JP3449450B2 - 溶融金属測温用保護管 - Google Patents
溶融金属測温用保護管Info
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- JP3449450B2 JP3449450B2 JP00609896A JP609896A JP3449450B2 JP 3449450 B2 JP3449450 B2 JP 3449450B2 JP 00609896 A JP00609896 A JP 00609896A JP 609896 A JP609896 A JP 609896A JP 3449450 B2 JP3449450 B2 JP 3449450B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐蝕性、耐熱衝撃
性及び耐酸化性に優れ、長寿命の溶融金属測温用保護管
に関する。
性及び耐酸化性に優れ、長寿命の溶融金属測温用保護管
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融金属の測温は消耗型浸漬熱電
対による方法が知られている(例えば特公昭53−47
711号公報)。この方法は、容易に測温できるが繰り
返しの使用回数が1〜2回と短くしかも外筒は紙である
ので測温時に焼けたカスが溶融金属内に混入する問題が
あった。また、熱電対素線をBN製保護管に差し込んで
連続的に測温する方法もあるが、熱電対保護管の取り付
け構造が複雑になる問題がある。
対による方法が知られている(例えば特公昭53−47
711号公報)。この方法は、容易に測温できるが繰り
返しの使用回数が1〜2回と短くしかも外筒は紙である
ので測温時に焼けたカスが溶融金属内に混入する問題が
あった。また、熱電対素線をBN製保護管に差し込んで
連続的に測温する方法もあるが、熱電対保護管の取り付
け構造が複雑になる問題がある。
【0003】一方、Si3 N4 、AlN、Al2 O3 及
びBNを出発原料として製造されたサイアロン−BN系
耐蝕性部材については、次の技術が知られている。 (a)Si3 N4 又はサイアロンからなる内層とBN、
SiO2 及びAlNを主成分とする外層とからなり、前
記内層と前記外層とが一体的に焼結されてなる溶湯浸漬
用部材(特開平2−38391号公報)。
びBNを出発原料として製造されたサイアロン−BN系
耐蝕性部材については、次の技術が知られている。 (a)Si3 N4 又はサイアロンからなる内層とBN、
SiO2 及びAlNを主成分とする外層とからなり、前
記内層と前記外層とが一体的に焼結されてなる溶湯浸漬
用部材(特開平2−38391号公報)。
【0004】(b)Si3 N4 、AlN、Al2 O3 の
混合粉末又はSi3 N4 、AlN、Al2 O3 、SiO
2 の混合粉末を焼結して得られた一般式Si6-Z AlZ
OZN8-Z (但し1≦Z≦3)で表されるサイアロン組
成物30〜70重量%、結晶子径50〜150AのBN
20〜70重量%、CaO又はSrO0. 1〜10重量
%、Y及びランタニド系金属元素から選ばれた少なくと
も1種の金属の酸化物0. 1〜5重量%からなるサイア
ロン質複合焼結体(特開平5−77758号公報)。
混合粉末又はSi3 N4 、AlN、Al2 O3 、SiO
2 の混合粉末を焼結して得られた一般式Si6-Z AlZ
OZN8-Z (但し1≦Z≦3)で表されるサイアロン組
成物30〜70重量%、結晶子径50〜150AのBN
20〜70重量%、CaO又はSrO0. 1〜10重量
%、Y及びランタニド系金属元素から選ばれた少なくと
も1種の金属の酸化物0. 1〜5重量%からなるサイア
ロン質複合焼結体(特開平5−77758号公報)。
【0005】(c)Si6-Z AlZ OZ N8-Z (但し1
