JP2016150430A - 立方晶窒化硼素複合焼結体インサート - Google Patents

立方晶窒化硼素複合焼結体インサート Download PDF

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Abstract

【課題】耐チッピング性、耐欠損性と耐摩耗性のいずれにもすぐれたcBN複合焼結体インサートを提供する。
【解決手段】 cBN複合焼結体インサートにおいて、該複合焼結体を、逃げ面を構成する第1cBN焼結体層、刃先稜線を構成する第2cBN焼結体層およびすくい面を構成する第3cBN焼結体層の3層からなる複合焼結体として構成し、前記第1cBN焼結体層は、cBNの含有割合40〜60vol%であるcBN焼結体からなり、前記第3cBN焼結体層は、前記第1cBN焼結体層のcBNの含有割合より少なくとも10vol%以上多いcBNを含有し、前記第2cBN素焼結体層は、前記第3cBN焼結体層のcBNの含有割合よりさらに5vol%以上多いcBNを含有し、30〜200μm、好ましくは、30〜100μmの層厚を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、立方晶窒化硼素複合焼結体(以下、「cBN複合焼結体」で示す)インサートに関し、特に、耐チッピング性、耐欠損性にすぐれるとともに、耐逃げ面摩耗性、耐すくい面摩耗性にすぐれたcBN複合焼結体インサートに関する。
従来から、cBN焼結体は、すぐれた耐久性、熱安定性、熱伝導性を有し、衝撃抵抗、摩擦係数にも優れることが知られており、さらに、鉄系材料との親和性が低いことから、これらの特性を生かし、鋼、鋳鉄等の鉄系被削材の切削工具材料として用いられている。
例えば、特許文献1には、 上面にすくい面が形成される第1cBN層と、この第1cBN層の下面に接合された第2cBN層とを備えた層状焼結体を有し、上記すくい面と、このすくい面から上記第2cBN層に渡って延びる逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたcBN焼結体切削工具であって、上記第1cBN層におけるcBN粒子の平均粒径が上記第2cBN層におけるcBN粒子の平均粒径よりも大きくされ、また、上記切刃にはホーニングが施されていて、このホーニングと上記逃げ面との交差稜線から上記すくい面とは反対側に0.05mmまでの範囲に上記第1cBN層と第2cBN層との接合面が位置しているcBN焼結体切削工具が提案されており、このcBN焼結体切削工具によれば、乾式切削のような過酷な切削条件下でもすくい面摩耗(クレータ摩耗)や逃げ面摩耗を抑制され、かつ、仕上げ面精度の劣化抑制が可能であるとされている。
また、特許文献2には、cBNを主成分として、Coを1〜20%含有し、残部が周期率表の4a、5a、6a族金属、Alおよび/または、それら元素の酸化物、炭化物、窒化物、硼化物、珪化物ならびにそれら相互固溶体の1種以上のバインダーからなるcBN基焼結体の2層以上を一体にしたcBN複合焼結体からなる切削工具であって、隣接するcBN基焼結層のバインダー量を異ならせて、切削部のcBN含有率を高め、かつ、厚いcBN基焼結体を得ることにより、鋳鉄の高速切削加工における工具寿命の延命化を図ることが提案されている。
また、特許文献3には、すくい面及び逃げ面を有し、cBNを70体積%未満含有する多結晶質cBN材料で作られた第1の層と、すくい面の全体に渡って存在するか、又はすくい面の少なくとも部分的に存在している第2の層と、耐熱材料(好ましくは、4族、5族若しくは6族から選ばれた金属、アルミニウム若しくはケイ素の炭化物、ホウ化物、窒化物、炭窒化物、酸化物又はケイ化物、及び/又は、それらの混合物若しくは固溶体から選ばれた耐熱材料)を含有している工具部品において、前記第2の層は、前記多結晶質cBN材料で作られた第1の層の耐クレータ形成性よりも大きい耐クレータ形成性を有していて、cBNを、前記第1の層の中のcBNより少ない、少なくとも10体積%の量で含有し、前記工具部品の主要な切削端は、前記多結晶質cBN材料の第1の層によって提供され、かつ、前記すくい面と前記逃げ面との間に画定されていることによって、切削工具の耐クレータ摩耗性を改善することが提案されている。
