JPS647752B2 - - Google Patents

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JPS647752B2
JPS647752B2 JP57159391A JP15939182A JPS647752B2 JP S647752 B2 JPS647752 B2 JP S647752B2 JP 57159391 A JP57159391 A JP 57159391A JP 15939182 A JP15939182 A JP 15939182A JP S647752 B2 JPS647752 B2 JP S647752B2
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stevioside
sweetness
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reaction
sugar
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JP57159391A
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Tadashi Katabami
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、甘味料として有用な物質に関し、更
に詳しくはステビオシドとβ−1,4もしくはβ
−1,3結合を有する植物性多糖類を含有する水
溶液にβ−1,4もしくは1,3グルコシル転移
活性を有する微生物又は、β−1,4もしくは
1,3グルコシル転移酵素を添加してβ−1,4
もしくはβ−1,3転移反応させ、植物性多糖類
におけるグルコース、キシロース、ガラクトース
およびそれらの1種以上を含む少糖類の少なくと
も1種を付加させてなる変性ステビオシドに関
し、このものは甘味物質として有用である。 近年、人工甘味料であるサイクラミン酸ナトリ
ウム、サツカリン酸ナトリウム、ズルチン等が安
全性の見地から一般食品への使用禁止、あるいは
使用制限されるようになり、一方では砂糖の摂り
すぎによる健康上への悪影響が問題にされるよう
になつたことなどから、これらに代わる天然甘味
料の開発が熱望されている。このような状況下に
おいて、ステビオシドは砂糖と違い低カロリー甘
味料であり、しかも甘味倍率が砂糖に比べ約300
倍と高いことから、その需要は急速に高まつてき
ている。ステビオシドはキク科に属するステビア
レバウデイアナ ベルトニー(Stevia
rebaudiana BERTONI)から抽出される甘味成
分であり、ステビオールをアグリコンとするβ−
グルコシル配糖体である。ステビオシドは現在、
飲食品の甘味付に使用されているが、ステビオシ
ドの甘味は、砂糖に比べると遅く現われ、しかも
それが残味として長く残る。そして甘味以外に苦
味、嫌味が伴うなどの欠点を持つており、そのま
までは使用量、用途に限界があり、何らかの甘味
質の改良が必要であると言われている。 ステビオシドの甘味質の改良方法については、
砂糖、ブドウ糖、又は果糖等の天然糖類甘味料の
1種又は2種以上を添加配合する方法、あるいは
アミノ酸及びその塩酸塩を添加配合する方法がと
られている。しかしながらこれらの方法では、ス
テビア抽出物の有する苦味、嫌味を感じるため
に、前記添加物の配合を極端に多くしなければな
らず、結局ステビアのもつ低カロリー甘味料とし
ての特徴は失なわれてしまうという欠点を有して
いる。 そこで同じステビア葉に含まれるステビオシド
より優れた味質、甘味度を有するレバウデイオシ
ドAが注目されており、ステビオシドよりレバウ
デイオシドAを得る方法が種々検討されている
が、工業的には必ずしも成功していない。 その理由は、ステビオシドをレバウデイオシド
Aまたはその代用物に転換させるために必要なβ
−1,3グルコシル糖またはβ−1,4グルコシ
ル糖として、工業的に入手容易でしかも食品用と
して安全性の高いものが見当らないからである。 本発明者はこの様な現状に鑑み従来の問題点を
