JPH10130053A - 鋳造用耐火物、連続鋳造用ノズル及びその製造方法 - Google Patents

鋳造用耐火物、連続鋳造用ノズル及びその製造方法

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JPH10130053A
JPH10130053A JP8297930A JP29793096A JPH10130053A JP H10130053 A JPH10130053 A JP H10130053A JP 8297930 A JP8297930 A JP 8297930A JP 29793096 A JP29793096 A JP 29793096A JP H10130053 A JPH10130053 A JP H10130053A
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悦弘 長谷部
Yoichiro Mochizuki
陽一郎 望月
Hitoshi Takigawa
整 瀧川
Tetsuo Fushimi
哲郎 伏見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐スポーリング性、耐食性、耐酸化性に優
れ、また、安定化剤のCaOの流れ出しを抑制して脱安
定化現象を極力防止することが可能な、長寿命の鋳造用
耐火物及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 安定化または部分安定化されたZrO2
原料30〜70重量%、平均粒径75μm以下の未安定
化ZrO2 原料5〜30重量%、黒鉛10〜40重量%
に対して外率で炭化硼素、炭化珪素、窒化硼素、金属シ
リコン、アルミナ、金属アルミニウムの少なくとも一種
を1〜30重量%(ただし、金属シリコンと金属アルミ
ニウムは合計で10重量%以下)添加した原料から製造
される鋳造用耐火物。その製法は、前記原料を混合して
所定形状に成形し、還元雰囲気中において800〜12
00℃の温度で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋳造用耐火物、連続
鋳造用ノズル及びその製造方法に関し、特にモールドパ
ウダーやスラグに対する耐溶損性・耐食性、鋼に対する
耐浸潤性を備える鋳造用耐火物、連続鋳造用浸漬ノズル
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳造用ノズル等においてモールド
・パウダーやスラグに接する部分、例えばパウダーライ
ン部の鋳造用耐火物としては、一般にZrO2 −C系の
材質が用いられている。ZrO2 原料としては、未安定
化原料と安定化原料が適宜用いられる。
【0003】また、特開昭60−4153号、特開昭5
2−1345号、特開昭63−52986号公報に記載
された耐火物は、ZrO2 −C材質に対して窒化硼素、
マグネシア、カルシア、炭化珪素、金属シリコン等を加
えることによって、溶融金属やスラグパウダーに対する
耐食性と耐スポーリング性を向上している。特に、スラ
グパウダーは浸食性の大きなアルカリ成分やフッ素成分
を含む溶融スラグとなるため、高耐食性が要求される。
【0004】ところで、ZrO2 −C系材質の耐火物に
おいては、耐スポーリング性を向上するために熱膨脹係
数を均一にすることが重要である。このため、近年は、
安定化ZrO2 原料を単独で用いるか、あるいは安定化
ZrO2 原料と未安定化ZrO2 原料を混合して使用す
ることが多い。
【0005】従来、ZrO2 原料を安定化するための安
定化剤としてはCaO、MgO、Y2 3 等が知られて
いる。コスト的な観点からは、CaOで安定化されたZ
rO2 原料が有利である。
【0006】他方、特開平4−1820号、特開平5−
361号、特開平5−367号公報に記載の連続鋳造用
浸漬ノズルは、部分安定化ジルコニアの粒度を連続粒度
配合とすることによって耐火物特性を改善している。
【0007】また、特開昭62−148076号公報
は、100μm以下の未安定化ジルコニアを35〜70
重量%含むカーボン含有連続鋳造用耐火物を示してい
る。
【0008】さらに、特開平5−17812号は、部分
安定化ジルコニアを50〜95重量%(未安定化ジルコ
ニアの残部)含み、10μm以下の未安定化ジルコニア
