JPH10170522A - 光測定装置 - Google Patents

光測定装置

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JPH10170522A
JPH10170522A JP33172696A JP33172696A JPH10170522A JP H10170522 A JPH10170522 A JP H10170522A JP 33172696 A JP33172696 A JP 33172696A JP 33172696 A JP33172696 A JP 33172696A JP H10170522 A JPH10170522 A JP H10170522A
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JP33172696A
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Yasuo Sasaki
靖夫 佐々木
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光検出器の受信信号からノイズとなる散乱源か
らの散乱光による干渉的なバックグラウンドノイズを除
去することのできる光測定装置、より詳細には散乱モー
ドSNOM装置を提供すること。 【解決手段】本発明の光測定装置は、周波数ω1 で振幅
変調する第1の光とその光にコヒーレントでかつその振
幅が時間的に変動のない第2の光との混合光にそれらの
光とコヒーレントな第3の光を合波干渉させるための光
学系と、その合波干渉光の出力光強度を検出する光検出
器と、第1の光と第3の光との相対的位相差を変化させ
るための位相差変化手段と、第1の光と第3の光との異
なる相対的位相差に対応した前記光検出器の出力値の前
記周波数ω1 の振動成分に基づいて、第1の光の振幅を
求める演算手段とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズ源からの散
乱光による干渉的なバックグラウンドノイズを除去でき
る光測定装置に関し、より詳細には試料表面近傍に形成
された光の近接場を探針を用いて走査して試料の光学的
な情報を測定する際に、ノイズ源からの散乱光による干
渉的なバックグラウンドノイズを除去できる走査型近接
場光顕微鏡(SNOM)に関する。
【0002】
【従来の技術】ここでは、本発明の光測定装置が適用可
能な走査型プローブ顕微鏡の場合について述べる。
【0003】走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、プロ
ーブ(探針)を試料表面に1μm以下まで近接させた時
に両者間に働く相互作用を検出しながらプローブを試料
表面方向(XY方向)あるいは試料表面方向及び高さ方
向(XYZ方向)に走査して、その相互作用の二次元マ
ッピングを行う装置の総称であり、例えば、走査型トン
ネリング顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AF
M)、磁気力顕微鏡(MFM)、走査型近接場光顕微鏡
(SNOM)を含んでいる。
【0004】この中でSNOMは、特に1980年代後
半以降、エバネッセント波を検出することにより回折限
界を超える分解能を有する光学顕微鏡として、生体試料
の蛍光測定や、フォトニクス用材料、素子の評価(誘電
体光導波路各種特性評価、半導体量子ドットの発光スペ
クトルの測定、半導体面発光素子の諸特性の評価など)
等への応用をめざして盛んに開発が進められている。S
NOMは、基本的には試料に光を照射した状態で鋭い探
針を近づけ、試料の近傍の光の場(近接場)の状態を検
出する装置である。
【0005】1993年12月21日付けでBetzi
g等に付与された米国特許第5,272,330号は、
先端が細く加工されたプローブに光を導入することによ
りプローブ先端の微小開口の近傍にエバネッセント場を
発生させ、このエバネッセント場を試料に接触させ、エ
バネッセント場と試料の接触により発生した光を、試料
の下に配置された光検出器で検出し、透過光強度の二次
元マッピングを行なうSNOMを開示している。
【0006】このSNOMでは、先端が細く加工された
光ファイバーやガラス棒あるいは水晶探針のように棒状
のプローブが用いられている。このプローブを改良した
ものとして、先端以外が金属膜で被われた棒状のプロー
ブが既に市販されており入手可能である。このプローブ
は、棒状のプローブ例えば先端が細く加工された光ファ
イバーやガラス棒あるいは水晶探針を回転させながら、
斜め後方から金属を蒸着して作製される。このプローブ
を用いたSNOMは、金属がコートされていないプロー
ブを用いたSNOMに比べて、横方向(XY方向)の解
像力が向上している。
【0007】一方、AFMは、試料表面の凹凸情報を得
る装置として、SPMのなかで最も普及している。AF
Mは、カンチレバーの先端に支持された探針が試料表面
に近づけられたときに探針に働く力に応じて変位するカ
ンチレバーの変位を、例えば光学式の変位センサにより
検出して、間接的に試料表面の凹凸情報を得る。AFM
の一例は例えば特開昭62−130302号公報に開示
されている。
【0008】このAFMにおける試料と探針先端間の相
互作用力の検出により試料表面の凹凸を測定する技術は
他のSPM装置にも応用されており、試料と探針間の距
離を一定に保つ、いわゆるレギュレーションを行なう手
段として用いられている。
【0009】N.F.van Hulst等はApp
l.Phys.Lett.62(5)P.461(19
93)において、窒化シリコン製のAFM用カンチレバ
ーを用い、AFM測定により試料表面の凹凸を測定しな
がら、試料の光学情報を検出する新しいSNOMを提案
している。この装置では、試料は内部全反射プリズムの
上に置かれ、He−Neレーザ光が全反射プリズム側か
ら試料に照射され、試料が励起され、エバネッセント光
場が試料表面近傍に形成される。ついで、このエバネッ
セント光場にカンチレバー先端に支持された窒化シリコ
ン製の探針が差し入れられると、局在波であるエバネッ
セント光が伝搬波である散乱光に変換され、その一部が
He−Neレーザ光の波長に対して殆ど透明な窒化シリ
コン製の探針内部を伝搬し、カンチレバーの裏側に透過
してくる。この光は、カンチレバーの上方に配置された
レンズにより集光され、このレンズに対して探針先端と
共役な位置に配置されたピンホールを経て光電子増倍管
で検出され、光電子増倍管からSNOM信号が出力され
る。
【0010】ここでSNOM信号の検出の間、通常のA
FM測定と同様に、光学式変位検出センサーによってカ
ンチレバーの変位が測定されており、例えば、この変位
を一定値に保つように圧電体スキャナーが高さ方向にフ
ィードバック制御されている。従って、一回の走査の間
に、走査信号とSNOM信号とに基づいてSNOM測定
が行なわれると共に走査信号とフィードバック制御信号
とに基づいてAFM測定が行なわれる。
【0011】Betzig等のSNOMやN.F.va
n Hulst等のSNOMでは、いずれもプローブの
先端は光学的に透明である必要がある。また、横方向分
解能の高いSNOM像を得るためには、プローブは金属
コートの施されたものが望ましい。しかし、先端に微小
な開口を持つ金属コートの施されたプローブを大量に、
しかも均一に作製するのは容易ではない。超解像が期待
されるSNOMには、通常の光学顕微鏡で実現可能な分
解能を越える分解能が求められ、これを実現するために
は、プローブ先端の開口の直径は0.1μm以下である
ことが必要であり、特に直径0.05μm以下であるこ
とが好ましい。この様な開口径を再現性よく作製するこ
とは極めて難しい。
【0012】また、開口を通してプローブ内に入射する
光量は、開口半径の二乗に比例して少なくなるので、S
NOM像の横方向分解能を上げる目的で開口径を小さく
すると、検出される光量が減少して検出系のS/N比が
悪くなる、というトレードオフの問題が存在する。
【0013】さらに、N.F.van Hulst等の
SNOMでは、窒化シリコン製の探針を透過した光を検
出しているので、短波長域のエバネッセント光を検出す
ることが難しい。例えば、窒化シリコン膜はシリコンと
窒素のストイキオメトリーが3対4のものでも450n
m以下の波長で分光透過率が急激に低下する。カンチレ
バー用の窒化シリコン膜には、低ストレスの窒化シリコ
ン膜を得るため、シリコンの割合を増やしたものが一般
に用いられる。このようなシリコンリッチな窒化シリコ
ン膜では、短波長域での分光透過率の低下は一層激し
い。従って、シリコンリッチな窒化シリコン製のカンチ
レバーを用いた短波長域でのSNOM測定は、殆ど不可
能であるか、測定できても極めてS/N比の悪いものと
なる。
【0014】そこでプローブの先端に開口を必要としな
い新しいSNOMが提案されている。このSNOMで
は、プローブの先端に開口が不要なため、前述した開口
作製の難しさやトレードオフの問題に直面しなくて済