特開2013−146799号公報 特開2002−235142号公報 特許第5462622号公報
一般的に、cBNインサートにおいては、cBN含有量を多くすることで耐欠損性が向上し、一方、cBN含有量を少なくすることで耐摩耗性が向上することが知られている。
前記特許文献1〜3に記載されるインサートも、インサートの構造をcBN複合焼結体として構成し、しかも、cBNの粒径あるいは含有率を異ならせたcBN複合焼結体とすることによって、耐摩耗性、工具寿命等の切削性能を改善したものである。
しかし、前記特許文献1〜3に記載されるインサートでは、すくい面摩耗(クレータ摩耗)と逃げ面摩耗を改善することは可能であったとしても、刃先稜線のチッピング、欠損の発生を抑制することはできなった。
そのため、チッピングあるいは欠損発生が原因となり、cBN複合焼結体インサートの寿命は短命であるという問題があった。
そこで本発明は、cBN複合焼結体インサートの前記問題点を解決し、耐チッピング性、耐欠損性にすぐれ、長期の使用に亘って優れた耐逃げ面摩耗性及び耐すくい面摩耗性(耐クレータ摩耗性)を発揮するcBN複合焼結体インサートを提供せんとするものである。
本発明者らは、cBN焼複合結体の構造について鋭意検討した結果、次のような知見を得た。
即ち、前記特許文献1〜3に記載される2層構造のcBN複合焼結体において、刃先稜線部分には耐チッピング性にすぐれたcBN焼結体をさらに配置することによって、耐チッピング性、耐欠損性、耐逃げ面摩耗性及び耐すくい面摩耗性(耐クレータ摩耗性)のいずれにもすぐれるcBN複合焼結体インサートを提供できること、そのためには、cBN複合焼結体を3層構造として構成し、逃げ面は40〜60vol%のcBNを含有する耐逃げ面摩耗性にすぐれたcBN焼結体で構成し、すくい面は逃げ面を構成するcBN焼結体より少なくとも10vol%以上cBN含有量の多い耐すくい面摩耗性(耐クレータ摩耗性)にすぐれるcBN焼結体で構成し、さらに、刃先稜線を含む領域は、すくい面を構成するcBN焼結体よりさらに5vol%以上cBN含有量の多いcBN焼結体で構成し耐チッピング性、耐欠損性を向上させれば良いことを見出した。
そして、前記3層構造からなるcBN複合焼結体をインサートとして切削加工に供したところ、チッピング、欠損の発生を防止し得るとともに、耐逃げ面摩耗性及び耐すくい面摩耗性(耐クレータ摩耗性)にすぐれるというすぐれた切削性能が得られることを見出したのである。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「(1)立方晶窒化硼素複合焼結体インサートにおいて、
(a)前記立方晶窒化硼素複合焼結体を、逃げ面を構成する第1立方晶窒化硼素焼結体層、刃先稜線を構成する第2立方晶窒化硼素焼結体層およびすくい面を構成する第3立方晶窒化硼素焼結体層の3層からなる複合焼結体として構成し、
(b)前記第1立方晶窒化硼素焼結体層は、立方晶窒化硼素の含有割合40〜60vol%である立方晶窒化硼素焼結体からなり、
(c)前記第3立方晶窒化硼素焼結体層は、前記第1立方晶窒化硼素焼結体層の立方晶窒化硼素の含有割合より少なくとも10vol%以上多い立方晶窒化硼素を含有し、
(d)前記第2立方晶窒化硼素焼結体層は、前記第3立方晶窒化硼素焼結体層の立方晶窒化硼素の含有割合よりさらに5vol%以上多い立方晶窒化硼素を含有し、かつ、第2立方晶窒化硼素焼結体層の厚さは、30〜200μmの範囲内であることを特徴とする立方晶窒化硼素複合焼結体インサート。」