鋭意再検討した結果、目的物質としてステビオシ
ドのβ−1,3または1,4モノグルコシドに拘
泥することが問題解決の妨げとなつていたことを
確認するに至つた。 即ち、本発明は自然界に天然物として存在し、
食用に供し得る多種類の糖の中からグルコースの
みでなくキシロースおよびガラクトースを任意の
割合で含有し、少なくともその1種をβ−1,3
または1,4結合の状態で含有する植物性多糖類
を選択したことにより、目的を達成したことを特
徴とする。 これを更に補足して述べると、本発明は、ステ
ビオシドとβ−1,4もしくはβ−1,3結合を
有する植物性多糖類とを含有する水溶液にβ−
1,4もしくはβ−1,3グルコシル転移活性を
有する微生物又はβ−1,4もしくは1,3グル
コシル転移酵素を添加してβ−1,4もしくはβ
−1,3転移反応させ植物性多糖類におけるグル
コース、キシロース、ガラクトースおよびそれら
の1種以上を含む少糖類の少なくとも1種を付加
させてなる変性ステビオシドを提供するものであ
り、このものは特に甘味料として有用である。 この発明による変性ステビオシドは従来のステ
ビオシド製品、又はステビオシドと他の甘味料と
の混合物とは全く異なり、苦味や嫌味がなく、ま
ろやかな甘味を呈する。また残味が長びくことが
なく、溶解度が増大する等、極めて優れた性質を
有している。 本発明で用いられるステビオシドとは、高度に
精製されたステビオシドに限ることなく、ズルコ
シドA、ステビオシド、レバウデイオシドAおよ
びCの混合物であつても良く、さらにはその他の
夾雑物を含有している粗製品であつても良い。 本発明に用いられるβ−1,4もしくはβ−
1,3結合を有する植物性多糖類とは植物の種子
から抽出される多糖類で例えばナタネ、モヤシ
豆、赤インゲン豆、大豆、ササゲ、タマリンド等
の豆科植物の種子、イネ、オオムギ、コムギ等の
稲科植物の種子から得られるβ−1,4あるいは
β−1,3結合したグルコース、キシロース、ガ
ラクトースを含有するものでβ−1,3または
1,4転移酵素の作用でそれらβ型単糖類または
それらの単糖類の結合した少糖類の少くとも1種
を供出し得るものを言う。また微量であればアラ
ビノース、フルクトースその他の単糖類を含有し
ていても良いことは勿論である。 特に豆科植物のタマリンド(Tamarindus
indica)の種子から得られる多糖類は本発明の目
的に好適であり、市販品としては「グリロイド
3S、3A、C−102」(商品名、大日本製薬(株))な
どが挙げられる。 その理由としてこのタマリンド種子の多糖類
は、食品工業界において食品の増粘剤、安定剤等
として既に広く利用されている通り、食用として
の安全性の工業原料としての経済性、入手容易性
に特に優れ、しかも分子構造中にβ−1,4結合
のグルコースの他にキシロース、ガラクトース等
を含有し、しかも各糖の配列が最適なためと考え
られるからである。 次にβ−1,4もしくは1,3グルコシル転移
活性を有する微生物とは、好ましくはアスペルギ
ルス(Aspergillus)属、トリコデルマ
(Trichoderma)属などの微生物例えばアスペル
ギルス ニガー(Aspergillus niger)、トリコデ
ルマビリデイ(Torichoderma viride)などが挙
げられる。 β−1,4もしくは1,3グルコシル転移活性
を有する酵素とは、前述の微生物より得られる酵
素であり、例えばセルラーゼ(EC.3.2.1.4)、キシ
ロシダーゼ(EC.3.2.1.37)、ラミナリナーゼ
(EC.3.2.1.6)などが挙げられこれらも好適に用い
られる。セルラーゼとしては市販品も使用でき、
例えば「セルラーゼ“オノズカ”」(商品名、近畿
ヤクルト社製品)、「メイセラーゼ」(商品名、明
治製菓社製品)、セルロシン(商品名、上田化学
社製)、「ドリセラーゼ」(商品名、協和発酵社
製)、「セルラーゼAP」(商品名、天野製薬社製
品)、「セルレースナガセ」(商品名、長瀬産業社
製品)などが挙げられる。 微生物から酵素を得る方法としては、前記の菌
株を通常使用されている有機無機化合物を含有す
る液体もしくは固体培地に植菌し生育させること
