JP2002100773A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2002100773A
JP2002100773A JP2000289794A JP2000289794A JP2002100773A JP 2002100773 A JP2002100773 A JP 2002100773A JP 2000289794 A JP2000289794 A JP 2000289794A JP 2000289794 A JP2000289794 A JP 2000289794A JP 2002100773 A JP2002100773 A JP 2002100773A
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silicon carbide
silicon
sic
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Osamu Takigawa
滝川  修
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗の増大、パワーロスを抑制しつつハイパ
ワー動作でのデバイス動作を可能とする半導体装置を製
造歩留まり良く提供すること。 【解決手段】 炭化珪素層2の第1の表面に島状に互い
に離間して形成された複数のシリコン層11と、シリコ
ン層11の各々に設けられた第1の電極4、6と、炭化
珪素層2の第1の表面に対して裏面となる第2の表面に
設けられた第2の電極9とを具備し、第1の電極4、6
と第2の電極9との間に電流が流れることを特徴とする
半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置及びそ
の製造方法に係わり、特に炭化珪素層を用いた半導体装
置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の代表的な例は、基板として
シリコン単結晶のウェハーを用いたものである。これ
は、シリコンウェハーの表面に微細加工技術、酸化、拡
散などの処理により、ダイオードやFETなど各種デバ
イスを形成し装置を構成しているものである。
【0003】図8は、シリコン基板に1個のMOSFE
Tを形成した半導体装置を模式的に示したものである。
101がシリコン基板である。通常、シリコン基板(ウ
ェハー)の厚さは、ハンドリング性を考慮し、数百ミク
ロン、例えば300ミクロン程度である。このシリコン
基板101表面にソース103、ソース電極104、ド
レイン105、ドレイン電極106、ゲート酸化膜10
7、ゲート電極108、場合によってシリコン基板10
1の裏面にメタライジング層109が形成されている。
メタライジング層の厚さは通常1μ以下である。
【0004】かかる装置は通常、熱伝導性の良い銅を主
成分としたパッケージにマウントされており、動作中に
発生する熱をパッケージを通して放散させ、デバイス部
分が加熱するのを抑えている。特に、ハイパワー動作の
場合には放熱部を備えており、かかる放熱部を介して熱
が放散される。
【0005】しかしながら、基板に用いられるシリコン
等の単結晶の熱伝導はそれほど良いものではなく、銅の
5分の1程度である。したがって、動作パワーを大きく
した場合には熱放散が十分ではなく、デバイス部分の温
度が高くなる。デバイスの温度が130℃程度以上に上
昇すると特性劣化が生じるため、特性劣化が生じない動
作温度範囲となるようにパワーは低く制限されてしまう
という欠点があった。薄いウェハーを用いてデバイスが
試作されているが、製造工程において割れ、かけなどが
発生し、不良が多く発生してしまうという欠点があっ
た。
【0006】一方、炭化珪素(SiC)基板にSi基板
を張り合わせ、Si基板上に半導体デバイスを作成する
例がある(特開平9−260224号公報)。この場
合、熱放散は幾分改善されるが、パワー半導体のような
デバイスを作成する場合、熱放散は必ずしも十分ではな
く、また、抵抗の増大ひいてはパワーロスを引き起こす
こともあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
シリコン等の熱伝導度の低い基板を用いた半導体装置で
は、基板に用いられるシリコン等の単結晶の熱伝導はそ
れほど良いものではないために、動作パワーを大きくし
た場合には熱放散が十分ではなく、デバイス部分の温度
が高くなり、特性劣化が生じてしまっていた。このた
め、特性劣化が生じない動作温度範囲となるようにパワ
ーは低く制限されてしまうという欠点があった。薄いウ
ェハーを用いてデバイスを試作した場合には、製造工程
における割れ、かけなどの発生という問題があった。
【0008】一方、炭化珪素(SiC)基板にSi基板
を張り合わせてデバイスを作成する場合においても、パ