≦Z≦4.2)で表されるβ−サイアロンを主たる結晶
相とするβ−サイアロン粉末90〜54重量部、窒化硼
素10〜40重量部、及びAl、Mg、Ca、Y及びラ
ンタニド系元素からなる群から選ばれる少なくとも1種
の金属酸化物0〜10重量部を混合し、所望の形状に成
形した後、窒素含有雰囲気中、1600〜2000℃の
温度で常圧又は加圧下に焼結することを特徴とするβ−
サイアロン−窒化硼素系複合焼結体の製造方法(特開平
3−177361号公報)。
≦Z≦4.2)で表されるβ−サイアロンを主たる結晶
相とするβ−サイアロン粉末90〜54重量部、窒化硼
素10〜40重量部、及びAl、Mg、Ca、Y及びラ
ンタニド系元素からなる群から選ばれる少なくとも1種
の金属酸化物0〜10重量部を混合し、所望の形状に成
形した後、窒素含有雰囲気中、1600〜2000℃の
温度で常圧又は加圧下に焼結することを特徴とするβ−
サイアロン−窒化硼素系複合焼結体の製造方法(特開平
3−177361号公報)。
【0006】しかしながら、(a)の技術では高密度
(相対密度99%)、高強度(曲げ強度80kg/mm
2 :常温及び1000℃)の焼結体が得られる反面、耐
熱衝撃性ΔTが600℃と低いので、鋳鉄、合金等の高
融点金属の温度を繰り返し測定するには不適当である。
(b)の技術でも焼結体の相対密度は88〜98%と高
く耐熱衝撃性ΔTが800〜1200℃であり溶融金属
測温用保護管の材質としては耐熱衝撃性が不十分であ
る。また、(c)の技術でも高強度(室温曲げ強度26
〜51kg/mm2 、1200℃曲げ強度17〜51k
g/mm2 )の焼結体が得られるが、耐熱衝撃性ΔTが
800〜1200℃であり溶融金属測温用保護管の材質
としては耐熱衝撃性が不十分である。
(相対密度99%)、高強度(曲げ強度80kg/mm
2 :常温及び1000℃)の焼結体が得られる反面、耐
熱衝撃性ΔTが600℃と低いので、鋳鉄、合金等の高
融点金属の温度を繰り返し測定するには不適当である。
(b)の技術でも焼結体の相対密度は88〜98%と高
く耐熱衝撃性ΔTが800〜1200℃であり溶融金属
測温用保護管の材質としては耐熱衝撃性が不十分であ
る。また、(c)の技術でも高強度(室温曲げ強度26
〜51kg/mm2 、1200℃曲げ強度17〜51k
g/mm2 )の焼結体が得られるが、耐熱衝撃性ΔTが
800〜1200℃であり溶融金属測温用保護管の材質
としては耐熱衝撃性が不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題を解決し、耐蝕性、耐熱衝撃性及び耐酸化性に優れ、
長寿命の溶融金属測温用保護管を提供することを目的と
して種々検討した結果、セラミックス組成、相対密度及
び厚みが溶融金属に対する耐蝕性、耐熱衝撃性に、また
原料BN粉末の酸素量がセラミックスの耐酸化性に著し
く影響し、これらの特性が溶融金属測温用保護管の寿命
に著しく影響を及ぼしていることを見いだし、本発明を
完成させたものである。
題を解決し、耐蝕性、耐熱衝撃性及び耐酸化性に優れ、
長寿命の溶融金属測温用保護管を提供することを目的と
して種々検討した結果、セラミックス組成、相対密度及
び厚みが溶融金属に対する耐蝕性、耐熱衝撃性に、また
原料BN粉末の酸素量がセラミックスの耐酸化性に著し
く影響し、これらの特性が溶融金属測温用保護管の寿命
に著しく影響を及ぼしていることを見いだし、本発明を
完成させたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、サ
イアロン粉末又はその前駆体粉末40〜60重量%及び
全酸素量が1〜4重量%のBN粉末60〜40重量%か
らなる混合粉末を焼結して得られた相対密度60〜80
%のセラミックスで構成されてなり、溶融金属と接触す
る部分の肉厚が1〜4mmであることを特徴とする溶融
