JPS647750B2 - - Google Patents

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JPS647750B2
JPS647750B2 JP56176437A JP17643781A JPS647750B2 JP S647750 B2 JPS647750 B2 JP S647750B2 JP 56176437 A JP56176437 A JP 56176437A JP 17643781 A JP17643781 A JP 17643781A JP S647750 B2 JPS647750 B2 JP S647750B2
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JP
Japan
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stevioside
glucosyl
sweetness
sugar
taste
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Application number
JP56176437A
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English (en)
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JPS5878562A (ja
Inventor
Hideji Nishibashi
Tadao Matsubayashi
Tadashi Katabami
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、甘味料の製造に際し、ステビオシド
とβ−1,4グルコシル糖化合物とを含有する水
溶液に、β−1,4グルコシル転移活性を有する
微生物又はβ−1,4グルコシル転移酵素を反応
させてβ−1,4グルコシルステビオシドを生成
含有せしめることを特徴とするステビア甘味料の
呈味質改良方法に関するものである。 近年、人工甘味料であるサイクラミン酸ナトリ
ウム、サツカリン酸ナトリウム、ズルチン等が安
全性の見地から一般食品への使用禁止、あるいは
使用制限されるようになり、一方では砂糖の摂り
すぎによる健康上への悪影響が問題にされるよう
になつたことなどから、これに代わる天然甘味料
の開発が熱望されている。このような状況下にお
いて、ステビオシドは砂糖と違い低カロリー甘味
料であり、しかも甘味倍率が砂糖に比べ約300倍
と高いことから、その需要は急速に高まつてきて
いる。ステビオシドはキク科に属するステビア
レバウデイアナ ベルトニー(Stevia
rebaudiana BERTONI)から抽出される甘味成
分であり、ステビオールをアグリコンとするβ−
グルコシル配糖体である。ステビオシドは現在、
飲食品の甘味付に使用されているが、ステビオシ
ドの甘味は、砂糖に比べると遅く現われ、しかも
それが残味として長く残る。そして甘味以外に苦
味、嫌味が伴うなどの欠点を持つており、そのま
までは使用量、用途に限界があり、何らかの甘味
質の改良が必要であると言われている。ステビオ
サイドの甘味質の改良方法については、砂糖、ぶ
どう糖、又は果糖等の天然糖類甘味料の1種又は
2種以上を添加配合する方法、あるいはアミノ酸
及びその塩酸塩を添加配合する方法がとられてい
る。しかしながらこれらの方法では、ステビア抽
出物の有する苦味、嫌味を減じるために、前記添
加物の配合を極端に多くしなければならず、結局
ステビオシドのもつ低カロリー甘味料としての特
徴は失なわれてしまうという欠点を有している。 そこで本発明者らはステビオシドの持つこれら
の欠点を生化学的手段により解決することを目的
として鋭意研究し、本発明を完成するに至つた。 すなわち本発明はステビオシドと例えばセロビ
オース、セルロース、セルロース部分分解物等の
