JPH0933544A - 走査型近接場光学顕微鏡 - Google Patents

走査型近接場光学顕微鏡

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JPH0933544A
JPH0933544A JP18729195A JP18729195A JPH0933544A JP H0933544 A JPH0933544 A JP H0933544A JP 18729195 A JP18729195 A JP 18729195A JP 18729195 A JP18729195 A JP 18729195A JP H0933544 A JPH0933544 A JP H0933544A
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prism
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JP18729195A
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Norichika Fukushima
徳近 福島
Norio Maruyama
規夫 丸山
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】円筒型の圧電スキャナーの内側の空間を利用し
て新たな光学系を付加した走査型近接場光学顕微鏡を提
供する。 【解決手段】載物台88は中空構造となっており、スラ
イドグラス14が載る上板と圧電スキャナー20の自由
端に固定された下板には開口が形成されている。プリズ
ム90は、載物台88の内側の空間に配置され、載物台
88とは独立した系によって支持される。プリズム90
は、互いに平行な上面と下面を持ち、上面は、マッチン
グオイル16を介してスライドグラス14に光学的に結
合され、下面は、粗面に加工されていて、散乱面92と
なっている。散乱面92は、その下方に配置された光源
82とレンズ86と相俟って、試料12を下方から照明
する透過照明光学系を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡の一つである走査型近接場光学顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、プ
ローブ(探針)を試料表面に近づけ、両者間に働く相互
作用を検出しながら、試料表面に対してプローブを走査
し、その相互作用の二次元マッピングを行なう装置の総
称であり、具体的には、走査型トンネリング顕微鏡(S
TM)、原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力顕微鏡(M
FM)、走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)等があげ
られる。
【0003】走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)は、
発生源からの寸法が光の波長よりも短い領域のみに局在
し、自由空間は伝搬しないという特性を持つエバネッセ
ント場を検出することにより、回折限界を超える分解能
を達成した光学顕微鏡で、特に1980年代後半以降、
盛んに開発が進められている。特開平4−291310
号(R.E.Betzig, AT&T)は、その一例として、先端を細
く加工した棒状のプローブを用い、その先端の微小開口
の近傍にエバネッセント場を発生させ、プローブと試料
の間隔を狭めてエバネッセント場と試料を接触させ、そ
の際に発生する伝搬光を試料の下に設置した光検出器で
検出し、その光強度の二次元マッピングを行なう装置を
開示している。
【0004】走査型近接場光学顕微鏡のプローブには、
一般に、先端を細く加工した光ファイバーやガラス棒あ
るいは水晶探針が用いられる。これらの棒状のプローブ
は、回転させながら斜め後方から金属を蒸着すると、そ
の先端には殆ど金属が付着せず、これにより、先端の開
口以外が金属で被われたプローブが得られる。このプロ
ーブを用いた走査型近接場光学顕微鏡は、既に市販され
ている。
【0005】また、原子間力顕微鏡(AFM)は、カン
チレバーの先端に設けた探針を試料表面に近づけ、試料
表面と探針の間に発生する原子間力の大きさに依存して
弾性変形するカンチレバーの変位を光学式の変位センサ
ー等を用いて検出して、試料表面の凹凸情報を得る装置
であり、例えば特開昭62−130302号に開示され
ている。
【0006】試料表面と探針先端の間の相互作用力を検
出することにより試料表面の凹凸を測定するという原子
間力顕微鏡の技術は、試料表面と探針先端の間隔を一定
に保つといったレギュレーションの為の手段として、他
の走査型プローブ顕微鏡にもよく用いられる。ファンフ
ルスト(N. F. van Hulst )等は「Appl. Phys. Lett.
