JP2003106977A - 近接場分光装置 - Google Patents

近接場分光装置

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JP2003106977A
JP2003106977A JP2001301989A JP2001301989A JP2003106977A JP 2003106977 A JP2003106977 A JP 2003106977A JP 2001301989 A JP2001301989 A JP 2001301989A JP 2001301989 A JP2001301989 A JP 2001301989A JP 2003106977 A JP2003106977 A JP 2003106977A
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Takahito Narita
貴人 成田
Fuminori Sato
文則 佐藤
Toru Sakamaki
徹 坂巻
Tsutomu Inoue
勉 井上
Shigeyuki Kimura
茂行 木村
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Jasco Corp
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Jasco Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、効率的に真のスペクトル情報を得
ることのできる近接場分光装置を提供することを目的と
する。 【解決手段】 試料24の近接場スペクトル情報を得る
際は該試料24とプローブ12先端を近接場25領域内
の所定距離に近接させ、バックグラウンドスペクトル情
報を得る際は近接場領25域外の所定距離に離隔させる
Z軸走査手段18,20と、近接場スペクトル情報より
バックグラウンドスペクトル情報を差し引き、該バック
グラウンドが除去された真の近接場スペクトル情報を得
る演算手段46と、を備え、該バックグラウンド情報取
得手段は試料24とプローブ12先端を近接場領域25
外の所定距離に離隔中に、対応する測定部位のバックグ
ラウンドスペクトル情報を得ることを特徴とする近接場
分光装置10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は近接場分光装置、特
に近接場分光におけるバックグラウンド補正に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般的な光学顕微鏡あるいは電子
顕微鏡とは異なる原理に基づく走査型近接場光学顕微鏡
が開発され、これは一般的な顕微鏡では困難であった光
の波長より小さなものを観察することができ、その応用
が期待されている。この走査型近接場光学顕微鏡は、い
わゆる近接場波を検出するものであり、例えば微小な試
料が平坦な基板の上に置かれており、該試料に基板裏面
から全反射が生じるような角度で光を入射させると、伝
搬光はすべて反射するが、基板及び試料表面付近には近
接場波と呼ばれる表面波が発生する。この表面波は試料
表面の周りの光の波長以内の距離の領域に局在してい
る。
【0003】そこで、先の鋭いプローブを近接場波の場
の中に差し込んで近接場波を散乱させ、その散乱光強度
を測定することによりプローブ先端と試料表面との距離
を規定することができる。したがって、前記散乱光の強
度が一定となるようにしつつプローブの走査を行うこと
により、該プローブ先端位置は試料表面の凹凸を的確に
反映するものとなる。しかも、プローブ先端は近接場波
の場に存在するのみであり、試料そのものには接触して
いないため、試料に対して非接触、非破壊でかつ光の波
長の値より小さいものを観察できるものである。
【0004】また最近では、この走査型近接場光学顕微
鏡に分光分析器等を接続することにより、前記試料測定
面の形状の把握と共に、試料とプローブ先端を近接場領
域内に近接させることにより散乱する近接場光を採取
し、採取された散乱光を分光し、スペクトル情報を得る
ことができるので、その成分等まで分析を行うことも可
能であり、各種の分野で応用が行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、試料の
各測定部位における高低情報、及び成分情報を同時取得
可能な近接場分光装置にあっても、スペクトル形状の精
度向上、測定の効率化等のより一層の向上が望まれてい
たものの、従来はこれを解決することのできる適切な技
術が存在しなかった。本発明は前記従来技術の課題に鑑
みなされたものであり、その目的は効率的に試料の真の
スペクトル情報を得ることのできる近接場分光装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らが近接場分光
におけるスペクトル形状の精度向上等について鋭意検討
を重ねた結果、その解決のかぎが近接場分光におけるバ
ックグラウンド除去、装置のドリフト等の影響を低減す
ることにあるとの知見に至った。
【0007】特に近接場分光では、散乱した近接場光を
採取ないしプローブ先端より近接場光をしみ出させるた
めに光ファイバプローブが多く用いられているが、この
光ファイバプローブに光が入ると、その発光によるバッ
クグラウンドがスペクトルに重なるため、試料のスペク
トル形状に精度低下が生じる。このため、所定の離隔距
離でのバックグラウンド情報を得、試料のスペクトルを
補正することにより、近接場分光におけるスペクトル形
状の精度向上が図られるとの知見に至った。
【0008】そして、このバックグラウンドの影響を効
率的に除去するためには、プローブ先端位置の、ある測
定部位への移動中に、つまりZ軸方向位置の変調時にバ
ックグラウンド情報を取得することが、例えば測定時間
の短縮化、装置のドリフトの影響の低減等の観点から好
ましいことを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、前記目的を達成するために本発明にかかる近接場
分光装置は、近接場情報取得手段と、バックグラウンド
情報取得手段と、Z軸走査手段と、演算手段と、を備え
る。そして、前記バックグラウンド情報取得手段は、前
記Z軸走査手段により試料とプローブ先端をZ軸方向に
