JP5672078B2 - 立位姿勢用ブレーキペダル装置 - Google Patents

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本発明は、例えば乗車姿勢として立位姿勢を保つ乗り物等に使用される立位姿勢用ブレーキペダル装置に関する。
例えば、特許文献1には、走行距離の長い時或いは乗車状態での一時待機時にはオペレータは着座運転を可能にし、短距離の場合は立運転姿勢での運転を行う等、オペレータの体調や疲労度等に合わせて運転姿勢を選択可能にして、長時間立運転姿勢状態での運転が回避可能な立席型運転席用背もたれ構造が開示されている。
この背もたれ構造では、背もたれパットの背もたれ部にオペレータの臀部を支えるシート部を前方へせり出し形成して形成したことで、オペレータは着座運転を可能にし、運転姿勢を選択可能にして、立運転姿勢状態での運転を回避してオペレータの疲労軽減を図っている。また、この背もたれ構造は、背もたれパットのシート部前端から下方に向かって延在する脚もたれ部を形成することで、立運転姿勢にあるオペレータの運転時の前後動に対するバランスの安定維持を確保し、運転姿勢を更に安定させて運転時の疲労を軽減可能としている。
特開2005−132525号公報
しかしながら、立位姿勢を保持した状態では、足部で体重の大部分を支持しているため、乗員に制動時の慣性力が作用すると、姿勢を保持することが難しい。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、立位姿勢で車両を制動するブレーキ操作時に、足を車両床面から持ち上げることなく足を接触させたままの状態で且つ足先を延ばすことなくブレーキペダルを踏むことを可能として、姿勢を保持することのできる立位姿勢用ブレーキペダル装置を提供することを目的とする。
本発明の立位姿勢用ブレーキペダル装置は、足先で踏み込まれるブレーキペダルと、足先をブレーキペダルに載せた状態で足裏全体を載せる架台と、ブレーキペダルを踏み込んで制動する際に、踏み込み方向と反対方向へ前記ブレーキペダル及び前記架台を上昇させる架台昇降手段を備える。
本発明に係る立位姿勢用ブレーキペダル装置によれば、ブレーキペダルを踏み込むと、このブレーキペダルを可動自在に取り付けた架台が、踏み込む方向と反対方向へブレーキペダルと架台を上昇させるので、足を床面から持ち上げることなく接触させたままの状態で且つ足先を延ばすことなくブレーキペダル操作を行うことが可能となり、制動時の姿勢保持を維持することができる。
図1は、単純な平面に固定されたシート座面に、同じく単純な円弧形状の臀部を持った乗員が点接触して着座している場合の模式図ある。 図2は、下肢を車体床面に垂直に配置している状態の立位姿勢時において、シート座面の傾斜角に対する足支持部の体重分担率を示す特性図である。 図3は、本発明における立位姿勢用ブレーキペダル装置を、本装置を必要とするであろう立位姿勢での乗員配置と共に示した車両図ある。 図4(A)は立位姿勢用ブレーキペダル装置の斜視図、図4(B)はその分解図である。 図5(A)は立位姿勢用ブレーキペダル装置の平面図、図5(B)はその側面図、図5(C)はその右側面図である。 図6は、立位姿勢用ブレーキペダル装置と足の基本的位置関係を示す図である。 図7は、立位姿勢用ブレーキペダル装置のブレーキペダル操作状態を示す図である。 図8は、立位姿勢用ブレーキペダル装置と乗員の足との位置関係を、ブレーキ非操作時とブレーキペダル操作時との対比で示した図である。 図9は、一般的な車両での着座姿勢におけるブレーキペダル装置と乗員の足との位置関係を、ブレーキ非操作時とブレーキペダル操作時との対比で示した図である。 図10は、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置と一般的なブレーキペダル装置における車体基準でのブレーキ操作時の踝変位特性を示す図である。 図11は、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置におけるシステム構成を示す図である。 図12は、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置の制御フローを示すフローチャートである。 図13は、本実施形態の効果を説明するための図であり、(A)は踝の上下変位による体幹とシート座面の相対角度変化を示し、(B)はシート座面の傾斜角に対する足支持部の体重分担率を示す特性図である。 図14は、制動時の身体挙動のイメージを示す図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1には、乗員に立位姿勢をとらせるために車体床面に対して前方に倒れるように傾斜させた座面をもつ立位姿勢用シートに、床面に足を接地させながら着座している乗員と、その足に加わる体荷重の関係を車両側面視の2次元モデルで示した。体荷重とは、乗員2の体重を意味する。