ワー半導体のようなデバイスを作成する場合、熱放散は
必ずしも十分ではなく、また、抵抗の増大ひいてはパワ
ーロスを引き起こすこともあった。
【0009】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、抵抗の増大、パワーロスを抑制しつつハイパ
ワー動作でのデバイス動作を可能とする半導体装置を製
造歩留まり良く提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】(構成)前述した課題を
解決するために、炭化珪素層の第1の表面に島状に互い
に離間して形成され、炭化珪素よりも熱伝導度が低い半
導体材料からなる複数の半導体層と、当該半導体層の各
々に設けられた第1の電極と、前記炭化珪素層の第1の
表面に対して裏面となる第2の表面に設けられた第2の
電極とを具備し、前記第1の電極と前記第2の電極との
間に電流が流れることを特徴とする半導体装置を提供す
る。
【0011】かかる発明において、前記炭化珪素層と前
記複数の半導体層との間の界面部分の不純物濃度が周り
の部分に比べて高いことが望ましい。
【0012】また、本発明の第2は、炭化珪素よりも熱
伝導度が低い半導体材料からなる半導体基板の第1の表
面に凹部を形成する工程と、この凹部を埋めるように前
記半導体基板上に炭化珪素層を形成する工程と、前記半
導体基板の第1の表面に対して裏面となる第2の表面の
側から当該半導体基板の厚みを減らして前記炭化珪素層
の第1の表面を露出させる工程と、厚みを減らした前記
半導体基板の第2の表面に第1の電極を設ける工程と、
前記炭化珪素層の第1の表面に対して裏面となる第2の
表面に第2の電極を設ける工程とを具備することを特徴
とする半導体装置の製造方法を提供する。
【0013】また、本発明の第3は、炭化珪素層の表面
に島状に互いに離間して形成され、炭化珪素よりも熱伝
導度が低い半導体材料からなる複数の半導体層と、当該
半導体層の各々に形成された半導体素子と、前記複数の
半導体層間の前記炭化珪素層の領域に少なくとも形成さ
れた素子分離領域とを具備することを特徴とする半導体
装置を提供する。
【0014】また、本発明の第4は、炭化珪素よりも熱
伝導度が低い半導体材料からなる半導体基板の第1の表
面に凹部を形成する工程と、この凹部を埋めるように前
記半導体基板上に炭化珪素層を形成する工程と、前記半
導体基板の第1の表面に対して裏面となる第2の表面の
側から当該半導体基板の厚みを減らして前記炭化珪素層
の表面を露出させる工程と、厚みを減らした前記半導体
基板に半導体素子を形成する工程と、前記炭化珪素層に
素子分離領域を形成する工程とを具備することを特徴と
する半導体装置の製造方法を提供する。
【0015】(作用)本発明によれば、良熱伝導性基体
である炭化珪素層(SiC)上に複数の半導体層が島状
に存在することにより、炭化珪素層と半導体層との間の
境界部分の面積が増大するので、この境界部分を介して
の放熱効果を著しく増大させることが可能である。ま
た、上記境界部分の面積の増大により、当該部分を介し
て多くの電流を流すことも可能となる。即ち、熱伝導性
の良い基体上にこれよりも熱伝導性の悪い半導体層を形
成し、さらにその基体に効率良く電流を流すことも可能
である。また、電気抵抗が小さくしかも熱伝導性の悪い
半導体層を薄くすることができるので、高いパワーでも
動作できる。
【0016】さらに、基板としては導電性のものを採用
することができる。この場合、炭化珪素層の側から一方
の電極を取ることが可能である。ここで、炭化珪素材料
は望ましくは立方晶である。炭化珪素(SiC)の作成
方法はいわゆる気相成長法を用いるが、原料ガスの中に
窒素を混入させることによりn型導電性のSiCを作成
することもできる。SiCを形成する温度は、その後の
プロセスでの加熱による変形、脱ガスなどの変質を防ぐ
ため、半導体デバイスを作成する温度以上で形成するこ
とが望ましい。この場合立方晶SiCを形成することが
望ましい。
【0017】SiCの結晶面は結晶欠陥を低減する必要
があり、半導体材料の結晶面と同一の結晶面を有するこ
とが望ましい。例えば半導体材料が(100)面のシリ
コンであれば、シリコンと接する面のSiCは、立方晶
の(100)である。また、凹部の側面部分は(11
1)面であることが望ましい。これは、(100)面上
に成長したSiC結晶と(111)上に成長した結晶と
が連続的になるためである。
【0018】半導体材料は、シリコンだけでなく、Ga
N系材料などにも適用できる。デバイス作成法は、半導
体基板上にSiCを形成した後、その半導体基板を所定
の厚さまで例えば研磨等により薄くする。その半導体基
板を薄くして形成された半導体層上に通常の半導体プロ
セスでデバイスを形成することができる。
【0019】また、半導体材料を研磨する際、厚さの均
一性を保つために、半導体基板の表面に凸部を設けて研
