JP5672786B2 - 炭化珪素半導体基板の製造方法およびその基板を用いた炭化珪素半導体装置 - Google Patents

炭化珪素半導体基板の製造方法およびその基板を用いた炭化珪素半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5672786B2
JP5672786B2 JP2010136258A JP2010136258A JP5672786B2 JP 5672786 B2 JP5672786 B2 JP 5672786B2 JP 2010136258 A JP2010136258 A JP 2010136258A JP 2010136258 A JP2010136258 A JP 2010136258A JP 5672786 B2 JP5672786 B2 JP 5672786B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
substrate
single crystal
sintered body
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010136258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012004232A (ja
Inventor
信之 大矢
信之 大矢
秀幸 上東
秀幸 上東
伸義 榊原
伸義 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010136258A priority Critical patent/JP5672786B2/ja
Publication of JP2012004232A publication Critical patent/JP2012004232A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5672786B2 publication Critical patent/JP5672786B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)半導体基板の製造方法およびそれを用いたSiC半導体装置に関するもので、特に、基板の縦方向に電流を流すタイプの縦型パワー素子の形成が可能となるSiC半導体基板の製造方法およびそれを用いたSiC半導体装置に関する。
Siよりも大きな物性値を持つSiCに形成したパワー半導体素子は、Siに形成したパワー半導体素子よりも優れた性能を実現できる。具体的には、広いエネルギーギャップ(Siに対して約3倍)によって高温まで半導体として機能できること、高い絶縁破壊耐圧(Siに対して約10倍)によって高耐圧化が可能なこと、高い熱伝導率(Siに対して約3倍)によって放熱性に優れていることから、さらなる大電流化を図ることが可能となる。
図4は、縦型パワー素子として縦型パワーMOSFETが備えられた従来のSiC半導体装置の断面図である。この図に示されるように、縦型パワーMOSFETの製造には、例えば高不純物濃度のn型の単結晶SiCで構成されたSiC基板J1上に、SiCからなる低不純物濃度のn-型ドリフト層J2がエピタキシャル成長させられた基板が一般的に使用されている。そして、n-型ドリフト層J2に対して、p型ベース領域J3およびn+型ソース領域J4を形成すると共に、ゲート絶縁膜J5を介してゲート電極J6を備えることで、縦方向(基板厚み方向)に電流を流すタイプの縦型パワーMOSFETが形成されている。このデバイスのn-型ドリフト層J2は、上述の高い絶縁破壊耐圧によって、同じ耐圧仕様のSiの半導体素子に対して不純物濃度を100倍に、厚みを1/10にすることができることから、電気抵抗は1/1000に低減できる。
このように、SiC基板J1を用いることにより優れた特性を有するパワー素子を形成できるが、SiC基板J1の価格の高いことが課題としてあげられる。価格、すなわち製造コストが高くなる原因は、大口径で高品質の単結晶SiCの成長が難しいこと、また超硬質材である単結晶SiCをウェハ形状にするための「切る」、「削る」、「磨く」加工が難しいことにある。従って、高品質の単結晶SiCを有効に活用すること、またウェハ形状にする加工工程を簡単にすることが必要である。
そこで、シリコンのSOI(Silicon On Insulator)ウェハを製造する技術として使われている「水素イオンをシリコンウェハに注入して、シリコンの薄膜を乖離させる技術」をSiC基板の製造に取り入れることによりSiC基板を低コストで製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この製造方法によると、水素イオン注入した単結晶SiC基板をベース基板に接合したのちダメージ層で剥離し、その後剥離した単結晶SiC層に堆積法によって支持基板を形成し、ベース基板を除去して所望のSiC基板を得ている。このようにして高価で高品質な単結晶SiCの使用量を減らすことで低コスト化を図っている。
特開2002−280531号公報
