JP5671594B2 - 糖縮合物の製造法 - Google Patents
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(1)糖縮合物またはその還元物を製造する方法であって、
(A)1種または2種以上の糖質またはその誘導体を糖縮合反応させて得られた糖縮合物組成物またはその酵素分解組成物を、重合度9以下の糖質を固形分換算で50%以上含む分画(低分子画分)とそれ以外の分画に分け、次いで、
(B)下記工程(B−1)および(B−2):
(B−1)低分子画分を単独で糖縮合反応させるか、あるいは、低分子画分を1種または2種以上の糖質またはその誘導体と一緒に糖縮合反応させて糖縮合物組成物またはその酵素分解組成物を得る工程、および
(B−2)工程(B−1)で得られた糖縮合物組成物またはその酵素分解組成物を、低分子画分とそれ以外の画分に分ける工程
を1回または2回以上行う(但し、工程(B−2)が最終工程に当たる場合には工程(B−2)を省略してもよい)
ことを特徴とする、製造方法。
(2)糖縮合反応が、無機酸、有機酸、鉱物性物質および活性炭から選択される1種または2種以上の触媒存在下で行われる、前記(1)に記載の製造方法。
(3)糖縮合物中の水溶性食物繊維含量が70%以上である、前記(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)糖縮合反応が100℃〜300℃の温度条件下で行われる、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)工程(B)において、工程(B−1)(但し、低分子画分は1種または2種以上の糖質またはその誘導体と一緒に糖縮合反応させる)および工程(B−2)を2回以上繰り返すことを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)製造された糖縮合物を還元処理する工程をさらに含んでなる、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法により製造された糖縮合物またはその還元物。
(8)前記(7)に記載の糖縮合物またはその還元物を含有させてなる、飲食品。
(9)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法により糖縮合物またはその還元物を製造し、次いで、該糖縮合物またはその還元物を飲食品またはその原料に添加することを特徴とする、飲食品の製造方法。
本発明の製造方法では糖質またはその誘導体を糖縮合反応させて糖縮合物を製造する。ここで、「糖縮合反応」とは、糖質同士を縮合重合させて糖縮合物を得る反応をいい、典型的には、2分子の糖質から水分子が離脱して糖質が重合するような反応をいう。
本発明の製造方法では、糖縮合物組成物やその酵素分解組成物から低分子画分を分離するが、その分離方法は当業者に周知の手段を利用すればよく、膜分離、ゲルろ過クロマトグラフィー、カーボン−セライトカラムクロマトグラフィー、強酸性陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、エタノール沈殿、溶媒沈殿など当業者に周知の糖質の精製方法を使用できる。
本発明の製造方法では、まず、工程(A)を行って糖縮合物組成物またはその酵素分解組成物を、低分子画分とそれ以外の画分、すなわち、高分子画分に分ける。得られた低分子画分は工程(B)の工程(B−1)において糖縮合反応の原料として用いられる。一方で、糖縮合物組成物またはその酵素分解組成物から低分子画分が分離された後の残りの画分は、食物繊維が豊富な高分子画分であり、工程(B)の工程(B−2)で得られた高分子画分とともに、最終生産物である糖縮合物またはその還元物を含む。
本発明の製造方法の工程(B)はリサイクル工程であり、工程(B−1)と工程(B−2)から構成されている。工程(B−1)では、低分子画分を再度、糖縮合反応に付して糖縮合物を得る。具体的には、低分子画分は単独で糖縮合反応に付すか、あるいは、糖縮合反応効率の観点から、糖縮合反応の原料である1種または2種以上の糖質またはその誘導体と一緒に糖縮合反応させる。後者の場合、低分子画分と1種または2種以上の糖質またはその誘導体とを混合して糖縮合反応させることができる。工程(A)で得られた低分子画分を再度、糖縮合反応に付すプロセスフローは図1に示される通りである。また、原料糖質が多糖である場合には原料糖質を加水分解反応に付してから糖縮合反応を行ってもよい。原料糖質を加水分解反応に付して糖縮合反応を行う場合のプロセスフローは図2に示される通りである。