グルコースのβ−1,4結合を有する糖化合物、
すなわちβ−1,4グルコシル糖化合物とを含有
する水溶液に、これらβ−1,4グルコシル糖化
合物からグルコースをステビオシドに転移しうる
活性を有する微生物、例えばロドトルラ属に属す
る酵母、ロドトルラ ミヌタ(Rhodotorula
minuta)IFO−1540、ロドトルラ マリナ
(Rhodotorula marina)IFO−1421、またはそれ
より得られる酵素(β−1,4グルコシルトラン
スフエラーゼ)を反応させてβ−1,4グルコシ
ルステビオシドを生成含有せしめることを特徴と
したステビア甘味料の呈味質改良法を提供するも
のである。 この発明により得られたβ−1,4グルコシル
ステビオシドは、従来のステビオシド製品、又は
ステビオシドと他の甘味料との混合物とは全く異
り、苦味や嫌味がなく、まろやかな甘味を呈す
る。また残味が長びくことがなく、溶解度が増大
する等、極めて優れた性質を有している。 本発明に用いるステビオシドは、高度に精製さ
れたステビオシド製品に限ることなく、ステビオ
シドとレバウデイオシドの混合物であつても良
く、さらに他の夾雑物を含有している粗製品であ
つても、本発明の甘味料を製造することができ
る。 本発明に用いるβ−1,4グルコシル糖化合物
とは、同時に用いるβ−グルコシル転移活性を有
する微生物、あるいはそれから得られる酵素によ
つて、ステビオシドからβ−1,4グルコシルス
テビオシドを生成するものであればよい。従つて
β−1,4グルコシルステビオシドの生成を容易
にするためには、β−グルコシル転移酵素に好適
な基質、特にセロピオースが秀れているが、セル
ロースを基質とし、セルラーゼを同時に添加した
反応組成を用いても同様の目的物を得ることが可
能である。このときのセルロース基質としては、
紙くず、パルプ、新聞紙などで良く、ステビア
葉の抽出残渣をセルロース基質として用いても有
効である。セルラーゼとしては市販のもので良
く、例えば「セルラーゼ“オノヅカ”」(商品名、
近幾ヤクルト社製)、「メイセラーゼ」(商品名、
明治製菓社製)、「ドリセラーゼ」(商品名、協和
醗酵社製)などが挙げられる。β−グルコシル転
移活性を有する微生物としては、とくにロドトル
ラ ミヌタIFO−1540及びロドトルラ・マリナ
IFO−1421が好ましく、これらを通常の酵母に適
した培地、例えば炭素源としてはグルコース、砂
糖、ラクトース、グリセリン等、窒素源として
は、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿
素、酢酸アンモニウム等、含窒素天然物として
は、酵母エキス、コーンステイープリカー等、無
機物質としてはリン酸カリウム、リン酸カルシウ
ム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム等、他に
ビタミン類、微量金属塩等を含有した培地に植菌
して菌体を生育させることにより得られる。又反
応の方法としては菌体の増殖終了と同時にステビ
オシドとβ−1,4グルコシル糖化合物を添加す
ることにより、目的物を得ることもでき、培養
後、集めた菌体を緩衝液にて洗浄し、同緩衝液に
て懸濁した菌体懸濁液をβ−グルコシルトランス
フエラーゼ酵素源として用いても良い。 また、この菌体を固定化し、固定化菌体を用い
てバツチ式で反応にくり返し用いること、及び連
続式で反応を行うこともできる。さらに、これら
の微生物よりβ−グルコシルトランスフエラーゼ
を調製し、その酵素を用いて反応を行つても全く
同様の目的を達成することができる。 β−グルコシルトランスフエラーゼの調製方法
としては、該微生物の固体培養物及び液体培養物
のどちらを使用してもかまわないが、この場合、
液体培養物を利用した方が有利である。液体培養
物よりのβ−グルコシルトランスフエラーゼを利
用するには、培養物をそのまま使用してもよい
が、通常は不溶物を除去した上清液を用いるか場
合によつては菌体より抽出して利用すれば良い。
