JP2915433B2 - 半導体集積回路装置 - Google Patents

半導体集積回路装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体集積回路装置に関し、特に、SOI
ilicon n nsulator)構造を採用する半導体集
積回路装置に適用して有効な技術に関するものである。
〔従来の技術〕
高集積化が進むにつれ、半導体集積回路装置はSOI構
造を採用する傾向にある。基本的なSOI構造は絶縁性基
板上に形成された単結晶珪素膜(SOI膜)に半導体素子
を形成する技術である。絶縁性基板としてはサファイヤ
基板等の絶縁性基板、又はSiなどの半導体基板上に絶縁
膜を設けた絶縁性基板が使用される。
前記SOI構造を採用する半導体集積回路装置は一般的
に以下の利点がある。第1に、半導体集積回路装置の動
作速度の高速化を図ることができる。第2に、半導体集
積回路装置の高耐圧化を図ることがでる。第3に、特に
記憶機能を有する半導体集積回路装置のα線ソフトエラ
ー耐圧を高めることができる。
この種のSOI構造を採用する半導体集積回路装置は単
結晶珪素膜の結晶性の良質化が重要な技術的課題の1つ
とされている。この単結晶珪素膜の結晶性の良質化に有
効な技術が、電子通信学会技術研究報告書、第86巻、報
告番号139、第37頁乃至第42頁に報告されている。この
技術は、第5図(要部断面図)に示すように、表面に半
導体素子が形成された単結晶珪素基板の裏面を研磨して
薄型化した単結晶珪素膜1を形成し、この単結晶珪素膜
1を絶縁性基板2の表面に貼付る技術である。単結晶珪
素基板の表面に形成される半導体素子としてはバイポー
ラトランジスタである。バイポーラトランジスタは、単
結晶珪素膜1の表面から深さ方向に向ってn型エミッタ
領域15、p型ベース領域14、n型コレクタ領域13の夫々
を順次配列した、縦型構造のnpn型で構成される。n型
コレクタ領域13はコレクタ電位引上げ用半導体領域13
A、真性コレクタ領域13B及び埋込型コレクタ領域13Cで
構成される。このバイポーラトランジスタは単結晶珪素
基板の表面に選択酸化技術で形成された素子間分離絶縁
膜(フィールド酸化膜)10で周囲を囲まれた活性領域に
形成される。単結晶珪素基板の裏面の研磨は、化学液を
介在させ、ポリエステル製のポリシングパッドで加工す
る、所謂メカニカル・ケミカル研磨で行われる。このメ
カニカル・ケミカル研磨は、酸素珪素の研磨速度が遅い
ので、見かけ上、単結晶珪素のみ選択的に研磨される。
つまり、メカニカル・ケミカル研磨は、素子間分離絶縁
膜10をストッパ層として、バイポーラトランジスタを有
する薄い厚さの単結晶珪素膜1を形成することができ
る。前記絶縁性基板2としては石英ガラス基板が使用さ
れる。単結晶珪素膜1はその研磨された裏面に接着層3
を介在させて石英ガラス基板の表面に接着される。接着
層3にはエポキシ樹脂が使用される。
この技術(選択ポリシング技術を使用したデバイスト
ランスファ法と呼ばれる)は、単結晶珪素基板(半導体
ウエーハ)の表面を利用するので、結晶性が良質な単結
晶珪素膜1を形成できる。また、単結晶珪素基板の裏面
の研磨は、素子間分離絶縁膜10をストッパ層として使用
するので制御性が高く、研磨面が平坦で、しかも均一な
膜厚を有する単結晶珪素膜1を形成できる。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、本発明者は、前述のSOI構造を採用す
る半導体集積回路装置について、次のような問題点が生
じることを見出した。
(1)前記単結晶珪素膜1、絶縁性基板2の夫々は接着
層3を介在させて接着してある。この接着層3は、エポ
キシ樹脂で形成され、水等の荷動イオンが含まれる。ま
た、単結晶珪素膜1はバイポーラトランジスタのn型コ
レクタ領域13の埋込型コレクタ領域13まで研磨されるの
で、或はその一部が研磨されるので、埋込型コレクタ領
域13Cが露出する。このため、単結晶珪素膜1の研磨さ
れた裏面からバイポーラトラジスタに前記荷動イオンや
重金属汚染物質が侵入するので、バイポーラトランジス
タの経時的な電気的特性が劣化するという問題があっ
た。
(2)また、前記バイポーラトランジスタのn型コレク
タ領域13の埋込型コレクタ領域13Cは素子間分離絶縁膜1
0に比べて単結晶珪素膜1の表面から深い位置に形成さ
れる。このため、埋込型コレクタ領域13Cの一部が研磨
され、埋込型コレクタ領域13Cの抵抗値が増大するの
