JP5667968B2 - 走査プローブ顕微鏡およびこれを用いた試料の観察方法 - Google Patents

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Description

本発明は、走査プローブ顕微鏡技術および、これを用いた試料観察方法に関する。
微細立体形状の計測技術として走査プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Pr
obe Microscope)が知られている。その中でも原子間力顕微鏡(AFM:
Atomic Force Microscope)は、先端のとがった探針を制御して
接触力を非常に小さな値に保ちながら試料表面を走査する観察技術であり、原子オーダの
微細立体形状が計測できる技術として、広く用いられている。しかし、この原子間力顕微
鏡は試料表面の反射率分布や屈折率分布といった光学的性質を測定することはできない。
一方、45nmノード以降の極微細半導体デバイスでは、高速化のために歪シリコンの
適用が予定されており、微小領域における応力分布の測定が歩留まり管理上不可欠とされ
る。また、さらなる微細化のためには、不純物原子の分布状況をナノメートルオーダの分
解能できめ細かく管理することが要求されている。応力分布や不純物分布などの物性情報
は、原子間力顕微鏡や寸法管理に用いられているCD−SEM(測長SEM)では測定不
可能である。ラマン分光計測法等の光学的手法の検討がされているが、通常のラマン分光
顕微鏡では空間分解能が不足している。
また、異物検査や欠陥検査で検出された異物や欠陥の発生要因を特定するため、レビュ
ーSEMと呼ばれる電子顕微鏡で異物や欠陥の分類作業が行われているが、形状や凹凸情
報のみに頼る手法のため、分類性能に限界がきている。こちらも、光学情報を付加するこ
とにより分類性能の向上が期待できるが、やはり通常の光学顕微鏡やレーザ走査顕微鏡で
は空間分解能が不足している。
これらの課題を解決し、試料表面の光学的性質や物性情報を高分解能で測定する手段と
して、近接場走査顕微鏡(SNOM:Scanning Near−field Opt
ical Microscope)が知られる。この顕微鏡は、非特許文献1に開示され
ているように、数十nmの微小開口から漏れる近接場光を、開口と試料との間隙を同じく
数十nmに保ったままで走査することにより(開口プローブ)、光の回折限界を超えて開
口と同じ大きさの数十nmの分解能で、試料表面の反射率分布や屈折率分布といった光学
的性質を測定するものである。同様の手法として、非特許文献2には、金属探針に外部か
ら光を照射して、探針の微小先端部で散乱した数十nmの大きさの近接場光を走査する(
散乱プローブ)方法も開示されている。
また、微小スポット光により金ナノ粒子2aに励起させた表面プラズモンが、金ナノ粒
子間を次々に伝搬していくことが非特許文献3に記載されている。
また、特許文献1には、ファイバ先端に微小な球形レンズを形成して微小スポット光を
形成する方法が開示されている。
公表特許公報:特表2006−515682号公報
Japanese Journal of Applied Physics,Vol.31,pp.L1302−L1304(1992) Optics Letters,Vol.19,pp.159−161(1994) 分光研究、第54巻、第4号、pp.225〜237(2005)
しかし、上記した近接場走査顕微鏡は測定分解能が数十nmオーダであり、nmオーダ
の分解能を有する原子間力顕微鏡や電子顕微鏡に比べ一桁以上分解能が不足している。ま
た測定の再現性が極めて低いという工業応用にとっては致命的ともいえる問題も抱えてい
る。すなわち、上記の方法のうち、開口プローブを用いる方法では、開口を安定に形成す
ることが極めて困難であり、実用上数十nmが限界とされている。また、試料上を走査す
る際にプローブが試料に衝突して開口が損傷したり磨耗し、次第に開口が広がってしまい
、測定画像の再現性が低下してしまう。
一方、金属探針を用いる散乱プローブは、開口プローブに比べ分解能が高いとされるが
、外部照明光が探針の根元や試料表面で散乱して背景雑音となったり、開口プローブと同
様、試料上を走査する際にプローブが試料に衝突して先端部が損傷あるいは磨耗して、測
定分解能が低下し十分な再現性が得られないという課題を有していた。
また、ファイバ先端に微小な球形レンズを形成する方法も原理的に分解能は数十nmオ
ーダ以上であり、さらに試料上を走査する際に球形レンズが試料に衝突して損傷したり磨
耗し、次第にスポット光が大きくなりその形状が劣化し、測定画像の再現性が低下してし
まう。
そこで本発明では、プローブと試料の双方にダメージを与えることなく、ナノメートル
オーダの分解能でかつ高い再現性で、試料表面の光学情報及び凹凸情報を測定することを
可能とする走査プローブ顕微鏡を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、半導体試料の応力分布や不純物分布などの物性情報や、異
物や欠陥の分類に寄与する光学情報や凹凸情報をナノメートルオーダの分解能で測定し、
製造プロセス条件にフィードバックすることで、信頼性の高い半導体デバイスの高歩留ま
り生産を実現することにある。
上記目的を達成するために、本発明では走査プローブ顕微鏡を、レーザー光の照射により一端にあるナノ粒子にプラズモンが励起され、ナノチューブで形成された測定探針と、前記測定探針を支持するカンチレバーと、前記カンチレバーを駆動して前記測定探針を検査対象試料に対して相対的に走査する駆動部と、前記測定探針にあるナノ粒子からナノ粒子に伝搬し、前記測定探針の他端にあるナノ粒子が発したプラズモンと前記検査対象試料表面との相互作用で発生した近接場光を検出する近接場光検出光学系とを備えて構成した。
そして、更に、変位検出光学系手段でカンチレバーの変形を検出して得た信号を処理し
て検査対象試料表面の原子間力顕微鏡画像(AFM画像)を作成するAFM画像作成手段
を備えて構成した。
また、本発明では、走査プローブ顕微鏡を用いた試料の観察方法においてナノチューブで形成された測定探針を支持するカンチレバーを駆動して前記測定探針を検査対象試料に対して相対的に走査し、レーザー光を照射して、前記測定探針の一端にあるナノ粒子にプラズモン励起させ、前記測定探針にあるナノ粒子からナノ粒子に伝搬し、前記測定探針の他端にあるナノ粒子が発したプラズモンと前記検査対象試料表面との相互作用により近接場光を発生させ、発生させた近接場光を検出するようにした。
そして、更に、カンチレバーの変形を光学的に検出して得た信号を処理して検査対象試
料表面の原子間力顕微鏡画像(AFM画像)も作成するようにした。
本発明によれば、プローブと試料の双方にダメージを与えることなく、ナノメートルオ
ーダの分解能でかつ高い再現性で、試料表面の光学情報や凹凸情報の測定が可能になる。
その結果、半導体試料の応力分布や不純物分布などの物性情報の測定が可能になり、また
異物や欠陥の分類に寄与する光学情報や凹凸情報を測定できるので異物・欠陥分類性能が
向上する。さらに、これらの測定結果を半導体製造プロセス条件にフィードバックするこ
とで、信頼性の高い半導体デバイスの高歩留まり生産が可能になるという効果を奏する。
実施例1におけるプラズモン増強近接場プローブの正面の断面図である。 プラズモン増強近接場プローブにおける、金ナノ粒子の配列の様子を示す概略図である。 実施例1におけるプラズモン増強近接場プローブの変形例におけるプローブの正面の断面図である。 実施例1における結合光学系200の変形例におけるプラズモン増強近接場プローブとプラズモン励起を示す断面図である。 実施例2におけるプラズモン増強近接場プローブの正面の断面図である。 実施例2におけるプラズモン増強近接場プローブの変形例におけるプローブの正面の断面図である。 実施例3におけるプラズモン増強近接場プローブの正面の断面図である。 実施例1における走査プローブ顕微鏡の概略の構成を示すブロック図である。 偏光板の偏光軸を示す概略図である。 ナノチューブのステップイン走査を示す試料断面及びカンチレバーの斜視図である。 ナノチューブ−試料間接触力と近接場光の測定タイミングとの関係を示すグラフである。 実施例1の検出光学系4000の変形例1における走査プローブ顕微鏡の概略の構成を示すブロック図である。 実施例1の検出光学系4000の変形例2における走査プローブ顕微鏡の概略の構成を示すブロック図である。 各種材料と各光源波長に対する反射光強度の組み合わせデータを示す概略図である。 実施例1の検出光学系4000の変形例2における走査プローブ顕微鏡をコンタクトホールなどの深穴底の残膜検出に適用した例を示す深穴の断面とプラズモン増強近接場プローブの正面の断面図である。 実施例2における走査プローブ顕微鏡の概略の構成を示すブロック図である。 実施例3における走査プローブ顕微鏡の概略の構成を示すブロック図である。 実施例3の変形例における走査プローブ顕微鏡の概略の構成を示すブロック図である。 実施例2及び3の変形例における走査プローブ顕微鏡の概略の構成を示すブロック図である。 実施例1乃至3における試料表面を計測する手順を示すフロー図である。 金の球形ナノ粒子を充填し下端部を円錐状としたプラズモン増強近接場プローブの下端部における近接場光の2次元強度分布とその断面プロファイルである。 金の球形ナノ粒子を充填し下端部を円錐状としたプラズモン増強近接場プローブの下端部、下端部から0.333nm、0.666nm、及び1nm離れた位置における近接場光の2次元強度分布とその断面プロファイルである。 実施例4におけるナノチューブを長手方向(Z方向)に微小振動させる様子を示すプローブの正面の断面図である。 実施例5におけるプラズモン増強近接場プローブの正面の断面図である。