また必要に応じて硫安塩析により得られる粗酵素
を用いてもよい。また菌体の固定化と同様に本酵
素を固定化し、バツチ式あるいは連続式に反応を
行なわせることもできる。 本発明の転移反応条件は、ステビオシドとβ−
1,4グルコシル糖化合物とを含有する水溶液
に、β−グルコシルトランスフエラーゼ活性を有
する微生物及びそれより得られる酵素を反応させ
ればよい。反応に用いるステビオシドは、精製ス
テビオシドの場合、反応液中の濃度を約0.1〜約
10重量%とし、β−1,4グルコシル糖化合物は
約0.1〜約30重量%とすればよい。反応液のPHと
温度はβ−グルコシルトランスフエラーゼが反応
してβ−1,4グルコシルステビオシドを生成さ
せうる条件であればよく、通常PH3〜10、温度20
〜70℃が適当である。このようにしてβ−1,4
グルコシルステビオシドを生成せしめた反応溶液
は、そのままでも甘味料として使用できる。また
必要に応じて、微生物菌体を加熱失活させた後、
スチレンとジビニルベンゼンの重合吸着樹脂例え
ばダイヤイオンHP−20、(商品名、三菱化成社
製)アンバーライトXAD−2(商品名、オルガノ
社製品)等、又はイオン交換樹脂(例えばH型強
酸性イオン交換樹脂およびOH型弱塩基性イオン
交換樹脂)を用いて脱塩し、これを濃縮してシラ
ツプ状の甘味料とするか、又は乾燥、粉末化して
粉末状の甘味料とすることもできる。 更に脱塩した反応溶液を精製してβ−1,4グ
ルコシルステビオシドを分離採取して甘味料とす
ることもできる。この際、濃縮、乾燥、粉末化は
公知の方法、例えば減圧濃縮、膜濃縮、真空乾
燥、噴霧乾燥等の各種の方法が自由に用いられ
る。このようにして得られたβ−1,4グルコシ
ルステビオサイドの甘味度は、甘味度の測定条件
によつても異なるが一般には、反応に用いたステ
ビオシドの固型物重量に見合う甘味度よりわずか
に弱い程度である。またその甘味の質は、苦味や
渋味等の嫌味がなく、まろやかな甘味であつて砂
糖に似ており、残味の切れもよい。 このβ−1,4グルコシルステビオシドは、苦
味、嫌味、アク味等が全くない無臭、白色の粉末
で水に可溶であるためステビオシド及びグリチル
リチンの共存比率、又液体、粉末状の条件下で任
意に共存させることができる。また、β−1,4
グルコシルステビオシドは、サツカリン及びその
塩類、サイクラミン酸ナトリウム、ジヒドロカル
コン、アスパラテーム等の周知の合成甘味物質と
共用してその呈味特性を有効利用することが可能
であり、これらの合成甘味物質の1種又は2種以
上に本化合物を添加使用すれば、合成甘味物質特
有の苦味、嫌味等の不快味を改良することが可能
となる。 またβ−1,4グルコシルステビオシドを賦形
剤、稀釈剤、吸着剤的に使用されている砂糖、果
糖、ブドウ糖、乳糖、水飴、デキストリン、デン
プン等の周知の糖類甘味に添加使用することによ
り、甘味が増強され、従来の使用量よりも、大幅
にその使用量を削減することが可能となる。更に
本化合物をソルビツト、マルチトール、マンニト
ール、キシリトール等の砂糖よりも甘味度が低い
低カロリー甘味物質に添加使用すれば甘味物質の
長所を損うことなく甘味を増強することが出来、
良質の低カロリー甘味料が得られる。 β−1,4グルコシルステビオシドはこの様に
一般食品及びダイエツト食品、医薬、医薬部外
品、煙草、飼料等の甘味源として使用できること
はいうまでもない。 例えば、しよう油、粉末しよう油、みそ、粉末
みそ、もろみ、マヨネーズ、ドレツシング、食
酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、め
んつゆ、ソース、ケチヤツプ、焼肉のタレ、カレ
ールー、シチユーの素、スープの素、ダシの素、
複合調味料、みりん、新みりん、テーブルシラツ
プ等の各種の調味料。せんべい、あられ、おこ
し、餅類、まんじゆう、ういろう、あん類、羊か
ん、水羊かん、ゼリー、カステラ、飴等の各種和
菓子、パン、ビスケツト、クラツカー、クツキ
