JP2019012756A - 半導体素子基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】暫定的な仮基板を使用することにより、結晶欠陥の少ない高耐圧素子が形成された半導体基板を低コストで製造する半導体素子基板の製造方法を提供する。【解決手段】第1の半導体の単結晶からなる第1基板に水素層を形成し、第1基板と第1の仮基板とを接合し、第1基板を水素層により分離させて第1薄膜層を第1の仮基板上に残し、その後、第1薄膜層上に第2の半導体からなる第2薄膜層80を形成する成膜工程と、第2薄膜層に素子を形成する素子形成工程と、素子が形成された表面と第2の仮基板42とを接合する接合工程と、第1の仮基板を除去する分離工程と、第1の仮基板が除去された面に裏面金属膜51を形成する裏面電極形成工程と、裏面金属膜に金属基板9を接合する接合工程と、第2の仮基板を除去する分離工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体素子基板の製造方法に関する。詳しくは、結晶欠陥の少ない高耐圧用半導体素子基板を低コストで製造する半導体素子基板の製造方法に関する。
高電圧用途の半導体素子の基板として、バンドギャップ幅が大きい炭化ケイ素(以下、「SiC」ともいう。)半導体基板が着目されている。図14は、SiCからなる一般的な縦型構造のMOSFET(100)の断面構造を示している。素子用支持基板110上に能動層120がエピタキシャル成長により形成されており、その能動層120の領域にソース101、ドレイン102及びゲート103が形成されている。ソース101、ドレイン102間の電流の導通と遮断はゲート103により制御される。導通時のドレイン電流iは、ドレイン102と素子用支持基板110の底面に形成されているドレイン電極104との間で流れる。
素子用支持基板110は、電流が縦方向(図の上下方向)に流れる領域であり、20mΩ・cm以下の低い抵抗率とされる。一方、能動層120は、高電圧の耐圧が必要であるため、素子用支持基板110と比べて2〜3桁高い抵抗率とされている。SiCを用いる半導体素子はバンドギャップ幅が大きいため、能動層120の厚さが5〜10μm程度と薄くできることが特徴である。素子用支持基板110の厚さは、単結晶基板の取り扱い時の割れ防止等のため、6インチ基板の場合、300μm程度とされる。能動層120は、素子用支持基板110の上にエピタキシャル成長によって形成されるため、その結晶性は下地となる素子用支持基板110に依存する。このため、素子用支持基板110のSiCの結晶品質が重要となる。
SiCは格子定数の異なる炭素とシリコンとからなる化合物であるので、素子基板には結晶欠陥が多く発生する。特にパワー素子用途では結晶欠陥は致命的となるため、結晶欠陥の低減に種々の工夫がなされているが、その分素子基板のコストが高くなっている。このため、エピタキシャル成長される能動層120の下地である素子用支持基板110の結晶欠陥の低減とコストの低減とを両立させることが課題となっている。また、図14に示したような縦型構造の場合には、電流を縦方向に流すために素子用支持基板110は抵抗率を低くする必要があり、そのため高濃度の窒素が添加されてN型半導体とされる。しかし、高濃度の窒素のために、さらに結晶欠陥は増えるという問題がある。
結晶欠陥の低減とコストの低減のために、低コストの多結晶基板の上に結晶性の良い単結晶層を接合する方法が知られている。例えば、非晶質シリコンを多結晶SiC支持体上に蒸着し、その多結晶SiC支持体と単結晶SiC基板とを接合し、直接ボンディングにより一体化する基板製造方法がある(特許文献1を参照)。また、FABガン(Fast Atomic Gun)を用いた表面活性化手法により基板の貼り合せを行う例もある(特許文献2を参照)。また、2枚の半導体層を貼り合せるのに、各半導体層の表面にアルゴン等の不活性な不純物を照射して一旦非晶質化し、2枚を接合した後の熱処理により再結晶化させる方法がある。この方法によって、2枚の貼り合せ界面において原子レベルで連続性があることが確認されている(特許文献2を参照)。
これらの知見から、結晶性を問わない安価な多結晶基板と結晶性の良い単結晶基板とを接合することにより、安価且つ結晶性の良い基板を形成することも考えられる。
しかし、そのような基板は接合界面を有するため、部分的にも接合欠陥があると素子の歩留まりの低下を招く。欠陥のない接合をするために両基板の表面の平坦度を上げる研磨をすれば、研磨コストが高価になってしまうという問題がある。また、接合界面に存在する各種の原子成分や貼り合せ装置等により発生するパーティクルの巻き込みを無くすことは困難である。接合によって素子基板を形成する手法の最大の問題は、接合界面が最終的な半導体基板に存在することである。
上記問題に対して、最終的には接合界面を有しない半導体基板の製造方法が提案されている(特許文献3,4を参照)。
特表2004−503942号 特開2015−15401号 特開2002−280531号 WO2016/140229号
前記のとおり、従来、高電圧用途の半導体素子の基板は、一定の厚さの素子用支持基板の表層に、単結晶からなる薄膜層をエピタキシャル成長させることにより製造されている。本来この素子用支持基板の結晶性は問わないため、安価な多結晶半導体基板を用いることも考えられる。しかし、一般に結晶性を問わない半導体基板上に結晶性のよい単結晶半導体層を成長させることは困難である。結晶性を問わない厚い層の上に成長させることができるのは、結晶性を問わない層になってしまうからである。一方、素子用支持基板を単結晶半導体とするのは、高価となるばかりか無駄が多い。
