JP3523754B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JP3523754B2
JP3523754B2 JP14175296A JP14175296A JP3523754B2 JP 3523754 B2 JP3523754 B2 JP 3523754B2 JP 14175296 A JP14175296 A JP 14175296A JP 14175296 A JP14175296 A JP 14175296A JP 3523754 B2 JP3523754 B2 JP 3523754B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、探針を用いて試料
表面の光学的情報を得る走査型プローブ顕微鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、プ
ローブを試料表面に1μm以下まで近接させた時に両者
間に働く相互作用を検出しながらプローブをXY方向あ
るいはXYZ方向に走査して、その相互作用の二次元マ
ッピングを行う装置の総称であり、例えば、走査型トン
ネリング顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AF
M)、磁気力顕微鏡(MFM)、走査型近接場光顕微鏡
(SNOM)を含んでいる。
【0003】SNOMは、特に1980年代後半以降、
エバネッセント波を検出することにより回折限界を超え
る分解能を有する光学顕微鏡として盛んに開発が進めら
れており、その測定原理には、エバネッセント波は「波
長より小さい寸法(厚さ)の領域に局在し、自由空間を
伝搬しない」という特性が利用されている。
【0004】ベツィックら(Betzig et al. )に付与さ
れた米国特許第5,272,330号は、先端が細く加
工されたプローブに光を導入することによりプローブ先
端の微小開口の近傍にエバネッセント場を発生させ、エ
バネッセント場を試料に接触させ、エバネッセント場と
試料の接触により発生した光を、試料の下に配置された
光検出器で検出し、透過光強度の二次元マッピングを行
なうSNOMを開示している。
【0005】このSNOMでは、先端が細く加工された
光ファイバーやガラス棒あるいは水晶探針のように棒状
のプローブが用いられている。このプローブを改良した
ものとして、先端以外が金属膜で被われた棒状のプロー
ブが既に市販されており入手可能である。このプローブ
は、棒状のプローブ例えば先端が細く加工された光ファ
イバーやガラス棒あるいは水晶探針を回転させながら、
斜め後方から金属を蒸着して作製される。このプローブ
を用いた装置は、金属がコートされていないプローブを
用いた装置に比べて、横方向の解像力が向上されてい
る。
【0006】一方、AFMは、試料表面の凹凸情報を得
る装置として、SPMのなかで最も普及している。AF
Mは、カンチレバーの先端に支持された探針が試料表面
に近づけられたときに探針に働く力に応じて変位するカ
ンチレバーの変位を例えば光学式の変位センサにより検
出して、間接的に試料表面の凹凸情報を得る。AFMの
一つは例えば特開昭62−130302号に開示されて
いる。
【0007】このAFMにおける試料と探針先端間の相
互作用力の検出により試料の凹凸を測定する技術は、他
のSPM装置にも応用されており、試料と探針間の距離
を一定に保つ、いわゆるレギュレーションを行なう手段
として用いられている。
【0008】ファンフルストら(N. F. van Hulst et a
l.)は、「Appl. Phys. Lett. 62(5) P.461 (1993)」に
おいて、窒化シリコン製のAFM用カンチレバーを用
い、AFM測定により試料の凹凸を測定しながら、試料
の光学情報を検出する新しいSNOMを提案している。
この装置では、試料は内部全反射プリズムの上に置か
れ、HeNeレーザ光が全反射プリズム側から試料に照
射され、試料が励起され、エバネッセント光場が試料表
面近傍に形成される。ついで、このエバネッセント光場
にカンチレバー先端に支持された探針が差し入れられ、
局在波であるエバネッセント光が伝搬波である散乱光に
変換され、その一部が、HeNeレーザ光に対して殆ど
透明な窒化シリコン製の探針内を伝搬し、カンチレバー
の裏側に抜けて出てくる。この光は、カンチレバーの上
方に配置されたレンズにより収集され、このレンズに対
して探針先端と共役な位置に配置されたピンホールを介
して光電子増倍管に入射し、光電子増倍管からSNOM
信号が出力される。
【0009】SNOM信号の検出の間、カンチレバーは
通常のAFM測定と同様に、光学式変位検出センサーに
よってカンチレバーの変位が測定されており、例えば、
この変位を規定の一定値に保つように圧電体スキャナー
がフィードバック制御されている。従って、一回の走査
の間に、走査信号とSNOM信号とに基づいてSNOM
測定が行なわれると共に走査信号とフィードバック制御
信号とに基づいてAFM測定が行なわれる。
【0010】ベツィックら(Betzig et al. )のSNO
Mやファンフルストら(N. F. vanHulst et al.)のS
NOMでは、いずれもプローブの先端は光学的に透明で
ある必要がある。また、SNOM像の高い横方向分解能
を得るためには、プローブは金属コートの施されたもの
が望ましい。しかし、先端に開口を持つ金属コートの施
されたプローブを大量に、しかも均一に作製するのは容
易ではない。超解像が期待されるSNOMには、通常の
光学顕微鏡で実現可能な分解能を越える分解能が求めら
れ、これを実現するためには、プローブ先端の開口の径
はφ0.1μm以下であることが必要であり、φ0.0
5μm以下であることが好ましい。この様な値の開口を
再現性よく作製することは極めて難しい。
【0011】また、開口を通してプローブ内に入射する
光の量は、開口半径の二乗に比例して少なくなるので、
SNOM像の横方向分解能を上げる目的で開口径を小さ
くすると、検出される光量が減少して検出系のS/N比
が悪くなる、というトレードオフの問題が存在する。
【0012】また、ファンフルストら(N. F. van Huls
t et al.)のSNOMでは、窒化シリコン製の探針を透
過した光を検出しているので、短波長域のエバネッセン
ト光を検出することが難しい。例えば、窒化シリコン膜
はシリコンと窒素のストイキオメトリーが3対4のもの
でも450nm以下の波長で分光透過率が急激に低下す