金属測温用保護管である。この場合において、上記サイ
アロン粉末又はその前駆体粉末が、Si 3 N 4 4〜9
0重量%、AlN 2〜80重量%、Al 2 O 3 5〜
55重量%からなる混合粉末を、不活性雰囲気下、温度
1500〜1850℃、0.5〜2時間程度焼成して得
られたサイアロン粉末であることが好ましく、また、上
記混合粉末が、サイアロンの前駆体粉末を混合してから
BN粉末が混合されたものであることが好ましい。
イアロン粉末又はその前駆体粉末40〜60重量%及び
全酸素量が1〜4重量%のBN粉末60〜40重量%か
らなる混合粉末を焼結して得られた相対密度60〜80
%のセラミックスで構成されてなり、溶融金属と接触す
る部分の肉厚が1〜4mmであることを特徴とする溶融
金属測温用保護管である。この場合において、上記サイ
アロン粉末又はその前駆体粉末が、Si 3 N 4 4〜9
0重量%、AlN 2〜80重量%、Al 2 O 3 5〜
55重量%からなる混合粉末を、不活性雰囲気下、温度
1500〜1850℃、0.5〜2時間程度焼成して得
られたサイアロン粉末であることが好ましく、また、上
記混合粉末が、サイアロンの前駆体粉末を混合してから
BN粉末が混合されたものであることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明を説明す
る。
る。
【0010】本発明で使用されるセラミックスは、溶融
金属に対する耐蝕性と繰り返し使用の耐熱衝撃性の点か
ら、サイアロン粉末又はその前駆体粉末40〜60重量
%及びBN粉末60〜40重量%からなる混合粉末を焼
結して得られたものである。サイアロン粉末又はその前
駆体粉末が60重量%をこえるか又はBN粉末が40重
量%未満であると耐熱衝撃性が不足して保護管の寿命が
短くなり、また機械加工性も低下する。一方、サイアロ
ン粉末又はその前駆体粉末が40重量%未満であるか又
はBN粉末60重量%をこえると耐蝕性が不足する。
金属に対する耐蝕性と繰り返し使用の耐熱衝撃性の点か
ら、サイアロン粉末又はその前駆体粉末40〜60重量
%及びBN粉末60〜40重量%からなる混合粉末を焼
結して得られたものである。サイアロン粉末又はその前
駆体粉末が60重量%をこえるか又はBN粉末が40重
量%未満であると耐熱衝撃性が不足して保護管の寿命が
短くなり、また機械加工性も低下する。一方、サイアロ
ン粉末又はその前駆体粉末が40重量%未満であるか又
はBN粉末60重量%をこえると耐蝕性が不足する。
【0011】上記サイアロンの前駆体粉末としては、S
i3 N4 、AlN、Al2 O3 の混合粉末又はSi3 N
4 、AlN、Al2 O3 、SiO2 の混合粉末等をあげ
ることができるが、なかでもSi3 N4 4〜90重量
%、AlN2〜80重量%、Al2 O3 5〜55重量%
からなる混合粉末が好適である。また、このサイアロン
の前駆体粉末のかわりにこれを窒素、アルゴン等の不活
性雰囲気下、温度1500〜1850℃、0.5〜2時
間程度焼成して得られたサイアロン粉末を用いると、セ
ラミックスの耐熱衝撃性と耐蝕性のバランスがよくなり
より長寿命の溶融金属測温用保護管が得られるという利
点がある。
i3 N4 、AlN、Al2 O3 の混合粉末又はSi3 N
4 、AlN、Al2 O3 、SiO2 の混合粉末等をあげ
ることができるが、なかでもSi3 N4 4〜90重量
%、AlN2〜80重量%、Al2 O3 5〜55重量%
からなる混合粉末が好適である。また、このサイアロン
の前駆体粉末のかわりにこれを窒素、アルゴン等の不活
性雰囲気下、温度1500〜1850℃、0.5〜2時
間程度焼成して得られたサイアロン粉末を用いると、セ
ラミックスの耐熱衝撃性と耐蝕性のバランスがよくなり
より長寿命の溶融金属測温用保護管が得られるという利
