JP2990549B2 - 釣り糸用ガイド部材 - Google Patents
釣り糸用ガイド部材Info
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Description
り糸を案内するための釣り糸用ガイド部材に関する。
竿にリング状のガイド部材を複数個備え、このガイド部
材によって釣り糸を案内するようになっている。そし
て、従来このガイド部材は樹脂製のものであったが、魚
を釣り上げる時には、釣り糸に強い力が加わりながら上
記ガイド部材と摺動するため、耐摩耗性などの点からセ
ラミックスでガイド部材を形成することが提案されてい
る。
されるように、釣り糸ガイドとして高強度、高靱性の部
分安定化ジルコニアセラミックスを用いることが提案さ
れている。
ルコニアセラミックスからなる釣り糸ガイドは熱伝導率
が低いため、釣り糸との摺動時に発生する熱を逃がしに
くく、この熱によって釣り糸を変質させやすいため、釣
り糸の寿命が短いという問題点があった。
スを用いると、破壊靱性が低いため、使用時にコンクリ
ートや岩場に衝突した際に割れや欠けが発生しやすいと
いう問題点があった。
に、割れや欠けの発生しにくい釣り糸用ガイド部材を得
ることを目的とするものである。
釣り糸用ガイド部材は、破壊靱性値(K1C)が4MPa
√m以上で、かつ熱伝導率が40W/m・K以上の、炭
化珪素質セラミックスあるいは窒化珪素質セラミックス
等の非酸化物セラミックスを用いたものである。
多様存在するうち、本発明者が鋭意研究の結果、焼結助
剤として金属酸化物を添加して液相焼結させたものが、
釣り糸用ガイド部材として最適であることが判明した。
クスは、ビッカース硬度が1500〜2500kg/m
m2 と高硬度で大きな耐摩耗性を備えるとともに、摺動
性に優れているため釣り糸に対する摩耗も小さくでき
る。しかも、金属酸化物を添加して液相焼結したことに
よって、破壊靱性値(K1C)を4〜6MPa√mと大き
くすることができ、コンクリートなどと衝突した場合で
も割れや欠けの発生を少なくできる。さらに、本発明の
炭化珪素質セラミックスは、熱伝導率60W/m・K以
上と高熱伝導率を有していることから、釣り糸との摺動
により発生する摩擦熱を放熱することができるため、釣
り糸に対する悪影響をなくし寿命を長くすることもでき
る。
ックスに焼結助剤として添加する金属酸化物としては、
Al2 O3 を1〜7%、およびY2 O3 、CeO2 など
の3a族元素の酸化物を0.1〜5%加えればよい。こ
れらの金属酸化物は、焼結助剤として炭化珪素質セラミ
ックスの焼結性を高めるとともに、焼結体中で炭化珪素
結晶粒子間に粒界相を形成してクラックの進展を防止
し、セラミックスの靱性を高くする作用がある。ただ
し、添加量が多すぎると、硬度、強度が低くなるため、
上記範囲のものがよい。
ックスは、主成分であるSi3 N4 と、Sc、Yb、E
r、HoおよびDyの群から選ばれる少なくとも1種の
元素(M)の化合物を酸化物換算(M2 O3 )で1〜5
モル%と、原料粉末中にSiO2 などの形で含有される
過剰酸素(O2 )を10モル%以下の割合で含有してな
るものである。この窒化珪素質セラミックスは、破壊靱
性が6MPa√m以上と高く、熱伝導率も60W/m・
K以上と高いことから、釣り糸ガイドに用いた場合、割
れや欠けを生じにくく、かつ摩擦熱を放熱しやすくな
る。
いて、放熱性を高めて釣り糸の変質を防止するために
は、熱伝導率40W/m・K以上、好ましくは60W/
m・K以上であることが望ましい。さらに、平均結晶粒
子径は10μm以下、好ましくは0.5〜6μmのもの
がよい。これは、平均結晶粒子径が10μmを越える
と、強度が劣化して欠けやすくなるためである。なお、
窒化珪素質セラミックスの場合は針状結晶となるが、短
径を上記範囲内とし、アスペクト比(長径/短径)を
1.5〜20とすればよい。
は、開気孔率1%以下、好ましくは0.3%以下のもの
を用いる。これは、開気孔率が1%より大きいと、強度
が低くなるとともに、釣り糸に対して傷を付けやすくな
るためである。
て、釣り糸との摺動性を高めるためには摺動面の状態が
重要であり、摺動面の中心線平均粗さ(Ra)は0.1
5μm以下としたものがよい。
示す。このガイド部材1は、リング状体であり、内側に
滑らかな曲面状の摺動面2を有しており、この摺動面2
は断面の曲率半径Rが0.5〜5mmとなっている。ま
た、上記ガイド部材1は、炭化珪素または窒化珪素を主
成分とし、破壊靱性値(K1C)4MPa√m以上、熱伝
導率40W/m・K以上の非酸化物セラミックスからな
っている。そして、不図示の取付部材によって、このガ
イド部材1を釣り竿の所定位置に取りつけることがで
き、釣り糸をこのガイド部材1で案内することができ
る。
は、高靱性、高熱伝導率の非酸化物セラミックスからな
るため、耐摩耗性、摺動性、放熱性、耐チッピング性に
優れており、ガイド部材1および釣り糸の双方の寿命を
長くすることができるとともに、ガイド部材1の欠けや
割れを防止できる。
および窒化珪素質セラミックスの特性を他のセラミック
スと比較して表1に示す。
である炭化珪素質セラミックス(SiC−A〜D)およ
び窒化珪素質セラミックス(Si3 N4 −A)は、熱伝
導率が60W/m・K以上と他のセラミックスに比べて
格段に大きいことがわかる。前述したように、釣り上げ
た魚を引き上げる際には、釣り糸には強い力が加わりな
がらガイド部材1と摺動することとなり、摩擦熱によっ
て釣り糸が変質しやすいが、ガイド部材1をこれらの非
酸化物セラミックスとすることで放熱性を高くし、釣り
糸の変質を防止することができる。
ラミックスであるが、添加剤として金属酸化物ではなく
硼素(B)と炭素(C)を用いて固相焼結したものであ
って、これは破壊靱性値(K1C)が3.4MPa√mと
低いため、ガイド部材1として用いた場合に割れや欠け
が生じる恐れはあるが、放熱性は優れている。これに対
し、SiC−A〜Dは、金属酸化物を添加した本発明の
炭化珪素質セラミックスであり、これらは破壊靱性値