金属の微粒子に光を照射すると金属内の自由電子が集団的に振動する表面プラズモンが
発生し、照射した光により金属粒子の表面に発生するエバネッセント光がこの表面プラズ
モンとカップリングしてプラズモン共鳴を起こし、光吸収を起こすと共に局所的に著しく
増強された電場を発生することが知られている。そして、この局所的に著しく増強された
電場は隣接する金属微粒子に作用して、この隣接する金属微粒子にもプラズモン共鳴を発
生させる。本発明は、このようにプラズモン共鳴が金属微粒子間を伝達する現象を利用し
てプローブを作成し、試料表面の光学的状態を観察、または計測するものである。
本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。
本発明の第1の実施例を、図1、図2、及び図8〜図11に基づいて説明する。本実施
例では、図1に示すように、半導体としての性質を持たせた多層構造カーボンナノチュー
ブ(CNT:Carbon anoube)1、あるいは絶縁体としての性質を示す
ボロンナイトライド(BN)ナノチューブ1の内部空洞部分に金(Au)の球形ナノ粒子
2を充填しプラズモン増強近接場プローブを構成する。充填方法は、例えば高圧電流印加
や加熱により両端を開放したナノチューブ1と金ナノ粒子2を真空室内に入れて、加熱反
応させることにより、毛細管現象を応用することにより、金ナノ粒子2をナノチューブ1
内部に包含させることが可能である。この毛細管現象を応用することについては、例えば
、web上(http://www1.accsnet.ne.jp/~kentaro/yuuki/nanotube/nanotube2.html)で公
開されているような技術を応用することができる。
本実施例では、ナノチューブの外径は20nm、空洞部分の内径は4nm、長さは測定
する対象物の形状に応じて数10nm乃至数μmの範囲で設定した。金ナノ粒子2の直径
は4nmである。ここで、プラズモンを発生させる限界の金属粒子径が1nm以上であると
されており、金ナノ粒子の直径が1nm以上であれば本発明の目的を達成できる。本実施例
においては、比較的安定して製造が可能な金ナノ粒子径の限界として4nmにした。しかし
、本発明では、金ナノ粒子の直径を4nmに限定するものではなく、1nm〜20nm程度
の範囲の範囲の直径であれば、本発明の目的は達成できる。この場合、金ナノ粒子の直径
に応じてナノチューブの外径も変える必要が有る。また、以下の実施例では金属粒子とし
て金を用いた場合について説明するが、他の種類の金属であっても同様な効果を得ること
ができる。
このプローブを、例えば電子ビーム照射によりタングステン(W)をバインダとして絶
縁体保持部4a及び4bに溶融固着させる。そして、ナノチューブ上端部に露出した金ナ
ノ粒子2aに近接させた金ウェッジ13の上方から波長780nmのレーザ光5を照射す
る。金ウェッジ13の先端部13aと金ナノ粒子2aの間に励起されたプラズモン共鳴に
より、微小なスポット光が誘起される。この微小スポット光は、ナノチューブ上端部に露
出した金ナノ粒子2aに表面プラズモンを励起し、この表面プラズモンは、破線矢印6a
及び6bに示すように、ナノチューブ1内の隣接する金ナノ粒子2間を次々に伝搬してい
くことが非特許文献3に記載されている。その結果、ナノチューブ1の下端部の金ナノ粒
子2bから発したプラズモンは、試料10の表面構造と相互作用して強い共鳴現象を生じ
、微小な近接場光7を発生させる。
この近接場光7のスポット径は、金ナノ粒子2bが試料10に最接近した時に、金ナノ
粒子2bとほぼ同じ大きさの4nmとなる。すなわち、本プローブにより4nmの光学分
解能が得られ、この分解能で、例えば試料10の異なる反射率の領域11及び12を識別
することが可能になる。原子間力顕微鏡では、領域11及び12を識別することはできな
い。近接場光7の反射光は、同じ経路を通ってナノチューブの上方にプラズモン伝搬され
、ナノチューブ上端部に露出させた金ナノ粒子2aと金ウェッジ13の先端部13aとの
間でプラズモン共鳴が励起され、生じたる微小なスポット光は金ウェッジ13の先端部1
3aで散乱されて伝搬光に変換される。この伝搬光は後述する対物レンズ320で検出さ
れる。
金ナノ粒子2、2a、2bは、プラズモン伝搬効率を考慮すると、図2(a)に示すよ
うに、粒径dとほぼ同程度以下の間隔sを設けるほうが望ましい(非特許文献3参照)。
それが困難な場合は、図2(b)に示すように、金ナノ粒子2をSiO等の絶縁膜15
でコーティングして各金ナノ粒子間の間隔を確保する方法が考えられる。
図8に、本プローブを搭載した走査プローブ顕微鏡の構成を示す。走査プローブ顕微鏡
は、試料を載置してXYZの3次元方向に移動可能なステージ部1000と、ナノチュー
ブ1を駆動して試料を計測し、得られた信号を処理して画像を生成する計測部2000、
ナノチューブ1先端と試料との間に近接場光を発生させるための光を照射する照明光学系
3000、近接場光を検出して伝搬された光を集光して検出する検出光学系4000、、
試料上の被測定部を観察し位置決めするための試料モニタ光学系5000及び全体を制御
する制御部6000とを備えて構成される。
ステージ部1000は試料を載置してXYZの3次元方向に移動可能なXYZステージ
100とドライバ101とを備えている。試料10はXYZステージ100上に載置され
、ドライバ101で駆動されて検出光学系4000を介して試料モニタ光学系5000で
試料10の表面を観察しながら所望の測定位置に位置決めされる。
計測部2000は、ナノチューブ1を用いて試料を計測する結合光学系200とカンチ
レバー201、圧電素子アクチュエータ202、XYZ圧電素子アクチュエータ204、
カンチレバー201の背面にレーザ光(波長405nm)208を照射する半導体レーザ
206、カンチレバー201からの反射光を検出する4分割ポジションセンサ209、お
よび半導体レーザを制御する駆動回路207を備えている。
試料モニタ光学系5000は、図示していない駆動手段により検出光学系4000の光
路中に出し入れ可能なミラー5001と、結像レンズ330を透過してミラー5001で
反射された光の像を撮像する撮像カメラ5002を備えている。試料10を載置したXY
Zステージ100をドライバ101で駆動して試料10の所望の測定位置をプローブ1の
下に設定するときには、ミラー5001を図示していない駆動手段で駆動して検出光学系
4000の光路中に挿入して試料からの反射光の光路を撮像カメラ5002の方向に曲げ
、撮像カメラ5002で試料表面の光学像を観察する。試料10の所望の測定位置がプロ
ーブ1の下に位置決めされると、ミラー5001を図示していない駆動手段で駆動して検
出光学系4000の光路中から退避させる。
ナノチューブ1は、図1に示した絶縁体保持部4a、4b及び金ウェッジ13から成る
結合光学系200と共にカンチレバー201に固定される。このカンチレバー201はZ
方向に微小振動させるための圧電素子アクチュエータ202に固定され、さらにXYZ方
向に微動走査させるXYZ圧電素子アクチュエータ204に固定される。波長780nm
の半導体レーザ光源300から出射した光は、透過率:反射率=96:4のビームスプリ
ッタ302で2分割され、反射光303はホトダイオード等の光電変換素子304で受光
され電気信号に変換される。この信号は、制御部6000中の全体制御ユニット420に
送られ、半導体レーザ光源300からの出射光の強度変動のモニタに使われ、出射光の強
度が変動した場合には、半導体レーザ光源300の出力を制御して強度を一定にする。
照明光学系3000はレーザ光源300、ビームモニタ光学系3100、ビーム整形光
学系305、偏光板307、ビームスプリッタ310、対物レンズ320を備えて構成さ
れている。この構成において、レーザ光源300から発射されてビームモニタ光学系31
00のビームスプリッタ302を透過した光301は、ビーム整形光学系305でビーム
形状が円形の平行光306に変換され、さらに偏光板307を透過した後、ハーフミラー
で構成されるビームスプリッタ310に入射し、入射した光のうちの約半分がビームスプ
リッタ310で反射されて対物レンズ320で収束光5として計測部2000の結合光学
系200上に集光される。
計測部2000においては、上記に説明したように金ウェッジ13に入射した収束光5
により金ナノ粒子2aの表面プラズモン励起が発生し、反対側(プローブ先端)の金ナノ
粒子2bまで伝搬される。ナノチューブ1の下端部で金ナノ粒子2bから出射し試料10
で反射された近接場光7は、再びナノチューブ1内の同じ経路を逆方向にプラズモン伝搬
し、結合光学系200内の金ウェッジ13の先端部13aで散乱され伝搬光に変換される
