JP4363967B2 - 環状五糖及びそのグリコシル誘導体とそれらの製造方法並びに用途 - Google Patents

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本発明は、新規環状五糖及びそのグリコシル誘導体とそれらの製造方法並びに用途に関し、詳細には、サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される環状五糖(以下、本明細書では単に「環状五糖」と略称することもある。)及びそのグリコシル誘導体とそれらの製造方法、並びにそれらを含有せしめた組成物に関する。
従来、環状糖質としては、例えば、非特許文献1で開示されているように、6乃至8分子のグルコースがα−1,4結合により環状構造を形成したα−、β−又はγ−サイクロデキストリンがよく知られている。現在では、これらサイクロデキストリンをはじめ、グルコシルサイクロデキストリン、マルトシルサイクロデキストリンなどのサイクロデキストリンの糖質誘導体(分岐サイクロデキストリン)が澱粉から工業的規模で生産され、それらが有する、非還元性で、呈味を示さない、包接能を有するなどの特性を生かして諸種の用途に利用されている。一方、7分子以上のグルコースがα−1,6結合で環状構造を形成したサイクロイソマルトオリゴ糖(特許文献1などを参照)や、6分子以上のフラクトースがβ−2,1結合で環状構造を形成した環状イヌロオリゴ糖(非特許文献2などを参照)も見出され、上記サイクロデキストリンと同様な機能を有していることが明らかにされている。さらに、非特許文献3及び特許文献2乃至4には4分子のグルコースがα−1,3結合及びα−1,6結合で交互に結合し環状構造を形成した環状四糖やその糖質誘導体(分岐環状四糖)が開示されている。
上記の各種環状糖質は、環状構造を有することからいずれも包接能を有しており、揮発性有機物を安定化する作用を示すとともに、非還元性の糖質であるため、アミノカルボニル反応を起こさず、褐変、分解を懸念することなく利用、加工できることから、それぞれの特性を生かして種々の分野に利用されている。このような状況下、これら環状糖質以外にもさらに新しい環状糖質が提供されれば環状糖質の選択の幅が広がり、更に多様な用途への利用が期待される。
特開平6−197783号公報 国際公開 WO 01/90338 A1号明細書 国際公開 WO 02/055708 A1号明細書 国際公開 WO 02/40659 A1号明細書 『ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journal of American Chemical Society)』、米国、1949年、第71巻、353乃至358頁 川村ら、『カーボハイドレート・リサーチ(Carbohydrate Research)』、1989年、第192巻、83乃至90頁 ジー・エル・コテら、『ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(European Journal of Biochemistry)』、1994年、第226巻、641乃至648頁
本発明の課題は、新規な環状糖質及びそのグリコシル誘導体を提供し、環状糖質の選択の幅を広げるとともにそれらの製造方法、並びに当該環状糖質を含んでなる組成物とその用途を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために、新規な環状糖質に期待を込めて、糖質を広く検索してきた。その結果、本出願と同一の出願人による特許文献2乃至4などで開示したサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される環状四糖(以下、本明細書では単に「環状四糖」と略称することもある。)の製造過程における糖組成物中に、サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される新規な環状糖質、すなわち環状五糖が生成していることを見出した。さらに、この環状五糖のグルコシル誘導体(分岐環状五糖)も生成していることを見出すとともに、環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体を含む糖質の製造方法を確立した。さらに、環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体を含有せしめた組成物を用いて、例えば、風味良好な高品質の食品、低カロリー又はダイエット食品、飼料・餌料、安定で高品質な化粧品、更には、高活性で安定な医薬品などを容易に製造し得ることを見出して、本発明を完成した。
本発明は、サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される新規な環状糖質、すなわち、環状五糖とそのグリコシル誘導体、及びそれらの製造方法、並びにそれらを含んでなる組成物とその用途を提供することによって上記課題を解決するものである。
本発明によれば、環状糖質の選択の幅が広がる上に、従来未知であった環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体が供給できることとなり、さらに、他の環状糖質と同様に、本発明の環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体もまた揮発成分を包接する作用を有すること、非還元性であるためアミノカルボニル反応を起こさず、褐変や分解が少ないこと、熱やpHに対し安定であることが期待され、飲食物、化粧品、医薬品をはじめとする様々な分野において有用となり得る。
本発明でいう環状五糖とは、5分子のグルコースが2つのα−1,6結合、2つのα−1,3結合及び1つのα−1,4結合で環状構造を形成した五糖、詳細には、サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される環状糖質を意味する。本糖質は、本出願と同一の出願人による特許文献2及び特許文献3に開示されているα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素及びα−イソマルトシル転移酵素を澱粉又は澱粉部分分解物に作用させることにより得られるサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される環状四糖を含有する糖組成物中に本発明者らが初めて見出した従来未知の新規糖質であり、環状五糖は上記構造を有しているかぎり、その給源、形態、純度、製造方法を問わず本発明に包含される。