本発明の製造方法の工程(B)を構成する工程(B−2)では、工程(B−1)で得られた糖縮合物組成物やその酵素分解組成物から低分子画分を分離する。工程(B−1)および工程(B−2)を2回以上繰り返す場合には、工程(B−2)で得られた低分子画分は工程(B−1)において糖縮合反応の原料として用いられる。一方で、糖縮合物組成物またはその酵素分解組成物から低分子画分が分離された後の残りの画分は食物繊維が豊富な高分子画分であり、最終生産物である糖縮合物またはその還元物を含む。従って、工程(B−2)で得られた高分子画分を工程(A)で得られた糖縮合物等と一緒にして最終生産物である糖縮合物またはその還元物とすることができる。
本発明の製造方法では、工程(B−1)および工程(B−2)を2回以上繰り返し実施することができる。工程(B−1)および工程(B−2)を2回以上繰り返し実施することにより高い歩留りで糖縮合物を製造することができる。繰り返し数は特に限定されないが、高い歩留り率を達成するとともに、低コストと低環境負荷を目指す場合には、工程(A)を実施した後に工程(B)を5回以上実施することが好ましく、より好ましくは10回以上である。
本発明の製造方法で得られた糖縮合物および/またはその還元物は、水溶性食物繊維であり、機能性素材や賦形剤・増量剤として種々の飲食品に添加することができる。従って、本発明によれば、本発明の製造方法で得られた糖縮合物またはその還元物を含有させてなる、飲食品が提供される。本発明によれば、また、本発明の製造方法により糖縮合物またはその還元物を製造し、次いで、該糖縮合物またはその還元物を飲食品またはその原料に添加することを特徴とする、飲食品の製造方法が提供される。
平成11年4月26日衛新第13号(栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について)に記載されている高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)により測定する。具体的には以下のように行った。
検出器:示差屈折計
カラム:ULTRON PS−80N(φ8.0×300mm、島津ジーエルシー)を二本連結
カラム温度:80℃
移動相:純水
流速:0.5ml/分
食物繊維成分含量(%)=[食物繊維成分のピーク面積/グリセリンのピーク面積]×f1×[内部標準グリセリン重量(mg)/秤取資料重量(mg)]×100
(上記式中、f1はグリセリンとブドウ糖のピーク面積の感度比(0.82)である。)
(1)糖縮合反応
固形分当り100gの水あめ(DE87、日本食品化工社製)に2%(固形分当たり)の活性炭(フタムラ化学社製)を添加混合後、加熱反応機(ADVANTEC社製)に投入し、180℃で10分間加熱して糖縮合物組成物サンプルを得た。反応後のサンプルは室温まで冷却し、このサンプルを固形分当たり20%水溶液とした後、活性炭を濾過で完全に除去し、可溶性糖質を得た。得られた糖質画分を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行った後、エバポレーターで濃縮した。
その後、樹脂分画装置(日本錬水社製)を用いて、二糖以下の低分子画分を除去した。得られた水溶性食物繊維は76.5gであり、食物繊維含量は92%であった。よって、原料100gからの歩留りは76.5%であった。
検出器:示差屈折計
カラム:Ultron PS−80N・L(φ8.0mm×500mm)
カラム温度:80℃
移動相:純水
流速:0.5ml/分
(1)糖縮合反応
例1(1)と同様の作業を行った。
例1(2)と同様の作業を行った。
さらに上記(2)で分離した低分子画分(固形分13.5g)を固形分濃度70%に濃縮し、2%(固形分当たり)の活性炭(フタムラ化学社製)を添加混合後、同様に加熱処理及び、活性炭濾過、脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行った後、エバポレーターで濃縮した。その後、樹脂分画装置を用いて、二糖以下の低分子画分(二糖以下の糖質を固形分換算で84.6%含む画分)を除去した。上記(2)で得られた糖縮合物および(3)で得られた糖縮合物を総合した水溶性食物繊維の総量は78.2gであり、食物繊維含量は92%であった。よって、原料100gからの歩留りは78.2%であった。
(1)糖縮合反応
例1(1)と同様の作業を行った。
例1(2)と同様の作業を行った。
さらに上記(2)で分離した低分子画分(固形分13.5g)を固形分濃度70%に濃縮し、固形分当り86.5gの水あめ(DE87、日本食品化工社製)とブレンドし、固形分濃度70%となるように糖縮合用原料として再利用した。2%(固形分当たり)の活性炭(フタムラ化学社製)を添加混合後、同様に加熱処理及び、活性炭濾過、脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行い、エバポレーターで濃縮した。その後、樹脂分画装置を用いて、二糖以下の低分子画分(二糖以下の糖質を固形分換算で94.3%含む画分)を除去した。上記(2)で得られた糖縮合物および(3)で得られた糖縮合物を総合した水溶性食物繊維の総量は153gであり、食物繊維含量は92%であった。よって原料186.5gからの歩留りは82.0%であった。