を5〜50重量%含む浸漬ノズルを開示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の安定化
ZrO2 原料は、長時間の連続鋳造を行う場合に脱安定
化現象が生じ易い問題がある。
【0010】すなわち、熱サイクル過程でノズルが高温
になるとCaOが分解してZrO2粒外に流出し、スラ
グ中のAl2 3 、SiO2 等と反応して低融点物質が
生成されるのである。このように、ZrO2 −C材質中
に低融点物質が生成すると、材質自体が溶損し、ノズル
寿命が短くなってしまう。
【0011】このような脱安定化を防止するために、次
のような方法が考えられる。 全てにY2 3 単独の安定化剤を用いたZrO2 原料
を用いる。 全てに未安定化ZrO2 原料を用いる。 全てにY2 3 −CaO安定化原料を用いる。 Y2 3 単独の安定化剤を用いたZrO2 原料と未安
定化ZrO2 原料を組み合わせる。 CaO安定化原料と未安定化ZrO2 原料を組み合わ
せる。
【0012】しかし、このような〜の方法にも種々
の欠点がある。は、コストが高い割には耐食性向上効
果が少ない。は、1000〜1200℃で生じる単斜
晶系←→正方晶系の相転移に伴い体積変化が生じスポ−
リング特性が低下する。また、未安定化ZrO2 は製造
過程で粒子に入る亀裂が多く、大量に用いても耐食性向
上効果は得られない。は、耐食性の向上を得られる
が、未安定化ZrO2 原料との組み合せによる効果のほ
うがより大きい。は、コストが高い割には耐食性向上
効果が少ない。は、ある程度の効果は得られるが実用
的に十分な耐食性は得られない。
【0013】ところで、近年、鋳造工程における鋳込み
速度が速くなるに伴い、従来よりも粘性が低いモールド
パウダーが使用されるようになってきた。
【0014】それゆえ、より耐食性に優れたパウダーラ
イン部用の耐火物の必要性は益々高まっている。
【0015】本発明は、このような従来技術に鑑み、耐
スポーリング性、耐食性、耐酸化性に優れ、また、安定
化剤のCaOの流れ出しを抑制して脱安定化現象を極力
防止することが可能な、長寿命の鋳造用耐火物、連続鋳
造用ノズル及びその製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願第1発明は、安定化
または部分安定化されたZrO2 原料30〜70重量
%、平均粒径75μm以下の未安定化ZrO2 原料5〜
30重量%、黒鉛10〜40重量%に対して外率で炭化
硼素、炭化珪素、窒化硼素、金属シリコン、アルミナ、
金属アルミニウムの少なくとも一種を1〜30重量%
(ただし、金属シリコンと金属アルミニウムは合計で1
0重量%以下)添加した原料から製造したことを特徴と
する鋳造用耐火物を要旨としている。
【0017】本願第2発明は、安定化または部分安定化
されたZrO2 原料30〜70重量%、平均粒径75μ
m以下の未安定化ZrO2 原料5〜30重量%、黒鉛1
0〜40重量%に対して外率で炭化硼素、炭化珪素、窒
化硼素、金属シリコン、アルミナ、金属アルミニウムの
少なくとも一種を1〜30重量%(ただし、金属シリコ
ンと金属アルミニウムは合計で10重量%以下)添加し
た原料を混合して所定形状に成形し、還元雰囲気中にお
いて800〜1200℃の温度で焼成することを特徴と
する鋳造用耐火物の製造方法を要旨としている。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の鋳造用耐火物は、安定化
または部分安定化されたZrO2 原料30〜70重量
%、平均粒径75μm以下の未安定化ZrO2 原料5〜
30重量%、黒鉛10〜40重量%に対して外率で炭化
硼素、炭化珪素、窒化硼素、金属シリコン、アルミナ、
金属アルミニウムの少なくとも一種を1〜30重量%
(ただし、金属シリコンと金属アルミニウムは合計で1
0重量%以下)添加した原料から製造される。
【0019】安定化または部分安定化されたZrO2
料が30重量%未満の場合には、モールドパウダーやス
ラグ等に対する十分な耐食性が得られない。また、Zr
2原料が70重量%を超える場合には、耐スポーリン
グ性が劣化すると共に、鋼とのぬれ性が良くなり鋼の浸
潤を促す結果となる。
【0020】このような観点から、安定化または部分安
定化されたZrO2 原料のより好ましい配合量は、60
〜90重量%である。
【0021】未安定化ZrO2 原料の含有量が5重量%
未満の場合には、CaO低減の効果及び耐食性の向上効