る。カンチレバー用の窒化シリコン膜には、低ストレス
の窒化シリコン膜を得るため、シリコンの割合を増やし
たものが一般に用いられる。このようなシリコンリッチ
な窒化シリコン膜では、短波長域での分光透過率の低下
は一層激しい。従って、シリコンリッチな窒化シリコン
製のカンチレバーを用いた短波長域でのSNOM測定
は、殆ど不可能であるか、できても極めてS/N比の悪
いものとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】プローブの先端に開口
を必要としない新しいSNOMが提案されている。この
SNOMでは、プローブの先端に開口が不要なため、前
述した開口作製の難しさやトレードオフの問題に直面し
なくて済む。この新しいSNOMは、探針の外側を伝搬
する散乱光をSNOM情報として検出するため、散乱モ
ードSNOMとも呼ばれる。この検出方式のため、短波
長域のエバネッセント光の検出の難しさの問題にも直面
しなくて済む。
【0014】特開平6−137847号は散乱モードS
NOMを開示している。このSNOMは、試料表面に形
成されたエバネッセント光を針状のプローブで散乱させ
て伝搬光に変換し、この伝搬光すなわち散乱光をプロー
ブの側方に配置された集光レンズと光電検出器を用いて
検知し、この検知信号に基づいて試料の光学情報を得
る。
【0015】このSNOMでは、試料の上方に、探針と
これをXYZ方向に走査するスキャナーが配置されてい
るため、試料の上方に光学顕微鏡の対物レンズを配置す
ることができない。このため、光学顕微鏡観察は斜め方
向もしくは横方向から行なわざるを得ない。このような
光学顕微鏡観察では、試料上における探針の位置を高い
精度で確認するすることは難しい。また、通常の光学顕
微鏡の各種検鏡法、例えば偏光顕微鏡観察やノマルスキ
ー微分干渉顕微鏡観察を行なうことが難しい。さらに、
高倍率かつ高NAの対物レンズを使用できず、このため
試料を高い分解能で観察することが難しい。これは、光
学顕微鏡観察結果と照らし合わせてSNOM測定を同時
に進める際には大きな不利益である。
【0016】河田らは、第42回日本応用物理学関係連
合講演会(予稿集No.3、916頁、1995年3
月)において、STMの金属探針をプローブに使用し、
STMにより試料と探針間の距離制御を行ないながら、
試料表面に発生されたエバネッセント光が金属探針先端
で散乱されたために発生する伝搬光を、探針と試料の横
方向から観察してSTM観察とSNOM観察を行なえる
装置を開示している。
【0017】河田らの装置では、試料と探針間の距離制
御がSTMを用いて行なわれるため、観察できる試料は
導電性のものに限られる。このような制限は、一般に試
料は導電性のものより絶縁性のものの方が遥かに多いと
いうことを考慮すると、大きな不利益である。
【0018】本発明の目的は、高いS/NでAFM測定
と散乱モードSNOM測定とを同時に行なえる走査型プ
ローブ顕微鏡を提供することである。本発明の別の目的
は、通常の光学顕微鏡の各種検鏡法が実施できる走査型
プローブ顕微鏡を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、探針を用いて
試料表面の光学情報を得る走査型プローブ顕微鏡であ
り、自由端に探針を有するカンチレバーと、試料表面を
横切って探針を走査する走査手段と、探針先端と試料表
面の間の距離を制御する制御手段と、カンチレバーの自
由端の変位を検出する変位検出手段と、探針と試料の間
に電磁場を発生させる電磁場発生手段と、探針が電磁場
に作用して発生する光を検出する光検出手段と、走査手
段と変位検出手段と光検出手段からの情報を処理して試
料表面に関する像を形成する情報処理手段と、情報処理
手段による情報処理の結果を表示する表示手段とを備え
ており、光検出手段は、カンチレバーを基準にして試料
の反対側に配置される対物レンズを含み、対物レンズは
探針の頂角よりも大きい開口角を有している。ここに開
口角とは、対物レンズの焦点から入射瞳の直径に対して
張る角度であり、別の言い方をすれば、対物レンズに入
射する光束の最大錐角であり、その半角の正弦が対物レ
ンズの開口数である。
【0020】電磁場発生手段は、例えば、試料の下に配
置される内部全反射プリズムと、試料と内部全反射プリ
ズムの界面に対して光を全反射を起こす角度で照射する
手段とを有しており、探針と試料の間に局在電磁場を発
生させる。ここに局在電磁場は伝搬せずに局在する電磁
場を意味する。
【0021】あるいは、電磁場発生手段は、例えば、試
料を基準にしてカンチレバーの側から、対物レンズの開
口角の外側から試料を照明する光学系を有しており、探
針と試料の間に伝搬電磁場を発生させる。ここに伝搬電
磁場は伝搬する電磁場を意味する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の走査
型プローブ顕微鏡について図面を参照して説明する。装
置は、半導体加工プロセスを用いて作製された単結晶シ
リコン製のカンチレバーチップ100を有している。カ
ンチレバーチップ100は、図1に示されるように、チ
ップ保持機構35により試料1の上方に支持される。カ
ンチレバーチップ100は、いわゆるテトラヘドラルタ
イプのものであり、図2(A)と図2(B)に示される
ように、支持部103と、支持部103から延びるカン
チレバー101と、カンチレバー101の先端に設けら
れた四面体形状の探針102とを有している。カンチレ
バー101は240μmの長さ、約3μmの厚さを有
し、その形状は、短冊の先に二等辺三角形が継ぎ足され
た形をしており、短冊の長さは207μm、幅は30μ
m、二等辺三角形の頂角は48.5゜である。探針10
2は、35゜の頂角、約10μmの高さを有し、図2
(B)において、探針先端106はカンチレバー101
の先端105の真下に位置している。カンチレバー10
1の背面には厚さ80nmのアルミニウム膜104がコ
ーティングされている。
【0023】装置は、カンチレバー101の自由端の変
位を検出する光てこ式の変位センサーを有しており、カ
ンチレバー101に光を照射する半導体レーザー7と、
カンチレバー101からの反射光を受ける二分割フォト
ディテクター8とを有している。半導体レーザー7から
射出されたレーザー光はカンチレバー101に照射さ
れ、カンチレバー背面に設けられたアルミニウム膜10
4で反射され、二分割フォトディテクター8に入射す
る。アルミニウム膜104は光を良好に反射し、これは
