JP3159432B2 - 耐熱衝撃性に優れるジルコニア−黒鉛質耐火物 - Google Patents
耐熱衝撃性に優れるジルコニア−黒鉛質耐火物Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼などの金属の連
続鋳造において,タンディッシュからモールドへの溶融
金属の注入に使用する浸漬ノズルに好適に使用されるジ
ルコニア−黒鉛質耐火物に関する。
続鋳造において,タンディッシュからモールドへの溶融
金属の注入に使用する浸漬ノズルに好適に使用されるジ
ルコニア−黒鉛質耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造において使用される浸漬ノ
ズルはタンディッシュからモールドヘ溶鋼を注入するた
めに使用される。その使用目的は、溶鋼の大気との接触
を妨げ溶鋼の酸化を抑制し、また、注入される溶鋼の飛
散を防止し、整流化した状態で溶鋼を注入することによ
って溶鋼上に浮遊するスラグや非金属介在物などの不純
物の溶鋼中への巻き込みを防止し、鋼品質を改善すると
同時に操業の安定性を確保することにある。
ズルはタンディッシュからモールドヘ溶鋼を注入するた
めに使用される。その使用目的は、溶鋼の大気との接触
を妨げ溶鋼の酸化を抑制し、また、注入される溶鋼の飛
散を防止し、整流化した状態で溶鋼を注入することによ
って溶鋼上に浮遊するスラグや非金属介在物などの不純
物の溶鋼中への巻き込みを防止し、鋼品質を改善すると
同時に操業の安定性を確保することにある。
【0003】モールド内の溶鋼湯面上には、モールドパ
ウダーと呼ばれる低塩基度で侵食性の強いスラグが浮遊
している。このモールドパウダーは一般的にCaO、S
iO2、CaF2、Na2O、C(カーボン)を含有して
おり、塩基度は1程度である。このため、浸漬ノズルを
構成する耐火物としてアルミナやシリカを使用したもの
では、このモールドパウダーによって著しく溶損され
る。このため、通常浸漬ノズルに使用されている、アル
ミナ−シリカ−黒鉛質やアルミナ−黒鉛質耐火物では溶
損による損耗が大きく長時問の使用はできないという問
題がある。このため、このモールドパウダーに接する部
位には耐食性に優れたジルコニア−黒鉛質が適用される
ようになった。
ウダーと呼ばれる低塩基度で侵食性の強いスラグが浮遊
している。このモールドパウダーは一般的にCaO、S
iO2、CaF2、Na2O、C(カーボン)を含有して
おり、塩基度は1程度である。このため、浸漬ノズルを
構成する耐火物としてアルミナやシリカを使用したもの
では、このモールドパウダーによって著しく溶損され
る。このため、通常浸漬ノズルに使用されている、アル
ミナ−シリカ−黒鉛質やアルミナ−黒鉛質耐火物では溶
損による損耗が大きく長時問の使用はできないという問
題がある。このため、このモールドパウダーに接する部
位には耐食性に優れたジルコニア−黒鉛質が適用される
ようになった。
【0004】このジルコニア−黒鉛質耐火物は、その耐
食性を向上させるには黒鉛の配合量を少なくしジルコニ
アの配合量を増加させることが効果的であるが、ジルコ
ニアの増量は耐熱衝撃性の低下を引き起こし使用時の割
れや折れの問題が発生する。また、耐熱衝撃性の向上に
は黒鉛の配合量を増加させ、ジルコニアの配合量を少な
くすることが効果的であるが、耐食性が低下する。この
ため実際の使用に際しては使用条件を考慮し黒鉛の配合
量とジルコニアの配合量のバランスを取ることが重要と
なる。したがって、実使用面では、耐食性を向上するに
は、ジルコニア増量による耐熱衝撃性の低下がネックと
