JP2012001304A - ロープ速度制御装置、ウインチ装置および作業機械 - Google Patents

ロープ速度制御装置、ウインチ装置および作業機械 Download PDF

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Abstract

【課題】ウインチドラムでワイヤロープを巻き取る際に、巻き取り径の変化に起因する巻き取り速度の変動を抑制する。
【解決手段】ロープ速度制御装置は、油圧モータ12によって回転駆動されるウインチドラム5でワイヤロープを巻き取り、または繰り出す際のワイヤロープの巻き取り径を算出する巻き取り径算出手段と、ウインチドラムの回転速度を調節する回転速度調節手段と、巻き取り径算出手段で算出した巻き取り径に基づいて、ウインチドラムでワイヤロープを巻き取る際の巻き取り速度、およびワイヤロープを繰り出す際の繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるように回転速度調節手段を制御する巻き取り速度制御手段とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、ウインチドラムによって巻き取り、または繰り出すワイヤロープの速度を制御するロープ速度制御装置、このロープ速度制御装置を有するウインチ装置および作業機械に関する。
クレーンで荷の吊り上げやブームの起伏等に用いられるウインチでは、ウインチドラムを駆動する油圧モータに容量可変型の油圧モータを用い、負荷に応じて油圧モータの押しのけ容積を変更することで油圧モータが過負荷とならないように制御することが知られている(特許文献1参照)。
特公平5−17961号公報
上述の特許文献に記載のものでは、油圧モータが過負荷とならないように押しのけ容積を制御しているに過ぎなかった。そのため、オペレータが操作レバーの操作量を一定にしていても、ワイヤロープがウインチドラムに巻き取られて巻き取り径が増加するにつれてロープ速度が変化することとなっていた。たとえば、油圧モータにかかる負荷が十分に小さい場合は、油圧モータの押しのけ容積は最小値に一定となり、油圧モータの回転数は変化しない。しかし、ワイヤロープの巻き取り径が増加することにより、ワイヤロープ速度は増加する。また、或いは油圧モータにかかる負荷が過負荷とならないように制御される値に近い場合は、ワイヤロープの巻き取り径の増加により、油圧モータにかかる負荷が大きくなり、それに伴い油圧モータの押しのけ容積が大きくなり、油圧モータ回転数は減少する。しかし、巻き取り径が増加しているので、ワイヤロープ巻取り速度は、これらが相殺された値に変化する。前者で示した場合は、巻き取り径の増加に伴い、ロープ速度は上昇する。そのため、フックがブームの先端に衝突しないようにするために、フックが上昇するにつれてオペレータが操作レバーの操作量を少なくすると、必要以上にフックの上昇速度を抑えてしまい、作業効率が悪化するおそれがある。
(1) 請求項1の発明によるロープ速度制御装置は、油圧モータによって回転駆動されるウインチドラムでワイヤロープを巻き取り、または繰り出す際のワイヤロープの巻き取り径を算出する巻き取り径算出手段と、ウインチドラムの回転速度を調節する回転速度調節手段と、巻き取り径算出手段で算出した巻き取り径に基づいて、ウインチドラムでワイヤロープを巻き取る際の巻き取り速度、およびワイヤロープを繰り出す際の繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるように回転速度調節手段を制御する巻き取り速度制御手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載のロープ速度制御装置において、油圧モータは、可変容量型の油圧モータであり、回転速度調節手段は、油圧モータの容量を変更する容量変更レギュレータを含み、巻き取り速度制御手段は、巻き取り速度および繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるように容量変更レギュレータを制御することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1に記載のロープ速度制御装置において、回転速度調節手段は、油圧モータへ供給する圧油の流れを制御するコントロールバルブを含み、巻き取り速度制御手段は、巻き取り速度および繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるようにコントロールバルブを制御することを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項1に記載のロープ速度制御装置において、回転速度調節手段は、油圧モータへ圧油を供給する油圧ポンプの容量を変更する容量変更レギュレータを含み、巻き取り速度制御手段は、巻き取り速度および繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるように容量変更レギュレータを制御することを特徴とする。