により菌体内または培地中に酵素を蓄積させ、そ
れを抽出あるいは塩析などによつて分離する。 転移反応を行なうには、得られた菌体あるいは
酵素を固定化法により固定しバツチ式あるいは連
続式で反応を行なつても良い。 本発明により得られる変性ステビオシドとは、
前記のグルコース、キシロース、ガラクトースな
どの単糖類、あるいはこれらの単糖類の数分子の
結合した少糖類などがステビオシドのグルコース
部分にβ−1,4あるいは1,3結合によつて付
加したものを総称するもので、得られた反応生成
物は、これらの混合物であると考えられる。 本発明の転移反応条件は、ステビオシドとβ−
1,4あるいは1,3結合を有する植物性多糖類
とを含有する水溶液に、β−1,4あるいは1,
3グルコシル転移活性を有する微生物及びそれよ
り得られる酵素を反応させればよい。反応に用い
るステビオシドは、精製ステビオシドの場合、反
応液中の濃度を約0.1〜約10重量%とし、β−1,
4あるいは1,3結合を有する植物性多糖類は約
0.1〜約30重量%とすればよい。反応液のPHと温
度はβ−グルコシル転移酵素によりβ−1,4も
しくは1,3結合で単糖、少糖類の付加した変性
ステビオシドを生成させうる条件であればよく、
通常PH3〜10、温度20〜70℃が適当である。この
ようにしてβ−1,4もしくは1,3結合の変性
ステビオシドを生成せしめた反応溶液は、そのま
までも甘味料として使用できる。また必要に応じ
て、微生物自体を加熱失活させた後、スチレンと
ジビニルベンゼンの重合吸着樹脂例えばダイヤイ
オンHP−20、(商品名、三菱化成社製)アンバ
ーライトXAD−2(商品名、オルガノ社製品)
等、又はイオン交換樹脂(例えばH型強酸性イオ
ン交換樹脂およびOH型弱塩基性イオン交換樹
脂)を用いて脱塩し、これを濃縮してシラツプ状
の甘味料とするか、又は乾燥、粉末化して粉末状
の甘味料とすることもできる。 更に脱塩した反応溶液を精製して変性ステビオ
シドを分離採取して甘味料とすることもできる。
この際、濃縮、乾燥、粉末化は公知の方法、例え
ば減圧濃縮、膜濃縮、真空乾燥、噴霧乾燥等の各
種の方法が自由に用いられる。このようにして得
られた変性ステビオシドの甘味は、その甘味度に
ついてみれば、甘味度の測定条件や変性ステビオ
シドの種類によつても異なるが、一般には、反応
に用いたステビオシドの固型物重量に見合う甘味
度よりわずかに弱い程度に低下するものの、その
甘味の質は、苦味や渋味等の嫌味がなく、まろや
かな甘味であつて砂糖に似ており、また残味の切
れもよく、極めて改良されたものとなる。 この変性ステビオシドは、苦味、嫌味、アク味
等が全くない無臭、白色の粉末で水に可溶である
ためステビオシド及びグリチルリチンの共存比
率、又液体、粉末状の条件下で任意に共存させる
ことができる。また、変性ステビオシドは、サツ
カリン及びその塩類、サイクラミン酸ナトリウ
ム、ジヒドロカルコン、アスパラテーム等の周知
の合成甘味物質と共用してその呈味特性を有効利
用することが可能であり、これらの合成甘味物質
の1種又は2種以上に本化合物を添加使用すれ
ば、合成甘味物質特有の苦味、嫌味等の不快味を
改良することが可能となる。 また、変性ステビオシドを賦形剤、稀釈剤、吸
着剤的に使用されている砂糖、果糖、ブドウ糖、
乳糖、水飴、デキストリン、デンプン等の周知の
糖化合物に添加使用することにより、甘味が増強
され、従来の使用量よりも、大幅にその使用量を
削減することが可能となる。更に本化合物をソル
ビツト、マルチトール、マンニトール、キシリト
ール等の砂糖よりも甘味度が低い低カロリー甘味
物質に添加使用すれば甘味物質の長所を損うこと
なく甘味を増強することが出来、良質の低カロリ
ー甘味料が得られる。 変性ステビオシドはこの様に一般食品及びダイ
エツト食品、医薬、医薬部外品、煙草、飼料等の
甘味源として使用できることはいうまでもない。 例えば、しよう油、粉末しよう油、みそ、粉末
みそ、もろみ、マヨネーズ、ドレツシング、食
酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、め