本発明でいう環状五糖のグリコシル誘導体とは、上記サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される環状五糖に更に他の糖質が結合した構造を有する糖質を意味し、具体的な一例としてはサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される六糖(グルコシル分岐環状五糖)が挙げられる。本発明の環状五糖のグリコシル誘導体は上記六糖に限定されてはならず、環状五糖に他の糖質が結合した構造を有するかぎり本発明に包含され、また、環状五糖のグリコシル誘導体は特定の製造方法によるものに限定されず、例えば、有機合成によって得られるものであっても、また、酵素反応によって得られるものであってもよい。
本発明が提供する環状五糖及び/又は環状五糖のグリコシル誘導体の製造方法は、本出願と同一の出願人による特許文献2及び3に開示されたサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される環状四糖を製造する際のα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素とα−イソマルトシル転移酵素の作用を利用するものであり、環状四糖の製造と同様に澱粉又は澱粉部分分解物にこれらの酵素を組み合わせて作用させる工程と、生成した環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体を採取することを特徴とする。
本発明の環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体の製造方法において用いるα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素とα−イソマルトシル転移酵素とは、それぞれ、下記(A)及び下記(B)の酵素活性を有する酵素を意味するものであり、これ以外の酵素活性の有無や、理化学的性質、起源は特に限定されない。
(A) 非還元末端の結合様式としてα−1,4グルコシド結合を有するグルコース重合度がn(nは2以上の整数を表す。)の糖質に作用して、還元力を実質的に増加させることなく、非還元末端の結合様式としてα−1,6グルコシド結合を有するグルコース重合度がn+1の糖質を生成する。
(B) 非還元末端の結合様式としてα−1,6グルコシド結合を有し、この非還元末端以外の結合様式としてα−1,4グルコシド結合を有するグルコース重合度が3以上の糖質に作用してサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される環状四糖を生成する。
これらα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素及びα−イソマルトシル転移酵素としては特許文献2及び特許文献3に開示されているものが、または、国際公開 WO 02/45659 A1明細書及び国際公開 WO 02/055708 A1明細書に開示されている組換え型酵素が好適に用いられる。
α−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素及びα−イソマルトシル転移酵素を用いて澱粉又は澱粉部分分解物から本発明の環状五糖及び/又は環状五糖のグリコシル誘導体を製造する方法としては、通常は、基質溶液に、α−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素を一旦作用させた後、α−イソマルトシル転移酵素を作用させるか、該基質に両酵素を同時に作用させればよい。この方法で利用できる基質は、非還元末端の結合様式としてα−1,4グルコシド結合を有するグルコース重合度が2以上の糖質であればよく、例えば、マルトオリゴ糖、マルトデキストリン、アミロデキストリン、アミロース、アミロペクチン、可溶性澱粉、液化澱粉、糊化澱粉及びグリコーゲンなどが例示できる。製造コストを考慮すると、始発原料として、例えば、トウモロコシ、小麦、米などに由来する地上澱粉や、馬鈴薯、サツマイモ、タピオカなどの地下澱粉を用い、斯かる澱粉の懸濁液に液化型α−アミラーゼを作用させるか、又は、澱粉懸濁液を酸性条件下で加熱して得られる液化澱粉にα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素及びα−イソマルトシル転移酵素を作用させるのが最適である。環状五糖をより効率的に生成させるためには、液化澱粉のDE(デキストロース・エクイバレント)は低いほどよく、通常、DE20以下、望ましくはDE12以下、さらに望ましくはDE5以下が好適である。液化澱粉へのα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素及びα−イソマルトシル転移酵素の作用に先立ち、又は該作用と並行して、澱粉枝切り酵素、例えば、プルラナーゼやイソアミラーゼを作用させると環状五糖の生成効率が向上する場合があるので、これらの酵素を利用することも有利に実施できる。
基質濃度は、環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体が生成するものである限り特に制限はない。1回の操作当たりの環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体の収量を高める上では基質濃度は高いほど好適であり、固形分濃度としては、通常、0.1質量%以上、望ましくは、1質量%以上が好適である。基質は、水への溶解度を大きく超える濃度で含有する溶液の状態で用いることもできるけれども、上記液化澱粉の場合、通常、固形分濃度40質量%以下、望ましくは35質量%以下が、操作のし易さなどの点で好適である。
反応条件は、環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体が生成するものである限り特に制限はない。例えば、温度は、通常、常温から55℃まで、望ましくは、30℃乃至50℃が好適であり、pHは、通常、pH4.5乃至8、望ましくは、pH5.5乃至7が好適である。反応液中に、用いる酵素のいずれかを安定化する金属イオン、例えば、Ca2+やMg2+を共存させることも有利に実施できる。反応時間は、用いる酵素量に応じて、反応の進行状況を勘案して適宜選択することができる。
また、基質にα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素及びα−イソマルトシル転移酵素を作用させる際に用いる酵素剤として、両酵素を産生する微生物を利用することもできる。微生物を酵素剤として利用するには、例えば、特許文献2及び特許文献3に開示されている、バチルス グロビスポルスC9(FERM BP−7143)、同C11(FERM BP−7144)、同N75(FERM BP−7591)及びアルスロバクター グロビホルミスA19(FERM BP−7590)などの微生物を、それが生育する条件下で所期の菌体数になるまで培養する。そして、培養の結果得られる培養物を上記で述べた酵素の場合と同様に基質に作用させればよい。