点がある。
【0012】溶融金属測温用保護管は、大気中で溶融金
属への浸漬と取り出しを繰り返し行われることが多いの
で、その寿命はその耐酸化性に大きく左右される。そこ
で、溶融金属測温用保護管の耐酸化性を向上させる方法
について更に検討したところ、全酸素量が1〜4重量%
好ましくは1.5〜3重量%のBN粉末を使用すればよ
いことを見いだしたものである。更には、BET比表面
積が30〜100m2/gのBN粉末を使用すれば、溶
融金属測温用保護管の組織が均一となるのでシミ等が発
生せず、高強度のものになることを見いだしたものであ
る。
属への浸漬と取り出しを繰り返し行われることが多いの
で、その寿命はその耐酸化性に大きく左右される。そこ
で、溶融金属測温用保護管の耐酸化性を向上させる方法
について更に検討したところ、全酸素量が1〜4重量%
好ましくは1.5〜3重量%のBN粉末を使用すればよ
いことを見いだしたものである。更には、BET比表面
積が30〜100m2/gのBN粉末を使用すれば、溶
融金属測温用保護管の組織が均一となるのでシミ等が発
生せず、高強度のものになることを見いだしたものであ
る。
【0013】サイアロン粉末又はその前駆体粉末とBN
粉末からなる混合粉末の粒度は10μm以下特に5μm
以下の微粉であることが好ましい。混合は、ボールミ
ル、振動ミル等を用い乾式混合又はアルコール等の有機
媒体を用いた湿式混合により行われる。混合時間は0.
5〜3時間程度である。各粉末は同時に混合してもよく
また別々に混合してもよいが、サイアロンの前駆体粉末
を使用する場合は、均一分散の点からまずその前駆体粉
末を混合した後、BN粉末を混合することが好ましい。
粉末からなる混合粉末の粒度は10μm以下特に5μm
以下の微粉であることが好ましい。混合は、ボールミ
ル、振動ミル等を用い乾式混合又はアルコール等の有機
媒体を用いた湿式混合により行われる。混合時間は0.
5〜3時間程度である。各粉末は同時に混合してもよく
また別々に混合してもよいが、サイアロンの前駆体粉末
を使用する場合は、均一分散の点からまずその前駆体粉
末を混合した後、BN粉末を混合することが好ましい。
【0014】本発明で用いられるセラミックスは、上記
サイアロン粉末又はその前駆体粉末とBN粉末の混合粉
末を窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気下、温度160
0〜1900℃程度でホットプレス又は常圧焼結するこ
とによって製造することができる。セラミックスの相対
密度は焼成時間等を変化させて調整することができる。
サイアロン粉末又はその前駆体粉末とBN粉末の混合粉
末を窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気下、温度160
0〜1900℃程度でホットプレス又は常圧焼結するこ
とによって製造することができる。セラミックスの相対
密度は焼成時間等を変化させて調整することができる。
【0015】本発明においては、セラミックス中のサイ
アロンの種類には何ら制約はなく、溶融金属の種類・温
度に対して適切な耐蝕性と耐熱衝撃性を有するものが生
成するように混合粉末の組成と焼結条件が選択される。
例えば、温度1500℃程度の熔銑に適用する場合には
βサイアロンが好ましいので、それを生成させる混合粉
末としてはSi3 N4 4〜90重量%で残部がAlNと
Al2 O3 からなり、AlN/Al2 O3 比が0.4程
度のものが使用される。
アロンの種類には何ら制約はなく、溶融金属の種類・温
度に対して適切な耐蝕性と耐熱衝撃性を有するものが生
成するように混合粉末の組成と焼結条件が選択される。
例えば、温度1500℃程度の熔銑に適用する場合には
βサイアロンが好ましいので、それを生成させる混合粉
末としてはSi3 N4 4〜90重量%で残部がAlNと
