JPH0612977B2 - 果糖縮合物の製造方法 - Google Patents
果糖縮合物の製造方法Info
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- JPH0612977B2 JPH0612977B2 JP60112222A JP11222285A JPH0612977B2 JP H0612977 B2 JPH0612977 B2 JP H0612977B2 JP 60112222 A JP60112222 A JP 60112222A JP 11222285 A JP11222285 A JP 11222285A JP H0612977 B2 JPH0612977 B2 JP H0612977B2
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は果糖を高濃度条件下で高温加熱することによつ
て果糖縮合物を高収率で製造する方法に関するものであ
る。
て果糖縮合物を高収率で製造する方法に関するものであ
る。
本発明は、甘味は保有するが、非カロリー性の果糖縮合
物を製造することを目的とするものである。
物を製造することを目的とするものである。
一般に果糖はナツメヤシの如き植物よりの抽出、イヌリ
ンの如き果糖多糖類の加水分解、砂糖の加水分解及びブ
ドウ糖の異性化糖液から分離することにより製造されて
いる。
ンの如き果糖多糖類の加水分解、砂糖の加水分解及びブ
ドウ糖の異性化糖液から分離することにより製造されて
いる。
しかし、高果糖溶液又は結晶果糖の製造工程において、
特にイオン交換樹脂精製工程、濃縮工程、又は果糖結晶
工程の温度、pH等の条件により、2分子の果糖が縮合し
て、2果糖(ジフルクトース)が数%生成され、それに
より結晶化が阻害され果糖収率が低下することが知られ
ている。
特にイオン交換樹脂精製工程、濃縮工程、又は果糖結晶
工程の温度、pH等の条件により、2分子の果糖が縮合し
て、2果糖(ジフルクトース)が数%生成され、それに
より結晶化が阻害され果糖収率が低下することが知られ
ている。
したがつて果糖結晶化工程は極力この縮合反応が伴わな
い条件で操作するのが一般的である。
い条件で操作するのが一般的である。
しかしながら、果糖の縮合物にも多くの有用な物質が存
在するのである。
在するのである。
従来知られた果糖縮合物類について説明するならば、イ
ヌリンのような果糖多糖類を稀酸で部分的に加水分解す
る時β−2,1−フルクトオリゴ糖(イヌロビオース、
イヌロトリオースなど)が生成すること、またレバンの
部分加水分解物中にβ−2,6−フルクトオリゴ糖(レ
バンビオース、レバントリオース)が認められることな
どはよく知られたことであり、また、イヌリンのような
果糖多糖類をイヌリンフルクトトランスフエラーゼ(E
CNo.2,4,1,93)によつて処理することでジ−
D−フルクトフラノーズ ジ無水物(α−D−フラクト
フラノース β−D−フルクトフラノース 1,2′:
2,1′ジアンヒドリド、α−D−フラクトフラノース
β−D−フラクトフラノース 2′,1:2,3′ジ
アンヒドリド、α−D−フラクトフラノース β−D−
フラクトフラノース 2,6′:6,2′ジアンヒドリ
ドなど)が生成すること、又、果糖を冷却下(0℃〜−
5℃)で濃塩酸で処理することで、ジヘテロレブロン酸
ジアンヒドリド(α−D−フラクトピラノース α−D
−フラクトピラノース 1,2′:2,1′ジアンヒド
リド、α−D−フランクピラノースβ−D−フランクト
フラノース 1,2′:2,1′ジアンヒドリド、β−
D−フランクピラノース β−D−フラクトフラノース
1,2′:2,1′ジアンヒドリド、β−D−フラク
トピラノース β−D−フラクトピラノース、1,
2′:2,1′ジアンヒドリド、の4種)が生成するこ
とが知られている。
ヌリンのような果糖多糖類を稀酸で部分的に加水分解す
る時β−2,1−フルクトオリゴ糖(イヌロビオース、
イヌロトリオースなど)が生成すること、またレバンの