(1)糖縮合反応
例1(1)と同様の作業を行った。
例1(2)と同様の作業を行った。
例3と同様に上記(2)で得られた低分子画分を糖縮合反応の原料である水あめにブレンドし糖縮合反応させた後、上記(2)の方法で再度低分子画分を分離する作業を1サイクルとし、前記サイクルを10サイクル繰り返した。上記(2)で得られた糖縮合物および(3)で得られた糖縮合物を総合した水溶性食物繊維の総量は841gであり、食物繊維含量は92%であった。よって原料965gからの歩留りは87.2%であった。
(1)糖縮合反応
固形分当り100gの水あめ(DE87、日本食品化工社製)に2%(固形分当たり)の活性炭(フタムラ化学社製)を添加混合後、加熱反応機(ADVANTEC社製)に投入し、180℃で10分間加熱してサンプルを得た。反応後のサンプルは室温まで冷却し、終濃度1mM酢酸緩衝液(pH5.0)となるよう固形分当たり20%水溶液を調製した。このサンプルを酵素濃度が各々1.0U/gになるようにα−アミラーゼ(クライスターゼL−1、天野エンザイム社製)およびアミログルコシダーゼ(デキストロザイムDXJ、ノボザイム社製)を添加し、60℃で24時間反応させた。その後、活性炭は濾過で完全に除去して可溶性糖質(酵素分解組成物)を得た。得られた酵素分解組成物を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色、エバポレーター濃縮を行った。
その後、樹脂分画装置を用いて、二糖以下の低分子画分を分離した。得られた水溶性食物繊維は72.0gであり、食物繊維含量は99%以上であった。よって原料100gからの歩留りは72.0%であった。
(1)糖縮合反応
例5(1)と同様の作業を行った。
例5(2)と同様の作業を行った。
さらに上記(2)で分離した低分子画分(固形分18g)を固形分濃度70%に濃縮し、2%の活性炭(フタムラ化学社製)を添加混合後、上記(1)と同様に加熱処理と、酵素処理、活性炭濾過、脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行った後、エバポレーターで濃縮した。その後、樹脂分画装置を用いて、二糖以下の低分子画分(二糖以下の糖質を固形分換算で94.9%含む画分)を除去した。上記(2)で得られた糖縮合物および(3)で得られた糖縮合物を総合した水溶性食物繊維の総量は75.4gであり、食物繊維含量は99%以上であった。よって、原料100gからの歩留りは75.4%であった。
(1)糖縮合反応
例5(1)と同様の作業を行った。
例5(2)と同様の作業を行った。
さらに上記(2)で分離した低分子画分(固形分18g)を固形分濃度70%に濃縮し、固形分当り82gの水あめ(DE87、日本食品化工社製)とブレンドし、固形分濃度70%となるように糖縮合用原料として再利用した。2%(固形分当たり)の活性炭(フタムラ化学社製)を添加混合後、上記(1)と同様に加熱処理と、酵素処理、活性炭濾過、脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行い、エバポレーターで濃縮した。その後、樹脂分画装置を用いて、二糖以下の低分子画分(二糖以下の糖質を固形分換算で94.9%含む画分)を除去した。上記(2)で得られた糖縮合物および(3)で得られた糖縮合物を総合した水溶性食物繊維の総量は144gであり、食物繊維含量は99%以上であった。よって原料182gからの歩留りは79.1%であった。
(1)糖縮合反応
例5(1)と同様の作業を行った。
例5(2)と同様の作業を行った。
例7と同様に上記(2)で得られた低分子画分を糖縮合反応の原料である水あめにブレンドし糖縮合反応させた後、上記(2)の方法で再度低分子画分を分離する作業を1サイクルとし、前記サイクルを10サイクル繰り返した。上記(2)で得られた糖縮合物および(3)で得られた糖縮合物を総合した水溶性食物繊維の総量は792gであり、食物繊維含量は99%以上であった。よって原料920gからの歩留りは86.1%であった。
各種糖縮合物(水溶性食物繊維)を比較することを目的として、それぞれの10質量%水溶液を作成し、味質を比較した。10人のパネラーにて、作製した水溶液の官能評価を行い、味質について評価を行った。味質については、非常に良い(◎)、良い(○)、普通(△)、悪い(×)の評価で示し、風味については、非常に良い(◎)、良い(○)、普通(△)、悪い(×)の評価で示した。 比較例として市販水溶性食物繊維のポリデキストロースである「ライテス」(ダニスコジャパン社製)および「ライテスII」(ダニスコジャパン社製)を、また、難消化性デキストリンである「パインファイバー」(松谷化学工業社製)および「ファイバーソル2」(松谷化学工業社製)をそれぞれ用いた。評価結果は表5に示される通りであった。