高いS/Nでの変位検出に貢献する。カンチレバー10
1の自由端の変位は、二分割フォトディテクター8に対
する反射光の入射位置の変化を引き起こし、二分割フォ
トディテクター8の受光部の出力の比を変動させる。従
って、二分割フォトディテクター8の各受光部の出力の
差を調べることによって、カンチレバー101の自由端
の変位が求められ、間接的にではあるが探針102の変
位が求められる。
【0024】なお、探針102の変位を正確に知るため
にレーザー光の照射位置は、探針102の裏側が最も好
ましいが、実際には、SNOM測定時の散乱光との混在
を避けるため、そこから僅かに支持部103側に寄った
箇所が選ばれる。
【0025】図3に示されるように、圧電チューブスキ
ャナー6はベース412の上に固定されており、圧電チ
ューブスキャナー6の上端には試料テーブル401が固
定されている。ベース412の端部には支柱部414が
設けられ、支柱部414の上部には水平に延びるアーム
416が設けられている。アーム416の先端部には内
部全反射プリズム3が固定されており、内部全反射プリ
ズム3は試料テーブル401の内部空間に配置され、試
料テーブル401の上面中央に設けられた開口から露出
されている。
【0026】試料1が載置されたスライドガラス2は、
内部全反射プリズム3の上面に適量のマッチングオイル
4を垂らし、試料テーブル401の上に載置される。こ
の結果、図1に示されるように、スライドガラス2と内
部全反射プリズム3の間にマッチングオイル4が介在
し、両者は光学的に結合される。図3に示される構造体
は、図1に模式的に描かれているように、粗動ステージ
345の上に配置される。粗動ステージ345は、コン
ピューター11により制御される粗動ステージ駆動回路
346によって駆動され、図3の構造体を三次元的に粗
く移動させる。これによって、試料1と探針102の間
の大まかな位置合わせが行なわれ、また、試料1と探針
102の間の距離が粗調整される。
【0027】図1において、圧電チューブスキャナー6
は、制御回路9とコンピューター11により制御される
スキャナー駆動回路10によって駆動され、試料テーブ
ル401を三次元的に移動させる。これにより、試料テ
ーブル401に載せられたスライドガラス2の上の試料
1は、探針102に対して相対的に三次元的に移動され
る。これによって、探針102が試料1の表面を横切っ
て走査され、また、試料1の先端と探針102の表面の
間の距離が微調整される。本明細書においては、探針が
試料表面を横切る走査をXY走査、探針先端と試料表面
の間の距離の調整をZ制御とも表現する。圧電チューブ
スキャナー6によるXY走査のストロークは約30μ
m、Z制御のストロークは約5μmである。先に図3を
参照して説明したように、内部全反射プリズム3はアー
ム416によって試料テーブル401とは独立に支持さ
れているので、走査の間、内部全反射プリズム3は試料
テーブル401の移動に影響されることなく不動に保た
れる。
【0028】装置は、探針と試料の間に電磁場を発生さ
せる電磁場発生手段を備えている。電磁場発生手段は、
伝搬せずに局在する局在電磁場を発生させる局在電磁場
発生手段と、伝搬する電磁場を発生させる伝搬電磁場を
発生させる伝搬電磁場発生手段とを有しており、そのい
ずれかが選択的に動作される。ここで、局在電磁場は空
間を伝搬しない電磁場を意味し、例えばエバネッセント
光がこれにあたる。また、伝搬電磁場は空間を伝搬する
電磁場を意味し、例えば通常の伝搬光がこれにあたる。
【0029】続く説明においては、まず局在電磁場発生
手段について説明し、伝搬場発生手段については後で説
明する。局在電磁場発生手段すなわちエバネッセント光
発生手段は、図1において、レーザー光源13、フィル
ター14、レンズ15、二つのミラー16と17、内部
全反射プリズム3を有している。レーザー光源13には
例えば出力25mWのアルゴンレーザーが使用される。
レーザー光源13から射出されたレーザー光は、フィル
ター14を通過した後、レンズ15により平行ビームに
変えられる。平行レーザービームは、ミラー16とミラ
ー17で順に反射された後、内部全反射プリズム3にそ
の上面に対して48.5°の角度で入射する。内部全反
射プリズム3に進入した光は、スライドガラス2と試料
1の界面まはた試料1と大気の界面で全反射される。こ
の結果、試料1の表面近傍にエバネッセント光が発生さ
れる。ここで「スライドガラス2と試料1の界面まはた
試料1と大気の界面で全反射される」と記したのは、エ
バネッセント光に関する現象は厳密に解明されておら
ず、このため反射面を厳密に特定できないからである。
【0030】局在電磁場発生手段すなわちエバネッセン
ト光発生手段は、さらに、スライドガラス2と試料1の
界面まはた試料1と大気との界面で反射された光をモニ
ターするフォトディテクター18を有している。フォト
ディテクター18は、例えば、内部全反射プリズム3に
入射した光が正しく全反射されているか否かの確認に利
用される。
【0031】図1に示されるように、内部全反射プリズ
ム3の上方には、試料1と探針102を間に挟んで、対
物レンズ19が配置されている。対物レンズ19は探針
102の頂角よりも大きい開口角を有している。ここ
で、開口角は、対物レンズ19の焦点から入射瞳の直径
に対して張る角度を指し、別の言い方をすれば、対物レ
ンズ19に入射する光束の最大錐角のことであり、その
半角の正弦が対物レンズ19の開口数である。対物レン
ズ19の上方には散乱光検出鏡筒222が配置されてお
り、散乱光検出鏡筒222は対物レンズ19と共働して
散乱光検出光学系を構成している。散乱光検出光学系
は、局在電磁場であるエバネッセント光に探針が進入し
たときに発生する散乱光を検出する。
【0032】散乱光検出鏡筒222は、レンズ群20、
ピンホール21、光電子増倍管22を有している。ピン
ホール21は、対物レンズ19とレンズ群20に対し
て、探針102の先端と光学的に共役な位置に配置され
ており、散乱光検出光学系は共焦点光学系となってい
る。従って、光電子増倍管22に入射する光は、その殆
どが探針102の先端近傍で発生された散乱光である。
このように、散乱光検出光学系は共焦点光学系であるた
め、探針102の先端近傍で発生された散乱光を効率よ
く検出する。光電子増倍管22は、光電子増倍管用高圧
電源23に接続されており、受光した散乱光の光強度に
応じた電気信号を出力する。光電子増倍管22からの出
力信号は、アンプ24で増幅され、コンピューター11