なり、ジルコニアの最大配合量は90重量%までが一般
的であった。
食性を向上させるには黒鉛の配合量を少なくしジルコニ
アの配合量を増加させることが効果的であるが、ジルコ
ニアの増量は耐熱衝撃性の低下を引き起こし使用時の割
れや折れの問題が発生する。また、耐熱衝撃性の向上に
は黒鉛の配合量を増加させ、ジルコニアの配合量を少な
くすることが効果的であるが、耐食性が低下する。この
ため実際の使用に際しては使用条件を考慮し黒鉛の配合
量とジルコニアの配合量のバランスを取ることが重要と
なる。したがって、実使用面では、耐食性を向上するに
は、ジルコニア増量による耐熱衝撃性の低下がネックと
なり、ジルコニアの最大配合量は90重量%までが一般
的であった。
【0005】この条件の下で耐熱衝撃性の向上の試み
が、配合するジルコニアの粒度を調整することによって
行われるようになり、例えば、特開昭62−14807
6号公報には、粒径100μm以下のジルコニアを使用
することによって、最大95重量%まで増大したジルコ
ニア−黒鉛質耐火物が開示されている。また、特開平5
−367号公報には、ジルコニアが70〜90重量%と
黒鉛が10〜30%からなるジルコニア−黒鉛質耐火物
において、ジルコニアの粒度構成を125μmを越える
粒子が30〜65重量%、125〜45μmの粒子が2
0〜55重量%、45μm未満の粒子が15〜45重量
%とすることが開示されている。
が、配合するジルコニアの粒度を調整することによって
行われるようになり、例えば、特開昭62−14807
6号公報には、粒径100μm以下のジルコニアを使用
することによって、最大95重量%まで増大したジルコ
ニア−黒鉛質耐火物が開示されている。また、特開平5
−367号公報には、ジルコニアが70〜90重量%と
黒鉛が10〜30%からなるジルコニア−黒鉛質耐火物
において、ジルコニアの粒度構成を125μmを越える
粒子が30〜65重量%、125〜45μmの粒子が2
0〜55重量%、45μm未満の粒子が15〜45重量
%とすることが開示されている。
【0006】しかしながら、単に100μm以下のジル
コニアを使用しただけでは、黒鉛含有量の低下に伴う耐
スポーリング性の低下の影響が大きく、実使用では、ス
ポーリングによる割れが原因となり、また、その粒度構
成の調整による場合でも、ジルコニアの添加量が最大9
0重量%までであり、耐食性がまだ不十分であり、ま
た、125μmを越える粒子径の大きな原料を多く使用
しているので、弾性率が上り、耐熱衝撃性が低下する間
題があり、耐熱衝撃性の改善には至ってないという問題
がある。
コニアを使用しただけでは、黒鉛含有量の低下に伴う耐
スポーリング性の低下の影響が大きく、実使用では、ス
ポーリングによる割れが原因となり、また、その粒度構
成の調整による場合でも、ジルコニアの添加量が最大9
0重量%までであり、耐食性がまだ不十分であり、ま
た、125μmを越える粒子径の大きな原料を多く使用
しているので、弾性率が上り、耐熱衝撃性が低下する間
題があり、耐熱衝撃性の改善には至ってないという問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐食
性の向上のためにジルコニア含有量を高くしても耐スポ
ーリングにおいても優れたものとなるジルコニア−黒鉛
材質耐火物を提供することにある。
性の向上のためにジルコニア含有量を高くしても耐スポ
ーリングにおいても優れたものとなるジルコニア−黒鉛
材質耐火物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジルコニアの
