JP5677664B2 - 往復葉書及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、往復葉書とその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、見掛けは通常の往復葉書であるにも関わらず、複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に接着されているので、多量の情報を伝達することが可能な往復葉書とその製造方法に関する。
最近圧着葉書と称され、一見1枚の葉書であるにも関わらず、複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に接着(以下、疑似接着という)されたものが多用されている。前記圧着葉書はその大きさや使用される用紙の斤量等が郵便法に適合する範囲で設計されており、同一の葉書料金でありながら多量の情報を隠蔽状態で送付することができる優れものである。
前記圧着葉書において、郵便法の規定範囲内でより多くの情報をより安い郵便料金で送る手段として往復葉書がある。ところで往復葉書は、例えば重量に関して通常葉書の郵便法における規定範囲が2〜6gであるところ、倍の4〜12gと各段に広くなる。従って、使用する用紙の種類や斤量等の選択範囲が広がりデザイン的にも様々なアプリケーションを提供することが可能になる。さらに前記往復葉書では、往信葉書と返信葉書の2枚に情報を記載することが可能であり、また往信葉書側に葉片を貼付して圧着葉書とすることが可能なためさらに情報伝達量が増加するが、さらに往信時は通常葉書料金で郵送できるという特典もあるため、使用者にとって非常に大きなメリットを提供してくれるのである。
前記の理由で往信葉書に葉片を貼付した形態の往復葉書として、例えば特開2002−240467号公報に記載される往復葉書のように、折り線を介して連接された3葉片を渦巻き状に折り畳んだ(巻き折り)形態で、前記3葉片の内の2葉片を剥離可能に疑似接着したものが考えられる。また、前記折り畳みと別形態で、断面Z字状に折り畳むZ折りの形態も考えられる。しかし何れの形態でも返信葉書は1枚の葉片で構成されており、残る2葉片が剥離可能に疑似接着されて往信葉書を形成している。
ところで前記形態の往復葉書は、折り畳み前の平面に展開されている状態で往信葉書に該当する葉片の表面に受取人の住所等可変情報印字され、その後各形態に折畳まれて圧着葉書に仕上がられるのであるが、既述の前記各形態では、住所等可変情報を印字する側の各葉片面が、往復葉書の完成後に全て表出してしまうので、往信葉書の隠蔽面(折畳まれて疑似接着されている内面側)に個人的な可変情報を印字しようとすると、往復葉書用紙の両面に印字を施さなければならなくなる。ところが両面印字を実行するには、1台のプリンタ装置で2度印字を行うか、或いはプリンタ装置を2台用意する必要がある。そのために余計な手間や時間が掛かりコストが嵩むことになる。さらに、可変情報を異なる工程で打ち出すと、他人の情報が誤って印字される等の大きなリスクを抱えることになる。
そこで片面印字で往信葉書の疑似接着面に可変情報を記載するために、特開平5−185770号公報や特開2001−88472号公報に記載される往復葉書の形態が考えられ、その技術的内容が開示されている。このものは往信葉書側の葉片を3葉片として、疑似接着面を増やすことで片面印字に対応した形態としたものである。
然るに前記形態の往復葉書では、葉片の枚数が増加したために折りの形態が複雑化し、そのため加工の手間が増え、さらに剥離可能な面と剥離不能な面があるために、機能が異なる接着手段を用紙の任意の面に講じなければならなく、その点においてもより複雑さを増す。
特開2002−240467号公報 特開平5−185770号公報 特開2001−88472号公報
本発明者等は上記問題に鑑み、片面に印字するだけで、往信葉書における受取人の住所面と個人的な情報が記載された疑似接着面の両面に印字が可能で、しかも葉片の数が少ないため折り畳みが容易である共に、疑似接着予定面への疑似接着媒体の形成も簡単である往復葉書とその製造方法に係る発明を提供するものである。そして本発明を実施することにより、素人でも簡単で短時間に大量の往復葉書を製造することが可能になる。