果が得られない。また、未安定化ZrO2 原料の含有量
が30重量%を超える場合にも、十分な耐食性が得られ
ないばかりか、1000〜1200℃で生じる相転移の
影響で耐スポーリング性も低下する。
【0022】このような観点から、未安定化ZrO2
料のより好ましい配合量は、5〜30重量%である。
【0023】未安定化ZrO2 原料の平均粒径が75μ
mを超える場合には、粒子に亀裂が入りやすくなり、耐
食性が低下する。未安定化ZrO2 原料の平均粒径は、
より好ましくは55μm以下である。
【0024】ZrO2 原料は、ZrO2 を90重量%以
上含むZrO2 質電融体骨材であることが望ましい。
【0025】黒鉛は溶鋼およびスラグとの難濡れ性と熱
伝導率が高く、また熱膨張係数が小さい特徴を有してい
る。ZrO2 原料に配合する黒鉛が10重量%未満の場
合には、ZrO2 原料が70重量%を超えた場合と同様
の理由で、耐スポーリング性の低下及び鋼の浸潤が問題
となり易い。
【0026】このような観点から、黒鉛のより好ましい
配合量は、10〜40重量%である。
【0027】金属シリコンは、炭素成分の酸化防止や、
熱間での強度保持に役立つ。
【0028】炭化珪素は、耐スポーリング性の向上及び
酸化防止に役立つ。
【0029】金属シリコンおよび/または金属アルミニ
ウムの合計を10重量%以下としたのは、例えば閉塞
(ノズルの場合)や、動弾性率の上昇になる耐スポーリ
ング性の低下等の不具合を招かないためである。
【0030】本発明の好ましい実施態様では、部分安定
化ZrO2 原料30〜70重量%と、平均粒径75μm
以下、最大粒径80μm以下の未安定化ZrO2 5〜3
0重量%と、黒鉛10〜40重量%と外率で、1〜30
重量%の炭化珪素および/または金属シリコン(ただ
し、金属シリコンは最大10重量%以下)からなり、前
記未安定化ZrO2 の平均粒径3μm以下の粒子が前記
の全構成原料の1〜20重量%を占めることを特徴とし
ている。
【0031】未安定化ZrO2 の最大粒径が80μmを
超えたり、平均粒径3μm以下の粒子が前記の全構成原
料の1重量%未満または20重量%を超える場合には、
耐熱衝撃性と耐食性が低下する恐れがある。
【0032】このように未安定化ZrO2 の粒度配合を
微粉側にシフトさせた理由を、以下に述べる。
【0033】一般に、ZrO2 −C系材質の耐火物にお
いては、ジルコニア粒子の粒子間にカーボン等が存在し
ている。耐火物が溶融スラグと接触すると、ジルコニア
のうち粒度配合の粗い粒子がそのまま溶融スラグ中へ流
れ出すことにより、材料の溶損が進行していく。
【0034】このような不具合を解消するため、粒度配
合を、連続的な粒度配合のまま微粉側へシフトさせるこ
とが考えられる。しかしながら、全てのジルコニアを微
粉にした場合にはジルコニアとしての含有量が同じでも
粒子の比表面積が増大し、前述の脱安定化現象が生じ易
くなり、反って耐食性が低下してしまう。
【0035】そこで、本発明の好適な実施態様では、未
安定化ZrO2 原料5〜30重量%の平均粒径を75μ
m以下、最大粒径を80μm以下とし、さらに平均粒径
3μm以下の粒子が前記の全構成原料の1〜20重量%
を占めるように粒度配合を設定する。
【0036】前述のような粒度配合を採用することによ
り、原料の充填性を向上して耐火物を緻密化できる利点
も得られる。
【0037】このような観点から、未安定化ZrO2
料のより好ましい最大粒径は80μmである。また、平
均粒径3μm以下の粒子の全構成原料に対する配合量
は、より好ましくは1〜20重量%とする。
【0038】本発明の好ましい実施態様では、ZrO2
の安定化剤としてCaO1.0〜4.0重量%とY2
3 0.5〜3.0重量%を用いる構成になっている。
【0039】従来技術でも述べたように、CaOを安定
化剤として用いたZrO2 −C材質の耐火物では、熱サ
イクル時に脱安定化現象が生じ易い。一方、Y2 3
場合には、高温での脱安定化現象は防止できるが、十分
な効果を得るには5重量%以上の添加が必要でありコス
ト高となる。また、ZrO2 の正味の含有量も少なくな
ってしまう。
【0040】そこで、本発明の実施態様では、CaOと
2 3 を適量づつ混合して用いることによって、Y2
3 を単独で用いた場合と同様の脱安定化抑制効果が得
られ、かつ高耐食性を実現できる構成になっている。
【0041】このように、高温下で低融点物質を作りう
るCaOの含有量を極力抑える目的で粗粒にY2 3