しかしながら、水素イオン注入した単結晶SiC基板をベース基板に接合したのちダメージ層で剥離し、ついで剥離した単結晶SiC層に堆積法によって支持基板を形成し、その後ベース基板を除去して得られるSiC基板においても、最終的な形状であるSiC基板に不要なベース基板を中間介在物として必要とする。このため、ベース基板自体のコストは勿論のこと単結晶のSiC領域を単結晶SiC基板から一旦ベース基板に移した後に支持基板に移すという2段階の手順が必要となるためにその工程も煩雑となる。また、単結晶SiC基板とベース基板との間に貼り合わせという工程が存在するため、それぞれの基板表面への十分な平坦化加工が必要となり製造工程の簡略化が十分ではないため、十分に低コストとは言えず、更なる安価なSiC基板が望まれている。
本発明は上記点に鑑みて、縦型の半導体素子の形成が可能で、かつ、ベース基板のような中間介在物や基板表面の平坦化が必要な貼り合せ工程を必要とせずに製造でき、高品質な単結晶SiCの使用量を減らすことが可能なSiC半導体基板の製造方法およびその基板を用いたSiC半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明では、単結晶SiC基板(11)の表面に対して水素イオンを注入してダメージ層(12)を形成するダメージ層形成工程と、加圧・加熱処理することで単結晶SiC基板(11)の水素イオン注入した表面側に焼結体(1)の原材料である粉末(13)を焼結化させると共に単結晶SiC基板(11)と一体化させる焼結化および一体化処理工程と、ダメージ層(12)で単結晶SiC基板(11)を剥離させ、単結晶SiC基板(11)の一部によって構成される単結晶SiC層(2)を焼結体(1)上に備えた構造の炭化珪素半導体基板とする剥離工程と、を有していることを特徴としている。
このような製造方法により、素子の活性領域となる単結晶SiC層(2)およびドリフト層(3)と、支持体である導電性の焼結体(1)が一体となった縦型の半導体素子の形成が可能なSiC半導体基板を製造することができる。このようなSiC半導体基板は、SiC単結晶を剥離することによって単結晶SiC層(2)を構成したものであるため、高品質な単結晶SiCの使用量を減らすことが可能となる。また、ベース基板のような中間介在物や基板表面の平坦化が必要な貼り合せ工程を必要とすることもない。
請求項2に記載の発明では、焼結化および一体化処理工程および剥離工程として、加圧・加熱処理することで粉末(13)の焼結化と焼結体(1)と単結晶炭化珪素基板(11)の一体化とダメージ層(12)での単結晶炭化珪素基板(11)の剥離とを同時に行うことを特徴とするしている。
このように、加圧・加熱処理することで粉末(13)の焼結化と焼結体(1)と単結晶炭化珪素基板(11)の一体化とダメージ層(12)での単結晶炭化珪素基板(11)の剥離を同時に行うことで、剥離工程のみを別途行う必要が無くなり、製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
上記のような焼結体(1)については、請求項3に記載したように、SiC、炭素、高融点金属、高融点金属炭化物もしくは高融点金属窒化物を含む導電性セラミックスの少なくとも一つを主成分とするものにより形成することができる。このような材料を用いて支持体となる焼結体(1)を形成することにより、容易かつ安価に支持体を形成することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体基板の製造方法によって製造され、焼結体(1)と、焼結体(1)の表面に接合されることで焼結体(1)と一体構造とされた単結晶SiC層(2)と、単結晶SiC層(2)の上に形成されたドリフト層(3)と、ドリフト層(3)に形成された縦型の半導体素子と、ドリフト層(3)のうち単結晶SiC層(2)と反対側となる表面側において縦型の半導体素子に接続される表面電極(8)と、焼結体(1)のうち単結晶SiC層(2)と反対側となる裏面側において縦型の半導体素子に接続される裏面電極(9)と、を備えていることを特徴としている。
このように構成される縦型の半導体素子を備えたSiC半導体装置は、素子の活性領域だけに高品位の単結晶のSiCを使う構造にできるため、高品質な単結晶SiCの使用量を減らすことが可能な構造のSiC半導体装置とすることができる。また、焼結体(1)であるが故に、材料の複合化や粒径の制御によって電気伝導性や熱膨張係数や切削の容易さに関わる機械的特性を容易に制御することができる。
請求項5に記載の発明では、焼結体(1)の比抵抗が10mΩ・cm以下であることを特徴としている。このように、低い比抵抗の支持体を用いることで電流を素子形成面から裏面側に低損失で流すことができる半導体構造となる。通常、基板抵抗成分を低減するために素子形成後に基板を研削して薄膜化する手法が取られるが、支持体の比抵抗を10mΩ・cm以下とすることで薄膜化しなくても基板抵抗成分が十分に低くなるため、研削工程が不要となり製造コストを下げることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるSiC半導体基板の製造方法により形成したSiC半導体基板を用いて形成した縦型パワーMOSFETの断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるSiC半導体基板の製造工程を示す断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるSiC半導体基板の製造工程を示す断面図である。 従来の半導体基板に縦型パワーMOSFETを形成した場合の断面構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるSiC半導体基板の製造方法により形成したSiC半導体基板を用いて形成した縦型パワーMOSFETを備えたSiC半導体装置の断面図である。