(5) 請求項5の発明によるウインチ装置は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のロープ速度制御装置と、油圧モータと、油圧モータによって回転駆動されるウインチドラムとを備えることを特徴とする。
(6) 請求項6の発明による作業機械は、請求項5に記載のウインチ装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ウインチドラムでワイヤロープを巻き取る際の巻き取り速度、およびワイヤロープを繰り出す際の繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるので、作業効率の悪化や、必要以上のロープ高速度からの急停止によるワイヤロープの損傷などを防止できる。
本発明によるロープ速度制御装置およびウインチ装置が搭載される作業機械の一例としてのクローラクレーンの外観側面図である。 巻上用油圧モータを駆動するための油圧回路を示す図である。 ロープ速度制御装置の構成を示す図である。 巻上ロープ5aが巻かれている巻上ドラム5の直径方向に沿った断面の一部を模式的に示した図である。 油圧モータ12の容量設定に関する処理の動作を示したフローチャートである。 変形例を示す図である。
図1〜5を参照して、本発明によるロープ速度制御装置、ウインチ装置および作業機械の一実施の形態を説明する。図1は、本発明によるロープ速度制御装置およびウインチ装置が搭載される作業機械の一例としてのクローラクレーンの外観側面図である。このクローラクレーン(以下、単にクレーンと呼ぶ)は、走行体1と、旋回輪2を介して走行体上に旋回可能に設けられた旋回体3と、旋回体3に回動可能に軸支されたブーム4とを有する。旋回体3には巻き上げ用のウインチドラムである巻上ドラム5と、起伏用のウインチドラムである起伏ドラム6が搭載されている。巻上ドラム5には巻上ロープ5aが巻回され、巻上ドラム5の駆動により巻上ロープ5aが巻き取りまたは繰り出され、フック7が昇降する。起伏ドラム6には起伏ロープ6aが巻回され、起伏ドラム6の駆動により起伏ロープ6aが巻き取りまたは繰り出され、ブーム4が起伏する。
巻上ドラム5は巻上用油圧モータにより駆動され、起伏ドラム6は起伏用油圧モータにより駆動される。これら油圧モータの回転は不図示のブレーキ装置によって制動可能である。巻上用油圧モータを駆動する油圧回路と、起伏用油圧モータを駆動する油圧回路とは構成が同様であるので、以下の説明では、巻上用油圧モータを駆動する油圧回路について説明し、起伏用油圧モータを駆動する油圧回路についての説明を省略する。図2は、巻上用油圧モータを駆動するための油圧回路を示す図である。
図2に示すように、この油圧回路には、エンジン10で駆動されるメインポンプ11と、メインポンプ11から供給される圧油により回転する巻上用油圧モータ12と、この油圧モータ12で駆動される巻上ドラム5と、メインポンプ11から油圧モータ12への圧油の流れを制御する制御弁13と、巻き下げ時の戻り管路L1に設けられたカウンタバランス弁14とが設けられている。この油圧回路には、制御弁13を駆動するために操作される操作レバー15と、操作レバー15の操作量に応じたパイロット圧P16を発生させるパイロット弁16a,16bと、パイロット弁16a,16bに圧油を供給するパイロットポンプ17と、制御弁13の巻上側および巻下側パイロットポートへ供給されるパイロット圧P18,P19をそれぞれ制御する電磁比例弁18,19とが設けられている。