に取り込まれる。
【0033】図1には、カンチレバーチップ100は、
プリズム3への入射光のプリズム上面への投影像に対し
て、カンチレバー101の長手軸のプリズム上面への投
影像が平行になる位置関係で描かれているが、実際に
は、図4に示されるように、カンチレバーチップ100
は、プリズム3への入射光107のプリズム上面への投
影像に対して、カンチレバー101の長手軸のプリズム
上面への投影像が直交する位置関係で配置される。つま
り、プリズム3への入射光107のプリズム上面への投
影像がY軸に平行であれば、カンチレバー101の長手
軸のプリズム上面への投影像がX軸に平行になる向き
に、カンチレバーチップ100が配置される。
【0034】エバネッセント光に探針が進入したときに
発生する散乱はMie散乱であり、散乱方向に関する散
乱光(図4に実線の矢印で示されている)の強度分布は
均一ではなく、図5に示されるように入射光107の進
行方向が最も強い。従って、図4に描かれた位置関係で
カンチレバーチップ100が配置された場合には、カン
チレバー101が、強い散乱光、特に紙面に平行な振動
成分を遮ることが少ない。これは高いS/Nでの散乱光
の検出に貢献する。
【0035】カンチレバー101の配置の向きは、その
長手軸のプリズム上面への投影像が、入射光107のプ
リズム上面への投影像に直交する位置関係に限られるも
のではない。カンチレバー101は、Mie散乱に基づ
く強い散乱光すなわち図5において右方向に伝搬する散
乱光が検出可能であれば、どのような向きで配置されて
もよい。
【0036】カンチレバー101の背面に設けられたア
ルミニウム膜104も、高いS/Nでの散乱光の検出に
貢献する。アルミニウム膜104は、探針先端で散乱さ
れた光が探針102の中を通り抜けて対物レンズ19に
入射するのを防止している。このため、対物レンズ19
に入射する光は探針102の外側を伝搬して行く散乱光
だけになる。これによって、SNOM信号に基づいて試
料1を分析する際の検出光の解釈が簡単になる。
【0037】また、アルミニウム膜104は、前述の光
てこ式の変位センサーのレーザー光がカンチレバー10
1の内部に侵入するのを防止している。これにより、レ
ーザー光がカンチレバー101に侵入し、その内部で反
射を繰り返した後に探針102の近傍から射出され、こ
の光が対物レンズ19に入射して、本来の検出されるべ
き散乱光と混ざることが防がれている。つまり、アルミ
ニウム膜104は、前述したように変位センサーのS/
Nの向上に貢献すると同時に、散乱光検出光学系のS/
Nの向上に貢献している。
【0038】実施例では、アルミニウム膜104はカン
チレバー101の背面に設けられているが、探針102
の側のカンチレバー101の面に設けられていてもよ
い。また、カンチレバー101にはアルミニウム膜10
4が設けられているが、光を良好に反射すると共に光を
良好に遮断する膜であればアルミニウム膜104に代え
て使用されてもよい。
【0039】高いS/Nでの散乱光の検出を実現する上
で、カンチレバーの形状は重要なファクターである。前
述のテトラヘドラルタイプのカンチレバー101は、高
いS/Nでの散乱光の検出にとって、最も好ましいもの
の一つである。以下、この理由について図6を参照して
説明する。
【0040】図6において、カンチレバー601は通常
のカンチレバーを示しており、探針602との接合部の
先端側と両横側に広がる突出部を有している。つまり、
探針602は、カンチレバー601の先端部に、その周
縁から若干の距離を置いて位置している。探針602の
先端とカンチレバー601の先端部の周縁とを結んだ線
と、対物レンズ19の光軸とがなす角θt の中で最も小
さい角が、対物レンズ19の開口角の半角θL より大き
い場合、散乱光検出光学系で検出される光は、探針60
2の先端近傍で発生した後にカンチレバー601の先端
部の周縁で散乱もしくは回折された光だけである。この
ような事態は好ましくなく、探針602の先端近傍で発
生した散乱光が、カンチレバー601の先端部の周縁で
散乱や回折されることなく、散乱光検出光学系によって
検出されることが望ましい。このため、カンチレバー6
01は、探針602との接合部の先端側と両横側に広が
る突出部が小さいものほど好ましく、突出部が全くない
ものが理想である。
【0041】以上から、前述のテトラヘドラルタイプの
カンチレバー101は、探針102との接合部の先端側
と両横側に広がる突出部を有しておらず、理想的な形状
を有していることが分かる。
【0042】理想的なカンチレバーは、テトラヘドラル
タイプのもに限られるものでない。探針との接合部の先
端側と両横側に広がる突出部のないカンチレバーであれ
ば、テトラヘドラルタイプのカンチレバー101と同様
に理想的である。
【0043】他の理想的なカンチレバーチップとして
は、例えば、図7に示される、いわゆるバードビークタ
イプのカンチレバーチップ200があげられる。カンチ
レバーチップ200は、カンチレバー支持部203と、
カンチレバー支持部203から延びるカンチレバー20
1と、カンチレバー201の先端から斜めに延出した探
針202とを有している。カンチレバー支持部203は
ガラス部材205を有しており、これは、探針202が
延びる側の面と反対側の面に位置している。カンチレバ
ー201には、探針202が延びる側の面と反対側の面
に、探針202の先端部まで延びる金属コート層204
が設けられている。
【0044】図7から明らかなように、カンチレバー2
01は、探針202との接合部の先端側と両横側に広が
る突出部を有しておらず、従って、バードビークタイプ
のカンチレバーチップ200も、テトラヘドラルタイプ
のカンチレバーチップ100と同様に、理想的なカンチ
レバーチップであることが分かる。
【0045】装置は、顕微鏡接眼鏡筒28と顕微鏡照明
鏡筒25を有しており、両者は対物レンズ19の上方に
配置されたハーフミラープリズム30によって対物レン
ズ19と光学的に結合されており、顕微鏡接眼鏡筒28
は対物レンズ19と共働して光学顕微鏡を構成し、顕微
鏡照明鏡筒25は対物レンズ19と共働して照明光学系
を構成する。光学顕微鏡は、試料1の種々の光学的観察
に利用される他に、試料1の観察箇所の特定、観察箇所
への探針102の位置合わせ、変位センサーのレーザー
光のカンチレバー101への照射位置の確認に利用され
る。
【0046】また、原則としてSNOM測定時には、顕
微鏡照明鏡筒25を含む照明光学系の照明光源27は切