使用量を増加した領域において、粒度構成を適切に調整
することによって耐熱衝撃性が向上するという知見に基
づいて完成した。
使用量を増加した領域において、粒度構成を適切に調整
することによって耐熱衝撃性が向上するという知見に基
づいて完成した。
【0009】すなわち、本発明のジルコニア−黒鉛質耐
火物は、粒径が150〜10μmの中間粒ジルコニアを
40〜87重量%と粒径が10μm未満の微粉ジルコニ
アを10〜50重量%と黒鉛を2〜10重量%とからな
る原料配合物を使用した。
火物は、粒径が150〜10μmの中間粒ジルコニアを
40〜87重量%と粒径が10μm未満の微粉ジルコニ
アを10〜50重量%と黒鉛を2〜10重量%とからな
る原料配合物を使用した。
【0010】また、粒径が150μmを越えかつ500
μm以下の粗粒ジルコニアを1〜30重量%と、粒径が
150〜10μmの中間粒ジルコニアを40〜87重量
%と、粒径が10μm未満の微粉ジルコニアを10〜5
0重量%と、黒鉛を2〜10重量%とからなる原料配合
物を使用することもできる。
μm以下の粗粒ジルコニアを1〜30重量%と、粒径が
150〜10μmの中間粒ジルコニアを40〜87重量
%と、粒径が10μm未満の微粉ジルコニアを10〜5
0重量%と、黒鉛を2〜10重量%とからなる原料配合
物を使用することもできる。
【0011】粒子径が500μm以下でかつ150μm
を越える粗粒ジルコニア(以下粗粒ジルコニアと呼ぶ)
は耐食性の向上に効果があり、また亀裂発生時には亀裂
を迂回させる効果があり耐用性改善に効果的である。し
かし一方で弾性率の増加を引き起こし耐熱衝撃性の低下
の原因となる。したがって、耐熱衝撃性を重要視しなく
てはならない条件下においては粗粒ジルコニアの使用量
は限定され、粗粒ジルコニアはできるだけ使用しない方
が好ましいということになる。
を越える粗粒ジルコニア(以下粗粒ジルコニアと呼ぶ)
は耐食性の向上に効果があり、また亀裂発生時には亀裂
を迂回させる効果があり耐用性改善に効果的である。し
かし一方で弾性率の増加を引き起こし耐熱衝撃性の低下
の原因となる。したがって、耐熱衝撃性を重要視しなく
てはならない条件下においては粗粒ジルコニアの使用量
は限定され、粗粒ジルコニアはできるだけ使用しない方
が好ましいということになる。
【0012】しかしながら、粗粒ジルコニアを使用する
と組織が緻密化し見掛け気孔率が低下するので、低融物
の浸入を抑制し耐食性が向上する。したがって、耐食性
を優先する場合には、粗粒を30重量%までは添加する
ことができる。また、30重量%を越えると、弾性率の
増加により耐熱衝撃性が低下する。
と組織が緻密化し見掛け気孔率が低下するので、低融物
の浸入を抑制し耐食性が向上する。したがって、耐食性
を優先する場合には、粗粒を30重量%までは添加する
ことができる。また、30重量%を越えると、弾性率の
増加により耐熱衝撃性が低下する。
【0013】また、粒子径が10μm未満の微粉ジルコ
ニア(以下微粉ジルコニアと呼ぶ)は耐摩耗性の向上に
は効果があるが、焼結しやすく弾性率の増加を引き起こ
し耐熱衝撃性が低下し、また、耐食性低下の原因とな
る。また微粉ジルコニアが50重量%を越えると弾性率
増加による耐熱衝撃性の低下、および耐食性の低下が生
じる。従って、微粉ジルコニアの配合量は10〜50重
量%が好適である。
ニア(以下微粉ジルコニアと呼ぶ)は耐摩耗性の向上に
は効果があるが、焼結しやすく弾性率の増加を引き起こ
し耐熱衝撃性が低下し、また、耐食性低下の原因とな
る。また微粉ジルコニアが50重量%を越えると弾性率