CaO安定化原料を用い、微粉に全くCaOを含まない
未安定原料を使用することで材質全体のCaO量を極力
抑えるのである。
【0042】ZrO2 原料の安定化剤として用いるCa
OとY2 3 の量は、[(Ic +It )/(Ic +It
+Im )]×100で表される安定化度が50〜98%
となるような範囲である。なお、Iは粉末X線ピーク強
度、cはcubic 、tはtetragonal、mはmonoclinicを意
味している。
【0043】ところで、本発明において、外率で1〜3
0重量%添加される炭化硼素、炭化珪素、窒化硼素、金
属シリコン、アルミナ、金属アルミニウムの少なくとも
一種は、耐酸化特性を強める作用を有する。特に、アル
ミナを添加する場合には、ZrO2 −C材質中に在っ
て、特に粘性の小さいパウダーと反応してパウダーの粘
性を増加させ、材質中へのパウダーの侵入を防止する効
果も期待できる。
【0044】しかし、一般に、アルミナを含む前記物質
を添加すると、耐酸化効果を奏する過程でB2 3 、S
iO、SiO2 、Al2 3 等の酸化物が生成し、Zr
2中より生じたCaOと反応して低融点物質を作り、
耐食性を劣化させる不具合が生じる場合がある。つま
り、前記物質の添加によって得られる効果の他に、弊害
が生じることもある。
【0045】このため、本発明の好ましい実施態様で
は、安定化剤として適量のY2 3 とCaOを用い、前
記不具合の発生を確実に防止する構成になっている。す
なわち、Y2 3 はB2 3 、SiO2 、Al2 3
と結合し、それぞれの融点を上げる特性を持ち、耐酸化
性を与えるために添加した炭化硼素、炭化珪素、窒化硼
素、金属シリコン、アルミナ、金属アルミニウム等から
発生するB2 3 、SiO2 、Al2 3 とZrO2
のCaOによって生成される低融点化合物の発生を抑制
するのである。このため、耐食性を劣化させずに、確実
に耐酸化性を高めることができる。
【0046】本発明の鋳造用耐火物の製造方法は、安定
化または部分安定化されたZrO2原料30〜70重量
%、平均粒径75μm以下の未安定化ZrO2 原料5〜
30重量%、黒鉛10〜40重量%に対して外率で炭化
硼素、炭化珪素、窒化硼素、金属シリコン、アルミナ、
金属アルミニウムの少なくとも一種を1〜30重量%
(ただし、金属シリコンと金属アルミニウムは合計で1
0重量%以下)添加した原料を混合して所定形状に成形
し、還元雰囲気中において800〜1200℃の温度で
焼成することを特徴としている。
【0047】前記焼成温度が800℃未満の場合には使
用するレジンバインダーの炭化が十分でなくなり、ま
た、焼成温度が1200℃を超える場合には使用原料が
熱変化を起こす恐れがある。
【0048】この発明の耐火物はモールドパウダーやス
ラグに接する部分に用いると、特に効果がある。
【0049】本発明の耐火物は、特にパウダーライン部
など特にモールドパウダーやスラグに対する耐溶損性、
耐食性が必要とされるところに部分的に用いることが好
ましい。
【0050】
【実施例】以下、表1を参照して本発明の実施例1〜5
及び比較例1〜10を説明する。
【0051】実施例1〜5及び比較例1〜10の鋳造用
ノズルのサンプルは、パウダーライン部に使用するもの
であり、表1に示す比率で耐火物原料を配合し、レジン
バインダーを添加し、静水圧プレスで成形したのち、還
元雰囲気中、1000℃で焼成することによって得たも
のである。サンプルの寸法は、直径が25mm、全長が
150mmであった。
【0052】そして、実施例1〜5及び比較例1〜10
の鋳造用ノズルのサンプルに対して、誘導炉浸食テスト
を行って、パウダーライン部の耐食性を比較した。
【0053】誘導炉浸食テストは、SS400、100
Kgを溶解し、1550℃に保持した溶鋼中に、塩基度
(CaO/SiO2 )=1.1、粘性1.5ポイズ(1
300℃において)のパウダー1Kgを投入し、サンプ
ルを30分間浸漬し、ベース材質を100とした時の溶
損量を求めたものである。つまり、表1に示す耐食性指
数は、比較例1を100としたものであり、指数が大き
い程耐食性に優れていることになる。
【0054】表1から分かるように、実施例1〜5のサ
ンプルは、比較例3に比べてパウダーライン部の耐食性
指数が約30%程度優れていた。
【0055】また、実施例3〜5のサンプルは、パウダ
ーライン部の耐火物がそれぞれ、炭化硼素3重量%、炭