で、バイポーラトランジスタの動作速度が低下するとい
う問題があった。
(3)また、前記バイポーラトランジスタはその動作に
より熱を発生する。この動作で発生した熱は、単結晶珪
素膜1の表面側からは放熱されるが、裏面は熱抵抗が高
い接着層3及び絶縁性基板2が存在し、裏面からの放熱
がほとんどなされない。このため、熱ストレスに基づ
き、バイポーラトランジスタの電気的特性が劣化すると
いう問題があった。
本発明の目的は、単結晶珪素基板の裏面を研磨して形
成された単結晶珪素膜を絶縁性基板に貼付る、SOI構造
を採用する半導体集積回路装置において、半導体素子へ
の荷動イオンや重金属汚染物質の侵入を低減し、電気的
特性を向上することが可能な技術を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、前記SOI構造を採用する半導体
集積回路装置において、動作速度の高速化を図ることが
可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記SOI構造を採用する半導体
集積回路装置において、半導体素子への熱ストレスを低
減し、電気的特性を向上することが可能な技術を提供す
ることにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、
本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであ
ろう。
〔課題を解決するための手段〕
本願において開示される発明のうち、代表的なものの
概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
素子間分離絶縁膜によって区分された活性領域内に半
導体素子を形成した半導体基板を、前記素子間分離絶縁
膜をストッパ層とした研磨加工によって薄型化した半導
体層と、絶縁性基板とを接着層によって貼り合わせたSO
I型の半導体集積回路装置について、前記半導体層の少
なくとも活性領域と前記接着層との間にPSG膜或はBPSG
膜で構成されるパッシベーション膜を設ける。
〔作用〕
上述した手段によれば、前記半導体層の裏面側から侵
入する荷動イオンや汚染物質をブロッキングすることが
できるので、半導体素子の電気的特性の劣化、特に経時
的な電気的特性の劣化を低減し、SOI構造を採用する半
導体集積回路装置の電気的信頼性を向上することができ
る。
以下、本発明の構成について、バイポーラトランジス
タを単結晶珪素膜(SOI膜)に形成した、SOI構造を採用
する半導体集積回路装置に本発明を適用した一実施例と
ともに説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機
能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明
は省略する。
〔発明の実施例〕
(実施例I) 本発明の実施例IであるSOI構造を採用する半導体集
積回路装置を第1図(要部断面図)で示す。
第1図に示すように、半導体集積回路装置は絶縁性基
板2の表面上に接着層3を介在させて単結晶珪素膜(SO
I膜)1を貼付けたSOI構造で構成される。
前記単結晶珪素膜1は素子間分離絶縁膜10で周囲を囲
まれた活性領域にバイポーラトランジスタを構成する。
素子間分離絶縁膜10は単結晶珪素膜1(形成時において
は単結晶珪素基板)の表面を周知の選択酸化法により酸
化した酸化珪素膜で形成される。
バイポーラトランジスタは単結晶珪素膜1の表面側か
らその深さ方向に向ってn型エミッタ領域15、p型ベー
ス領域14、n型コレクタ領域13の夫々を順次配列して構
成される。つまり、バイポーラトランジスタは縦型構造
のnpn型で構成される。前記n型コレクタ領域13はコレ
クタ電位引上げ用半導体領域13A、真性コレクタ領域13B
及び埋込型コレクタ領域13Cで構成される。コレクタ電
位引上げ用半導体領域13A、埋込型コレクタ領域13Cの夫
々は真性コレクタ領域13Bに比べて高不純物濃度で構成
される。
前記バイポーラトランジスタのn型エミッタ領域15、
p型ベース領域14、n型コレクタ領域13のコレクタ電位
引上げ用半導体領域13Aの夫々の表面には配線16が接続
される。配線16は例えばアルミニウム膜又はアルミニウ
ム合金膜で構成される。
前記絶縁性基板2は例えば石英ガラス基板で形成され
る。
前記接着層3は例えばエポキシ樹脂で形成される。
前記単結晶珪素膜1のバイポーラトランジスタが設け