増加による耐熱衝撃性の低下、および耐食性の低下が生
じる。従って、微粉ジルコニアの配合量は10〜50重
量%が好適である。
【0014】また、150μm〜10μmのジルコニア
(以下中間粒ジルコニアと呼ぶ)の配合量は40〜87
重量%が好ましい。40重量%未満の場合には粗粒ジル
コニア、および微粉ジルコニアの配合量が増加するた
め、弾性率増加により耐熱衝撃性は低下し、また87重
量%を越えると微粉ジルコニアの配合量が減少し、耐摩
耗性が低下する。従って中間粒ジルコニアの配合量は4
0〜87重量%が好適である。
(以下中間粒ジルコニアと呼ぶ)の配合量は40〜87
重量%が好ましい。40重量%未満の場合には粗粒ジル
コニア、および微粉ジルコニアの配合量が増加するた
め、弾性率増加により耐熱衝撃性は低下し、また87重
量%を越えると微粉ジルコニアの配合量が減少し、耐摩
耗性が低下する。従って中間粒ジルコニアの配合量は4
0〜87重量%が好適である。
【0015】上記の知見に基づいて、本発明では、耐熱
衝撃性を向上させるために、粗粒ジルコニアの使用を制
限し、中間粒ジルコニア主体のジルコニア原料を使用す
る配合構成とした。このため、ジルコニア使用量を増や
しても、弾性率の上昇を抑制できるために耐熱衝撃性に
優れたジルコニア−黒鉛質耐火物が得られる。
衝撃性を向上させるために、粗粒ジルコニアの使用を制
限し、中間粒ジルコニア主体のジルコニア原料を使用す
る配合構成とした。このため、ジルコニア使用量を増や
しても、弾性率の上昇を抑制できるために耐熱衝撃性に
優れたジルコニア−黒鉛質耐火物が得られる。
【0016】ジルコニア−黒鉛質耐火物の耐食性はジル
コニア原料の配合量に左右され、配合量を多くすること
によって耐食性が向上する一方で、前記粒度構成を満足
する条件の下でジルコニアを従来より多く使用しても耐
熱衝撃性の低下を抑制することができる。
コニア原料の配合量に左右され、配合量を多くすること
によって耐食性が向上する一方で、前記粒度構成を満足
する条件の下でジルコニアを従来より多く使用しても耐
熱衝撃性の低下を抑制することができる。
【0017】しかしながら、耐食性と耐熱衝撃性の両方
を高水準で維持するためには、ジルコニア原料の全配合
量は全耐火物中90〜98重量%好適である。
を高水準で維持するためには、ジルコニア原料の全配合
量は全耐火物中90〜98重量%好適である。
【0018】本発明に使用するジルコニアは、CaO,
MgO,Y2O3等の安定化剤を添加したジルコニアの1
種のみあるいは2種以上を組み合わせたジルコニア原料
が使用できる。さらに、これらの安定化材を添加した原
料に、安定化材を添加していない未安定化ジルコニアの
併用も可能である。
MgO,Y2O3等の安定化剤を添加したジルコニアの1
種のみあるいは2種以上を組み合わせたジルコニア原料
が使用できる。さらに、これらの安定化材を添加した原
料に、安定化材を添加していない未安定化ジルコニアの
併用も可能である。
【0019】また、黒鉛は、鱗状黒鉛、電極屑、土状黒
鉛等が使用可能で、その粒度は500μm〜45μmが
好ましい。
鉛等が使用可能で、その粒度は500μm〜45μmが
好ましい。
【0020】ジルコニア−黒鉛質耐火物においては、使
用中の黒鉛の酸化により気孔が発生、見掛気孔率は増加
しこの気孔にスラグが浸潤する。本発明のように黒鉛量
が少ないジルコニア−黒鉛質耐火物においては黒鉛の酸
化抑制の点において低気孔率化は必要である。また、本
発明のジルコニアを使用し通常の圧力で成形した場合に
は、還元焼成後の見掛け気孔率が8%以上となる。8%