以上のようにして酵素を反応させた反応液には環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体が生成している。得られた反応液は、そのまま環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体含有糖液として用いることもできる。また、必要に応じて、環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体含有糖液に、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ及びα−グルコシダーゼから選ばれる1種又は2種以上を作用させて、夾雑するオリゴ糖を加水分解した環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体含有糖液として用いることもできる。一般的には、環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体含有糖液はさらに精製して用いられる。精製方法としては、糖質の精製に用いられる通常の方法を適宜採用すればよく、例えば、活性炭による脱色、H型、OH型イオン交換樹脂による脱塩、イオン交換カラムクロマトグラフィー、活性炭カラムクロマトグラフィー、逆相カラムクロマトグラフィー、順相カラムクロマトグラフィーなどのカラムクロマトグラフィーによる分画、アルコールおよびアセトンなど有機溶媒による分別、適度な分離性能を有する膜による分離、更には、環状五糖を利用せず夾雑糖質を資化、分解する微生物、例えば酵母などによる発酵処理や、アルカリ処理などにより残存している還元性糖質を分解除去するなどの1種または2種以上の精製方法が適宜採用できる。通常、カラムグロマトグラフィーの溶離液としては、水を用いるのがその後の食品用途などの面で望ましい。
とりわけ、工業的大量生産方法としては、イオン交換カラムクロマトグラフィーの採用が好適であり、例えば、特開昭58−23799号公報、特開昭58−72598号公報などに開示されている強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにより夾雑糖類を除去し、目的物の含量を向上させた環状五糖及びそのグリコシル誘導体、又はそれらを含む糖質を有利に製造することができる。この際、カラムクロマトグラフィーとしては、固定床方式、移動床方式、疑似移動床方式のいずれの方式を採用することも随意である。
このようにして得られた環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体の含量を向上させた糖質水溶液は、通常、環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体を、固形物当たり、5質量%以上、望ましくは20質量%以上含有する糖質水溶液で、通常、これを濃縮し、シラップ状製品とする。このシラップ状製品は、更に、真空乾燥又は噴霧乾燥などの方法で乾燥して粉末状製品にすることも随意である。
また、本発明における環状五糖のグリコシル誘導体は、上記の方法で調製、単離した環状五糖に、適宜の糖供与体の存在下で糖転移酵素を作用させ、他の糖質を転移させることによっても容易に製造することができる。この転移反応において糖供与体として用いることができる糖質としては、例えば、澱粉、アミロース、アミロペクチン、澱粉部分分解物などのα−1,4グルカンや、ガラクタン、マンナン、キチンなどの各種多糖類、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、セロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などの各種オリゴ糖、マルトース、トレハロース、コージビオース、ニゲロース、イソマルトース、ラクトース、スクロース、セロビオース、ゲンチオビオースなどの各種二糖類、グルコース−1リン酸、メチルα−グルコシド、メチルβ−グルコシド、p−ニトロフェニルα−グルコシドなどの各種糖質誘導体、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、マンノースなどの各種単糖類が挙げられる。本発明でいう糖転移酵素としては、環状五糖を糖受容体とする糖転移反応又は縮合反応を触媒し、環状五糖のグリコシル誘導体を生成する作用を有するものであればいずれも利用でき、例えば、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)、α−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素、α−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α−グルカノトランスフェラーゼなどが、更には、本出願と同一の出願人による特開平10−304882号公報に開示されたコージビオースホスホリラーゼや、グリコーゲンホスホリラーゼ、マルトースホスホリラーゼ、オリゴ−1,6−グルコシダーゼなどが挙げられる。このようにして得られる環状五糖のグリコシル誘導体も前記の精製方法によりその含量を向上させたり、単離することができる。なお、本発明の環状五糖のグリコシル誘導体以外にも、本発明の環状五糖又は環状五糖のグリコシル誘導体を原材料として有機合成の手法により各種の環状五糖の誘導体を合成することも容易に行うことができる。これらの誘導体は、環状五糖に各種の反応性試薬を反応させ、環状五糖における水酸基の1又は2以上を水酸基以外の置換基で置換することにより得ることができる。
本発明の環状五糖及びそのグリコシル誘導体の骨格部分である環状五糖は、アミラーゼやα−グルコシダーゼによって実質的に分解されないことから、経口摂取しても消化吸収されず、また、腸内細菌によって発酵されにくく、極めて低カロリーの糖質であって、水溶性食物繊維様の物質としての利用が期待できる。更に、環状五糖自体は、無毒、無害の糖質であり、何らの危険性もない。
また、本発明の環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体は安定な糖質であり、浸透圧調節性、賦形性、照り付与性、保湿性、粘性、他の糖の結晶防止性、難発酵性などの性質が期待できる。本発明の環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体、又はこれらの一方又は双方を含む糖質は、甘味料、呈味改良剤、品質改良剤、安定剤、変色防止剤、賦形剤などとして、飲食物、嗜好物、飼料、餌料、化粧品、医薬品などの各種組成物に有利に利用できる。