んつゆ、ソース、ケチヤツプ、焼肉のタレ、カレ
ールー、シチユーの素、スープの素、ダシの素、
複合調味料、みりん、新みりん、テーブルシラツ
プ等の各種の調味料。せんべい、あられ、おこ
し、餅類、まんじゆう、ういろう、あん類、羊か
ん、水羊かん、ゼリー、カステラ、飴等の各種和
菓子、パン、ビスケツト、クラツカー、クツキ
ー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタード
クリーム、シユークリーム、ワツフル、スポンジ
ケーキ、ドーナツ、チヨコレート、チユーインガ
ム、キヤラメル、キヤンデー等の各種洋菓子、ア
イスクリーム、シヤーベツト、アイスキヤンデー
等の氷菓、果実のシロツプ漬、水密等のシロツプ
漬、フラワーペースト、ピーナツツペースト、フ
ルーツペースト等のペースト類、ジヤム、マーマ
レード、シロツプ漬、糖菓などの菓実、野菜の加
工食品類、福神漬、千枚漬、らつきよう漬等の漬
物類、ハム、ソーセージ等の畜肉製品類、食肉ハ
ム、魚肉ソーセージ、カマボコ、チクワ、天ぷら
等の魚肉製品、ワニ、イカの塩辛、さきするめ、
ふぐのみりん干等の各種珍味類、のり、山菜、す
るめ、小魚、貝等で製造されるつくだ煮類、煮
豆、ポテトサラダ、コンブ巻等のそう菜食品、魚
肉、畜肉、果実、野菜のビン詰、缶詰類、合成
酒、果実酒、洋酒等の酒類、コーヒー、ココア、
ジユース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料等の
清涼飲料水、プリンミツクス、ホツトケーキミツ
クス、即席ジユース、即席コーヒー、即席しるこ
等即席飲食品等の各種飲食物、嗜好物の甘味付に
使用できる。その他、医薬品及び医薬外品として
は練歯みがき、口紅、リツプクリーム、内服薬、
トローチ、肝油ドロツプ、口中清涼剤、口中香
錠、うがい薬等への甘味剤として使用することも
自由に行いうる。 尚、本発明に係る変性ステビオシドが混合物で
ある場合には、レバウデイオシドAその他の単一
化合物としての各成分に分離精製し、それらを高
純度甘味料、薬剤その他に利用し得ることは勿論
である。 以下に、本発明の方法およびそれによつて得ら
れる甘味料について実施例により具体的に説明す
るが、以下の%は重量基準とする。 実施例1および比較例1 (1) 精製ステビオシド(商品名、ステビア・DIC
大日本インキ化学社製品)20g、グリロイド・
3S(商品名、大日本製薬社製品)60gを0.02M
リン酸水素カリウム緩衝液(PH5.0)2に溶
解させ、酵素セルロシンPC−5(商品名、上田
化学社製品)2gを添加し、撹拌しながら45℃
で72時間反応させた。反応後、酵素を加熱失活
させた溶液から多糖類等を除去するため、該溶
液を合成吸着樹脂ダイヤイオンHP−20(商品
名、三菱化成社製品)にS.V=2で通し、反応
あるいは未反応ステビオシド類を吸着させた
後、95%エタノールで脱着した。脱着液のエタ
ノールを減圧留去した後、強酸性イオン交換樹
脂であるアンバーライトIR−120B(H型、商品
名、ロームアンドハース社製品)および弱塩基
性イオン交換樹脂アンバーライトIRA−93
(OH型、商品名、ロームアンドハース社製品)
にS.V=2で通して脱塩した。ついでこれを70
℃以下で減圧濃縮し、真空乾燥して粉末のステ
ビオシド類と変性ステビオシド混合物(改良甘
味料と称す)を得た。(試料No.2) 一方対照品として、あらかじめ加熱失活させ
た酵素を用いて同様に反応させ、吸着樹脂、イ
オン交換樹脂で精製したもの(試料No.1)を得
た。 (2) 改良甘味料の甘味度試験 試料No.1、No.2の0.02%及び0.05%水溶液を
調整し、砂糖の1〜7%の水溶液を0.5%濃度
段階で13種の標準溶液を作製し、これらについ
て甘味度試験を行つた。試験は試料溶液と標準
溶液との2点比較法で、20名のパネル員によ
り、室温20℃で行つた。その結果を第1表に示
す。
【表】
【表】 第1表の(a)及び(b)の結果から、試料No.1の甘
味度は0.02%水溶液で砂糖濃度3%(甘味度
150倍)に相当し、0.05%水溶液で砂糖濃度6
%(甘味度120倍)に相当する。同様に試料No.