む。この新しいSNOMは、探針の外側を伝搬する散乱
光をSNOM情報として検出するため、散乱モードSN
OMとも呼ばれる。この検出方式のため、短波長域のエ
バネッセント光の検出の難しさの問題にも直面しなくて
済む。
【0015】特開平6−137847号公報(河田ら)
は散乱モードSNOMを開示している。このSNOM
は、試料表面に形成されたエバネッセント光を先端が鋭
く加工されたプローブで散乱させて伝搬光に変換し、こ
の伝搬光すなわち散乱光をプローブの側方に配置された
集光レンズと光電検出器を用いて検知し、この検知信号
に基づいて試料の光学情報を得ている。
【0016】河田らは、第42回日本応用物理学関係連
合講演会(予稿集No.3、916頁、1995年3
月)において、STMの金属探針をプローブに使用し、
STMにより試料と探針間の距離制御を行ないながら、
試料表面に発生したエバネッセント光が金属探針先端で
散乱されたために発生する伝搬光を、探針と試料の横方
向から観察するようにしてSTM観察と散乱モードでS
NOM観察を行なえる装置を開示している。また、第4
3回日本応用物理学関係連合講演会(予稿集No.3、
887頁、1996年3月)ではエバネッセント光でな
く、試料の上方から斜入射した伝搬光の金属探針先端−
試料間の多重散乱でもSNOM観察が可能であることを
報告している。
【0017】また、Bachelot等はOpt.Le
tt.20(1995)P.1924で、やはり開口プ
ローブを使わず、また、上方からの伝搬光による散乱モ
ードSNOM装置を報告している。
【0018】上述のように試料の上方から斜入射した伝
搬光を用いた場合も、探針先端によって試料表面近傍の
光の場から散乱光が発生したものと考えられる。よって
本明細書においては、前述の全反射プリズム側からレー
ザ光を入射して形成される試料表面近傍の光の場、即ち
エバネッセント場、及び、試料上方からレーザ光を斜入
射して形成される試料表面近傍の光の場を共に「近接
場」と表現する。
【0019】以上のように様々なタイプのSNOM装置
が開示されているが、特に散乱モードSNOMに著しい
が、探針以外に強い散乱源があるとそこからの散乱光を
拾うため、像のS/Nが悪くなるという欠点を持ってい
る。これを克服するために以下の方法がよく使われてい
る。即ち探針を試料表面近傍で縦振動させると、探針が
試料に近づいたときだけ探針−試料間多重散乱が起こる
ので、この信号は時間的に振動する。一方、散乱源から
の散乱光は時間的に一定である。そこで、フォトマルチ
プライヤー(PM)等で受信した信号のうち、探針の振
動数に同期した信号強度の振幅をロックインアンプ等で
とりだし、かつ、散乱源からの光強度を引くことで探針
のみからの信号を得ることができるというものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法によっては散乱源からの信号をうまく除去すること
はできない。その理由を以下に説明する。今、探針−試
料間からの光の複素振幅をA、ノイズとなる散乱源から
のそれをBとする。探針−試料間からの光とノイズとな
る散乱源からの光とは互いにコヒーレント(可干渉)で
あるので、PMでの受信信号は、両者の複素振幅を足し
合わせたものの絶対値の二乗で表される光強度に比例す
る。その光強度からノイズとなる散乱源からの光のみの
光強度を引くと|A+B|2 −|B|2 =|A|2 +2
|A||B|cosα(αはAとBの位相差)となり、
期待された|A|2 にはならない。従って例えば強い1
点の散乱源がある場合、上述の方法を用いてもSNOM
像には散乱源からの距離に応じた干渉的なバックグラウ
ンドノイズが現れる。
【0021】本発明の目的は、PM等の光検出器の受信
信号から上記のような散乱源からの散乱光による干渉的
なバックグラウンドノイズを除去することのできる光測
定装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する第1
の発明による光測定装置は、周波数ω1 で振幅変調する
第1の光と前記第1の光にコヒーレントで、かつ、その
振幅が時間的に変動のない第2の光との混合光から、前
記第1の光の振幅を測定する光測定装置において、前記
混合光に前記第1、第2の光とコヒーレントな第3の光
を合波干渉させるための光学系と、前記合波干渉光の出
力光強度を検出する光検出器と、前記第1の光と第3の
光との相対的位相差を変化させるための位相差変化手段
と、前記第1の光と第3の光との異なる相対的位相差に
対応した前記光検出器の複数の出力値の前記周波数ω1
の振動成分に基づいて、前記第1の光の振幅を求める演
算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】この発明の原理を以下に示す。上記混合光
と、これらとコヒーレントな第3の光とを光学系を用い
て合波干渉させると、光検出器の直後の受信信号の出力
は以下のように与えられる。 |(A(1+sin(ω1 t))/2)+B+Cexp(id)|2 (1) ここでA、B、Cはそれぞれ第1、第2、第3の光の複
素振幅、dは第1の光と第3の光との相対的位相差、ω
1 は第1の光の振幅変調の周波数、tは時間、iは虚数
単位である。この中で周波数ω1 の振動成分f(ω1
は、係数部分をg(d)として、 f(ω1 ) =g(d)(sin(ω1 t))/2 =(2|A|2 +A(B+Cexp(id)) +A(B+Cexp(id)))(sin(ω1 t))/2 =(2|A|2 +(AB+AB) +(ACexp(−id)+ACexp(id))) (sin(ω1 t))/2 (2) AとCの位相差をβとすれば、(2)式のg(d)に相
当する部分の第3項は、 |A||C|(exp(iβ)exp(−id)+ex
p(−iβ)exp(id))=2|A||C|cos
(β−d) よって、周波数ω1 の振動成分f(ω1 )の係数部分g
(d)は以下のように表せる。 g(d) =2|A|2 +(AB+AB)+2|A||C|cos(β−d) (3) ここで、A、B、(B+Cexp(id))はそ
れぞれA、B、(B+Cexp(id))の複素共役を
表す。よって第1の光と第3の光との相対的位相差dを
位相差変化手段で変化させると、周波数ω1 の振動成分
の係数g(d)は上記(3)式の第3項のみが変化す
る。つまり第1項と第2項は定数とみなすことができ
る。よって演算手段で例えば相対的位相差dの異なる2
個の係数g(d)の値の差をとれば(3)式の第3項の
みが得られ、またこのような(3)式第3項のみとなる
演算結果をいくつか組み合わせてβに関する項を消去す
ることによって、第1の光の振幅|A|を求めることが
できる。(第3の光の複素振幅Cは予め求められるので
演算によって消去できる。)以上のように、位相差変化
手段で相対的位相差を変化させながら合波干渉出力を光
検出器で取り込み、演算手段によってこれらの相対的位
相差の異なる測定値の周波数ω1 の振動成分の係数を演
算処理することで、ノイズとなる散乱源からの散乱光に
よる干渉的なバックグラウンドノイズを除去して第1の
光の振幅|A|を求めることができる。
【0024】上記目的を達成する第2の発明による光測
定装置は、前記第1の発明に記載の光測定装置におい
て、前記演算手段は、前記位相差変化手段が前記相対的
位相差を変化させた時の、各々異なる前記相対的位相差
に対応する前記光検出器の少なくとも3個の出力値を取
り込み、それらの出力値から前記周波数ω1 で振動する
成分を抽出し、前記周波数ω1 の振動成分に基づいて前
記第1の光の振幅を求める演算手段であることを特徴と
する。
【0025】この発明の原理を以下に示す。上記位相差
変化手段で相対的位相差を変化させながら、各相対的位
相差に対応する光検出器の少なくとも3個の合波干渉出
力値を取り込み、それらの出力値から周波数ω1 で振動
する成分を抽出すると、相対的位相差dが離散的な3個
の値となる前述の(3)式(係数g(d))が得られ
る。 g(−d1 ) =2|A|2 +(AB+AB)+2|A||C|cos(β+d1 ) =P (4) g(−d2 ) =2|A|2 +(AB+AB)+2|A||C|cos(β+d2 ) =Q (5) g(−d) =2|A|2 +(AB+AB)+2|A||C|cos(β+d3 ) =R (6) ここで−d1 、−d2 、−d3 は相異なる相対的位相
差、またP、Q、Rは光検出器で取り込まれた合波干渉
出力値の周波数ω1 で振動する成分の係数g(d)の実
測値である。(4)式と(5)式の差、及び(4)式と
(6)式の差をとると、 g(−d1 )−g(−d2 ) =S(cos(β+d1 )−cos(β+d2 )) =S(Tcosβ−Usinβ) =P−Q (7) g(−d1 )−g(−d3 ) =S(cos(β+d1 )−cos(β+d3 )) =S(Vcosβ−Wsinβ) =P−R (8) 但し、S=2|A||C| (9) また、 T=cosd1 −cosd2 、U=sind1 −sind2 、 V=cosd1 −cosd3 、W=sind1 −sind3 (10) ここで(7)式と(8)式より Scosβ=((P−Q)W−(P−R)U)/(TW−UV) (11) Ssinβ=((P−Q)V−(P−R)T)/(TW−UV) (12) さらに(11)式と(12)式の2乗和をとると、 S2 (cos2 β+sin2 β) =S =(((P−Q)W−(P−R)U)2 +((P−Q)V−(P−R)T)2 ) /(TW−UV)2 (13) よって|C|2 、即ち参照光の光強度を予め測定してお