られた活性領域の裏面(研磨面)と絶縁性基板1との間
にはパッシベーション膜20が設けられる。本実施例にお
いて、パッシベーション膜20は、単結晶珪素膜1と接着
層3との間に設けられ、単結晶珪素膜1の活性領域、非
活性領域の夫々を含む裏面全面に設けられる。パッシベ
ーション膜20は水等の荷動イオンやNaイオン等の重金属
汚染物質をブロッキングする作用を有する。パッシベー
ション膜20は、素子間リークがないように、例えば絶縁
性を有するPSG膜で形成する。また、パッシベーション
膜20はBPSG膜で形成してもよい。
次に、SOI構造を採用する前記半導体集積回路装置の
製造方法について、第2A図乃至第2G図(各製造工程毎に
示す概略断面図)を用いて簡単に説明する。
まず、第2A図に示すように、単結晶珪素基板(半導体
ウエーハ)100の表面(素子形成面)の非活性領域に素
子間分離絶縁膜10、活性領域にバイポーラトランジスタ
Trの夫々を形成する。単結晶珪素基板100は例えば低不
純物濃度で形成される。これに限定されないが、単結晶
珪素基板100の表面の半導体素子形成層となる領域には
エピタキシャル層が形成される。バイポーラトランジス
タTrのn型コレクタ領域13の埋込型コレクタ領域13Cは
前記単結晶珪素基板100とエピタキシャル層との間に形
成される。
次に、第2B図に示すように、前記単結晶珪素基板100
の表面上に接着層30を介在させて支持板40を貼付る。接
着層30は例えば前述の接着層3と同様のエポキシ樹脂を
使用する。支持板40は例えば前記単結晶珪素基板100と
同様の珪素基板を使用する。
次に、第2C図に示すように、前記支持板40で支持され
た単結晶珪素基板100の裏面にメカニカル・ケミカル研
磨を施し、単結晶珪素基板100の半導体素子形成層(例
えばエピタキシャル層)のみ残存させ、単結晶珪素膜
(SOI膜)1を形成する。メカニカル・ケミカル研磨
は、例えば回転円板上に設けられたポリエステル製のポ
リシングパッドに単結晶珪素基板100の裏面を押圧し、
化学液を介在させて前記回転円板を回転させることによ
り、単結晶珪素基板100の裏面を研磨する方法である。
前記化学液は例えばエチレンジアミン・ピロカテコール
液及び水の混合液を使用する。エチレンジアミン・ピロ
カテコール液を用いたSiのエッチングは、Si、アミン、
水の夫々を反応させ、Si表面に が形成され、それがピロカテコールとキレートを生成
し、液中に溶解していく2段階の化学作用でSiの除去が
行われる。前記ピロカテコールによる の除去は前記ポリシングパッドにより機械的に行われ
る。このメカニカル・ケミカル研磨は、単結晶珪素基板
100の表面側に形成された素子間分離絶縁膜10がストッ
パ層として作用し、この素子間分離絶縁膜10の下面によ
り制御される。したがって、前記メカニカル・ケミカル
研磨により、単結晶珪素膜1の研磨された裏面にはバイ
ポーラトランジスタTrのn型コレクタ領域13の埋込型コ
レクタ領域13Cの表面が一部研磨され露出される。
次に、第2D図に示すように、単結晶珪素膜1の研磨さ
れた裏面にパッシベーション膜20を堆積する。パッシベ
ーション膜20は例えばプラズマCVD法で堆積したPSG膜で
形成する。このPSG膜は前記接着層30を溶融しないよう
に低温度例えば190〜200[℃]で堆積される。このPSG
膜は、例えば、テトラメトキシフォスフィンガス:酸素
ガスの比を350:400[sccm]とし、約10[torr]の圧力
と300[W]のパワーで設定されたプラズマCVD装置で生
成することができる。PSG膜は前述のブロッキング作用
を有するように例えば1[μm]程度の膜厚で形成され
る。
次に、前記パッシベーション膜20の露出する表面と絶
縁性基板2との間に接着層3を介在させ、第2E図に示す
ように、絶縁性基板2の表面に単結晶珪素膜1を接着す
る(トランスファする)。
次に、第2F図に示すように、前述のメカニカル・ケミ
カル研磨により支持板40を除去する。この支持板40の除
去の際には接着層30がストッパ層となる。
次に、第2G図に示すように、前記接着層40を例えば酸
素プラズマ処理で除去することにより、前記第1図に示
すSOI構造を採用する半導体集積回路装置が完成する。
このように、単結晶珪素基板100の表面の素子間分離
絶縁膜10で周囲を囲まれた活性領域にバイポーラトラン
ジスタTrを形成し、この単結晶珪素基板100の裏面に前
記素子間分離絶縁膜10をストッパ層としてメカニカル・