ー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタード
クリーム、シユークリーム、ワツフル、スポンジ
ケーキ、ドーナツ、チヨコレート、チユーイング
ガム、キヤラメル、キヤンデー等の各種洋菓子、
アイスクリーム、シヤーベツト、アイスキヤンデ
ー等の氷菓、果実のシロツプ漬、水密等のシロツ
プ類、フラワーペースト、ピーナツツペースト、
フルーツペースト等のペースト類、ジヤム、マー
マレード、シロツプ漬、糖菓などの果実、野菜の
加工食品類、福神漬、千枚漬、らつきよう漬等の
漬物類、ハム、ソーセージ等の畜肉製品類、食肉
ハム、魚肉ソーセージ、カヤボコ、チクワ、天ぷ
ら等の魚肉製品、ウニ、イカの塩辛、さきする
め、ふぐのみりん干等の各種珍味類、のり、山
菜、するめ、小魚、貝等で製造されるつくだ煮
類、煮豆、ポテトサラダ、コンブ巻等のそう菜食
品、魚肉、畜肉、果実、野菜のビン詰、缶詰類、
合成酒、果実酒、洋酒等の酒類、コーヒー、ココ
ア、ジユース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料
等の清涼飲料水、プリンミツクス、ホツトケーキ
ミツクス、即席ジユース、即席コーヒー、即席し
るこ等即席飲食品等の各種飲食物、嗜好物の甘味
付に使用できる。その他、医薬品及び医薬外品と
しては練歯みがき、口紅、リツプクリーム、内服
薬、トローチ、肝油ドロツプ、口中清涼剤、口中
香錠、うがい薬等への甘味剤として使用すること
も自由に行いうる。 以下に、本発明の方法およびそれによつて得ら
れる甘味料について実施例により具体例に説明す
るが、以下の%は重量基準とする。 実施例 1 (1) 菌体の調製 リン酸一カリウム0.4%、硫安0.5%、硫酸マ
グネシウム0.06%、硫酸亜鉛0.001%、硫酸第
一鉄0.005%、酵母エキス0.1%、グルコース1
%(PH5.2)の培地組成からなる培地3.0を10
容ジヤーフアメンターに仕込み、ロドトルラ
ミヌタ(IFO−1540)菌を接種して、30℃で
24時間通気撹拌培養し、菌体を生産した。得ら
れた培地液を遠心分離し、0.05Mリン酸緩衝液
にて菌体を2回洗浄した後同緩衝液600mlに懸
濁して、休止菌体懸濁液を調製した。 (2) 転移反応 精製ステビオシド(商品名、ステビア−
DIC、大日本インキ化学社製品)80g、セロビ
オース80gを0.05Mリン酸緩衝液(PH6.0)3.4
に溶解させて10容ジヤーフアメンターに仕
切み、滅菌冷却後、休止菌体懸濁液を加えて4
とし、37℃で96時間反応させた。反応後、加
熱失活させた溶液を合成吸着樹脂ダイヤイオン
HP−20(商品名、三菱化成社製)にS.V.=2
で通し、ステビオシド類を吸着させた後、95%
エタノールで脱着した。脱着液のエタノールを
減圧留去した後、強酸性イオン交換樹脂である
アンバーライトIR−120B(H型、商品名、ロー
ムアンドハース社製品)、弱塩基性イオン交換
樹脂であるアンバーライトIRA−93(OH型、
商品名、ロームアンドハース社製品)にS.V=
2で通して脱塩した。ついでこれを70℃以下で
減圧濃縮し、真空乾燥して粉末の改良甘味料を
得た。(試料No.2) 一方対照品として、あらかじめ加熱失活させ
た微生物菌体を用いて同様に反応させ、吸着樹
脂、イオン交換樹脂で精製したもの(試料No.
1)を得た。 (3) 改良甘味料の甘味度試験 試料No.1、No.2の0.02%及び0.05%水溶液を
調整し、砂糖の1〜7%の水溶液を0.5%濃度
段階で13種の標準溶液を作製し、これらについ
て甘味度試験を行つた。試験は試料溶液と標準
溶液との2点比較法で、20名のパネル員によ
り、室温20℃で行い、その結果を第1表に示
す。
【表】
【表】 第1表の(a)及び(b)の結果から、試料No.1の甘
味度は0.02%水溶液で砂糖濃度3%(甘味度
150倍)に相当し、0.05%水溶液で砂糖濃度6
%(甘味度120倍)に相当する。同様に試料No.