Al2 O3 からなり、AlN/Al2 O3 比が0.4程
度のものが使用される。
【0016】以上の組成からなるセラミックスであって
も、溶融金属測温用保護管としての寿命は、セラミック
スの相対密度と保護管の肉厚にも左右される。本発明に
おいてはセラミックスの相対密度が60〜80%特に6
5〜75%が好適である。相対密度が80%をこえると
耐熱衝撃性と機械加工性が低下し、また60%未満であ
ると溶融金属に対する耐蝕性が不足する。
も、溶融金属測温用保護管としての寿命は、セラミック
スの相対密度と保護管の肉厚にも左右される。本発明に
おいてはセラミックスの相対密度が60〜80%特に6
5〜75%が好適である。相対密度が80%をこえると
耐熱衝撃性と機械加工性が低下し、また60%未満であ
ると溶融金属に対する耐蝕性が不足する。
【0017】一方、保護管の肉厚は、溶融金属と接触す
る部分の肉厚が1〜4mmであることが必要である。な
かでも、先端部分の肉厚が2〜3mmであることが好ま
しい。肉厚が1mm未満では溶融金属に対する耐蝕性が
低下し、また4mmをこえると耐熱衝撃性が低下する。
なお、溶融金属と接触しない湯面部から上部開口部まで
の肉厚については特に制限はないが、機械的強度の点か
ら通常は溶融金属と接触する部分の肉厚と同等又はそれ
以上具体的には1〜6mm程度とされる。
る部分の肉厚が1〜4mmであることが必要である。な
かでも、先端部分の肉厚が2〜3mmであることが好ま
しい。肉厚が1mm未満では溶融金属に対する耐蝕性が
低下し、また4mmをこえると耐熱衝撃性が低下する。
なお、溶融金属と接触しない湯面部から上部開口部まで
の肉厚については特に制限はないが、機械的強度の点か
ら通常は溶融金属と接触する部分の肉厚と同等又はそれ
以上具体的には1〜6mm程度とされる。
【0018】本発明の溶融金属測温用保護管の形状につ
いては、その断面形状が特開昭55−160401号公
報に記載のように円形、楕円形、矩形等のいずれであっ
てもよい。好ましくは外壁の任意の部分から先端部にか
けてテーパーが施されてなり、しかも先端部分の内寸/
外寸比が0.5〜0.75であるものである。このよう
な形状からなるものは保護管先端部の耐熱衝撃性とテー
パー開始部付近の機械的強度を更に高めることができ
る。
いては、その断面形状が特開昭55−160401号公
報に記載のように円形、楕円形、矩形等のいずれであっ
てもよい。好ましくは外壁の任意の部分から先端部にか
けてテーパーが施されてなり、しかも先端部分の内寸/
外寸比が0.5〜0.75であるものである。このよう
な形状からなるものは保護管先端部の耐熱衝撃性とテー
パー開始部付近の機械的強度を更に高めることができ
る。
【0019】先端部分の内寸/外寸比が0.5未満では
肉厚が厚くなりすぎて熱応答速度が悪くなり、また0.
75をこえると肉厚が薄くなりすぎて機械的強度が低下
する恐れがある。外壁に施されるテーパーは、外壁の任
意の部分すなわち上部開口部又は任意の中間部から先端
部にわたって一部又は全面に形成される。テーパーの傾
斜程度については、保護管先端部(テーパー終了部)の
肉厚に対するテーパー開始部の肉厚の比が1.2〜2.
0となるようにすることが好ましい。この比が1.2未
満では機械的強度が不足してテーパー開始部付近が折損
しやすくなり、また2.0をこえるとテーパー開始部の
肉厚が厚くなって耐熱衝撃性が低下する。
肉厚が厚くなりすぎて熱応答速度が悪くなり、また0.
75をこえると肉厚が薄くなりすぎて機械的強度が低下
する恐れがある。外壁に施されるテーパーは、外壁の任
意の部分すなわち上部開口部又は任意の中間部から先端
部にわたって一部又は全面に形成される。テーパーの傾
斜程度については、保護管先端部(テーパー終了部)の
肉厚に対するテーパー開始部の肉厚の比が1.2〜2.