この油圧回路には、パイロット弁16aによって制御されるパイロット圧を検出する巻上リモコン圧力センサ31と、パイロット弁16bによって制御されるパイロット圧を検出する巻下リモコン圧力センサ32とが設けられている。メインポンプ11は、可変容量型の油圧ポンプである。メインポンプ11の容量(押しのけ容積)は、レギュレータ11aによって変更される。レギュレータ11aは、後述するコントローラ20によって制御される。油圧モータ12は、可変容量型の油圧モータである。油圧モータ12の容量(押しのけ容積)は、レギュレータ21によって変更される。レギュレータ21は、後述するコントローラ20によって制御される。22は、巻上ドラム5の回転を検出する回転検出器である。
また、巻上ドラム5と油圧モータ12との間には図示しないウインチの減速機が設けられており、この油圧モータ12内部には、巻上ドラム5を停止させるための図示しないネガブレーキ装置が設けられている。ネガブレーキ装置は、ブレーキ解除のための圧油(ブレーキ解除圧油)が供給されてブレーキ解除圧が上昇するとブレーキを解除し、ブレーキ解除圧が低下するとブレーキを作動させる。ブレーキ解除圧油は、パイロットポンプ17から不図示のブレーキ解除電磁弁を介して供給される。
制御弁13は、巻上側および巻下側パイロットポートへ供給されるパイロット圧P18,P19に応じて切換量が制御される。パイロット圧P18,P19は、操作レバー15の操作量に応じたパイロット圧P16と、電磁比例弁18,19の減圧度とに応じて決定される。なお、詳細な説明は省略するが、電磁比例弁18,19の減圧度は、たとえば、巻上ドラム5(油圧モータ12)を緩停止させる際に、後述するコントローラ20からの制御信号によって制御される。
図3は、本発明によるロープ速度制御装置の構成を示す図である。コントローラ20は、クレーンの各部を制御する制御回路である。なお、図3では、ロープ速度制御装置に関する構成を図示し、その他のクレーン各部の制御に関する構成についての図示を省略する。コントローラ20には、電磁比例弁18,19と、レギュレータ21と、回転検出器22と、速度設定ボリューム27と、揚程計28と、巻上リモコン圧力センサ31と、巻下リモコン圧力センサ32とが接続されている。速度設定ボリューム27は、オペレータが油圧モータ12の容量を調節して、ロープ速度(すなわち巻上ロープ5aの移動速度)を調節するためのものである。また、速度設定ボリューム27を調節することによって、メインポンプ11の容量を制御するように構成しても同じ効果が得られる。同様に、速度設定ボリューム27を調節することによって、制御弁13のスプール移動量を制御するために、電磁比例弁18、および19の出力を調節するように構成することでも同じ効果が得られる。
なお、クレーンには、揚程計28が設けられている。揚程計28は、ワイヤロープの巻き取り長さおよび巻き戻し長さを測定して、吊荷の揚程を検出するための公知の装置である。揚程計28では、オペレータが入力したワイヤロープの巻き取り層数、および列数を起点として、巻上ドラム5の回転量と、層数に対応して記憶している巻き取り径の情報からワイヤロープの巻き取り長さおよび巻き戻し長さを算出する。揚程計については、たとえば、特開平10−231086号公報に開示されている。コントローラ20には、揚程計28から、巻上ドラム5に最も外側の層で巻かれている巻上ロープ5aの巻き取り径の情報が入力される。
コントローラ20は、電磁比例弁18,19、および不図示のブレーキ解除電磁弁に制御信号を出力して、これらの電磁弁を制御する。また、コントローラ20は、後述するように、レギュレータ21に制御信号を出力することで油圧モータ12の容量を制御する。
このように構成されるクレーンでは、オペレータによって操作レバー15が巻き上げ方向に操作されると、巻上ドラム5が巻き上げ方向に回動されて、巻上ロープ5aが巻き取られ、フック7が上昇する。オペレータによって操作レバー15が巻き下げ方向に操作されると、巻上ドラム5が巻き下げ方向に回動されて、巻上ロープ5aが繰り出され、フック7が下降する。具体的には、クレーンの各部は次のように操作する。すなわち、オペレータによって操作レバー15が巻き上げ方向に操作されると、パイロット弁16aが操作レバー15の操作量に応じたパイロット圧P16でパイロット圧油を電磁比例弁18に供給する。このパイロット圧油は、電磁比例弁18を介して制御弁13の巻上側パイロットポートへ供給される。これにより、制御弁13のスプールが起動されて、油圧モータ12が巻上ドラム5を巻き上げ方向に回動させるように、メインポンプ11からの圧油が油圧モータ12へ供給される。