離隔し近接場領域外の所定距離に離隔中に、対応する測
定部位のバックグラウンドスペクトル情報を得ることを
特徴とする。
【0009】ここで、前記近接場情報取得手段は、試料
とプローブ先端を近接場領域内に近接させることにより
散乱する近接場光を採取し、採取された散乱光を分光
し、試料の近接場スペクトル情報を得る。前記Z軸走査
手段は、前記試料とプローブ先端を離隔ないし近接させ
るZ軸方向に走査し、前記近接場情報取得手段により近
接場スペクトル情報を得る際は、前記試料とプローブ先
端を近接場領域内の所定距離に近接させ、前記バックグ
ラウンド情報取得手段によりバックグラウンドスペクト
ル情報を得る際は、前記試料とプローブ先端を近接場領
域外の所定距離に離隔させる。
【0010】前記演算手段は、前記近接場情報取得手段
で得た近接場スペクトル情報より、前記バックグラウン
ド情報取得手段で得たバックグラウンドスペクトル情報
を差し引き、該バックグラウンドが除去された真の近接
場スペクトル情報を得る。なお、本発明においては、前
記測定部位として前記試料測定面上に複数の測定面を設
定し、前記プローブ先端を試料測定面上でZ軸と直交す
るX,Y軸方向に走査するXY軸走査手段を備える。そ
して、前記近接場情報取得手段は、前記Z軸走査手段に
より試料とプローブ先端を近接場領域内の所定距離に近
接させた状態で、前記XY軸走査手段によりプローブ先
端を測定面のX方向及びY方向に走査させ、該測定面の
近接場スペクトル情報を得る。
【0011】前記バックグラウンド補正手段は、プロー
ブ先端の次の測定面への移動時の、前記Z軸走査手段に
より試料とプローブ先端をZ軸方向に離隔し近接場領域
外の所定距離に離隔中に、プローブ先端の移動元ないし
移動先の測定面のためのバックグラウンドスペクトル情
報を得る。
【0012】前記演算手段は、前記各測定面の近接場ス
ペクトル情報より、対応する各バックグラウンドスペク
トル情報を差し引き、各測定面について、対応する各バ
ックグラウンドが除去された真の近接場スペクトル情報
を得ることが好適である。また本発明においては、前記
測定部位として前記試料測定面上に複数の測定行をX,
Y軸平面内の一軸方向に設定し、前記プローブ先端を試
料測定面上でZ軸と直交するX,Y軸方向に走査するX
Y軸走査手段を備える。そして、前記近接場情報取得手
段は、各測定行より順次、近接場スペクトル情報を得
る。
【0013】前記バックグラウンド補正手段は、プロー
ブ先端の次の測定行への移動時の、前記Z軸走査手段に
より試料とプローブ先端をZ軸方向に離隔し近接場領域
外の所定距離に離隔中に、プローブ先端の移動元ないし
移動先の測定行のためのバックグラウンドスペクトル情
報を得る。前記演算手段は、前記各測定行の近接場スペ
クトル情報より、対応する各バックグラウンドスペクト
ル情報を差し引き、各測定行について、対応する各バッ
クグラウンドが除去された真の近接場スペクトル情報を
得ることが好適である。
【0014】また本発明においては、前記測定部位とし
て前記試料測定面上に複数の測定点を設定し、前記プロ
ーブ先端を試料測定面上でZ軸と直交するX,Y軸方向
に走査するXY軸走査手段を備える。そして、前記近接
場情報取得手段は、前記各測定点より順次、近接場スペ
クトル情報を得る。前記バックグラウンド補正手段は、
プローブ先端の次の測定点への移動時の、前記Z軸走査
手段により試料とプローブ先端をZ軸方向に離隔し近接
場領域外の所定距離に離隔中に、プローブ先端の移動元
ないし移動先の測定点のためのバックグラウンドスペク
トル情報を得る。
【0015】前記演算手段は、前記各測定点の近接場ス
ペクトル情報より、対応する各バックグラウンドスペク
トル情報を差し引き、各測定点について対応する各バッ
クグラウンドが除去された真の近接場スペクトル情報を
得ることが好適である。また本発明においては、光距離
特性取得手段と、選択手段と、を備える。そして、前記
バックグラウンド情報取得手段によりバックグラウンド
スペクトル情報を得る際は、前記Z軸走査手段により試
料測定面とプローブ先端間のZ軸方向の離隔距離を前記
選択手段で選択された距離とすることが好適である。
【0016】ここで、前記光距離特性取得手段は、前記
Z軸走査手段により試料測定面とプローブ先端間の離隔
距離を変えながら、該試料のスペクトル情報を取得する
ことにより光と距離の関係を得る。また、前記選択手段
は、前記光距離特性取得手段で得た光と距離の関係よ
り、所望の光特性が得られる距離を選択する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
適な一実施形態について説明する。図1には本発明の一
実施形態にかかる近接場分光装置の概略構成が示されて
いる。なお、本実施形態においては、プローブとして先
端よりしみ出した近接場光を試料測定部位で散乱ないし
反射させ、その散乱ないし反射光を採取する光ファイバ
プローブを用いる。
【0018】同図に示す近接場光学顕微鏡(近接場分光
装置)10は、離隔情報取得手段と、近接場情報取得手
段を備える。前記離隔情報取得手段は、例えば光ファイ
バプローブ12と、近接場ヘッド14と、Z軸位置制御
用光学系16と、XYZステージ18と、ステージコン
トローラ20と、コンピュータ本体22を備える。
【0019】前記XYZステージ18と、ステージコン
トローラ20等は、試料24とプローブ12先端を離隔
ないし近接させるZ軸方向に走査し、離隔情報及びスペ
クトル情報を得る際は、試料24とプローブ12先端を
近接場領域内の所定距離に近接させる。
【0020】本実施形態では、XYZステージ18上に
は試料24が載置され、先の鋭いプローブ12を近接場
光25の場の中に差し込んで近接場光25を散乱させ
る。このとき、近接場ヘッド14によりプローブ12は
その共振周波数で微小振動させている。Z軸方向位置制
御用光学系16によりプローブ12先端に光26を照射
し、そのプローブ12先端からの変調された反射光28
を検出し、その光よりプローブ12先端の振動振幅の変
化を検出する。プローブ12先端の振動振幅が一定とな
るようにしつつ、ステージコントローラ20によるXY
Zピエゾステージ18の駆動によりプローブ12の走査
を行う。これによりXYZステージ18等より各測定点
のXY位置情報と同時に、各測定点における高低情報を
コンピュータ本体22のハードディスク(HDD)30