0となるようにすることが好ましい。この比が1.2未
満では機械的強度が不足してテーパー開始部付近が折損
しやすくなり、また2.0をこえるとテーパー開始部の
肉厚が厚くなって耐熱衝撃性が低下する。
【0020】溶融金属測温用保護管を使用する際の浸漬
深さは、保護管先端部から60%までの任意の位置好ま
しくは50%までの任意の位置であるが、外壁にテーパ
ーの施されたものにあっては湯面がテーパー開始部より
も先端側に位置する深さとすることが好ましい。
深さは、保護管先端部から60%までの任意の位置好ま
しくは50%までの任意の位置であるが、外壁にテーパ
ーの施されたものにあっては湯面がテーパー開始部より
も先端側に位置する深さとすることが好ましい。
【0021】本発明の溶融金属測温用保護管は上記セラ
ミックスを切削加工して製作することができる。
ミックスを切削加工して製作することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例、比較例をあげて更に具体的に
本発明を説明する。
本発明を説明する。
【0023】実施例1〜6 比較例1〜6
Si3 N4 粉末(平均粒径1μm)、AlN粉末(平均
粒径2.3μm)、Al2 O3 粉末(平均粒径0.3μ
m)及びBN粉末(平均粒径3μm、比表面積50m2
/g、全酸素量は表1に記載)を表1の割合で種々秤量
し、それらを振動ミルを用いた乾式混合法により同時混
合した。これを黒鉛製ダイスに充填し、温度1800
℃、圧力100kg/cm2 の条件下、表1に示す加圧
時間でホットプレスを行い、表1に示される相対密度
(アルキメデス法)を有する直径350mm×高さ20
0mmのセラミックスを製造した。
粒径2.3μm)、Al2 O3 粉末(平均粒径0.3μ
m)及びBN粉末(平均粒径3μm、比表面積50m2
/g、全酸素量は表1に記載)を表1の割合で種々秤量
し、それらを振動ミルを用いた乾式混合法により同時混
合した。これを黒鉛製ダイスに充填し、温度1800
℃、圧力100kg/cm2 の条件下、表1に示す加圧
時間でホットプレスを行い、表1に示される相対密度
(アルキメデス法)を有する直径350mm×高さ20
0mmのセラミックスを製造した。
【0024】得られたセラミックスをX線回折により分
析したところ、βサイアロンとBNが同定された。
析したところ、βサイアロンとBNが同定された。
【0025】このセラミックスを切削加工して長さ18
0mm、内径が6mmで表1に示される肉厚を有する円
形断面の溶融金属測温用保護管を製作し、以下の測温試
験を行った。なお、肉厚を変化させた保護管にあっては
その肉厚の変化する点を上部開口部から数えて80mm
の部分とした。
0mm、内径が6mmで表1に示される肉厚を有する円
形断面の溶融金属測温用保護管を製作し、以下の測温試
験を行った。なお、肉厚を変化させた保護管にあっては
その肉厚の変化する点を上部開口部から数えて80mm
の部分とした。
【0026】測温試験
1600℃の鋳鉄に15秒間浸漬(浸漬深さ80mm)
し、繰り返し測温する試験を行った際における寿命(亀
裂又は溶損するまでの繰返し測温回数)を測定した。
し、繰り返し測温する試験を行った際における寿命(亀
裂又は溶損するまでの繰返し測温回数)を測定した。
【0027】実施例7
混合粉末をホットプレスするかわりに、静水圧プレス3
トン/cm2 で成型後、1800℃×5時間で常圧焼結
を行い、直径200mm×高さ200mmのセラミック
スを製造したこと以外は、実施例1と同様にして溶融金
属測温用保護管を製作した。
トン/cm2 で成型後、1800℃×5時間で常圧焼結
を行い、直径200mm×高さ200mmのセラミック
スを製造したこと以外は、実施例1と同様にして溶融金
属測温用保護管を製作した。
【0028】実施例8
各粉末を同時混合するかわりに、まずSi3 N4 粉末、
AlN粉末及びAl2O3 粉末からなるサイアロンの前
駆体粉末を混合してからBN粉を混合(分割混合)して
混合粉末を調製したこと以外は、実施例1と同様にして
溶融金属測温用保護管を製作した。
AlN粉末及びAl2O3 粉末からなるサイアロンの前
駆体粉末を混合してからBN粉を混合(分割混合)して
混合粉末を調製したこと以外は、実施例1と同様にして
溶融金属測温用保護管を製作した。
【0029】実施例9
サイアロンの前駆体粉末のかわりに、それを窒素雰囲気
下、温度1700℃×1時間焼成して得られたサイアロ
ン粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様にして溶融
金属測温用保護管を製作した。
下、温度1700℃×1時間焼成して得られたサイアロ
ン粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様にして溶融
金属測温用保護管を製作した。
【0030】実施例10
保護管の形状が、先端部分の内寸/外寸比が0.6(内
径6mm、外径10mm、肉厚2mm)、上部開口部の