られた状態とされる。これは光学顕微鏡の照明光学系に
基づくノイズを避けるためである。
【0047】顕微鏡照明鏡筒25は明視野照明用ハーフ
ミラープリズム370と暗視野照明用ハーフミラープリ
ズム910(図10参照)とを有しており、そのいずれ
か一方が選択的に光路上に配置される。暗視野照明用ハ
ーフミラープリズム910が光路上に配置されたとき、
照明光学系は、試料1と探針102の間に伝搬電磁場を
発生させる伝搬電磁場発生手段として機能する。これに
ついては後に詳しく説明する。それまでは、明視野照明
用ハーフミラープリズム370が光路上に配置されてい
るものとして話を進める。
【0048】顕微鏡接眼鏡筒28は、カンチレバー10
1の背面や試料1の表面等の観察面の高さを調整するた
めのステージ29に取り付けられており、ステージ29
により上下方向に適宜移動される。顕微鏡接眼鏡筒28
には、画像を取得するためのCCDカメラ32が取り付
けられており、CCDカメラ32に取得された画像はC
CDカメラコントロールユニット33に送られモニター
テレビ34に表示される。顕微鏡照明鏡筒25は光ファ
イバー26を介して照明光源27に接続されている。
【0049】照明光源27で発せられた照明光は、光フ
ァイバー26、顕微鏡照明鏡筒25、レンズ31、ハー
フミラープリズム30、対物レンズ19を経由して、試
料1に照射される。試料1からの光は、対物レンズ1
9、ハーフミラープリズム30、レンズ31、ハーフミ
ラープリズム370、ミラープリズム371を経由し
て、接眼顕微鏡鏡筒28に入射し、CCDカメラ32の
受光面に結像される。CCDカメラ32が取得した画像
はモニターテレビ34に表示される。
【0050】顕微鏡照明鏡筒25の内部にはポラライザ
ー362が光路中に適宜挿入可能に設けられており、顕
微鏡接眼鏡筒28の内部にはアナライザー363が光路
中に適宜挿入可能に設けられている。対物レンズ19と
ハーフミラープリズム30の間にはノマルスキー微分干
渉プリズム360が光路中に適宜挿入可能に設けられて
おり、ハーフミラープリズム30と散乱光検出鏡筒22
2の間にはノマルスキー微分干渉プリズム361が光路
中に適宜挿入可能に設けられている。
【0051】光学顕微鏡は、以上の構成により、通常の
光学顕微鏡観察、偏光顕微鏡観察、ノマルスキー微分干
渉顕微鏡観察を行なうことができる。通常の光学顕微鏡
観察の際には、ポラライザー362とアナライザー36
3とノマルスキー微分干渉プリズム360のすべてが光
路から外される。偏光顕微鏡観察の際には、ポラライザ
ー362とアナライザー363が光路上に配置され、ノ
マルスキー微分干渉プリズム360が光路から外され
る。ノマルスキー微分干渉顕微鏡観察の際には、ポララ
イザー362とアナライザー363とノマルスキー微分
干渉プリズム360のすべてが光路上に配置される。
【0052】ノマルスキー微分干渉プリズム361は、
ノマルスキー微分干渉プリズム360に連動して光路上
に配置される。つまり、ノマルスキー微分干渉プリズム
361は、ノマルスキー微分干渉プリズム360が光路
から外されているときは同じく光路から外され、ノマル
スキー微分干渉プリズム360が光路上に配置されてい
るときは同じく光路上に配置される。これは、ノマルス
キー微分干渉プリズム360による散乱光の分離を補償
するためである。つまり、探針102によって発生され
た散乱光はノマルスキー微分干渉プリズム360によっ
て互いに直交する偏光成分に分離され、この二つの偏光
成分は異なる光路上を伝搬する。このため、このままで
は、一方の偏光成分はピンホール21に向かわず、従っ
て光電子増倍管22で検出されない。ノマルスキー微分
干渉プリズム361は、このような事態を解消するため
に設けられ、本来の光路から外れた偏光成分をピンホー
ル21に向かわせる。
【0053】本実施例の装置では、SNOM測定と同時
にAFM測定が行なわれる。つまり、一回の走査の間に
SNOM情報の取得とAFM情報の取得が行なわれる。
AFM測定は、探針先端と試料表面の間のZ制御の仕方
によって色々なモードがあり、大きくは、カンチレバー
が静的な姿勢に支持されるスタティックモードと、カン
チレバーに微小な振動が与えられるダイナミックモード
とに分けられる。スタティックモードには、探針が試料
に接触するコンタクトモードと、探針先端と試料表面の
間に隙間が維持されるノンコンタクトモードとがある。
ダイナミックモードには、探針が試料表面に平行な方向
に振動されるシェアフォースモードと、探針が試料表面
に垂直な方向に振動されるモードとがあり、この垂直振
動モードには、探針先端が試料表面に接触するコンタク
トモードいわゆる探針先端が試料表面を叩くタッピング
モードと、探針先端と試料表面の間に隙間が維持される
ノンコンタクトモードとがある。
【0054】探針102が試料表面を横切って走査され
る間、いずれかのモードによって探針先端と試料表面の
間のZ制御が行なわれる。走査の間、Z制御のために制
御回路9から発生される制御信号はAFM情報としてコ
ンピューター11に取り込まれ、その内部で生成される
XY走査信号と合わせて処理される。これにより、試料
表面の凹凸を表現するAFM像が形成される。また、走
査の間、光電子増倍管22からの出力信号はSNOM情
報としてコンピューター11に取り込まれ、その内部で
生成されるXY走査信号と合わせて処理される。これに
より、試料表面の光学情報を表現するSNOM像が形成
される。AFM像とSNOM像はモニター12に一緒に
表示される。
【0055】前述したように、ノマルスキー微分干渉顕
微鏡観察の際、探針102によって発生された散乱光は
ノマルスキー微分干渉プリズム360によって互いに直
交する偏光成分に分離され、二つの偏光成分は異なる光
路上を伝搬する。図1の装置ではノマルスキー微分干渉
プリズム360の光路上への挿入に連動して補償用のノ
マルスキー微分干渉プリズム361が光路上に挿入さ
れ、これにより二つの偏光成分の光路の違いが補償され
るが、二つの偏光成分は、このような補償なしに、別々
に検出されてもよい。そのための構成が図8に示され
る。
【0056】図8において、散乱光検出鏡筒222は二
つの光電子増倍管22と221を有しており、光電子増
倍管22の手前にはピンホール211が、光電子増倍管
221の手前にはピンホール212が配置されている。
ピンホール211は、ノマルスキー微分干渉プリズム3
60を直進する偏光成分に関して、探針102の先端と
光学的に共役な位置にあり、ピンホール212は、ノマ