この問題を解決するため、結晶性を問わない安価な厚い基板と結晶性の良い基板の薄膜層とを貼り合わせることにより、安価で且つ結晶性の良い素子基板を形成する種々の手法が提案されてきた。しかし、多結晶基板と単結晶基板とを接合する従来の製造手法では、完成された半導体基板に接合界面が存在するため、高品質な半導体基板を得ることが容易ではない(特許文献2参照)。これに対して、特許文献3、4には、最終的には接合界面が存しない半導体基板を貼り合わせによって製造する方法が開示されている。
特許文献3、4に記載された製造方法では、泥弱層を形成した単結晶SiC基板にベース基板を貼り付けた後、熱処理をして泥弱層で単結晶SiC基板を剥離させることによって、仮基板上に単結晶SiC層が積層された堆積用基板が形成される。そして、その単結晶SiC層上に支持体を堆積させた後、仮基板が除去される。これによって、素子の活性領域となる単結晶SiC層の上に支持体が堆積された半導体基板が得られるとされている。しかし、通常、薄い単結晶SiC層の上に厚い支持体層を形成すれば、特にその分の結晶性の不均一性のために内部応力の不均一が発生する。そのため、上記仮基板のような仮設固定手段を除去した後に反りが発生してしまうという大きな問題があった。特にSiCの場合には、1200〜1600℃という高温度の下で気層成長させることになり、ウェーハ周縁部分に応力の不均一が発生し易い。また、支持層の厚さは350μmを要し、最終的には80μmまで薄くして、その他は捨ててしまうという実態にある。
したがって、結晶性を問わない安価な基板といえども最終的に必要な厚さとして、なおかつ接合界面が存在しない高品質な半導体基板を実用化するためには、上記支持体層を設ける構造及び工程を改善することが必要である。
また、SiCをはじめとするワイドバンドギャップ半導体においては、N型半導体層にP型、N層を形成する場合に熱拡散をしないため、位置合わせはステッパを用いて精度よく行う必要がある。その為に基板の反りは極めて小さいことが要求される。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ワイドバンドギャップで結晶欠陥の少ない高耐圧素子用の半導体基板を低コストで製造する半導体素子基板の製造方法を提供し、以って化合物半導体を使用した結晶欠陥の少ない高耐圧素子用の半導体基板を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.第1の半導体材料の単結晶からなる第1基板の表面から所定の深さに水素イオンを注入して水素層を形成する水素層形成工程と、前記第1基板の前記表面と第1の仮基板とを接合する第1接合工程と、前記第1の仮基板と接合された前記第1基板を、前記水素層を境界として分離させ、前記第1基板の分離された前記表面側を第1薄膜層として前記第1の仮基板上に残す第1分離工程と、前記第1の仮基板上に残された前記第1薄膜層上に第2の半導体材料からなる第2薄膜層を形成する第1の成膜工程と、前記第2薄膜層に半導体素子を形成する素子形成工程と、前記半導体素子が形成された表面と第2の仮基板とを接合する第2接合工程と、前記第1の仮基板を除去することにより、前記第2の仮基板の上に、前記第2薄膜層及び前記第1薄膜層が形成され、前記第2薄膜層に半導体素子が形成されている第3基板を得る第2分離工程と、前記第3基板の前記第1の仮基板が除去された表面に裏面金属膜を形成する裏面電極形成工程と、前記裏面金属膜の表面に素子用支持基板を接合する第3接合工程と、前記第2の仮基板を除去する第3分離工程と、を含むことを特徴とする半導体素子基板の製造方法。
2.前記第3分離工程により前記第2の仮基板が除去されて露出した半導体素子面に追加半導体表面加工をする第2素子形成工程を含む前記1.記載の半導体基板の製造方法。
3.前記裏面電極形成工程は、前記第3基板の前記第1の仮基板が除去された表面にシリサイド用金属膜を成膜し、シリサイド化して、その後、前記裏面金属膜を形成する前記1.又は2.に記載の半導体基板の製造方法。
4.前記第1接合工程の前に、前記第1基板の前記表面にシリサイド用金属膜を成膜し、シリサイド化した後に前記シリサイド用金属膜を除去するシリサイド層形成工程を含む前記1.又は2.に記載の半導体基板の製造方法。
5.前記第1の仮基板及び前記第2の仮基板は光を透過する材料からなる前記1.乃至4のいずれかに記載の半導体基板製造方法。
6.前記第1の仮基板及び前記第2の仮基板は光を透過するSiC或いはサファイアからなり、その上にGa系半導体薄膜が形成された基板である前記1.乃至5.のいずれかに記載の半導体基板の製造方法。
7.前記第1の半導体材料及び前記第2の半導体材料はSiC、或いはGaN、或いは酸化ガリウムからなる前記1.乃至6.のいずれかに記載の半導体基板製造方法。
8.前記素子用支持基板は金属基板である前記1.乃至7.のいずれかに記載の半導体基板の製造方法。
9.前記素子用支持基板はSiC基板である前記1.乃至7.のいずれかに記載の半導体基板の製造方法。
本発明の半導体基板の製造方法によれば、単結晶の第1薄膜層を下地として第2の半導体からなる第2の薄膜層を素子形成の基板とすることができる。すなわち、高品質な単結晶の第1基板から分離する第1薄膜層を薄くすることにより、単結晶の第1基板は高価格であっても、第1薄膜層は低コストとすることが可能である。また、第2の単結晶薄膜層は第1の仮基板の上に形成されているため、素子形成工程においては反りの少ないことが可能である。