以下にしようとすれば成形時に過剰の加圧力が必要とな
るため経済的に無意味である。また、組織が緻密化する
ため、弾性率が高くなり耐熱衝撃性が悪くなる。そのた
め、見掛気孔率は8〜23%であることが好ましい。
用中の黒鉛の酸化により気孔が発生、見掛気孔率は増加
しこの気孔にスラグが浸潤する。本発明のように黒鉛量
が少ないジルコニア−黒鉛質耐火物においては黒鉛の酸
化抑制の点において低気孔率化は必要である。また、本
発明のジルコニアを使用し通常の圧力で成形した場合に
は、還元焼成後の見掛け気孔率が8%以上となる。8%
以下にしようとすれば成形時に過剰の加圧力が必要とな
るため経済的に無意味である。また、組織が緻密化する
ため、弾性率が高くなり耐熱衝撃性が悪くなる。そのた
め、見掛気孔率は8〜23%であることが好ましい。
【0021】本発明のジルコニア−黒鉛質耐火物は、常
法により本発明の原料配合物に適量のフェノールレジン
を添加混練し、成形後、還元焼成によって得られる。
法により本発明の原料配合物に適量のフェノールレジン
を添加混練し、成形後、還元焼成によって得られる。
【0022】また、本発明の技術思想の範囲の中で浸漬
ノズルの製造に用いられる種々の公知の添加剤が使用で
き、それらは本発明の権利範囲に含まれる。例えば、酸
化防止剤としてSiCやZrB2、CaB6、B4C等の
非酸化物を添加することが可能であり、強度向上や酸化
防止のためにSiやAl、Mg、Zr等の金属類を添加
することも可能である。
ノズルの製造に用いられる種々の公知の添加剤が使用で
き、それらは本発明の権利範囲に含まれる。例えば、酸
化防止剤としてSiCやZrB2、CaB6、B4C等の
非酸化物を添加することが可能であり、強度向上や酸化
防止のためにSiやAl、Mg、Zr等の金属類を添加
することも可能である。
【0023】さらに、炭素質原料としては無煙炭、ピッ
チ、カーボンブラック等があり強度向上、組織の緻密化
等を目的に使用することができる。
チ、カーボンブラック等があり強度向上、組織の緻密化
等を目的に使用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を浸漬ノ
ズルに適用した実施例によって説明する。
ズルに適用した実施例によって説明する。
【0025】実施例1 この実施例はジルコニア原料粒度の特性に与える影響を
見たものである。表1と表2に示す組成と粒度構成を有
する原料配合物にフェノールレジンを添加して混練し、
1000kg/cm2の圧力でノズル形状にCIP成形
し、コークス中に埋め込んで,最高温度1000℃で還
元焼成してテスト用試料を得た。この試料の曲げ強度、
弾性率、熱膨張率、それに、耐熱衝撃抵抗係数と溶損指
数を調べた。
見たものである。表1と表2に示す組成と粒度構成を有
する原料配合物にフェノールレジンを添加して混練し、
1000kg/cm2の圧力でノズル形状にCIP成形
し、コークス中に埋め込んで,最高温度1000℃で還
元焼成してテスト用試料を得た。この試料の曲げ強度、
弾性率、熱膨張率、それに、耐熱衝撃抵抗係数と溶損指
数を調べた。
【0026】それぞれの測定値は、曲げ強度は3点曲げ
法により,弾性率は超音波法により得た。熱膨張率は市
販の熱膨張計で測定し1500℃までの平均線膨張係数
を示した。さらに、また、熱衝撃抵抗係数はポアソン比
がほぼ一定であるため次式により計算した。
法により,弾性率は超音波法により得た。熱膨張率は市
販の熱膨張計で測定し1500℃までの平均線膨張係数
を示した。さらに、また、熱衝撃抵抗係数はポアソン比