部分加水分解物中にβ−2,6−フルクトオリゴ糖(レ
バンビオース、レバントリオース)が認められることな
どはよく知られたことであり、また、イヌリンのような
果糖多糖類をイヌリンフルクトトランスフエラーゼ(E
CNo.2,4,1,93)によつて処理することでジ−
D−フルクトフラノーズ ジ無水物(α−D−フラクト
フラノース β−D−フルクトフラノース 1,2′:
2,1′ジアンヒドリド、α−D−フラクトフラノース
β−D−フラクトフラノース 2′,1:2,3′ジ
アンヒドリド、α−D−フラクトフラノース β−D−
フラクトフラノース 2,6′:6,2′ジアンヒドリ
ドなど)が生成すること、又、果糖を冷却下(0℃〜−
5℃)で濃塩酸で処理することで、ジヘテロレブロン酸
ジアンヒドリド(α−D−フラクトピラノース α−D
−フラクトピラノース 1,2′:2,1′ジアンヒド
リド、α−D−フランクピラノースβ−D−フランクト
フラノース 1,2′:2,1′ジアンヒドリド、β−
D−フランクピラノース β−D−フラクトフラノース
1,2′:2,1′ジアンヒドリド、β−D−フラク
トピラノース β−D−フラクトピラノース、1,
2′:2,1′ジアンヒドリド、の4種)が生成するこ
とが知られている。
また、砂糖のフラクトース残基に、フルクトースが1〜
3個結合したフルクトオリド糖(G−Fn)は砂糖を原料
としてフルクトシルトランスフエラーゼを用いて製造す
る方法が開発されている。このフラクトオリド糖は口腔
内細菌による生酸性、不溶性グルカンの生成性がなく、
また砂糖より不溶性グルカンを合成するデキストランシ
ユークラーゼの活性を阻害し、小腸代謝酵素によつても
消化されないために非カロリー性であり、さらに大腸内
では有益細菌であるビフイドバクテリユム菌によつて代
謝され、該菌の発育促進剤として用いられるなどのすぐ
れた特性を有していることが知られている。
3個結合したフルクトオリド糖(G−Fn)は砂糖を原料
としてフルクトシルトランスフエラーゼを用いて製造す
る方法が開発されている。このフラクトオリド糖は口腔
内細菌による生酸性、不溶性グルカンの生成性がなく、
また砂糖より不溶性グルカンを合成するデキストランシ
ユークラーゼの活性を阻害し、小腸代謝酵素によつても
消化されないために非カロリー性であり、さらに大腸内
では有益細菌であるビフイドバクテリユム菌によつて代
謝され、該菌の発育促進剤として用いられるなどのすぐ
れた特性を有していることが知られている。
本発明者らは結晶果糖又は高果糖溶液を原料としてさら
に利用価値の高い甘味料として、砂糖に似た甘味の質を
もち、非カロリーの糖質を製造する方法について研究を
した。
に利用価値の高い甘味料として、砂糖に似た甘味の質を
もち、非カロリーの糖質を製造する方法について研究を
した。
すなわち果糖結晶化工程の研究過程で果糖縮合物を積極
的に生成する条件を検討し、その結果を応用して、果糖
結晶化の場合は果糖縮合物の生成を可能な限り少なく
し、一方で果糖縮合別を製造する条件を研究した。
的に生成する条件を検討し、その結果を応用して、果糖
結晶化の場合は果糖縮合物の生成を可能な限り少なく
し、一方で果糖縮合別を製造する条件を研究した。
この研究過程で高純度の果糖溶液を濃縮する際、減圧下
で100℃以上の温度で加熱し、脱水終了後も加熱を続
けることで果糖縮合物が多量生成すること、またこの反
応がpHによつて著しく影響され、pHを低くすると水分が
25〜30%の存在下でも果糖縮合物が生成することな
どの現象を見出した。
で100℃以上の温度で加熱し、脱水終了後も加熱を続
けることで果糖縮合物が多量生成すること、またこの反
応がpHによつて著しく影響され、pHを低くすると水分が
25〜30%の存在下でも果糖縮合物が生成することな
どの現象を見出した。
これらの果糖縮合物は高速液体クロマトグラフイーで定
量することができるが、そのピークの現われ方から考え
て結合様式は前述した如く、単一なものでないと考えら
れるが、甘味の質としては砂糖類似のおだやかなもの