。偏光板307は、図9に示すように、偏光軸308が放射状(半径方向)に形成されて
おり、金ウェッジ13に入射した収束光5の偏光方向を金ウェッジ13の長手方向と平行
になるように制御することにより、プラズモンの励起効率を向上させている。
この伝搬光を検出する検出光学系4000は、対物レンズ320、ハーフミラーを用い
たビームスプリッタ310、結像レンズ330および光電変換素子340を備えて構成さ
れている。
この検出光学系4000において、結合光学系200内の金ウェッジ13の先端部13
aで散乱され伝搬光を対物レンズ320で集光して平行光とした後、ハーフミラーを用い
たビームスプリッタ310を透過させ、結像レンズ330でホトダイオードや光電子増倍
管等の光電変換素子340の受光面上に集光し、光電変換する。
計測部2000の画像形成ユニット410では、光電変換素子340からの検出信号を
、圧電素子アクチュエータ202を駆動するドライバ203の制御信号とXYZ圧電素子
アクチュエータ204を駆動するドライバ205の制御信号とを生成する走査制御ユニッ
ト400からの制御信号を用いて処理して2次元近接場光画像を生成し、また4分割ポジ
ションセンサ209からの出力を圧電素子アクチュエータ202とXYZ圧電素子アクチ
ュエータ204とを駆動するドライバ203,205の制御信号を用いて処理してAFM
画像を生成する。
画像形成ユニット410で生成された2次元近接場光画像及びAFM画像は制御部60
00中の全体制御ユニット420に送られ、ディスプレイ等の出力ユニット430の出力
画面にそれぞれの画像が別々の画面に、又は、同じ画面上に表示される。
次に、光てこの原理を用いてカンチレバー201の先端部に固定されたプローブである
ナノチューブ1が試料10に接触しているときの接触力の求め方について説明する。
カンチレバー201の背面には、駆動回路207によって駆動された半導体レーザ206
からのレーザ光(波長405nm)208が照射され、その反射光が4分割ポジションセ
ンサ209で受光される。
ドライバ205でXYZ圧電素子アクチュエータ204を駆動してカンチレバー201
を下降させ、先端部に固定されたナノチューブ1を試料10に接触させる。この状態でカ
ンチレバー201を更に下降させると、カンチレバー201の傾きが変化してカンチレバ
ー201の背面に照射されているレーザの反射方向が変化し、4分割ポジションセンサ2
09上のレーザの入射位置が変化して4分割ポジションセンサ209からの出力信号が変
化する。この変化した信号を、予め求めておいた4分割ポジションセンサ209からの出
力信号とカンチレバー201の傾きとの関係に基づく接触力のデータと比較して、接触力
を求めることができる。
次に、試料の表面を計測する手順について、図20を用いて説明する。先ず、XYZステ
ージ100を駆動して試料10の測定領域をカンチレバー201の先端部に取り付けられ
たナノチューブ1の下部に位置させる(S2001)。次に、図10に示すように、試料
10の測定領域において、ナノチューブ1と試料表面との接触の状態(接触力)を4分割
ポジションセンサ209からの出力信号でモニタしながら、カンチレバー201をXYZ
圧電素子アクチュエータ204により下降させていき(Z方向走査501)(S2002
)、所定の設定接触力になった時点で下降を停止する(S2003)。
下降点502において近接場光の測定を行った後(S2004)、カンチレバー201
を上昇させ(Z方向走査503)(S2005)、4分割ポジションセンサ209からの
出力信号に基づいて、ナノチューブ1が完全に試料10から離脱したならば(S2006
)、測定領域の計測が終了したか否かを判定し(S2607)、終了していない場合には
XYZ圧電素子アクチュエータ204を駆動してカンチレバー201を次の測定点に移動
させる(X走査504)(S2009)。X走査における移動量(送りピッチ)は、観察
において必要とする分解能に応じて決められる。次の測定点において、再度カンチレバー
201を下降させ、近接場光の測定を行う(S2002〜S2006)。
以上の動作をステップイン動作と呼ぶ。このステップイン動作を、XYZ圧電素子アク
チュエータ204により2次元の測定領域(XY領域)に渡って繰り返し行った後、測定
を完了する(S2007)。ここで、上記2次元の測定領域を測定する方法は、テレビに
おけるラスタスキャンと同じように走査する。このときのY方向への送りピッチ(隣り合
う走査の間隔)は、観察において必要とする分解能に応じて決められる。
ドライバ205によって駆動されるXYZ圧電素子アクチュエータ204のXYZ方向
走査、ドライバ203によって駆動される圧電素子アクチュエータ202の振動制御、X
YZステージ100による試料10の位置決めは、計測部2000の走査制御ユニット4
00により統括制御され、またナノチューブ1と試料10との接触力の制御、及び近接場
光の測定は、総て制御部6000中の全体制御ユニット420により統括制御される。走
査制御ユニット400からXYZ圧電素子アクチュエータ204のXYZ走査信号が、ま
た全体制御ユニット420から近接場光測定信号が、各々画像形成ユニット410に送ら
れ、2次元近接場光画像及びAFM画像が生成されて、全体制御ユニット420を介して
ディスプレイ等の出力ユニット430に出力される(S2008)。
ナノチューブ−試料間接触力と近接場光の測定タイミングとの関係を、図11に示す。
図11(a)の接触力変化曲線510に示すように、ナノチューブ1が上昇して試料10
から退避するに従い、接触力は押し込み方向から引き込み方向に以降し、試料から離脱す
る瞬間に引き込み力は最大となる。離脱後、次の測定点に移動し再び試料に接近する間は
、接触力をまったく受けない状態となる。ナノチューブ1が再び接近し始め、試料10に
接触した瞬間に押し込み方向の力が加わり、設定接触力に達した時点で、カンチレバー1
は下降を停止する。
一方、図11(b)の検出光強度曲線520に示すように、ナノチューブ1が上昇して試料10から退避するに従い、近接場光検出強度は徐々に低下し、試料から離脱した後退避動作から接近動作に変化する瞬間T時点で最小値Iとなる。その後、ナノチューブ1が再び接近し始め、金ナノ粒子2bが試料10に接触した瞬間に近接場光検出強度は最大値Iとなり、設定接触力が維持される間は、この強度Iは維持される。接触している任意の時間Tでの最大値Iと最小値Iとの差分ΔI=I−Iを測定点における反射光強度として、全体制御ユニット420に記憶する。以上の動作を2次元の測定領域に渡って繰り返し行うことにより、2次元領域の試料表面の反射率分布を金ナノ粒子径4nmとほぼ同じ光学分解能で測定することが可能となる。設定接触力は1nN以下、好ましくは、サブnN〜pNで実行することが望ましい。
尚、本実施例では、カンチレバー201のZ方向への微小振動は行わず、設定接触力と
なるための下降及び上昇動作のみとした。但し、接触力の検知は、上記光てこ方式に限定
されるものではなく、圧電素子アクチュエータ202によりカンチレバーをサブナノメー
トルオーダの振幅、MHzオーダの周波数でZ方向に微小振動させ、振動振幅あるいは振
動周波数の変化から、検知することも可能である。
図1及び図11に示すように、本実施例によれば、AFM画像と近接場光画像の同時取
得が可能であるばかりでなく、ナノチューブ1の下端部に露出した金ナノ粒子2bと試料
10との間でスポット径4nmの近接場光7を常に安定に発生させることができ、さらに
このナノチューブ1を低接触力で試料10に接触させた、すなわち金ナノ粒子2bが試料
10に接触した瞬間の近接場光7を検出することにより、近接場光の安定検出が可能とな
る。その結果、2次元近接場光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上さ
せることが可能となる。
図1(b)に、ナノチューブ8の下端部の形状を円錐状とした例を示す。例えば、多層
構造カーボンナノチューブの両端に電圧を印加し、印加電圧を大きくしていくと、やがて
電流は飽和域に至る。さらに印加電圧を大きくすると、電流が階段状に減少し、ナノチュ
ーブは外層から一枚ずつはがされ細くなっていき、最終的にナノチューブ中央で切断され
る。このプロセスにより、ナノチューブ先端部を先鋭化させることができる。すなわち、
図1(a)に示すナノチューブ1のように、下端部が円筒形状の場合は、円筒直径20n
mよりも微細な凹凸構造への最接近が困難であるが、図1(b)に示した例のように、下
端部を円錐形状とすることにより、4nm程度の微細な凹凸構造への最接近が可能となり
、このオーダの微細構造の2次元近接場光画像の検出が可能となる。
[プラズモン増強近接場プローブの変形例]
プラズモン増強近接場プローブの変形例を、図3(a)に基づいて説明する。第1の実
施例では、ナノチューブ内部に充填した金ナノ粒子を介してプラズモンを伝搬させる構成
としたが、本変形例では、図3(a)に示すように、直径4nmの金(Au)のナノロッ
ド9を介してプラズモン伝搬させる。すなわち、外径は20nmのナノチューブ1の内径
4nmの空洞部分に、直径4nmの金(Au)のナノロッド9充填する。充填方法は、例
えば高圧電流印加や加熱により両端を開放したナノチューブ1と金ナノ粒子2を真空室内
