JPH0745510B2 - L−フコ−スの製造方法 - Google Patents

L−フコ−スの製造方法

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JPH0745510B2
JPH0745510B2 JP16905486A JP16905486A JPH0745510B2 JP H0745510 B2 JPH0745510 B2 JP H0745510B2 JP 16905486 A JP16905486 A JP 16905486A JP 16905486 A JP16905486 A JP 16905486A JP H0745510 B2 JPH0745510 B2 JP H0745510B2
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宏一 形浦
和昭 加藤
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東和化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はナガマツモ科(Chordariaceae)又はモズク科
(Spermatochnaceae)の海藻を酸で加水分解し、分離、
精製工程を経るL−フコースの製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくは、L−フコースはメチルペントー
スの一種で、6−デオキシ−L−ガラクトースあるいは
L−ガラクトメチロースともいわれ、通常は、そのエタ
ノール溶液からα型の結晶が得られる。上記水溶液の旋
光度は最初左旋性(▲〔α〕20 D▼=124.1°)を示す
が、変旋光して(▲〔α〕20 D▼=−75.6°)前後とな
る。そして、このL−フコースはわずかに苦味をもつ甘
味の有る物質で通常の酵母で資化されない。天然には海
藻細胞壁の構成成分としてフコイダンの型で含まれてお
り、又、トラガントガム等のガム類やペクチンの多糖構
成成分として少量含まれている。動物においては、細胞
表層に存在し、抗原抗体反応の認識に関与している。
最近、糖鎖の生理活性が注目され始め、それらの医薬。
農薬等の合成原料としての使用が盛んになったため、L
−フコースあるいはその誘導体も動物細胞学、微生物
学、遺伝子工学、発酵工学、免疫学等の分野で、医薬、
農薬への利用が要望されている。
従来の技術 L−フコースの製造方法は合成法と天然物の加水分解に
よる方法とが文献に記載されている。
合成による方法としてはD−ガラクトース、D−グルコ
ース、D−マンノース、L−ラムノースを出発原料とす
る方法がある。例えば、D−ガラクトースを原料とす
る方法はカーボハイドレート・リサーチ(Carbohydr.Re
s.)28(1973)144-146,D−グルコースを原料とする
方法はケミカル・ファーマスーティカル・ブレチン(Ch
em.pharm.Bull.)27(1979)2888-2840,D−マンノー
スを原料とする方法はカーボハイドレート・リサーチ
(Carbohydr.Res.)126(1984)131-141,L−ラムノ
ースを原料とする方法はカーボハイドレート・リサーチ
(Carbohydr.Res.)126(1984)165-169に夫々記載され
ている。
一方、天然物の加水分解によるL−フコースの製造方法
としては褐藻類ヒバマタ目ヒバマタ科のアスコフィルム
・ノドスム(Ascophylum nodsum)より4〜6%の収率
(塩酸前処理した海藻固形分に対し)でL−フコースを
得たことが報告されている〔J.A.C.S.61(1939)1958-1
966〕。又、ヒバマタ科のペルベチア・カナリケータ(P
elvetia canalicata)より約3%(海藻固形分に対し)
の収率でL−フコースを得たことが報告されている〔J.