磨を行う方法を用いることができる。その作成方法は、
例えばあらかじめ半導体基板の表面に所定の深さの溝を
形成する。その後、溝を含む表面にSiC層を形成す
る。かかる半導体基板をSiC層と反対側の面から例え
ばケミカルメカニカルポリッシュ(CMP)で研磨す
る。この場合、研磨が進んでSiC表面が出現すると、
SiCの研磨スピードが遅く、そこで研磨がストップ
し、半導体層の厚さをより均一にできる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施形態について詳細に説明する。
【0021】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係る半導体装置を形成するプロセスを示し
た工程断面図である。図1(a)において1は半導体基
板であり、(100)面が研磨されたp型シリコン結晶
基板で、厚さは300ミクロンである。
【0022】シリコン基板1には溝を作成する。シリコ
ン基板1の(100)面をSiCを作成する面とした。
この面に微細加工技術により溝を形成した(図1
(b))。この際、有機アルカリ溶液、例えばトリメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイドを用いた異方性エッ
チングにより深さ50ミクロンの溝を形成した。この場
合、溝の斜面は(111)面が出現する。溝底部は(1
00)面のままである。
【0023】次に、シリコン基板1の洗浄を行った後、
SiC形成炉(図示せず)にセットする。このSiC形
成炉はいわゆるコールドウォールであり、石英管の中に
SiCをコートしたカーボンサセプタを設置し、その上
にシリコンを載せ、外部からの高周波電力によりカーボ
ンを発熱させ、シリコンを加熱させるものである。石英
管の内部へはマスフローコントローラーを通してガスを
流した。ガスはSiCl22100SCCM、C24
90SCCM,HCl100SCCM、H230SCC
M、そして窒素ガス100SCCMである。温度は13
50℃とした。
【0024】この方法により導電性のSiC層2を厚さ
250ミクロンで形成した(図1(c))。このとき形
成されたSiCは立方晶であった。シリコン基板1の溝
の斜面(111)面上にはSiCの(111)面が形成
される。溝底部は(100)面のままであった。シリコ
ン基板1の(100)面とこの上のSiC(100)面
とは、横方向に見れば元素配置が連続しており、クラッ
クなどの発生はなかった。
【0025】その後、シリコン基板1を研磨しSiC表
面が出たところで研磨を終了させ、厚さ50ミクロンの
シリコン層11を形成した(図1(d))。次に、シリ
コン層11及びSiC層2に縦型のMOSFETを形成
する。図2は、かかる縦型のMOSFETの構成を示す
断面図である。即ち、3、5はn型ソース、4、6はソ
ース電極、9aはn型ドレイン、9bはドレイン電極、
7はゲート絶縁膜、8はゲート電極である。シリコン層
11はベース層として働き、ゲート電極8と対向する部
分にnチャネルが形成される。
【0026】そして、この素子を放熱部のある銅を主成
分としたパッケージにメタル半田でマウントした。な
お、上記コールドウォールで形成したSiCの熱伝導率
は3W/cm・deg以上であり、シリコンに比べ4倍
以上であった。このようにして製作したデバイスは、熱
伝導の悪いシリコンが薄く放熱性がよいので、通常の方
法で製作したシリコンの厚さが300ミクロンの素子に
比べて、約4割高いパワーまで故障することはなかっ
た。特に、良熱伝導性基体であるSiC層2上に複数の
シリコン層11が島状に存在することにより、SiC層
2とシリコン層11との間の境界部分の面積が増大する
ので、この境界部分を介しての放熱効果を著しく増大さ
せることが可能である。また、製造工程において割れや
欠けなどの発生はなかった。また、p型シリコン層11
の厚さのばらつきは10%以内であり、溝を形成してい
ない場合の20%よりも小さかった。
【0027】本実施形態における導電性のSiC層2は
n型のSiCであり、その比抵抗は0.02Ωcmであ
った。また、SiC層2とp型シリコン層11の界面は
ヘテロ接合1aとなるが、界面順位が存在するためコン
タクト抵抗はわずかなものであった。このようにして製
作したデバイスは、縦方向に電流が流せるので、横型の
半導体パワー素子に比べて抵抗が約1/5以下となる。
特に、上記したようにSiC層2とシリコン層11との
間の境界部分の面積が増大することにより、当該部分を
介して多くの電流を流すことが可能となる。
【0028】また、高濃度に窒素をドープしたSiCは
結晶性が若干劣り、クラックなどが発生することがまれ
に見られる。濃度が高く抵抗が小さい方がシリコンとの
接触抵抗が小さく有利である。そこでコンタクト抵抗を
小さくしながらクラックを防ぐ手段として、気相成長の
初期に高濃度とし、その後は濃度を下げることが効果的