2の甘味度は砂糖濃度の各々2.5%および5%
に相当するので改良甘味料の甘味度は、用いた
ステビオシドに見合う甘味度にわずかに弱い甘
味度であると判断される。 (4) 改良甘味料の味質試験 試料No.1の対照品と試料No.2の改良甘味料と
を用いて甘味の質の違いの比較を行つた。前記
甘味度試験で求めた甘味度から算出して、各試
料を3%、6%、10%の砂糖水溶液に相当する
甘味度の水溶液に調整した。そして各甘味度で
試料No.1、試料No.2の試料溶液につきその味質
の良否を対比した。 試験は、20名のパネル員により20℃の室温で
行つた。その結果を第2表に示す。
【表】 第2表の結果から、試料No.2の改良甘味料の
甘味質は、いずれの甘味度の場合も試料No.1の
対照品よりすぐれていることが明らかである。 (5) β−1,4グルコシルステビオサイドの分
離、確認 前記転移反応生成物(即ち改良甘味料)を吸
着樹脂、イオン交換樹脂で精製し、減圧濃縮、
真空乾燥後、クロロホルム:メタノール:水=
30:25:4の溶媒に溶解し、Wakogel C−
200(商品名、和光純薬工業製シリカゲル)を充
填したカラムによりカラムクロマトグラムを行
ない、前記溶媒で溶出させて各フラクシヨン別
に分離した。その結果、ズルコシドA、ステビ
オシド、レバウデイオシド−C、レバウデイオ
シドAの順に溶出し、最後にβ−1,4モノグ
ルコシルステビオシドとそれぞれ目されるフラ
クシヨンが溶出した。この最後のフラクシヨン
を減圧濃縮、真空乾燥して白色の粉末を得た。
得られた粉末のおよそ2%水溶液1mlを試験管
にとり、それにβ−グルコシダーゼ(シグマ社
製品)を0.1%になるように添加後、37℃で7
時間反応させた。反応後得られた生成物をシリ
カゲルプレート60F(メルク社製品)にスポツ
トし、対照としてステビオシド、β−グルコシ
ダーゼ処理前の物質、即ち本発明物質およびD
−グルコースを併せてスポツトしクロロホル
ム:メタノール:水=30:20:4の展開溶媒に
て展開した。充分に風乾後、0.2%のアニスア
ルデヒドを含有させた濃硫酸を噴霧し、100℃
で10分間加熱して発色させた。このクロマトグ
ラムを第1図に示す。第1図より、β−グルコ
シダーゼ処理して得られた試料は(C)について
は、Rf値0.66のステビオシドaとRf値0.30のD
−グルコースbのスポツトが出現した。なお対
照として用いた本発明物質bは、Rf値0.37の位
置にのみスポツトが認められた。 また高速液体クロマトグラフイー(株式会社
島津製作所、LC−3A型)にて次の条件で転
移、反応処理液を測定したところ、結果は第2
図のとおりであり、第3図の反応前の原料でみ
られるピーク以外に、rt20.67minのところに新
しい生成物β−1,4グルコシルステビオシド
が確認された。 HPLCによる分析条件 (1) カラム Lichrosorb−NH24φ×150 (2) 移動相 CH3CN:水=81:19vol比 (3) 流量 2ml/min (4) 圧力 30Kg/cm2 (5) 波長 200mm これらの結果より反応によつて新たに生じた
この物質は、ステビオシドにD−グルコースが
等モルβ−1,4結合している。物質、すなわ
ち、β−1,4−モノグルコシルステビオシド
であると判断された。 (6) β−1,4グルコシルステビオシドの甘味度
試験 カラムクロマトグラフイーにより分取したβ
−1,4グルコシルステビオシドの0.02%、
0.05%、水溶液を調製し、砂糖の1〜4%の水
溶液を0.5%の濃度段階で7種の標準溶液を作
製し、これらについて甘味度試験を行つた。試
験は試料溶液と標準溶液との2点比較法で20名
のパネル員により、室温20℃で行い、その結果
を第3表に示す。
【表】
【表】 第3表の結果からβ−1,4グルコシルステ
ビオシドの甘味度は、0.02%水溶液で砂糖濃度
2%(甘味度100倍)に相当し、0.05%水溶液
で砂糖濃度3.5%(甘味度70倍)に相当すると
判断される。 (7) β−1,4グルコシルステビオシドの味質試
験 ステビオシド純品の対照品と、β−1,4グ
ルコシルステビオシドとを用いて甘味の質の違
いの比較を行つた。 前記(6)の試験で求めた甘味度から算出して、
各試料を3%、6%、10%の砂糖水溶液に相当
する甘味度の水溶液に調製した。そして各甘味
度において、ステビオシド純品とβ−1,4グ
ルコシルステビオシドの試料溶液につき味質の