図1に示すように、縦型パワーMOSFETは、支持体となる焼結体1の表面にSiC単結晶から剥離したn+型SiC層2が備えられ、かつ、n+型SiC層2の表面にSiCからなるn-型ドリフト層3がエピタキシャル成長させられたものをSiC半導体基板として用いて形成されている。
-型ドリフト層3の表層部における所定領域には、所定深さを有するp型ベース領域4が離間して形成されている。また、p型ベース領域4の表層部には、p型ベース領域4よりも浅い高不純物濃度のn+型ソース領域5が形成されている。
さらに、n+型ソース領域5とn-型ドリフト層3の間におけるp-型ベース領域4の表面部およびn-型ドリフト層3の表面には、シリコン酸化膜等で構成されたゲート絶縁膜6が形成され、ゲート絶縁膜6の上にはゲート電極7が形成されている。また、ゲート電極7が図示しない層間絶縁膜などによって覆われており、層間絶縁膜に形成したコンタクトホールを通じてn+型ソース領域5およびp-型ベース領域4に電気的に接続されるソース電極8が形成されている。そして、焼結体1の裏面側には、ドレイン電極9が形成されることにより、図1に示したSiC半導体装置が構成されている。
このように構成される縦型パワーMOSFETを備えたSiC半導体装置は、SiC単結晶を剥離することによってn+型SiC層2を構成したものであり、高品質な単結晶SiCの使用量を減らすことが可能な構造のSiC半導体装置とすることができる。また、支持体を焼結体1にて構成しているため、材料の複合化や粒径の制御によって電気伝導性や熱膨張係数や切削の容易さに関わる機械的特性を容易に制御することができる。
次に、上記のように構成される縦型パワーMOSFETを備えたSiC半導体装置の製造に用いることができるSiC半導体基板の製造方法について説明する。図2に、本実施形態のSiC半導体基板の製造工程中の断面図を示し、この図を参照して説明する。
[図2(a)に示す工程]
まず、高品位かつ表面の平坦な単結晶SiC基板11を用意し、この単結晶SiC基板11の表面に対して水素イオンを注入する工程を行う。例えば、加速エネルギー200keV、ドーズ量2.0×1017/cm2で単結晶SiC基板11の表面に水素イオンを注入する。このイオン注入によって、水素と結晶欠陥が高密度に偏析するダメージ層12を形成する。加速エネルギーとドーズ量は必要なダメージ層12の形成深さによって設定され、上記条件の場合には1.3μm程度の深さにダメージ層12を形成することができる。
なお、イオン注入時にチャネリング防止用のキャップ酸化膜を単結晶SiC基板11の表面に形成しておき、イオン注入後に除去するようにしても良い。
[図2(b)に示す工程]
焼結体1を形成するための材料としてSiCの微細粉末13を生成する工程を行う。例えば、純度99%以上のSiとCをモル比1:1で配合して遊星ボールミルにより24時間窒素雰囲気でメカニカルアロイング処理した後に純水を追加してさらに10時間粉砕し、自然乾燥により水分を除去することで、例えば1μm以下の粒径のSiCの微細粉末13を得ることができる。このとき、配合段階で、SiとCに加えてドーパント源となる元素(n型不純物であるリンや窒素等)や焼結助剤となる元素(ボロン、ボロン炭化物、マグネシウム、アルミ炭化物など)を微量に加えることで、この後形成する焼結体の比抵抗の低減や焼結性の向上を図ることも可能である。ただし、焼結助剤となる元素にp型不純物となり得るものを用いる場合には、ドーパント源となる元素との含有量を調整することで、焼結体1に含まれるキャリア濃度を調整することが必要となる。
次に、例えばカーボン製の型を構成する中空円柱状のダイ14と、ダイ14の中空部と同径とされた円柱状のパンチ15を用意する。そして、ダイ14の中空部内にダメージ層12を形成しておいた単結晶SiC基板11を配置すると共に、単結晶SiC基板11の表面側(ダメージ層12を形成する水素イオンの注入を行った側)のSiCの微細粉末13を設置する。そして、パンチ15を単結晶SiC基板11と微細粉末13の両側に配置したのち、パンチ15を40MPaの圧力で押圧し、1200℃の温度を10分間加えることにより、SiCの微細粉末13を焼結体1に変化させると共に、焼結体1を単結晶SiC基板11と分子レベルで一体化させるという焼結化および一体化処理工程を行う。このような焼結化および一体化処理は放電プラズマ焼結装置やホットプレス装置のような、圧力と温度を同時に付加できる装置によって行うことができる。