に入れて、加熱反応させることにより、毛細管現象を応用することにより、金ナノ粒子2
をナノチューブ1内部に包含させることが可能である。この毛細管現象を応用することに
ついては、例えば、web上(http://www1.accsnet.ne.jp/~kentaro/yuuki/nanotube/nanot
ube2.html)で公開されているような技術を応用することができる。
このプローブを絶縁体保持部4a及び4bに固定し、ナノチューブ上端部に露出した金
ナノロッド9の先端部9aに近接させた金ウェッジ13の上方から波長780nmのレー
ザ光5を照射する。金ウェッジ13の先端部13aと金ナノロッド9の先端部9aの間に
励起されたプラズモン共鳴により、微小なスポット光が誘起される。この微小スポット光
は、さらにナノチューブ上端部に露出した金ナノロッド9の先端部9aに表面プラズモン
を励起し、この表面プラズモンは、破線矢印6a及び6bに示すように、ナノチューブ1
内の金ナノロッド9を伝搬していく(非特許文献3参照)。その結果、ナノチューブ1の
下端部に露出した金ナノロッド9の先端部9bから発したプラズモンは、試料10の表面
構造と相互作用して強い共鳴現象を生じ、微小な近接場光7を発生させる。この近接場光
7のスポット径は、ナノチューブ1が試料10に最接近した、すなわち金ナノロッド9の
先端部9bが試料10に接触した時に、金ナノロッド9の先端部9bとほぼ同じ大きさの
4nmとなる。
すなわち、本プローブにより4nmの光学分解能が得られ、この分解能で、例えば試料
10の異なる反射率の領域11及び12を識別することが可能になる。本実施例によれば
、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能であるばかりでなく、ナノチューブ1の下
端部に露出した金ナノロッド9の先端部9bと試料10との間でスポット径4nmの近接
場光7を常に安定に発生させることができ、さらにこのナノチューブ1を低接触力で試料
に接触させた、すなわち金ナノロッド9の先端部9bが試料10に接触した瞬間の近接場
光7を検出することにより、近接場光の安定検出が可能となる。その結果、2次元近接場
光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させることが可能となる。
図3(b)に、ナノチューブ8の下端部の形状を円錐状とした例を示す。すなわち、図
3(a)に示す第1の変形例におけるナノチューブ1のように、下端部が円筒形状の場合
は、円筒直径20nmよりも微細な凹凸構造への最接近が困難であるが、図3(b)に示
した例のように、下端部を円錐形状とすることにより、4nm程度の微細な凹凸構造への
最接近が可能となり、このオーダの微細構造の2次元近接場光画像の検出が可能となる。
[結合光学系200の変形例]
結合光学系200の変形例を、図4に基づいて説明する。図4は、本実施例におけるプ
ラズモン増強近接場プローブの構成を示したものである。ナノチューブの構成とその機能
は、図1(b)にした例と同様である。第1の実施例及び第1の変形例では、ナノチュー
ブ1、8の上端部に露出した金ナノ粒子2あるいは金ナノロッド9の先端部に近接させた
金ウェッジ13の上方から波長780nmのレーザ光5を照射し、金ウェッジ13と金ナ
ノ粒子2あるいは金ナノロッド9の先端部の間に励起されたプラズモン共鳴により、微小
なスポット光を誘起し、その微小スポット光により金ナノ粒子2あるいは金ナノロッド9
の先端部に表面プラズモンを励起した。
これに対し、本変形例では、図4に示すように、合成石英などの誘電体基板20の下面
に金(Au)の薄膜21を三角形状にパターニングし、その頂点の一つ21aをナノチュ
ーブ8の上端部に露出した金ナノ粒子2aに近接させ、上方から波長780nmのレーザ
光30を集光して照射する。金パターン21の頂点21aと金ナノ粒子2aとの間に励起
されたプラズモン共鳴により、微小な近接場スポット光31が誘起され、この微小スポッ
ト光31は、さらに金ナノ粒子2aに表面プラズモンを励起し、この表面プラズモンは、
破線矢印6bに示すように、ナノチューブ8内の金ナノ粒子2から金ナノ粒子2へと次々
に伝搬していく。
その結果、ナノチューブ1の下端部の金ナノ粒子2bから発したプラズモンは、試料1
0の表面構造と相互作用して強い共鳴現象を生じ、微小な近接場光7を発生させる。この
近接場光7のスポット径は、ナノチューブ1が試料10に最接近した時に、金ナノ粒子2
bとほぼ同じ大きさの4nmとなる。すなわち、本プローブにより4nmの光学分解能が
得られ、この分解能で、例えば試料10の異なる反射率の領域11及び12を識別するこ
とが可能になる。
本変形例によれば、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能であるばかりでなく、
ナノチューブ8の下端部の金ナノ粒子2bと試料10との間でスポット径4nmの近接場
光7を常に安定に発生させることができ、さらにこのナノチューブ8を低接触力で試料に
接触させた、すなわち金ナノロッド9の先端部9bが試料10に接触した瞬間の近接場光
7を検出することにより、近接場光の安定検出が可能となる。その結果、2次元近接場光
画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させることが可能となる。
[検出光学系4000の変形例1]
本発明の検出光学系4000の第1の変形例を、図12に基づいて説明する。図12は
、本実施例における走査プローブ顕微鏡の構成を示したものである。本走査プローブ顕微
鏡の基本構成とその機能は、図8に示した実施例における走査プローブ顕微鏡と同様であ
るが、近接場光の検出部分に分光器611を配置した点が異なる。すなわち、ナノチュー
ブ1、8の下端部で出射し試料10で反射された近接場光7は、再び同じ経路をプラズモ
ン伝搬し、結像レンズ330で分光器611の入射面に、ミラー610を介して集光され
る。
分光器611では、全体制御ユニット420からの制御信号に基づき、伝搬光の中から
所望の波長の光が選択されて、ホトダイオードや光電子増倍管等の光電変換素子612の
受光面上に集光され、光電変換される。この検出信号は全体制御ユニット420に送られ
、特定波長の2次元近接場光画像が形成される。図8に示した実施例及びその変形例では
、入射レーザ光の波長と同一の波長を検出していたのに対し、本変形例では、入射レーザ
光から波長シフトした近接場光を検出することが可能である。例えば、歪シリコンを用い
た半導体素子の微小場の応力分布を、ラマン分光を応用してナノメートルの分解能で画像
化することが可能である。その場合、ナノチューブ8の接触によって試料自身に微弱な変
形が生じラマンシフトが発生しないよう、ナノチューブ8と資料10間の接触力はサブn
N〜pNオーダ以下に設定するのが望ましい。
また、半導体レーザ300の代わりに、ブロードな波長帯域を有するLED等の光源を
用いれば、波長帯域内の任意の波長の2次元近接場光画像の検出も可能である。また、分
光器611を、CCD1次元センサ等のアレイセンサを用いた全波長一括検出タイプのも
のに変更すれば、2次元近接場分光画像を得ることができ、ナノメートル分解能で試料1
0の分光分析が可能となる。
図8に示した実施例及びその変形例と同様、本変形例によれば、AFM画像と近接場光
画像の同時取得が可能であるばかりでなく、近接場光7を常に安定に発生させることがで
き、また近接場光の安定検出が可能となる。その結果、2次元近接場光画像の分解能が向
上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させることが可能となる。
[検出光学系4000の変形例2]
検出光学系4000の第2の変形例を、図13(a)に基づいて説明する。図13(a
)では、光源620に波長630nm、520nm、430nm近傍の3色の光を発する
白色レーザ620を用い、近接場光の検出部分に色分離フィルタ625r、625g、6
24bを配置した。光源620から出射したレーザによりナノチューブ1または8と試料
との間に近接場光を発生させてプローブ1又は8を介して対物レンズ320、ビームスプ
リッタ310を透過して結像レンズ330に達するまでは、図8を用いて説明した実施例
と同じである。対物レンズ330に達した光は、ミラー610を介して結像レンズ330
で集光された後、リレーレンズ615で平行光となり、さらにダイクロイックミラー62
1(波長600nm以上は透過、それ以下は反射)と干渉フィルタ625r(透過中心波
長630nm)により、波長630nmの光が抽出される。この光は集光レンズ631に
より、ホトダイオードや光電子増倍管等の光電変換素子641の受光面上に集光され、光
電変換される。
ダイクロイックミラー621で反射された光は、ダイクロイックミラー622(波長4
80nm以上は反射、それ以下は透過)と干渉フィルタ625g(透過中心波長520n
m)により、波長520nmの光が抽出される。この光は集光レンズ632により、ホト
ダイオードや光電子増倍管等の光電変換素子642の受光面上に集光され、光電変換され
る。ダイクロイックミラー622を透過した光は、ミラー623で反射された後、干渉フ