上記目的を達成するための請求項1に係る発明の往復葉書は、往信葉書と返信葉書からなると共に往信葉書本体の葉片に別葉片が貼付された往復葉書であって、第一葉片、第二葉片及び第三葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートから形成され、往信葉書を構成する第三葉片及び第一葉片並びに返信葉書を構成する第二葉片が上から順に重ねられると共に、第三葉片と第二葉片が連接されて各々往信葉書本体及び返信葉書本体となり、第三葉片と第一葉片が、その両対向面に連続的に被覆された疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に接着一体化されると共に第二葉片と第三葉片の間の折り線側で前記疑似接着フィルムシートのみを介して連接されていることを特徴としている。
また上記目的を達成するための請求項2に係る発明の異なる態様の往復葉書は、往信葉書と返信葉書からなると共に往信葉書本体の葉片に別葉片が貼付された往復葉書であって、第一葉片、第二葉片及び第三葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートから形成され、往信葉書を構成する第一葉片及び第三葉片並びに返信葉書を構成する第二葉片が上から順に重ねられると共に、第三葉片と第二葉片が連接されて各々往信葉書本体及び返信葉書本体となり、第三葉片と第一葉片が、その両対向面に連続的に被覆された疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に接着一体化されると共に第二葉片と第三葉片の間の折り線側で前記疑似接着フィルムシートのみを介して連接されていることを特徴としている。
上記目的を達成するための請求項3に係る発明の往復葉書の製造方法は、請求項1に記載の往復葉書を製造する方法であって、第一葉片、第二葉片及び第三葉片が折り線を介して横方向に連接され、第一葉片と第三葉片の各外側にマージナル部分を有すると共に第一葉片と第二葉片が各々のマージナル部分を挟みながら折り線を介して連接された単位シートが切取線を介して縦方向に連接されてなる長尺状シートを使用し、前記長尺状シートにおける第一葉片の外側のマージナル部分の切除後に、第一葉片表面と第二葉片表面同士を対向させて折り線から折り畳む第一の折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シートの第一葉片裏面と第三葉片表の両面に疑似接着フィルムシートを連続的に被覆ラミネートするラミネート工程、疑似接着フィルムシートが被覆ラミネートされた長尺状シートにおける第三葉片の外側のマージナル部分又は折り畳まれて重なり合う第一葉片と第二葉片のマージナル部分の何れかを切り落とす第一の切除工程、前記何れかのマージナル部分が切り落とされた長尺状シートを第一葉片裏面と第三葉片表対向するように折り線から折り畳む第二の折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シートの残るマージナル部分を切り落とす第二の切除工程、残るマージナル部分が切り落とされた長尺状シートを単位シート毎に個切りする断裁工程、及び断裁された単位シートに加圧或いは加熱・加圧処理を施して第一葉片裏面と第三葉片表面をそれら両面に連続的に被覆ラミネートされた疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に疑似接着する疑似接着工程からなることを特徴としている。
また、上記目的を達成するための請求項4に係る発明の異なる態様の往復葉書の製造方法は、請求項2に記載の往復葉書を製造する方法であって、第一葉片、第二葉片及び第三葉片が折り線を介して横方向に連接され、第一葉片と第三葉片の各外側にマージナル部分を有すると共に第一葉片と第二葉片が各々のマージナル部分を挟みながら折り線を介して連接された単位シートが切取線を介して縦方向に連接されてなる長尺状シートを使用し、前記長尺状シートにおける第一葉片の外側のマージナル部分の切除後に、第一葉片裏面と第二葉片裏面同士を対向させて折り線から折り畳む第一の折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シートの第一葉片表面と第三葉片裏の両面に疑似接着フィルムシートを連続的に被覆ラミネートするラミネート工程、疑似接着フィルムシートが被覆ラミネートされた長尺状シートにおける第三葉片の外側のマージナル部分又は折り畳まれて重なり合う第一葉片と第二葉片のマージナル部分の何れかを切り落とす第一の切除工程、前記何れかのマージナル部分が切り落とされた長尺状シートを第一葉片表面と第三葉片裏対向するように折りから折り畳む第二の折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シートの残るマージナル部を切り落とす第二の切除工程、残るマージナル部分が切り落とされた長尺状シートを単位シート毎に個切りする断裁工程、断裁された単位シートに加圧或いは加熱・加圧処理を施して第一葉片表面と第三葉片裏面をそれら両面に連続的に被覆ラミネートされた疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に疑似接着する疑似接着工程、及び疑似接着された単位シートの第二葉片12を折り線から反転させて第三葉片の外側へ折り返す工程からなることを特徴としている。
前記製造方法において、マージナル部分を切り落とす切除工程は、段階的に各工程の任意の箇所に配置して切り落としてもよく、或いは一箇所で複数のマージナル部分を切り落としても構わない。例えば第一の切除工程をなくし第二の切除工程で全てのマージナル部分を切り落とすようにしても構わない。また単位シートの両外側のマージナル部分は各工程中や工程間において切り落としても構わないが、最上流にブロック状の形態で配置する以前に予め切り落としておけば後の切除工程を省略できて至便である。
また前記マージナル部分を切り落とす切除工程と単位シート毎に個切りする断裁工程及び疑似接着工程はそれぞれ入れ替えても構わない。例えば折り畳まれた長尺状シートを疑似接着した後にマージナル部分を切除したり単位シート毎に断裁したりしても構わず、或いはマージナル部分を切除した後に疑似接着工程を経て、その後単位シート毎に断裁しても構わない。
本発明で使用される長尺状シートの材質や斤量に格別の制限はない。上質紙、マット紙、グロス紙や合成紙等の中から選択でき、斤量に関しても四六判換算で70〜135kgのものを好適に使用することができる。
本発明に期待される効果は前記特許文献1に記載のような異なるフィルムを積層した疑似接着積層体では達成することができない。即ち、本発明における疑似接着は、疑似接着フィルムを剥離したときに最終的に分離する構成のものではなく、葉片間の両対向面に連続的に被覆ラミネートされた1枚のフィルムシートを折り畳み、その対向面同士を疑似接着する構成のものが採用される。このものは最終的に平面に展開することができる。具体的な構成としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセテート、ナイロン、ポリカーボネート等の比較的腰の強い基材の一方の面に疑似接着層を形成したものを疑似接着予定面に被覆ラミネートするが、その際に前記基材の残る一方の面に公知の感熱接着剤層が形成されているとサーマルラミネート法により容易に被覆ラミネートすることができ至便である。
前記疑似接着フィルムシートとして、ケイディケイ株式会社製の「ハガキフィルムサーマル」好適に使用することができる。このものを用紙の疑似接着予定面に被覆ラミネートした後に疑似接着層同士が対向するように折り合わせ、加熱・加圧処理を施せば、疑似接着層同士が剥離可能に接着する。そして剥離後は折り合わせ前の平面状態に展開することができる。
本発明に係る往復葉書によれば、片面に印字するだけで、往信葉書における受取人の住所面と個人的な情報が記載された疑似接着面の両面に印字が可能で、しかも葉片の数が少ないため折り畳みが容易であると共に、疑似接着予定面への疑似接着媒体の形成も簡単である。従来、3葉片を使用した従来の折り形態では受取人の住所等と隠蔽すべき個人情報を片面印字により印字することは不可能であったところ、本発明では、片面印字で受取人の住所等と個人情報の両者の印字を行うことができる。また取り扱いが極めて至便な疑似接着フィルムシートを使用するため、剥離開封後も各葉片からなる頁が分離することのない製本状態となり、内容の確認が容易で分かりやすく、更に保管やファイルもしやすく後々に紛失等の事故が起きない。