なお、このような単結晶SiC基板11と焼結体1の一体化は、単結晶SiC基板11と焼結体1を直接接合することでも得られるが、前もって焼結体1を形成する手間が省かれることと、直接接合に必要な接合表面の平坦化が不要であるという利点がある。
[図2(c)に示す工程]
一体化した単結晶SiC基板11と焼結体1をダイ14およびパンチ15から取り出し、外力を加えることでダメージ層12から単結晶SiC基板11の一部を分離させる剥離工程を行うことで、n+型SiC層2が接合された焼結体1を得ることができる。なお、このときにn+型SiC層2が剥離された単結晶SiC基板11の残部については、再度水素イオンを注入して新たなn+型SiC層2を形成するためのSiC素材として再使用される。
[図2(d)に示す工程]
焼結体1に接合されたn+型SiC層2側の表面を研磨や水素エッチングによりダメージ領域を除去した後、低不純物濃度のSiCをエピタキシャル成長して半導体素子の活性領域となるn-型ドリフト層3を形成する。このとき、単結晶のn+型SiC層2の表面にn-型ドリフト層3を形成しているため、n-型ドリフト層3の結晶性はn+型SiC層2の結晶性が引き継がれ、単結晶のSiCとなる。
このような工程を経て、素子の活性領域となる単結晶のSiCで構成されたn+型SiC層2およびn-型ドリフト層3と、支持体である導電性の焼結体1が一体となったSiC半導体基板を製造することができる。そして、このようなSiC半導体基板を用いて、周知のデバイス形成プロセスを実施することにより、図1に示した縦型パワーMOSFETを製造することができる。すなわち、n-型ドリフト層3に対してマスクを用いた不純物のイオン注入および活性化熱処理を行うことでp型ベース領域4およびn+型ソース領域5を形成したのち、熱酸化等によってゲート絶縁膜6を形成し、その後、ドープトPoly−Siの成膜およびパターニングによりゲート電極7を形成する。そして、層間絶縁膜の形成工程、コンタクトホールの形成工程、ソース電極8やゲート配線のパターニング工程、ドレイン電極9の形成工程等を経ることで、図1に示す縦型パワーMOSFETが完成する。
以上説明した本実施形態のSiC半導体基板の製造方法によれば、素子の活性領域となる単結晶のSiCで構成されたn+型SiC層2およびn-型ドリフト層3と、支持体である導電性の焼結体1が一体となった縦型の半導体素子が形成可能なSiC半導体基板を製造することができる。このようなSiC半導体基板は、SiC単結晶を剥離することによってn+型SiC層2を構成したものであるため、高品質な単結晶SiCの使用量を減らすことが可能となる。また、ベース基板のような中間介在物や基板表面の平坦化が必要な貼り合せ工程を必要とすることもない。
また、このようなSiC半導体基板を用いて縦型パワーMOSFETなどの縦型の半導体素子を形成する場合、基板抵抗をできるだけ低くするために素子形成後に基板を研削し薄膜化する処理がなされるが、従来の単結晶SiC基板においては単結晶SiCの機械的性質により研削に時間がかかるという問題があった。しかしながら、本実施形態のように、SiC半導体基板の裏面側が焼結体1となっており、SiC単結晶と比較して硬度が低い焼結体1は多結晶体で構成されているため、研削性が向上し、研削にかかる時間を短縮することができる。
さらに、縦型パワーMOSFETなどの縦型パワー素子を形成する場合、裏面にドレイン電極9等の裏面電極を形成する必要がある。従来の単結晶SiC基板においては、裏面の平面度が高く、低コンタクト抵抗のオーミック電極を得ることが困難であるため、裏面へのイオン注入による高濃度処理等の特別な工程が必要であった。これに対して、本実施形態のように、焼結体1が裏面に形成されている場合、焼結体1の表面の平面度が低く(表面が粗く)、裏面電極が焼結体1の微小な凹凸内に入り込んで接合されるため、容易に低コンタクト抵抗のオーミック電極を得ることができる。さらに、焼結体1の場合、活性率が低く、イオン注入などによって欠陥が入り易い単結晶SiCなどと比較して高濃度にし易く、元々高濃度で低抵抗にしておくことが可能である。したがって、高濃度処理等の特別な工程を行わなくても、容易に低コンタクト抵抗のオーミック電極を得ることができる。
なお、焼結体1と単結晶SiC層2との間も分子レベルで接合され、単結晶SiC層2と焼結体1とが同じSiCにて構成されるため、これらの間もオーミック接触となる。このため、焼結体1を備えた状態で縦型パワー素子を備えても、オン抵抗の増大を抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してSiC半導体基板の製造方法の一部を変更したものである。図3に、本実施形態のSiC半導体基板の製造工程中の断面図を示し、この図を参照して説明する。
[図3(a)に示す工程]
まず、高品位かつ表面の平坦な単結晶SiC基板11を用意し、この単結晶SiC基板11の表面に対して水素イオンを注入する工程を行う。この工程については、第1実施形態で説明した図2(a)に示す工程と同様である。
[図3(b)に示す工程]