2の甘味度は砂糖濃度の各々2.5%および5%
に相当するので改良甘味料の甘味度は、用いた
ステビオシドに見合う甘味度よりわずかに弱い
甘味度であると判断された。 (3) 改良甘味料の味質試験 試料No.1の対照品と試料No.2の改良甘味料と
を用いて甘味の質の違いの比較を行つた。前記
甘味度試験で求めた甘味度から算出して、各試
料を3%、6%、10%の砂糖水溶液に相当する
甘味度の水溶液に調整した。そして各甘味度で
試料No.1、試料No.2の試料溶液につきその味質
の良否を対比した。 試験は、20名のパネル員により20℃の室温で
行つた。その結果を第2表に示す。
【表】 第2表の結果から、試料No.2の改良甘味料の
甘味質は、いずれの甘味度の場合も試料No.1の
対照品より優れていることが確認された。 (4) 反応生成物の分離、確認 前記転移反応生成物(即ち変性ステビオシ
ド)を吸着樹脂、イオン交換樹脂で精製し、減
圧濃縮、真空乾燥後、クロロホルム:メタノー
ル:水=30:20:4の溶媒に溶解し、
Wakogel C−300(商品名、和光純薬工業製シ
リカゲル)を充填したカラムによりカラムクロ
マトグラムを行ない、前記溶媒で溶出させて各
フラクシヨン別に分離した。その結果、ズルコ
シドA、ステビオシド、レバウデイオサイド
C、レバウデイオサイドAの順に溶出し、最後
にレバウデイオサイドA以外の変性ステビオシ
ドと目される。反応生成物のフラクシヨンが溶
出した。この最後のフラクシヨンを減圧濃縮、
真空乾燥して白色の粉末を得た。一方、グリロ
イド3SとセルロシンPC5とを0.02Mのリン酸水
素カリウム緩衝液(PH5.0)に溶解し、撹拌し
ながら45℃、72時間反応させた。反応後TMS
化剤としてTMS−PZ(商品名、東京化成工業
製品)を使用してガスクロマトグライーより分
析すると、単糖類としてグルコース、キシロー
ス、ガラクトース及びこれらの単糖が結合した
二糖類、三糖類が確認された。 また高速液体クロマトグラフイー(株式会社
島津製作所、LC−3A型)にて次の条件で転
移、反応処理液を測定したところ、結果は第2
図のとおりであり、第1図の反応前の原料でみ
られるピーク以外に新しい反応生成物が確認さ
れた。 HPLCによる分析条件 (1) カラム Lichrosorb−NH2 4φ×150 (2) 移動相 CH3CN:水=81:19vol比 (3) 流量 2ml/min (4) 圧力 30Kg/cm2 (5) 波長 200nm これらの結果より反応によつて新たに生じた
この化合物は、ステビオシドにグルコース、キ
シロース、ガラクトース及びこれらの少糖類の
少くとも1種が等モル以上結合している単一化
合物または混合物と判断された。 (5) 反応生成物(レバウデイオサイドA以外の変
性ステビオシド)の甘味度試験 カラムクロマトグラフイーにより分取した反
応生成物の0.02%、0.05%水溶液を調整し、砂
糖の1〜4%の水溶液を0.5%濃度段階で7種
の標準溶液を作製し、これらについて甘味度試
験を行つた。試験は試料溶液と標準溶液との2
点比較法で20名のパネル員により、室温20℃で
行い、その結果を第3表に示す。
【表】 第3表の結果から反応生成物の甘味度は、
0.02%水溶液で砂糖濃度2%(甘味度100倍)
に相当し、0.05%水溶液で砂糖濃度3.5%(甘
味度70倍)に相当すると判断された。 (6) 反応生成物の味質試験 ステビオシド純品の対照品と、反応生成物と
を用いて甘味の質の違いの比較を行つた。 前記(5)の試験で求めた甘味度から算出して、
各試料を3%、6%、10%の砂糖水溶液に相当
する甘味度の水溶液に調整した。そして各甘味
度において、ステビオシド純品と反応生成物の
試料溶液につき味質の良否を対比した。試験は
20名のパネル員により20℃の室温で行つた。そ
の結果は第4表に示す通りであつた。
【表】 第4表の結果から、反応生成物の甘味質は、
いずれの甘味度の場合も、ステビオシドよりす