であった。具体的には、SiC全体にわたって0.01
Ωcm以下の比抵抗とするとクラックが発生することが
あったが、0.01Ωcmの層を100nm形成したあ
と窒素の流量を変えて0.02Ωcmの層を250ミク
ロン形成した。この場合、シリコン層11との間のコン
タクト抵抗を約半分に下げることができた。もちろんS
iC層2にクラックの発生はなかった。
【0029】(第2の実施形態)図3は、本発明の第2
の実施形態に係る半導体装置を形成するプロセスを示し
た工程断面図である。図3において、図1と同一部分に
は同一符号を付して示し詳細な説明を省略する。本実施
形態では横型素子を示す。
【0030】図3(a)〜(d)に示す工程は、図2
(a)〜(d)に示す工程に対応するものであり、これ
らの工程と同様の工程である。異なる点は以下の通りで
ある。即ち、図3(c)の工程ではSiC層32には窒
素をドーピングしない。従って、SiC層32を成膜す
る際に窒素ガスは流さない。また、図3(d)に示すよ
うにシリコン層11の間のSiC層32の領域にn型の
素子分離領域12を選択的に形成する。この素子分離領
域12は複数のシリコン層11を互いに電気的に分離す
るための層である。
【0031】次に、シリコン層11に横型のMOSFE
Tを形成する。図4は、かかる横型のMOSFETの構
成を示す断面図である。即ち、13、15はn型ソース
・ドレイン、14、16はソース・ドレイン電極、17
はゲート絶縁膜、18はゲート電極である。シリコン層
11はベース層として働き、ゲート電極18と対向する
部分にnチャネルが形成される。
【0032】次に、この素子を放熱部のある銅を主成分
としたパッケージにメタル半田でマウントした。なお、
上記コールドウォールで形成したSiCの熱伝導率は3
W/cm・deg以上であり、シリコンに比べ4倍以上
であった。このようにして製作したデバイスは、熱伝導
の悪いシリコンが薄く放熱性がよいので、通常の方法で
製作したシリコンの厚さが300ミクロンの素子に比べ
て、約4割高いパワーまで故障することはなかった。特
に、良熱伝導性基体であるSiC層2上に複数のシリコ
ン層11が島状に存在することにより、SiC層2とシ
リコン層11との間の境界部分の面積が増大するので、
この境界部分を介しての放熱効果を著しく増大させるこ
とが可能である。また、製造工程において割れや欠けな
どの発生はなかった。
【0033】(第3の実施形態)本実施形態は、シリコ
ン層部分は島状とせず、縦方向に電流を流す半導体装置
に係るものである。本実施形態では、シリコン層部分が
島状でないので、熱伝導度は落ちるが、電流を縦方向に
流せるメリットは大きく、ヒートシンクや放熱フィン
等、他の熱放散手段を用いることができる場合に、大電
流用デバイスとして適用可能なものである。
【0034】図5は、本発明の第1の実施形態に係る半
導体装置を形成するプロセスを示した工程断面図であ
る。図5(a)において51は半導体基板であり、(1
00)面が研磨されたn型シリコン結晶基板で、厚さは
300ミクロンである。
【0035】まず、シリコン基板51の洗浄を行った
後、第1の実施形態と同様にSiC形成炉(図示せず)
にセットする。成膜は第1の実施形態と同様である。こ
の方法により導電性のSiC層52を厚さ250ミクロ
ンで形成した(図5(b))。このとき形成されたSi
Cは立方晶であった。シリコン基板51の(100)面
には(100)面のSiC層52が形成された。シリコ
ン基板1の(100)面とこの上のSiC(100)面
とは、横方向に見れば元素配置が連続しており、クラッ
クなどの発生はなかった。
【0036】その後、シリコン基板1を研磨して、厚さ
40ミクロンのシリコン層61を形成した(図5
(c))。次に、シリコン層61及びSiC層52に縦
型のMOSFETを形成する。
【0037】即ち、シリコン層61の表面に図示しない
マスクを形成し、このマスクを用いてシリコン層61に
対して選択的にp型不純物としてボロンのイオン注入を
行う。次に、1100℃の熱処理を行うことによってボ
ロンの活性化を行う。これによりシリコン層61には選
択的にp型ベース層61aが形成される。この熱処理工
程において、ボロンのSiC層52中の活性化率はシリ
コン層61中の活性化率よりも著しく小さいので、p型
ベース層61aの深さをシリコン層61の深さに一致さ
せることができ、その深さをシリコン層61面内で均一
化することが可能である。なお、p型ベース層61aが
形成されないシリコン層61の部分はn型シリコン層6
1aとして残る。その後、通常のシリコンプロセスによ
りMOSFETを作製する。
【0038】図6は、かかる縦型のMOSFETの構成
を示す断面図である。即ち、53、55はn型ソース、
54、56はソース電極、59aはn型ドレイン、59
bはドレイン電極、57はゲート絶縁膜、58はゲート