これと同期して、コントローラ20から不図示のブレーキ解除電磁弁へブレーキを解除するように制御信号が出力される。これにより、ブレーキ解除電磁弁を介してブレーキ解除圧油が不図示のネガブレーキ装置に供給され、ブレーキが解除される。このように、油圧モータ12の回動開始のタイミングに合わせてブレーキを解除することで、巻上ドラム5がスムーズに回転を始める。オペレータによって操作レバー15が巻き下げ方向に操作された場合も同様である。
−−−巻上ドラム5に巻かれている巻上ロープ5aの層数とロープ速度ついて−−−
図4は、巻上ロープ5aが巻かれている巻上ドラム5の直径方向に沿った断面の一部を模式的に示した図である。図4に示すように、巻上ロープ5aは、巻上ドラム5に層をなして巻かれている。最も巻上ドラム5に近い層(巻上ドラム5に接している層)を1層目(第1層)とし、外側に向かうにつれて順に2層目(第2層)、3層目(第3層)・・・n層目(第n層)とする。巻上ロープ5aを巻上ドラム5で巻き上げると、第1層に複数列巻かれ、次いで、第1層の外側に第2層が複数列巻かれる、というように、複数列づつ各層が順に巻かれる。そのため、最も外側の層(最外層)で巻かれている巻上ロープ5aの径方向の中心の位置は、層数が増えるにつれて巻上ドラム5の回転軸から遠ざかる。
ここで、第n層に巻かれている巻上ロープ5aの径方向の中心の位置と、巻上ドラム5の回転軸との距離の2倍の値、すなわち、第n層に巻かれている巻上ロープ5aの中心線が描く円の直径を第n層の巻き取り径と呼ぶ。第n層の巻き取り径Dn(以下、単に巻き取り径Dnとも呼ぶ)は、層数nが増加するにつれて大きくなる。そのため、巻上ドラム5の回転速度が一定であっても、巻上ロープ5aが巻き上げられて層数が増えるにつれて最外層の巻き取り径が大きくなるので、ロープ速度は増加する。
ウインチ装置を用いた作業の効率を左右するため、ロープ速度は、ウインチ装置において仕様上の重要な項目の1つである。そのため、巻き取り径が最も小さくなって、ロープ速度の最高速度が最も小さくなる、第1層を基準巻き層とし、この基準巻き層におけるロープ速度の最高速度が、そのウインチ装置における仕様上のロープ速度の最高速度とされるのが一般的である。
上述したように、層数が増えるにつれてロープ速度が増加するので、巻上ロープ5aを巻き取り、繰り出し、或いは停止する際に、巻上ロープ5aが段飛びを起こして乱巻き状態となって巻上ロープ5aを傷めたり、巻上ドラム5を急停止させた際のショックが大きくなったりするという不具合が生じるおそれがある。また、たとえば、巻上ドラム5のように巻き上げ用のウインチのドラムでは、フック7が上昇するにつれてフック7の上昇速度が増加することとなる。また、たとえば、起伏ドラム6のように起伏用のウインチのドラムでは、ブーム4が起立するにつれてブーム4の回動速度が増加することとなる。
そのため、フック7がブーム4の先端に衝突しないようにするために、フック7が上昇するにつれてオペレータが操作レバー15の操作量を少なくすると、必要以上にフック7の上昇速度を抑えてしまい、作業効率が悪化するおそれがある。また、ブーム4が起きすぎないようにするために、ブーム4が起立するにつれてオペレータが操作レバーの操作量を少なくすると、必要以上にブーム4の回動速度を抑えてしまい、作業効率が悪化するおそれがある。
特に、高いところにある荷を取りに行くためにフック7で荷を吊っていない状態で巻上ドラム5を駆動する場合には、作業効率上できるだけ早くフック7を上昇させることが望ましいが、上述したように、オペレータが必要以上にフック7の上昇速度を抑えてしまうために、作業効率が悪化し易い。また、作業効率が悪化しなくとも、操作レバー15を一定の操作量で保っているにもかかわらず、フック7や荷の移動速度が変動するとオペレータに違和感を与えてしまう。そこで、本実施の形態では、以下に述べるように、層数に応じて油圧モータ12の容量を増加させることで巻上ドラム5の回転速度を低減させて、巻き取り径Dnの増加に起因するロープ速度の増加を抑制する。
−−−油圧モータ12の容量の制御について−−−
上述したように、油圧モータ12の容量は、コントローラ20からの制御信号を受信したレギュレータ21によって制御される。コントローラ20は、主に、油圧モータ12が過負荷とならないようにレギュレータ21に制御信号を出力する。油圧モータ12の過負荷防止のための制御については公知であるので、コントローラ20における演算内容の詳細な説明は省略する。
ロープ速度Vは、最外層の巻き取り径Drに比例し、油圧モータ12の容量qに反比例する。これを式で表すと次の(1)式のとおりとなる。
V=Dr/(q×η×C) ・・・(1)
ここで、ηは効率を表し、Cは比例定数を表す。