S.Food.Agric.4(1953)85-91〕。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来のL−フコースの製造法には様々な
欠点があった。たとえば、各種単糖類からの合成法、即
ち上記の,,はいずれも収率が低くしかも反応工
程が繁雑であり、は収率は比較的高いが工程が長く、
L−ラムノースが高価であることから、これらの方法は
工業的製法として適していない。
一方、従来の天然物からの製造法についても、以下の理
由により収率及び製造方法に欠点があった。即ち、褐藻
類には一般にマンニットが含まれているがこのマンニッ
トの水やメタノール、エタノール等の溶媒に対する溶解
度が悪いためにL−フコースを結晶化する時にマンニッ
トが混入し又収率も低いこと。そのために難溶性のL−
フコースの誘導体であるフェニルヒドラゾンとして結晶
化し、次いでフェニルヒドラジンを脱離しているため工
程も繁雑になり収率も低いこと。又、マンニットを除去
する方法として塩酸等で前処理する方法があるが、含ま
れるフコイダン(加水分解するとL−フコースとなる)
が比較的水に溶解しやすいためにL−フコースの収率が
低下すること。更に、上記海藻は国内に生育していない
こと及び食用、アルギン酸等の工業原料としては使用さ
れておらず大量に集荷することは困難であること等であ
る。
問題点を解決するための手段 本発明者等は各種のL−フコース原料の検討を行なった
結果、ナガマツモ目(Chordariales)ナガマツモ科及び
ナガマツモ目ミズク科の海藻が最も適することを見いだ
し、又従来のL−フコースの製造方法の欠点を改良し
て、本発明を完成するに至った。
本発明の特徴は、使用する海藻が国内で大量に栽培され
かつ安価に入手できること及びL−フコースの結晶化を
阻害するマンニットを酵母で資化するかクロマト的に除
去することにより容易に結晶が析出し、フェニルヒドラ
ゾン化を行なう必要がないことである。
本発明を詳細に説明すると、原料の海藻としてイシモズ
ク(Sphaerotrichia divaricata)、フトモズク(Tinoc
ladia crassa)、オキナワモズク(Cladosiphon okamur
anus)等のナガマツモ科の海藻又はモズク科モズク(Ne
macystus decipiens)を用いる。これらの海藻は一般に
塩蔵品として出荷されているが、本発明で使用する場合
は採取した海藻を軽く水洗してそのまま使用することが
好ましい。
本発明で使用する海藻には熱水が可溶の粘質物が含まれ
ており、粘質物を抽出した後加水分解を行なってもよい
が、海藻に攪拌できる程度の1〜2%の鉱酸水溶液を加
え、90〜140℃で1〜6時間加熱することによりL−フ
コースに加水分解される。鉱酸としては硫酸、塩酸、燐
酸等が使用できる。次いで藻体を分離し、アルカリで中
和し、ろ過(必要によっては活性炭処理をする)するこ
とにより中和液を得る。
酵母資化法によって製造する場合は、上記中和液に酵母
を添加し、25〜35℃で3〜7日間攪拌する。使用する酵
母はパン酵母で良く、添加量は海藻乾燥固形量に対し1
〜5%である。この酵母資化液をろ過した後、ろ過を常
法によりイオン交換により脱塩し、次いで90%以上まで
濃縮し、濃縮液に対し1〜5倍量の溶媒を加えて1〜4
日間室温で結晶化することによりL−フコースの結晶が
得られる。
クロマト分離方法によって製造する場合は上記中和液を
常法によりイオン交換樹脂によって脱塩し、30〜60%ま
で濃縮した後、常法によりクロマト用樹脂を充填したカ
ラムによりL−フコースとマンニット及び他の糖を含む
画分に分け、L−フコース画分を濃縮、結晶化すること
によりL−ラムノースが得られる。クロマト用分離剤と
してはイオン交換樹脂、ゼオライト、活性炭等が使用で
きるが、工業的には金属塩型陽イオン交換樹脂や金属塩
型ゼオライトが使用される。本発明の加水分解液の糖組
成はL−フコース、D−グルコース、マンニットが主成
分であるので陽イオン交換樹脂又はゼオライトのカルシ
ウム又はナトリウム型を用いると良い結果が得られる。
本発明をさらに詳しく説明するために下記の実施例を示
すが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 採取後軽く水洗したオキナワモズク(沖縄県産)500g
(固形分として55.5g)、水1及び硫酸20gを3lの還流
冷却器と攪拌機を取り付けた三つ口フラスコに入れ、10
0℃で6時間加熱した。冷却後ろ過により藻体を分離
し、このろ液を水酸化カルシウムでpH5に中和し、活性
炭〔商品名:白鷺;武田薬品工業(株)製〕3gを加え、