電極である。p型ベース層61aには、ゲート電極18
と対向する部分にnチャネルが形成される。
【0039】そして、この素子を放熱部のある銅を主成
分としたパッケージにメタル半田でマウントした。な
お、上記コールドウォールで形成したSiCの熱伝導率
は3W/cm・deg以上であり、シリコンに比べ4倍
以上であった。このようにして製作したデバイスは、熱
伝導の悪いシリコンが薄く放熱性がよいので、通常の方
法で製作したシリコンの厚さが300ミクロンの素子に
比べて、約4割高いパワーまで故障することはなかっ
た。また、製造工程において割れや欠けなどの発生はな
かった。
【0040】本実施形態における導電性のSiC層52
はn型のSiCであり、その比抵抗は0.02Ωcmで
あった。また、SiC層52とp型シリコン層61の界
面はヘテロ接合51aとなるが、界面順位が存在するた
めコンタクト抵抗はわずかなものであった。このように
して製作したデバイスは、縦方向に電流が流せるので、
横型の半導体パワー素子に比べて抵抗が約1/5以下と
なる。
【0041】また、高濃度に窒素をドープしたSiCは
結晶性が若干劣り、クラックなどが発生することがまれ
に見られる。濃度が高く抵抗が小さい方がシリコンとの
接触抵抗が小さく有利である。そこでコンタクト抵抗を
小さくしながらクラックを防ぐ手段として、気相成長の
初期に高濃度とし、その後は濃度を下げることが効果的
であった。具体的には、SiC全体にわたって0.01
Ωcm以下の比抵抗とするとクラックが発生することが
あったが、0.01Ωcmの層を100nm形成したあ
と窒素の流量を変えて0.02Ωcmの層を250ミク
ロン形成した。この場合、シリコン層61との間のコン
タクト抵抗を約半分に下げることができた。もちろんS
iC層52にクラックの発生はなかった。
【0042】(第4の実施形態)本実施形態は、第3の
実施形態の半導体素子をトレンチ型半導体素子とした例
を示すものである。第3の実施形態における図5(a)
〜(c)に示す工程までは同様である。81aはn型シ
リコン層(厚さ40ミクロン)、72はn型SiC層
(比抵抗0.02Ωcm)である。
【0043】その後、p型シリコン層73を5ミクロン
の厚さでn型シリコン層81上にエピタキシャル技術に
より形成し、さらに、拡散処理によりn型シリコン層8
1の表面にn型シリコン層74を形成した。その後、溝
を形成した。この溝の内面にゲート絶縁膜として77
を、さらに溝を埋め込むようにゲート電極78を形成し
た。p型シリコン層73はベース層、n型シリコン層7
4はソース領域となる。n型シリコン層74の表面には
ソース電極75、76を形成した。裏面のn型SiC層
表面にn型ドレイン層79aを形成し、さらにその表面
上にNi層79bを形成しシンター処理をした。このN
i層79bがドレイン電極となる。p型シリコン層73
には、ゲート電極78と対向する部分にnチャネルが形
成される。
【0044】そして、この素子を放熱部のある銅を主成
分としたパッケージにメタル半田でマウントした。な
お、上記コールドウォールで形成したSiCの熱伝導率
は3W/cm・deg以上であり、シリコンに比べ4倍
以上であった。このようにして製作したデバイスは、熱
伝導の悪いシリコンが薄く放熱性がよいので、通常の方
法で製作したシリコンの厚さが300ミクロンの素子に
比べて、約4割高いパワーまで故障することはなかっ
た。また、製造工程において割れや欠けなどの発生はな
かった。
【0045】本実施形態において、SiC層72とp型
シリコン層81の界面はヘテロ接合71aとなるが、界
面順位が存在するためコンタクト抵抗はわずかなもので
あった。このようにして製作したデバイスは、縦方向に
電流が流せるので、横型の半導体パワー素子に比べて抵
抗が約1/5以下となる。
【0046】また、高濃度に窒素をドープしたSiCは
結晶性が若干劣り、クラックなどが発生することがまれ
に見られる。濃度が高く抵抗が小さい方がシリコンとの
接触抵抗が小さく有利である。そこでコンタクト抵抗を
小さくしながらクラックを防ぐ手段として、気相成長の
初期に高濃度とし、その後は濃度を下げることが効果的
であった。具体的には、SiC全体にわたって0.01
Ωcm以下の比抵抗とするとクラックが発生することが
あったが、0.01Ωcmの層を100nm形成したあ
と窒素の流量を変えて0.02Ωcmの層を250ミク
ロン形成した。この場合、シリコン層81との間のコン
タクト抵抗を約半分に下げることができた。もちろんS
iC層72にクラックの発生はなかった。
【0047】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではない。例えば上記実施形態ではMOSFETを
形成した例を中心に説明したが、ドレイン層の導電型を
ソース層と反対の導電型とすることにより、IGBT
(絶縁ゲート型パイポーラトランジスタ)に対しても同