また、最終的な半導体基板には、第1基板と第1の仮基板との接合界面が存しないので、接合界面で発生する各種の金属の存在や、接合時に混入する各種パーティクルによる接合欠陥を排除することができる。また、第1基板と第1の仮基板との接合、第2薄膜層に半導体素子が形成された表面と第2の仮基板との接合は必ずしも完全でなくともよいため、接合のために行う各基板表面の平坦化処理を簡素化することも可能である。
前記第1の仮基板、第2の仮基板ともに再利用可能であるため、消耗部材を最小限に抑えることが可能であり、低コストの素子が可能となる。
前記第1の仮基板、第2の仮基板はSiC或いはサファイア基板であり、その表面にGa系薄膜層が形成されている場合には、第1接合においても、第2接合においてもアルゴンビームで活性化して接合する(FABガン)手段を用いることができる。
前記第1の仮基板、第2の仮基板はSiC或いはサファイア基板にGa系薄膜層が形成されている基板であり、第2の仮基板のGa系薄膜層の上にSi或いはSiOの薄膜を形成し、第1基板の単結晶表面にはSiO或いはSiの薄膜を形成すれば、両表面をSiとSiOの界面で水酸化基を介して接合する手段を用いることができる。
本発明の半導体素子基板の製造方法によって製造される半導体基板は、第1の半導体材料の単結晶からなる第1薄膜層と、前記第1薄膜層に成膜された素子形成用単結晶層からなる第2薄膜層と、を備え、前記第1の半導体材料はSiC、GaN及び酸化ガリウムのうちのいずれかであり、前記素子形成用単結晶層はSiC、GaN及び酸化ガリウムのうちのいずれかからなるため、第1薄膜層上に高品質な素子形成用単結晶からなら第2薄膜層を備えることができる。また、第1薄膜層の厚さは薄くて済むので、単結晶SiC基板を支持基板として用いる従来の半導体基板に比べて安価にすることができる。素子用支持基板は、金属基板であっても低抵抗SiC基板であってもよい。低抵抗SiCは、結晶品質を問わず高濃度の窒素等を添加することにより低抵抗とすることができる。窒素のみならず、アンチモンなどを添加することにより数ミリΩ/cm 以下とすることも可能である。金属基板であればさらに低抵抗とすることができる。この素子用支持基板を用いれば、電気特性、熱伝導性に優れ高電力用途に適したSiC素子、GaN素子、酸化ガリウム素子等を形成することができる。
半導体基板の製造方法を示す断面図(1) 半導体基板の製造方法を示す断面図(2) 半導体基板の製造方法の別の事例を示す断面図(1) 半導体基板の製造方法の別の事例を示す断面図(2) 半導体基板の製造方法の別の事例を示す断面図(1) 半導体基板の製造方法の別の事例を示す断面図(2) 仮基板上に単結晶薄膜層(第1薄膜層)及び結晶性を問わない支持層が形成された状態を示す上面図及び断面図 水素層で分離されたSiC単結晶薄膜層(第1薄膜層)の劈開面の透過型電子顕微鏡(TEM)画像 接合方式と接合界面の説明図 仮基板が水酸化基の界面で接合される製造方法の事例を示す断面図1 仮基板が水酸化基の界面で接合される製造方法の事例を示す断面図2 半導体基板の構造を示す断面図 FABガンを用いた基板の接合を説明するための模式図 一般的な縦型構造の半導体素子(MOSFET)の模式的な断面図
図1〜図6は、本発明の一実施形態に係る半導体基板の製造工程を表す模式的な断面図であり、図を参照しつつ半導体基板の製造方法を説明する。
図1(a)〜(g)、図2(a)〜(d)に示すように、本実施形態の半導体基板の製造方法によれば、第1の半導体材料の単結晶からなる第1基板の表面から所定の深さに水素イオンを注入して水素層を形成する水素層形成工程と、前記第1基板の前記表面と第1の仮基板とを接合する第1接合工程と、前記第1の仮基板と接合された前記第1基板を、前記水素層を境界として分離させ、前記第1基板の分離された前記表面側を第1薄膜層として前記第1の仮基板上に残す第1分離工程と、前記第1の仮基板上に残された前記第1薄膜層上に第2の半導体材料からなる第2薄膜層を形成する第1の成膜工程と、前記第2薄膜層に半導体素子を形成する素子形成工程と、前記半導体素子が形成された表面と第2の仮基板とを接合する第2接合工程と、第1の仮基板を除去することにより、前記第2の仮基板の上に前記第1薄膜層及び前記第2薄膜層が形成され、前記第2薄膜層に半導体素子の1部が形成されている第3基板を得る第2分離工程と、第3基板の第1の仮基板が除去された表面にシリサイド層を形成した後、裏面金属膜を形成する裏面電極形成工程と、前記裏面金属膜の表面に素子用支持基板として金属基板を接合する第3接合工程と、前記第2の仮基板を除去する第3分離工程と、それにより露出する半導体素子面に必要に応じて追加半導体表面加工をする第2素子形成工程と、により素子を完成させることができる。