最外層が基準層(すなわち第1層)のときと、最外層が基準層以外の第n層のときとでロープ速度Vが同じ速度となるためには、次の(2)式が成り立つ必要がある。
Dn/(qn×η×C)=D1/(q1×η×C) ・・・(2)
ここで、qnは最外層が第n層のときの油圧モータ12の容量であり、q1は最外層が基準層のときの油圧モータ12の容量である。
(2)式を変形してqnを導くと次の(3)式のようになる。
qn=(Dn/D1)×q1 ・・・(3)
(3)式から分かるように、最外層が基準層のときの容量q1に、基準層と最外層との巻き取り径の比であるDn/D1を乗じた値を、最外層が第n層のときの容量qnとすればよい。そこで、本実施の形態では、コントローラ20は、最外層が基準層のときの容量q1を過負荷防止の観点からあらかじめ算出し、その容量に、Dn/D1を乗じた値、すなわち、上述した(3)式で算出した容量qnを制御目標の容量qtとするよう演算を行う。換言すると、コントローラ20は、過負荷防止の観点から算出した油圧モータ12の容量を、巻き取り径に応じて補正している。なお、基準層および最外層の巻き取り径の情報は、上述したように揚程計28から取得する。そして、コントローラ20は、容量がqtとなるような制御信号(制御電流)をレギュレータ21に出力する。これによってレギュレータ21が油圧モータ12の容量をqtとなるように制御する。
なお、オペレータによって速度設定ボリューム27が操作されている場合には、コントローラ20は、速度設定ボリューム27の設定状態から算出される油圧モータ12の容量と、上述したように最外層の巻き取り径の情報に基づいて算出した油圧モータ12の容量とを比較し、大きい方の値を制御目標の容量qtとするよう演算を行う。
−−−フローチャート−−−
図5は、上述した油圧モータ12の容量設定に関する処理の動作を示したフローチャートである。本実施の形態のクレーンの不図示のイグニッションスイッチがオンされると、図5に示す処理を行うプログラムが起動され、コントローラ20で繰り返し実行される。ステップS1において、揚程計28から最外層の巻き取り径の情報を取得してステップS3へ進む。ステップS3において、上述した(3)式に基づいて、油圧モータ12の容量qnを算出する。なお、容量q1については、油圧モータ12の過負荷防止の観点から算出されているが、公知であるので、算出に関する説明を省略する。
また、ステップS5において、速度設定ボリューム27の設定値を読み込んでステップS7へ進む。ステップS7において、ステップS5で読み込んだ速度設定ボリューム27の設定値に対応する油圧モータ12の容量qvを算出する。
ステップS3およびステップS7が実行されるとステップS9へ進み、ステップS3で算出した油圧モータ12の容量qnと、ステップS7で算出した油圧モータ12の容量qvとを比較して、大きい方の容量を制御目標の容量qtとして決定してステップS11へ進む。ステップS11において、油圧モータ12が駆動されているか否かを判断する。具体的には、回転検出器22の検出信号に基づいて巻上ドラム5の回転の有無を検出することで油圧モータ12が駆動されているか否かを判断する。
ステップS11が肯定判断されるとステップS13へ進み、ステップS9で決定した油圧モータ12の容量がqtとなるような制御電流Inを算出し、制御電流Inをレギュレータ21に出力してリターンする。ステップS11が否定判断されるとステップS1およびステップS3へ戻る。
上述した実施の形態では、次の作用効果を奏する。
(1) 巻き取り径の変化に伴うロープ速度の変動を抑制するように構成した。これにより、操作レバー15の操作量が一定であれば、層数が変化してもロープ速度が変動しないので、オペレータが違和感を覚えることがない。また、操作レバー15の操作量が最大操作量とされたときであっても、巻き取り径の増加に伴うロープ速度の最高速度の上昇が抑制されるので、巻上ロープ5aが段飛びを起こして乱巻き状態となって巻上ロープ5aを傷めたり、巻上ドラム5を急停止させた際のショックが大きくなったりするという不具合の発生を防止できる。また、フック7が上昇してもフック7の上昇速度が増加しないので、従来のようにフック7が上昇するにつれてオペレータが操作レバー15の操作量を少なくして、必要以上にフック7の上昇速度を抑えてしまうということがなくなり、作業効率の悪化を防止できる。