化珪素3重量%、窒化硼素3重量%を含むため、耐酸化
特性にも優れていた。ここで注意すべきは、これらの酸
化防止剤を加えたにも拘らず、十分な耐食性を得ること
ができた点である。
【0056】因みに、比較例8等は、窒化硼素を3重量
%含むので耐酸化特性に優れているが、その反面、耐食
性が劣っていた。その理由は、前述したとおりである。
【0057】次に、表2を参照して本発明の実施例11
〜17及び比較例11〜13を説明する。
【0058】表2の*1は、熱衝撃抵抗係数=曲げ強さ
/(熱膨張率×動弾性率)によって算出され、この数値
が大きいほど耐熱衝撃性に優れている。同じく*2の耐
食性指数については、高周波誘導炉を用いて溶解した鋼
中に浸漬させることにより評価したもので、比較例11
を100とした時の溶損比により算出した。この数値が
大きい程、耐食性に優れている。
【0059】表2に示す粒度の原料を配合し、混練後、
成形圧1.5トン/cm2 の静水圧プレスにて成形し、
還元雰囲気下1000℃で焼成を行い、ノズルのパウダ
ーライン部用の試料耐火物を得た。
【0060】原料の配合は、比較例11を基本材質と
し、実施例11、実施例12、比較例12では、部分安
定化ジルコニアを順次、各粒度において未安定化ジルコ
ニアで置換した。
【0061】表2に示す物理特性を測定した結果、比較
例12では耐食性が低下した。これより、未安定化ジル
コニアは、平均粒径55μm以下(max80μm以
下)の粒子による置換が適正であることが確認された。
【0062】また、実施例13〜17及び比較例13で
は、粒度配合を微粉側にシフトさせる効果と、未安定化
ジルコニアの適正含有量を調べた。実施例13のよう
に、粒度配合を微粉側にシフトさせることにより、耐食
性指数が大きくなり、耐食性を向上できることが確認さ
れた。
【0063】また,実施例13〜17及び比較例13で
は、未安定化ジルコニアの含有量を増大させて、適正値
を超えると、熱衝撃抵抗係数が減少して耐スポーリング
性が低下することが確認された。比較例3では、熱衝撃
抵抗係数が大幅に減少している。
【0064】以上より、未安定化ジルコニアの粒径は平
均粒径55μm以下がより好ましく、その添加量は5〜
30重量%が適正範囲であることが確認された。ただ
し、添加量が50重量%以下であれば、それなりの効果
は得られる。
【0065】次に、表3を参照して本発明の実施例18
〜21及び比較例14〜15を説明する。
【0066】表3に示すように、未安定化ジルコニアの
粒径3μm以下の割合を変化させて、ノズルのパウダー
ライン部用の試料耐火物を製造し、熱衝撃抵抗係数と耐
食性指数の評価を行った。
【0067】その結果、全構成粒子のうち、未安定化Z
rO2 の粒径3μm以下の占める割合が0.65%の比
較例14、および26%の比較例15では、比較例11
よりも熱衝撃抵抗係数が小さく、粒度配合の変更および
未安定化ジルコニア使用の効果は確認できなかった。こ
れに対して、その添加量が3.3%、6.5%、13
%、19.5%である実施例18〜21では、いずれも
熱衝撃抵抗係数が大きかった。
【0068】以上の結果より、全構成出発原料のうち、
未安定化ZrO2 の粒径3μm以下の粒子の割合は、1
〜20重量%が適正であることが確認された。
【0069】なお、本発明のより良い理解のために(特
に1300℃以上の高温時におけるZrO2 安定化材の
パウダー、スラグ成分との反応を推定するために)、Y
2 3 とAl2 3 −SiO2 、B2 3 、CaO−S
iO2 との状態図、CaO−Al2 3 −SiO2 の状
態図を参照できる。これらの状態図は、例えば、「セラ
ミック工学ハンドブック」(技報堂発行)や「Phas
e Diagramsfor Ceramists」
(AMERICAN CERAMIC SOCIETY
発行)等の文献に記載されている。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】本発明の鋳造用耐火物、連続鋳造用ノズ
ル及びその製法によれば、耐食性を損わずに、耐酸化
性、耐スポーリング性を高めることが可能である。それ
ゆえ、本発明の鋳造用耐火物は連続鋳造用ノズルのパウ
ダーライン部の耐火物として最適である。
【0074】請求項3、6に記載の鋳造用耐火物及びそ
の製法によれば、安定化剤のCaOの流れ出しを抑制
し、脱安定化現象を極力防止することによって、耐食性
を高め長寿命としたパウダーライン部を有する鋳造用ノ