の離隔情報記憶部32に得る。これによりプローブ12
先端と試料24測定面との距離を規定することができ
る。
【0021】前記近接場情報取得手段は、例えば励起レ
ーザ36と、光ファイバプローブ(プローブ)12と、
分光器38と、検出器40と、コンピュータ本体22
と、XYZステージ(XY軸走査手段,Z軸走査手段)
18と、ステージコントローラ(XY軸走査手段,Z軸
走査手段)20を備える。
【0022】そして、励起レーザ36からのレーザ光4
2は、ファイバプローブ12に入射され、プローブ12
先端の開口より近接場光25がしみだす。この近接場光
25は、プローブ12先端の光の波長よりも狭い領域に
局在しており、ステージコントローラ20によりプロー
ブ12先端と試料測定面24を光の波長よりも狭い領域
(近接場領域内)まで近接させると、プローブ先端12
よりしみだした光25は試料測定面24にで散乱ないし
反射され、その散乱光ないし反射光44はプローブ12
先端の開口より集光され、分光器38で分光される。分
光された光は、検出器40で検出され、その光強度は分
光器38より得られる波長情報と共に、コンピュータ本
体22のHDD30の近接場情報記憶部42に記憶され
る。
【0023】このように近接場光学顕微鏡10は、前記
離隔情報取得手段と、前記近接場情報取得手段を備える
ことにより、試料表面の各測定部位における高低情報及
び成分情報を同時に取得することができる。そして、コ
ンピュータ本体22は、前述のようにして得られたマッ
ピング測定結果をディスプレイ45に表示することがで
きる。
【0024】ところで、このような近接場光学顕微鏡1
0にあっても、試料のスペクトル形状の精度向上、測定
の効率化等はより一層の向上が望まれていたが、従来の
近接場光学顕微鏡においては、その光信号の強弱をマッ
ピング測定するだけであり、バックグラウンド補正する
という概念はなかった。また測定時間の長いマッピング
測定では、バックグラウンドスペクトルが時間を追って
序々に変化するため、測定の途中でバックグラウンドス
ペクトルをアップデートする必要があった。
【0025】そこで、本発明において特徴的なことは、
試料のスペクトル形状の精度向上、測定時間の短縮化、
装置のドリフトの影響の低減を図るため、前記マッピン
グ測定中の、プローブ先端位置の、ある測定部位への移
動毎に、つまりZ軸方向位置変調時にバックグラウンド
情報を取得し、これを対応する測定部位のバックグラウ
ンド補正に用いたことである。
【0026】このために本実施形態においては、バック
グラウンド情報取得手段と、Z軸走査手段と、演算手段
を備える。前記バックグラウンド情報取得手段は、例え
ば励起レーザ36と、光ファイバプローブ12と、分光
器38と、検出器40と、コンピュータ本体22を備え
る。前記Z軸走査手段は、例えばXYZステージ18
と、ステージコントローラ20等よりなり、試料24と
プローブ12先端を離隔ないし近接させるZ軸方向に走
査する。バックグラウンドスペクトル情報を得る際は、
試料24とプローブ12先端を近接場領域外の所定距離
に離隔させる。
【0027】そして、励起レーザ36からのレーザ光4
2は、ファイバプローブ12に入射され、プローブ先端
の開口より近接場光25がしみ出している。ステージコ
ントローラ20によりXYZステージ18をZ軸方向に
駆動し、試料24とプローブ先端12位置を近接場領域
外の所定距離に離隔させた状態のバックグラウンドスペ
クトル情報を分光器38と検出器40により得る。これ
をコンピュータ本体22のHDD30のバックグラウン
ド情報記憶部44に記憶する。
【0028】前記演算手段は、例えばコンピュータ本体
22のCPU46等よりなり、近接場情報記憶部42
の、ある測定部位の近接場スペクトル情報より、バック
グラウンド情報記憶部44の、対応するバックグラウン
ドスペクトル情報を差し引き、その測定部位についてバ
ックグラウンドが除去された真の近接場スペクトル情報
を得る。
【0029】すなわち、本実施形態では、ある測定部位
の近接場スペクトル情報を得るときは、図2(A)に示
すようにステージコントローラ20によりXYZステー
ジ18を+Z軸方向、図中上方に駆動し、同図(B)に
示すように試料24の測定部位とプローブ先端12位置
の距離H1を、近接場領域W内の所定距離に近接させ
る。
【0030】本実施形態では、この測定部位の測定後、
次の測定部位にプローブ先端位置を移動させるとき、同
図(C)に示すようにステージコントローラ20により
XYZステージ18をZ軸方向、図中下方に駆動し、試
料24の測定部位とプローブ先端12位置を近接場領域
W外の、所定距離H2に離隔させるZ軸方向位置変調時
に、対応する測定部位のバックグラウンドスペクトルを
得る。
【0031】本実施形態では、ある測定部位について、
同図(A)に示すような状態で得られた近接場スペクト
ル情報より、同図(C)に示すような状態で得られたバ
ックグラウンドスペクトル情報を差し引きする。これに
より対応する測定部位について、バックグラウンドが除
去された真の近接場スペクトル情報を得ることができ
る。本実施形態では、これを各測定部位について繰返
す。
【0032】このように本実施形態では、マッピング測
定中のZ軸方向位置変調時、つまりある測定部位の近接
場スペクトル採取後から次の測定部位にプローブ12先
端位置を移動させる際の、試料24とプローブ12先端
位置が近接場領域外の所定距離H2に離隔している時
に、対応する測定部位のバックグラウンドスペクトル情
報を得ることとした。これにより本実施形態では、全て
の測定部位の近接場スペクトル情報の取得後に一のバッ
クグラウンドスペクトル測定を別途行い、全ての測定部
位について一のバックグラウンドスペクトル情報を用い
て一様の補正を行うものに比較し、装置系のドリフトの
影響を低減し、各測定部位についてバックグラウンドの
影響が大幅に除去された真の近接場スペクトルを効率的
に得ることができる。
【0033】特に複数の測定部位の測定については、マ
ッピング測定中のZ軸方向位置変調時に、バックグラウ
ンドスペクトル情報を得るので、従来の近接場スペクト
ル情報のみの測定時間とがほぼ同じであるにもかかわら
ず、近接場スペクトル情報とバックグラウンドスペクト
ル情報を得ることができる。なお、各バックグラウンド
スペクトル情報は、プローブ先端位置の移動元又は移動
先の測定部位から得られた近接場スペクトル情報のバッ