ィルタ625b(透過中心波長430nm)により、波長430nmの光が抽出される。
この光は集光レンズ633により、ホトダイオードや光電子増倍管等の光電変換素子64
3の受光面上に集光され、光電変換される。
3波長の検出信号は全体制御ユニット420に送られ、3波長の2次元近接場光画像が
形成される。また、この3波長信号を合成することにより、ナノメートル分解能のカラー
画像を生成することも可能である。本実施例により、例えば、現在SEM(Scanni
ng Electron Microscope)を用いて、モノクロ画像のみから欠陥
分類を行っている半導体用欠陥レビューを、ナノメートル分解能のAFM画像とカラー画
像にて実行することが可能となり、欠陥分類精度が格段に向上する。
本変形例によれば、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能であるばかりでなく、
近接場光7を常に安定に発生させることができ、また近接場光の安定検出が可能となる。
その結果、2次元近接場光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させる
ことが可能となる。
図13(b)には、図13(a)に示した構成に図14の表441に示す半導体材料−分光反射率データセットを格納したメモリユニット440を更に備えた構成を示す。すなわち、図14に示すように、半導体製造に使用されるSiやSiOなどの各種材料と各光源波長λ=630nm、λ=520nm、λ=430nmに対する反射光強度の組み合わせデータ(I11、I21、I31)、(I12、I22、I32)、(I13、I23、I33)・・・・を予めメモリユニット440に格納しておき、得られた3波長の検出光強度を表441に照合することにより、試料10を構成する材料の判別をナノメートル分解能で実行できる。もちろん、波長は3波長に限定されるものではなく、4波長、5波長と増やすことにより、材料分析精度は向上する。
図15は、本変形例における走査プローブ顕微鏡をコンタクトホールなどの深穴底の残
膜検出に適用した例を示すものである。直径30nm程度のコンタクトホール501の内
部にナノチューブ1又は8を挿入し、穴底に低接触力で接触した瞬間の分光信号を取得し
、その分光信号を予めメモリユニット440に格納しておいた膜厚と分光強度との関係に
照合することにより、残膜502の有無及びその材質情報を得ることができる。
本変形例によれば、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能であるばかりでなく、近
接場光7を常に安定に発生させることができ、また近接場光の安定検出が可能となる。そ
の結果、2次元近接場光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させるこ
とが可能となる。
本発明の第2の実施例を、図5(a)及び図16に基づいて説明する。図5(a)は、
本実施例におけるプラズモン増強近接場プローブの構成を示したものである。ナノチュー
ブの材質は第1の実施例と同様、半導体としての性質を持たせた多層構造カーボンナノチ
ューブ40、あるいは絶縁体としての性質を示すボロンナイトライドナノチューブ40で
ある。第1の実施例及びその変形例では、両端が開放したナノチューブを用いたが、本実
施例では両端が閉じたナノチューブ40を用い、下端部に化学修飾等により金ナノ粒子2
bを固定する。ナノチューブ40を降下させてこの金ナノ粒子2bを試料10に近接させ
た状態で、波長780nmのレーザ光50a、50bを照射すると、金ナノ粒子2bは試
料10の表面構造と相互作用して強い共鳴現象を生じ、微小な近接場光7を発生させる。
この近接場光7のスポット径は、金ナノ粒子2bが試料10に最接近した時に、金ナノ粒
子2bとほぼ同じ大きさの4nmとなる。すなわち、本プローブにより4nmの光学分解
能が得られ、この分解能で、例えば試料10の異なる反射率の領域11及び12を識別す
ることが可能になる。
図16に、本プローブを搭載した走査プローブ顕微鏡の構成を示す。試料10はXYZ
ステージ100上に載置され、ドライバ101で駆動されて所望の測定位置に位置決めさ
れる。ナノチューブ40はカンチレバー201に固定される。このカンチレバー201は
Z方向に微小振動させるための圧電素子アクチュエータ202に固定され、さらにXYZ
方向に微動走査させるXYZ圧電素子アクチュエータ204に固定される。波長780n
mの半導体レーザ300から出射した光は、透過率:反射率=96:4のビームスプリッ
タ302で2分割され、反射光303はホトダイオード等の光電変換素子304で受光さ
れ電気信号に変換される。この信号は、全体制御ユニット420に送られ、半導体レーザ
300からの出射光の強度変動の補正に用いられる。
ビームスプリッタ302を透過した光301は、ビーム整形光学系305でビーム形状
が円形の平行光306に変換され、さらに偏光板307を透過した後、ビームスプリッタ
315のリング状の反射領域316aで反射され、対物レンズ325により輪帯照明光5
0a、50bとして、ナノチューブ40の下端部の金ナノ粒子2bを斜め上方から集光し
て照射する。試料10の表面構造と相互作用した近接場光7は、金ナノ粒子2bで散乱さ
れて伝搬光に変換される。この伝搬光は対物レンズ325で集光された後、平行光317
となり、ビームスプリッタ315の透過領域316bを透過し、結像レンズ330でホト
ダイオードや光電子増倍管等の光電変換素子340の受光面上に集光され、光電変換され
る。この検出信号は全体制御ユニット420に送られる。偏光板307は、図9に示すよ
うに、偏光軸308が放射状(半径方向)に形成されており、輪帯照明光50a、50b
の偏光方向をナノチューブ40の長手方向と平行になるように制御することにより、プラ
ズモンの励起効率を向上させている。
カンチレバー201の背面には、駆動回路207によって駆動された半導体レーザ20
6からのレーザ光(波長405nm)が照射され、その反射光が4分割ポジションセンサ
209で受光される。図10に示すように、試料10の測定領域において、ナノチューブ
40と試料表面との接触力を4分割ポジションセンサ209からの出力信号でモニタしな
がら、カンチレバー201をXYZ圧電素子アクチュエータ204により下降させていき
(Z方向走査501)、所定の設定接触力になった時点で下降を停止する。下降点502
において近接場光の測定を行った後、カンチレバー201を上昇させ(Z方向走査503
)、4分割ポジションセンサ209からの出力信号に基づいて、ナノチューブ1が完全に
試料10から離脱したならば、XYZ圧電素子アクチュエータ204によりカンチレバー
201を次の測定点に移動させる(X走査504)。
次の測定点において、再度カンチレバー201を下降させ、近接場光の測定を行う。以
上の動作を、XYZ圧電素子アクチュエータ204により2次元の測定領域(XY領域)
に渡って繰り返し行った後、測定を完了する。ドライバ205によって駆動されるXYZ
圧電素子アクチュエータ204のXYZ方向走査、ドライバ203によって駆動される圧
電素子アクチュエータ202の振動制御、XYZステージ100による試料10の位置決
めは、走査制御ユニット400により統括制御され、またナノチューブ1と試料10との
接触力の制御、及び近接場光の測定は、総て全体制御ユニット420により統括制御され
る。走査制御ユニット400からXYZ圧電素子アクチュエータ204のXYZ走査信号
が、また全体制御ユニット420から近接場光測定信号が、各々画像形成ユニット410
に送られ、2次元近接場光画像及びAFM画像が生成されて、全体制御ユニット420を
介してディスプレイ等の出力ユニット430に出力される。
ナノチューブ−試料間接触力と近接場光の測定タイミングとの関係は、図11に示す通
りであり第1の実施例と全く同じであるので、説明を省略する。但し、本実施例では、図
8を用いて説明した実施例のようにナノチューブ内部を経由してプラズモン励起するので
はなく、ナノチューブ40の外部から金ナノ粒子2bを照明するため、試料10表面で反
射、散乱した照明光自身が迷光として検出光に混入する恐れがある。その場合には、ドラ
イバ203によって圧電素子アクチュエータ202を駆動し、カンチレバー201をZ方
向に一定周波数fで微小振動させ、近接場光7に強度変調をかける。一定周波数fの駆動
信号を参照信号として、ロックインアンプ450で光電変換素子340の検出信号から周
波数fの成分のみを抽出することにより、近接場光7の情報を感度よく検出することが可
能である。ロックインアンプ450からの出力信号は全体制御ユニット420に送られる
。以降の処理は前述の通りである。
図5(b)はナノチューブ41の下端部の形状を円錐状とした構成を示す。すなわち、
図5(a)にしたナノチューブ40のように、下端部が概球形状の場合は、円筒直径20
nmよりも微細な凹凸構造への最接近が困難であるが、図5(b)のように、下端部を円
錐形状とすることにより、4nm程度の微細な凹凸構造への最接近が可能となり、このオ
ーダの微細構造の2次元近接場光画像の検出が可能となる。