ズルを製造することが可能である。
【0075】また、安定化剤のY2 3 を高々3.0重
量%しか添加しないので、従来の同程度の耐食性を有す
る鋳造用ノズルよりも安価に提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伏見 哲郎 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安定化または部分安定化されたZrO2
    原料30〜70重量%、平均粒径75μm以下の未安定
    化ZrO2 原料5〜30重量%、黒鉛10〜40重量%
    に対して外率で炭化硼素、炭化珪素、窒化硼素、金属シ
    リコン、アルミナ、金属アルミニウムの少なくとも一種
    を1〜30重量%(ただし、金属シリコンと金属アルミ
    ニウムは合計で10重量%以下)添加した原料から製造
    したことを特徴とする鋳造用耐火物。
  2. 【請求項2】 部分安定化ZrO2 原料30〜70重量
    %と、平均粒径75μm以下、最大粒径80μm以下の
    未安定化ZrO2 5〜30重量%と、黒鉛10〜40重
    量%と外率で、1〜30重量%の炭化珪素および/また
    は金属シリコン(ただし、金属シリコンは最大10重量
    %以下)からなり、前記未安定化ZrO2 の平均粒径3
    μm以下の粒子が前記の全構成原料の1〜20重量%を
    占めることを特徴とする請求項1に記載の鋳造用耐火
    物。
  3. 【請求項3】 ZrO2 の安定化剤がCaO1.0〜
    4.0重量%及びY23 0.5〜3.0重量%である
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載
    の鋳造用耐火物。
  4. 【請求項4】 連続鋳造用ノズルのパウダーライン部が
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳造用耐火物で形
    成されている連続鋳造用ノズル。
  5. 【請求項5】 安定化または部分安定化されたZrO2
    原料30〜70重量%、平均粒径75μm以下の未安定
    化ZrO2 原料5〜30重量%、黒鉛10〜40重量%
    に対して外率で炭化硼素、炭化珪素、窒化硼素、金属シ
    リコン、アルミナ、金属アルミニウムの少なくとも一種
    を1〜30重量%(ただし、金属シリコンと金属アルミ
    ニウムは合計で10重量%以下)添加した原料を混合し
    て所定形状に成形し、還元雰囲気中において800〜1
    200℃の温度で焼成することを特徴とする鋳造用耐火
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 部分安定化ZrO2 原料30〜70重量
    %と、平均粒径75μm以下、最大粒径80μm以下の
    未安定化ZrO2 5〜30重量%と、黒鉛10〜40重
    量%と外率で、1〜30重量%の炭化珪素および/また
    は金属シリコン(ただし、金属シリコンは最大10重量
    %以下)からなり、前記未安定化ZrO2 の平均粒径3
    μm以下の粒子が前記の全構成原料の1〜20重量%を
    占める原料を混合して、所定形状に成形し、還元雰囲気
    中において800〜1200℃の温度で焼成することを
    特徴とする請求項5に記載の鋳造用耐火物の製造方法。
  7. 【請求項7】 ZrO2 の安定化剤がCaO1.0〜
    4.0重量%及びY23 0.5〜3.0重量%である
    ことを特徴とする請求項5〜6のいずれか1項に記載の
    鋳造用耐火物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれか1項に記載の方
    法によって製造された鋳造用耐火物で連続鋳造用ノズル
    のパウダーライン部を形成する連続鋳造用ノズルの製造
    方法。
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KR20160060986A (ko) * 2014-11-21 2016-05-31 주식회사 포스코 연속주조용 침지노즐, 이를 이용한 연속주조방법 및 침지노즐 제조방법
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