がほぼ一定であるため次式により計算した。
【0027】(熱衝撃抵抗係数)=(曲げ強度)/
[(弾性率)×(熱膨張係数)] 数値は大きいほど耐スポール性に優れており、過去の実
炉テストでの使用結果から、経験的に熱衝撃抵抗係数が
160以上を合格と判定した。また、溶損指数は、耐蝕
性の比較のためにスラグ浸漬試験による溶損量を指数化
したものである。スラグ浸漬試験は、ジルコニア−黒鉛
質るつぼ中に溶鋼を投入し高周波誘導炉にて1600℃
まで昇温、加熱溶融させ、これにモールドパウダーを投
入、溶融させた。この溶鋼及びモールドパウダー中に試
料を2時間浸漬し、溶損速度を計算、これを指数化し
た。
[(弾性率)×(熱膨張係数)] 数値は大きいほど耐スポール性に優れており、過去の実
炉テストでの使用結果から、経験的に熱衝撃抵抗係数が
160以上を合格と判定した。また、溶損指数は、耐蝕
性の比較のためにスラグ浸漬試験による溶損量を指数化
したものである。スラグ浸漬試験は、ジルコニア−黒鉛
質るつぼ中に溶鋼を投入し高周波誘導炉にて1600℃
まで昇温、加熱溶融させ、これにモールドパウダーを投
入、溶融させた。この溶鋼及びモールドパウダー中に試
料を2時間浸漬し、溶損速度を計算、これを指数化し
た。
【0028】表1と表2に示す試料No.1〜No.1
3は本発明の実施例を示し、表2におけるNo.14〜
No.16は比較例を示すもので、No.14は、粗粒
ジルコニアが本発明の範囲外であり、No.15は微粉
がその所定量より多い例であり、また、No.16は、
中間粒がその所定量より多い例を示す。
3は本発明の実施例を示し、表2におけるNo.14〜
No.16は比較例を示すもので、No.14は、粗粒
ジルコニアが本発明の範囲外であり、No.15は微粉
がその所定量より多い例であり、また、No.16は、
中間粒がその所定量より多い例を示す。
【0029】
【表1】
【表2】 同表から、本発明の実施例の場合は、熱衝撃抵抗係数が
少なくとも160以上あり比較品よりも良好であること
がわかる。No.14は、組織が緻密化したため弾性率
が高くなり、熱衝撃抵抗係数が151と低く本発明と比
較して耐熱衝撃性に劣ることがわかる。No.15は、
微粉が多すぎるために、組織が緻密化し弾性率が高くな
り、耐熱衝撃性に劣っている。No.16は、微粉量が
不足しているため、低強度となり実使用では問題があ
る。
少なくとも160以上あり比較品よりも良好であること
がわかる。No.14は、組織が緻密化したため弾性率
が高くなり、熱衝撃抵抗係数が151と低く本発明と比
較して耐熱衝撃性に劣ることがわかる。No.15は、
微粉が多すぎるために、組織が緻密化し弾性率が高くな
り、耐熱衝撃性に劣っている。No.16は、微粉量が
不足しているため、低強度となり実使用では問題があ
る。
【0030】実施例2 表3は、黒鉛量減量による耐食性への影響について従来
と比較した結果である。
と比較した結果である。
【0031】
【表3】 品質測定結果より明らかなように、試料No.18〜N
o.20は本発明の実施例を示し、No.17とNo.
21は比較例を示す。本発明の実施例の場合、ジルコニ
アの配合量の増量に対応して耐食性が向上し、しかも耐
熱衝撃性の低下を抑制することができたことを示す。こ
れに対して、比較例のNo.17は、ジルコニアが88
%であり、耐熱衝撃性に優れてはいるが、耐食性が低
い。また、No.21はジルコニアの増量により耐食性
は向上しているが、ジルコニア増量による弾性率の増加
により、耐熱衝撃性が低下し実使用レベルにはない。
o.20は本発明の実施例を示し、No.17とNo.