図1は、単純な平面に固定されたシート座面1に、同じく単純な円弧形状の臀部2aを持った乗員2が点接触して着座している場合の模式図を示している。シート座面1で支持する体荷重Fは、シート座面1に対して垂直な方向になるため、地上基準(もしくは車体基準)でみると上下方向力成分F1だけでなく前後方向力成分F2を持つことになり、その直交する2成分F1、F2の関係はシート座面1の傾斜角θによって規定される。
図1の状態では、シート座面1が斜め下に傾斜されているため、乗員2はシート座面1との間で前方斜め下に向かって滑ってしまう。そのため、足2bを床面に接地させて臀部2aがシート座面1から滑らないように、体荷重Fの地上基準での前後方向力成分F2と釣り合わせるだけの足部接地面での前後方向力F3を出させる必要が発生する。
一方、臀部2aにかかる体荷重Fは、前記の通り、前後方向力成分F2と上下方向力成分F1が独立でないため、足接地部で出す前後方向力F3に対応した臀部前後力F2にならざるを得えない。その結果、臀部2aの体荷重Fは、足接地部で発生させる前後方向力F3に対応して変動することになる。その際に、これらの関係を規定するのは足の膝部の関節トルクF4であり、これにより脚部全体の姿勢を足接地部前後方向力により制御する形となる。
図2には、下肢を車体床面に垂直に配置している状態の立位姿勢時において、シート座面1の傾斜角θに対する足支持部の体重分担率のグラフを示す。グラフには、水平面に対する大腿部(脚上肢)2cの傾斜角度θ1の違いで3本の線を示す。線Aは、大腿部2cの傾斜角度θ1が15度である。線Bは、大腿部2cの傾斜角度θ1が30度である。線Cは、大腿部2cの傾斜角度θ1が45度である。図2のグラフを見ると、シート座面1の傾斜角度θが零の場合、どの大腿部2cの傾斜角度θ1でも同じ値(足支持分の体重分担率が約30%)になっているのは、下肢の重量が残っているからである。なお、図2は2次元側面視でのモデルであるため、足支持荷重は両下肢の合計値である。この図2を見ると、足支持部の体重分担率は、大腿部2cの傾斜角度θ1が何れの場合もシート座面1の傾斜角θが大きくなるに連れて増加する。
図3は、本発明における立位姿勢用ブレーキペダル装置3を、本装置を必要とするであろう立位姿勢での乗員配置と共に示した車両図である。図1に示す車両4は、一例であってこれに限定されるもではない。立位姿勢とは、図1で示したように体荷重の一部(足自身の重量だけでなく体幹荷重)を足2bで支持する着座姿勢と定義する。図3中、符号5は、立位姿勢シートである。立位姿勢シート5は、首当て部5aと、背中当て5bと、臀部当て部5cと、大腿当て部5dと、下腿当て部5eとを有している。
このような立位姿勢の場合、車両の主たる3つの操作系である操舵、駆動(アクセル)、制動のうち足2bで分担する分はなるべく少なくしたい。そのため、操舵に加えて駆動(アクセル)指令も足2bではなく手2cでの操作が想定される。図3においては、手2cに持つ操作部が、操舵と駆動(アクセル)指示機能を持った手元操作系システム6となっている。このような操作システムとしては、操作スティックなどがある。手元操作系システム6とブレーキペダル装置3の操作量は、制御システム7で演算される。ブレーキペダルの代わりに手元操作系システム6にてブレーキ操作をすることは機械システムとしては可能であるが、制動操作は足に残すことで車両操作のし易さを維持できると想定している。
図4及び図5には、立位姿勢用ブレーキペダル装置3を示す。図4(A)は立位姿勢用ブレーキペダル装置の斜視図であり、同図(B)はその分解図である。図5(A)は立位姿勢用ブレーキペダル装置の平面図、同図(B)はその側面図、同図(C)はその右側面図である。この立位姿勢用ブレーキペダル装置3は、乗員2が立位姿勢時に足操作はブレーキのみを使用するという形式を示しているため、ブレーキペダル8は両足つま先部で同時に踏むことが可能な構造としている。そのため、ブレーキペダル8の幅Wは、従来の一般的な片足用ブレーキペダルより幅を広く設定している。
ブレーキペダル8は、足裏を載せる架台9に回転可能なジョイント部10で一側縁側が結合され、前記架台9に対して可動するように取り付けられている。乗員2は、この架台9に両足2bを接地させることができるように、その架台9の面積が確保されている。架台9は、車体床面に固定される基台11に対して、車体前側リンク12と車体後ろ側リンク13の2つのリンクで連結されている。