ルスキー微分干渉プリズム360で屈折される偏光成分
に関して、探針102の先端と光学的に共役な位置にあ
る。光電子増倍管22は、光電子増倍管用高圧電源23
に接続されており、受光した偏光成分の光強度に応じた
電気信号を出力し、その出力信号はアンプ24で増幅さ
れコンピューター11に取り込まれる。同様に、光電子
増倍管221は、光電子増倍管用高圧電源231に接続
されており、受光した偏光成分の光強度に応じた電気信
号を出力し、その出力信号はアンプ241で増幅されコ
ンピューター11に取り込まれる。
【0057】エバネッセント光への探針102の進入に
よって発生された散乱光は、対物レンズ19に入射した
後、ノマルスキー微分干渉プリズム360によって互い
に直交する二つの偏光成分に分離される。一方の偏光成
分はプリズム360を直進し、他方の偏光成分はプリズ
ム360で屈折される。プリズム360を直進した偏光
成分はレンズ群20によって集光され、ピンホール21
1を通って光電子増倍管22に入射する。プリズム36
0で屈折された偏光成分はレンズ群20によって集光さ
れ、ピンホール212を通って光電子増倍管222に入
射する。
【0058】この装置では、ノマルスキー微分干渉プリ
ズム360によって分離された二つの偏光成分が別々に
検出されるので、散乱光の偏光に関連した試料表面の光
学情報が得られる。
【0059】図1の装置では、カンチレバー101の自
由端の変位の検出に、光てこ式の変位センサーが用いら
れているが、他の変位センサーが用いられてもよい。臨
界角方式の変位センサーが用いられた構成が図9に示さ
れる。図9において、偏光顕微鏡観察やノマルスキー微
分干渉顕微鏡観察に必要な光学素子は省略されている。
【0060】装置は、臨界角方式変位センサーユニット
308を有し、変位センサーユニット308は対物レン
ズ19と共働して、カンチレバー101の自由端の変位
を検出する臨界角方式の変位センサーを構成している。
このような臨界角法式の変位センサーは公知であり、そ
の一つは例えば米国特許第4,726,685号に開示
されている。対物レンズ19の上方にはダイクロイック
ミラー307が配置されており、これにより変位センサ
ーユニット308は対物レンズ19と光学的に結合され
ている。
【0061】臨界角式変位センサーユニット308は例
えば波長780nmのレーザー光をレーザー駆動回路3
44の駆動信号に基づいて射出し、レーザー光は対物レ
ンズ19により集光され、カンチレバー101の背面に
焦点を結ぶ。レーザー光の集光位置は、探針102の変
位を正確に知るためには探針102の裏側が最も好まし
いが、実際には、SNOM測定時の散乱光との混在を避
けるため、そこから僅かに支持部103側に寄った箇所
が選ばれる。カンチレバー101の背面からの反射光
は、臨界角式変位センサユニット308に戻り、臨界角
式変位センサユニット308は焦点位置からのずれに対
応するエラー信号を出力する。エラー信号はカンチレバ
ー101の自由端の変位信号としてコンピューター11
に取り込まれる。
【0062】この装置では、同軸照明方式の臨界角式の
変位センサーを用いられているため、図1の装置よりも
対物レンズ19をカンチレバー101に近づけて配置す
ることができる。このため、図9の装置は、図1の装置
に比べて、倍率が高く、NAが大きく、ワーキングディ
スタンスが短い対物レンズが使用できる。具体的には、
倍率50倍、NA=0.5の対物レンズが使用可能であ
る。NAの大きい対物レンズの使用は、散乱光を一層大
きな立体角で取り込むこと、言い換えれば、多くの散乱
光を収集することを可能にし、SNOM測定のS/Nの
向上に貢献する。
【0063】図9に示される装置は、ピンホール21の
位置を調整する位置調整ステージ343を有している。
装置は、さらに、レンズ338と接眼鏡筒336を有し
ており、レンズ338と接眼鏡筒336は、ハーフミラ
ープリズム30によってレンズ群20と光学的に結合さ
れており、レンズ群20と共働してピンホール21の位
置調整用の光学系を構成している。接眼鏡筒336は、
観察面すなわちピンホール21の位置に焦点が合ってい
ることを確認するためのステージ337に取り付けられ
ており、ステージ337によって左右方向に適宜移動さ
れる。接眼鏡筒336には、画像を取得するためのCC
Dカメラ340が取り付けられており、CCDカメラ3
40に取得された画像はCCDカメラコントロールユニ
ット341に送られモニターテレビ342に表示され
る。
【0064】レンズ338とハーフミラープリズム30
の間には、シャッター339が光路上に適宜挿入可能に
設けられている。シャッター339は、ピンホール21
の位置調整のときは光路から外されている。それ以外の
ときは光路上に配置されている。これは、光学顕微鏡観
察やSNOM測定の際に、レンズ338や接眼鏡筒33
6からの迷光(反射光)が観察や測定に影響を与えるの
を避けるためである。
【0065】さらに、シャッター339を設ける代わり
に、レンズ338と接眼鏡筒336を含む光学系を光路
から外す機構を設けても、同様に迷光の影響を避けるこ
とができる。
【0066】ピンホール21の位置調整操作の間は、照
明光学系の照明光源27は切られている。探針102に
よって発生された散乱光が正確にピンホール21に入射
している場合には、CCDカメラ340は殆ど光を感知
しない。探針102によって発生された散乱光が正確に
ピンホール21に入射していない場合には、ピンホール
21のエッヂで光が散乱されるため、CCDカメラ34
0は光を感知する。従って、その様子をモニターテレビ
342で確認しながら、位置調整ステージ343を用い
てピンホール21を移動させることにより位置調整が行
なえる。
【0067】電磁場発生手段は、伝搬せずに局在する局
在電磁場を発生させる局在電磁場発生手段と、伝搬する
電磁場を発生させる伝搬電磁場を発生させる伝搬電磁場
発生手段とを有しており、そのいずれかが選択的に動作
されることは既に説明した。また、顕微鏡照明鏡筒25
は、明視野照明用ハーフミラープリズム370と暗視野
照明用ハーフミラープリズム910とを有しており、そ
のいずれか一方が選択的に光路上に配置され、暗視野照
明用ハーフミラープリズム910が光路上に配置された
とき、照明光学系は、試料1と探針102の間に伝搬電
磁場を発生させる伝搬電磁場発生手段として機能すると
いうことについては既に説明した。以下では、これにつ
いて詳しく説明する。
【0068】図10に示されるように、暗視野照明用ハ