(K1C)が4MPa√m以上と高いため、欠けや割れの
発生を極めて低くできる。
素質セラミックスであるが、添加剤としてAl2 O3 、
Y2 O3 を用いたものであり、熱伝導率が21W/m・
Kと低いため、放熱性が悪いものである。これに対し、
本発明のSi3 N4 −Aは、添加剤としてYb2 O3 を
用いて、SiO2 により過剰酸素を含有させたものであ
って、熱伝導率が60W/m・K以上と高いため、放熱
性に優れ釣り糸の変質を防止できる。
〜E)および窒化珪素質セラミックス(Si3 N4 −
A)により形成したガイド部材1の衝撃試験を行った。
各炭化珪素質セラミックスで、直径8mm、内径5.5
mm、厚み2mm、摺動面2の断面曲率半径Rが1mm
のガイド部材1を形成し、それぞれ10個ずつ、直径7
0mm、高さ180mmのガラス瓶に入れて上下に振っ
た後、欠けずに残ったものの数を調べた。結果は表2に
示す通り、本発明の好適な実施例であるSiC−A〜D
およびSi3 N4 −Aは、平均して10個中9個以上が
残ったのに対し、SiC−Eは1個以下しか残らず、本
発明実施例のガイド部材1は耐チッピング性に優れてい
ることがわかる。これは、前記したように、本発明の炭
化珪素質セラミックスは、金属酸化物を添加して液相焼
結したものであり、靱性が高いためである。
1と同じ材質で、直径9.9mm、内径7mm、厚み
2.3mm、摺動面2の断面曲率半径Rが1.1mmの
ガイド部材1を形成し、各ガイド部材1をそれぞれ10
個ずつ、図2に示すように両端をセラミック板4で塞い
だ長さ950mmの容器3中に入れ、この容器3を中心
部を支点として90°の角度で上下動させた後、欠けず
に残ったガイド部材1の数を調べた。なお、上下動の速
度は7往復/分、21.5往復/分の二種類とし、往復
回数50〜1000回のテストを行った。
用いたものは、7往復/分で500回、あるいは21.
5往復/分で50回のテストで全て欠けてしまった。こ
れに対し、本発明の好適な実施例であるSiC−A〜D
およびSi3N4 −Aを用いたものは、7往復/分で1
000回、あるいは21.5往復/分で250回のテス
ト後でもほとんど欠けが発生せず、極めて耐チッピング
性が優れていることがわかる。
適な実施例である炭化珪素質セラミックス(SiC−A
〜D)を用いたガイド部材は、低靱性の炭化珪素質セラ
ミックス(SiC−E)に比べてはるかに欠けにくく、
同じ炭化珪素質セラミックスであっても靱性値の違いに
よって耐チッピング性に大きな差が生じることがわか
る。また、本発明の窒化珪素質セラミックス(Si3 N
4 −A)も高靱性であり、優れた耐チッピング性を示す
ことがわかる。
イド部材を破壊靱性値(K1C)が4MPa√m以上で、
かつ熱伝導率が40W/m・K以上の非酸化物セラミッ
クスで構成したことによって、高硬度、軽量で、釣り糸
との摺動性に優れるとともに、熱伝導性が高いことから
放熱性に優れ、釣り糸の変質を防止することができる。
しかも、高靱性であるから、使用中にコンクリートや岩
に衝突しても欠けや割れが発生しにくく、長期間にわた
って良好に使用することが可能となるなど、さまざまな
特長を持った釣り糸用ガイド部材を提供できる。
斜視図、(B)はX−X線断面図である。
置を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】破壊靱性値(K1C)が4MPa√m以上
で、かつ熱伝導率が40W/m・K以上の、炭化珪素を
主成分として金属酸化物の液相で焼結した炭化珪素質セ
ラミックスからなる釣り糸用ガイド部材 - 【請求項2】破壊靱性値(K1C)が4MPa√m以上
で、かつ熱伝導率が40W/m・K以上の、窒化珪素を
主成分として金属酸化物と過剰酸素を含有した窒化珪素
質セラミックスからなる釣り糸用ガイド部材
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3315077A JP2990549B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 釣り糸用ガイド部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3315077A JP2990549B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 釣り糸用ガイド部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05153887A JPH05153887A (ja) | 1993-06-22 |
JP2990549B2 true JP2990549B2 (ja) | 1999-12-13 |
Family
ID=18061143
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3315077A Expired - Lifetime JP2990549B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 釣り糸用ガイド部材 |
Country Status (1)
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JP5235343B2 (ja) * | 2007-07-02 | 2013-07-10 | 株式会社リブドゥコーポレーション | 接着剤塗布ノズルおよび接着剤塗布装置 |
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-
1991
- 1991-11-29 JP JP3315077A patent/JP2990549B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH05153887A (ja) | 1993-06-22 |
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