を特徴とするものである。
なお、本発明で規定するcBN含有割合(vol%)については、以下の方法で測定して求めることができる。
立方晶窒化硼素複合焼結体インサートの縦断面について、倍率5,000倍のSEM画像を取得し、画像処理ソフトにて二値化し、cBN粒子の占める面積%を算出することで、cBN含有量を求め、3視野について求めたcBN含有量の平均値をcBNの含有割合とする。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
図1に、cBN複合焼結体インサートの概略縦断面図を示す。
本発明のcBN複合焼結体インサートは、逃げ面を構成する第1cBN焼結体層と、すくい面を構成する第3cBN焼結体層を備え、さらに、前記第1cBN焼結体層と第3cBN焼結体層との間に介在形成された第2cBN焼結体層を備え、かつ、刃先稜線は前記第2cBN焼結体層によって形成されている。
本発明のcBN複合焼結体インサートは、上記のように3層構造のcBN複合焼結体から構成される。
そして、本発明の前記3層構造からなるcBN複合焼結体は、例えば、以下の手順によって作製される。
まず、第1、第2、第3の各cBN焼結体層の組成に見合った配合組成となるように原料成分を混合して、第1、第2、第3の各原料粉末を作製する。
ついで、最終的に第1、第2、第3の各cBN焼結体層の層厚になるように、各層に応じて第1、第2、第3の各原料粉末を秤量する。
ついで、成形用金型内へと、まず、第1cBN焼結体層を構成するcBN焼結体用の第1原料粉末を充填し、例えば、1ton/cmの加圧力で成形し、第1成形体を作製する。
ついで、成形用金型内の前記第1成形体の上面に、第2cBN焼結体層を構成するcBN焼結体用の第2原料粉末を充填し、例えば、1ton/cmの加圧力で成形し、第1成形体と第2成形体からなる複合成形体を作製する。
ついで、成形用金型内の前記第1成形体と第2成形体からなる複合積層体の上面に、第3cBN焼結体層を構成するcBN焼結体用の第3原料粉末を充填し、例えば、3ton/cmの加圧力で成形し、第1成形体、第2成形体および第3成形体からなる複合成形体を作製する。
ついで、前記第1層成形体、第2層成形体および第3層成形体からなる複合成形体を、例えば、真空中1Pa、温度1000℃、保持時間30分の条件で真空焼結することにより、予備焼結体を作製する。
ついで、前記予備焼結体を、WC基超硬合金からなる裏打ち材上に載置し、例えば、圧力5GPa、温度1500℃、保持時間30分の条件で超高圧高温処理し、一体焼結することによってcBN複合焼結体を作製する。
前記の手順によって、各層ごとの所望のcBN含有割合、層厚を有する本発明の3層構造のcBN複合焼結体を作製することができる。
さらに、前記cBN複合焼結体を、所定形状に加工し、WC超硬合金基体に形成した凹所に取り付け、ロウ付け等により接合することによって、チッピング、欠損の発生を防止し得るとともに、耐逃げ面摩耗性及び耐すくい面摩耗性(耐クレータ摩耗性)にすぐれた3層構造のcBN複合焼結体からなる本発明のcBN複合焼結体インサートを作製することができる。
第1cBN焼結体層:
cBN焼結体中のcBNは、きわめて硬質で、焼結材料中で分散相を形成し、そしてこの分散相によって耐摩耗性の向上が図られる。
しかし、cBN焼結体インサートにおけるcBN含有割合によって、逃げ面摩耗とすくい面摩耗(クレータ摩耗)に対する挙動が異なっていることから、インサートの位置に応じてcBN含有割合を変化させることが必要となってくる。
そして、インサートの逃げ面を構成する第1cBN焼結体層においては、cBN含有割合が60vol%を超えると耐逃げ面摩耗性が低下し、一方、cBN含有割合が40vol%より少なくなると、インサートの強度が低下してくることから、cBN含有割合は40〜60vol%とすることが必要である。