ーフミラープリズム910は、照明光が入射する面の中
央に円形の遮光部911を有している。暗視野照明用ハ
ーフミラープリズム910は明視野照明用ハーフミラー
プリズム370と共にスライダー804に固定されてお
り、スライダー804はベース802に対して移動可能
に設けられている。ベース802は顕微鏡照明鏡筒25
に固定されており、スライダー804の移動によって明
視野照明用ハーフミラープリズム370と暗視野照明用
ハーフミラープリズム910のいずれかが選択的に光路
上に配置され、これにより明視野照明と暗視野照明とが
切り換えられる。
【0069】暗視野照明時すなわち伝搬電磁場発生手段
動作時の装置の構成が図11に模式的に示される。対物
レンズ19は、暗視野照明に適応する構造を有してい
る。つまり、図11に示されるように、レンズ群907
はレンズ保持部材905に固定されており、レンズ保持
部材905は対物レンズ筐体906の内部の中央に支持
されている。レンズ保持部材905は、例えば、三方向
からのねじ止めによって、対物レンズ筐体906に固定
されている。この構造により、対物レンズ筐体906と
レンズ保持部材905の間に、暗視野照明光用の伝搬路
すなわち隙間が確保されている。対物レンズ筐体906
は、伝搬路を進行する照明光を試料1に向けて反射する
ミラー908を有している。
【0070】顕微鏡照明鏡筒25から射出された照明光
束は、その中央部の光は暗視野照明用ハーフミラープリ
ズム910に設けられた円形の遮光部911によって遮
断され、リング状の外周部の光だけが暗視野照明用ハー
フミラープリズム910で反射される。リング状の照明
光束は、ハーフミラープリズム30で反射され、対物レ
ンズ19に設けられたリング状の伝搬路に入射する。伝
搬路を進行する照明光917は、ミラー908で反射さ
れた後、対物レンズ19の開口角の外側から試料1に照
射される。これにより探針102と試料1の間に伝搬電
磁場が発生される。照明光917は、対物レンズ19の
開口角の外側から試料1に入射するため、試料1で反射
された後にレンズ群907に入射することはない。
【0071】カンチレバー101は、例えば、励振用圧
電素子903によって微小振動が与えられる。これは前
述したダイナミックモードによるAFM測定に相当す
る。探針102が伝搬電磁場である照明光917の伝搬
領域に進入すると散乱光918が発生される。発生され
た散乱光918は、レンズ群907に入射し、ハーフミ
ラープリズム30を透過し、散乱光検出鏡筒222に入
射する。散乱光検出鏡筒222で得られるSNOM情報
は、探針102と試料1の間に局在電磁場が発生された
場合と同様に処理される。
【0072】SNOM測定は、顕微鏡照明鏡筒25の内
部の光路上にポラライザー915を配置して行なっても
よい。ポラライザー915には、前述したように偏光顕
微鏡観察時やノマルスキー微分干渉顕微鏡観察時に使用
されるポラライザー362が流用できる。ポラライザー
915を照明光光路上に配置することによって、照明光
の偏光方向に関連した試料表面の光学情報が得られる。
【0073】この装置では、探針102と試料1の間に
電磁場を発生させるための光すなわち照明光917が、
試料1を基準にしてカンチレバー101と同じ側から、
試料1に照射されるので、観察できる試料1は光学的に
透明なものに限定されない。つまり、この装置は光学的
に不透明な試料に対してもSNOM測定が行なえる。
【0074】なお、図11の構成を用いて試料1を照明
した場合、試料1の表面近傍に局在電磁場が発生する現
象が起こり得る。この現象は、試料の構造及び材質に起
因し、試料1の表面近傍には、局在電磁場であるエバネ
ッセント光が発生していると考えられる。このときの局
在電磁場を検出し、試料の構造解析に利用することが可
能である。すなわち、暗視野照明は局在電磁場発生手段
として機能することもできる。
【0075】また、局在電磁場と伝搬電磁場が混在する
現象も起こり得るが、このときも同様に、局在電磁場と
伝搬電磁場を検出し、試料1の構造解析に利用すること
が可能である。
【0076】本発明は上述の実施の形態に限定されるも
のではない。発明の要旨を逸脱しない範囲で行なわれる
実施はすべて本発明に含まれる。本発明は以下の各項に
記した技術思想を含んでいる。
【0077】1. 探針を用いて試料表面の光学情報を
得る走査型プローブ顕微鏡であり、自由端に探針を有す
るカンチレバーと、試料表面を横切って探針を走査する
走査手段と、探針先端と試料表面の間の距離を制御する
制御手段と、カンチレバーの自由端の変位を検出する変
位検出手段と、探針と試料の間に電磁場を発生させる電
磁場発生手段と、探針が電磁場に作用して発生する光を
検出する光検出手段と、走査手段と変位検出手段と光検
出手段からの情報を処理して試料表面に関する像を形成
する情報処理手段と、情報処理手段による情報処理の結
果を表示する表示手段とを備え、光検出手段は、カンチ
レバーを基準にして試料の反対側に配置される対物レン
ズを含み、対物レンズは探針の頂角よりも大きい開口角
を有しており、ここに開口角とは、対物レンズの焦点か
ら入射瞳の直径に対して張る角度を意味し、別の言い方
をすれば、対物レンズに入射する光束の最大錐角を意味
し、その半角の正弦が対物レンズの開口数である、走査
型プローブ顕微鏡。
【0078】2. 第1項において、光検出手段は、共
焦点光学系で構成されており、探針先端に対して共焦点
の位置に配置されたピンホールと、ピンホールを通過し
た光を検出する受光素子とを有している、走査型プロー
ブ顕微鏡。
【0079】3. 第1項において、探針は、カンチレ
バーの自由端の先端に設けらている、走査型プローブ顕
微鏡。 4. 第3項において、カンチレバーはいわゆるテトラ
ヒドラルタイプのカンチレバーであり、探針は三角錐形
状をしており、カンチレバーへの探針の接合部の形状は
カンチレバーの自由端の先端の形状と一致し、従って、
カンチレバーは、探針との接合部の外側に広がる突出部
を持たない、走査型プローブ顕微鏡。
【0080】5. 第3項において、カンチレバーはい
わゆるバードビークタイプのカンチレバーであり、探針
はカンチレバーの自由端の先端から斜めに突出してい
る、走査型プローブ顕微鏡。
【0081】6. 第1項において、カンチレバーは、
探針の内部を透過する光を遮断する遮光膜を有してい
る、走査型プローブ顕微鏡。 7. 第6項において、遮光膜は、探針が位置する側の
反対側のカンチレバーの面に形成された金属膜である、
走査型プローブ顕微鏡。