本発明の環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体、又はこれらの一方又は双方を含む糖組成物は、そのまま甘味付のための調味料として使用できる。必要ならば、例えば、粉飴、ブドウ糖、異性化糖、砂糖、麦芽糖、トレハロース、蜂蜜、メープルシュガー、ソルビトール、マルチトール、ジヒドロカルコン、ステビオシド、α−グリコシルステビオシド、ラカンカ甘味物、グリチルリチン、ソーマチン、スクラロース、L−アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル、サッカリン、グリシン、アラニンなどのような他の甘味料と、また、デキストリン、澱粉、乳糖などのような増量剤と混合して使用することもできる。
また、本発明の環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体、又はこれらの一方又は双方を含む糖組成物の粉末状製品は、そのままで、または必要に応じて、増量剤、賦形剤、結合剤などと混合して、顆粒、球状、短棒状、板状、立方体、錠剤など各種形状に成形して使用することも随意である。
上記で述べたように、本発明の環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体、又はこれらの一方又は双方を含む糖組成物は、飲食物、嗜好物、飼料、餌料、化粧品、医薬品などの各種組成物に有利に利用できるけれども、とりわけ、酸味、塩から味、渋味、旨味、苦味などの他の呈味を有する各種の物質とよく調和し、耐酸性、耐熱性も大きいので、以下に述べる通り、一般の飲食物の甘味付、呈味改良に、また品質改良などに有利に利用できる。
例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、フリカケ、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、焼き肉のタレ、カレールウ、シチューの素、スープの素、ダシの素、複合調味料、みりん、新みりん、テーブルシュガー、コーヒーシュガーなどの各種調味料への甘味料、更には、呈味改良剤、品質改良剤などとして使用することも有利に実施できる。また、例えば、せんべい、あられ、おこし、求肥、餅類、まんじゅう、ういろう、あん類、羊羹、水羊羹、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和菓子、パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、ヌガー、キャンディーなどの各種洋菓子、アイスクリーム、シャーベットなどの氷菓、果実のシロップ漬、氷蜜などのシロップ類、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペーストなどのペースト類、ジャム、マーマレード、シロップ漬、糖果などの果実、野菜の加工食品類、福神漬け、べったら漬、千枚漬、らっきょう漬などの漬物類、たくあん漬の素、白菜漬の素などの漬物の素、ハム、ソーセージなどの畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、カマボコ、チクワ、天ぷらなどの魚肉製品、ウニ、イカの塩辛、酢コンブ、さきするめ、ふぐのみりん干し、タラ、タイ、エビなどの田麩などの各種珍味類、海苔、山菜、するめ、小魚、貝などで製造される佃煮類、煮豆、ポテトサラダ、コンブ巻などの惣菜食品、乳製品、魚肉、畜肉、果実、野菜の瓶詰、缶詰類、合成酒、増醸酒、清酒、果実酒、発泡酒、ビールなどの酒類、珈琲、ココア、ジュース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料水、プリンミックス、ホットケーキミックス、即席ジュース、即席コーヒー、即席しるこ、即席スープなどの即席食品、更には、離乳食、治療食、ドリンク剤、ペプチド食品、冷凍食品などの各種飲食物への甘味付、呈味改良、更には、品質改良などに有利に実施できる。
また、本発明の環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体、又はこれらの一方又は双方を含む糖組成物は、家畜、家禽、その他は蜜蜂、蚕、魚などの飼育動物のための飼料、餌料などの嗜好性を向上させる目的で使用することもできる。その他、各種の固状、ペースト状、液状などの形態で、タバコ、練歯磨、口紅、リップクリーム、内服液、錠剤、トローチ、肝油ドロップ、口中清涼剤、口中香剤、うがい剤などの嗜好物、化粧品、医薬品などの各種組成物への甘味剤として、または呈味改良剤、矯味剤として有利に利用できる。
さらに、本発明の環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体、又はこれらの一方又は双方を含む糖組成物は、活性を失い易い各種生理活性物質又はこれを有効成分として含む健康食品、機能性食品、医薬品などにおいて品質改良剤、安定剤として有利に適用できる。例えば、インターフェロン−α、−β、−γ、ツモア・ネクロシス・ファクター−α、−β、マクロファージ遊走阻止因子、コロニー刺激因子、トランスファーファクター、インターロイキンIIなどのリンホカイン含有組成物、インシュリン、成長ホルモン、プロラクチン、エリトロポエチン、卵細胞刺激ホルモンなどのホルモン含有組成物、BCGワクチン、日本脳炎ワクチン、はしかワクチン、ポリオ生ワクチン、痘苗、破傷風トキソイド、ハブ抗毒素、ヒト免疫グロブリンなどの生物製剤含有組成物、ペニシリン、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、硫酸カナマイシンなどの抗生物質含有組成物、チアミン、リボフラビン、L−アスコルビン酸、肝油、カロチノイド、エルゴステロール、トコフェロールなどのビタミン含有組成物、EPA、DHA、アラキドン酸などの高度不飽和脂肪酸又はそのエステル誘導体を含有する組成物、リパーゼ、エステラーゼ、ウロキナーゼ、プロテアーゼ、β−アミラーゼ、イソアミラーゼ、グルカナーゼ、ラクターゼなどの酵素含有組成物、薬用人参エキス、スッポンエキス、クロレラエキス、アロエエキス、プロポリスエキスなどのエキス類、乳酸菌、酵母などの生菌ペースト、ローヤルゼリーなどの各種天然の健康食品において有用である。
以上述べたような各種組成物に、環状五糖及び/又はそのグリコシル誘導体、又はこれらの一方又は双方を含む糖組成物を含有させる方法としては、例えば、混和、混捏、溶解、融解、浸漬、浸透、散布、塗布、被覆、噴霧、注入、晶析、固化など公知の方法が適宜選ばれる。その量は、各種組成物に対し、通常0.1質量%以上、望ましくは1質量%以上含有せしめるのが好適である。
以下、実験により本発明を詳細に説明する。
<実験1:澱粉からの環状糖質の調製>
バチルス グロビスポルスN75(FERM BP−7591)を特許文献3の実験10に開示した方法に準じてファーメンターで48時間培養した。培養後、SF膜を用いて除菌濾過し、約18Lの培養濾液を回収し、さらにその濾液をUF膜濃縮し、α−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素を6.0単位/mlとα−イソマルトシル転移酵素を20単位/mlとを含む濃縮酵素液約800mlを回収した。トウモロコシ澱粉を濃度30質量%の澱粉乳とし、これに炭酸カルシウムを0.1質量%加え、pH6.5に調整し、α−アミラーゼ(商品名『ターマミール60L』、ノボ社製)を澱粉当たり0.3質量%加え、95℃で15分間反応させ、次いで120℃で20分間オートクレーブし、さらに約51℃に急冷してDE約4の澱粉液化液を得た。これに上記の方法で調製したα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素とα−イソマルトシル転移酵素とを含む濃縮酵素液を澱粉固形分1グラム当たり0.4mlの割合になるよう加え、pH6.0、温度51℃で48時間反応させた。この反応液を95℃に加熱し、10分間保った後、冷却し、濾過して得られる濾液を、常法に従って活性炭で脱色し、H型及びOH型イオン交換樹脂により脱塩して精製し、さらに濃縮して濃度60%の環状四糖含有シラップを得た。本シラップは固形物当たり、グルコース0.9%、イソマルトース1.5%、マルトース11.3%、環状四糖54.3%、及びその他の糖質を32.0%含有していた。
上記の環状四糖含有シラップに酢酸緩衝液(pH5.0)を加え、糖質の終濃度を0.5w/v%、酢酸緩衝液の終濃度を5mMになるように調整した水溶液20Lを調製した。これを温度50℃に調整した後、α−グルコシダーゼ(商品名『トランスグルコシダーゼL「アマノ」』、天野製薬株式会社製造)を固形物1グラム当り8,000単位、グルコアミラーゼ(ナガセ生化学工業株式会社販売)を固形物1グラム当り1,000単位添加して24時間反応させ、次いで、水酸化ナトリウムで反応液のpHを12に調整し2時間煮沸することにより、残存する還元糖を分解した。不溶物を濾過して除去した後、イオン交換樹脂『ダイヤイオンPK218』と『ダイヤイオンWA30』(いずれも三菱化学製)を用いて脱色、脱塩し、さらに、カチオン交換樹脂『ダイヤイオンSK−1B』(三菱化学製)とアニオン交換樹脂『IRA411』(オルガノ製)で再度脱塩し、活性炭で脱色し、精密濾過した後、エバポレータで濃縮し凍結真空乾燥して固形物として約45.8gの糖質粉末を得た。
得られた糖質の組成を、高速液体クロマトグラフィー法(以下、「HPLC」と略称する。)にて調べた。HPLCは2種類の方法で行った。それぞれの分析条件を下記に示した。
<HPLC条件A>
カラム:『エムシーアイゲル(MCI GEL)CK04SS』
(三菱化学株式会社製造、内径10mm×長さ200mm)
上記カラムを2本直列につないで用いた。
溶離液:水 カラム温度:80℃ 流速:0.4ml/分
検出:示差屈折計『RI−8012』(東ソー株式会社製造)
<HPLC条件B>
カラム:『オーディーエスエイキュー(ODS−AQ)AQ−303』
(株式会社ワイエムシィ製造、内径4.6mm×長さ250mm)
溶離液:水 カラム温度:40℃ 流速:0.5ml/分
検出:示差屈折計『RI−8012』(東ソー株式会社製造)
上記の糖質粉末の、HPLC条件A及びBのHPLCにおけるクロマトグラムをそれぞれ図1及び図2に示した。
調製した糖質粉末は、HPLC条件A(図1)において溶出時間41.1分、43.7分及び62.3分にそれぞれ六糖、五糖及び四糖(環状四糖)に相当するピークを示した。(以下、本明細書では、HPLC条件Aにおける溶出時間43.7分の糖質を「糖質1」、溶出時間41.1分の糖質を「糖質2」と呼称する。)また、後記する逆相カラムを用いた分取HPLCにおける糖質成分の分離を確認する目的で行ったHPLC条件B(図2)では、溶出時間10.9分、20.8分及び36.6分にそれぞれ四糖(環状四糖)、「糖質1」、「糖質2」に相当するピークを示した。
「糖質1」及び「糖質2」の精製を、まず逆相カラムを用いた分取HPLCにて行った。分取HPLC条件を下記に示す。
<分取HPLC条件>
カラム:『オーディーエスエイキュー(ODS−AQ)R355−15AQ』
(株式会社ワイエムシィ製造、内径50mm×長さ500mm)
溶離液:水 カラム温度:25℃ 流速:30ml/分
検出:示差屈折計『ERC−7530』(エルマ光学株式会社製造)
試料チャージ量:8.8g/回、計5回
本分取HPLCにおいて環状四糖、「糖質1」及び「糖質2」は溶出時間約33分、90分および185分に溶出した。分取HPLCにより得た「糖質1」部分精製標品及び「糖質2」部分精製標品中の目的糖質の純度をHPLC条件Aで分析したところ、それぞれ62.9%及び68.3%であった。
上記で得た「糖質1」及び「糖質2」の部分精製標品は、さらに上記HPLC条件Aと同じHPLCを行い分取・精製した。分取HPLCの結果、純度99.1%の「糖質1」精製標品を30.7mg及び純度94.0%の「糖質2」精製標品を14.5mg得た。「糖質1」精製標品及び「糖質2」精製標品の、HPLC条件Aにおけるクロマトグラムをそれぞれ図3及び図4に示した。
得られた「糖質1」及び「糖質2」精製標品の還元力をソモギー・ネルソン法でそれぞれ測定したところ、いずれも還元力は検出限界以下であり、これら糖質は実質的に非還元性糖質であると判断された。
<実験2:「糖質1」の構造解析>
<実験2−1:質量分析>
実験1で得た「糖質1」精製標品について、質量分析装置『LCQ Advantage』(サーモエレクトロン社製)を用いてエレクトロスプレーイオン化法による質量分析(通称「ESI−MS」)したところ、質量数833のナトリウム付加分子イオンが顕著に検出され、本糖質の質量数が810であることが判明した。
<実験2−2:構成糖分析>
実験1で得た「糖質1」精製標品について、常法に従って、硫酸を用いて単糖にまで加水分解し、ガスクロマトグラフィー法で構成糖を調べたところ、D−グルコースのみが検出され、構成糖はD−グルコースであることが判明した。上述の質量数を考慮すると、「糖質1」はD−グルコース5分子からなる環状糖質であることがわかった。
<実験2−3:メチル化分析>