また、本発明に係る往復葉書の製造方法によれば、前記のような特徴を有する往復葉書を効果的に製造することができる。
(A)、(B)及び(C)は本発明の往復葉書の平面図、W−W線断面図及び開封状態を示す断面図である。 (A)、(B)及び(C)は本発明の異なる態様の往復葉書の平面図、X−X線断面図及び開封状態を示す断面図である。 疑似接着フィルムシートの部分拡大断面図である。 (A)及び(B)は本発明の往復葉書の製造方法で使用される長尺状シートの表面図と裏面図である。 本発明の往復葉書の製造方法を示す要部概略図である。 実施例3における第一の折畳み工程で折り畳まれた長尺シートの断面図を示す。 (A)及び(B)は往復葉書の製造工程中における長尺シートが疑似接着フィルムシートによりラミネートされた状態を示す平面図である。 (A)及び(B)は往復葉書の製造工程中における残るマージナル部分の切除工程前の長尺シートの平面図及びZ−Z線断面図である。 (A)及び(B)は本発明の往復葉書の異なる態様の製造方法で使用される長尺シートの表面図と裏面図である。
以下本発明の実施例を図面に沿って説明する。
[実施例1:往復葉書1]
本発明の往復葉書J1は図4に示す3葉片からなる単位シートt1で形成されている。完成された往復葉書は図1(B)に示すように、上から順に第三葉片3、第一葉片1及び第二葉片2が配置されている。第三葉片3と第一葉片1は、その両対向面に連続的に被覆された疑似接着フィルムシートGを介して同図(C)に示すように剥離可能に接着しており、この2葉片が往信葉書を構成している。なお往信葉書本体は、返信葉書本体の第二葉片2と折り線5を介して連接している第三葉片3になる。
疑似接着フィルムシートGは図3に示すようにポリエチレンテレフタレート等の基材21の一方の面に疑似接着層23を形成したものが好適に使用される。このものは疑似接着層23同士を対向させて加熱・加圧処理を施せば剥離可能に疑似接着する。また、疑似接着層23と異なるもう一方の面に、公知の感熱接着剤層22を形成したものを用いれば、サーマルラミネート法により容易に疑似接着予定面を被覆ラミネートすることができる。なお、後述する往復葉書の製造方法はサーマルラミネート法に基づく内容であるが、接着剤を塗布しながら被覆ラミネートするドライラミネート法を使用しても構わない。
本実施例の往復葉書J1は、片面印字のプリンタに対応している。即ち往復葉書J1への加工前の図4に示す長尺状シートS1の状態で、第三葉片3裏面の受取人の住所氏名等の情報Lと第一葉片1裏面の受取人の個人情報Mを同時に印字するにも関わらず、往復葉書J1の完成後に第三葉片3と第一葉片1の内面側に個人情報Mが隠蔽されているのである。このように往復葉書用紙である長尺シートS1の片面に印字を施して、往復葉書が完成した後に隠蔽面の内側に前記印字された個人情報Mを配置することは本来の形態では不可能である。
この往復葉書J1の受取人は、第三葉片3と第一葉片1を、例えば第三葉片の左下コーナー部分に設けられた切り欠き部Kに生じている段差を利用して容易に両葉片を剥離することができ、内面の各種情報を透明な疑似接着フィルムシートGを透して視認する。そし
て前記内容に記載されているアンケート等の回答を返信葉書のしかるべき答欄に記入して、その後切取線5から鋏等で切り離して返信葉書を投函すればよい。なお返信葉書を切り落とした後の往信葉書は第三葉片3と第一葉片1が疑似接着フィルムシートGにより連接された見開き状態で保管することができる。
[実施例2:往復葉書2]
本発明の実施例1と異なる態様の往復葉書J2は図9に示す3葉片からなる単位シートt2で形成されている。完成された往復葉書J2は図2(B)に示すように、上から順に第一葉片11、第三葉片13及び第二葉片12が配置されている。第一葉片11と第三葉片13は、その両対向面に連続的に被覆された疑似接着フィルムシートGを介して同図(C)に示すように剥離可能に接着しており、この2葉片が往信葉書を構成している。なお往信葉書本体は、返信葉書本体の第二葉片12と折り線15を介して連接している第三葉片13になる。