第3cBN焼結体層:
cBN焼結体インサートのすくい面を構成する第3cBN焼結体層においては、第1cBN焼結体層におけるcBN含有割合よりも、10vol%以上cBNを多く含有させることにより、耐すくい面摩耗性(耐クレータ摩耗性)を高める。
ただ、第3cBN焼結体層におけるcBN含有割合が多くなりすぎると、cBN焼結体の焼結性の低下による強度低下が生じることから、cBN含有割合は、最大でも80vol%とすることが望ましい。
第2cBN焼結体層:
cBN焼結体インサートの刃先稜線を構成する第2cBN焼結体層においては、第3cBN焼結体層におけるcBN含有割合よりも、さらに5vol%以上cBNを多く含有させることにより、刃先のチッピング発生、欠損発生を抑制する。
ただ、第3cBN焼結体層の場合と同等、cBN含有割合が多くなりすぎると、cBN焼結体の焼結性の低下による強度低下が生じることから、cBN含有割合は、最大でも85vol%とすることが望ましい。
また、第2cBN焼結体層がインサートの刃先稜線を構成するためには、少なくとも30μm以上の層厚が必要であるが、層厚が200μmを超えると逃げ面摩耗性を低下させるようになることから、第2cBN焼結体層の層厚は30〜200μmとする。好ましい第2cBN焼結体層の層厚は30〜100μmである。
前記第1、第2及び第3の各cBN焼結体層には、その成分として、例えば、Ti化合物,TiAl化合物,Al等を含有することができ、本発明では、これらの含有量を特に制限するものではない。
しかし、例えば、Ti化合物(TiN、TiCNおよびTiCのうちから選ばれる1種又は2種以上)については、焼結性を向上させるとともに焼結体中で連続相を形成して強度を向上させる作用があるが、その配合割合が少なすぎては強度の向上を望むことはできず、一方その配合割合が多すぎると、相対的にcBNの含有量が少なくなり、すくい面摩耗(クレータ摩耗)などが生じやすくなることから、これらの観点からその配合量を定めることが望ましい。
また、TiAl化合物,Alは焼結時に優先的にcBN粉末の表面に凝集し、反応して反応生成物を形成し、焼結後のcBN焼結体中で、連続相を形成するTi化合物相と硬質分散相を形成するcBN相の間に介在するようになり、この反応生成物は前記連続相を形成するTi化合物相と硬質分散相を形成するcBN相のいずれとも強固に密着接合する性質をもつことから、前記cBN相の連続結合相であるTi化合物相に対する密着性が著しく向上させ、切刃の耐チッピング性を向上させるが、その量が多くなりすぎると、cBNの含有量が少なくなり、すくい面摩耗(クレータ摩耗)などが生じやすくなることから、これらの観点からその配合量を定めることも必要である。
本発明によれば、cBN複合焼結体インサートを3層構造として構成し、第1立方晶窒化硼素焼結体層は耐逃げ面摩耗性にすぐれ、第2立方晶窒化硼素焼結体層は耐チッピング性、耐欠損性にすぐれ、さらに、第3立方晶窒化硼素焼結体層は耐すくい面摩耗性(耐クレータ摩耗性)にすぐれることから、本発明のcBN複合焼結体インサートは、耐チッピング性、耐欠損性と耐摩耗性のいずれにもすぐれるというすぐれた切削性能が発揮されるのである。
本発明のcBN複合焼結体インサートの概略縦断面模式図を示す。
つぎに、本発明を実施例により具体的に説明する。
(a) まず、第1、第2、第3の各cBN焼結体層を形成するための原料粉末として、1.0μmの平均粒径を有するcBN粉末と、0.3〜0.9μmの平均粒径を有するTi化合物粉末、TiAl化合物粉末、Al粉末、を用意し、これらを、各cBN層が任意のcBN含有割合になるように配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥することにより、第1、第2、第3の各cBN焼結体層を形成するための第1、第2、第3の各原料粉末を準備した。