で、上述したような生理的特性が予想され、新しい甘味
料として利用されるものである。
量することができるが、そのピークの現われ方から考え
て結合様式は前述した如く、単一なものでないと考えら
れるが、甘味の質としては砂糖類似のおだやかなもの
で、上述したような生理的特性が予想され、新しい甘味
料として利用されるものである。
本発明での糖質の分離定量は次に記述した高速液体クロ
マトグラフイーを用いる方法によつた。
マトグラフイーを用いる方法によつた。
(測定方法の簡単な説明) 1.糖組成 高速液体クロマトグラフイーによる測定値 分離剤:三菱化成(株)製Na型カチオン交換樹脂CKO
8Sを使用。
8Sを使用。
分離溶剤:純水 濃度測定:RI 溶出ピーク:高分子より溶出 2.FE(果糖価) ベルトラン変法にて測定し として示す。
3.着色度 濃度30w/w%、波長420nm、10mmセルにおける
吸光度を測定。
吸光度を測定。
4.pH 濃度30w/w%に希釈し、pHメーターにて測定。
本発明において果糖縮合物を生成する条件として、濃
度、pH、水分含有量の3社が相互に関連して著しい影響
を与えるものである。
度、pH、水分含有量の3社が相互に関連して著しい影響
を与えるものである。
果糖分の純度については、果糖縮合物の生成率及び生成
物の製品価値などの点から90%以上が好ましい。
物の製品価値などの点から90%以上が好ましい。
基本的には温度によつて縮合反応が起こると考えられ、
実用的には110〜130℃で加熱するのがよいが、こ
のような高温で加熱するときはできるだけ副反応による
生成物を少くするために減圧下で行なうことが好まし
い。
実用的には110〜130℃で加熱するのがよいが、こ
のような高温で加熱するときはできるだけ副反応による
生成物を少くするために減圧下で行なうことが好まし
い。
第1表は純度99%の果糖溶液を減圧濃縮し、脱水終了
後120℃、−750mmHg減圧下で加熱を続け、時間と
ともに反応液を測定した結果である。
後120℃、−750mmHg減圧下で加熱を続け、時間と
ともに反応液を測定した結果である。
第1図に上記120℃減圧加熱における120分反応後
の糖液(pH=5.1)の高速液体クロマトグラフイーを
示した。
の糖液(pH=5.1)の高速液体クロマトグラフイーを
示した。
第1図から明らかなように、果糖よりも高分子区にピー
ク1,2及び3が認められ、その各ピークも2つに分け
ることもある。
ク1,2及び3が認められ、その各ピークも2つに分け
ることもある。
このピークの出現様式は処理条件により変化し、縮合物
の結合様式は一種類でないことを示している。
の結合様式は一種類でないことを示している。
これらのピーイクの増加、すなわち果糖縮合物の生成に
伴なつて直接還元力が減少し、乾燥減量が増加すること
が第1表で明らかで、脱水縮合が起つていることを示し
ている。
伴なつて直接還元力が減少し、乾燥減量が増加すること
が第1表で明らかで、脱水縮合が起つていることを示し
ている。
この果糖縮合物を濃度10w/w%に希釈し、希塩酸にてp
Hを1.8及び2.8に調整し100℃で加水分解した
のが第2表であり、縮合物は分解され大部分が果糖とな
ることにより果糖縮合物であることが確認された。
Hを1.8及び2.8に調整し100℃で加水分解した
のが第2表であり、縮合物は分解され大部分が果糖とな
ることにより果糖縮合物であることが確認された。
第3表はパン酵母による醸酵性を測定した結果である。
果糖含量99%の溶液を減圧濃縮しつつ120℃で12
0分保持した果糖縮合物を乾物として400gを10w/
w%に希釈し、乾燥パン酵母40gを加え40時間反応
させ、乾物として200gのパン酵母による非醸酵性糖を
得た。果糖縮合物は醸酵されず、非醸酵性であることが
確認された。
0分保持した果糖縮合物を乾物として400gを10w/
w%に希釈し、乾燥パン酵母40gを加え40時間反応
させ、乾物として200gのパン酵母による非醸酵性糖を
得た。果糖縮合物は醸酵されず、非醸酵性であることが
確認された。