本実施例の往復葉書J2も、前記実施例1と同様で片面印字のプリンタに対応している。即ち第一葉片11裏面の受取人の住所氏名等の情報Lを印字すると共に第三葉片13裏面にも同時に印字された受取人の個人情報Mが、往復葉書J2の完成後には第一葉片11と第三葉片13の内面側に隠蔽されているのである。この往復葉書J2の受取人は、前記実施例1の場合と同様の手順で返信葉書を投函することができる。
[実施例3:往復葉書の製造方法1]
図4(A)及び(B)に示すように、本発明に使用される長尺状シートS1は、第一葉片1、第二葉片2がマージナル穴8を設けたマージナル部分9を挟みながら折り線4を介して連接されると共に、第二葉片2と第三葉片3が折り5を介して順次横方向に連接される単位シートt1が切取線6を介して縦方向に連接されている。なお前記第一葉片1及び第三葉片3の各外側にもマージナル部分9が切取線7を介して設けられているが、この両マージナル部分9は予め切除しておいても構わない。なお、前記各折り線及び切取線は必ず明示される必要はなく、ミシン目等に代えても構わない。
上記のように構成された長尺状シートS1は、例えば切取線6から蛇腹状に折り畳まれたブロック状の形態で図5左下に配置される。そして図6に示すように、第一葉片1の外側のマージナル部分9を予め切り落としておくか、或いはインタースタッカ等により切除すると共に、図示されない折畳み装置等により第一葉片1表面と第二葉片2の表面同士を対向するように折り線4から折り畳みながら、上方へ引き上げられサポートローラ31でほぼ水平に向きを変える。
向きを変えた長尺状シートS1は、次に控えたピントラクタ32の各ピンと各マージナル孔8を合致させながら、下流に設置された一対のヒートローラ33a、33bへ進む。前記ヒートローラ33a、33bには上方に待機しているロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが、感熱接着剤層22側で長尺状シートS1の疑似接着予定面と整合されながら引き込まれる。そしてヒートローラ33a、33bで加熱・加圧処理を施された前記長尺状シートS1と疑似接着フィルムシートGは完全接着され、図7(A)及び(B)に示すように被覆ラミネートされた状態でさらに下流へ搬送される。
前記被覆ラミネートを完了した長尺状シートS1は、下流に配置されたスリッタ34a、34bにより第三葉片3外側のマージナル部分9又は第一葉片1と第二葉片2の重なり合ったマージナル部分9の何れかを切除される。なお、本実施例では第三葉片3外側のマージナル部分9を切除しているが、当該マージナル部分は製造工程の最上流に設置される前に予め切除されていても構わない。そしてニップローラ35a、35bによりさらに下流に配置された折畳み装置36へ送り込まれサポートローラ37に引き上げられ水平向きを変えるまでに図8の状態に折り畳まれる。そして下流側のピントラクタ38のピンと、
折り畳まれて一致したマージナル部分9、9を合致させてさらに下流へと搬送される。
なお、前記ニップローラ35a、35bと折畳み装置36間に複数のサポートローラ等を設け、その間で長尺状シートS1に弛みを付けることにより折畳み装置36に掛かるバックテンションを軽減させても構わない。
前記ピントラクタ38を通過した長尺状シートS1は、下流に配置されたスリッタ39a、39bにより前記マージナル部分9、9を一挙に切除すると、さらに下流に配置されたダイカットローラ40とバックアップローラ41からなる断裁装置により天地方向の切取線6に沿って断裁されて単位シートt1毎に個切りされるのである。
その後前記単位シートt1に個切りされた疑似接着前の往復葉書用紙は、下流に設置されている加熱・加圧装置へと送られる。前記加熱・加圧装置は上下に配置された一対の搬送ローラ42a、42bと一対のヒータパネル43a、43bが、単位シートt1の搬送経路に沿って水平方向に交互に配置されている。そして最終出口に加圧ローラ44a、44bが配置されており、前記ヒータパネル43a、43b間を通過中に加熱された単位シートt1を加圧することにより、対向する葉片の疑似接着予定面同士を剥離可能に疑似接着するのである。そして疑似接着を完了した単位シートt1即ち往復葉書J1はベルトコンベア等からなるスタッカに順次積載される。この製造方法により図1に示す往復葉書が仕上がる。
[実施例4:往復葉書の製造方法2]