(2) 揚程計28から取得した基準層および最外層の巻き取り径の情報に基づいて、油圧モータ12の容量qnを演算するように構成した。これにより、特に装置類を追加することなく、ソフトウエア上の追加のみで巻き取り径の増加に伴うロープ速度の上昇を抑制できるので、コスト上昇を抑制できる。また、従来からあるクレーンに対して、ソフトウエア上の追加のみで巻き取り径の増加に伴うロープ速度の上昇を抑制できるので、従来からあるクレーンの改造コストが安価となる。
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、最外層が基準層のときと、最外層が基準層以外の第n層のときとでロープ速度Vが同じ速度となるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、最外層が基準層のときと、最外層が基準層以外の第n層のときとでロープ速度Vの最高速度が同じ速度とならなくても、ロープ速度の最高速度が「あらかじめ定めた速度範囲内」に収まればよい。ここでいう「あらかじめ定めた速度範囲内」とは、オペレータがウインチ操作時にフック7や荷を見ていて違和感を覚えない程度の速度範囲内であってもよく、乱巻きが起こらない速度範囲内であってもよく、オペレータや他の作業者などがフック7や荷を見ていて、フック7や荷の速度が一定であると思える速度範囲内であればよい。
(2) 上述の説明では、巻上ロープ5aの巻き取り時および繰り出し時の双方で、上述したように巻き取り径に応じて油圧モータ12の容量を変更するように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、巻上ロープ5aの巻き取り時および繰り出し時のいずれか一方で、上述したように巻き取り径に応じて油圧モータ12の容量を変更するように構成してもよい。
(3) 上述の説明では、油圧パイロット式の操作レバー15を用いているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、操作レバー15が、いわゆる電気レバーであってもよい。操作レバー15が電気レバーである場合、巻き取り径に応じて油圧モータ12の容量を変更する代わりに、メインポンプ11から油圧モータ12への圧油の流れを制御する制御弁のソレノイドへ出力する励磁電流の出力値を図6のように変更するようにしてもよい。すなわち、操作レバー15の操作ストロークに対する制御弁のソレノイドへ出力する励磁電流の出力値を、最外層の層数が増えるにつれて、減ずるように構成してもよい。この場合には、油圧モータ12が可変容量型でなくてもよい。なお、操作レバー15が電気レバーである場合、上述したように、巻き取り径に応じて油圧モータ12の容量を変更することで、巻き取り径の変化に伴うロープ速度の変動を抑制するように構成してもよい。
(4) 上述の説明では、ステップS11において、油圧モータ12が駆動されているか否かを判断する際に、回転検出器22の検出信号に基づいて巻上ドラム5の回転の有無を検出することで油圧モータ12が駆動されているか否かを判断するようにしているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、巻上リモコン圧力センサ31および巻下リモコン圧力センサ32の検出圧力から操作レバー15の操作の有無を判断することで油圧モータ12が駆動されているか否かを判断するようにしてもよい。
(5) 上述の説明における、速度設定ボリューム27によるロープ速度の調節機能は、必須ではない。
(6) 上述の説明では、巻上用の油圧モータ12について説明したが、本発明は、起伏用油圧モータや、他のウインチ駆動用の油圧モータについても適用できる。
(7) 上述の説明では、作業機械の一例としてクローラクレーンを挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、ウインチ装置を搭載する他の作業機械(たとえば、固定式のクレーンや、ケリーバを有するアースドリル機など)にも適用できる。
(8) 上述の説明では、コントローラ20には、揚程計28から、巻上ドラム5に最も外側の層で巻かれている巻上ロープ5aの巻き取り径の情報が入力されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、揚程計28から、巻上ドラム5の最外層の層数の現在の値がコントローラ20に入力されるように構成してもよい。そして、取得した最外層の層数からコントローラ20が現在の最外層の巻き取り径を算出するように構成してもよい。この場合には、たとえば、巻上ドラム5の最外層の層数から巻き取り径を算出するためのデータをコントローラ20の不図示の記憶部であらかじめ記憶しておくように構成すればよい。