実験1で得た「糖質1」精製標品について、常法に従ってメチル化した後、酸により加水分解し、続いて還元、アセチル化して得られた部分メチル化物をガスクロマトグラフィー分析に供した。結果を表1にまとめた。
Figure 0004363967
表1の結果から明らかなように、2,3,6−トリメチル化物、2,4,6−トリメチル化物および2,3,4−トリメチル化物が約1対2対2の比率で認められたことから、本発明の「糖質1」を構成するD−グルコース5分子のうち、1分子は1位と4位で、2分子は1位と3位で、また、2分子は1位と6位でそれぞれグルコシド結合していることが判明した。
<実験2−4:核磁気共鳴分析>
実験1で得た「糖質1」精製標品について、常法に従って、核磁気共鳴(NMR)分析を行った。H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、H−H相関分光(通称、「H−H COSY」)スペクトル、13C−H相関分光(通称、「13C−H COSY」)スペクトル及びロングレンジ13C−H相関分光(通称、「HMBC」)スペクトルをそれぞれ図5乃至図9に示した。また、これらNMRスペクトルに基づき本糖質の13C−NMRスペクトルにおける各炭素の化学シフト値の帰属を行なった。結果を表2に示した。
Figure 0004363967
以上の分析データから「糖質1」を、図10に示す環状五糖、すなわちサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される環状五糖と決定した。この構造を有する糖質はこれまで全く知られておらず、本発明の環状五糖は新規な環状糖質である。
<実験3:「糖質2」の構造解析>
<実験3−1:質量分析>
実験1で得た「糖質2」精製標品について、実験2−1に記載した方法で質量分析を行ったところ、質量数995のナトリウム付加分子イオンが顕著に検出され、本糖質の質量数が972であることが判明した。
<実験3−2:構成糖分析>
実験1で得た「糖質2」精製標品について、実験2−2に記載した方法で構成糖を調べたところ、D−グルコースのみが検出され、構成糖はD−グルコースであることが判明した。上述の質量数を考慮すると、「糖質2」はD−グルコース6分子からなる環状糖質であることがわかった。
<実験3−3:メチル化分析>
実験1で得た「糖質2」精製標品について、実験2−3に記載した方法でメチル化分析を行いガスクロマトグラフィー法で部分メチル化物を調べた。結果を表3にまとめた。
Figure 0004363967
表3から明らかなように、2,3,4,6−テトラメチル化物、2,3,6−トリメチル化物、2,4,6−トリメチル化物、2,3,4−トリメチル化物及び2,4−ジメチル−化物が約1対1対1対2対1の比率で認められたことから、本発明の「糖質2」を構成するD−グルコース6分子のうち、1分子は1位のみで、1分子は1位と4位で、1分子は1位と3位で、2分子は1位と6位で、また、1分子は1位と3位と6位でそれぞれグルコシド結合していることが判明した。
<実験3−4:核磁気共鳴分析>
実験1で得た「糖質2」精製標品について、実験2−4に記載した方法で核磁気共鳴(NMR)分析を行った。H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、H−H相関分光(「H−H COSY」)スペクトル及び13C−H相関分光(「13C−H COSY」)スペクトルをそれぞれ図11乃至図14に示した。また、これらNMRスペクトルに基づき本糖質の13C−NMRスペクトルにおける各炭素の化学シフト値の帰属を行なった。結果を表4に示した。
Figure 0004363967
以上の分析データおよび「糖質1」のスペクトルとの比較により「糖質2」は、図15に示す構造を有するグルコシル環状五糖すなわちサイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される六糖であることが判明した。本糖質は環状五糖のグルコシル誘導体の1種であり、環状五糖と同様に新規な糖質である。
<実験4:急性毒性試験>
実験1の方法で得た環状五糖及びグルコシル環状五糖を、それぞれマウスに経口投与して急性毒性試験を行なった。その結果、環状五糖及びグルコシル環状五糖はいずれも低毒性の物質で、投与可能な最大投与量においても死亡例は認められず、そのLD50値は、5g/kgマウス体重以上であった。
以下、本発明の環状五糖及びそのグリコシル誘導体の製造方法を実施例1乃至3で、環状五糖及びそれを含む糖質を含有せしめた組成物を実施例4乃至14で示す。
<環状五糖及びグルコシル環状五糖含有シラップ>
バチルス グロビスポルスC11(FERM BP−7144)を特許文献3の実験6に開示した方法に準じてファーメンターで48時間培養した。培養後、SF膜を用いて除菌濾過し、約18Lの培養濾液を回収し、さらにその濾液をUF膜濃縮し、α−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素を9.0単位/mlとα−イソマルトシル転移酵素を30.2単位/mlとを含む濃縮酵素液約1Lを回収した。タピオカ澱粉を濃度約25質量%の澱粉乳とし、これにα−アミラーゼ(商品名『ネオスピターゼ』、ナガセ生化学工業株式会社製)を澱粉当たり0.2質量%加え、85乃至90℃で約20分間反応させ、次いで120℃で20分間オートクレーブし、さらに約35℃に急冷してDE約4の澱粉液化液を得た。これに上記の方法で調製したα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素とα−イソマルトシル転移酵素とを含む濃縮酵素液を澱粉固形分1グラム当たり0.25mlの割合になるよう加え、さらにシクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ(株式会社林原生物化学研究所製造)を澱粉固形物1グラム当たり10単位になるように加え、pH6.0、温度35℃で48時間反応させた。この反応液を95℃で30分間保った後、pH5.0、温度50℃に調整し、α−グルコシダーゼ剤(商品名『トランスグルコシダーゼ L「アマノ」』、天野エンザイム株式会社製)を固形物1グラム当たり8,000単位とグルコアミラーゼ剤(商品名『グルコチーム』、ナガセ生化学工業株式会社製)を固形物1グラム当たり1,000単位加え、24時間反応させ、続いて水酸化ナトリウムでpHを12に調整し、2時間煮沸して残存する還元糖を分解した。反応液を冷却し、不溶物を濾過して得られる濾液を、常法に従って活性炭で脱色し、H型及びOH型イオン交換樹脂により脱塩して精製し、さらに濃縮して濃度18%の環状四糖及び環状五糖含有シラップを固形分収率45.8%で得た。本シラップは、固形物当たり、環状四糖99.10%、グルコシル環状四糖を0.11%、環状五糖を0.45%、グルコシル環状五糖を0.34%含有していた。
上記で得た環状四糖及び環状五糖含有シラップ24kgを、イオン交換樹脂(商品名『アンバーライトCR−1310』、Na型、オルガノ製造、樹脂量約225L)を充填したカラム(内径13.5cm×長さ160cmのカラムを10本直列に連結)を用いてイオン交換クロマトグラフィーに4回に分けて供した。移動相には水(流速45L/時間)を用い、カラム温度は60℃とした。カラムからの溶出液を分画し、環状五糖及びグルコシル環状五糖を比較的多く含む画分を回収した。クロマトグラフィー4回分の回収画分を合一し、再度上記イオン交換クロマトグラフィーに供し、上記と同様に環状五糖及びグルコシル環状五糖を比較的多く含む画分を採取した。採取した画分を常法に従って脱色、濾過、濃縮して固形分濃度約20%の環状五糖及びグルコシル環状五糖含有シラップ100gを得た。この糖液は、全糖あたり、環状五糖を35.8%、グルコシル環状五糖を27.1%、環状四糖を19.8%、グルコシル環状四糖を含む他の糖質を17.3%の割合で含んでいた。本品は、飲食物、飼料・餌料、化粧品、医薬品などの諸種の分野の製品に配合する素材として有利に利用できる。
<環状五糖高含有粉末>
実施例1の方法で得た環状五糖及びグルコシル環状五糖含有シラップ50gを、実験1で用いた逆相分取HPLCに2回に分けて供した。カラムからの溶出液を分画し、環状四糖及びグルコシル環状五糖を全く含まず、且つ、グルコシル環状四糖の大部分が除去された画分を回収した。クロマトグラフィー2回分の回収画分を常法に従って、濃縮、乾燥、粉砕して環状五糖高含有粉末3.5gを得た。本品は、固形物当たり、環状五糖88.1%及びグルコシル環状四糖を8.6%、その他の糖質を3.3%含有していた。本品は、飲食物、飼料・餌料、化粧品、医薬品などの諸種の分野の製品に配合する素材として有利に利用できる。
<環状五糖のグリコシル誘導体含有シラップ>
実験1の方法で得た環状五糖1質量部とα−サイクロデキストリン(株式会社林原生物化学研究所製造)1質量部を50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)3質量部に溶解し、バチルス ステアロサーモフィラスのCGTase(株式会社林原生物化学研究所製造)をα−サイクロデキストリン1g当たり10単位加えて50℃で24時間反応させ、その後、反応液を20分間煮沸して酵素を失活させた。この反応液に50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)350gを加え、さらに大豆粉(昭和株式会社製)をβ−アミラーゼ剤としてα−サイクロデキストリンの始発添加量1g当たり100単位加え、40℃で24時間反応させ、その後、反応液を20分間煮沸して酵素を失活させた。酵素失活後の反応液を膜濾過した後、カチオン交換樹脂(商品名『ダイヤイオンPK218』三菱化学工業株式会社製造)とアニオン交換樹脂(商品名『IRA411』、オルガノ株式会社製造)を用いて脱塩し、エバポレーターにて濃縮し、固形物濃度約50%のシラップを得た。本品をHPLC分析にかけたところ、糖転移により生成したと考えられる糖質のピークが約8種類認められた。本品は、環状五糖のグリコシル誘導体を合わせて約74%含有するシラップであり、飲食物、飼料・餌料、化粧品、医薬品などの諸種の分野の製品に配合する素材として有利に利用できる。
<甘味料>
実施例2の方法で得た環状五糖高含有粉末0.8質量部に、トレハロース含水結晶(株式会社林原商事販売、登録商標『トレハ』)0.2質量部、α−グリコシルステビオシド(東洋精糖株式会社販売、商品名『αGスィート』)0.01質量部、およびL−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(商品名『アスパルテーム』)0.01質量部を均一に混合し、顆粒成型機にかけて顆粒状甘味料を得た。本品は、甘味の質が優れ、蔗糖の約2倍の甘味度を有している。本品のカロリーは、環状五糖が難消化性、難発酵性で実質的に無乃至低カロリーである。しかも、室温保存下、変質劣化の懸念も無く安定である。従って、本品は、高品質の低カロリー甘味料として好適である。
<ハードキャンディー>
濃度55%蔗糖溶液100質量部に実施例2の方法で得た環状五糖高含有粉末50質量部を加熱混合し、次いで減圧下で水分2質量%未満になるまで加熱濃縮し、これにクエン酸0.6質量部および適量のレモン香料と着色料とを混和し、常法に従って成型し、製品を得た。本品は歯切れ、呈味、風味とも良好で、蔗糖の晶出も起こさず、吸湿性少なく、ダレも起こさない安定で高品質のハードキャンディーである。
<チューイングガム>
ガムベース3質量部を柔らかくなる程度に加熱溶融し、これに無水マルチトール2質量部、キシリトール2質量部、実験1の方法で調製し、乾燥、粉末化して得た環状五糖粉末2質量部、およびトレハロース含水結晶1質量部とを加え、更に適量の香料と着色料とを混合し、常法に従って、ロールにより練り合わせ、成型、包装して製品を得た。本品は、テクスチャー、呈味、風味良好で、低う蝕性、低カロリーのチューイングガムとして好適である。
<加糖練乳>
原乳100質量部に実施例2の方法で得た環状五糖高含有粉末4質量部および蔗糖2重量を溶解し、プレートヒーターで加熱殺菌し、次いで濃度70%に濃縮し、無菌状態で缶詰して製品を得た。本品は、温和な甘味で風味も良く、フルーツ、コーヒー、ココア、紅茶などの調味用に有利に利用できる。
<乳酸菌飲料>
脱脂粉乳175質量部、実施例1の方法で得た環状五糖及びグルコシル環状五糖含有シラップ100質量部およびラクトスクロース高含有粉末(株式会社林原商事販売、登録商標『乳果オリゴ』)を水1、500質量部に溶解し、65℃で30分間殺菌し、40℃に冷却後、これに、常法に従って、乳酸菌のスターターを30質量部植菌し、37℃で8時間培養して乳酸菌飲料を得た。本品は、風味良好で、オリゴ糖、環状五糖を含有し、乳酸菌を安定に保つだけでなく、ビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用を有する乳酸菌飲料として好適である。
<カスタードクリーム>
コーンスターチ100質量部、実施例2の方法で得た環状五糖高含有粉末100質量部、トレハロース含水結晶60質量部、蔗糖40質量部、および食塩1質量部を充分に混合し、鶏卵280質量部を加えて攪拌し、これに沸騰した牛乳1、000質量部を徐々に加え、更に火にかけて攪拌を続け、コーンスターチが完全に糊化して全体が半透明になった時に火を止め、これを冷却して適量のバニラ香料を加え、計量、充填、包装して製品を得た。本品は、なめらかな光沢を有し、風味良好で、澱粉の老化も抑制され、高品質のカスタードクリームである。