本実施例では、図9に示す長尺状シートS2を使用して、図2に示す往復葉書を製造するものである。前記実施例3と同様で、当初第一葉片11の外側のマージナル部分19を予め切り落としておくか、或いはインタースタッカ等により切除しながら第一葉片11裏面と第二葉片12の裏面同士を対向するように折り線14から折り畳む。そして折り畳まれた状態で第一葉片11表面と第三葉片13裏面を疑似接着フィルムシートGで連続的に被覆ラミネートする。その後二箇所のうちの何れかのマージナル部分19を切除した後に(第三葉片13外側のマージナル部分19は予め切除しておいても構わない)、第一葉片11表面と第三葉片13裏面同士を対向させて折り線14から折り畳み、残るマージナル部分19を切除する。そしてダイカットローラ40とバックアップローラ41からなる断裁装置により単位シートt2毎に個切りした後に、第一葉片11表面と第三葉片13裏面同士を疑似接着する。なおこの状態では返信葉書と往信葉書が逆方向に折り畳まれているため、最終的に返信葉書を反転させて、図2に示す正規の往復葉書の折り態様に修正する必要がある。また二箇所のマージナル部分19の切除は第一葉片11表面と第三葉片13裏面同士を対向させて折り畳んだ後の切除工程で一度に済ませても構わない。
本発明は、上記実施例に限られるものではない。
例えば、スリッタによる各マージナル部分の切除工程は任意の箇所に分散させて段階的に切除しても、或いは一箇所で一挙に断裁しても構わない。
またスリッタによる切除工程、ダイカットロールとバックアップローラの組み合わせからなる断裁装置による断裁工程及び疑似接着工程はその配置を任意に入れ替えても構わない。
さらに疑似接着工程では、ヒートローラを使用して加熱と加圧を同時に実行しても構わない。
さらにまた、疑似接着手段を加圧のみに変更しても構わない。そうすれば加熱装置が省略でき、システムの構造が簡略できると共に全体のスペースもコンパクトになる。
J1、J2 往復葉書
G 疑似接着フィルムシート
S1、S2 長尺シート
K 切り欠き部
t1、t2 単位シート
L 住所氏名等の情報
M 個人情報
1、2、3、11、12、13 葉片
4、5、14、15 折り線
6、7、16、17 切取線
8、18 マージナル孔
9、19 マージナル部分

Claims (6)

  1. 往信葉書と返信葉書からなると共に往信葉書本体の葉片に別葉片が貼付された往復葉書であって、第一葉片(1)、第二葉片(2)及び第三葉片(3)が折り線(4、5)を介して横方向に連接された単位シート(t1)から形成され、往信葉書を構成する第三葉片(3)及び第一葉片(1)並びに返信葉書を構成する第二葉片(2)が上から順に重ねられると共に、第三葉片(3)と第二葉片(2)が連接されて各々往信葉書本体及び返信葉書本体となり、第三葉片(3)と第一葉片(1)が、その両対向面に連続的に被覆された疑似接着フィルムシート(G)を介して剥離可能に接着一体化されると共に第二葉片(2)と第三葉片(3)の間の折り線(5)側で前記疑似接着フィルムシート(G)のみを介して連接されていることを特徴とした往復葉書。
  2. 往信葉書と返信葉書からなると共に往信葉書本体の葉片に別葉片が貼付された往復葉書であって、第一葉片(11)、第二葉片(12)及び第三葉片(13)が折り線(14、15)を介して横方向に連接された単位シート(t2)から形成され、往信葉書を構成する第一葉片(11)及び第三葉片(13)並びに返信葉書を構成する第二葉片(12)が上から順に重ねられると共に、第三葉片(13)と第二葉片(12)が連接されて各々往信葉書本体及び返信葉書本体となり、第三葉片(13)と第一葉片(11)が、その両対向面に連続的に被覆された疑似接着フィルムシート(G)を介して剥離可能に接着一体化されると共に第二葉片(12)と第三葉片(13)の間の折り線(15)側で前記疑似接着フィルムシート(G)のみを介して連接されていることを特徴とした往復葉書。