クグラウンド補正に用いることができる。
【0034】以下、試料測定面上でのプローブ先端位置
の種々の走査の具体例について説明する。 <面走査>試料の測定領域に複数の測定面を設定し、近
接場情報取得手段により各測定面より順次、近接場スペ
クトル情報を得る。つまり測定面毎のマッピング測定を
行う。
【0035】なお、図3は、ある測定部位としての測定
面を示す。同図中、実線はプローブ先端と測定面を近接
場領域内に近接させマッピング測定時の、測定面上のプ
ローブ先端位置の移動軌跡を示す。破線で示された円印
はプローブ先端と測定面を近接場領域外の所定距離に離
隔させた状態のバックグラウンド測定点を示す。同図に
示すように測定面A1のためのバックグラウンド測定点
Q1では、プローブ先端位置を測定面の近接場領域外の
所定距離に離隔させ、バックグラウンドスペクトル情報
を得る。
【0036】前記バックグラウンド測定後、X軸駆動に
よりプローブ先端を第1測定面A1の始点P1上方に位置
させ、Z軸駆動によりプローブ先端を始点P1上の近接
場領域内の所定距離に近接させる。第1測定面A1とプ
ローブ先端位置の離隔距離を保ちながら、プローブ先端
位置を第1測定面A1の始点P1から終点Pnまで、図中
実線のようにX方向及びY方向に走査させ、第1測定面
A1の近接場スペクトル情報を得る。このとき、XYZ
ステージ等より測定面A1上のXY座標が得られ、検出
器で得られた光強度は、分光器より得られる波長情報と
共に記憶されることにより、測定面A1の各測定部位に
おける近接場スペクトル情報が得られる。
【0037】第1測定面A1の近接場スペクトル情報の
取得後、次の第2測定面の近接場スペクトル情報の取得
を行うため、第1測定面A1の終点Pn上では、Z軸方向
位置変調によりプローブ先端位置を終点Pn上方の、近
接場領域外の所定距離に離隔させ、第2測定面のための
バックグラウンドスペクトル情報を得る。第2測定面の
ためのバックグラウンドスペクトル情報の取得後、XY
軸駆動によりプローブ先端位置を次の第2測定面上の始
点の上方に位置させ、Z軸駆動によりプローブ先端を始
点上の近接場領域内の所定距離に近接させる。
【0038】第2測定面とプローブ先端位置の離隔距離
を保ちながら、前記第1測定面と同様プローブ先端位置
を該測定面の始点から終点までX方向及びY方向に走査
させ、第2測定面の近接場スペクトル情報を得る。この
ように本実施形態では、各測定面のマッピング測定中の
Z軸方向位置変調時、つまりある測定面の近接場スペク
トル情報の取得後から次の測定面の近接場スペクトル情
報取得前の、プローブ先端位置が近接場領域外の所定距
離に離隔中に、プローブ先端位置の移動元ないし移動先
の測定面のバックグラウンドスペクトル情報を得る。
【0039】そして、本実施形態では、CPUがその測
定面の近接場スペクトル情報より、対応するバックグラ
ウンドスペクトル情報を差し引き、その測定面について
バックグラウンドが除去された真の近接場スペクトル情
報を得る。これを各測定面について繰返す。
【0040】この結果、本実施形態では、全ての測定面
の近接場スペクトル情報の取得後に別途バックグラウン
ド測定を行い、全ての測定面について一のバックグラウ
ンドスペクトル情報を用いて一様にバックグラウンド補
正を行うものに比較し、装置系のドリフトの影響を低減
し、各測定面についてバックグラウンドの影響が大幅に
除去された真の近接場スペクトルを得ることができる。
【0041】しかも、本実施形態では、試料の測定領域
に複数の測定面を設定し、近接場情報取得手段により各
測定行より順次、近接場スペクトル情報を得る際は、各
測定面のマッピング測定中のZ軸方向位置変調時に、前
述のようにしてバックグラウンドスペクトル情報の取得
を行うので、全てのマッピング測定終了後に別途バック
グラウンド測定を行うものに比較し、測定時間をマッピ
ング測定のみの時間とほぼ同じ時間まで、大幅に短縮す
ることができる。
【0042】なお、本実施形態では、得られたバックグ
ラウンドスペクトル情報は、そのプローブ先端位置の移
動元又は移動先の測定面から得られた近接場スペクトル
情報のどちらのバックグラウンド補正にも用いることが
できる。また前記構成では、ある測定面の始点付近のバ
ックグラウンド測定点より採取したバックグラウンドス
ペクトル情報を用いて、その測定面の近接場スペクトル
情報を補正した例について説明したが、その測定面の終
点付近のバックグラウンド測定点より採取したバックグ
ラウンドスペクトルを用いてもよい。
【0043】また本実施形態では、各測定面の近接場ス
ペクトル情報を、対応する各バックグラウンドスペクト
ル情報でバックグラウンド補正するのであれば、任意の
時期にバックグラウンド補正することができる。例えば
各測定面の近接場スペクトル情報が得られる毎にリアル
タイムに、対応するバックグラウンドスペクトル情報で
補正を行いディスプレイにマッピング測定結果を順次表
示したり、全ての測定面の近接場スペクトル情報が得ら
れた後に、対応するバックグラウンドスペクトル情報で
補正を行いディスプレイにマッピング測定結果を一度に
表示したりできる。
【0044】<行走査>図4に示すように試料の測定領
域に複数の測定行L1〜Lnを図中X軸方向に設定し、近
接場情報取得手段により各測定行L1〜Lnより順次、近
接場スペクトル情報を得る。つまり測定行Li毎のマッ
ピング測定を行う。なお、同図中、実線はプローブ先端
と試料を近接場領域内に近接させマッピング測定時の、
試料上のプローブ先端位置の移動軌跡を示す。破線はプ
ローブ先端位置と試料を近接場領域外の所定距離に離隔
させた状態のプローブ先端位置の移動軌跡を示す。破線
で示された円印は、プローブ先端位置と試料を近接場領
域外の所定距離に離隔させた状態のバックグラウンド測
定点を示す。
【0045】同図に示すように試料の測定領域を一の測
定行Li毎に走査する。すなわち、まず第1測定行L1の
近接場スペクトル情報の取得前、第1測定行L1のため
のバックグラウンドスペクトル情報の取得を、プローブ
先端位置と試料を近接場領域外の所定距離に離隔させ、
バックグラウンド測定点Q1より行う。
【0046】バックグラウンド測定後、XY軸駆動によ
り第1測定行L1の始点P11上方に位置させ、第1測定
行L1の始点P11では、Z軸駆動によりプローブ先端位
置を近接場領域内に近接させ、近接場スペクトル情報の