けば、(9)、(10)、(13)式より第1の光の振
幅を求めることができる。よって、位相差変化手段で相
対的位相差を変化させながら合波干渉出力を光検出器で
取り込み、演算手段によってこれらの相対的位相差の異
なる少なくとも3個の測定値の周波数ω 1 の振動成分の
係数を演算処理することで、ノイズとなる散乱源からの
散乱光による干渉的なバックグラウンドノイズを除去し
て第1の光の振幅|A|を求めることができる。尚、合
波干渉出力値2個と散乱光のみの場合の光検出器の出力
値1個の計3個を用いて上述の演算処理を行っても同様
な効果を得ることができる。即ち、これは(3)式にお
いて第3項が零となる相対的位相差を持つ係数値1個
と、第3項が零ではない係数値2個とを組み合わせる場
合に等しい。
【0026】上記目的を達成する第3の発明による光測
定装置は、前記第1の発明に記載の光測定装置におい
て、前記演算手段は、前記位相差変化手段が前記相対的
位相差を変化させた時の前記光検出器の出力値を各相対
的位相差が2Nπ+γ、(1/2+2N)π+γ、(1
+2N)π+γ、(3/2+2N)π+γ(Nは整数、
0≦γ≦2π)となる4点で取り込み、それぞれの出力
値から前記周波数ω1 で振動する成分を抽出し、前記周
波数ω1 の4点の振動成分に基づいてその相対的位相差
の差がπとなる組み合わせの前記出力値の差の2乗和を
演算して前記第1の光の振幅を求める演算手段であるこ
とを特徴とする。
【0027】この発明の原理を以下に説明する。上記位
相差変化手段で相対的位相差を変化させながら、相対的
位相差dが2Nπ+γ、(1/2+2N)π+γ、(1
+2N)π+γ、(3/2+2N)π+γ(Nは整数、
0≦γ≦2π)となる4点で光検出器の合波干渉出力値
(受信信号)を演算手段に取り込み、それぞれ周波数ω
1 で振動する成分を抽出すると、その係数g(d)は
(3)式をもちいて、 g(2Nπ+γ) =2|A|2 +(AB+AB)+2|A||C|cos(β−γ)(14) g((1/2+2N)π+γ) =2|A|2 +(AB+AB)+2|A||C|sin(β−γ)(15) g((1+2N)π+γ) =2|A|2 +(AB+AB)−2|A||C|cos(β−γ)(16) g((3/2+2N)π+γ) =2|A|2 +(AB+AB)−2|A||C|sin(β−γ)(17) となる。この中で相対的位相差dの差がπとなる組み合
わせの係数g(d)の差をとる。即ち(14)式と(1
6)式の差及び(15)式と(17)式の差を計算する
と、 g(2Nπ+γ)−g((1+2N)π+γ) =4|A||C|cos(β−γ) (18) g((1/2+2N)π+γ)−g((3/2+2N)π+γ) =4|A||C|sin(β−γ) (19) (18)式と(19)式の2乗和をとると、 (4|A||C|cos(β−γ))2 +(4|A||C|sin(β−γ))2 =16|A|2 |C|2 (20) |C|2 、即ち参照光の光強度を予め測定しておけば、
(20)式より第1の光の振幅を求めることができる。
よって、位相差変化手段で相対的位相差を変化させなが
ら合波干渉出力を光検出器で取り込み、演算手段によっ
てこれらの相対的位相差の異なる測定値の周波数ω1
振動成分の係数を演算処理することで、ノイズとなる散
乱源からの散乱光による干渉的なバックグラウンドノイ
ズを除去して第1の光の振幅|A|を求めることができ
る。
【0028】上記目的を達成する第4の発明による光測
定装置は、前記第1の発明に記載の光測定装置におい
て、前記演算手段は、前記位相差変化手段が前記相対的
位相差を連続的に2π以上に亘って変化させた時の前記
光検出器の出力値から前記周波数ω1 で振動する成分を
抽出し、前記周波数ω1 の振動成分の係数の最大値と最
小値との差を演算して前記第1の光の振幅を求める演算
手段であることを特徴とする。
【0029】この発明の原理を以下に示す。上記位相差
変化手段で相対的位相差を連続的に2π以上に亘って変
化させながら、各相対的位相差に対応する光検出器の合
波干渉出力値を連続的に取り込み、その出力値から周波
数ω1 で振動する成分の係数の最大値と最小値を抽出す
ると、それらは前述の(3)式(係数g(d))をもち
いて、 g(d)max=2|A|2 +(AB+AB)+2|A||C| (21) g(d)min=2|A|2 +(AB+AB)−2|A||C| (22) 両者の差をとると g(d)max−g(d)min=4|A||C| (23) |C|2 、即ち参照光の光強度を予め測定して|C|を
求めておけば、(23)式より第1の光の振幅を求める
ことができる。よって、位相差変化手段で相対的位相差
を連続的に2π以上に亘って変化させながら合波干渉出
力を光検出器で取り込み、演算手段によってこれらの相
対的位相差の異なる測定値の周波数ω1 の振動成分の係
数の最大値と最小値を演算処理することで、ノイズとな
る散乱源からの散乱光による干渉的なバックグラウンド
ノイズを除去して第1の光の振幅|A|を求めることが
できる。
【0030】上記目的を達成する第5の発明による光測
定装置は、周波数ω1 で振幅変調する第1の光と前記第
1の光にコヒーレントでかつその振幅が時間的に変動の
ない第2の光との混合光から、前記第1の光の振幅を測
定する光測定装置において、前記混合光に、前記第1、
第2の光とコヒーレントでかつ第1の光に対して周波数
差eを有する第3の光を合波干渉させる光学系と、前記
合波干渉光の出力光強度を検出する光検出器と、前記光
検出器の出力から、前記混合光と第3の光との差周波|
ω1 −e|または和周波|ω1 +e|で振動する成分を
抽出して、前記第1の光の振幅を求める演算手段とを備
えたことを特徴とする。
【0031】この発明の原理を以下に示す。上記混合光
と、これらとコヒーレントな第3の光とを光学系を用い
て合波干渉させると、光検出器の直後の受信信号の出力
は以下のように与えられる。 |(A(1+sin(ω1 t))/2)+B+Cexp(iet)|2 (24) ここでA、B、Cはそれぞれ第1、第2、第3の光の複
素振幅、eは第1の光と第3の光との周波数差、ω1
第1の光の振幅変調の周波数、tは時間、iは虚数単位
である。この中で周波数ω1 の振動成分f(ω1 )は、
係数部分をg(e)として、 f(ω1 ) =g(e)(sin(ω1 t))/2 =(2|A|2 +A(B+Cexp(iet)) +A(B+Cexp(iet)))(sin(ω1 t))/2 =(2|A|2 +(AB+AB) +(ACexp(−iet)+ACexp(iet))) (sin(ω1 t))/2 (25) AとCの位相差をβとすれば、(25)式は以下のよう
に変形される。 f(ω1 ) =(2|A|2 +(AB+AB)+2|A||C|cos(β−et)) (sin(ω1 t))/2 =(2|A|2 +(AB+AB))(sin(ω1 t))/2 +|A||C|(sin(β−(e−ω1 )t) −sin(β−(e+ω1 )t))/2 (26) ここで、A、B、(B+Cexp(iet))
それぞれA、B、(B+Cexp(iet))の複素共
役を表す。周波数ω1 の振動成分f(ω1 )には(2
6)式のように第1の光と第3の光との差周波|ω1
e|または和周波|ω1 +e|で振動する成分が現れ
る。この和周波または差周波成分を演算手段で抽出して
その係数を演算処理することによってノイズとなる散乱
源からの散乱光による干渉的なバックグラウンドノイズ
を除去して第1の光の振幅|A|を求めることができ
る。
【0032】上記目的を達成する第6の発明による光測
定装置は、鋭い先端を有する探針を試料近傍に接近させ
るとともに探針先端−試料間付近にコヒーレント光を照
射して、前記試料近傍に形成される光の場に前記探針が
存在することによって発生する散乱光を検出すること
で、前記試料の持つ光学情報を検出する光測定装置にお
いて、前記探針を試料表面近くで試料表面に略垂直に周
波数ω1 にて振動させて、探針先端−試料間での散乱光
の光振幅を変調する光振幅変調手段と、前記光振幅変調
手段によって振幅変調された探針先端−試料間からの散
乱光を含む前記コヒーレント光の照射領域で発生する散
乱光に対してコヒーレントな参照光を合波干渉させる光
学系と、前記合波干渉光の出力光強度を検出する光検出
器と、前記探針先端−試料間からの散乱光と前記参照光
との相対的位相差を変化させるための位相差変化手段
と、前記探針先端−試料間からの散乱光と前記参照光と
の異なる相対的位相差に対応した前記光検出器の複数の
出力値の前記周波数ω1 の振動成分に基づいて、前記探
針先端−試料間からの散乱光の振幅を求める演算手段と