pHと水分は縮合反応に著しい影響を与える。初発pHが高
い場合、加熱処理による着色、果糖の破壊により酸性物
質の生成などが伴ない、結果的にpHが4〜5になり果糖
の縮合速度は遅く、pHをアルカリ側にすることによる効
果はない。また、強酸性の低pHにおいても、加熱により
着色及び果糖の破壊が急激に増大し、果糖分解不純物が
多く、脱色精製が困難となる。
い場合、加熱処理による着色、果糖の破壊により酸性物
質の生成などが伴ない、結果的にpHが4〜5になり果糖
の縮合速度は遅く、pHをアルカリ側にすることによる効
果はない。また、強酸性の低pHにおいても、加熱により
着色及び果糖の破壊が急激に増大し、果糖分解不純物が
多く、脱色精製が困難となる。
第2図は純度95%の果糖溶液をpH2.5,3.0及び
5.0とし、濃縮脱水後それぞれの濃度で常温下60分
処理したときの縮合物量を測定した結果である。
5.0とし、濃縮脱水後それぞれの濃度で常温下60分
処理したときの縮合物量を測定した結果である。
第2図に示されるように、pHが低い場合は80℃ですで
に生成が認められ、pH2.5では100℃で約70%と
最高に達する。しかし、一方で果糖縮合物自体、低pHで
は不安定であり、高温になるにつれて分解が生じ、果糖
縮合物の収量が減少のみならず、着色、その他の好まし
からざる現象が付随する。したがつて、pH2.5の時は
100℃近辺で加熱するのがよい。
に生成が認められ、pH2.5では100℃で約70%と
最高に達する。しかし、一方で果糖縮合物自体、低pHで
は不安定であり、高温になるにつれて分解が生じ、果糖
縮合物の収量が減少のみならず、着色、その他の好まし
からざる現象が付随する。したがつて、pH2.5の時は
100℃近辺で加熱するのがよい。
pH3.0では100℃で約45%生成し、温度上昇に伴
う生成率の減少はない。したがつて、このpHでは110
〜150℃で加熱するのがよい。この実験は常圧下で行
つたために高温における副反応がより激しい結果になつ
たものと思われるので、第1図の実験例の如く減圧下で
行うことが好ましい。
う生成率の減少はない。したがつて、このpHでは110
〜150℃で加熱するのがよい。この実験は常圧下で行
つたために高温における副反応がより激しい結果になつ
たものと思われるので、第1図の実験例の如く減圧下で
行うことが好ましい。
水分の影響を明らかにするために水分25w/w%の果糖
液をpH2.0〜8.8の間に調整して100℃で30〜
90分間加熱した結果から低pHほど果糖縮合物の生成は
大であるが、着色も極めて大となる。pH7.0以上とし
た場合、加熱とともに着色が認められ同時にpHは5.0
以下まで急速に低下する。また、pH8.0以上にすると
アルカリによる果糖の分解、着色が大となるので適当で
ない。
液をpH2.0〜8.8の間に調整して100℃で30〜
90分間加熱した結果から低pHほど果糖縮合物の生成は
大であるが、着色も極めて大となる。pH7.0以上とし
た場合、加熱とともに着色が認められ同時にpHは5.0
以下まで急速に低下する。また、pH8.0以上にすると
アルカリによる果糖の分解、着色が大となるので適当で
ない。
必要な加熱時間は、pH、水分、温度によつて当然支配さ
れるが30〜120分の範囲である。
れるが30〜120分の範囲である。
反応縮合物収率の点からpHは2.5〜6の範囲、好まし
くは3〜5.5の範囲が着色、及び分解不純物が少なく
精製が容易で最適pH範囲といえる。
くは3〜5.5の範囲が着色、及び分解不純物が少なく
精製が容易で最適pH範囲といえる。
加熱反応時の水分も重要な因子で、脱水縮合反応の為、
極力水分含量が少ないことが好ましいが、また水分量が
多い場合でも、pHを調整することにより縮合量を増加す
ることができる。
極力水分含量が少ないことが好ましいが、また水分量が
多い場合でも、pHを調整することにより縮合量を増加す
ることができる。
前述の如く、例えば糖濃度75w/w%、水分25w/w%の
溶液を常圧にて100℃、90分、加熱した時、pH2.