また図3(a)〜(g)、図4(a)〜(c)において、第1の半導体材料の単結晶からなる第1基板の表面から所定の深さに水素イオンを注入して水素層を形成する水素層形成工程と、第1基板に水素層を形成した前記表面にシリサイド層を形成するシリサイド層形成工程と、シリサイド化された第1基板の前記表面と第1の仮基板とを接合する第1接合工程と、前記第1の仮基板と接合された前記第1基板を、前記水素層を境界として分離させ、前記第1基板の分離された前記表面側を第1薄膜層として前記第1の仮基板上に残す第1分離工程と、前記第1の仮基板上に残された前記第1薄膜層上に第2の半導体材料からなる第2薄膜層を形成する第1の成膜工程と、前記第2薄膜層に半導体素子を形成する素子形成工程と、前記半導体素子が形成された表面と第2の仮基板とを接合する第2接合工程と、第1の仮基板を除去することにより、前記第2の仮基板の上に前記第1薄膜層及び前記第2薄膜層が形成され、前記第2薄膜層に半導体素子の1部が形成されている第3基板を得る第2分離工程と、前記第1の仮基板が除去されたことにより表面に露出した前記シリサイド層の表面に金属基板を接合する第3接合工程と、前記第2の仮基板を除去する第3分離工程と、により半導体素子を完成させることができる。
(水素層形成工程)
第1基板2は、第1の半導体材料の単結晶からなっており、結晶性の良い基板である。第1の半導体材料の種類は特に問わず、例えば、SiC、GaN等が挙げられる。図1(a)に示すように、水素層形成工程においては、第1基板2の一方の表面(図の下面側)から所定の深さ(例えば、0.5μmの深さ)に水素イオンを注入することにより、水素層3が形成される。水素層3によって区分される第1基板2の前記表面側を薄膜部22、その反対側を基体部24と呼ぶ。
(第1接合工程)
図1(b)に示すように、第1接合工程においては、水素層3が形成された第1基板2の前記表面すなわち薄膜部22の表面と、第1の仮基板41とが接合される。第1の仮基板41の材料は特に問わず、半導体(例えば、SiC)、サファイア基板などを用いることができる。また、第1の仮基板41の分離を容易にするために第1の仮基板41はサファイア基板4にGa系薄膜層45が形成されていてもよい。そしてGa系薄膜層45と第1基板の前記表面の薄膜部をアルゴンビームで活性化した後に、後述するFABガンで常温接合してもよい(図13参照)。また、第1基板と第1の仮基板との接合を容易にするため、一方の基板にSiをもう一方の基板にSiO薄膜層を形成して水酸基で接合してもよい(図9、図10、図11参照)。第1基板2と第1の仮基板4との接合方法は特に問わず、種々の手法を適用して両者を貼り合わせることが可能である。このように接合手段が選べるのは第1の仮基板と単結晶層22の接合が「仮接合」であり、後に第2分離工程で分離される接合層だからである。
(第1分離工程)
次に、第1分離工程において、前記第1接合工程によって第1の仮基板41と接合された第1基板2を、高温度状態にて、水素層3を境界として分離させる。これによって、図1(c)に示すように、第1基板2の分離された薄膜部22(以下、第1薄膜層22という。)が、第1の仮基板41上に残される。第1基板2の分離された基体部24は、再び第1基板2として利用可能である。
(第1の成膜工程)
第1分離工程の後、第1の成膜工程において、図1(d)、図3(d)に示す第2の半導体材料の単結晶からなる第2薄膜層80を成膜する。この第1の成膜工程においては、第1薄膜層22が残された第1の仮基板41の表面をCMP等により研磨し、その表面全体に、第2の半導体材料の単結晶からなる第2薄膜層80が形成される。第2の半導体材料の種類は特に問わず、例えば、SiC、GaN等が挙げられる。
(素子形成工程)
図1(e)、図3(e)において、第2の半導体材料の単結晶からなる第2薄膜層80にMOSFET或いはショットキーダイオードのような半導体素子を形成することができる。第1の仮基板の上に単結晶薄膜層が形成されているので基板の反りは少なく、ステッパのような精度の良いマスク合わせ装置を使用することができる。
(第2接合工程)
図1(f)に示すように、或いは図3(f)に示すように、第2接合工程において、半導体素子が形成された第2薄膜層80の表面と第2の仮支持基板42とを接合層75を介して接合することができる。接合層75はシリコン酸化膜が形成され平坦化されてもよい。第2の仮基板42の材料は特に問わず、光を透過する半導体(例えば、SiC)、サファイア基板などを用いることができる。また、第2の仮基板の分離を容易にするために第1の仮基板41と同様にGa系薄膜層45が形成されていてもよい。また、第2薄膜層80に半導体素子が形成された表面と第2の仮基板42との接合を容易にするため、一方の基板にSi薄膜層を形成し、他方の基板にSiO薄膜層を形成して、水酸基で接合してもよい(図9、図10、図11参照)。また、第2薄膜層80に半導体素子が形成された表面と第2の基板42を直接、アルゴンビームで活性化した後に常温接合してもよい。(図13参照)。このように第2薄膜層80に半導体素子が形成された表面と第2の仮基板42との接合方法は「仮接合」であり、後に第2分離工程で分離される接合層であるため、種々の手法を適用して両者を貼り合わせることが可能である。
(第2分離工程)
前記第2の仮基板42の接合後、図1(f)、図3(f)に示すように、第2分離工程において第1の仮基板41を除去することができる。レーザ光を透明基板である第1の仮基板41側から照射することにより、Ga系薄膜層でGaが溶融し分離される。図1(g)、図3(g)において、第2の仮基板42の上に、半導体素子が形成されている第2薄膜層80と第1薄膜層22が順に積層されている基板(第3基板)を得ることができる。
(裏面電極形成、第3接合工程)