(b) ついで、まず、第1原料粉末を、所定の層厚となるように秤量し、これを成形用金型内へ充填して1ton/cmの加圧力で成形し、第1成形体を作製した。
(c) ついで、第2原料粉末を、所定の層厚が得られるように秤量し、これを成形用金型内の前記第1成形体の上面に充填し、1ton/cmの加圧力で成形し、第1成形体と第2成形体からなる複合成形体を作製した。
(d) ついで、第3原料粉末を、所定の層厚が得られるように秤量し、これを成形用金型内の前記第1成形体と第2成形体からなる複合成形体の上面に充填し、3ton/cmの加圧力で成形し、第1成形体、第2成形体および第3成形体からなる複合成形体を作製した。
(e) ついで、第1成形体、第2成形体および第3成形体からなる複合成形体を真空中1Pa、温度1000℃、保持時間30分の条件で真空焼結することにより、予備焼結体を作製した。
(f) ついで、前記予備焼結体を、WC基超硬合金からなる裏打ち材上に載置し、圧力5GPa、温度1500℃、保持時間30分の条件で超高圧高温処理し、一体焼結することによってcBN複合焼結体を作製した。
(g) ついで、前記cBN複合焼結体を、WC基超硬合金基体に形成した凹所に取り付け、950℃でAg−26質量%Cu−5質量%Ti系ろう材でろう付し、上下面および外周研磨およびホーニング処理を施すことにより、表2に示されるISO規格CNGA120408の本発明cBN複合焼結体インサート(以下、「本発明インサート」という)1〜3を作製した。
前記で作製した本発明インサート1〜7について、cBN含有割合およびcBN層の厚さを、以下の測定方法によって求めた。
本発明インサート1〜7の各縦断面について、第1、第2、第3の各cBN焼結体層の厚さを、cBN焼結体の縦断面についての倍率200倍のSEM画像から測定した。
次に、各cBN焼結体層の倍率5,000倍のSEM画像を取得する。この際、各cBN焼結体層の境界付近ではなく、倍率200倍のSEM画像から測定した各cBN焼結体層の厚みの中心付近を観察する。取得したSEM画像を画像処理ソフトにて二値化し、cBN粒子の占める面積%を算出することでcBN含有量を求め、3視野について求めたcBN含有量の平均値を各cBN焼結体層のcBN含有量割合とした。
測定結果を表1に示す。

次に、比較のため、実施例と同様な方法で、第2cBN焼結体層の厚さが300μmである表2に示されるISO規格CNGA120408の比較例cBN複合焼結体インサート(以下、「比較例インサート」という)1と2と、第1cBN焼結体層と第3cBN焼結体層からなる2層構造の表2に示される比較例インサート3を作製した。
上記比較例インサート1、2は、実施例の前記工程(f),(g)と同様にして、作製した。
なお、上記比較例インサート1、2では、刃先稜線は、第2cBN焼結体層内に形成されている。
また、比較例インサート3は第1原料粉末を、所定の層厚となるように秤量し、これを成形用金型内へ充填して1ton/cmの加圧力で成形し、第1成形体を作製し、ついで、第3原料粉末を、所定の層厚が得られるように秤量し、これを成形用金型内の前記第1成形体の上面に充填し、3ton/cmの加圧力で成形し、第1成形体および第3成形体からなる複合成形体を作製し、ついで、第1成形体および第3成形体からなる複合成形体を真空中1Pa、温度1000℃、保持時間30分の条件で真空焼結することにより、予備焼結体を作製した。
さらに比較のため、表2に示されるISO規格CNGA120408の比較例cBN焼結体インサート(以下、「比較例インサート」という)4−6を作製した。
即ち、比較例インサート4−6は、表2に示されるcBN含有割合となるように原料粉末を配合し、所定の層厚となるように秤量し、これを成形用金型内へ充填して3ton/cmの加圧力で成形して成形体を作製し、ついで、この成形体を真空中1Pa、温度1000℃、保持時間30分の条件で真空焼結することにより、予備焼結体を作製した後、実施例の前記工程(f),(g)と同様にして、比較例インサート4−6を作製した。
