JP5679529B2 - メンテナンス情報管理装置および作業機械 - Google Patents
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(2) 請求項2の発明による作業機械は、エンジンと、メインポンプと、油圧アクチュエータと、請求項1に記載のメンテナンス情報管理装置とを備えることを特徴とする。
図1〜5を参照して、本発明によるメンテナンス情報管理装置および作業機械の第1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係るメンテナンス情報管理装置が適用される作業機械の一例であるクレーンの外観側面図である。クレーンは、走行体1と、旋回輪2を介して走行体上に旋回可能に設けられた旋回体3と、旋回体3に回動可能に軸支されたブーム4とを有する。旋回体3には巻上ドラム5と起伏ドラム6が搭載されている。巻上ドラム5には巻上ロープ5aが巻回され、巻上ドラム5の駆動により巻上ロープ5aが巻き取りまたは繰り出され、フック7が昇降する。起伏ドラム6には起伏ロープ6aが巻回され、起伏ドラム6の駆動により起伏ロープ6aが巻き取りまたは繰り出され、ブーム4が起伏する。
図4は、クレーンの油圧システムでエネルギ変換がどのように行われているかを示す図である。エンジン10から出力される回転運動エネルギは、メインポンプ11で流体運動エネルギに変換される。メインポンプ11から出力される流体運動エネルギは、油圧モータ12で回転運動エネルギに変換される。油圧モータ12から出力される回転運動エネルギは、巻上ドラム5(ウインチ)で直線運動エネルギに変換される。巻上ドラム5(ウインチ)から出力される直線運動エネルギは、吊り荷の位置エネルギに変換される。
Le=2×π×Te×ne/60000 [kW] ・・・(1)
ここで、Teはエンジン10の出力トルクであり、neはエンジン10の出力回転数である。
Lp=Pp×Qp/60 [kW] ・・・(2)
ここで、Ppはメインポンプ11の吐出圧力であり、Qpはメインポンプ11の吐出流量である。
Lm=Pm×Qm/60 [kW] ・・・(3)
ここで、Pmは油圧モータ12の有効圧力であり、Qmは油圧モータ12の吸入流量である。
Lw=2×π×Tw×nw/60000 [kW] ・・・(4)
ここで、Twはウインチの出力トルクであり、nwはウインチの出力回転数である。
Ll=F×V [kW] ・・・(5)
ここで、Fは吊り荷重であり、Vは吊り荷の移動速度である。
従来技術による装置として、作業機械の主要部品や消耗品のメンテナンスに関する情報を管理する装置が知られている。この従来技術の装置では、特定の作業の作業時に検出された、消耗品の負荷を代表させる代表値を累積して記憶し、記憶した代表値に基づいて、消耗品のメンテナンス時期に関する情報を導出している。この装置では、たとえば、クレーンにおける作業半径および吊り荷重の積であるモーメントと、作業時間に基づくモーメント時間との累積値で、吊り作業またはブーム起伏作業によって負荷の掛かる油圧ホース類のメンテナンス時期に関する情報を提供する。
(1−1−a) エンジン10の仕事率は、上述した仕事率Leで表される。コントローラ20は、エンジン10の出力トルクTe、およびエンジン10の出力回転数neをECU27から取得して、上述した(1)式で仕事率Leを算出する。
図5は、上述したメンテナンス情報の管理に関する処理の動作を示したフローチャートである。本実施の形態のクレーンの不図示のイグニッションスイッチがオンされると、図5に示す処理を行うプログラムが起動され、コントローラ20で実行される。ステップS1において、上述した(1−1)で述べたように、各ユニットにおける仕事率を算出してステップS3へ進む。ステップS3において、ステップS1で算出した各ユニットの仕事率に基づいて、仕事量(積算仕事量)を算出して記憶し、ステップS5へ進む。
(1) 各ユニットのエネルギに関する情報、すなわち、各ユニットが伝達するエネルギに関する情報に基づいてメンテナンス時期を推定するように構成した。これにより、従来技術のように、消耗品の負荷を代表させる代表値に基づいて消耗品のメンテナンス時期に関する情報を導出する場合と比べて、メンテナンス時期に関する情報を正しく導出できるようになる。したがって、各ユニットのメンテナンスを効率的に行うことができるようになる。
図6を参照して、本発明によるメンテナンス情報管理装置および作業機械の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、各ユニットが伝達するエネルギに関する情報として、各ユニットにおけるエネルギの伝達効率に基づいて、メンテナンスに関する情報を管理するように構成した点で、第1の実施の形態と異なる。
(2−2−a) メインポンプ11の伝達効率ηpは、メインポンプ11の仕事率Lpをエンジン1の仕事率Leで除して求める。
ηp=Lp/Le ・・・(6)
ηh=Lm/Lp ・・・(7)
ηw=Lw/Lm ・・・(8)
ηl=Ll/Lw ・・・(9)
図6は、上述した第2の実施の形態のメンテナンス情報の管理に関する処理の動作を示したフローチャートである。本実施の形態のクレーンの不図示のイグニッションスイッチがオンされると、図6に示す処理を行うプログラムが起動され、コントローラ20で実行される。ステップS1は、図5で説明した第1の実施の形態のフローチャートにおけるステップS1と同じである。ステップS1が実行されるとステップS13へ進む。ステップS13において、ステップS1で算出した各ユニットの仕事率に基づいて、各ユニットの伝達効率を算出して記憶し、ステップS15へ進む。