車体前側リンク12と車体後ろ側リンク13は、それぞれ架台9の左右側面に対で配置されている。車体前側リンク12は、車体後ろ側リンク13よりもその長さが長くされている。そして、これら車体前側リンク12及び車体後ろ側リンク13は、何れも一端側を第1支持軸14で架台9に取り付け、他端側を第2支持軸15で基台11に取り付けている。前記架台9は、足2bのつま先を除いた部位を載せる足載せ部位9aと、後述するブレーキペダル変位検出部16を配置する検出部配置部位9bと、これらを高さ方向で上下に連結する連結部位9cとを有している。
ブレーキペダル8と架台9との間には、ブレーキペダル変位検出部16が設けられている。ブレーキペダル変位検出部16は、ブレーキペダル8と、このブレーキペダル8と対応する部分を車両下方へ屈曲させた架台9の検出部配置部9bとの間に配置されている。ブレーキペダル変位検出部16は、ブレーキペダル8を踏んだ時のブレーキペダル8の変位を検出する機能の他にブレーキペダル反力発生機能も有している。本実施例においては、この反力発生機構としてはばねを想定しているが、もちろん制御装置をともなったアクチュエータで実現させることも可能である。
また、基台11の底面には、ブレーキペダル8を取り付けた架台9を、車体床面より上方へ持ち上げるアクチュエータ17が取り付けられている。アクチュエータ17が作動することで、該アクチュエータ17の昇降部材18が車両高さ方向で上昇して前記架台9を上方へ持ち上げる。アクチュエータ17の昇降部材18が車両高さ方向で下降すると、前記架台9は下方へ下がる。前記基台11と、この基台11に対して架台9を可動自在に取り付ける手段である車体前側リンク12及び車体後ろ側リンク13と、架台9を押し上げるアクチュエータ17と、架台9を持ち上げる指示を出す制御回路(後述する図11の制御回路)は、本発明の架台昇降手段を構成する。
図6及び図7には、立位姿勢用ブレーキペダル装置3の動作を説明するための図を示してある。図6は、立位姿勢用ブレーキペダル装置3と足の基本的位置関係を車両側面視で示している。足で支持する体荷重は、通常は架台9で受け止めるようになっている。そして、乗員2は、足の踝部を中心につま先部を載せているブレーキペダル8を押し込むことができる。ブレーキペダル8を操作しないときには、架台9が足支持荷重を受け止めることが容易になるように、架台9の足載せ部位9aはブレーキペダル8を操作しない静止位置において車体後方に傾斜する形状となっており、ブレーキペダル8に乗る足先部に荷重がかかりにくい構造としている。
図7は、ブレーキペダル装置の動きを車体側面視にて示す。図7(A)はブレーキペダル8の非動作状態、同図(B)はブレーキペダル8の操作量が中間の状態、同図(C)はブレーキペダル8の最大動作状態である。本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置3では、ブレーキペダル8を踏み込む操作に応じて架台9は、アクチュエータ17により車体床面より上方に持ち上げられる。
架台9の役割は、乗員2の足2bを車体床面に対して上方に変位(移動)させることを目的としている。このため、架台9を車体床面に対して上方変位させる構造は、リンク機構や電動システムなどの方法が考えられるが、架台9を動かすという目的を実現させることができるならば如何様な手段構造でも構わない。本実施形態では、2つの不等長の車体前側リンク12と車体後ろ側リンク13により、架台9と基台11を連結させている。
この立位姿勢用ブレーキペダル装置3では、車体前側リンク12が車体後ろ側リンク13よりもその長さが長いため、アクチュエータ17が架台9を車体床面に対して上方へ押上げた際に、架台9はブレーキペダル8を取り付けた先端側を上とし後端側を下とする車両前方斜め上方へ傾く。このため、乗員2は、つま先が上に向くように足2bが斜め上方へ持ち上がることにより、下肢全体が立位姿勢シート5側へ移動し、臀部2aが臀部当て部5cからずり下がるのを防止することができる。
図7においては、ブレーキペダル8を緩やかに踏んだ場合における定常的姿勢変化を示しているが、本実施形態ではブレーキペダル操作変化量(ペダルストローク速度もしくはペダル踏力変化速度)に応じた制御も想定している。このため、ブレーキペダル8の最大操作量位置まで達していない段階でも架台9そのものは、アクチュエータ17の最大動作量に到達している場合がある。
図8乃至図10には、本実施形態の動作特性を示す。図8では、立位姿勢用ブレーキペダル装置3と乗員2の足2bとの位置関係を、ブレーキ非操作時(図8(A))とブレーキペダル操作時(図8(B))との対比で示す。乗員2の足2bを架台9に接地させてブレーキペダル8を操作する際に、足の接地位置を架台9に対して相対変位させずに踝部2dを支点として足2bを回転するようにつま先を下方へ曲げてブレーキペダル8を操作することが可能となっている。足接地部と架台9の間に相対変位がない場合において、アクチュエータ17による架台9の上昇に伴い、踝部2dは車体基準でみると上方に変位(移動)する。この際、本実施形態の構造では、不等長の車体前側リンク12と車体後ろ側リンク13により、踝部2dは上方変位と合わせて後方変位する。
