公知の有機バインダーを10〜20質量部添加する。そして、これらを混合することで、坏土を作製する。なお、坏土の粘度は100〜300Pa・Sとすればよい。
次に、得られた坏土を用い、金型を備える射出成形機により成形体を作製する。射出成形時における成形条件としては、例えば、金型の設定温度が15〜25℃、成形圧が40〜80MPa、加圧保持時間が10〜20秒、射出速度が5〜100mm/secである。
ここで、最大断面高さRzが1.0μm以上3.1μm以下であるとともに、二乗平均平方根傾斜RΔqが0.32以上0.42以下である摺動面2を得るには、成形体における摺動面2となる部分に対応する金型の表面性状を、成形体の焼成による収縮(成形体1に対し、焼成後は約0.8)と、焼成後におけるバレル研磨による研磨量とを考慮したものとすればよい。このような金型を用いて成形することにより、成形体における摺動面2となる部分は、金型の表面性状が複写される。
なお、摺動面2における表面性状は、金型よりは影響は小さいものの、平均結晶粒径にも依存する。そこで、本開示の繊維ガイドの摺動面2における平均結晶粒径は、5μm以上25μm以下程度であり、10μm以上20μm以下であることが好適である。
また、摺動面2の算術平均粗さRa、スキューネスRskおよび凹凸の平均間隔Rsmを任意の値にするには、最大断面高さRzおよび二乗平均平方根傾斜RΔqを上述した値としたときと同様に、成形体における摺動面2となる部分に対応する金型の表面性状を、焼成による収縮とバレル研磨による研磨量とを考慮したものとすればよい。
次に、得られた成形体を脱脂後、大気雰囲気中において、1450〜1600℃の温度で焼成することにより焼結体を得る。そして、得られた焼結体をバレル研磨することにより、本開示の繊維ガイドを得ることができる。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更や改良が可能である。
表面性状の異なる試料を作製し、図6に示す摺動試験装置を用いて摩擦係数の測定を行なった。
まず、主原料であり、平均粒径が0.4μmのアルミナ粉末と、焼結助剤粉末として酸化チタン粉末および炭酸マグネシウム粉末とを準備した。そして、AlをAlに換算した値で98.5質量%、TiをTiO換算で1.0質量%、MgをMgO換算で0.5質量%となるように秤量して混合した。
次に、この混合粉末100質量部に対し、ポリブチルメタクリレート8重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体4重量部、ステアリン酸3重量部の計15質量部を添加し、混合して粘度が200Pa・Sの坏土を作製した。
次に、成形体における摺動面2となる部分に対応する金型の表面性状として、表1に示す凹部深さよび凹部間隔であるオイリングノズル形状の金型を準備した。そして、この金型を備える射出成形機に坏土を入れて射出成形することにより、オイリングノズル形状の成形体を得た。なお、射出成形時における成形条件は、金型の設定温度を20℃、成形圧を60MPa、加圧保持時間を15秒、射出速度を20mm/secとした。
次に、得られたオイリングノズル形状の成形体を大気中500℃で5時間保持して脱脂し、その後、1450℃の温度で焼成することにより、オイリングノズル形状の焼結体を得た。そして、得られたオイリングノズル形状の焼結体をバレル研磨することによって各試料を得た。
次に、株式会社東京精密製の表面粗さ形状測定機サーフコム1400Dを用いて測定し、同社の解析ソフトTiMSを用いることにより、各試料の摺動面の最大断面高さRz、二乗平均平方根傾斜RΔqおよび算術平均粗さRaを算出した。なお、測定にあたっては、繊維の摺動方向に沿って、摺動面の5箇所の測定を行ない、この測定で得られた値の平均値を算出した。
次に、各試料における摺動面を鏡面に加工した。そして、この鏡面に加工した面を水酸化ナトリウム水溶液でエッチングし、セラミックスの結晶粒子の粒界を除去した。次に、この面を測定面とし、SEMを用いて2000倍程度の倍率の写真を撮影した。そして、この写真を用いてコード法により結晶粒子の結晶粒径を測定し、ここで得られた測定値の平均である平均結晶粒径を求めた。その結果、各試料の摺動面における平均結晶粒径は8μmであった。