採取を開始する。すなわち、この離隔距離を保ちなが
ら、プローブ先端を第1測定行L1上で終点PnまでX軸
方向に走査する。このとき、XYZステージ等より測定
行L1のXY座標が得られ、検出器で得られた光強度
は、分光器より得られる波長情報と共に記憶されること
により、測定行L1の各測定部位における近接場スペク
トル情報が得られる。
【0047】第1測定行L1上の終点P1nの近接場スペ
クトル情報の取得後、次の第2測定行L2の近接場スペ
クトル情報の取得を行うため、終点P1nでは、Z軸駆動
によりプローブ先端位置を近接場領域外の所定距離に離
隔させる。そして、XY軸駆動により、例えば図中左斜
め方向にプローブ先端位置を移動し、次の第2測定行L
2上の始点P21の上方に位置させる。
【0048】ここで、本実施形態では、プローブ先端位
置を次の測定行に移動の際の、近接場領域外の所定距離
に離隔させた状態で、例えば第2測定行のためのバック
グラウンドスペクトル情報をバックグラウンド測定点Q
2より得る。本実施形態では、各測定行のマッピング測
定中のZ軸方向位置変調時、つまりある測定行の近接場
スペクトル情報取得後から次の測定行の近接場スペクト
ル情報取得前の、プローブ先端位置が近接場領域外の所
定距離に離隔している時に、プローブ先端位置の移動元
の測定行L1ないし移動先の測定行L2のためのバックグ
ラウンドスペクトル情報を得る。
【0049】そして、本実施形態では、CPUが、ある
測定行の近接場スペクトル情報より、対応するバックグ
ラウンドスペクトル情報を差し引き、その測定行につい
て対応するバックグラウンドが除去された真の近接場ス
ペクトル情報を得る。本実施形態では、これを各測定行
について繰返す。したがって、本実施形態では、各測定
行のマッピング測定中のZ軸方向位置変調時の近接場領
域外の所定距離に離隔中に、プローブ先端位置の移動元
ないし移動先の測定行のためのバックグラウンドスペク
トル情報を得、これを各測定行について行なうこととし
た。
【0050】この結果、本実施形態では、全ての測定行
の近接場スペクトル情報の取得後に別途バックグラウン
ド測定を行い、全ての測定行について一のバックグラウ
ンドスペクトル情報を用いて一様にバックグラウンド補
正を行うものに比較し、装置系のドリフトの影響を低減
し、各測定行についてバックグラウンドの影響が大幅に
除去された真の近接場スペクトルを得ることができる。
【0051】しかも、本実施形態では、試料の測定領域
に複数の測定行を設定し、近接場情報取得手段により各
測定行より順次、近接場スペクトル情報を得る際は、各
測定行のマッピング測定中のZ軸方向位置変調時の近接
場領域外の所定距離に離隔中に、前述のようなバックグ
ラウンドスペクトル情報の取得を行うので、別途、バッ
クグラウンド測定を行うものに比較し、測定時間を近接
場スペクトル情報のみの取得時間とほぼ同じ時間まで、
大幅に短縮することができる。
【0052】なお、本実施形態では、あるバックグラウ
ンドスペクトル情報は、そのプローブ先端位置の移動元
又は移動先の測定行から得られた近接場スペクトル情報
のどちらのバックグラウンド補正にも用いることができ
る。
【0053】また本実施形態では、各測定行の近接場ス
ペクトル情報を、対応する各バックグラウンドスペクト
ル情報でバックグラウンド補正するのであれば、任意の
時期にバックグラウンド補正することができる。例えば
各測定行の近接場スペクトル情報が得られる毎にリアル
タイムに、対応するバックグラウンドスペクトル情報で
補正を行いディスプレイにマッピング測定結果を順次表
示したり、全ての測定行の近接場スペクトル情報が得ら
れた後に、対応するバックグラウンドスペクトル情報で
補正を行いディスプレイにマッピング測定結果を一度に
表示したりできる。
【0054】また、本実施形態では、バックグラウンド
測定点は、前記測定時間の短縮化の観点から次の測定行
へのプローブ先端位置の移動途中の、前記バックグラウ
ンド測定点に設定することが好ましいが、そのほか、所
定の離隔距離があれば、図5に示すようにバックグラウ
ンド測定点Qiは、各測定行Liの始点の付近ないし終点
の近くに設定することができる。
【0055】<点走査>図6に示すように試料の測定領
域に複数の測定点を設定し、近接場情報取得手段により
各測定点より順次、近接場スペクトル情報を得る。つま
り測定点毎のマッピング測定を行う。
【0056】なお、同図中、実線で示される各点は、プ
ローブ先端位置と試料測定面を近接場領域内に近接さ
せ、近接場スペクトル情報を得る測定点を示す。破線で
示される円印は、プローブ先端位置と試料測定面を近接
場領域外の所定距離に離隔させた状態のバックグラウン
ド測定点を示す。同図に示すように試料の測定領域を各
測定点毎に走査する。すなわち、まず第1測定点P1上
方では、プローブ先端位置を近接場領域外の所定距離に
離隔させ、XY軸駆動により、図中破線に示すように第
1測定点P1上方の周囲で、プローブ先端位置を旋回さ
せている間に、バックグラウンド測定点Q1より測定点
P1のためのバックグラウンドスペクトル情報を得る。
【0057】本実施形態では、バックグラウンド測定点
Q1よりバックグラウンドスペクトル情報の取得後、X
Y軸駆動により、第1測定点P1の上方にプローブ先端
を位置させる。そして、Z軸駆動によりプローブ先端位
置を第1測定点P1上の、近接場領域内の所定距離に近
接させ、近接場スペクトル情報を取得する。このとき、
XYZ等より測定点P1のXY座標が得られ、検出器で
得られた光強度は、分光器より得られる波長情報と共に
記憶されることにより、測定点P1におけるスペクトル
情報が得られる。
【0058】本実施形態では、第1測定点P1の近接場
スペクトル情報の取得後、次の第2測定点P2の近接場
スペクトル情報の取得を行うため、第1測定点P1上で
は、Z軸駆動によりプローブ先端位置を近接場領域外の
所定距離に離隔させ、X軸駆動によりプローブ先端位置
を第2測定点P2の上方に位置させる。第2測定点P2の
上方では、プローブ先端位置を近接場領域外の所定距離
に離隔させた状態で、XY軸駆動により図中破線に示す
ように第2測定点P2上方の周囲を旋回させている間
に、バックグラウンド測定点Q2より測定点P2のための
バックグラウンドスペクトル情報を得る。
【0059】本実施形態では、バックグラウンド測定点
Q2よりバックグラウンドスペクトル情報の取得後、X