本実施例によれば、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能であるばかりでなく、
近接場光7を常に安定に発生させることができ、また近接場光の安定検出が可能となる。
その結果、2次元近接場光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させる
ことが可能となる。
[プラズモン増強近接場プローブの変形例]
本発明の第2の実施例におけるプラズモン増強近接場プローブの変形例を、図6(a)
に基づいて説明する。図6(a)は、本実施例におけるプラズモン増強近接場プローブの
構成を示したものである。ナノチューブの材質は第1の実施例と同様、半導体としての性
質を持たせた多層構造カーボンナノチューブ1、あるいは絶縁体としての性質を示すボロ
ンナイトライドナノチューブ1である。また、このプローブを搭載する走査プローブ顕微
鏡の構成とその機能は、図16に示すものと同様である。
本ナノチューブ1は第1の実施例と同様、両端が開放しているが、金ナノ粒子2bは下
端部近傍のみに充填されており、プローブ作製プロセスの簡易化が図られる。ナノチュー
ブ1を降下させて、下端部に露出した金ナノ粒子2bを試料10に近接させた状態で、波
長780nmのレーザ光50a、50bを照射すると、金ナノ粒子2bは試料10の表面
構造と相互作用して強い共鳴現象を生じ、微小な近接場光7を発生させる。この近接場光
7のスポット径は、金ナノ粒子2bが試料10に最接近した時に、金ナノ粒子2bとほぼ
同じ大きさの4nmとなる。すなわち、本プローブにより4nmの光学分解能が得られ、
この分解能で、例えば試料10の異なる反射率の領域11及び12を識別することが可能
になる。画像検出の方法は、第2の実施例で説明した図16に示した構成を用いた方法と
同様であるので、説明を省略する。
図6(b)には、ナノチューブ8の下端部の形状を円錐状とした構成を示す。すなわち
、図6(a)に示したナノチューブ1のように、下端部が円筒形状の場合は、円筒直径2
0nmよりも微細な凹凸構造への最接近が困難であるが、本実施例のように、下端部を円
錐形状とすることにより、4nm程度の微細な凹凸構造への最接近が可能となり、このオ
ーダの微細構造の2次元近接場光画像の検出が可能となる。
本変形例によれば、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能であるばかりでなく、
近接場光7を常に安定に発生させることができ、また近接場光の安定検出が可能となる。
その結果、2次元近接場光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させる
ことが可能となる。
本発明の第3の実施例を、図7及び図17に基づいて説明する。図7は、本実施例にお
けるプラズモン増強近接場プローブの構成を示したものである。ナノチューブの材質は図
31(b)に示した実施例と同様、半導体としての性質を持たせた多層構造カーボンナノ
チューブ8、あるいは絶縁体としての性質を示すボロンナイトライドナノチューブ8であ
る。また、その構成は図31(b)に示したものとまったく同様である。
図17に本プローブを搭載した走査プローブ顕微鏡の構成を示す。光学系以外の構成と
機能は、図8に示す第1の実施例における走査プローブ顕微鏡と同様であるので、説明を
省略する。波長780nmの半導体レーザ300から出射した光は、透過率:反射率=9
6:4のビームスプリッタ302で2分割され、反射光303はホトダイオード等の光電
変換素子304で受光され電気信号に変換される。この信号は、全体制御ユニット420
に送られ、半導体レーザ300からの出射光の強度変動の補正に用いられる。
ビームスプリッタ302を透過した光301は、ビーム整形光学系305でビーム形状
が円形の平行光306に変換され、さらに偏光板307を透過した後、ビームスプリッタ
315のリング状の反射領域316aで反射され、対物レンズ325により輪帯照明光5
0a、50bとして、ナノチューブ40の下端部の金ナノ粒子2bを斜め上方から集光し
て照射する。
図7(a)に示すように、試料10の表面構造と相互作用した近接場光7は、金ナノ粒
子2bに表面プラズモンを励起し、この表面プラズモンは破線矢印60a、60bに示す
ように、ナノチューブ8内の金ナノ粒子2から金ナノ粒子2へと次々に伝搬していく。そ
の結果、ナノチューブ8の上端部の金ナノ粒子2aから発したプラズモンは、結合光学系
200内の金ウェッジ13の先端部13aと相互作用して強い共鳴現象を生じ、微小な近
接場光を発生させる。同時に、この近接場光は金ウェッジ13の先端部13aで散乱され
伝搬光70に変換される。この伝搬光70は対物レンズ325で集光された後、概平行光
となり、ビームスプリッタ315の透過領域316bを透過し、結像レンズ330でホト
ダイオードや光電子増倍管等の光電変換素子340の受光面上に集光され、光電変換され
る。この検出信号は全体制御ユニット420に送られる。
偏光板307は、図9に示すように、偏光軸308が放射状(半径方向)に形成されて
おり、輪帯照明光50a、50bの偏光方向をナノチューブ40の長手方向と平行になる
ように制御することにより、プラズモンの励起効率を向上させている。光電変換素子34
0の直前、すなわち結合光学系200内の金ウェッジ13の先端部13aの結像位置には
、ピンホール板350が設置されており、金ウェッジ13の先端部13aで散乱された伝
搬光のみがピンホール351を通過し、焦点位置のずれた試料10表面で直接反射、散乱
した照明光50a、50bに起因する迷光は遮断される構成となっている。検出信号の処
理、画像生成方法は第1の実施例と同様であるので、説明を省略する。
図3に示す第2の実施例におけるナノチューブ8と同様、下端部を円錐形状とすること
により、4nm程度の微細な凹凸構造への最接近が可能となり、このオーダの微細構造の
2次元近接場光画像の検出が可能となる。本実施例によれば、AFM画像と近接場光画像
の同時取得が可能であるばかりでなく、近接場光7を常に安定に発生させることができ、
また近接場光の安定検出が可能となる。その結果、2次元近接場光画像の分解能が向上
し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させることが可能となる。
[第3の実施例の変形例]
第3の実施例の変形例を、図7(b)及び図18に基づいて説明する。図7(b)は、
本変形例におけるプラズモン増強近接場プローブの構成を示したものである。ナノチュー
ブの材質は図1(b)に示した第1の実施例と同様、半導体としての性質を持たせた多層
構造カーボンナノチューブ8、あるいは絶縁体としての性質を示すボロンナイトライドナ
ノチューブ8である。また、その構成は図1(b)に示した第1の実施例とまったく同様
であるので説明を省略する。
図18に本プローブを搭載した走査プローブ顕微鏡の構成を示す。光学系以外の構成と
機能は、図8に示した第1の実施例における走査プローブ顕微鏡と同様であるので、説明
を省略する。波長780nmの半導体レーザ300から出射した光は、透過率:反射率=
96:4のビームスプリッタ302で2分割され、反射光303はホトダイオード等の光
電変換素子304で受光され電気信号に変換される。この信号は、全体制御ユニット42
0に送られ、半導体レーザ300からの出射光の強度変動の補正に用いられる。
ビームスプリッタ302を透過した光301は、ビーム整形光学系305でビーム形状
が円形の平行光306に変換され、さらに偏光板307を透過した後、ビームスプリッタ
315のリング状の反射領域316aで反射され、対物レンズ325により輪帯照明光8
0a、80bとして、ナノチューブ8上端部に露出した金ナノ粒子2aに近接させた金ウ
ェッジ13(結合光学系200内)を概側方から照射する。
金ウェッジ13の先端部13aと金ナノ粒子2aの間に励起されたプラズモン共鳴によ
り、微小なスポット光が誘起される。この微小スポット光は、ナノチューブ8上端部に露
出した金ナノ粒子2aに表面プラズモンを励起し、この表面プラズモンは、破線矢印6a
及び6bに示すように、ナノチューブ8内の金ナノ粒子2から金ナノ粒子2へと次々に伝
搬していく。その結果、ナノチューブ8の下端部の金ナノ粒子2bから発したプラズモン
は、試料10の表面構造と相互作用して強い共鳴現象を生じ、微小な近接場光7を発生さ
せる。この近接場光7のスポット径は、金ナノ粒子2bが試料10に最接近した時に、金
ナノ粒子2bとほぼ同じ大きさの4nmとなる。
すなわち、本プローブにより4nmの光学分解能が得られ、この分解能で、例えば試料
10の異なる反射率の領域11及び12を識別することが可能になる。この近接場光7は
、試料10の表面構造及びナノチューブ8の下端部の金ナノ粒子2bで散乱され、伝搬光
90a及び90bに変換される。この伝搬光90a及び90bは対物レンズ325で集光
された後、概平行光となり、ビームスプリッタ315の透過領域316bを透過し、結像
レンズ330でホトダイオードや光電子増倍管等の光電変換素子340の受光面上に集光
され、光電変換される。この検出信号は全体制御ユニット420に送られる。
偏光板307は、図9に示すように、偏光軸308が放射状(半径方向)に形成されて