次に、図6に示す摺動試験装置に各試料をセットし、摺動試験を行ない、摩擦係数を求めた。測定条件は、次の通りとした。
繊維の種類 :ポリエステル(75デニール)
繊維の走行速度 :200m/min
θ :90°
繊維の張力 :20gf
測定頻度 :10回(1分毎)
摩擦係数 :検出されたテンションからそれぞれの摩擦係数を求め、10回の平均値を摩擦係数とした。結果を表1に示す。
Figure 0006526220
表1に示すように、試料No.1、2、6、13、17、19は、摺動面の最大断面高さRzが1.0μm以上3.1μm以下、摺動面の二乗平均平方根傾斜RΔqが0.32以上0.42以下という構成要件のいずれかを満たしていないことから、摩擦係数が0.39以上であった。
これに対し、試料No.3〜5、7〜12、14〜16、18は、試料No.1、2、6、13、17、19よりも摩擦係数が小さかった。この結果より、摺動面の最大断面高さRzが1.0μm以上3.1μm以下、摺動面の二乗平均平方根傾斜RΔqが0.32以上0.42以下であることにより、摺動面の摩擦係数は小さく、本開示の繊維ガイドは、繊維の高速摺動によっても、繊維への傷やほつれ等のダメージを与えにくいことがわかった。
表面性状の異なる試料を作製し、図6に示す摺動試験装置を用いて摩擦係数の測定を行なった。なお、アルミナ粉末の平均粒径、凹部深さ、凹部間隔、焼成温度を表2に示す値としたこと以外は、実施例1と同様の方法により試料No.20〜30を作製した。
そして、実施例1で示した方法と同様の方法により、各試料の摺動面における、最大断面高さRz、二乗平均平方根傾斜RΔq、算術平均粗さRaおよび摩擦係数を求めた。なお、実施例1と同様の方法により、各試料の摺動面における平均結晶粒径を求めた結果、いずれの試料の平均結晶粒径も8μmであった。結果を表2に示す。
Figure 0006526220
表2に示すように、試料No.21〜23、25、27〜29は、摩擦係数が0.32以下であった。このことから、摺動面の算術平均粗さRaが0.2μm以上0.4μm以下であれば、さらに摩擦係数が小さくなることがわかった。
平均結晶粒径の異なる試料を作製し、図6に示す摺動試験装置を用いて摩擦係数の測定を行なった。なお、アルミナ粉末の平均粒径、凹部深さ、凹部間隔、焼成温度を表3に示す値としたこと以外は、実施例1と同様の方法により試料No.31〜42を作製した。
そして、実施例1で示した方法と同様の方法により、各試料の摺動面における、平均結晶粒径、最大断面高さRz、二乗平均平方根傾斜RΔq、算術平均粗さRaおよび摩擦係数を求めた。結果を表3に示す。
Figure 0006526220
表3に示すように、試料No.32〜34、37、39〜41は、摩擦係数が0.30以下であった。このことから、摺動面における平均結晶粒径が10μm以上20μm以下であれば、さらに摩擦係数が小さくなることがわかった。
表面性状の異なる試料を作製し、図6に示す摺動試験装置を用いて摩擦係数の測定を行なった。なお、成形体における摺動面の送入部、送出部となる部分に対応する金型の表面性状を、表4に示す凹部幅とした金型を使用したこと以外は、実施例3の試料No.37の作製方法と同様の方法により試料No.43〜51を作製した。なお、試料No.43は、実施例3の試料No.37と同じ試料である。
次に、株式会社東京精密製の表面粗さ形状測定機サーフコム1400Dを用いて測定し、同社の解析ソフトTiMSを用いることにより、各試料の送入部におけるスキューネスRsk1と、送出部におけるスキューネスRsk2とを求めた。なお、測定にあたっては、摺動面の送出部および送入部の各3箇所において、繊維の摺動方向に沿って測定を行ない、この測定で得られた値の平均をそれぞれスキューネスRsk1およびRsk2とした。
そして、実施例1で示した方法と同様の方法により、各試料の摺動面における摩擦係数を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0006526220
表4に示すように、試料No.44〜51は、試料No.43よりも摩擦係数が小さかった。このことから、送入部におけるスキューネスRsk1と、送出部におけるスキューネスRsk2とが0より小さければ、摩擦係数が小さくなることがわかった。