図9には、一般的な車両での着座姿勢におけるブレーキペダル装置の動作例を示す。図8と比較できるように、ブレーキペダル非操作時(図8(A))と操作時(図8(B))を対比させている。この例では、ブレーキペダル8の回転支点19は、足2bより車両前方の上方にある。踝2dは、ブレーキペダル操作に応じて車両前方に変位(移動)すると共に車体底面側へ下方変位(下方移動)する。この一般的なブレーキペダル装置には、他に車体床面若しくはそれより下方にブレーキペダル回転支点を持つ形式のブレーキペダルもあるが、ブレーキペダル操作と踝2dの変位(移動)方向は図9と同じ特性となる。
図10は、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置と一般的なブレーキペダル装置における車体基準でのブレーキ操作時の踝変位特性を示す図である。車体基準でブレーキペダル操作をした場合(本実施形態の場合は架台9と足接地部の相対変位を起こさせないようにし、従来ブレーキ装置の場合は踵の床面着地点を床面に対して動かさないようにする)、一般的なブレーキペダル装置では踝2dが点線のように車体前方向と車体下方向に変位するのに対し、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置3では実線のように車体上方に変位する。また、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置3では、踝2dは上方変位に合わせて車体後方へも同時に変位しており、実線にて示すように一般的なブレーキペダル装置とは対称的な特性になっている。
図11には、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置におけるシステム構成を示す。図3で示した手元操作系システム6に設けられた加速度操作量センサ20で得られた加速度操作量信号(アクセルペダル開度に相当)と、ブレーキペダル変位検出部16に設けられたブレーキペダルストロークセンサ21で検出された信号が、図3で示す制御システム装置7内の車両操作状態量演算回路22に入力される。そこで演算された情報を基に、架台リフトアップ量制御演算回路23にて必要な架台リフトアップ量が算出され、架台アクチュエータ駆動回路24にて制御信号が生成され、架台9を持ち上げるアクチュエータ17を駆動させる。
図12には、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置3の制御フローを示す。図3で示した手元操作系システム6に設けられた加速度操作量センサ20で得られた加速度操作量信号(アクセルペダル開度に相当)と、ブレーキペダル変位検出部16に設けられたブレーキペダルストロークセンサ20で検出された信号を、ステップS10の処理でセンサ値を操作量として読み取る。
そして、次のステップS20の処理において、加速度操作量が設定された閾値(α0)より、読み取った操作量が大きい場合(YES)は、乗員2の意志が加速にあると判断して前記架台9の動作制御は行わない。もちろん、ステップS20の処理において、加速度操作量が閾値以上で乗員2が加速度要求をしていると判断しても、ブレーキペダル変位検出部16で検知されたブレーキ装置作動要求はブレーキに伝えられ、車両の制動動作そのものには一切影響を与えないことは言うまでもない。
前記ステップS20の処理で加速度操作量が閾値(α0)よりも小さい(NO)と判断された場合(NO)は、次のステップ30にこのフローチャートを進める。ステップS30の処理では、ブレーキペダル踏込み操作判断を、ブレーキペダルストロークセンサ信号より判断する。ブレーキペダル操作されたと判断した場合には、次のステップS40にてブレーキペダルストロークLより関数式f(L)にて架台リフトアップ量H0が計算される。関数式f(L)は、最も単純なものではブレーキペダルストロークセンサ信号Lに比例定数を掛けた一次式でも可能であるし、より複雑な式でもLに比例して架台リフトアップ量H0が増えるという関係にあれば問題ない。
ステップS40の処理で求まった架台リフトアップ量H0で、前記架台9を駆動させても本発明の効果は充分得られる。しかし、より高いブレーキ操作時の乗員姿勢を制御するためには、次のステップS50の処理でブレーキペダルストロークセンサ信号Lの時間微分値L′を算出する。この時間微分値L′より、次のステップS60の処理で架台リフトアップ量Hを、ステップS40で求めたH0と、前記f(L)とは異なる関数g(L′)にて算出された量の合計値Hとして架台リフトアップ量を決定する。ここで異なる関数g(L′)は、f(L)と同様、L′に線形比例させた単純な形でも良いし、より複雑な形式でも良いし、L′の増加に合わせてg(L′)が増加するようになっていれば問題ない。