ケミカル研磨を施して前記バイポーラトランジスタTrを
有する単結晶珪素膜1を形成し、この単結晶珪素膜1の
裏面に絶縁性基板2を貼付るSOI構造を採用する半導体
集積回路装置において、前記単結晶珪素膜1の少なくと
も活性領域と絶縁性基板2との間にパッシベーション膜
20を設ける。この構成により、前記単結晶珪素膜1の裏
面側から侵入する荷動イオンや汚染物質をブロッキング
することができるので、バイポーラトランジスタTrの電
気的特性の劣化、特に経時的な電気的特性の劣化を低減
し、SOI構造を採用する半導体集積回路装置の電気的信
頼性を向上することができる。
(実施例II) 本実施例IIは、前記SOI構造を採用する半導体集積回
路装置において、動作速度の高速化を図った、本発明の
第2実施例である。
本発明の実施例IIであるSOI構造を採用する半導体集
積回路装置を第3図(要部断面図)で示す。
本実施例IIのSOI構造を採用する半導体集積回路装置
は、第3図に示すように、バイポーラトランジスタのn
型コレクタ領域13の埋込型コレクタ領域13Cに相当する
部分をシリサイド膜13Dで構成する。シリサイド膜13Dは
埋込型コレクタ領域(Si)13Cに比べてシート抵抗値が
小さい。シリサイド膜13Dとしては低温度で形成できるP
tSi2、PdSi2等を使用する。
このシリサイド膜13Dは以下の製造方法で形成され
る。
まず、前記実施例Iの第2C図に示す工程の後に、単結
晶珪素膜1の研磨された裏面全面にスパッタ法又は蒸着
法によりPt又はPdを堆積する。
次に、約250〜300[℃]程度の低温度の熱処理を施
し、Pt又はPdと単結晶珪素膜1の活性領域のSiとを選択
的に反応させ、シリサイド膜13Dを形成する。シリサイ
ド化されない非活性領域のPt又はPdは後に王水により除
去される。前記シリサイド膜13Dは、埋込型半導体領域1
3Cに相当する領域例えば0.1[μm]程度の厚さで形成
される。
また、前記シリサイド膜13Dの形成の際の熱処理は、
レーザビーム、電子ビーム、ランプ等を使用すれば低温
度処理ができ、しかも、前記以外の他のシリサイド化の
ための金属を使用することができる。
次に、前記実施例Iの第2E図に示す工程及びそれ以後
の工程を施すことにより、本実施例のSOI構造を採用す
る半導体集積回路装置は完成する。
このように、SOI構造を採用する半導体集積回路装置
において、前記単結晶珪素膜1の裏面に露出するバイポ
ーラトランジスタの埋込型コレクタ領域13Cに相当する
部分に、前記単結晶珪素膜1に比べてシート抵抗値が低
いシリサイド膜13Dを設ける。この構成により、前記バ
イポーラトランジスタのn型コレクタ領域13のシート抵
抗値を低減し、信号伝達速度を速くすることができるの
で、SOI構造を採用する半導体集積回路装置の動作速度
の高速化を図ることができる。
(実施例III) 本実施例IIIは、前記SOI構造を採用する半導体集積回
路装置において、放熱効率を高めた、本発明の第3実施
例である。
本発明の実施例IIIであるSOI構造を採用する半導体集
積回路装置を第4図(要部断面図)で示す。
本実施例IIIのSOI構造を採用する半導体集積回路装置
は、第4図に示すように、単結晶珪素基板1と絶縁性基
板2との間に熱伝導膜21、22の夫々を設けると共に、一
端が前記熱伝導膜21、22の夫々に接続され他端が単結晶
珪素膜1の表面の非活性領域に達する熱放出経路23が設
けられる。
前記熱伝導膜21、22の夫々は、前記実施例Iのパッシ
ベーション膜20を形成する工程、前記実施例IIのシリサ
イド膜13Dを形成する工程の夫々と実質的に同一の製造
工程において形成される。熱伝導膜21、22の夫々は、単
結晶珪素膜1に比べて熱抵抗が小さく、かつ素子間リー
クが生じないように、例えば絶縁性を有するAlN膜で形
成する。このAlN膜は例えばプラズマCVD法で堆積する。
基本的には、単結晶珪素膜1と接着層3との間に設けら
れた熱伝導膜21か、接着層3と絶縁性基板2との間に設
けられた熱伝導膜22かのいずれかを設ければよい。前者
の場合は、バイポーラトランジスタの放熱効率は後者の
みを設けた場合に比べて高い。後者の場合は、単結晶珪
素膜1の形成工程と独立のプロセスで形成することがで
きるので、前者のみを設けた場合に比べて歩留りが高
い。
前記熱放出経路23は素子間分離絶縁膜10に形成された
穿孔又は溝に熱伝導性の良い例えばAlNを埋込むことに
より形成される。
このように、SOI構造を採用する半導体集積回路装置
において、前記単結晶珪素膜1の少なくとも活性領域と