ぐれていることが判つた。そして各パネル員の
感覚によるとステビオシドの様に苦味、嫌味の
如き後味の不快感が残存するといつた欠点がな
く、まろやかな甘味で残味の切れもよく、比較
的砂糖に近い甘味であつた。 実施例 2 精製ステビオシド20g、グリロイド・3A(商品
名、大日本製薬社製品)80gを0.02Mリン酸水素
カリウム緩衝液(PH5.0)2に溶解させドリセ
ラーゼ(商品名、協和発酵社製品)2gを添加
し、撹拌しながら50℃で60時間反応させた。反応
後、吸着樹脂、イオン交換樹脂で精製し、減圧濃
縮、真空乾燥して白色の粉末21gを得た。 実施例 3 ステビア乾燥葉200gを水2で抽出し、抽出
液にグリロイド・3S60g、0.02Mリン酸水素カリ
ウム(PH5.0)、酵素セルラーゼAP(商品名、天野
製薬社製品)3gを添加し、撹拌しながら40℃、
72時間反応させた。反応後、吸着樹脂、イオン交
換樹脂で精製し、減圧濃縮、真空乾燥して白色の
粉末18gを得た。 次に本発明品の2〜3の応用例について述べ
る。 応用例 1 次の配合により粉末ジユースを試作した グラニユー糖 919g クエン酸 29g クエン酸ナトリウム 21g リンゴ酸 14g 香 料 11g β−カロチン(1.5%) 3g 本発明改良甘味料 3g また比較例として、上記配合中の改良甘味料の
代りに、ステビオシド粉末(90%品)を2.5g添
加したものを試作した。20名のパネル員による呈
味テストの結果、本発明品応用品は苦味、嫌味等
が全くなく、比較品は、後味に苦味が感じられ
た。 応用例 2 次の配合により果汁20%オレンジジユースを試
作した。 オレンジ100%天然果汁 440g 上白糖 20g 高果糖異性化糖 213g クエン酸 4g クエン酸ナトリウム 0.4g リンゴ酸 2g 香 料 2g β−カロチン(1.5%) 0.6g 改良甘味料 0.4g 全体量を水で 2にする また比較例として、上記配合中の改良甘味料の
代わりにステビオシド粉末(90%)を0.3g添加
したものを試作した。20名のパネル員による呈味
テストの結果、本発明品応用品はマイルドな甘味
で風味があり、比較品は後味に不快味が残存し
た。 応用例 3 次の配合によりサイダーを試作した。 グラニユー糖 34g 異性化糖 180g クエン酸 4g クエン酸ナトリウム 0.2g サイダーエツセンス 0.2g 改良甘味料 0.3g 全体量を炭酸水で 2にする また比較例として、上記配合中の改良甘味料の
代わりにステビオシド粉末(90%)を0.25g添加
したものを試作した。20のパネル員による呈味テ
ストの結果、本発明品応用品はあつさりした甘味
で残味の切れが良く、比較品は苦味、渋味が感じ
られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ステビオシドの高速液体クロマトグ
ラフイーチヤートを示し、第2図は、ステビオシ
ドの糖転移酵素反応処理物の高速液体クロマトグ
ラフイーのチヤートを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ステビオシドとβ−1,4もしくはβ−1,
    3結合を有する植物性多糖類とを含有する水溶液
    にβ−1,4もしくは1,3グルコシル転移活性
    を有する微生物又は、β−1,4もしくは1,3
    グルコシル転移酵素を添加してβ−1,4もしく
    はβ−1,3転移反応させ、植物性多糖類におけ
    るグルコース、キシロース、ガラクトースおよび
    それらの1種以上を含む少糖類の少なくとも1種
    を付加させてなる変性ステビオシド。
JP57159391A 1982-09-13 1982-09-13 変性ステビオシド Granted JPS5948059A (ja)

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