第1の仮基板が除去された後に、裏面8(第1の仮基板が除去された表面)に裏面電極を形成することができる。裏面電極形成工程においては、図2(a)、図4(a)に示すように、シリサイド層形成の後に裏面金属膜を形成することができる。その裏面金属膜の表面と金属基板(素子用支持基板)の面を研摩して、常温接合することが可能である。また、銅ナノ粒子を用いて300℃で接合することも可能である。図4のようにシリサイド層が既に形成されている場合には、裏面金属膜を形成後、同様に金属基板を接合することができる。
図7は、前記第1の成膜工程により、第1の仮基板41の上に、SiC単結晶からなる第1薄膜層22及び第2薄膜層80が形成された状態を示している。本例において、第1薄膜層22の径はその母材である円板状の第1基板2の径(6インチ)と等しく、厚さは0.5μmである。また、第2薄膜層80の径はその下地となった円板状の第1の仮基板41の径(6.5インチ)と等しく、厚さは10μmである。第1の仮基板41の厚さは約0.3mmである。なお、図7において、周縁部72は、斜線で表されている。
第1薄膜層22は、前記第1分離工程により、第1基板2を水素層3で劈開させることによって形成されている。図8は、前図に示したSiC単結晶からなる第1薄膜層22の劈開面の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。このように、第1薄膜層22の劈開面には、厚さ方向に数十nmの凹凸が見られる。必要に応じて、この凹凸はRa1nm以下の表面粗さまで研磨してもよい。
(分離層、接合層除去工程)
第1薄膜層22の表面を平坦にするため、接合層除去工程を備えることができる。接合層除去工程においては、第1薄膜層22が必要な表面粗さとなるように研磨される。研磨の方法は問わず、例えば化学機械研磨(CMP)を行うことができる。
また、前記のとおり、前記第2分離工程、第3分離工程において、Ga系半導体薄膜などを介して接合された第1の仮基板41、第2の仮基板42を除去した場合、第1の仮基板41、第2の仮基板42が除去された面にGa系半導体薄膜の残渣が残っている。このような残渣は、必要に応じてエッチングにより除去することができる。
(仮基板の接合と分離)
第1の仮基板、第2の仮基板として厚さ約0.3mmのサファイア4等の透明基板を使用し、接合層として厚さ約100nmの酸化ガリウム(Ga)薄膜45を用いることにより、分離を容易にすることができる。接合は、サファイア基板4の表面及びGa薄膜45の表面を平坦化処理(Ra:0.1nm)して行う。この場合、第1接合工程においては、Ga薄膜45の表面とSiC単結晶からなる第1基板2の表面とが接合される。この両者は、前記同様に、FABガン又はイオンビームにより、両表面の活性化を行った後に貼り合せが可能である(図13参照)。また、第2分離工程における第1の仮基板4の分離は、透明なサファイア基板4の側からレーザ光を照射し、Ga系薄膜45でGaを溶融・析出させる方法(レーザによるリフトオフ手法)により容易に可能である。
透明基板として、第1薄膜層22と熱膨張係数が等しいSiC基板を用いることも可能である。SiC基板は透過性があるので、上記同様に、レーザ光によりGa系薄膜でGaを溶融してリフトオフが可能である。Ga系薄膜としては、酸化ガリウム(Ga)の他に窒化ガリウム(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)等を用いることができる。
第1の仮基板41は、前記第1接合工程における接合が可能であり且つ前記第2分離工程における除去が可能である限り、その材料や構成は問わない。また、第2の仮基板42は、前記第2接合工程における接合が可能であり且つ前記第3分離工程における除去が可能である限り、その材料や構成は問わない。第1の仮基板41、第2の仮基板42は、上記接合及び除去が容易であり、更に除去された部分の再利用が可能であることが好ましい。以下に示すように、第1基板2と第1の仮基板、或いは第2薄膜層に半導体素子が形成された表面と第2の仮基板との接合を、更に容易にすることが可能である。
図9において、FABガンのアルゴンビームにより接合する両面を活性化して接合する手法と、設備を必要とせずに水酸基により接合する手法を示す。
図9(a)、(b)は、図13に示すFABガンによる接合の事例である。単結晶基板2の表面と第1の仮基板の表面に対して、図13に示すようにアルゴンビーム源200から得られるアルゴンビームを照射して、両表面を活性化した後、常温で加圧して接合する方式である。この接合手法の特徴は、接合面の平坦度が確保されれば常温で直接接合できる点にある。
図9(c)、(d)は、接合する両面に水酸基を形成して、水を介在させて接合する手法を示す。単結晶基板2の表面にSi薄膜層70を形成し、第1の仮基板41の表面にSiO薄膜71を形成し、水を介在させて常温にて接合する手法である。水酸基の接合はSiマイクロマシンの接合などで広く使われている手法である。この手法の特徴は、両面にSi,SiOの薄膜形成が必要ではあるが、FABガンのような設備を要しないことである。
図10、図11は、予め第1基板2の表面に水酸化基薄膜を形成し、第1基板2と接合される第1の仮基板4のGa系薄膜の表面上に水酸化基薄膜を形成し、前記第1接合工程において、水酸化基薄膜が形成された第1基板2の表面と、水酸化基薄膜が形成された第1の仮基板4の表面とを接合して半導体基板を製造する工程を示している。
同図(a)に示すように、第1の半導体材料(例えばSiC)の単結晶からなる第1基板2の一方の表面(図の下面側)には、水酸化基薄膜としてSi薄膜70が形成されている。また、前記水素層形成工程において、第1基板2の上記一方の表面から所定の深さ(例えば、0.5μmの深さ)に水素イオンを注入することにより、水素層3が形成されている。水素層3によって区分される第1基板2の前記表面側を薄膜部22、その反対側を基体部24と呼ぶ。