おり、金ウェッジ13に入射した輪帯照明光80a、80bの偏光方向を金ウェッジ13
の長手方向と平行になるように制御することにより、プラズモンの励起効率を向上させて
いる。光電変換素子340の直前、ナノチューブ8の下端部の金ナノ粒子2b(概試料1
0表面と一致)の結像位置には、ピンホール板350が設置されており、試料10表面か
らの4nmの近接場光情報のみがピンホール351を通過し、焦点位置のずれた結合光学
系200内の金ウェッジ13の先端部13aや金ナノ粒子2aからの散乱光などの迷光は
遮断される構成となっている。検出信号の処理、画像生成方法は第1の実施例と同様であ
るので、説明を省略する。本実施例では、金ウェッジ13によりプラズモン励起させてい
るが、図4に示した三角形状金パターン21を用いることも可能である。
図1(b)に示した第1の実施例におけるナノチューブ8と同様、下端部を円錐形状と
することにより、4nm程度の微細な凹凸構造への最接近が可能となり、このオーダの微
細構造の2次元近接場光画像の検出が可能となる。
本実施例によれば、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能であるばかりでなく、
近接場光7を常に安定に発生させることができ、また近接場光の安定検出が可能となる。
その結果、2次元近接場光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させる
ことが可能となる。
[第2及び第3の実施例における変形例]
第2及び第3の実施例における変形例を、図19に基づいて説明する。図19は、本実
施例におけるプラズモン増強近接場プローブを搭載した走査プローブ顕微鏡の構成を示し
たものである。本実施例において、プラズモン増強近接場プローブの構成は、図5(a)
,(b)及び図6(a),(b)に示すものと概ね同様であるが、ナノチューブ1、8、
40、41の下端部のナノ粒子2bを、これまでの実施例とは異なり、蛍光ナノ粒子66
0を用いる点が異なる。例えば、直径4nmのCdSe(コア)/ZnS(外殻)粒子な
どが適用可能である。
光学系以外の構成と機能は、図8に示した第1の実施例における走査プローブ顕微鏡と
同様であるので、説明を省略する。波長325nmのHd−Cdレーザ650から出射し
た光は、透過率:反射率=96:4のビームスプリッタ302で2分割され、反射光30
3はホトダイオード等の光電変換素子304で受光され電気信号に変換される。この信号
は、全体制御ユニット420に送られ、Hd−Cdレーザ650からの出射光の強度変動
の補正に用いられる。ビームスプリッタ302を透過した光301は、ビーム整形光学系
305でビーム形状が円形の平行光306に変換され、さらに偏光板307を透過した後
、ビームスプリッタ315のリング状の反射領域316aで反射され、対物レンズ325
により輪帯照明光50a、50bとして、ナノチューブ1、8、40、41の下端部の蛍
光ナノ粒子660を概側方から照射する。
ナノチューブ1、8、40、41の下端部の蛍光ナノ粒子660から発したプラズモン
は、試料10の表面構造と相互作用して強い共鳴現象を生じ、波長600nm近辺の微小
な蛍光近接場光7を発生させる。この蛍光近接場光7のスポット径は、蛍光ナノ粒子66
0が試料10に最接近した時に、蛍光ナノ粒子660とほぼ同じ大きさの4nmとなる。
すなわち、本プローブにより4nmの光学分解能が得られ、この分解能で、例えば試料1
0の異なる反射率の領域11及び12を識別することが可能になる。この近接場光7は、
試料10の表面構造及びナノチューブ1、8、40、41の下端部の蛍光ナノ粒子660
で散乱され、波長600nm近辺の蛍光伝搬光317に変換される。この伝搬光317は
対物レンズ325で集光された後、概平行光となり、ビームスプリッタ315の透過領域
316bを透過し、結像レンズ330でホトダイオードや光電子増倍管等の光電変換素子
340の受光面上に集光され、光電変換される。この検出信号は全体制御ユニット420
に送られる。
偏光板307は、図14に示すように、偏光軸308が放射状(半径方向)に形成され
ており、輪帯照明光50a、50bの偏光方向をナノチューブ1、8、40、41の長手
方向と平行になるように制御することにより、プラズモンの励起効率を向上させている。
光電変換素子340の直前には、波長600nm±10nmの透過帯域を有する干渉フィ
ルタ355が設置されており、波長600nm近辺の蛍光成分のみが抽出され、波長32
5nmの輪帯照明光50a、50bによる試料表面やナノチューブ自身での散乱光などが
遮断される構成となっている。
本実施例では、ナノメートルオーダの蛍光ナノ粒子からの蛍光近接場光だけを抽出する
ことにより、照明光自身の散乱による背景雑音を大幅に低減することが可能となり、ナノ
メートルオーダの微細構造の2次元近接場光画像の検出が可能となる。また、第1〜第1
4の実施例と同様、本実施例によれば、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能であ
るばかりでなく、近接場光7を常に安定に発生させることができ、また近接場光の安定検
出が可能となる。その結果、2次元近接場光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛
躍的に向上させることが可能となる。
尚、上記第1〜第3の実施例では、ナノ粒子あるいはナノロッドとして金ナノ粒子ある
いは金ナノロッドを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、プラズモン励起
、プラズモン伝搬の観点から効率の良い粒子、ロッドであれば、例えば銀やアルミニウム
などのナノ粒子、ナノロッドも適用可能である。またナノチューブも、多層構造カーボン
ナノチューブやボロンナイトライドナノチューブに限定されるものではなく、ナノメート
ルオーダ径の円筒形構造もしくはそれに類するものであり、上記ナノ粒子あるいはナノロ
ッドとの組み合わせによりプラズモン励起とプラズモン伝搬に好適な材質及び構成であれ
ば、他の材質、構造でも構わない。
本発明の第4の実施例を、図21〜図23に基づいて説明する。本実施例では、第1の
実施例と同様、図1(b)に示すように、ナノチューブ8の下端部の形状を円錐状とした
、半導体としての性質を持たせた多層構造カーボンナノチューブ(CNT:Carbon
anoube)1、あるいは絶縁体としての性質を示すボロンナイトライド(B
N)ナノチューブ1の内部空洞部分に金(Au)の球形ナノ粒子2を充填しプラズモン増
強近接場プローブを構成する。プラズモン増強近接場プローブの構成法とその機能は第1
の実施例と同様であるので、説明を省略する。また、本プローブを搭載した走査プローブ
顕微鏡の構成とその機能も、第1の実施例と同様、図8に示すものと全く同様であり、ま
た試料の表面を計測する手順も図11及び図20に示すものと全く同様であるので、説明
を省略する。
図21(a)は、図1(b)に示すプラズモン増強近接場プローブの上端部に、波長5
39nm、プローブの長手方向に偏光軸を有する双極子(点光源)を配置した時の、ナノ
チューブ8の下端部における近接場光7の2次元強度分布(37a)とその断面プロファ
イルを、FDTD法(Finite Difference Time Domain
method)により求めたものである。ナノチューブ8は多層構造カーボンナノチュ
ーブとし、金ナノ粒子の間隔s(図2(a)参照)は0とした。図21(b)に、比較のた
めに金ナノ粒子を充填しないナノチューブにおける近接場光7の2次元強度分布(37b
)とその断面プロファイルを示す。図21(a)に示すように、金ナノ粒子と同じ大きさ
の直径4nmの光スポットが形成されていることが判る。但し、この光スポットを詳細に
観察すると、図21(b)に示す金ナノ粒子を充填しない場合も含め、カーボンナノチュ
ーブの下端のエッジ部で電界が集中し、直径4nmのドーナツ状の発光分布が生じている
ことが判る。また、図21(a)の近接場光7の2次元強度分布(37a)の状態からわ
かるように、金粒子の中心に対応する位置にもより小さなドーナツ状の発光分布が生じて
いる。これらの分布がプローブを2次元走査して画像検出する際の雑音要因、あるいはア
ーチファクトになる可能性がある。
一方、図22には、同様にFDTD法により求めた、ナノチューブ8の下端部における
2次元強度分布38aとその断面プロファイル(図22(a))、下端部から0.333
nm離れた位置における2次元強度分布38bとその断面プロファイル(図22(b))
、下端部から0.666nm離れた位置における2次元強度分布38cとその断面プロフ
ァイル(図22(c))、及び下端部から1nm離れた位置における2次元強度分布38
dとその断面プロファイル(図22(d))を示す。ナノチューブ8の下端部から離れる
に従い、ドーナツ状の発光分布が平滑化され、図22(d)の1nm離れた位置では分布
はほとんど認められないことが判る。そこで、本実施例では、ナノチューブ8を固定した
カンチレバー201を搭載した走査プローブ顕微鏡において(図8参照)、圧電素子アク
チュエータ202により、図23に示すように、カンチレバー201を±0.5nmの範