前記で作製した比較例インサート1−6におけるcBN含有割合は、実施例と同様の測定方法によって求めた。
また、インサートを構成する各層の層厚も、実施例と同様の測定方法によって求めた。
表2に、その結果を示す。

前記で作製した本発明インサートと比較例インサートの切削性能を比較するため、Cr−Mo鋼を被削材とした断続切削加工試験(切削条件A)と、Cr鋼を被削材とした連続切削加工試験(切削条件B)を実施した。
≪切削条件A≫
被削材:JIS・SCM415の長さ方向等間隔8本縦溝入り丸棒の乾式断続切削
切削速度:150 m/min
送り:0.2 mm/rev
切込み:0.2 mm
≪切削条件B≫
被削材:JIS・SCr420の丸棒の乾式外径連続切削
切削速度:150 m/min
送り:0.1 mm/rev
切込み:0.2 mm
上記切削条件の切削加工試験において、所定時間切削加工を行うにあたり、所定の時間間隔で切削加工を中断し、本発明インサート1−7と比較例インサート1−6それぞれについて、逃げ面摩耗量を測定することにより切削時間と逃げ面摩耗量の関係を求め、刃先の欠損発生が確認されるまで切削加工試験を継続実施した。
表3に切削加工試験結果を示す。

表3に示される結果から、本発明インサートは第1cBN焼結体層により耐逃げ面摩耗性にすぐれ、第3cBN焼結体層により欠損発生が十分に抑制されているとともに、第2cBN焼結体層によってチッピング発生が抑制されていることから逃げ面摩耗の異常発達や突発的な欠損が生じない。
その結果として、断続切削加工と連続切削加工ともに加工距離が長く、長時間加工可能である。
これに対して、比較例インサート1と2では第2cBN焼結体層の厚さが大きすぎるため、比較例1インサートでは第3cBN焼結体層の効果が得られず、工具寿命が短く、比較例2インサートでは第1cBN焼結体層の効果が得られず逃げ面摩耗が悪くなっており、工具寿命と耐逃げ面摩耗性が両立されていない。比較例インサート3−6においては、本発明インサートに比して、耐逃げ面摩耗性に劣るばかりか、欠損の発生により工具寿命が短いことが分かる。
以上のとおり、本発明のcBN複合焼結体インサートは、チッピング、欠損の発生が少なく、耐逃げ面摩耗性及び耐すくい面摩耗性(耐クレータ摩耗性)にすぐれ、長期の使用に亘って優れた切削性能を発揮するものであって、切削加工装置の高性能化、並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。














Claims (1)

  1. 立方晶窒化硼素複合焼結体インサートにおいて、
    (a)前記立方晶窒化硼素複合焼結体を、逃げ面を構成する第1立方晶窒化硼素焼結体層、刃先稜線を構成する第2立方晶窒化硼素焼結体層およびすくい面を構成する第3立方晶窒化硼素焼結体層の3層からなる複合焼結体として構成し、
    (b)前記第1立方晶窒化硼素焼結体層は、立方晶窒化硼素の含有割合40〜60vol%である立方晶窒化硼素焼結体からなり、
    (c)前記第3立方晶窒化硼素焼結体層は、前記第1立方晶窒化硼素焼結体層の立方晶窒化硼素の含有割合より少なくとも10vol%以上多い立方晶窒化硼素を含有し、
    (d)前記第2立方晶窒化硼素焼結体層は、前記第3立方晶窒化硼素焼結体層の立方晶窒化硼素の含有割合よりさらに5vol%以上多い立方晶窒化硼素を含有し、かつ、第2立方晶窒化硼素焼結体層の厚さは、30〜200μmの範囲内であることを特徴とする立方晶窒化硼素複合焼結体インサート。











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