1時間攪拌した後ろ過した。このろ液にパン酵母〔オリ
エンタル酵母(株)製〕5gを加え、35℃で4日間攪拌し
た後、前記活性炭3gを加え1時間攪拌してろ過した。こ
のろ液を常法により300mlの陽イオン交換樹脂SK-1B〔三
菱化成工業(株)製〕と陰イオン交換樹脂WA-30〔三菱
化成工業(株)製〕に通した後、95%まで濃縮して8.4g
の糖液を得た。これに200mlのエタノールを加えて混合
し、室温で4日間結晶化して4.2gのL−フコースの結晶
を得た。収率は7.5%(対海藻固形重量)であった。こ
の結晶をホウ素化水素Naで還元し、アセチル化した後、
ガスクロマトグラフィ(カラムQF-1)で分析したところ
純度は58.7%であった。又、旋光度は▲〔α〕20 D▼=
−75.3°、融点は138.6℃であった。
実施例2 実施例1のオキナワモズクがイシモズク(新潟県産)50
0g(固形分として73.5g)である以外は実施例1と同じ
方法で行ない、3.1gりL−フコースを得た。収率4.2%
(対海藻固形重量)、純度99.1%、旋光度▲〔α〕20 D
▼=−74.4°、融点138.6℃であった。
実施例3 実施例1のオキナワモズクがモズク(新潟県産;本モズ
クともよばれる)500g(固形分として78.0g)である以
外は実施例1と同じ方法で行ない、4.8gのL−フコース
を得た。収率は6.2%(対海藻固形重量)、純度98.9
%、旋光度▲〔α〕20 D▼=−75.8°、融点138.8℃であ
った。
実施例4 採取後軽く水洗したオキナワモズク500g(固形分として
55.5g)、水1及び硫酸20gを3lの還流冷却器と攪拌機
を取り付けた三つ口フラスコに入れ、100℃で6時間加
熱した。冷却後ろ過により藻体を分離し、このろ液を水
酸化カルシウムでpH5に中和し、前記活性炭3gを加えて
1時間攪拌した後ろ過した。このろ液を常法により300m
lの前記陽イオン交換樹脂SK-1Bと前記陰イオン交換樹脂
WA-30に通した後、50%まで濃縮して29.0gの濃縮液を得
た。次に、ポリビニルスルフォン酸型陽イオン交換樹脂
SK−1B〔三菱化成工業(株)製;50〜100メッシュ〕300m
lをジャケット付カラム(内径2.4cm×長さ80cm)に充填
し、これに50%塩酸水溶液を流し、水洗後、5%塩化カ
ルシウム水溶液を流し、水洗して樹脂をカルシウム型と
した。このカラムを60℃に保温しながら、これに上記で
調製した濃縮液29gを塔上部より供給し、次いで水で連
続的に溶出してフラクションコレクターにより分画し
た。溶出液の流速は100ml/時で、各分画容量は12mlであ
った。各フラクションを液体クロマトグラフィで分析し
た結果を第1表及び第1図に示す。
次にフラクションNo.12〜21を集め95%まで濃縮したと
ころ7.2gの濃縮液が得られた。この濃縮液に20mlのエタ
ノールを混合し、室温で2日間結晶化を行ない5.4gのL
−フコースの結晶を得た。収率は9.7%(対海藻固形重
量)、純度は99.6%、融点138.8℃であった。
発明の効果 本発明によりL−フコースの製造原料として日本国内に
おいて安価で大量に入手できるナガマツモ科及びモズク
科の海藻を使用できるようになったため、L−フコース
を安価に供給できるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は各フラクションに含まれるL−フコース、D−
グルコース、マンニットの割合(mg/ml)とその関係を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 史人 埼玉県川口市大字新井宿1112−19 菱青寮 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナガマツモ科(Chordariaceae)又はモズ
    ク科(Spermatochnaceae)の海藻を酸にて加水分解し、
    アルカリで中和した後、酵母を加えL−フコース以外の
    糖類を資化せしめ、脱色、脱イオン等の精製処理をした
    後、濃縮、結晶化せしめることを特徴とするL−フコー
    スの製造方法。
  2. 【請求項2】ナガマツモ科(Chordariaceae)又はモズ
    ク科(Spermatochnaceae)の海藻を酸にて加水分解し、
    アルカリで中和し、脱色、脱イオン等の精製処理をした
    後、クロマト分離によりL−フコースとL−フコース以
    外の画分に分け、L−フコース画分を濃縮、結晶化せし
    めることを特徴とするL−フコースの製造方法。
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