焼結体1を形成するための材料としてSiCの微細粉末13を生成する工程を行う。例えば、純度99%以上のTiとCをモル比1:1で配合して遊星ボールミルにより24時間窒素雰囲気でメカニカルアロイング処理することで炭化チタンの微細粉末13を得ることができる。このとき、配合段階で、TiとCに加えて焼結助剤となる元素(ニッケル、クロム、モリブデン、鉄など)を微量に加えることで、この後形成する焼結体の焼結性の向上を図ることも可能である。
次に、カーボン製の型であるダイ14とパンチ15にダメージ層12を導入した単結晶SiC基板11と炭化チタンの微細粉末13を設置する。この時、単結晶SiC基板11のイオン注入した面を炭化チタンの微細粉末13側に向ける。
[図3(c)に示す工程]
そして、例えばカーボン製の型を構成する中空円柱状のダイ14と、ダイ14の中空部と同径とされた円柱状のパンチ15を用意する。そして、ダイ14の中空部内にダメージ層12を形成しておいた単結晶SiC基板11を配置すると共に、単結晶SiC基板11の表面側(ダメージ層12を形成する水素イオンの注入を行った側)のSiCの微細粉末13を設置する。そして、パンチ15を単結晶SiC基板11と微細粉末13の両側に配置したのち、パンチ15を40MPaの圧力で押圧し、900℃の温度を10分間加えることにより、炭化チタンの微細粉末13を焼結体1に変化させて焼結体1を単結晶SiC基板11と分子レベルで一体化させると共に、ダメージ層12からの分離を起こさせるという焼結化および一体化処理および剥離工程を行う。このような焼結化および一体化処理および剥離工程についても、放電プラズマ焼結装置やホットプレス装置のような、圧力と温度を同時に付加できる装置によって行うことができる。
なお、このような単結晶SiC基板11と焼結体1の一体化は、単結晶SiC基板11と焼結体1を直接接合することでも得られるが、前もって焼結体1を形成する手間が省かれることと、直接接合に必要な接合表面の平坦化が不要であるという利点がある。
また、このように、焼結に用いる温度をダメージ層からの分離に用いることで、焼結化および一体化処理工程と剥離工程とを同時に行うことができる。このため、剥離工程のみを別途行う必要が無くなり、製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
また、このときにn+型SiC層2が剥離された単結晶SiC基板11の残部については、再度水素イオンを注入して新たなn+型SiC層2を形成するためのSiC素材として再使用される。
[図3(d)に示す工程]
一体化した単結晶SiC層2と焼結体1および単結晶SiC基板11の残部をダイ14およびパンチ15から取り出す。この後の工程については第1実施形態と同様に行うことで、素子の活性領域となる単結晶のSiCで構成されたn+型SiC層2およびn-型ドリフト層3と、支持体である導電性の焼結体1が一体となったSiC半導体基板を製造することができる。
このような製造方法によっても、第1実施形態と同様のSiC半導体基板を製造することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。そして、このようなSiC半導体基板を用いて、縦型の半導体素子を形成することができる。
なお、炭化チタンを焼結させて形成した焼結体1の比抵抗を測定した結果、7mΩ・cmの値が得られた。このように、低い比抵抗の焼結体1を支持体として用いることで電流を素子形成面から裏面側に低損失で流すことができる半導体構造となる。通常、基板抵抗成分を低減するために素子形成後に基板を研削して薄膜化する手法が取られるが、支持体の比抵抗を7mΩ・cm、つまり10mΩ・cm以下とすることで薄膜化しなくても基板抵抗成分が十分に低くなるため、研削工程が不要となり、製造工程の簡略化が図れるため、製造コストを下げることができる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、焼結体1をSiCにて構成し、第2実施形態では、焼結体1を炭化チタンにて構成する場合について説明した。しかしながら、これらの材料は単なる一例を示したにすぎず、他の材料、例えば炭素、高融点金属、高融点金属炭化物や高融点金属窒化物などの導電性セラミックスの少なくとも1つによって焼結体1を形成することができる。これらの材料を用いる場合にも、微細粉末13を形成しておき、焼結化するという第1、第2実施形態で説明したプロセスを採用することができる。
上記第1、第2実施形態では、SiC半導体基板に対して縦型の半導体素子として縦型パワーMOSFETを形成する場合について説明したが、他の縦型の半導体素子、例えばショットキーバリアダイオード等を形成することもできる。上記各実施形態の製造方法によって製造したSiC半導体基板は、このような縦型の半導体素子の形成にも適しており、このような縦型の半導体素子を形成する場合にも上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、n+型SiC層2の上にn-型ドリフト層3を形成した構造について説明したが、p+型SiC層の上にn-型ドリフト層を形成するIGBT用のSiC半導体基板を上記のような製造方法によって製造しても構わない。また、上記各実施形態ではnチャネルタイプの縦型パワーMOSFETを例に挙げたが、各部の導電型を逆にしたpチャネルタイプの縦型パワーMOSFETを製造しても良い。勿論、IGBTなどの他の縦型の半導体素子についても、導電型に拘わらず、上記のような製造方法によってSiC半導体基板を製造し、それを用いて製造することができる。