Y軸駆動によりプローブ先端位置を第2測定点P2の上
方に位置させる。Z軸駆動によりプローブ先端位置を第
2測定点P2上の近接場領域内の所定距離に近接させ
る。第2測定点P2の近接場スペクトル情報を取得す
る。このように本実施形態では、各測定点のマッピング
測定中のZ軸方向位置の変調時に、つまりある測定点の
近接場スペクトル情報の取得後から次の測定点の近接場
スペクトル情報の取得前の、プローブ先端位置が近接場
領域外の所定距離に離隔している時に、プローブ先端位
置の移動元ないし移動先の測定点のためのバックグラウ
ンドスペクトル情報を得る。
【0060】そして、本実施形態では、CPUが、その
測定点の近接場スペクトル情報より、対応するバックグ
ラウンドスペクトル情報を差し引き、その測定点につい
て対応するバックグラウンドが除去された真の近接場ス
ペクトル情報を得る。これを各測定点について繰返す。
したがって、本実施形態では、各測定点のマッピング測
定中のZ軸方向位置の変調時の、プローブ先端位置の次
の測定点への移動時の近接場領域外の所定距離に離隔中
に、プローブ先端位置の移動元ないし移動先の測定点の
ためのバックグラウンドスペクトル情報を得、これを各
測定点について行なうこととした。
【0061】この結果、本実施形態では、全ての測定点
の近接場スペクトル情報を得た後に別途バックグラウン
ド測定を行い、全ての測定点について一のバックグラウ
ンドスペクトル情報を用いて一様にバックグラウンド補
正を行うものに比較し、装置系のドリフトの影響を低減
し、各測定点についてバックグラウンドの影響が大幅に
除去された真の近接場スペクトルを得ることができる。
【0062】しかも、本実施形態では、試料の測定領域
に複数の測定点を設定し、近接場情報取得手段により各
測定点より順次、近接場スペクトル情報を得る際は、各
測定点のマッピング測定中のZ軸方向位置の変調時に、
前述のようなバックグラウンドスペクトル情報の取得を
行うので、別途、バックグラウンド測定を行うものに比
較し、測定時間を通常のマッピング測定のみの時間とほ
ぼ同じ時間まで、大幅に短縮することができる。
【0063】なお、本実施形態では、プローブ先端位置
の移動元の測定点から移動先の測定点への移動時に得た
バックグラウンドスペクトル情報は、そのプローブ先端
位置の移動元又は移動先の測定点から得られた近接場ス
ペクトル情報のどちらのバックグラウンド補正にも用い
ることができる。
【0064】また本実施形態では、各測定点の近接場ス
ペクトル情報を、対応する各バックグラウンドスペクト
ル情報でバックグラウンド補正するのであれば、任意の
時期にバックグラウンド補正することができる。例えば
各測定点の近接場スペクトル情報が得られる毎にリアル
タイムに、対応するバックグラウンドスペクトル情報で
補正を行いディスプレイにマッピング測定結果を順次表
示したり、全ての測定点の近接場スペクトル情報が得ら
れた後に、対応するバックグラウンドスペクトル情報で
補正を行いディスプレイにマッピング測定結果を一度に
表示したりできる。
【0065】また前記構成では、プローブ先端位置を所
定の離隔距離で測定点上方の周囲を旋回させている時
に、対応する測定点のバックグラウンドスペクトル情報
を得た例について説明したが、プローブ先端を所定の離
隔距離で測定点の上方で旋回させることなく、図7に示
すように近接場領域外の所定の離隔距離に離隔した各バ
ックグラウンド測定点Qiより、対応する測定点Piのバ
ックグラウンドスペクトル情報を得ることもできる。
【0066】以上のように本実施形態にかかる近接場分
光装置によれば、複数の各測定部位毎のマッピング測定
中のZ軸方向位置の変調時に、つまりプローブ先端位置
の次の測定部位への移動時の、近接場領域外の所定距離
に離隔中に、プローブ先端位置の移動元ないし移動先の
測定部位のバックグラウンド補正のためのバックグラウ
ンドスペクトル情報を得、これを各測定部位について行
なうこととした。
【0067】この結果、本実施形態では、全ての測定部
位の近接場スペクトル情報の取得後に別途バックグラウ
ンド測定を行い、全ての測定部位について一のバックグ
ラウンドスペクトル情報を用いて一様にバックグラウン
ド補正を行うものに比較し、装置系のドリフトの影響を
低減し、各測定部位についてバックグラウンドの影響が
大幅に除去された真の近接場スペクトルを得ることがで
きる。
【0068】しかも、本実施形態では、試料の測定領域
に複数の測定部位を設定し、近接場情報取得手段により
各測定点より順次、近接場スペクトル情報を得る際は、
プローブ先端位置の次の測定部位への移動時の、近接場
領域外の所定距離に離隔中に、前述のようなバックグラ
ウンドスペクトルの取得を行うので、別途バックグラウ
ンド測定を行うものに比較し、測定時間を通常のマッピ
ング測定のみの時間とほぼ同じ時間まで、大幅に短縮す
ることができる。
【0069】<光距離特性>ところで、近接場分光にお
いては、プローブと試料の距離が離れている場合は、試
料からの信号は格段に減少することが考えられるが、従
来は具体的にどのくらいの距離になると、どのくらいス
ペクトルが得られるかを測定する機能は持っていなかっ
た。
【0070】一方、バックグラウンド補正は、近接場分
光における光特性と距離の関係を慎重に考慮して行わな
ければ、バックグラウンドを除去するというよりも、む
しろ近接場スペクトルの波形の劣化を引起してしまうこ
と、バックグラウンド除去を適切に行えないこと等があ
る。このため、近接場分光における光と距離の関係は、
特にバックグラウンドスペクトルを定義するときに重要
である。
【0071】そこで、本実施形態では、前述のような光
と距離の関係を測定し、波形の劣化を伴うことなくバッ
クグラウンドを適切に除去するため、図8に示すように
光距離特性取得手段と、選択手段を備える。なお、前記
図1と対応する部分には符号100を加えて示し説明を
省略する。前記光距離特性取得手段は、例えば励起レー
ザ136と、光ファイバプローブ112と、分光器13
8と、検出器140と、コンピュータ本体122と、X
YZステージ118と、ステージコントローラ120を
備える。
【0072】そして、本実施形態では、ステージコント
ローラ120によりプローブ112先端と試料24測定
面を光の波長よりも狭い領域(近接場領域内)まで近接
させると、プローブ先端112よりしみだした光125