そして、ステップS60の処理で決定された架台リフトアップ量Hは、次のステップS70の処理で架台アクチュエータへの作動量指令出力に変換されて、前記架台9を動作アクチュエータ17へ制御信号として送られる。
図13には、本実施形態の効果を説明するための図を示す。図13(A)では、踝2dの上下変位による体幹とシート座面1の相対角度変化を示している。本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置3では、既に説明したようにブレーキペダル操作時に、車体床面に対して乗員2の踝2dが上昇するように変位させている。
図13を参照して、足2bか踝2dの上昇が立位姿勢の乗員2の制動操作時における身体姿勢に、どのように安定化作用を及ぼすかを単純な2次元モデルにて説明する。図13(B)には、足支持部の体重分担率の変化の計算図を示す。図13(B)は、前記した図2と同じものであるが、図2に効果説明のために追記を加えたものである。図13(A)では、シート座面1の傾斜角θが15度と想定した場合において、大腿部角45度で立位姿勢着座している状態をブレーキ非操作時(非制動時)とする。図13(B)のP点が非制動時であり、Q点がブレーキ操作による制動時を示している。図3(B)のA線は大腿部角15度、B線は大腿部角30度、C線は大腿部角45度である。
非制動時(P点)における足支持部の体重分担率は、約55%となっている。この状態からブレーキペダル操作をして制動している状態(Q点)では、図13(A)に示すように踝2dが高さH(8cm)だけ上方変位したとすれば、体幹部は車体床面に対して約6度後方に傾斜することになる。つまり、乗員2の体幹基準でみれば、シート座面1の傾斜角度θは、約6度小さくなったのと等価になる。なお、ここでは、乗員2の体幹と大腿部および下肢部の相対位置関係(関節角度)が変わらないように乗員2が制動時の姿勢制御をしているものとする。
これにより、図13(B)のP点からQ点(ブレーキ操作時の位置)に状態が移動し、乗員2の足支持部の体重分担率が55%から45%と約10%低下する。乗員2の体重に変化はないので、これは結果として乗員2の臀部2aで支持する体重の分担率が増えることを意味する。
図14には、制動時の身体挙動のイメージを示す。制動操作により乗員2の身体に作用することになる慣性で対車体で前方変位してしまう身体動作は、乗員2の臀部2aによるシート座面1への支持荷重を低下させてしまうことを意味する。本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置3を有しない場合は、図14(A)に示すように制動時に慣性を受けて車両前方へ移動することで、シート座面1に対する乗員2の臀部2aによる荷重が小さくなる。これに対して、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置3を有している場合は、図14(B)に示すように制動時のシート座面1に対する乗員2の臀部2aの荷重配分を増加させるように乗員2の対車体での身体姿勢を踝2dを前記したように上方へ動かす構造としたことで、シート座面1から前方へ臀部2aがずり下がることなく、この図14(B)の身体姿勢を実現する。
本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置によれば、車両を制動させるためのブレーキペダル8を踏むという行為を、足を車体床面から持ち上げずに実行することができ、制動時の姿勢保持を維持することができる。立位姿勢乗車では、ブレーキペダル8を踏む場合、足先でブレーキペダル8を押すという動作で車体床側に押し下げることになるが、そのままだと足で分担している体荷重を、ブレーキペダル8を押すつま先側へ移動させなければならなくなる。しかし、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置では、ブレーキペダル8を可動自在に取り付けた架台9を、該ブレーキペダル8の踏み込み方向と反対方向へこのブレーキペダル8と共に架台昇降手段で持ち上げることにより、足を車両床面から持ち上げることなく足を接触させたままの状態で且つ足先を延ばすことなくブレーキペダルを操作することができる。
また、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置によれば、ブレーキペダル8の足による操作時に、ブレーキペダル8を踏み込むつま先の変位によって一緒に車両床面に対して変位させなければならなくなる踵部について、車両床面に対してブレーキペダル8と独立に動く架台9が踵部に加わっている体荷重の支持を維持するように動かすことができる。このため、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置では、ブレーキペダル操作の過程においても体荷重の足支持を維持することができる。