また、図10に示すように、表面にGa系薄膜を有する第1の仮基板41が第1基板2と接合される表面に、水酸化基の一つであるSi薄膜層70を形成しておくことができる。サファイア基板4と酸化ガリウム薄膜45とからなる第1の仮基板41は、更にSiO薄膜層(71)を成膜して第1の複層基板411となる。接合工程においては、同図(c)に示すように、Si薄膜層70の表面とSiO薄膜層71とが接合される。SiOとSiの接合には、アルゴンビームによる活性化による常温接合装置、例えば図12に示すFAB(Fast Atomic Beam、高速原子ビーム)ガン接合のような設備を必要としない。第2分離工程において、レーザ光を第1の仮基板側から照射することによりGaが析出して常温度にて剥離して、その後、剥離した両基板の接合部の残渣であるSi、SiOはエッチングにより除去することができる。
上例において、単結晶からなる第1基板2の一方の表面は、表面粗さRa0.1nm程度であり、その上にSi薄膜70を形成することができる。Si薄膜70は多結晶Siからなり、例えばプラズマCVD法により50nm程度の厚さに形成することができる。また、SiO薄膜71の厚さは50nm程度とすることができる。Ra0.1nm程度まで平坦化することにより第1の仮基板4の表層のSiO薄膜層71と、第1基板2の表層のSi薄膜層70との接合は、SiOとSiの界面の水酸基により行われる。具体的には、Si薄膜70及びSiO薄膜層71の表面の平坦度がRa0.1nm程度であれば、水の介在で室温において容易に接合可能である。
第2の材料からなる第2薄膜層80としてSiC膜を熱CVDにより形成するには1300℃以上の高温度が必要であり、高い窒素濃度の膜を成長させたり高速にSiC膜を成長させたりする場合には、1500℃程度の高温度が必要である。Siの融点1420℃を越える温度において第2薄膜層80を形成する場合には、形成する過程においてSiが溶融するため、Si薄膜70の膜厚は薄いことが好ましく、具体的には、第1薄膜層22の厚さより薄いことが好ましい。図10、図11により説明した例では、Si薄膜層70は0.05μm、SiO薄膜層71の厚さは0.05μmであるから、その条件を満たしている。図10、図11に示した製造方法において、Si薄膜70とSiO薄膜71とを入れ替えても同様に接合することが可能である。また図10、図11の事例では第1基板2の表面にSi層70を形成したが、第1基板2がSiC基板でその接合する表面がSi面の場合には、Si層70は省略できる。SiCのSi面が水酸基の役割を果たすことができる。
(第1の成膜工程)
第1の成膜工程は、第1の半導体の単結晶層の単結晶の上に、第2の半導体材料の単結晶からなる第2薄膜層80をエピタキシャル成長により形成する工程である。
図12(a)は、図1(c)、図3(c)に示す単結晶基板2の第1薄膜層22の表層側を示している。第1の仮基板上にSiC単結晶からなる第1薄膜層22が形成されている。この第1薄膜層22上に、図12(b)に示すように、厚さ約10μmの第2薄膜層80をエピタキシャル成長により形成する。第2薄膜層80は、SiC単結晶からなる第1薄膜層22上に形成されるため、下地となる第1薄膜層22の結晶性を継承して結晶性の良い単結晶となる。そして、この第2薄膜層80のSiC単結晶層を能動層として、図1(e)、図3(e)に示したような半導体素子を形成することができる。
図12(c)は、厚いSiC単結晶基板2の上に能動層となるSiC単結晶の第2薄膜層80をエピタキシャル成長により形成する従来の構造例を示している。このSiC単結晶層は、下地であるSiC単結晶基板2の結晶品質を継承するものとなる。SiC単結晶基板2は、その径が6インチの場合、厚さ300μm程度とするのが一般的である。本実施形態の製造方法において使用するSiC単結晶層(第1薄膜層22)の厚さは0.5〜1μm程度であり、従来のSiC単結晶基板2に比べてはるかに薄くて済む。
(埋め込みシリサイド形成工程)
通常、裏面電極の形成は第2の仮基板の除去の後に行われる。SiC素子の場合、裏面電極形成はNi等の薄膜を蒸着で形成し、1000℃近い高温度でシリサイド化することが一般的である。しかし、第2の仮基板を除去した後は、基板に大きな反りが発生する。そのため、第1の仮基板、或いは第2の仮基板が存在する状態においてシリサイド化をすることも好ましい。図3、4においてその事例を示す。図3(a)において水素イオン層を形成したSiC表面にシリサイド用金属膜としてNi薄膜を形成して、800℃程度の高温度にてシリサイド層50を形成し、その後にNi金属層を除去してシリサイド層50だけを残すことができる(シリサイド層形成工程又は裏面電極形成工程)。このシリサイド層50は第2の仮基板を除去した図4(a)の状態で露出し、そこにNiなど金属薄膜層51を蒸着で形成することにより、裏面金属膜を形成できる。金属蒸着工程は反りが許容されるため、シリサイド層50の上に形成することは容易である。
(エピタキシャル前バッファ層の形成と除去工程)