(9) 上述の説明では、巻き取り径に応じて油圧モータ12の容量を変更することで、最外層が基準層のときと、最外層が基準層以外の第n層のときとでロープ速度Vが同じ速度となるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、巻き取り径に応じてメインポンプ11の容量を変更することで、最外層が基準層のときと、最外層が基準層以外の第n層のときとでロープ速度Vが同じ速度となるように構成してもよい。すなわち、巻き取り径が大きくなるにつれてメインポンプ11の容量を低減させるように、コントローラ20がレギュレータ11aを制御するように構成してもよい。
(10) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、油圧モータによって回転駆動されるウインチドラムでワイヤロープを巻き取り、または繰り出す際のワイヤロープの巻き取り径を算出する巻き取り径算出手段と、ウインチドラムの回転速度を調節する回転速度調節手段と、巻き取り径算出手段で算出した巻き取り径に基づいて、ウインチドラムでワイヤロープを巻き取る際の巻き取り速度、およびワイヤロープを繰り出す際の繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるように回転速度調節手段を制御する巻き取り速度制御手段とを備えることを特徴とする各種構造のロープ速度制御装置、および、このロープ速度制御装置を有するウインチ装置や作業機械を含むものである。
4 ブーム 5 巻上ドラム
5a 巻上ロープ 6 起伏ドラム
6a 起伏ロープ 7 フック
12 油圧モータ 13 制御弁
15 操作レバー 20 コントローラ
21 レギュレータ 22 回転検出器
27 速度設定ボリューム 28 揚程計

Claims (6)

  1. 油圧モータによって回転駆動されるウインチドラムでワイヤロープを巻き取り、または繰り出す際の前記ワイヤロープの巻き取り径を算出する巻き取り径算出手段と、
    前記ウインチドラムの回転速度を調節する回転速度調節手段と、
    前記巻き取り径算出手段で算出した前記巻き取り径に基づいて、前記ウインチドラムで前記ワイヤロープを巻き取る際の巻き取り速度、および前記ワイヤロープを繰り出す際の繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるように前記回転速度調節手段を制御する巻き取り速度制御手段とを備えることを特徴とするロープ速度制御装置。
  2. 請求項1に記載のロープ速度制御装置において、
    前記油圧モータは、可変容量型の油圧モータであり、
    前記回転速度調節手段は、前記油圧モータの容量を変更する容量変更レギュレータを含み、
    前記巻き取り速度制御手段は、前記巻き取り速度および前記繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるように前記容量変更レギュレータを制御することを特徴とするロープ速度制御装置。
  3. 請求項1に記載のロープ速度制御装置において、
    前記回転速度調節手段は、前記油圧モータへ供給する圧油の流れを制御するコントロールバルブを含み、
    前記巻き取り速度制御手段は、前記巻き取り速度および前記繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるように前記コントロールバルブを制御することを特徴とするロープ速度制御装置。
  4. 請求項1に記載のロープ速度制御装置において、
    前記回転速度調節手段は、前記油圧モータへ圧油を供給する油圧ポンプの容量を変更する容量変更レギュレータを含み、
    前記巻き取り速度制御手段は、前記巻き取り速度および前記繰り出し速度の少なくとも一方の速度の最高速度が、あらかじめ定めた速度範囲内に収まるように前記容量変更レギュレータを制御することを特徴とするロープ速度制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のロープ速度制御装置と、
    油圧モータと、
    前記油圧モータによって回転駆動されるウインチドラムとを備えることを特徴とするウインチ装置。
  6. 請求項5に記載のウインチ装置を備えることを特徴とする作業機械。
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