  3. 請求項1に記載の往復葉書を製造する方法であって、第一葉片(1)、第二葉片(2)及び第三葉片(3)が折り線(4、5)を介して横方向に連接され、第一葉片(1)と第三葉片(3)の各外側にマージナル部分(9)を有すると共に第一葉片(1)と第二葉片(2)が各々のマージナル部分(9)を挟みながら折り線(4)を介して連接された単位シート(t1)が切取線(6)を介して縦方向に連接されてなる長尺状シート(S1)を使用し、前記長尺状シート(S1)における第一葉片(1)の外側のマージナル部分(9)の切除後に、第一葉片(1)表面と第二葉片(2)表面同士を対向させて折り線(4)から折り畳む第一の折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シート(S1)の第一葉片(1)裏面と第三葉片(3)表面の両面に疑似接着フィルムシート(G)連続的に被覆ラミネートするラミネート工程、疑似接着フィルムシート(G)が被覆ラミネートされた長尺状シート(S1)における第三葉片(3)の外側のマージナル部分(9)又は折り畳まれて重なり合う第一葉片(1)と第二葉片(2)のマージナル部分(9)の何れかを切り落とす第一の切除工程、前記何れかのマージナル部分(9)が切り落とされた長尺状シート(S1)を第一葉片(1)裏面と第三葉片(3)表面対向するように折り線(5)から折り畳む第二の折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シート(S1)の残るマージナル部分(9)を切り落とす第二の切除工程、残るマージナル部分(9)が切り落とされた長尺状シート(S1)を単位シート(t1)毎に個切りする断裁工程、及び断裁された単位シート(t1)に加圧或いは加熱・加圧処理を施して第一葉片(1)裏面と第三葉片(3)表面をそれら両面に連続的に被覆ラミネートされた疑似接着フィルムシート(G)を介して剥離可能に疑似接着する疑似接着工程からなることを特徴とした往復葉書の製造方法。
  4. 請求項2に記載の往復葉書を製造する方法であって、第一葉片(11)、第二葉片(12)及び第三葉片(13)が折り線(14、15)を介して横方向に連接され、第一葉片(11)と第三葉片(13)の各外側にマージナル部分(19)を有すると共に第一葉片(11)と第二葉片(12)が各々のマージナル部分(19)を挟みながら折り線(14)を介して連接された単位シート(t2)が切取線(16)を介して縦方向に連接されてなる長尺状シート(S2)を使用し、前記長尺状シート(S2)における第一葉片(11)の外側のマージナル部分(19)の切除後に、第一葉片(11)裏面と第二葉片(12)裏面同士を対向させて折り線(14)から折り畳む第一の折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シート(S2)の第一葉片(11)表面と第三葉片(13)裏面の両面に疑似接着フィルムシート(G)連続的に被覆ラミネートするラミネート工程、疑似接着フィルムシート(G)が被覆ラミネートされた長尺状シート(S2)における第三葉片(13)の外側のマージナル部分(19)又は折り畳まれて重なり合う第一葉片(11)と第二葉片(12)のマージナル部分(19)の何れかを切り落とす第一の切除工程、前記何れかのマージナル部分(19)が切り落とされた長尺状シート(S2)を第一葉片(11)表面と第三葉片(13)裏面対向するように折り線(15)から折り畳む第二の折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シート(S2)の残るマージナル部分(19)を切り落とす第二の切除工程、残るマージナル部分(19)が切り落とされた長尺状シート(S2)を単位シート(t2)毎に個切りする断裁工程、断裁された単位シート(t2)に加圧或いは加熱・加圧処理を施して第一葉片(11)表面と第三葉片(13)裏面をそれら両面に連続的に被覆ラミネートされた疑似接着フィルムシート(G)を介して剥離可能に疑似接着する疑似接着工程、及び疑似接着された単位シート(t2)の第二葉片(12)を折り線(15)から反転させて第三葉片(13)の外側へ折り返し、往復葉書の形態に仕上げる折り返し工程からなることを特徴とした往復葉書の製造方法。
  5. 第一の切除工程をなくし、第二の切除工程で各マージナル部分を切除する請求項3及び4の何れかに記載の往復葉書の製造方法。
  6. マージナル部分を切り落とす切除工程と単位シート毎に個切りする断裁工程及び疑似接着工程が各々任意の位置に入れ替わったことを特徴とした請求項3乃至5の何れかに記載の往復葉書の製造方法。

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