良否を対比した。試験は20名のパネル員により
20℃の室温で行つた。その結果は第4表に示す
通りである。
【表】 第4表の結果から、β−1,4グルコシルス
テビオシドの甘味質は、いずれの甘味度の場合
も、ステビオシドよりすぐれていることが判
る。そして各パネル員の感覚によるとステビオ
シドの様に苦味、嫌味の如き後味の不快感が残
存する欠点がなく、まろやかな甘味で残味の切
れもよく、比較的砂糖に近い甘味であつた。 実施例 2 グルコース1%、ポリペプトン0.5%、酵母エ
キス0.3%、麦芽エキス0.3%、PH6.0からなる培地
100mlを500ml容坂口フラスコに分注し、殺菌後、
ロドトルラ ミヌタIFO−1540を植菌し、30℃で
48時間振とう培養した。 この培養液を遠心分離して菌体を集め、その後
0.05Mリン酸バツフアー(PH7.2)にて菌体を少
なくとも2回洗浄した後、同バツフアー20mlにて
菌体を懸濁して休止菌体懸濁液とし、これをβ−
グルコシルトランスフエラーゼ酵素源とした。別
に、反応容器として500ml容坂口フラスコを用い、
0.05M酢酸−酢酸ソーダバツフアー(PH5.0)30
mlを入れ、精製ステビオシド(商品名:ステビア
ーDIC、前出)0.5gとセロビオース0.5gを加え
て溶解した後、オートクレーブ滅菌した。 この反応溶液中に、先に調製した休止菌体懸濁
液を加え、最終PH6.0、反応温度37℃で72時間振
とうしつつ反応した。反応液を遠心分離機にて遠
心分離して菌体を除くと、上清液は、ステビオシ
ドの約35%がβ−1,4グルコシル化されたβ−
1,4グルコシルステビオシドとステビオシド、
レバウデイオシドC、レバウデイオシドAなどの
混合溶液であつた。 この混合溶液を陽イオン交換樹脂アンバーライ
トIR−120B(H型)及び陰イオン交換樹脂アンバ
ーライトIRA−93(OH型)を通して精製し、減
圧濃縮後乾燥し、粉末化して得られた改良甘味料
は反応前のステビオシド甘味料に比べ苦味や嫌味
がまつたくなく、非常にまろやかな甘味を呈し
た。 実施例 3 実施例2と同様の培地組成からなる培地に、実
施例2と同様の方法にて、ロドトルラ マリナ
IFO−1421を植菌し、30℃で48時間振とう培養し
た。 得られた菌体を実施例2と同様の方法で処理
し、同様の方法でβ−グルコシルトランスフエラ
ーゼ酵素源として反応させた。48時間反応後、菌
体と分離して得られた反応液は、ステビオシドの
約25%がβ−1,4グルコシル化されたβ−1,
4グルコシルステビオシドとステビオシド、レバ
ウデイオシドC、レバウデイオシドAなどの混合
溶液であつた。この混合溶液を実施例1と同様の
方法で精製し、濃縮後乾燥して得られた改良甘味
料は実施例1とまつたく同様の甘味度及び甘味質
を示した。 実施例 4 リン酸一カリウム0.4%、硫安0.5%、硫酸マグ
ネシウム0.06%、硫酸亜鉛0.001%、硫酸第一鉄
0.005%、酵母エキス0.1%、グルコース1%(PH
5.2)の培地組成からなる培地3.0を10容ジヤ
ーフアメンターに仕込み、それに別にポリペプト
ン0.5%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、グ
ルコース1%、セロビオース0.25%からなる培地
組成で48時間、30℃で種培養したロドトルラ マ
リナIFO−1421を種菌として400ml植菌した。 培養温度30℃、PH5.0、通気量3.4/min、撹
拌速度500rpmで24時間培養後、ステビア−
DIC40g、ゼロビオース40gを蒸留水600mlに溶
解し、殺菌したものを加え、総量4とした。同
時に反応温度を37℃に、PHを6.0にそれぞれシフ
トし、通気量4.0/minでβ−グルコシル転移
反応を行わせた。48時間後、ステビオシドのおよ
そ25%がβ−1,4グルコシルステビオシドに転
換していた。培地成分をイオン交換樹脂IR−
120B及びIRA−93等を通して除去後、得られた
ステビオシド、β−1,4グルコシルステビオシ
ド、レバウデイオシドAおよびCなどの混合溶液
は、精製ステビオシドに比べ、嫌味や苦味がな
く、非常にまろやかな甘味を呈していた。 実施例 5 実施例4と同じ培地組成物からなる培地3.1
を10容ジヤーフアメンターに仕込み、それに実
施例4と同培地組成、同培養条件で種培養したロ
ドトルラ ミヌタIFO−1540を種菌として400ml
接種した。培養温度30℃、PH5.0、通気量3.5/