絶縁性基板2との間に、前記単結晶珪素膜1に比べて熱
伝導性が高くかつ絶縁性を有する熱伝導膜21(又は22)
を設け、この熱伝導膜21から前記単結晶珪素膜1の表面
に達する熱放出経路23を設ける。この構成により、前記
バイポーラトランジスタの動作で発生した熱を前記熱伝
導膜21及び熱放出経路23を通して単結晶珪素膜1の表面
側に放出することができるので、熱ストレスに基づく、
前記バイポーラトランジスタの電気的特性の劣化を低減
し、SOI構造を採用する半導体集積回路装置の電気的信
頼性を向上することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例
に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々変更可能であることは勿論である。
例えば、本発明は、前記絶縁性基板2を単結晶珪素基
板の表面上に絶縁膜を設けて構成してもよい。
また、本発明は、前記単結晶珪素膜1にMISFETや相補
型MISFETを設けてもよい。
また、本発明は、前記実施例I乃至実施例IIIの夫々
を組合せて構成してもよい。
〔発明の効果〕
本願において開示される発明のうち代表的なものによ
って得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりで
ある。
SOI構造を採用する半導体集積回路装置において、半
導体素子への荷動イオンや重金属汚染物質の侵入を低減
し、電気的特性を向上することができる。
また、SOI構造を採用する半導体集積回路装置におい
て、動作速度の高速化を図ることができる。
また、SOI構造を採用する半導体集積回路装置におい
て、半導体素子への熱ストレスを低減し、電気的特性を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例IであるSOI構造を採用する
半導体集積回路装置の要部断面図、 第2A図乃至第2G図は、前記SOI構造を採用する半導体集
積回路装置を各製造工程毎に示す概略断面図、 第3図は、本発明の実施例IIであるSOI構造を採用する
半導体集積回路装置の要部断面図、 第4図は、本発明の実施例IIIであるSOI構造を採用する
半導体集積回路装置の要部断面図、 第5図は、従来のSOI構造を採用する半導体集積回路装
置の要部断面図である。 図中、1……単結晶珪素膜(SOI膜)、2……絶縁性基
板、3……接着層、10……素子間分離絶縁膜、13,14,15
……動作領域、13D……シリサイド膜、20……パッシベ
ーション膜、21,22……熱伝導膜、23……熱放出経路で
ある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素子間分離絶縁膜によって区分された活性
    領域内に半導体素子を形成した半導体基板を、前記素子
    間分離絶縁膜をストッパ層とした研磨加工によって薄型
    化した半導体層と、絶縁性基板とを接着層によって貼り
    合わせたSOI型の半導体集積回路装置において、前記半
    導体層の少なくとも活性領域と前記接着層との間にPSG
    膜或はBPSG膜で構成されるパッシベーション膜を設けた
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 【請求項2】素子間分離絶縁膜によって区分された活性
    領域内に半導体素子を形成した半導体基板を、前記素子
    間分離絶縁膜をストッパ層とした研磨加工によって薄型
    化した半導体層と、絶縁性基板とを接着層によって貼り
    合わせたSOI型の半導体集積回路装置において、前記半
    導体層の少なくとも活性領域と前記接着層との間にPSG
    膜或はBPSG膜で構成されるパッシベーション膜を設け、
    前記半導体層の少なくとも活性領域とパッシベーション
    膜との間に、酸化珪素膜に比べて熱伝導性が高くかつ絶
    縁性を有する熱伝導膜を設け、該熱伝導膜と一端が接続
    し他端が前記半導体層の表面に達する熱放出経路を設け
    たことを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 【請求項3】前記熱伝導膜はAlN膜であることを特徴と
    する請求項2に記載の半導体集積回路装置。
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