SiC素子用のエピタキシャル層の結晶欠陥低減の為に、単結晶層の上にエピタキシャル層を形成する直前に高窒素濃度のバッファ層を形成してSiC単結晶層に存在する結晶欠陥を転換することが行われている。ところが低減した結晶欠陥が、その後のMOSFETの動作中のPN接合の順方向電流により増加することが知られている。これを防ぐために、高窒素濃度層等からなるバッファ層をエピタキシャル層形成の後に除去することにより、順方向電流により結晶欠陥が増加する原因部位を除去することが可能である。図5、図6に、そのための製造工程を示す。
図5(c)において、バッファ層81は単結晶からなる第1薄膜層22の上に第2の半導体材料からなる第2薄膜層を形成する直前に形成される。図5(d)に示すように、エピタキシャルバッファ層81、エピタキシャル層からなる第2薄膜層80と順に積層される。このバッファ層の効果により、エピタキシャル層の結晶欠陥は第1薄膜層22の結晶欠陥よりも一桁少ないことが知られている。図5(g)、図6(a)において、第1薄膜層22、エピタキシャルバッファ層81が研磨、或いはエッチングにより除去され、素子形成層としてエピタキシャル層(第2薄膜層80)が露出される。これにより、順方向電流により結晶欠陥が再発するという種を除去することができる。
(素子用支持基板)
素子用支持基板としては、金属基板或いは高窒素濃度SiC基板等を用いることができる。金属基板の場合には、半導体材料と線膨張係数を合わせるためリードフレームなどに用いられるリン青銅或いは鉄・ニッケルの合金である42アロイ等を使用することができる。高窒素濃度SiCの場合には、窒素の他にアンチモンを添加すれば一桁低い電気伝導度が得られることが知られている。
図1〜図6に示した半導体基板の製造方法の具体的な例を説明する。
本例において、単結晶の第1基板2は4H−SiCであり、外径6インチで厚さ500μmである。水素層形成工程(図1(a)参照)において、第1基板2の表面から0.5μmの深さに1017/cm程度(0.5μmの深さでの濃度は1020/cm程度)の水素イオンを注入することによって、水素層3が形成される。水素層3を境界として、第1基板2の前記表面側が第1薄膜層22となる。第1薄膜層22の極表面には1020/cm程度の窒素が添加されてもよい。表面を高濃度とすることにより、シリサイド層でのオーミック特性を良くすることができる。また、第1の仮基板41、第2の仮設基板42は、外径6.5インチで厚さ0.3mmのサファイア基板4とその表面に形成された酸化ガリウム薄膜45とから構成される。
第1接合工程(図1(b)参照)において、第1基板2(第1薄膜層22)の表面と第1の仮基板4とが接合される。この接合には、常温において両表面をFAB(Fast Atomic Beam)により活性化させて貼り合せる手法を用いることができる。図13は、その貼り合せ装置の要部の模式図である。真空室内で第1基板2(第1薄膜層22)の表面と仮基板41の表面とが一定の間隔で対向するように配置し、その側方から両表面に対して、FABガン200によりアルゴンビーム(201、202)を走査して照射する。真空室内の真空度は、1×10−4〜1×10−6Pa程度である。この照射により、両基板の表層(22b、4b)がアモルファス化され、常温で貼り合わせることができる。
次に、第1分離工程(図1(c)参照)では、第1の仮基板41と接合された第1基板2が、水素層3を境界として分離される。窒素等の不活性ガス雰囲気中で約1000℃の高温度にすることにより、水素層3で水素がバブル(泡)状態となり、第1基板2は劈開して基体部24が分離される。これにより、第1薄膜層22が第1の仮基板4上に残される。
上記により分離された第1基板2の基体部24は、再び第1基板2として利用可能である。第1基板2の厚さは特に限定されず、例えば、最初に厚さ1mmであった場合、1度の水素層3の形成で0.5μm程度減少するだけなので、数百回以上の再利用が可能となる。
次に図1(d)において、第1の半導体単結晶からなる第1の薄膜層22の表面をCMP等で研摩して、その上に第2の半導体材料であるSiCのエピタキシャル層からなる第2薄膜層80を形成する。これにより第2薄膜層はSiC単結晶層となる。
次に図1(e)において、第2薄膜層80に半導体素子を形成する。この状態でN型、P型の不純物の活性化など高温度処理が必要な素子形成工程を行う。
(第2の接合)
次に図1(f)において、前記半導体素子の表面をシリコン酸化膜などで平坦化して接合層75を形成し、第2の仮基板42を接合する。接合は、上述のように、FABガンによる接合、或いは水酸化基を用いて接合することができる。
(第2の分離)
第2の仮基板42の接合後、第2分離工程(図1(f)、図3(f)参照)において、第1の仮基板41がレーザリフトオフにより除去される。これにより、第2の仮基板上に、前記半導体素子が形成されている第2薄膜層80、第1薄膜層22、が順に積層された状態となる。
図2(a)は、この状態で単結晶SiCからなる第1薄膜層22上、或いは第1薄膜層22を除去した後の第2薄膜層80上にNi薄膜が形成され、熱処理によりシリサイド層50が形成される。
この状態で、図2(b)のように、Ni薄膜層に必要に応じて銅等の裏面金属層51を形成し、平坦化の後、金属基板9が接合される。接合は、金属間直接接合でも良い。また、銅ナノ粒子を介して300℃で加圧して接合することも可能である。
金属基板を接合した後に第2の仮基板がレーザリフトオフにより除去され、続いて接合層75が除去される。これにより、図2(c)に示すように金属基板9の上に前記半導体素子が表面に形成されている第2薄膜層80が露出する。