5にすれば果糖縮合物含量は約40%生成されるが、pH
5.0では約10%生成されるにすぎない。温度の影響
は高い程反応は速いが、高温程果糖の破壊が伴い着色等
が好ましくない副反応が生ずるので、pHと水分濃度に関
連して最適範囲が存在する。また、減圧下で行うことで
副反応がかなり抑制されることが認められた。
溶液を常圧にて100℃、90分、加熱した時、pH2.
5にすれば果糖縮合物含量は約40%生成されるが、pH
5.0では約10%生成されるにすぎない。温度の影響
は高い程反応は速いが、高温程果糖の破壊が伴い着色等
が好ましくない副反応が生ずるので、pHと水分濃度に関
連して最適範囲が存在する。また、減圧下で行うことで
副反応がかなり抑制されることが認められた。
例えば、果糖縮合物含量30%以上を生成させる為に
は、果糖溶液を濃縮脱水し、溶液状で加熱する場合はpH
2.5では80℃以上、好ましくは100〜120℃、
またはpH3.0の時は100〜130℃の範囲が良い。
市販の果糖製品の通常のpHであるpH5前後では100℃
以上、好ましくは120〜130℃の加熱が適してい
る。
は、果糖溶液を濃縮脱水し、溶液状で加熱する場合はpH
2.5では80℃以上、好ましくは100〜120℃、
またはpH3.0の時は100〜130℃の範囲が良い。
市販の果糖製品の通常のpHであるpH5前後では100℃
以上、好ましくは120〜130℃の加熱が適してい
る。
実用的には通常の方法で得た異性化糖液をイオン交換樹
脂クロマトグラフイー法で分離したフルクトース区分
(フルクトース純度90%以上)をpH2.5〜6.0と
し、80℃以上で減圧濃縮し、脱水終了後昇温して13
0℃まで加熱し、100〜130℃の間の保持時間を3
0〜120分とすることで果糖縮合物生成率30%以上
とすることができる。その後水を加えて濃度を50〜6
0%とし、通常の精製方法で脱色、脱塩処理をし、これ
を再度減圧濃縮して糖含量70〜75%の液状製品とす
る。
脂クロマトグラフイー法で分離したフルクトース区分
(フルクトース純度90%以上)をpH2.5〜6.0と
し、80℃以上で減圧濃縮し、脱水終了後昇温して13
0℃まで加熱し、100〜130℃の間の保持時間を3
0〜120分とすることで果糖縮合物生成率30%以上
とすることができる。その後水を加えて濃度を50〜6
0%とし、通常の精製方法で脱色、脱塩処理をし、これ
を再度減圧濃縮して糖含量70〜75%の液状製品とす
る。
以上述べた如く、本発明は高濃度の果糖を含む溶液をpH
2.5〜6.0、好ましくは3.0〜5.5の範囲でそ
のpHと水分量に対応した80〜150℃の範囲で加熱し
て、果糖縮合物を少なくとも30%以上生成させる製造
方法に関するものである。
2.5〜6.0、好ましくは3.0〜5.5の範囲でそ
のpHと水分量に対応した80〜150℃の範囲で加熱し
て、果糖縮合物を少なくとも30%以上生成させる製造
方法に関するものである。
かくして得られた果糖縮合物を含む反応液中には、上述
した如く反応条件としてpH、温度、水分の組成により果
糖縮合物の生成率は通常30〜70%であり、未反応の
果糖などが含まれている。このままでも、低カロリー甘
味料として使用するには十分であるが、更に、この水溶
液をカチオン型イオン交換樹脂クロマトグラフで処理す
ることで、果糖縮合物主体区分と果糖区分とに分離し、
果糖縮合物として90%以上の純度とすることができ
る。
した如く反応条件としてpH、温度、水分の組成により果
糖縮合物の生成率は通常30〜70%であり、未反応の
果糖などが含まれている。このままでも、低カロリー甘
味料として使用するには十分であるが、更に、この水溶
液をカチオン型イオン交換樹脂クロマトグラフで処理す
ることで、果糖縮合物主体区分と果糖区分とに分離し、
果糖縮合物として90%以上の純度とすることができ
る。
この果糖区分は脱色、精製、濃縮して、再び果糖縮合工
程に用いるか、または異性化糖に混合して使用すること
ができる。
程に用いるか、または異性化糖に混合して使用すること
ができる。
イオン交換樹脂クロマトグラフイーの方法としては、糖
液通液、流出区分採取(果糖縮合物区分)、溶離水通
液、溶出区分採集(果糖その他の単糖類区分)を繰り返
して行うか、これを自動化したり、また疑似移動床式の
方法を用いたりするのがよい。
液通液、流出区分採取(果糖縮合物区分)、溶離水通
液、溶出区分採集(果糖その他の単糖類区分)を繰り返