<あん>
原料あずき10質量部に、常法に従って、水を加えて煮沸し、渋切り、あく抜きし、水溶性夾雑物を除去して、あずきつぶあん約21質量部を得た。この生あんに蔗糖14質量部、実施例2の方法で得た環状五糖高含有粉末5質量部と水4質量部を加えて煮沸し、これに少量のサラダオイルを加えてつぶあんを壊さないように練り上げ、製品のあんを約35質量部得た。本品は、色焼け、離水もなく安定で、舌触り、風味良好で、あんパン、まんじゅう、団子、最中、氷菓などの製菓材料として好適である。
<粉末ペプチド>
40%食品用大豆ペプチド溶液(不二製油株式会社販売、商品名『ハイニュートS』)1質量部に、実施例1の方法で得た環状五糖及びグルコシル環状五糖含有シラップ4質量部を混合し、プラスチック製バットに入れ、50℃で減圧乾燥し、粉砕して粉末ペプチドを得た。本品は風味良好で、プレミックス、冷菓などの低カロリー製菓材料として有用であるのみならず、経口流動食、経管流動食のための難消化性の食物繊維、整腸剤としても有用である。
<化粧用クリーム>
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール2質量部、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン5質量部、実験1の方法で調製し、乾燥、粉末化して得た環状五糖粉末2質量部、α−グルコシル ルチン(株式会社林原販売、商品名αGルチン)1質量部、流動パラフィン1質量部、トリオクタン酸グリセリン10質量部および防腐剤の適量を常法に従って加熱溶解し、これにL−乳酸2質量部、1、3−ブチレングリコール5質量部および精製水66質量部を加え、ホモゲナイザーにかけ乳化し、更に香料の適量を加えて攪拌混合し、化粧用クリームを製造した。本品は、抗酸化性を有し、安定性は高く、高品質の日焼け止め、美肌剤、色白剤などとして有利に利用できる。
<練歯磨>
第二リン酸カルシウム45質量部、ラウリル硫酸ナトリウム1.5質量部、グリセリン25質量部、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート0.5質量部、実施例2の方法で得た環状五糖高含有粉末10質量部、サッカリン0.02質量部を水18質量部と混合して練歯磨を得た。本品は、界面活性剤の洗浄力を落とすことなく、嫌味を改良し、使用後感も良好である。
<錠剤>
実験1の方法で調製し、乾燥、粉末化して得た環状五糖粉末14質量部と、アスピリン50質量部、及びコーンスターチ4質量部を充分に混合した後、常法に従って打錠機により打錠して厚さ5.25mm、1錠680mgの錠剤を製造した。本品は、環状五糖の賦形性を利用したもので、物理的強度も充分にあり、しかも水中での崩壊はきわめて良好である。
本発明によれば、サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される新規環状糖質、すなわち、環状五糖とそのグリコシル誘導体を提供することが可能となる。これら本発明の糖質は非還元性であることから、アミノ化合物との間でアミノカルボニル反応(メイラード反応)を起こして褐変することなく、また、環状糖質であることから、包接能を有しており、包接した化合物の揮散を抑制し、安定化することが期待できる。新たな環状五糖及びそのグリコシル誘導体の提供を可能とする本発明は、飲食物、化粧品、医薬品など種々の利用分野に貢献することとなり、その産業的意義はきわめて大きい。
HPLC条件AにおけるHPLC溶出パタ−ンを示す図である。 HPLC条件BにおけるHPLC溶出パタ−ンを示す図である。 「糖質1」精製標品のHPLC溶出パタ−ンを示す図である。 「糖質2」精製標品のHPLC溶出パタ−ンを示す図である。 「糖質1」精製標品の核磁気共鳴スペクトル(H−NMRスペクトル)を示す図である。 「糖質1」精製標品の核磁気共鳴スペクトル(13C−NMRスペクトル)を示す図である。 「糖質1」精製標品の核磁気共鳴スペクトル(H−H COSYスペクトル)を示す図である。 「糖質1」精製標品の核磁気共鳴スペクトル(H−13C COSYスペクトル)を示す図である。 「糖質1」精製標品の核磁気共鳴スペクトル(HMBCスペクトル)を示す図である。 「糖質1」の構造を示す図である。 「糖質2」精製標品の核磁気共鳴スペクトル(H−NMRスペクトル)を示す図である。 「糖質2」精製標品の核磁気共鳴スペクトル(13C−NMRスペクトル)を示す図である。 「糖質2」精製標品の核磁気共鳴スペクトル(H−H COSYスペクトル)を示す図である。 「糖質2」精製標品の核磁気共鳴スペクトル(H−13C COSYスペクトル)を示す図である。 「糖質2」の構造を示す図である。
符号の説明
a:1位と6位がα−グルコシド結合しているグルコース残基
b:1位と4位がα−グルコシド結合しているグルコース残基
c:1位と3位がα−グルコシド結合しているグルコース残基
(図15では1位、3位及び6位がα−グルコシド結合しているグルコース残基)
d:1位と6位がα−グルコシド結合しているグルコース残基
e:1位と3位がα−グルコシド結合しているグルコース残基
f:1位がα−グルコシド結合しているグルコース残基

Claims (10)

  1. サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される環状五糖。
  2. 請求項1記載の環状五糖に更に他の糖質が結合した構造を有する環状五糖のグリコシル誘導体。
  3. 他の糖質が、グルコースである請求項2記載の環状五糖のグリコシル誘導体。
  4. サイクロ{→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−α−D−グルコピラノシル−(1→6)−α−D−グルコピラノシル−(1→3)−[α−D−グルコピラノシル−(1→6)]−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−α−D−グルコピラノシル−(1→}で表される請求項3記載の環状五糖のグリコシル誘導体。
  5. 請求項1記載の環状五糖及び/又は請求項2乃至4のいずれかに記載の環状五糖のグリコシル誘導体を含んでなる糖組成物。
  6. シラップ、非晶質粉末及び非晶質固状物のいずれかの形態にある請求項5記載の糖組成物。
  7. 請求項5又は6記載の糖組成物を含有せしめた飲食物。
  8. 請求項5又は6記載の糖組成物を含有せしめた飼料・餌料。
  9. 請求項5又は6記載の糖組成物を含有せしめた化粧品。
  10. 請求項5又は6記載の糖組成物を含有せしめた医薬品。
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