1 焼結体
2 n+型SiC層
3 n-型ドリフト層
4 p型ベース領域
5 n+型ソース領域
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
8 ソース電極
9 ドレイン電極
11 単結晶SiC基板
12 ダメージ層
13 微細粉末
14 ダイ
15 パンチ

Claims (5)

  1. 単結晶炭化珪素基板(11)を用意し、該単結晶炭化珪素基板(11)の表面に対して水素イオンを注入してダメージ層(12)を形成するダメージ層形成工程と、
    加圧・加熱処理することで前記単結晶炭化珪素基板(11)の水素イオン注入した表面側に焼結体(1)の原材料である粉末(13)を焼結化させると共に前記単結晶炭化珪素基板(11)と一体化させる焼結化および一体化処理工程と、
    前記ダメージ層(12)で前記単結晶炭化珪素基板(11)を剥離させ、前記単結晶炭化珪素基板(11)の一部によって構成される単結晶炭化珪素層(2)を前記焼結体(1)上に備えた構造の炭化珪素半導体基板とする剥離工程と、を有していることを特徴とする炭化珪素半導体基板の製造方法。
  2. 前記焼結化および一体化処理工程および前記剥離工程として、加圧・加熱処理することで前記粉末(13)の焼結化と前記焼結体(1)と前記単結晶炭化珪素基板(11)の一体化と前記ダメージ層(12)での前記単結晶炭化珪素基板(11)の剥離を同時に行うことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
  3. 前記焼結体(1)の原材料である粉末(13)から形成される焼結体(1)を、炭化珪素、炭素、高融点金属、高融点金属炭化物もしくは高融点金属窒化物を含む導電性セラミックスの少なくとも一つを主成分とするものにより形成することを特徴とする請求項1または2記載の炭化珪素半導体基板の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体基板の製造方法によって製造され、
    前記焼結体(1)と、
    前記焼結体(1)の表面に接合されることで前記焼結体(1)と一体構造とされた前記単結晶炭化珪素層(2)と、
    前記単結晶炭化珪素層(2)の上に形成されたドリフト層(3)と、
    前記ドリフト層(3)に形成された縦型の半導体素子と、
    前記ドリフト層(3)のうち前記単結晶炭化珪素層(2)と反対側となる表面側において前記縦型の半導体素子に接続される表面電極(8)と、
    前記焼結体(1)のうち前記単結晶炭化珪素層(2)と反対側となる裏面側において前記縦型の半導体素子に接続される裏面電極(9)と、を備えていることを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  5. 前記焼結体(1)の比抵抗が10mΩ・cm以下であることを特徴とする請求項4に記載の記載の炭化珪素半導体装置。
JP2010136258A 2010-06-15 2010-06-15 炭化珪素半導体基板の製造方法およびその基板を用いた炭化珪素半導体装置 Active JP5672786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010136258A JP5672786B2 (ja) 2010-06-15 2010-06-15 炭化珪素半導体基板の製造方法およびその基板を用いた炭化珪素半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010136258A JP5672786B2 (ja) 2010-06-15 2010-06-15 炭化珪素半導体基板の製造方法およびその基板を用いた炭化珪素半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012004232A JP2012004232A (ja) 2012-01-05
JP5672786B2 true JP5672786B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=45535930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010136258A Active JP5672786B2 (ja) 2010-06-15 2010-06-15 炭化珪素半導体基板の製造方法およびその基板を用いた炭化珪素半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5672786B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9349804B2 (en) * 2013-02-12 2016-05-24 Infineon Technologies Ag Composite wafer for bonding and encapsulating an SiC-based functional layer