して行うか、これを自動化したり、また疑似移動床式の
方法を用いたりするのがよい。
次に本発明の実施例を示す。
実施例1. フルクトース純度43%の異性化糖液を疑似移動床式カ
チオン交換樹脂クロマトグラフイーでフルクトースとグ
ルコース区分に分離したフルクトース純度95%の果糖
溶液を減圧濃縮して水分2%以下とし、これを−750
mmHg減圧下120℃、120分加熱して、下記組成を有す
る淡黄色透明な液体970gを得た。
チオン交換樹脂クロマトグラフイーでフルクトースとグ
ルコース区分に分離したフルクトース純度95%の果糖
溶液を減圧濃縮して水分2%以下とし、これを−750
mmHg減圧下120℃、120分加熱して、下記組成を有す
る淡黄色透明な液体970gを得た。
果糖含量 49.6% 果糖縮合物含量 50.4%(ただし、グルコース及び
マルトシルオリド糖を約5%含む。) 着色度 0.12 pH 4.4 異味、異臭なく砂糖の約80%のさわやかな甘味を有す
るものであつた。
マルトシルオリド糖を約5%含む。) 着色度 0.12 pH 4.4 異味、異臭なく砂糖の約80%のさわやかな甘味を有す
るものであつた。
高温状態で液状のこの果糖縮合物を含む糖液をステンレ
ス・パツトに薄く入れ、室温に冷却し、透明板状とした
後粉砕し、容易に粉末を得ることができた。
ス・パツトに薄く入れ、室温に冷却し、透明板状とした
後粉砕し、容易に粉末を得ることができた。
実施例2. 実施例1で得た果糖縮合物を含む糖液を純水にて濃度5
0w/w%に溶解し、粉末活性炭を0.5%添加し、ケイ
ソウ土をプレコートしたロ紙にてロ過後、強酸性カチオ
ン交換樹脂(三菱化成(株)製SKIB)、及び強塩基
性アニオン交換樹脂(三菱化成(株)製PA408)を
混合したミツクスベツトに通液し、脱塩処理をおこない
無色透明なさわやかな甘味を有する糖液を得た。この精
製糖液をCa型カチオン交換樹脂(オルガノ製XT10
22)1を径4cm×高さ100cmのカラムに充填し、
50w/w%の糖液200gを通液し、続いて分離溶剤と
して純水を通液して、当初は流出区分として果糖縮合物
が90%以上含有する区分を採集し、ついで果糖縮合物
低含量区分と果糖などを含有する単糖類区分とに分離
し、果糖縮合物低含量区分は再び分離操作を繰り返すこ
とで果糖と果糖縮合物の分離をおこない、下記組成を有
する果糖縮合物を無水物として44gを得た。
0w/w%に溶解し、粉末活性炭を0.5%添加し、ケイ
ソウ土をプレコートしたロ紙にてロ過後、強酸性カチオ
ン交換樹脂(三菱化成(株)製SKIB)、及び強塩基
性アニオン交換樹脂(三菱化成(株)製PA408)を
混合したミツクスベツトに通液し、脱塩処理をおこない
無色透明なさわやかな甘味を有する糖液を得た。この精
製糖液をCa型カチオン交換樹脂(オルガノ製XT10
22)1を径4cm×高さ100cmのカラムに充填し、
50w/w%の糖液200gを通液し、続いて分離溶剤と
して純水を通液して、当初は流出区分として果糖縮合物
が90%以上含有する区分を採集し、ついで果糖縮合物
低含量区分と果糖などを含有する単糖類区分とに分離
し、果糖縮合物低含量区分は再び分離操作を繰り返すこ
とで果糖と果糖縮合物の分離をおこない、下記組成を有
する果糖縮合物を無水物として44gを得た。
果糖含量 6.2% 果糖縮合物含量 93.8% 甘味度 砂糖の約45% 実施例3. 実施例1.で用いた純度95%の果糖溶液を固形物とし
て、800g相当分を採取し、これに1/10N・塩酸を加
えpH3とし、−750mmHg減圧にて加熱濃縮した。その
ままの減圧下で加熱温度が上昇し、脱水後、品温が上昇
して120℃に達するまでに約60分を経過したので、
その後20分間120℃に保つて反応させ775gの下
記組成を有する果糖縮合物を得た。
て、800g相当分を採取し、これに1/10N・塩酸を加
えpH3とし、−750mmHg減圧にて加熱濃縮した。その
ままの減圧下で加熱温度が上昇し、脱水後、品温が上昇
して120℃に達するまでに約60分を経過したので、
その後20分間120℃に保つて反応させ775gの下
記組成を有する果糖縮合物を得た。
果糖含量 42.6% 果糖縮合物含量 57.4%(グルコース・マルトシル
オリゴ糖約5%を含む) 着色度 0.18 甘味度 砂糖の約70%でさわやかな甘味を有
する。
オリゴ糖約5%を含む) 着色度 0.18 甘味度 砂糖の約70%でさわやかな甘味を有