(1)糖縮合反応
例1(1)と同様の作業を行った。
その後、樹脂分画装置(日本錬水社製)を用いて、9糖以下の低分子画分(9糖以下の糖質を固形分換算で100%含む画分)を分離した。得られた水溶性食物繊維は28.8gであり、食物繊維含量は92%であった。よって、原料100gからの歩留りは28.8%であった。
さらに上記(2)で分離した低分子画分(固形分20g)を固形分濃度70%に濃縮し、固形分当り80gの水あめ(DE87、日本食品化工社製)とブレンドし、固形分濃度70%となるように糖縮合用原料として再利用した。2%(固形分当たり)の活性炭(フタムラ化学社製)を添加混合後、同様に加熱処理及び、活性炭濾過、脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行い、エバポレーターで濃縮した。その後、樹脂分画装置を用いて、9糖以下の低分子画分(9糖以下の糖質を固形分換算で100%含む画分)を除去した。上記(2)で得られた糖縮合物および(3)で得られた糖縮合物を総合した水溶性食物繊維の総量は57.6gであり、食物繊維含量は95%であった。よって原料180gからの歩留りは32.0%であった。
(1)糖縮合反応
例1(1)と同様の作業を行った。
例1(2)と同様の作業を行った。
さらに上記(2)で分離した低分子画分(固形分13.5g)を固形分当り54gのコーンスターチ(日本食品化工社製)とブレンドし、固形分濃度20%となるように糖化原料として再利用した。20%水酸化ナトリウム溶液でpH6.2に調製し、α−アミラーゼ(クライスターゼT−5、大和化成社製)を0.1重量%添加して105℃2時間液化した。液化液を5%塩酸溶液でpH4.7に調製し、アミログルコシダーゼ(デキストロザイムDXJ、ノボザイム社製)を0.35重量%添加し48時間糖化した。酵素処理後、煮沸により酵素失活させアミログルコシダーゼの作用を停止した。この液を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱塩などの精製を行った後、エバポレーターで固形分濃度70%まで濃縮した。
上記(3)で得られた低分子画分を用いた糖化液に2%(固形分当たり)の活性炭(フタムラ化学社製)を添加混合後、加熱反応機(ADVANTEC社製)に投入し、180℃で10分間加熱して糖縮合物組成物サンプルを得た。反応後のサンプルは室温まで冷却し、このサンプルを固形分当たり20%水溶液とした後、活性炭を濾過で完全に除去し、可溶性糖質を得た。得られた糖質画分を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行った後、エバポレーターで濃縮した。その後、樹脂分画装置を用いて、二糖以下の低分子画分(二糖以下の糖質を固形分換算で94.3%含む画分)を除去した。上記(2)で得られた糖縮合物および(4)で得られた糖縮合物を総合した水溶性食物繊維の総量は128.1gであり、食物繊維含量は92%であった。よって原料154gからの歩留りは83.2%であった。
(1)ポリデキストロース縮合反応
固形分89gのブドウ糖(日本食品化工社製)、固形分10gのソルビトール(ソルビット、三菱化学フードテック社製)、固形分1gのクエン酸(関東化学社製)を添加混合後、加熱反応機(ADVANTEC社製)に投入し、180℃で10分間加熱して糖縮合物組成物サンプルを得た。反応後のサンプルは室温まで冷却し、このサンプルを固形分当たり20%水溶液とし、可溶性糖質を得た。得られた糖質画分を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行った後、エバポレーターで濃縮した。
その後、樹脂分画装置(日本錬水社製)を用いて、二糖以下の低分子画分(二糖以下の糖質を固形分換算で74.1%含む画分)を分離した。得られた水溶性食物繊維は72.0gであり、食物繊維含量は92%であった。よって、原料100gからの歩留りは72.0%であった。
さらに上記(2)で分離した低分子画分(固形分18.0g)を固形分濃度70%に濃縮し、固形分73gのブドウ糖(日本食品化工社製)、固形分8.2gのソルビトール(ソルビット、三菱化学フードテック社製)、固形分0.8gのクエン酸(関東化学社製)とブレンドし、固形分濃度70%となるようにポリデキストロース用原料として再利用した。同様に加熱処理及び、活性炭脱色濾過、イオン交換樹脂による精製を行い、エバポレーターで濃縮した。その後、樹脂分画装置を用いて、二糖以下の低分子画分(二糖以下の糖質を固形分換算で76.9%含む画分)を除去した。上記(2)で得られたポリデキストロースおよび(3)で得られたポリデキストロースを総合した水溶性食物繊維の総量は144gであり、食物繊維含量は92%であった。よって原料182gからの歩留りは79.1%であった。
(1)ポリデキストロース縮合反応
例11(1)と同様の作業を行った。