内寸/外寸比0.43(内径6mm、外径14mm、肉
厚4mm)、長さ180mmの断面円形形状を有し、そ
の外壁には上部開口部から数えて80mmの部分から先
端部にわたって全面にテーパーが施されてなるものを用
いたこと以外は、実施例1と同様にして溶融金属測温用
保護管を製作した。
径6mm、外径10mm、肉厚2mm)、上部開口部の
内寸/外寸比0.43(内径6mm、外径14mm、肉
厚4mm)、長さ180mmの断面円形形状を有し、そ
の外壁には上部開口部から数えて80mmの部分から先
端部にわたって全面にテーパーが施されてなるものを用
いたこと以外は、実施例1と同様にして溶融金属測温用
保護管を製作した。
【0031】実施例11
実施例9で得られたサイアロン粉末55重量%とBN粉
末45重量%からなる混合粉末を用いたこと以外は、実
施例10と同一形状の溶融金属測温用保護管を製作し
た。
末45重量%からなる混合粉末を用いたこと以外は、実
施例10と同一形状の溶融金属測温用保護管を製作し
た。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、耐蝕性、耐熱衝撃性及
び耐酸化性に優れているので、著しく長寿命の溶融金属
測温用保護管が提供される。
び耐酸化性に優れているので、著しく長寿命の溶融金属
測温用保護管が提供される。
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(56)参考文献 特開 平3−177361(JP,A)
特開 平3−153573(JP,A)
特開 平4−280887(JP,A)
特開 平4−144986(JP,A)
特開 昭61−246636(JP,A)
特開 平2−111665(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C04B 35/58 - 35/599
Claims (3)
- 【請求項1】 サイアロン粉末又はその前駆体粉末40
〜60重量%及び全酸素量が1〜4重量%のBN粉末6
0〜40重量%からなる混合粉末を焼結して得られた相
対密度60〜80%のセラミックスで構成されてなり、
溶融金属と接触する部分の肉厚が1〜4mmであること
を特徴とする溶融金属測温用保護管。 - 【請求項2】 サイアロン粉末又はその前駆体粉末が、
Si 3 N 4 4〜90重量%、AlN 2〜80重量
%、Al 2 O 3 5〜55重量%からなる混合粉末を、
不活性雰囲気下、温度1500〜1850℃、0.5〜
2時間程度焼成して得られたサイアロン粉末であること
を特徴とする請求項1記載の溶融金属測温用保護管。 - 【請求項3】 混合粉末が、サイアロンの前駆体粉末を
混合してからBN粉末が混合されたものであることを特
徴とする請求項1記載の溶融金属測温用保護管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00609896A JP3449450B2 (ja) | 1995-03-14 | 1996-01-17 | 溶融金属測温用保護管 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-54500 | 1995-03-14 | ||
JP5450095 | 1995-03-14 | ||
JP00609896A JP3449450B2 (ja) | 1995-03-14 | 1996-01-17 | 溶融金属測温用保護管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08310869A JPH08310869A (ja) | 1996-11-26 |
JP3449450B2 true JP3449450B2 (ja) | 2003-09-22 |
Family
ID=26340175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00609896A Expired - Lifetime JP3449450B2 (ja) | 1995-03-14 | 1996-01-17 | 溶融金属測温用保護管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3449450B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
HUP0104140A3 (en) * | 1998-11-19 | 2003-05-28 | Vesuvius Crucible Co | Composite material |
-
1996
- 1996-01-17 JP JP00609896A patent/JP3449450B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08310869A (ja) | 1996-11-26 |
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