様に適用することが可能である。また、その他の半導体
素子、例えばダイオードに対しても適用することができ
る。これらの場合も上記実施形態と同様の効果が得られ
る。
【0048】その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々変形して実施することが可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、抵抗の増大、パワーロ
スを抑制しつつハイパワー動作でのデバイス動作を可能
とする半導体装置を製造歩留まり良く提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る縦型MOSF
ETの製造方法を示す工程断面図。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係る縦型MOSF
ETの構成を示す断面図。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る横型MOSF
ETの製造方法を示す工程断面図。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係る横型MOSF
ETの構成を示す断面図。
【図5】 本発明の第3の実施形態に係る縦型MOSF
ETの製造方法を示す工程断面図。
【図6】 本発明の第3の実施形態に係る縦型MOSF
ETの構成を示す断面図。
【図7】 本発明の第4の実施形態に係る縦型MOSF
ETの構成を示す断面図
【図8】 従来のMOSFETの構成を示す断面図。
【符号の説明】
1…シリコン基板 1a…ヘテロ接合 2…SiC層 3、5…n型ソース 4、6…ソース電極 7…ゲート絶縁膜(酸化膜) 8…ゲート電極 9a…ドレイン電極 9b…ドレイン電極 11…シリコン層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/861 H01L 29/91 F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素層の第1の表面に島状に互いに
    離間して形成され、炭化珪素よりも熱伝導度が低い半導
    体材料からなる複数の半導体層と、当該半導体層の各々
    に設けられた第1の電極と、前記炭化珪素層の第1の表
    面に対して裏面となる第2の表面に設けられた第2の電
    極とを具備し、前記第1の電極と前記第2の電極との間
    に電流が流れることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記炭化珪素層と前記複数の半導体層と
    の間の界面部分の不純物濃度が周りの部分に比べて高い
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 炭化珪素よりも熱伝導度が低い半導体材
    料からなる半導体基板の第1の表面に凹部を形成する工
    程と、この凹部を埋めるように前記半導体基板上に炭化
    珪素層を形成する工程と、前記半導体基板の第1の表面
    に対して裏面となる第2の表面の側から当該半導体基板
    の厚みを減らして前記炭化珪素層の第1の表面を露出さ
    せる工程と、厚みを減らした前記半導体基板の第2の表
    面に第1の電極を設ける工程と、前記炭化珪素層の第1
    の表面に対して裏面となる第2の表面に第2の電極を設
    ける工程とを具備することを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 炭化珪素層の表面に島状に互いに離間し
    て形成され、炭化珪素よりも熱伝導度が低い半導体材料
    からなる複数の半導体層と、当該半導体層の各々に形成
    された半導体素子と、前記複数の半導体層間の前記炭化
    珪素層の領域に少なくとも形成された素子分離領域とを
    具備することを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 炭化珪素よりも熱伝導度が低い半導体材
    料からなる半導体基板の第1の表面に凹部を形成する工
    程と、この凹部を埋めるように前記半導体基板上に炭化
    珪素層を形成する工程と、前記半導体基板の第1の表面
    に対して裏面となる第2の表面の側から当該半導体基板
    の厚みを減らして前記炭化珪素層の表面を露出させる工
    程と、厚みを減らした前記半導体基板に半導体素子を形
    成する工程と、前記炭化珪素層に素子分離領域を形成す
    る工程とを具備することを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
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