次に、図2(d)において、相互配線層76を介して前記半導体素子表面に配線等を設ける追加半導体表面加工を行う。追加半導体表面加工を行う第2素子形成工程においては、温度が図(a)で述べたシリサイド層50の熱処理温度より低い加工を行い、ソース電極201、ゲート電極203等を形成することができる。
以上の実施例においては、図1、図2の事例で説明をした。シリサイド層は、シリサイド層形成工程により、予め埋め込んでおくように形成することができる。その場合を、図3、図4の事例において説明する。図3(a)においてシリサイド層50を形成することにより、図2(a)のような素子形成工程の途中でシリサイド層形成に必要な高温度熱処理は不要となる。それにより図3(e)で示す素子形成工程において、相互配線層76の形成、素子表面の配線などを実施することができる。
なお、以上においてはSiC半導体基板を例として製造方法を説明したが、本製造方法はSiC半導体基板に限られず、GaN素子用の基板、酸化ガリウム素子用の基板等にも適用することができる。
SiC等を用いたパワー系化合物半導体素子は、車においてはハイブリッド車、電気自動車等の普及に伴ってますます重要度が増している。また、家庭においてはスマートグリッドの普及に伴って家電製品の制御やエネルギー管理のためにパワー系化合物半導体装置の役割が重要になってくる。本発明により、高価な材料であるSiC単結晶の使用量を大幅に減らすことができ、安価なSiC単結晶半導体基板を製造することが可能となる。
7、10;半導体素子基板、2;第1基板(SiC単結晶基板)、22;第1薄膜層(SiC単結晶層)、24;第1基板の基体部、3;水素層、4;サファイア基板、41;第1の仮基板、42;第2の仮基板、45;Ga薄膜、411;第1の複層仮基板、421;第2の複層仮基板、50;シリサイド層、51;裏面金属層、6;支持層、70;Si薄膜、71;SiO薄膜、72;周縁部、75;接合層、76;相互配線層、80;第2薄膜層(エピタキシャル層)、81;エピタキシャルバッファ層、9;金属基板、100;半導体素子、101;ソース、102;ドレイン、103;ゲート、104;ドレイン電極、110;素子用支持基板、120;能動層、201:ソース電極、202;ドレイン電極、203;ゲート電極。

Claims (9)

  1. 第1の半導体材料の単結晶からなる第1基板の表面から所定の深さに水素イオンを注入して水素層を形成する水素層形成工程と、
    前記第1基板の前記表面と第1の仮基板とを接合する第1接合工程と、
    前記第1の仮基板と接合された前記第1基板を、前記水素層を境界として分離させ、前記第1基板の分離された前記表面側を第1薄膜層として前記第1の仮基板上に残す第1分離工程と、
    前記第1の仮基板上に残された前記第1薄膜層上に第2の半導体材料からなる第2薄膜層を形成する第1の成膜工程と、
    前記第2薄膜層に半導体素子を形成する素子形成工程と、
    前記半導体素子が形成された表面と第2の仮基板とを接合する第2接合工程と、
    前記第1の仮基板を除去することにより、前記第2の仮基板の上に、前記第2薄膜層及び前記第1薄膜層が形成され、前記第2薄膜層に半導体素子が形成されている第3基板を得る第2分離工程と、
    前記第3基板の前記第1の仮基板が除去された表面に裏面金属膜を形成する裏面電極形成工程と、
    前記裏面金属膜の表面に素子用支持基板を接合する第3接合工程と、
    前記第2の仮基板を除去する第3分離工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子基板の製造方法。
  2. 前記第3分離工程により前記第2の仮基板が除去されて露出した半導体素子面に追加半導体表面加工をする第2素子形成工程を含む請求項1記載の半導体素子基板の製造方法。
  3. 前記裏面電極形成工程は、前記第3基板の前記第1の仮基板が除去された表面にシリサイド用金属膜を成膜し、シリサイド化して、その後、前記裏面金属膜を形成する請求項1又は2に記載の半導体素子基板の製造方法。
  4. 前記第1接合工程の前に、前記第1基板の前記表面にシリサイド用金属膜を成膜し、シリサイド化した後に前記シリサイド用金属膜を除去するシリサイド層形成工程を含む請求項1又は2に記載の半導体素子基板の製造方法。
  5. 前記第1の仮基板及び前記第2の仮基板は光を透過する材料からなる請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体素子基板の製造方法。
  6. 前記第1の仮基板及び前記第2の仮基板は光を透過するSiC或いはサファイアからなり、その上にGa系半導体薄膜が形成された基板である請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体素子基板の製造方法。
  7. 前記第1の半導体材料及び前記第2の半導体材料はSiC、或いはGaN、或いは酸化ガリウムからなる請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体素子基板の製造方法。
  8. 前記素子用支持基板は金属基板である請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体素子基板の製造方法。
  9. 前記素子用支持基板はSiC基板である請求項1乃至7のいずれかに記載の半導体素子基板の製造方法。
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