囲で、矢印36で示したナノチューブ8の長手方向(Z方向)に微小振動させることによ
り、図22に示す各位置におけるドーナツ状の発光分布を平均化した状態で測定を行う。
例えば、図11において、時間Tにおける反射光強度測定時間を1msecとする。図
10に示すように、カンチレバー201をステップイン動作させつつ、カンチレバー20
1を周波数1MHz、振幅±0.5nmで微小振動させた状態で、検出光学系4000(
図8参照)の光電変換素子340で反射光を受光し、光電変換する。光電変換の周波数帯
域を振動周波数よりも低く、例えば10kHz程度にしておくことにより、図22(a)
〜(d)に示すような1nmのレンジ、すなわち±0.5nmの範囲で生じるドーナツ状の
発光分布が平均化されて、安定な直径4nmの光スポットが得られる。微小振動は、カン
チレバー201の背面に1MHzで強度変調したレーザ光を集光して、光熱変換により励
起することも可能である。また、本実施例は、上記第1〜第3の実施例と組み合わせるこ
とも可能である。
本実施例によれば、第1の実施例と同様、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能
であるばかりでなく、ナノチューブ1の下端部に露出した金ナノ粒子2bと試料10との
間でスポット径4nmの近接場光7を常に安定に発生させることができ、さらにこのナノ
チューブ8を低接触力で試料10に接触させた、すなわち金ナノ粒子2bが試料10に接
触した瞬間の近接場光7を検出することにより、近接場光の安定検出が可能となる。その
結果、2次元近接場光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させること
が可能となる。
本発明の第5の実施例を、図24に基づいて説明する。本実施例では、第1の実施例と同
様、図1(b)に示すように、ナノチューブ8の下端部の形状を円錐状とした、半導体と
しての性質を持たせた多層構造カーボンナノチューブ(CNT:Carbon
anoube)1、あるいは絶縁体としての性質を示すボロンナイトライド(BN)
ナノチューブ1の内部空洞部分に金(Au)の球形ナノ粒子2を充填しプラズモン増強近
接場プローブを構成する。プラズモン増強近接場プローブの構成法とその機能は第1の実
施例と同様であるので、説明を省略する。また、本プローブを搭載した走査プローブ顕微
鏡の構成とその機能も、第1の実施例と同様、図8に示すものと全く同様であり、また試
料の表面を計測する手順も図11及び図20に示すものと全く同様であるので、説明を省
略する。
本実施例では、図24に示すように、ナノチューブ8の先端部8tを例えば FIB (
Focused Ion Beam)加工などにより、鋭角から丸形状にすることにより
、電界集中を防ぎ、安定な直径4nmの光スポットを得る。本実施例は、上記第1〜第4
の実施例と組み合わせることも可能である。
本実施例によれば、第1の実施例と同様、AFM画像と近接場光画像の同時取得が可能
であるばかりでなく、ナノチューブ1の下端部に露出した金ナノ粒子2bと試料10との
間でスポット径4nmの近接場光7を常に安定に発生させることができ、さらにこのナノ
チューブ1を低接触力で試料10に接触させた、すなわち金ナノ粒子2bが試料10に接
触した瞬間の近接場光7を検出することにより、近接場光の安定検出が可能となる。その
結果、2次元近接場光画像の分解能が向上し、かつ画像再現性を飛躍的に向上させること
が可能となる。
尚、上記第4〜第5の実施例では、ナノ粒子あるいはナノロッドとして金ナノ粒子ある
いは金ナノロッドを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、プラズモン励起
とプラズモン伝搬の観点から効率の良い粒子、ロッドであれば、例えば銀や白金、アルミ
ニウムなどのナノ粒子、ナノロッドも適用可能である。またナノチューブも、多層構造カ
ーボンナノチューブやボロンナイトライドナノチューブに限定されるものではなく、ナノ
メートルオーダ径の円筒形構造もしくはそれに類するものであり、上記ナノ粒子あるいは
ナノロッドとの組み合わせによりプラズモン励起とプラズモン伝搬に好適な材質及び構成
であれば、他の材質、構造でも構わない。
また、上記第1〜第5の実施例では、ナノチューブの長さは測定する対象物の形状に応
じて数10nm乃至数μmの範囲で設定し、プラズモン励起波長は780nmとしたが、
本発明はこれに限定されるものではなく、プラズモン励起とプラズモン伝搬の観点から、
またナノテューブを共振器として考えたときの、効率の良い長さ、波長(共振波長)を用
いることが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、AFMとあわせてナノメートルオーダの光学分
解能を有する走査プローブ顕微鏡が実現できる。その結果、半導体試料の応力分布や不純
物分布などの物性情報の測定が可能になり、また異物や欠陥の分類に寄与する光学情報や
凹凸情報を測定できるので異物・欠陥分類性能が向上する。さらに、これらの測定結果を
半導体製造プロセス条件にフィードバックすることで、信頼性の高い半導体デバイスの高
歩留まり生産が可能になる。
1、8、40、41・・・ナノチューブ 2、2a、2b・・・金ナノ粒子 9・・
・金ナノロッド 10・・・試料 13・・・金ウェッジ 37a、37b、38
a、38b、38c、38d・・・近接場光の2次元強度分布 100・・・XYZス
テージ 200・・・結合光学系 201・・・カンチレバー 202・・・圧電
素子アクチュエータ 204・・・XYZ圧電素子アクチュエータ 206、300
・・・半導体レーザ 207・・・駆動回路 209・・・4分割ポジションセンサ
302、310、315・・・ビームスプリッタ 304、340、612、641
、642、643・・・光電変換素子 305・・・ビーム整形光学系 307・・
・偏光板 320、325・・・対物レンズ 330・・・結像レンズ 350・
・・ピンホール板 355・・・干渉フィルタ 400・・・走査制御ユニット
410・・・画像形成ユニット 420・・・全体制御ユニット 430・・・出力
ユニット 611・・・分光器 625r、625g、624b・・・色分離フィル
タ 631、632、633・・・集光レンズ 650・・・Hd−Cdレーザ
660・・・蛍光ナノ粒子 1000・・・ステージ部 2000・・・計測部
3000・・・照明光学系 3100・・・ビームモニタ光学系 4000・・・検
出光学系 5000・・・試料モニタ光学系 5001・・・ミラー 5002・
・・撮像カメラ 6000・・・制御部

Claims (8)

  1. レーザー光の照射により一端にあるナノ粒子にプラズモンが励起され、ナノチューブで形成された測定探針と、
    前記測定探針を支持するカンチレバーと、
    前記カンチレバーを駆動して前記測定探針を検査対象試料に対して相対的に走査する駆動部と、
    前記測定探針にあるナノ粒子からナノ粒子に伝搬し、前記測定探針の他端にあるナノ粒子が発したプラズモンと前記検査対象試料表面との相互作用で発生した近接場光を検出する近接場光検出光学系とを備えたことを特徴とする走査プローブ顕微鏡。
  2. 前記カンチレバーの走査信号から前記検査対象試料表面の原子間力顕微鏡画像(AFM画像)を作成するAFM画像作成手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の走査プローブ顕微鏡。
  3. 前記近接場光検出光学系で前記近接場光を検出して得た信号を処理して前記試料表面の近接場光画像を得る近接場光画像処理系を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査プローブ顕微鏡。
  4. 前記測定探針の一端に照射するレーザの偏光の状態を制御する偏光制御部を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の走査プローブ顕微鏡。
  5. ナノチューブで形成された測定探針を支持するカンチレバーを駆動して前記測定探針を検査対象試料に対して相対的に走査し、
    レーザー光を照射して、前記測定探針の一端にあるナノ粒子にプラズモン励起させ、
    前記測定探針にあるナノ粒子からナノ粒子に伝搬し、前記測定探針の他端にあるナノ粒子が発したプラズモンと前記検査対象試料表面との相互作用により近接場光を発生させ、
    発生させた近接場光を検出することを特徴とする走査プローブ顕微鏡を用いた試料の観察方法。
  6. 前記カンチレバーの走査信号から原子間力顕微鏡画像(AFM画像)を作成することを特徴とする請求項5記載の走査プローブ顕微鏡を用いた試料の観察方法。
  7. 近接場光を検出して得た信号を処理して前記試料表面の近接場光画像を得ることを特徴とする請求項5記載の走査プローブ顕微鏡を用いた試料の観察方法。
  8. 前記測定探針の一端に照射するレーザは、偏光の状態を制御されたレーザであることを特徴とする請求項5記載の走査プローブ顕微鏡を用いた試料の観察方法。
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