は試料124測定面にで散乱ないし反射される。その散
乱光ないし反射光144はプローブ112先端の開口よ
り集光され、分光器138で分光される。分光された光
は、検出器140で検出される。その光強度は分光器1
38より得られる波長情報と共に、コンピュータ本体1
22のHDD130の光距離特性情報記憶部150に記
憶される。
【0073】このとき、本実施形態では、ステージコン
トローラ120によりXYZステージ118をZ軸方向
に駆動し、試料124測定面とプローブ112先端間の
離隔距離を変えながら、スペクトル情報を取得する。こ
のスペクトル情報をステージコントローラ120等より
得られるZ軸座標と共に光距離特性記憶部150に記憶
する。
【0074】このようにして図9に示すような光と距離
の関係を得る。例えば同図に示すように、プローブ先端
位置と試料測定面との離隔距離が近づくにつれ、得られ
るスペクトルの起伏は多くなってくるが、離隔するにつ
れ、それは平坦となっていく。このような光と距離の関
係を把握することができる。選択手段は、例えば入力デ
バイス152等よりなり、前記光距離特性記憶部150
に得た光と離隔距離の関係より、所望の光特性が得られ
る距離を選択する。これによりバックグラウンドを測定
すべき距離を的確に選択することができる。
【0075】そして、本実施形態では、前記バックグラ
ウンド情報取得手段によるバックグラウンドスペクトル
の取得を行う際は、CPU146は光距離特性記憶部1
50にアクセスし、試料とプローブ先端間の離隔距離
を、前述のようにして選択された所望の光特性が得られ
る距離とする。これにより、バックグラウンドを測定す
べきプローブ先端と試料の離隔距離を的確に知ることが
でき、その的確な所定の離隔距離でバックグラウンドス
ペクトルを得るので、近接場分光におけるバックグラウ
ンド補正時のスペクトル情報の劣化を大幅に低減するこ
とができる。
【0076】さらに、本実施形態では、プローブ先端と
試料表面間が、プローブ112先端に発生した近接場光
と試料124表面の相互作用する距離より離れていると
スペクトルは取れるが、ピークの形が違う。プローブ1
12先端と試料124表面を近づけると、突然得られる
スペクトルのピークの変化が生じることがあり、これを
プローブ先端に発生した近接場光と試料表面の相互作用
として確認することができる。
【0077】なお、前記構成では、プローブとしてファ
イバプローブを用いた例について説明したが、任意のプ
ローブに適用することができる。また前記構成では、イ
ルミネーション−コレクションモードを例について説明
したが、任意の測定モードに適用することができる。特
に全反射プリズムを設け全反射測定に適用し、前記構成
と同様の効果を得ることもできる。また前記構成では、
プローブの位置を固定しXYZステージを移動した例に
ついて説明したが、XYZステージを固定し、プローブ
の位置を移動するものに適用することができる。
【0078】また前記構成ではスペクトル情報という表
現を用いたが、インターフェログラムに対して逆フーリ
エ変換を行うことによりスペクトルを得、該スペクトル
に対してバックグラウンド補正を行う場合と、インター
フェログラムに対してバックグラウンド補正を行い、バ
ックグラウンドが除去されたインターフェログラムに対
して逆フーリエ変換を行うことによりバックグラウンド
が除去されたスペクトルを得る場合の両方の場合に適用
することができる。
【0079】また前記各構成では、各測定部位への移動
の際は、まずZ軸駆動のみにより移動元の測定部位上で
所定の離隔距離まで上方に離隔させた後、XY軸駆動の
みにより次の測定部位に移動させた例について説明した
が、Z軸駆動とXY軸駆動を組合せて、移動元の測定部
位の近接位置より移動先の測定部位の離隔位置まで同時
にプローブ先端を移動させることもできる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる近接
場分光装置によれば、Z軸走査手段により試料とプロー
ブ先端をZ軸方向に離隔し近接場領域外の所定距離に離
隔中に、バックグラウンド補正手段により、測定部位の
バックグラウンドスペクトル情報を得、対応する測定部
位の近接場スペクトル情報を補正することとしたので、
ドリフトの影響を低減し、且つ近接場スペクトル情報よ
りバックグラウンドを効率的に除去することができる。
また本発明においては、Z軸走査手段により試料とプロ
ーブ先端間の距離を変えながら、光距離特性取得手段に
よりスペクトルと距離の関係を得ることにより、バック
グラウンドを測定すべき試料とプローブ先端の距離を的
確に知ることができるので、近接場分光におけるバック
グラウンド補正時のスペクトル情報の劣化を大幅に低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる近接場分光装置の
概略構成の説明図である。
【図2】図1に示した近接場分光装置によるバックグラ
ウンドスペクトル情報取得時、及び近接場スペクトル取
得時の、試料とプローブ先端のZ軸方向位置の説明図で
ある。
【図3】図1に示した近接場分光装置による測定面毎の
走査の説明図である。
【図4】,
【図5】図1に示した近接場分光装置による測定行毎の
走査の説明図である。
【図6】,
【図7】図1に示した近接場分光装置による測定点毎の
走査の説明図である。
【図8】図1に示した近接場分光装置で用いるのに適し
た光距離特性測定手段の説明図である。
【図9】図8に示した光距離特性測定手段で得られる光
−距離特性の説明図である。
【符号の説明】
10 近接場光学顕微鏡(近接場分光装置) 12 光ファイバプローブ(近接場、バックグラウンド
情報取得手段) 18 XYZステージ(近接場、バックグラウンド情報
取得手段,Z軸走査手段,XY軸走査手段) 20 ステージコントローラ(近接場,バックグラウン
ド情報取得手段,Z軸走査手段,XY軸走査手段) 22 コンピュータ本体(近接場,バックグラウンド情
報取得手段) 36 励起レーザ(近接場,バックグラウンド情報取得
手段) 38 分光器(近接場,バックグラウンド情報取得手