【0082】8. 第1項において、電磁場発生手段
は、試料の下に配置される内部全反射プリズムと、試料
と内部全反射プリズムの界面に対して光を全反射を起こ
す角度で照射する手段とを有しており、探針と試料の間
に局在電磁場を発生させ、ここに局在電磁場は伝搬せず
に局在する電磁場を意味する、走査型プローブ顕微鏡。
【0083】9. 第8項において、カンチレバーは、
その長手軸が、電磁場発生手段の光路に対して直交する
向きで配置される、走査型プローブ顕微鏡。 10. 第1項において、電磁場発生手段は、試料を基
準にしてカンチレバーの側から、対物レンズの開口角の
外側から試料を照明する光学系を有しており、探針と試
料の間に伝搬電磁場を発生させ、ここに伝搬電磁場は伝
搬する電磁場を意味する、走査型プローブ顕微鏡。
【0084】11. 第10項において、さらに、光検
出手段の対物レンズを共用する光学顕微鏡を有してお
り、電磁場発生手段は光学顕微鏡に対して暗視野照明と
して機能する、走査型プローブ顕微鏡。
【0085】12. 第1項において、さらに、光検出
手段の対物レンズを共用する光学顕微鏡を有している、
走査型プローブ顕微鏡。 13. 第12項において、光学顕微鏡は偏光顕微鏡で
ある、走査型プローブ顕微鏡。
【0086】14. 第12項において、光学顕微鏡は
ノマルスキー微分干渉顕微鏡である、走査型プローブ顕
微鏡。 15. 第1項において、電磁場発生手段は、試料を基
準にしてカンチレバーの側から、対物レンズの開口の外
側から試料を照明する光学系を有しており、探針と試料
の間に局在電磁場を発生させ、ここに局在電磁場は伝搬
せずに局在する電磁場を意味する、走査型プローブ顕微
鏡。
【0087】16. 第15項において、さらに、光検
出手段の対物レンズを共用する光学顕微鏡を有してお
り、電磁場発生手段は光学顕微鏡に対して暗視野照明と
して機能する、走査型プローブ顕微鏡。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、高いS/NでAFM測
定と散乱モードSNOM測定とを同時に行なえる走査型
プローブ顕微鏡であり、通常の光学顕微鏡の各種検鏡法
が実施できる走査型プローブ顕微鏡が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走査型プローブ顕微鏡の全体の構
成を模式的に示している。
【図2】図1の装置に用いられるテトラヘドラルタイプ
のカンチレバーチップを示しており、(A)はその斜視
図、(B)はその側面図である。
【図3】内部全反射プリズムの周辺の構造体の斜視図で
ある。
【図4】カンチレバーの配置方向を説明するための図で
ある。
【図5】Mei散乱における散乱方向に関する散乱光の
強度分布を示している。
【図6】好ましいカンチレバーの形状を説明するための
図である。
【図7】図1の装置に用いられる別のバードビークタイ
プのカンチレバーチップの斜視図である。
【図8】ノマルスキー微分干渉プリズムで分離された二
つの偏光成分を別々に検出する図1の装置の変形例を示
している。
【図9】臨界角方式の変位センサーによりカンチレバー
の自由端の変位を検出する図1の装置の別の変形例を示
している。
【図10】暗視野照明用ハーフミラープリズムと明視野
照明用ハーフミラープリズムの切換機構を示す斜視図で
ある。
【図11】暗視野照明時すなわち伝搬電磁場発生手段動
作時の装置の構成を模式的に示している。
【符号の説明】
3 内部全反射プリズム 6 圧電チューブスキャナー 7 半導体レーザー 8 二分割フォトディテクター 11 コンピューター 12 モニター 13 レーザー光源 20 レンズ群 21 ピンホール 22 光電子増倍管 101 カンチレバー 102 探針
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−291310(JP,A) 特開 平5−231814(JP,A) 特開 平6−137847(JP,A) 特開 平7−43372(JP,A) 特開 平7−191047(JP,A) 特開 平7−198732(JP,A) 特開 平3−287111(JP,A) 特開 平6−160719(JP,A) 特開 平6−175029(JP,A) 特開 平7−260806(JP,A) 特開 昭59−90007(JP,A) 特開 昭62−130302(JP,A) 米国特許4726685(US,A) 米国特許5272330(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 G12B 21/00 - 21/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】探針を用いて試料表面の光学情報を得る走
    査型プローブ顕微鏡であり、 自由端に探針を有するカンチレバーと、 試料表面を横切って探針を走査する走査手段と、 探針先端と試料表面の間の距離を制御する制御手段と、 カンチレバーの自由端の変位を検出する変位検出手段
    と、 探針と試料の間に電磁場を発生させる電磁場発生手段
    と、 探針が電磁場に作用して発生する光を検出する光検出手
    段と、 走査手段と変位検出手段と光検出手段からの情報を処理
    して試料表面に関する像を形成する情報処理手段と、 情報処理手段による情報処理の結果を表示する表示手段
    とを備え、 光検出手段は、カンチレバーを基準にして試料の反対側
    に配置される対物レンズを含み、対物レンズは探針の頂
    角よりも大きい開口角を有している、走査型プローブ顕
    微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1において、電磁場発生手段は、試
    料の下に配置される内部全反射プリズムと、試料と内部
    全反射プリズムの界面に対して光を全反射を起こす角度
    で照射する手段とを有しており、探針と試料の間に局在
    電磁場を発生させる、走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】請求項1において、電磁場発生手段は、試
    料を基準にしてカンチレバーの側から、対物レンズの開
    口角の外側から試料を照明する光学系を有しており、探
    針と試料の間に伝搬電磁場を発生させる、走査型プロー
    ブ顕微鏡。
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