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11268994A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 Denso Corp 炭化珪素単結晶の製造方法
JP3500063B2 (ja) * 1998-04-23 2004-02-23 信越半導体株式会社 剥離ウエーハを再利用する方法および再利用に供されるシリコンウエーハ
JP3087070B1 (ja) * 1999-08-24 2000-09-11 日本ピラー工業株式会社 半導体デバイス製作用単結晶SiC複合素材及びその製造方法
JP4802380B2 (ja) * 2001-03-19 2011-10-26 株式会社デンソー 半導体基板の製造方法
JP2003168790A (ja) * 2001-11-30 2003-06-13 Shin Etsu Handotai Co Ltd 貼り合わせウェーハの製造方法
EP1901345A1 (en) * 2006-08-30 2008-03-19 Siltronic AG Multilayered semiconductor wafer and process for manufacturing the same
US7790563B2 (en) * 2007-07-13 2010-09-07 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device, electronic device and method for manufacturing semiconductor device
JP2009117533A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Shin Etsu Chem Co Ltd 炭化珪素基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012004232A (ja) 2012-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10020226B2 (en) Method for forming a semiconductor device and a semiconductor device
CN105428213B (zh) 具有石墨芯的复合晶片及其制造方法
CN106409669B (zh) 形成晶片结构的方法、形成半导体器件的方法和晶片结构
JP5343984B2 (ja) 化合物半導体基板およびその製造方法
JP5477302B2 (ja) 炭化珪素半導体基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法
CN108028170B (zh) 贴合式soi晶圆的制造方法
JP2009130266A (ja) 半導体基板および半導体装置、半導体装置の製造方法
WO2021020574A1 (ja) 半導体基板及び半導体装置並びにそれらの製造方法
US11004938B2 (en) Semiconductor substrate structure and power semiconductor device
WO2011096109A1 (ja) 炭化珪素基板の製造方法
CN105765726A (zh) 绝缘栅双极晶体管及其制造方法
JP5840366B2 (ja) 炭化珪素半導体基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2022177017A (ja) 半導体基板構造体の製造方法及び半導体基板構造体
JP2022177018A (ja) 半導体基板構造体の製造方法及び半導体基板構造体
WO2010131571A1 (ja) 半導体装置
JP5672786B2 (ja) 炭化珪素半導体基板の製造方法およびその基板を用いた炭化珪素半導体装置
US11576259B2 (en) Carrier, laminate and method of manufacturing semiconductor devices
JP2019012756A (ja) 半導体素子基板の製造方法
JP2019501524A (ja) 絶縁体上半導体基板
WO2018055838A1 (ja) 半導体素子の製造方法及び半導体基板
JP2006179662A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2017135171A (ja) 半導体基板及びその製造方法
CN117253791A (zh) Igbt器件的制作方法及igbt器件
CN116830276A (zh) 半导体衬底及其制造方法
JP2013118247A (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5672786

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250