を備えたことを特徴とする。
【0033】この発明の原理を以下に示す。光振幅変調
手段で前記探針を試料表面近くで試料表面に略垂直に周
波数ω1 にて振動させて、探針先端−試料間での散乱光
の光振幅を変調し、この変調された散乱光を含む前記コ
ヒーレント光の照射領域で発生する散乱光に対してコヒ
ーレントな参照光を光学系を用いて合波干渉させ、その
干渉光の光出力強度を光検出器にて検出する。このとき
位相差変化手段で探針先端−試料間からの散乱光と参照
光との相対的位相差を変化させて、その異なる相対的位
相差に対応した光検出器の複数の出力値の周波数ω1
振動成分から演算手段で第1の発明と同様の原理で、ノ
イズとなる散乱源からの散乱光による干渉的なバックグ
ラウンドノイズを除去して前記探針先端−試料間からの
散乱光の振幅|A|を求めることができる。
【0034】上記目的を達成する第7の発明による光測
定装置は、前記第6の発明に記載の光測定装置におい
て、前記演算手段は、前記位相差変化手段が前記相対的
位相差を変化させた時の、各相対的位相差に対応する前
記光検出器の少なくとも3個の出力値を取り込み、それ
らの出力値から前記周波数ω1 で振動する成分を抽出
し、前記周波数ω1 の振動成分に基づいて前記探針先端
−試料間からの散乱光の振幅を求める演算手段であるこ
とを特徴とする。
【0035】この発明は第2の発明と同様の原理によっ
て、ノイズとなる散乱源からの散乱光による干渉的なバ
ックグラウンドノイズを除去して前記探針先端−試料間
からの散乱光の振幅|A|を求めることができる。
【0036】上記目的を達成する第8の発明による光測
定装置は、前記第6の発明に記載の光測定装置におい
て、前記演算手段は、前記位相差変化手段が前記相対的
位相差を変化させた時の前記光検出器の出力値を各相対
的位相差が2Nπ+γ、(1/2+2N)π+γ、(1
+2N)π+γ、(3/2+2N)π+γ(Nは整数、
0≦γ≦2π)となる4点で取り込み、それぞれの出力
値から前記周波数ω1 で振動する成分を抽出し、前記周
波数ω1 の4点の振動成分に基づいてその相対的位相差
の差がπとなる組み合わせの前記出力値の差の2乗和を
演算して前記探針先端−試料間からの散乱光の振幅を求
める演算手段であることを特徴とする。
【0037】この発明は第3の発明と同様の原理によっ
て、ノイズとなる散乱源からの散乱光による干渉的なバ
ックグラウンドノイズを除去して前記探針先端−試料間
からの散乱光の振幅|A|を求めることができる。
【0038】上記目的を達成する第9の発明による光測
定装置は、前記第6の発明に記載の光測定装置におい
て、前記演算手段は、前記位相差変化手段が前記相対的
位相差を連続的に2π以上に亘って変化させた時の前記
光検出手段の出力値から前記周波数ω1 で振動する成分
を抽出し、前記周波数ω1 の振動成分の係数の最大値と
最小値との差を演算して前記探針先端−試料間からの散
乱光の振幅を求める演算手段であることを特徴とする。
【0039】この発明は第4の発明と同様の原理によっ
て、ノイズとなる散乱源からの散乱光による干渉的なバ
ックグラウンドノイズを除去して前記探針先端−試料間
からの散乱光の振幅|A|を求めることができる。
【0040】上記目的を達成する第10の発明による光
測定装置は、鋭い先端を有する探針を試料近傍に接近さ
せるとともに探針先端−試料付近にコヒーレント光を照
射して、前記試料近傍に形成される光の場に前記探針が
存在することによって発生する散乱光を検出すること
で、前記試料の持つ光学情報を検出する光測定装置にお
いて、前記探針を試料表面近くで試料表面に略垂直に周
波数ω1 にて振動させて、探針先端−試料間での散乱光
の光振幅を変調する光振幅変調手段と、前記光振幅変調
手段によって振幅変調された探針先端−試料間からの散
乱光を含む前記コヒーレント光の照射領域で発生する散
乱光に対してコヒーレントでありかつ前記探針先端−試
料間からの散乱光に対して周波数差eを有する参照光を
合波干渉させる光学系と、前記合波干渉光の出力光強度
を検出する光検出器と、前記光検出器の出力から、前記
探針先端−試料間からの散乱光と参照光との差周波|ω
1 −e|または和周波|ω1 +e|で振動する成分を抽
出して、前記探針先端−試料間からの散乱光の振幅を求
める演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0041】この発明の原理を以下に示す。上記光振幅
変調手段で前記探針を試料表面近くで試料表面に略垂直
に周波数ω 1 にて振動させて、探針先端−試料間での散
乱光の光振幅を変調し、この変調された散乱光を含む前
記コヒーレント光の照射領域で発生する散乱光に対して
周波数差eを有するコヒーレントな参照光を光学系を用
いて合波干渉させ、その干渉光の光出力強度を光検出器
にて検出する。このとき探針先端−試料間からの散乱光
と参照光との差周波|ω1 −e|または和周波|ω1
e|で振動する成分から演算手段で第5の発明と同様の
原理で、ノイズとなる散乱源からの散乱光による干渉的
なバックグラウンドノイズを除去して前記探針先端−試
料間からの散乱光の振幅|A|を求めることができる。
【0042】上述した発明の説明において、第6の発明
以降の発明の最も好ましい適用例は、後述する実施形態
から明らかなように、散乱モードでの走査型近接場光顕
微鏡(SNOM)である。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に本発明の光測定装置を散乱
モード走査型近接場光顕微鏡(散乱モードSNOM)に
適用した例について図面を利用して説明する。 (装置構成) 本実施形態の散乱モード走査型近接場光
顕微鏡は、図3に示すようなシリコン製のいわゆるテト
ラヘドラルタイプのカンチレバーチップ100を有して
おり、これは詳細には支持部103と、支持部103か
ら延びるカンチレバー101と、カンチレバー101の
先端に設けられた四面体形状の探針102とを有してい
る。カンチレバー101の形状は図3(A)に示すよう
に短冊の先に二等辺三角形が継ぎ足された形をしてお
り、探針102は図3(B)に示すように探針先端10
6がカンチレバー101の先端105の真下に位置する
ように設けられている。またカンチレバー101の背面
(探針が設けられた側とは反対側)には高反射膜として
アルミニウム膜104がコーティングされている。
【0044】探針102先端近傍で発生する散乱光を高
いS/Nで検出するには、カンチレバーチップ100の
形状は重要なファクターである。後述するようにカンチ
レバー101の背面側に散乱光を集光する集光光学系
(対物レンズ等)を設ける場合には、カンチレバー10
1と探針102との接合部のカンチレバー先端側と両横
側に広がる突出部のない上記のテトラヘドラルタイプの
カンチレバーチップ100を用いることで、探針102
先端近傍で発生した散乱光が、カンチレバー101の先
端部の周縁で散乱や回折されることなく集光光学系で集
光されるため、高いS/Nで散乱光を検出することがで
きる。このような高いS/Nで散乱光の検出を実現する
カンチレバーチップは、上記のテトラヘドラルタイプに
限られるものではなく、カンチレバーと探針との接合部
の先端側と両横側に広がる突出部のない構造のカンチレ
バーチップであれば、同等の効果が得られる。
【0045】上述のカンチレバーチップ100は、図1
に示されるように超音波振動子795を介してチップ保
持具35により試料1の上方に支持されている。カンチ
レバーチップ100は光振幅変調手段である超音波振動
子795とそれを駆動する高周波電源796とにより高
周波電源796の周波数ω1 で加振される。
【0046】また本実施形態の散乱モードSNOMは、
カンチレバー101の自由端の変位を検出する光てこ式
の変位センサーを有している。これは図1に示すように
カンチレバー101に光を照射する半導体レーザー7
と、カンチレバー101からの反射光を受ける二分割フ
ォトディテクター8とを有している。半導体レーザー7
から射出されたレーザー光はカンチレバー101に照射
され、カンチレバー101背面に設けられたアルミニウ
ム膜104で反射され、二分割フォトディテクター8に
入射する。アルミニウム膜104は光を良好に反射し、
これは高いS/Nでの変位検出に貢献する。カンチレバ
ー101の自由端の変位は、二分割フォトディテクター
8に対する反射光の入射位置の変化を引き起こし、二分
割フォトディテクター8の受光部の出力の比を変動させ
る。従って、二分割フォトディテクター8の各受光部の
出力の差を調べることによって、カンチレバー101の
自由端の変位が求められ、間接的にではあるが探針10
2の変位が求められる。光てこの代わりに臨界角方式の
変位センサーを利用しても良い。
【0047】また図1に示される試料テーブル401と
圧電チューブスキャナ6の周辺部分の詳細な構造は図4
に示される。図4において圧電チューブスキャナー6は
ベース412の上に固定されており、圧電チューブスキ
ャナー6の上端には試料テーブル401が固定されてい