(1) 各ユニットの現在の伝達効率を算出し、交換基準値と比較することによって、メンテナンスに関する情報を管理するように構成した。これにより、クレーンの各ユニットの実態(消耗度合い、伝達効率の低下)に基づいた正確なメンテナンス時期に関する情報を容易に導出できる。
図7を参照して、本発明によるメンテナンス情報管理装置および作業機械の第3の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1および第2の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1または第2の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、各ユニットが伝達するエネルギに関する情報として、各ユニットにおけるエネルギ負荷振幅およびエネルギ印加回数に基づいて、メンテナンスに関する情報を管理するように構成した点で、第1および第2の実施の形態と異なる。
(3−2) コントローラ20は、巻上リモコン圧力センサ31、および巻下リモコン圧力センサ32で検出される圧力に基づいて、操作レバー15の操作状態を検出する。
図7は、上述した第3の実施の形態のメンテナンス情報の管理に関する処理の動作を示したフローチャートである。本実施の形態のクレーンの不図示のイグニッションスイッチがオンされると、図7に示す処理を行うプログラムが起動され、コントローラ20で実行される。ステップS21において、上述した(3−1)で述べたように、各ユニットにおける仕事率を算出し、算出した仕事率を一時的に記憶してステップS23へ進む。ステップS23において、巻上リモコン圧力センサ31、および巻下リモコン圧力センサ32で検出される圧力に基づいて、操作レバー15が操作されたか否かを判断する。
(1) 各ユニットにおけるエネルギ負荷振幅およびエネルギ印加回数に基づいて、メンテナンスに関する情報を管理するように構成した。これにより、クレーンの各ユニットのうち、疲労が問題となる部材や部位に関して、正確なメンテナンス時期に関する情報を容易に導出できる。
(1) 上述の説明では、メインポンプ11の吐出流量Qpをポンプ吐出流量センサ36で検出し、油圧モータ12の吸入流量Qmをモータ流量センサ37で検出するように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、メインポンプ11の吐出流量Qpや油圧モータ12の吸入流量Qmを、コントローラ20がメインポンプ11や油圧モータ12の傾転位置と回転数から算出するように構成してもよい。また、コントローラ20には、ECU27からのエンジン出力トルクおよびエンジン出力回転数の情報と、モーメントリミッタ装置28からのウインチ出力トルク、吊り荷重、および吊り荷移動速度の情報が入力されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、これらの情報を得るために設けられている各種センサ等からの検出素信号を直接コントローラ20で受信することで、これらの情報を得るように構成してもよい。
(7) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
7 フック 10 エンジン
11 メインポンプ 12 巻上用油圧モータ
20 コントローラ 25 表示装置
27 ECU 28 モーメントリミッタ装置
31 巻上リモコン圧力センサ 32 巻下リモコン圧力センサ
33 ポンプ吐出圧力センサ 34 巻上圧力センサ
35 巻下圧力センサ 36 ポンプ吐出流量センサ
37 モータ流量センサ
Claims (2)
- 作業機械のメンテナンスに関する情報を管理する装置であって、
前記作業機械のエンジン、メインポンプ、油圧モータ、および、巻上ドラムの仕事率をそれぞれ演算し、演算したそれぞれの前記仕事率をそれぞれの経過時間で積算することで前記エンジン、前記メインポンプ、前記油圧モータ、および、前記巻上ドラムの積算仕事量を演算する積算仕事量演算手段と、
前記積算仕事量演算手段で演算したそれぞれの積算仕事量と、前記エンジン、前記メインポンプ、前記油圧モータ、および、前記巻上ドラムの交換を促す基準となるそれぞれの交換基準仕事量とをそれぞれ比較して、前記積算仕事量が前記交換基準仕事量を超えたと判定された機器のメンテナンスの時期に関する情報として当該機器の交換を促す旨の情報を算出する算出手段とを備えることを特徴とするメンテナンス情報管理装置。 - エンジンと、
メインポンプと、
油圧アクチュエータと、
請求項1に記載のメンテナンス情報管理装置とを備えることを特徴とする作業機械。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2010164657A Active JP5679529B2 (ja) | 2010-07-22 | 2010-07-22 | メンテナンス情報管理装置および作業機械 |
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