また、試料No.44〜51の中でも、試料Nо.45〜47、50の摩擦係数は特に小さいことから、スキューネスRsk2がスキューネスRsk1よりも小さければ、さらに摩擦係数が小さくなることがわかった。
表面性状の異なる試料を作製し、図6に示す摺動試験装置を用いて摩擦係数の測定を行なった。なお、成形体における摺動面の送入部、送出部となる部分に対応する金型の表面性状を、表5に示す凹部の曲率半径とした金型を使用したこと以外は、実施例4の試料No.44の作製方法と同様の方法により試料No.52〜61を作製した。なお、試料No.52は、実施例4の試料No.44と同じ試料である。
次に、実施例4で示した方法と同様の方法により、送入部における凹凸の平均間隔Rsm1、送出部における凹凸の平均間隔Rsm2を求めた。また、実施例1で示した方法と同様の方法により、各試料の摺動面における摩擦係数を求めた。結果を表5に示す。
Figure 0006526220
表5に示すように、試料No.54、55、57〜59、61は、試料No.52、53、56、60よりも摩擦係数が小さかった。このことから、送入部における凹凸の平均間隔Rsm1が、送出部における凹凸の平均間隔Rsm2よりも小さければ、さらに摩擦係数が小さくなることがわかった。
また、試料No.54、55、57〜59、61の中でも、試料Nо.55、57〜59の摩擦係数は特に小さいことから、凹凸の平均間隔Rsm2が28以上60以下であれば、より一層摩擦係数が小さくなることがわかった。
1:繊維
2:摺動面
10:オイリングノズル
20:ローラガイド
30:ロッドガイド
40:トラバースガイド
R1〜R4:ローラー
G:繊維ガイド

Claims (6)

  1. 繊維と接触する摺動面を備え、
    該摺動面は、セラミックスからなり、最大断面高さRzが1.0μm以上3.1μm以下であるとともに、二乗平均平方根傾斜RΔqが0.32以上0.42以下であり、
    前記摺動面は、送入部と送出部とを有し、前記送入部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk1および前記送出部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk2が0より小さく、
    前記送出部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk2は、前記送入部における粗さ曲線から求められるスキューネスRsk1よりも小さい繊維ガイド。
  2. 繊維と接触する摺動面を備え、
    該摺動面は、セラミックスからなり、最大断面高さRzが1.0μm以上3.1μm以下であるとともに、二乗平均平方根傾斜RΔqが0.32以上0.42以下であり、
    前記摺動面は、送入部と送出部とを有し、前記送入部における粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsm1は、前記送出部における粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsm2よりも小さい繊維ガイド。
  3. 前記摺動面における算術平均粗さRaが0.2μm以上0.4μm以下である請求項1または請求項2に記載の繊維ガイド。
  4. 前記摺動面における平均結晶粒径が10μm以上20μm以下である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の繊維ガイド。
  5. 記送入部における粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsm1は、前記送出部における粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsm2よりも小さい請求項1に記載の繊維ガイド。
  6. 前記送出部における粗さ曲線から求められる凹凸の平均間隔Rsm2が28μm以上60μm以下である請求項2または請求項5に記載の繊維ガイド。
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