する。
第1図は120℃減圧加熱による果糖縮合液の高速液体
クロマトグラフイーを示す図で、第2図は、純度95%
の果糖溶液をpH2.5、3.0及び5.0として濃縮脱
水後それぞれの濃度で常圧下60分処理したとき生成す
る縮合物量を示す図である。
クロマトグラフイーを示す図で、第2図は、純度95%
の果糖溶液をpH2.5、3.0及び5.0として濃縮脱
水後それぞれの濃度で常圧下60分処理したとき生成す
る縮合物量を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】高濃度の果糖を含む糖液のpHを2.5〜
6.0とし、これを高温減圧下で濃縮し、脱水後さらに
加熱を続けて、品温を少なくとも80℃以上150℃の範
囲内に保つことを特徴とする果糖縮合物の製造方法。 - 【請求項2】特許請求範囲第1項の方法により得られた
果糖縮合物を含む糖液をカチオン交換樹脂を用いるクロ
マトグラフイによつて果糖などの単糖区分を分離して高
純度果糖縮合物を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60112222A JPH0612977B2 (ja) | 1985-05-27 | 1985-05-27 | 果糖縮合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60112222A JPH0612977B2 (ja) | 1985-05-27 | 1985-05-27 | 果糖縮合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61271295A JPS61271295A (ja) | 1986-12-01 |
JPH0612977B2 true JPH0612977B2 (ja) | 1994-02-23 |
Family
ID=14581308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60112222A Expired - Lifetime JPH0612977B2 (ja) | 1985-05-27 | 1985-05-27 | 果糖縮合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0612977B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10262018B4 (de) * | 2002-06-13 | 2007-09-06 | Südzucker AG Mannheim/Ochsenfurt | Zusammensetzungen, Nahrungs-, Lebens-, und Genussmittel, Süßwaren, Tierfuttermittel, diätische Spezial-Ernährung, Kinderernährung, Süßungsmittel und pharmazeutische Zusammensetzungen enthaltend kondensierte Palatinose |
JP4617077B2 (ja) * | 2003-10-30 | 2011-01-19 | 日本甜菜製糖株式会社 | ジフルクトース・ジアンヒドリドiiiの精製方法 |
US20120034366A1 (en) * | 2010-08-05 | 2012-02-09 | Tate & Lyle Ingredients Americas, Inc. | Carbohydrate compositions |
JP5671594B2 (ja) * | 2012-11-28 | 2015-02-18 | 日本食品化工株式会社 | 糖縮合物の製造法 |
JP5688628B1 (ja) * | 2014-08-05 | 2015-03-25 | 聖一 村上 | 食品の風味・品質を向上させる方法と食品の風味・品質向上剤 |
-
1985
- 1985-05-27 JP JP60112222A patent/JPH0612977B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61271295A (ja) | 1986-12-01 |
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