る。ベース412の端部には支柱部414が設けられ、
支柱部414の上部には水平に延びるアーム416が設
けられている。アーム416の先端部には内部全反射プ
リズム3が固定されており、内部全反射プリズム3は試
料テーブル401の内部空間に配置され、試料テーブル
401の上面中央に設けられた開口から露出されてい
る。試料1が載置されたスライドガラス2は、内部全反
射プリズム3の上面に適量のマッチングオイル4を垂ら
し、試料テーブル401の上に載置される。この結果、
図1に示されるように、スライドガラス2と内部全反射
プリズム3の間にマッチングオイル4が介在し、両者は
光学的に結合される。図4に示される構造体は、図1に
模式的に描かれているように、粗動ステージ5の上に配
置される。粗動ステージ5は、コンピューター11によ
り制御される粗動ステージ駆動回路36によって駆動さ
れ、図4の構造体を三次元的に粗く移動させる。これに
よって、試料1と探針102の間の大まかな位置合わせ
が行なわれ、また、試料1と探針102の間の距離が粗
調整される。
【0048】試料1の測定のための精密な走査は次のよ
うになされる。図1において、圧電チューブスキャナー
6は、制御回路9とコンピューター11により制御され
るスキャナー駆動回路10によって駆動され、試料テー
ブル401を三次元的に精密に移動させる。よって、試
料テーブル401に栽置されたスライドガラス2の上の
試料1が、探針102に対して相対的に三次元的に移動
されることになるので、探針102が試料1の表面を横
切って精密に走査され、また、試料1の先端と探針10
2の表面の間の距離が微調整される。本明細書において
は、探針が試料表面に沿って移動する走査をXY走査、
探針先端と試料表面の間の距離の調整をZ制御と表現す
る。先に図4を参照して説明したように、内部全反射プ
リズム3はアーム416によって試料テーブル401と
は独立に支持されているので、測定のための精密な走査
の間、内部全反射プリズム3は試料テーブル401の移
動に影響されることなく不動に保たれる。
【0049】また本実施形態の装置は、コヒーレント光
を照射して探針と試料の間に光の場(近接場)を発生さ
せる近接場発生装置を備えている。この近接場発生装置
は、試料の斜め下方から内部全反射プリズム3を介して
レーザ光を照射して伝搬せずに局在するエバネッセント
光を発生させるエバネッセント光発生装置と、試料の斜
め上方から試料にレーザ光を直接照射する直接照射型近
接場発生装置とを有しており、試料の厚さや物性等諸特
性により、そのいずれかを選択し動作させる。以下にエ
バネッセント光発生装置と直接照射型近接場発生装置に
ついて詳述する。
【0050】エバネッセント光発生装置は、図1におい
て、レーザー光源13、フィルター14、レンズ15、
二つのミラー16と17、内部全反射プリズム3を有し
ている。レーザー光源13には例えば出力25mWのア
ルゴンレーザーが使用される。レーザー光源13から射
出されたレーザー光は、フィルター14を通過した後、
レンズ15により平行ビームに変換される。この平行レ
ーザービームは、ミラー16とミラー17で順に反射さ
れた後、内部全反射プリズム3にその上面(即ちスライ
ドガラス2と試料1の界面まはた試料1と大気の界面)
で全反射する角度で入射される。この結果、試料1の表
面近傍にエバネッセント光が発生する。また平行レーザ
ビームの光路中に1/2波長板18を挿入して回転させ
ることで、必要に応じて平行レーザビームの偏光方向を
変化させる。これは後述する散乱光と参照光の合波干渉
の際に両者を効率よく干渉させるときに必要となる場合
がある。
【0051】また、直接照射型近接場発生装置は、図1
のレーザー光源13、フィルター14、レンズ15、二
つのミラー16と17及び図示しないミラー17の移動
及び回転装置(例えば直進ステージと回転ステージ)を
有しており、エバネッセント光発生装置の場合と同様に
して得られた平行レーザビームを、ミラー16で反射さ
せた後、前述の移動及び回転装置によって位置と角度を
変更したミラー17で反射させて、試料1の斜め上方か
ら試料1と探針102の近傍に照射するように構成され
ている(図2(A−1))。また近接場発生装置として
は、照明光源と照明光集光レンズとの間に環状絞りを置
いて中心直接光を遮断し、対物レンズに入斜しない斜光
線で試料を照明する公知の暗視野照明装置を使っても良
い。
【0052】尚、図1の構成においては、カンチレバー
チップ100は、内部全反射プリズム3へ入射する平行
レーザビームのプリズム3上面への投影像に対して、カ
ンチレバー101の長手軸のプリズム3上面への投影像
が平行になる位置関係に配置されている。しかしながら
カンチレバーチップ100は、エバネッセント光に探針
102が進入したときに発生するMie散乱の上述の平
行レーザビームの進行方向に強く発生する散乱光が検出
可能であれば、どのような向きで配置されてもよい。特
に上述の2つの投影像が直交する位置関係で配置されれ
ば強く発生する散乱光を効率よく検出でき、高いS/N
で散乱光を検出できる。
【0053】また本発明の装置では、探針先端近傍で発
生した散乱光をカンチレバーの上方に配置した対物レン
ズによって集光し、これと参照光とを光学系を用いて合
波干渉させて、その干渉出力を光検出器で検出する。ま
た参照光の光路中には位相差変化手段としてポッケルス
セル等の位相変化素子が挿入され、参照光の位相を変化
させることができる。以下に詳細な構成を説明する。
【0054】図1に示されるように、内部全反射プリズ
ム3の上方には、試料1及び探針102を間に挟んで対
物レンズ19が配置されている。対物レンズ19は探針
102先端の頂角よりも大きい開口角を有している。こ
こで、開口角は、対物レンズ19の焦点から入射瞳の直
径に対して張る角度を指し、別の言い方をすれば、対物
レンズ19に入射する光束の最大錐角のことであり、そ
の半角の正弦が対物レンズ19の開口数である。対物レ
ンズ19の上方には回転できる偏光子360が配置さ
れ、散乱光の特定偏光成分を選択できる。その上方には
散乱光検出鏡筒222が配置されており、散乱光検出鏡
筒222は対物レンズ19と共働して散乱光検出光学系
を構成している。散乱光検出光学系は、局在光であるエ
バネッセント光に探針102が進入したときに発生する
散乱光を検出する。
【0055】散乱光検出鏡筒222は、レンズ群20、
ピンホール21、光検出器である光電子増倍管22を有
している。ピンホール21は、対物レンズ19とレンズ
群20に対して、探針102の先端と光学的に共役な位
置に配置されている。これにより、探針102の先端近
傍で発生された散乱光以外の成分をできるだけカットし
ている。
【0056】また、散乱光に参照光を合波干渉させるた
めの光学系はハーフミラー700、ミラー703、70
4、705及びハーフミラープリズム30を有してお
り、近接場発生装置中のレーザ光源13の出射光をハー
フミラー700で分割したものを参照光として、ミラー
703、704、705を介してハーフミラープリズム
30に入射させ、散乱光と合波干渉させている。また散
乱光と参照光を効率よく合波干渉させるために、参照光
の光路中にビーム強度を調節するためのアッテネーター
(光強度減衰器)701と、参照光の偏光方向と偏光子
360で選択した散乱光の偏光方向が一致するように調
節するための1/2波長板702とを配置している。ま
た参照光の光路中に、位相差変化手段として印可電界に
比例して屈折率が変化するポッケルスセルのように透過
光の位相を連続可変できる位相変化素子711を挿入し
て参照光と散乱光の相対的位相差を変化させる。尚、相
対的位相差を離散的に変化させる場合には、位相差変化
手段として複数の位相板(図示せず)を組み合わせて用
いても良い。例えば相対的位相差を0度、90度、18
0度、270度と変化させて測定を行う場合には1/4
波長位相板と1/2波長位相板を組み合わせて用いれば
よい。
【0057】光検出器である光電子増倍管22は、光電
子増倍管用高圧電原23に接続されており、受光した干
渉光の光強度に応じた電気信号を出力する。演算手段は
乗算器797、ローパスフィルター740、コンピュー
タ11を有している。光電子増倍管22からの出力信号
は、アンプ24で増幅され、カンチレバーチップ100
に接続された光振幅変調手段である超音波振動子795
を駆動する高周波電源796の出力と、DBM等の乗算
器797でかけあわされ、さらにそのDC成分だけをロ
ーパスフィルター740で取り出すことで周波数ω1
振動成分の係数g(d)が抽出される。得られた係数g
(d)はコンピュータ11に取り込まれ、さらに演算処
理される。
【0058】尚、連続可変の位相変化素子711で相対
的位相差を連続的に2π以上に亘って変化させた時の光
電子増倍管22の出力値から、演算手段によって周波数
ω1で振動する成分の係数を抽出し、かつ、前記周波数
ω1 の振動成分の係数の最大値と最小値との差を演算し
て、さらにこの結果を演算処理する場合においては、演
算手段は図2(C−1)に示すように、ローパスフィル
ター750の後段に最大最小検出回路751と差動増幅