min、撹拌速度500rpmで24時間培養後、ステビ
ア葉の水抽出液(ステビオシドが約7.4%含有し
たもの)500ml中にセロビオース40gを溶解させ、
殺菌したものを加え、総容量を4.0になるよう
にした。反応温度30℃、PH6.0、通気量4.0/
minにセツト後、72時間、500rpmで撹拌しつつ
反応を行つた。反応終了後、菌体を除いた上清液
中には、ステビオシドのおよそ20%がβ−1,4
グルコシルステビオシドに転換されているものを
含有していた。この上清液をイオン交換樹脂アン
バーライトIR−120B及びIRA−93を通して培地
成分及び、ステビア葉抽出物中の夾雑物を除いて
得られたβ−1,4グルコシルステビオシド、ス
テビオシド、レバウデイオシドAおよびレバウデ
イオシドAなどの混合溶液は反応前のステビア葉
抽出物に比べると、味覚の点で歴然と差があるの
はいうまでもなく、精製ステビオシド甘味料の水
溶液と比較しても、苦味や嫌味の大きな改良が認
められた。 次に本発明品の2〜3の応用例について述べ
る。 応用例 1 次の配合により粉末ジユースを試作した。 グラニユー糖 939g クエン酸 29g クエン酸ナトリウム 21g リンゴ酸 14g 香 料 11g β−カロチン(1.5%) 3g 本発明改良甘味料 3g また比較例として、上記配合中の改良甘味料の
代りに、ステビオシド粉末(90%品)を2.5g添
加したものを試作した。20名のパネル員による呈
味テストの結果、本発明品応用品は、嫌味等が全
くなく、比較品は、後味に苦味が感じられた。 応用例 2 次の配合により果汁20%オレンジジユースを試
作した。 オレンジ100%天然果汁 440g 上白糖 20g 高果糖異性化糖 213g クエン酸 4g クエン酸ナトリウム 0.4g リンゴ酸 2g 香 料 2g β−カロチン(1.5%) 0.6g 改良甘味料 0.4g 全体量を水で 2にする また比較例として、上記配合中の改良甘味料の
代わりにステビオシド粉末(90%)を0.3g添加
したものを試作した。20名のパネル員による呈味
テストの結果、本発明品応用品はマイルドな甘味
で風味があり、比較品は後味に不快味が残存し
た。 応用例 3 次の配合によりサイダーを試作した。 グラニユー糖 34g 異性化糖 180g クエン酸 4g クエン酸Na 0.2g サイダーエツセンス 0.2g 改良甘味料 0.3g 全体量を炭酸水で 2にする また比較例として、上記配合中の改良甘味料の
代わりにステビオシド粉末(90%)を0.25g添加
したものを試作した。20名のパネル員による呈味
テストの結果、本発明品応用品はあつさりした甘
味で残味の切れが良く、比較品は苦味、渋味が感
じられた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、薄層クロマトグラムを示し、a,
b,c,dは、ステビオシド、β−1,4グルコ
シルステビオシド、ステビオシドのβ−グルコシ
ダーゼ処理物質、グルコースを各々示す。第2図
は、ステビオシドのβ−グルコシル転移酵素処理
物の高速液体クロマトグラフイーのチヤートを示
し、第3図は、ステビオシドの高速液体クロマト
グラフイーチヤートを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ステビオシドとβ−1,4グルコシル糖化合
    物とを含有する水溶液に、β−1,4グルコシル
    転移活性を有する微生物又はβ−1,4グルコシ
    ル転移酵素を反応させて、β−1,4グルコシル
    ステビオシドを生成含有せしめることを特徴とし
    たステビア甘味料の呈味質改良法。 2 グルコース供給基質として用いるβ−1,4
    グルコシル糖化合物がセロビオース、またはセル
    ロース部分分解物であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のステビア甘味料の呈味質改
    良法。 3 β−1,4グルコシル転移活性を有する微生
    物がロドトルラ(Rhodotorula)属に属する微生
    物であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項、または第2項記載のステビア甘味料の呈味質
    改良法。
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