段) 40 検出器(近接場,バックグラウンド情報取得手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂巻 徹 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内 (72)発明者 井上 勉 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内 (72)発明者 木村 茂行 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内 Fターム(参考) 2H052 AA00 AC04 AC15 AC34 AD20 AF07 AF25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料とプローブ先端を近接場領域内に近
    接させることにより散乱する近接場光を採取し、採取さ
    れた散乱光を分光し、試料の近接場スペクトル情報を得
    る近接場情報取得手段と、 前記試料とプローブ先端を近接場領域外の所定距離に離
    隔させた状態のバックグラウンドスペクトル情報を得る
    バックグラウンド情報取得手段と、 前記試料とプローブ先端を離隔ないし近接させるZ軸方
    向に走査し、前記近接場情報取得手段により近接場スペ
    クトル情報を得る際は、前記試料とプローブ先端を近接
    場領域内の所定距離に近接させ、前記バックグラウンド
    情報取得手段によりバックグラウンドスペクトル情報を
    得る際は、前記試料とプローブ先端を近接場領域外の所
    定距離に離隔させるZ軸走査手段と、 前記近接場情報取得手段で得た近接場スペクトル情報よ
    り、前記バックグラウンド情報取得手段で得たバックグ
    ラウンドスペクトル情報を差し引き、該バックグラウン
    ドが除去された真の近接場スペクトル情報を得る演算手
    段と、 を備え、前記バックグラウンド情報取得手段は、前記Z
    軸走査手段により試料とプローブ先端をZ軸方向に離隔
    し近接場領域外の所定距離に離隔中に、対応する測定部
    位のバックグラウンドスペクトル情報を得ることを特徴
    とする近接場分光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の近接場分光装置におい
    て、 前記測定部位として前記試料測定面上に複数の測定面を
    設定し、 前記プローブ先端を試料測定面上でZ軸と直交するX,
    Y軸方向に走査するXY軸走査手段を備え、 前記近接場情報取得手段は、前記Z軸走査手段により試
    料とプローブ先端を近接場領域内の所定距離に近接させ
    た状態で、前記XY軸走査手段によりプローブ先端を測
    定面上でX方向及びY方向に走査させ、該測定面の近接
    場スペクトル情報を得、前記バックグラウンド補正手段
    は、プローブ先端の次の測定面への移動時の、前記Z軸
    走査手段により試料とプローブ先端をZ軸方向に離隔し
    近接場領域外の所定距離に離隔中に、プローブ先端の移
    動元ないし移動先の測定面のためのバックグラウンドス
    ペクトル情報を得、前記演算手段は、前記各測定面の近
    接場スペクトル情報より、対応する各バックグラウンド
    スペクトル情報を差し引き、各測定面について、対応す
    る各バックグラウンドが除去された真の近接場スペクト
    ル情報を得ることを特徴とする近接場分光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の近接場分光装置におい
    て、 前記測定部位として前記試料測定面上に複数の測定行を
    X,Y軸平面内の一軸方向に設定し、 前記プローブ先端を試料測定面上でZ軸と直交するX,
    Y軸方向に走査するXY軸走査手段を備え、 前記近接場情報取得手段は、各測定行より順次、近接場
    スペクトル情報を得、前記バックグラウンド補正手段
    は、プローブ先端の次の測定行への移動時の、前記Z軸
    走査手段により試料とプローブ先端をZ軸方向に離隔し
    近接場領域外の所定距離に離隔中に、プローブ先端の移
    動元ないし移動先の測定行のためのバックグラウンドス
    ペクトル情報を得、前記演算手段は、前記各測定行の近
    接場スペクトル情報より、対応する各バックグラウンド
    スペクトル情報を差し引き、各測定行について、対応す
    る各バックグラウンドが除去された真の近接場スペクト
    ル情報を得ることを特徴とする近接場分光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の近接場分光装置におい
    て、 前記測定部位として前記試料測定面上に複数の測定点を
    設定し、前記プローブ先端を試料測定面上でZ軸と直交
    するX,Y軸方向に走査するXY軸走査手段を備え、前
    記近接場情報取得手段は、前記各測定点より順次、近接
    場スペクトル情報を得、前記バックグラウンド補正手段
    は、プローブ先端の次の測定点への移動時の、前記Z軸
    走査手段により試料とプローブ先端をZ軸方向に離隔し
    近接場領域外の所定距離に離隔中に、プローブ先端の移
    動元ないし移動先の測定点のためのバックグラウンドス
    ペクトル情報を得、 前記演算手段は、前記各測定点の近接場スペクトル情報
    より、対応する各バックグラウンドスペクトル情報を差
    し引き、各測定点について対応する各バックグラウンド
    が除去された真の近接場スペクトル情報を得ることを特
    徴とする近接場分光装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の近接場分
    光装置において、 前記Z軸走査手段により試料測定面とプローブ先端間の
    離隔距離を変えながら該試料のスペクトル情報を得るこ
    とにより、光と距離の関係を得る光距離特性取得手段
    と、 前記光距離特性取得手段で得た光と距離の関係より、所
    望の光特性が得られる距離を選択する選択手段と、 を備え、前記バックグラウンド情報取得手段によりバッ
    クグラウンドスペクトル情報を得る際は、前記Z軸走査
    手段により試料測定面とプローブ先端間のZ軸方向の離
    隔距離を前記選択手段で選択された距離とすることを特
    徴とする近接場分光装置。
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