器752をさらに配置して、ローパスフィルター750
で周波数ω1 の振動成分の係数g(d)のDC成分だけ
をとりだした後に、コンピュータ11で指示された時間
内(最大値と最小値が必ず含まれるような測定時間)の
最大値及び最小値を最大最小検出回路751によって検
出し、検出した最大値と最小値の差を差動増幅器752
によって得て、その結果をコンピュータ11へ出力し、
さらに演算処理を行うように構成しても良い。また、最
大最小検出回路751と差動増幅器752の作用をコン
ピュータ11内部でソフトウェアによって行ってもよ
い。
【0059】また本実施形態の装置は、顕微鏡接眼鏡筒
28と顕微鏡照明鏡筒25を有しており、両者は対物レ
ンズ19の上方に配置されたハーフミラープリズム30
によって対物レンズ19と光学的に結合されており、顕
微鏡接眼鏡筒28は対物レンズ19と共働して光学顕微
鏡を構成し、顕微鏡照明鏡筒25は対物レンズ19と共
働して照明光学系を構成する。光学顕微鏡は、試料1の
種々の光学的観察に利用される他に、試料1の観察箇所
の特定、観察箇所への探針102の位置合わせ、変位セ
ンサーのレーザー光のカンチレバー102への照射位置
の確認に利用される。尚、観察場所の特定、変位センサ
ー用レーザー光の照射位置の確認が可能であれば、実体
顕微鏡、ルーペ、電子顕微鏡等、他の手段を用いても構
わない。以下では本発明の光学顕微鏡を使った場合につ
いて詳しく述べる。
【0060】顕微鏡照明鏡筒25は明視野照明用ハーフ
ミラープリズム370と暗視野照明用ハーフミラープリ
ズム910(図5参照)とを有しており、そのいずれか
一方が選択的に光路上に配置される。また顕微鏡照明鏡
筒25は光ファイバー26を介して照明光源27に接続
されている。
【0061】顕微鏡接眼鏡筒28は、観察面の高さを調
整するためのステージ29に取り付けられており、ステ
ージ29により上下方向に適宜移動される。顕微鏡接眼
鏡筒28には、画像を取得するためのCCDカメラ32
が取り付けられており、CCDカメラ32に取得された
画像はCCDカメラコントロールユニット33に送られ
モニターテレビ34に表示される。
【0062】照明光源27で発せられた照明光は、光フ
ァイバー26、顕微鏡照明鏡筒25、レンズ31、ハー
フミラープリズム30、対物レンズ19を経由して、試
料1に照射される。試料1からの光は、対物レンズ1
9、ハーフミラープリズム30、レンズ31、ハーフミ
ラープリズム370、ミラープリズム371を経由し
て、接眼顕微鏡鏡筒28に入射し、CCDカメラ32の
受光面に結像される。CCDカメラ32が取得した画像
はモニターテレビ34に表示される。(作用と効果)
本実施形態の装置では、SNOM測定と同時にAFM測
定が行なわれる。つまり、一回の走査の間にSNOM情
報の取得とAFM情報の取得が行なわれる。AFM測定
は、探針先端と試料表面の間のZ制御の仕方によって色
々なモードがあるが、ここではカンチレバーの先端部に
設けられた探針に微小な振動を与えるダイナミックモー
ドを利用する。本実施形態ではカンチレバーチップ10
0をそれに接続された超音波振動子795を用いて振動
させることで、カンチレバーチップ100を構成するカ
ンチレバー101の先端部に設けられた探針102を、
試料1表面にほぼ垂直な方向に一定の振幅で振動させ
る。そして試料1表面に探針102先端が十分に近づい
たときにはこの振動振幅が減衰することを利用して、探
針102が試料1表面を横切るXY走査の間に、探針1
02が一定の振動振幅を維持し、かつ、探針102−試
料1間の距離が一定に保たれるように探針102のZ制
御を行う。このようなZ制御を行うために本装置では前
述の変位センサを構成する2分割フォトディテクター8
の測定値から制御回路9によってZ方向の位置に関する
制御信号を生成し、コンピュータ11で生成されるXY
走査信号と共にスキャナ駆動回路10に送り圧電チュー
ブスキャナ6を駆動している。このZ制御のために制御
回路9で生成されるZ方向の位置に関する制御信号は即
ちAFM情報であり、Z制御のためにスキャナー駆動回
路10に送られると同時にコンピューター11に取り込
まれ、その内部で生成されるXY走査信号と合わせて処
理される。このようにして、試料1表面の凹凸を表現す
るAFM像が形成される。
【0063】またSNOM測定は、次のように行われ
る。上述のXY走査の間に、試料1表面近傍の各点にお
いて参照光の位相をポッケルスセル等の連続可変の位相
変化素子711によって変化させながら、散乱光と参照
光との合波干渉出力を光電子増倍管22で検出する。そ
の検出信号の中から、相対的的位相差の異なる少なくと
も3個の合波干渉出力値の周波数ω1 の振動成分の係数
g(d)を乗算器797とローパスフィルター740と
を用いて抽出する。これは検出信号と超音波振動子79
5を駆動する高周波電源796の出力とを乗算器797
で掛け合わせ、さらにローパスフィルター740を通す
ことで実行され、即ち超音波振動子795の高周波電源
796から印加した高周波信号(周波数ω1 )により加
振された探針102の振動周波数ω1 の振動成分の係数
g(d)が抽出される。これらの相対的的位相差の異な
る少なくとも3個の係数g(d)はコンピュータ11に
取り込まれ、(9)、(10)、(13)式と与えた相
対的位相差と予め測定しておいた参照光の光強度を用い
て演算処理され、散乱光の振幅が求められ、これとXY
走査信号とを合わせることで、散乱源によるノイズのな
い、試料表面の光学情報を表現するSNOM像が形成さ
れる。AFM像とSNOM像はモニター12に一緒に表
示される。
【0064】また試料1表面近傍の各点において相対的
位相差が0゜、90゜、180゜、270゜のようにπ
/2ずつ異なる4個の合波干渉出力値の振動周波数ω1
の振動成分の係数g(d)を上述と同様にして求めて、
これらをコンピュータ11によって予め測定しておいた
参照光の光強度とともに(14)式から(20)式にも
とづいて演算処理することで散乱光の振幅を求めてもよ
い。
【0065】また試料1表面近傍の各点において連続可
変の位相変化素子711で相対的位相差を連続的に2π
以上に亘って変化させた時の光電子増倍管22の合波干
渉出力値から、周波数ω1 で振動する成分の係数を上述
と同様にして求めたのち、この中からその係数の最大値
と最小値を最大最小検出回路751で求めて、求めた最
大値と最小値との差を差動増幅器752によって得て、
その結果をコンピュータ11によって(23)式と予め
測定しておいた参照光の光強度に基づいて演算処理して
散乱光の振幅を求めてもよい。このとき最大最小検出回
路751と差動増幅器752の作用は(21)、(2
2)式で表されるものであるから、この作用を(2
1)、(22)式を実現するコンピュータ11内部のソ
フトウェアによって実行してもよい。
【0066】ただし上記の測定においてはカンチレバー
の振動に対して検出される合波干渉光信号が線形に反応
するわけではないので、振動を充分小さくして変位対光
強度がほぼ線形に応答する範囲で測定する必要がある。
【0067】次に、本実施形態の変形例について説明す
る。変形例においては、散乱光に対して周波数差を有す
る参照光を散乱光と合波干渉させるための光学系とし
て、図1の合波干渉光学系の参照光路中に、位相変化素
子711の代わりに図2(B−1)のように音響光学変
調器721と高周波電源722からなる周波数変調素子
を挿入した光学系を用いる。
【0068】また、このとき演算手段の一部である図1
のC部は図2(C−2)のように構成されている。ここ
で光電子増倍管22からの合波干渉出力信号と超音波振
動子795の高周波電源796の出力信号とを乗算器7
97で掛け合わせた出力値に、さらに音響光学変調器7
21の高周波電源722からの高周波信号を乗算器76
0でかけ合わせて、ローパスフィルター761に出力す
る。するとローパスフィルター761からの出力値とし
て、散乱光と、これに対して周波数差eを持つ参照光と
の差周波|ω1 −e|又は和周波|ω1 +e|で振動す
る成分の係数が得られる。これをコンピュータ11に出
力し、さらに演算処理する。
【0069】上記の構成を用いて前述と同様のAFM測
定をすると共に以下のようにしてSNOM測定を行う。
上述のXY走査の間に、試料1表面近傍の各点において
参照光の周波数を上述の高周波電源722によって駆動
される音響光学変調器721によって変化させて、散乱
光と参照光との合波干渉出力を光電子増倍管22で検出
する。すると周波数ω1 の振動成分f(ω1 )には(2
6)式のように散乱光と参照光との差周波|ω1 −e|
または和周波|ω1 +e|で振動する成分が現れる。光
電子増倍管22からの合波干渉出力信号と超音波振動子
795の高周波電源796の出力信号とを乗算器797
で掛け合わせた出力値に、さらに音響光学変調器721
の高周波電源722からの高周波信号を乗算器760で
かけ合わせて、ローパスフィルター761を通すこと
で、このような散乱光と、これに対して周波数差を持つ
参照光との差周波|ω1 −e|又は和周波|ω1 +e|