また、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置によれば、車体床面に固定される基台11と、この基台11に対して架台9を可動自在に取り付ける手段(リンク機構)と、架台9を押し上げるアクチュエータ17と、架台9を持ち上げる指示を出す制御回路とを備えているので、この制御回路の指示に基づいてアクチュエータ17が作動して足裏全体を載せた架台9をブレーキペダル8と共に、該ブレーキペダル8の踏み込み方向と反対方向へ持ち上げることができる。
また、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置によれば、ブレーキペダル8を踏み込むストローク若しくは踏力に応じて、ブレーキペダル8及び架台9を持ち上げることで、ブレーキペダル操作の全過程において足支持部の体重分担荷重を、任意の量に変化若しくは維持できる。これにより、臀部2aの体荷重分担が車両制動時に乗員2の慣性により足部に移動して低下するのを低減するように下肢全体を持ち上げて臀部2aを、シート座面1に押さえ付ける方向に作用させることができ、当該臀部2aの体荷重低下を防止することができる。
また、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置によれば、ブレーキペダル8を踏み込むストローク若しくは踏力に比例して、ブレーキペダル8及び架台9を持ち上げることで、ブレーキペダル操作の全過程において足支持部の体重分担荷重を、任意の量に変化若しくは維持できる。
また、本実施形態の立位姿勢用ブレーキペダル装置によれば、ブレーキペダル8を踏み込むストローク若しくは踏力の時間変化の微分値に比例して、ブレーキペダル8及び架台9を持ち上げることで、足支持部の荷重分担加率を、精度良く変化若しくは維持することができる。よって、制動時のシート座面1aでの臀部2aの荷重分担の過渡的な低減を精度よく防止することができる。
本発明は、立位姿勢で運転する車両等の立位姿勢用ブレーキペダル装置に用いることができる。
1…シート座面
2…乗員
3…立位姿勢用ブレーキペダル装置
4…車両
5…立位姿勢シート
6…手元操作系システム
7…制御システム
8…ブレーキペダル
9…架台
11…基台
12…車体前側リンク
13…車体後ろ側リンク
16…ブレーキペダル変位検出部
17…アクチュエータ
20…加速度操作量センサ
21…ブレーキペダルストロークセンサ
22…車両操作状態量演算回路
23…架台リフトアップ量制御演算回路
24…架台アクチュエータ駆動回路

Claims (5)

  1. 立位姿勢を保った状態でブレーキペダルを踏んで車両を制動する立位姿勢用ブレーキペダル装置において、
    足先で踏み込まれるブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルを可動自在に取り付け、足先を前記ブレーキペダルに載せた状態で足裏全体を載せる架台と、
    前記ブレーキペダルを踏み込んで制動する際に、踏み込み方向と反対方向へ前記ブレーキペダル及び前記架台を上昇させる架台昇降手段と、を備えた
    ことを特徴とする立位姿勢用ブレーキペダル装置。
  2. 請求項1に記載の立位姿勢用ブレーキペダル装置であって、
    前記架台昇降手段は、車体床面に固定される基台と、この基台に対して前記架台を可動自在に取り付ける手段と、前記架台を押し上げるアクチュエータと、前記架台を持ち上げる指示を出す制御回路とからなる
    ことを特徴とする立位姿勢用ブレーキペダル装置。
  3. 請求項2に記載の立位姿勢用ブレーキペダル装置であって、
    前記架台昇降手段の制御回路は、前記ブレーキペダルを踏み込むストローク若しくは踏力に応じて前記ブレーキペダル及び前記架台を持ち上げる
    ことを特徴とする立位姿勢用ブレーキペダル装置。
  4. 請求項2に記載の立位姿勢用ブレーキペダル装置であって、
    前記架台昇降手段の制御回路は、前記ブレーキペダルを踏み込むストローク若しくは踏力に比例して、前記ブレーキペダル及び前記架台を持ち上げる
    ことを特徴とする立位姿勢用ブレーキペダル装置。
  5. 請求項2に記載の立位姿勢用ブレーキペダル装置であって、
    前記架台昇降手段の制御回路は、前記ブレーキペダルを踏み込むストローク若しくは踏力の時間変化の微分値に比例して、前記ブレーキペダル及び前記架台を持ち上げる
    ことを特徴とする立位姿勢用ブレーキペダル装置。
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