21は比較例を示す。本発明の実施例の場合、ジルコニ
アの配合量の増量に対応して耐食性が向上し、しかも耐
熱衝撃性の低下を抑制することができたことを示す。こ
れに対して、比較例のNo.17は、ジルコニアが88
%であり、耐熱衝撃性に優れてはいるが、耐食性が低
い。また、No.21はジルコニアの増量により耐食性
は向上しているが、ジルコニア増量による弾性率の増加
により、耐熱衝撃性が低下し実使用レベルにはない。
【0032】実施例3 表1に示す試料のNo.6と表2に示すNo.14、そ
れに表3に示す試料No.17の材質をパウダーライン
に適用した浸漬ノズルを作製し、タンディッシュに取り
付けて実炉試験に供した。テスト本数は各10本ずつ使
用した。
れに表3に示す試料No.17の材質をパウダーライン
に適用した浸漬ノズルを作製し、タンディッシュに取り
付けて実炉試験に供した。テスト本数は各10本ずつ使
用した。
【0033】No.6の材質は、途中で破損することな
く、1本あたり平均400分使用することができた。N
o.14は、10本中3本は途中でスポーリングによる
亀裂が発生し使用を中断した。No.17は、パウダー
ラインの溶損により、平均350分使用できたに過ぎ
ず、本発明の実施例であるNo.6より耐食性が劣る結
果となった。
く、1本あたり平均400分使用することができた。N
o.14は、10本中3本は途中でスポーリングによる
亀裂が発生し使用を中断した。No.17は、パウダー
ラインの溶損により、平均350分使用できたに過ぎ
ず、本発明の実施例であるNo.6より耐食性が劣る結
果となった。
【0034】
【発明の効果】(1) 粗粒ジルコニアを使用せず、中
間粒ジルコニアを主体とし微粉ジルコニアを併用するこ
とで耐スポーリング性が向上し、従来よりもジルコニア
含有量を増やすことが可能になるため、耐用性が向上す
る。
間粒ジルコニアを主体とし微粉ジルコニアを併用するこ
とで耐スポーリング性が向上し、従来よりもジルコニア
含有量を増やすことが可能になるため、耐用性が向上す
る。
【0035】(2) 特定の粒度構成において粗粒ジル
コニアの量が、30重量%までであれば、耐熱衝撃性の
低下が少ない範囲でさらに耐食性を向上することができ
る。
コニアの量が、30重量%までであれば、耐熱衝撃性の
低下が少ない範囲でさらに耐食性を向上することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山城 浩敬 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎窯業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−7366(JP,A) 特開 平2−164767(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/49 B22D 11/10 B22D 41/54
Claims (2)
- 【請求項1】 粒径が150〜10μmの中間粒ジルコ
ニアを40〜87重量%と、粒径が10μm未満の微粉
ジルコニアを10〜50重量%と、黒鉛を2〜10重量
%とからなる原料配合物を使用したことを特徴とする耐
熱衝撃性に優れるジルコニア−黒鉛質耐火物。 - 【請求項2】 粒径が150μmを越えかつ500μm
以下の粗粒ジルコニアを1〜30重量%と、粒径が15
0〜10μmの中間粒ジルコニアを40〜87重量%
と、粒径が10μm未満の微粉ジルコニアを10〜50
重量%と、黒鉛を2〜10重量%とからなる原料配合物
を使用したことを特徴とする耐熱衝撃性に優れるジルコ
ニア−黒鉛質耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35589897A JP3159432B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 耐熱衝撃性に優れるジルコニア−黒鉛質耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35589897A JP3159432B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 耐熱衝撃性に優れるジルコニア−黒鉛質耐火物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11189467A JPH11189467A (ja) | 1999-07-13 |
JP3159432B2 true JP3159432B2 (ja) | 2001-04-23 |
Family
ID=18446300
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP35589897A Expired - Lifetime JP3159432B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 耐熱衝撃性に優れるジルコニア−黒鉛質耐火物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3159432B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7060831B1 (ja) * | 2021-07-29 | 2022-04-27 | 品川リフラクトリーズ株式会社 | ジルコニア-カーボン質耐火材料、浸漬ノズル、およびジルコニア-カーボン質耐火材料の製造方法 |
-
1997
- 1997-12-24 JP JP35589897A patent/JP3159432B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11189467A (ja) | 1999-07-13 |
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