で振動する成分の係数が得られる。この係数をコンピュ
ータ11に取り込み、予め測定しておいた参照光の光強
度とこの係数より(26)式に基づいて散乱光の振幅が
求められる。これとXY走査信号とを合わせることで、
散乱源によるノイズのない、試料表面の光学情報を表現
するSNOM像が形成される。AFM像とSNOM像は
モニター12に一緒に表示される。
【0070】尚、本変形例においては、乗算器797の
出力値をさらに乗算器760に入力して、散乱光と、こ
れに対して周波数差を持つ参照光との差周波|ω1 −e
|又は和周波|ω1 +e|で振動する成分の係数を得て
いるが、先に光電子増倍管22からの合波干渉出力信号
と音響光学変調器721の高周波電源722の高周波信
号(出力信号)とを掛け合わせた出力値に、さらに超音
波振動子795の高周波電源796からの高周波信号を
かけ合わせるように2つの高周波電源722、796の
高周波信号の出力先を変更するように構成してもよい。
【0071】以上の実施形態とその変形例の説明におい
ては、受信信号からの周波数ω1 或いは差周波|ω1
e|または和周波|ω1 +e|の振動成分の抽出に同一
の周波数を持つ信号を掛け合わせる、いわゆるホモダイ
ン検波を行っているが、異なる周波数を持つ信号を掛け
合わせる、いわゆるヘテロダイン検波を行っても同様の
効果が得られる。
【0072】また上述の実施形態とその変形例の説明に
おいて、乗算器797と乗算器760にて、それぞれ光
電子増倍管22からの受信信号と高周波電源796から
の高周波信号及びその出力値と高周波電源722からの
高周波信号を掛け合わせる際に、必要に応じて高周波信
号の信号経路中に、超音波振動子795及び音響光学変
調器721等による位相遅延を補償するための位相遅延
素子などの位相補償素子をいれてもよい。
【0073】また上述の実施形態とその変形例の説明に
おいては、本発明の光測定装置を散乱モードSNOMに
適用した場合について述べたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば従来の技術で説明した光ファ
イバー等の透光性を有する探針を持つSNOMにも適用
できる。即ち、ノイズ源からの散乱光が透光性を有する
探針或いはその後段に設置された集光用の光学系を介し
て光検出器に混入する場合に、本発明の光測定装置を適
用することで光検出器の受信信号からノイズ源からの散
乱光による干渉的なバックグラウンドノイズを除去して
探針先端−試料間からの散乱光の振幅を求めることがで
きる。
【0074】さらに本発明の光測定装置は、検出したい
信号光とノイズとなる光とが互いにコヒーレントな関係
にあるときに、これらの混合光の中から検出したい信号
光のみを検出する場合に有効である。例えばその適用例
として、光ビームを用いた移動体との相対距離或いはそ
の位置の測定装置がある。即ち、このような測定装置
は、測定装置から移動体にレーザ光を照射して、移動体
に設けられた反射装置からの反射光を測定装置に設けら
れた集光用の光学系を用いて集光して光検出器で検出
し、この検出された反射光をもとに移動体との正確な相
対距離或いは移動体の位置を測定する。このとき、測定
装置から照射されたレーザ光は遠方では拡散するので、
このレーザ光によって照射される領域は反射装置の周辺
部或いは移動体の外部にまで広がる場合がある。このよ
うな反射装置周辺部或いは移動体外部からの反射光は、
検出したい信号光に対してコヒーレントな関係にあり、
かつ、ノイズ光となりうる。よって本発明の光測定装置
を適用することで、上述の信号光とノイズ光の混合光で
ある光検出器の受信信号から、ノイズ光による干渉的な
バックグラウンドノイズを除去して検出したい信号光の
振幅を求めることができる。尚、この測定装置におい
て、周波数ω1 で第1の光、即ち信号光を振幅変調する
には、例えば移動体に設けられた反射装置を光ビームの
反射方向に周波数ω 1 で振動させてやればよい。
【0075】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように請求項1
の発明によれば、周波数ω1 で振幅変調する第1の光
と、その光にコヒーレントでかつその振幅が時間的に変
動のない第2の光との混合光に、これらとコヒーレント
な第3の光を、位相差変化手段で第1の光との相対的位
相差を変化させつつ光学系を用いて合波干渉させて、そ
の合波干渉出力を光検出器で取り込み、演算手段によっ
てこれらの相対的位相差の異なる測定値の周波数ω1
振動成分の係数を演算処理することで、光検出器の受信
信号からノイズとなる散乱源からの散乱光による干渉的
なバックグラウンドノイズを除去して第1の光の振幅を
求めることができる。
【0076】また、請求項5の発明によれば、上述の混
合光に、これらとコヒーレントで、かつ、第1の光に対
して周波数差eを有する第3の光を光学系を用いて合波
干渉させ、その合波干渉出力を光検出器で取り込むと、
その受信信号の周波数ω1 の振動成分には第1の光と第
3の光との差周波|ω1 −e|または和周波|ω1 +e
|で振動する成分が現れる。この和周波または差周波成
分の係数を演算手段で抽出して、さらに演算処理するこ
とによってノイズとなる散乱源からの散乱光による干渉
的なバックグラウンドノイズを除去して第1の光の振幅
を求めることができる。また本発明では合波干渉光強度
の測定回数は少なくとも1回行えばよいので、1点にお
ける測定時間は第1の発明を用いた場合よりも短時間で
すむ。
【0077】また、請求項6の発明によれば、鋭い先端
を有する探針を試料近傍に接近させるとともに探針先端
−試料付近にコヒーレント光を照射して、試料近傍に形
成される光の場に探針が存在することによって発生する
散乱光を検出することで、試料の持つ光学情報を検出す
る光測定装置において、光振幅変調手段で探針を試料表
面近くで試料表面に略垂直に周波数ω1 にて振動させて
探針先端−試料間での散乱光の光振幅を変調し、かつ、
この変調された散乱光を含む前記コヒーレント光の照射
領域で発生する散乱光に対してコヒーレントな参照光
を、位相差変化手段で探針先端−試料間からの散乱光と
参照光との相対的位相差を変化させつつ光学系を用いて
合波干渉させ、その干渉光の光出力強度を光検出器にて
検出し、演算手段によってこれらの相対的位相差の異な
る測定値の周波数ω1 の振動成分の係数を演算処理する
ことで、光検出器の受信信号からノイズとなる散乱源か
らの散乱光による干渉的なバックグラウンドノイズを除
去して探針先端−試料間からの散乱光の振幅を求めるこ
とができる。
【0078】さらに、請求項10の発明によれば、上述
の試料の持つ光学情報を検出する光測定装置において、
光振幅変調手段で探針を試料表面近くで試料表面に略垂
直に周波数ω1 にて振動させて探針先端−試料間での散
乱光の光振幅を変調し、この変調された散乱光を含む前
記コヒーレント光の照射領域で発生する散乱光に対して
周波数差eを有するコヒーレントな参照光を光学系を用
いて合波干渉させ、その干渉光の光出力強度を光検出器
にて検出すると、その受信信号の周波数ω1 の振動成分
には探針先端−試料間からの散乱光と参照光との差周波
|ω1 −e|または和周波|ω1 +e|で振動する成分
が現れる。この和周波または差周波成分の係数を演算手
段で抽出して、さらに演算処理することによってノイズ
となる散乱源からの散乱光による干渉的なバックグラウ
ンドノイズを除去して前記探針先端−試料間からの散乱
光の振幅を求めることができる。また本発明では試料表
面の各点における合波干渉光強度の測定回数は少なくと
も1回行えばよいので、試料表面全体を走査する場合に
必要な走査時間は、第6の発明を用いた場合の走査時間
よりも短時間ですむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したSNOM装置を説明する図で
ある。
【図2】(A−1)は、図1のSNOM装置において試
料上方よりレーザ光を照射する構成を説明する図であ
る。(B−1)は、本発明の変形例である周波数変調素
子を挿入した構成を説明する図である。(C−1)は、
図1のSNOM装置において演算手段の構成の他の1例
を説明する図である。(C−2)は、本発明の変形例で
ある周波数変調素子を挿入した構成に対応する演算手段
の構成の1例を説明する図である。
【図3】図1のカンチレバーチップの詳細な構造を示す
図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図を示す。
【図4】図1の試料テーブルと圧電チューブスキャナの
周辺部分の詳細な構造を示す図である。
【図5】図1のSNOM装置の顕微鏡照明鏡筒に用いら
れる明視野照明用及び暗視野照明用ハーフミラープリズ
ムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 試料 2 スライドガラス 3 内部全反射プリズム 4 マッチングオイル 5 粗動ステージ 6 圧電チューブスキャナ 7 半導体レーザ 8 二分割フォトデテクター 9 制御回路 10 スキャナ駆動回路 11 コンピューター 12 モニター 13 レーザ光源 14 フィルター 15 レンズ 16、17 ミラー 18 1/2波長板 19 対物レンズ 20 レンズ群 21 ピンホール 22 光電子増倍管 23 光電子増倍管用高圧電源 24 アンプ 25 顕微鏡照明鏡筒 26 光ファイバー 27 照明光源 28 接眼顕微鏡鏡筒 29 ステージ 30 ハーフミラープリズム 31 レンズ 32 CCDカメラ 33 CCDカメラコントロールユニット 34 モニター 35 チップ保持具 36 粗動ステージ駆動回路 100 カンチレバーチップ 101 カンチレバー 102 探針 103 支持部 104 アルミニュウム膜 105 カンチレバー先端 106 探針先端 222 散乱光検出鏡筒 360 偏光子 370 明視野照明用ハーフミラープリズム 371 ミラープリズム 401 試料テーブル 412 ベース 414 支持部 416 アーム 700 ハーフミラー 701 アッテネーター(光強度減衰器) 702 1/2波長板 703、704、705 ミラー 711 位相変化素子 721 音響光学変調器 722、796 高周波電源 740、750、761 ローパスフィルター 751 最大最小検出回路 752 差動増幅器 760、797 乗算器 795 超音波振動子 910 暗視野照明用ハーフミラープリズム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周波数ω1 で振幅変調する第1の光と前記
    第1の光にコヒーレントで、かつ、その振幅が時間的に
    変動のない第2の光との混合光から、前記第1の光の振
    幅を測定する光測定装置において、 前記混合光に前記第1、第2の光とコヒーレントな第3
    の光を合波干渉させるための光学系と、 前記合波干渉光の出力光強度を検出する光検出器と、 前記第1の光と第3の光との相対的位相差を変化させる
    ための位相差変化手段と、 前記第1の光と第3の光との異なる相対的位相差に対応
    した前記光検出器の複数の出力値の前記周波数ω1 の振
    動成分に基づいて、前記第1の光の振幅を求める演算手
    段と、を備えたことを特徴とする光測定装置。
  2. 【請求項2】前記演算手段は、前記位相差変化手段が前
    記相対的位相差を変化させた時の、各々異なる前記相対
    的位相差に対応する前記光検出器の少なくとも3個の出
    力値を取り込み、それらの出力値から前記周波数ω1
    振動する成分を抽出し、前記周波数ω1 の振動成分に基
    づいて前記第1の光の振幅を求める演算手段であること
    を特徴とする請求項1に記載の光測定装置。
  3. 【請求項3】前記演算手段は、前記位相差変化手段が前
    記相対的位相差を変化させた時の前記光検出器の出力値
    を、各相対的位相差が2Nπ+γ、(1/2+2N)π
    +γ、(1+2N)π+γ、(3/2+2N)π+γ
    (Nは整数、0≦γ≦2π)となる4点で取り込み、そ
    れぞれの出力値から前記周波数ω1 で振動する成分を抽
    出し、前記周波数ω1 の4点の振動成分に基づいてその
    相対的位相差の差がπとなる組み合わせの前記出力値の
    差の2乗和を演算して前記第1の光の振幅を求める演算
    手段であることを特徴とする請求項1に記載の光測定装
    置。
  4. 【請求項4】前記演算手段は、前記位相差変化手段が前
    記相対的位相差を連続的に2π以上に亘って変化させた
    時の前記光検出手段の出力値から、前記周波数ω1 で振
    動する成分を抽出し、前記周波数ω1 の振動成分の係数
    の最大値と最小値との差を演算して前記第1の光の振幅
    を求める演算手段であることを特徴とする請求項1に記
    載の光測定装置。
  5. 【請求項5】周波数ω1 で振幅変調する第1の光と前記
    第1の光にコヒーレントで、かつ、その振幅が時間的に
    変動のない第2の光との混合光から、前記第1の光の振
    幅を測定する光測定装置において、 前記混合光に、前記第1、第2の光とコヒーレントで、
    かつ第1の光に対して周波数差eを有する第3の光を合
    波干渉させる光学系と、 前記合波干渉光の出力光強度を検出する光検出器と、 前記光検出器の出力から、前記混合光と第3の光との差
    周波|ω1 −e|または和周波|ω1 +e|で振動する
    成分を抽出して、前記第1の光の振幅を求める演算手段
    と、を備えたことを特徴とする光測定装置。
  6. 【請求項6】鋭い先端を有する探針を試料近傍に接近さ
    せるとともに探針先端−試料間付近にコヒーレント光を
    照射して、前記試料近傍に形成される光の場に前記探針
    が存在することによって発生する散乱光を検出すること
    で、前記試料の持つ光学情報を検出する光測定装置にお
    いて、 前記探針を試料表面近くで試料表面に略垂直に周波数ω
    1 にて振動させて、探針先端−試料間での散乱光の光振
    幅を変調する光振幅変調手段と、 前記光振幅変調手段によって振幅変調された探針先端−
    試料間からの散乱光を含む前記コヒーレント光の照射領
    域で発生する散乱光に対してコヒーレントな参照光を合
    波干渉させる光学系と、 前記合波干渉光の出力光強度を検出する光検出器と、 前記探針先端−試料間からの散乱光と前記参照光との相
    対的位相差を変化させるための位相差変化手段と、 前記探針先端−試料間からの散乱光と前記参照光との各
    々異なる相対的位相差に対応した前記光検出器の複数の
    出力値の前記周波数ω1 の振動成分に基づいて、前記探
    針先端−試料間からの散乱光の振幅を求める演算手段
    と、 を備えたことを特徴とする光測定装置。
  7. 【請求項7】前記演算手段は、前記位相差変化手段が前
    記相対的位相差を変化させた時の、各々異なる前記相対
    的位相差に対応する前記光検出器の少なくとも3個の出
    力値を取り込み、それらの出力値から前記周波数ω1
    振動する成分を抽出し、前記周波数ω1 の振動成分に基
    づいて前記探針先端−試料間からの散乱光の振幅を求め
    る演算手段であることを特徴とする請求項6に記載の光
    測定装置。
  8. 【請求項8】前記演算手段は、前記位相差変化手段が前
    記相対的位相差を変化させた時の前記光検出器の出力値
    を、各相対的位相差が2Nπ+γ、(1/2+2N)π
    +γ、(1+2N)π+γ、(3/2+2N)π+γ
    (Nは整数、0≦γ≦2π)となる4点で取り込み、そ
    れぞれの出力値から前記周波数ω1 で振動する成分を抽
    出し、前記周波数ω1 の4点の振動成分に基づいてその
    相対的位相差の差がπとなる組み合わせの前記出力値の
    差の2乗和を演算して前記探針先端−試料間からの散乱
    光の振幅を求める演算手段であることを特徴とする請求
    項6に記載の光測定装置。
  9. 【請求項9】前記演算手段は、前記位相差変化手段が前
    記相対的位相差を連続的に2π以上に亘って変化させた
    時の前記光検出手段の出力値から、前記周波数ω1 で振
    動する成分を抽出し、前記周波数ω1 の振動成分の係数
    の最大値と最小値との差を演算して前記探針先端−試料
    間からの散乱光の振幅を求める演算手段であることを特
    徴とする請求項6に記載の光測定装置。
  10. 【請求項10】鋭い先端を有する探針を試料近傍に接近
    させるとともに探針先端−試料付近にコヒーレント光を
    照射して、前記試料近傍に形成される光の場に前記探針
    が存在することによって発生する散乱光を検出すること
    で、前記試料の持つ光学情報を検出する光測定装置にお
    いて、 前記探針を試料表面近くで試料表面に略垂直に周波数ω
    1 にて振動させて、探針先端−試料間での散乱光の光振
    幅を変調する光振幅変調手段と、 前記光振幅変調手段によって振幅変調された探針先端−
    試料間からの散乱光を含む前記コヒーレント光の照射領
    域で発生する散乱光に対してコヒーレントでありかつ前
    記探針先端−試料間からの散乱光に対して周波数差eを
    有する参照光を合波干渉させる光学系と、 前記合波干渉光の出力光強度を検出する光検出器と、 前記光検出器の出力から、前記探針先端−試料間からの
    散乱光と参照光との差周波|ω1 −e|または和周波|
    ω1 +e|で振動する成分を抽出して、前記探針先端−
    試料間からの散乱光の振幅を求める演算手段と、を備え
    たことを特徴とする光測定装置。
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Cited By (7)

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