例11(2)と同様の作業を行った。
例11と同様に上記(2)で得られた低分子画分をポリデキストロース反応の原料にブレンドし糖縮合反応させた後、上記(2)の方法で再度低分子画分を分離する作業を1サイクルとし、前記サイクルを10サイクル繰り返した。上記(2)で得られた糖縮合物および(3)で得られた糖縮合物を総合した水溶性食物繊維の総量は792gであり、食物繊維含量は92%であった。よって原料965gからの歩留りは86.1%であった。
(1)難消化性デキストリン製造
コーンスターチ(日本食品化工社製)1000gに1%塩酸溶液30mlを噴霧添加し、混合機にて10分間均一に混ぜ、気流乾燥機を用いて50℃で水分4%になるまで乾燥した。次いで、回転するガラス製ナス型フラスコにオイルバスを組み合わせた加熱装置を用いて、160℃で30分間加熱反応させ焙焼デキストリンを得た。得られた焙焼デキストリンに対して2Lの水を加えて溶解し、20%水酸化ナトリウム溶液でpH6.0に調製し、α−アミラーゼ(ターマミル120L、ノボザイム社製)を0.2重量%添加して85℃1時間加水分解した。次にその液を常温まで冷却してから5%塩酸溶液でpH5.0に調製し、アミログルコシダーゼ(Sigma社製)を0.2重量%添加して60℃38時間加水分解した。酵素処理後、煮沸により酵素失活させアミログルコシダーゼの作用を停止した。この液を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱塩などの精製を行った。その後、40%程度まで濃縮してから、樹脂分画装置(日本錬水社製)を用いて、2糖以下の低分子画分(二糖以下の糖質を固形分換算で92.0%含む画分)を除去した。得られた水溶性食物繊維は525gであり、食物繊維含量は91.6%であった。よって、原料1000gからの歩留りは52.5%であった。
上記(1)で分離した低分子画分(固形分425g)を固形分濃度70%に濃縮し、固形分当り1700gの水あめ(DE87、日本食品化工社製)とブレンドし、固形分濃度70%となるように糖縮合反応用原料として再利用した。2%(固形分当たり)の活性炭(フタムラ化学社製)を添加混合後、加熱反応機(ADVANTEC社製)に投入し、180℃で10分間加熱して糖縮合物組成物サンプルを得た。反応後のサンプルは室温まで冷却し、このサンプルを固形分当たり20%水溶液とした後、活性炭を濾過で完全に除去し、可溶性糖質を得た。得られた糖質画分を活性炭による脱色濾過、イオン交換樹脂による脱色を行った後、エバポレーターで濃縮した。
Claims (7)
- 糖縮合物またはその還元物を製造する方法であって、
(A)(i)グルコース、(ii)グルコースの還元物、グルコースを構成糖とするオリゴ糖およびデキストリンからなる群から選択される1種または2種以上とグルコースとの組合せ、(iii)澱粉分解物並びに(iv)澱粉から選択される原料糖質を糖縮合反応させて得られた糖縮合物組成物またはその酵素分解組成物を、重合度2以下の糖質を固形分換算で70%以上含む分画(低分子画分)とそれ以外の分画に分け(ここで、低分子画分は、糖縮合反応により生じた無水糖をHPLC分析で検出される量含む)、次いで、
(B)下記工程(B−1)および(B−2):
(B−1)低分子画分を工程(A)に記載された(i)、(ii)、(iii)および(iv)から選択される原料糖質と一緒に糖縮合反応させて糖縮合物組成物またはその酵素分解組成物を得る工程、および
(B−2)工程(B−1)で得られた糖縮合物組成物またはその酵素分解組成物を、低分子画分とそれ以外の画分に分ける工程
を1回または2回以上行う(但し、工程(B−2)が最終工程に当たる場合には工程(B−2)を省略してもよい)
ことを特徴とする、製造方法。 - 糖縮合反応が、無機酸、有機酸、鉱物性物質および活性炭から選択される1種または2種以上の触媒存在下で行われる、請求項1に記載の製造方法。
- 糖縮合物中の水溶性食物繊維含量が70%以上である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 糖縮合反応が100℃〜300℃の温度条件下で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 工程(B)において、工程(B−1)および工程(B−2)を2回以上繰り返すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 製造された糖縮合物を還元処理する工程をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により糖縮合物またはその還元物を製造し、次いで、該糖縮合物またはその還元物を飲食品またはその原料に添加することを特徴とする、飲食品の製造方法。
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