62(5) P.461 (1993)」において、窒化シリコン製の原子
間力顕微鏡用カンチレバーをプローブとして用いて、A
FM測定により試料の凹凸を測定しながら試料の光学情
報を検出することが可能な新しい走査型近接場光学顕微
鏡を提案している。
【0007】ファンフルスト等が提案する原理に基づい
て作製した走査型近接場光学顕微鏡について図4を用い
て説明する。図4に示すように、試料112を載せたス
ライドグラス114は、マッチングオイル116を介し
て、圧電スキャナー120に固定された臨界角プリズム
118の上に設置される。圧電スキャナー120は、コ
ンピューター122で生成されるXYZ走査信号に従っ
てスキャナー駆動回路124が出力する駆動信号を受け
て、XY方向(試料表面に平行な方向すなわち水平方
向)とZ方向(試料表面に立てた法線の方向すなわち鉛
直方向)に臨界角プリズム118を移動させる。これに
より、試料112を載せたスライドグラス114は任意
の方向に移動される。
【0008】試料112の上方には、カンチレバー12
6が配置される。カンチレバー126は、支持部128
から延びたレバー部130を有し、その先端には探針1
32が形成されている。
【0009】カンチレバー126の探針132の変位を
検出するための光てこ式の変位センサーは、レバー部1
30に光ビームを照射する半導体レーザー140とその
反射光を受ける二分割フォトディテクター142とで構
成されている。装置は更に二分割フォトディテクター1
42の出力に従って圧電スキャナー120を制御するフ
ィードバック回路144を有している。
【0010】試料112の表面にエバネッセント場を発
生させるための光学系は、レーザー光源146、フィル
ター148、ミラー150、ミラー152とで構成され
る。さらに、スライドグラス114で全反射した光をモ
ニターするフォトディテクター154が設けられてい
る。
【0011】カンチレバー126の上方には対物レンズ
156が配置され、対物レンズ156は探針132がエ
バネッセント場に侵入したことにより発生する伝搬光を
受ける。対物レンズ156の上方には、対物レンズ15
6に入射した光の強度を検出する光検出系が設けられて
いる。この光検出系は、集光レンズ160、ピンホール
162、光電子増倍管164、さらに、光電子増倍管1
64の出力を増幅してコンピューター122へ送るアン
プ166を有している。
【0012】レーザー光源146から射出した光は、フ
ィルター148を通過し、ミラー150とミラー152
で反射され、臨界角プリズム118を通り、スライドグ
ラス114の試料側の面に臨界角以上の角度で入射し、
その面で全反射する。この結果、試料112の表面近傍
にエバネッセント場が発生する。スライドグラス114
の試料側の面で全反射した光はフォトディテクター15
4に入射し、モニターされる。圧電スキャナー120が
XY走査を行なう間、半導体レーザー140と二分割フ
ォトディテクター142からなる変位センサーで探針1
32の変位を検知し、フィードバック回路144により
探針132の変位すなわち探針132と試料表面の間隔
を一定に保つ。探針132がエバネッセント場に侵入し
たために発生した伝搬光は一部が対物レンズ156に入
射し、光電子増倍管164で検出される。コンピュータ
ー122は、内部で生成するXY走査信号に、フィード
バック回路144からの信号を同期させて処理すること
によりAFM測定に基づく試料表面の凹凸情報を得る。
また、XY走査信号に光電子増倍管164からの信号を
同期させて処理することによりSNOM測定に基づく試
料表面の情報を得る。
【0013】装置には更に、落射型の照明系を備えた観
察光学系が組み込まれている。この観察光学系は、照明
光を発生する光源172と、照明光の強度分布を均一化
する散乱板174、照明光路と観察光路を分割するビー
ムスプリッター176、照明光と観察光を偏向するビー
ムスプリッター168、対物レンズ156、変倍や収差
補正等を行なうためのレンズ群178、接眼レンズ18
0とで構成されている。
【0014】このような観察光学系が組み込まれている
ため、観察者は目視により探針132と試料112を同
時に確認でき、SNOM測定する測定部位の特定に非常
に有用である。
【0015】ところで、走査型プローブ顕微鏡で扱う現
象は未だ明確に解明されておらず、様々な測定手法を試
みている段階にある。このため、走査型プローブ顕微鏡
では、新たに光学系を付加して、その機能を拡張するこ
とがよく行なわれる。
【0016】その一例として、落射型照明系と透過型照
明系とを備えた観察光学系を有する原子間力顕微鏡につ
いて図6を用いて説明する。図6において、前述の走査
型近接場光学顕微鏡と共通する部材は同じ参照符号で示
してあり、その詳しい説明は省略する。
【0017】円筒型の圧電スキャナー120の自由端に
は、試料112を載せたスライドグラス114を載せる
載物台188が固定されている。載物台188には、中
央部に円形の貫通穴が開けられている。
【0018】圧電スキャナー120の下方には、照明光
を発生する光源182と、照明光の強度を均一化する散
乱板184、照明光を平行化するレンズ186が配置さ
れている。
【0019】試料112の上方には、カンチレバー12
6が配置される。その変位検出系や制御系等は、前述の
走査型近接場光学顕微鏡(図4)と同じである。カンチ
レバー126の上方には、観察光学系が配置される。観
察光学系は、対物レンズ156、照明光を発生する光源
172と、照明光の強度分布を均一化する散乱板17
4、照明光路と観察光路を分割するビームスプリッター
176、変倍や収差補正等を行なうためのレンズ群17
8、接眼レンズ180とを有している。
【0020】この原子間力顕微鏡では、試料の形状や、
試料の反射率、透過率、屈折率等の光学的物性の差異等
に応じて、落射照明と透過照明の間で照明を切り換えて
観察できるので、良好な試料観察が行なえる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】図4に示した構成の走
査型近接場光学顕微鏡は、円筒型の圧電スキャナーの自
由端には三角プリズムが取り付けられているため、圧電
スキャナーの内側が空洞であることを利用して、新たに
光学系を追加することが出来ない。
【0022】具体的には、例えば、図5に示したよう
に、その光路が圧電スキャナーの内側の空間を通る照明
系を付加できれば、透過型照明系を追加できるわけであ
るが、このような拡張ができない。
【0023】本発明は、円筒型の圧電スキャナーの内側
の空間を利用して、プリズムの下方に新たに光学系が付
加され、これにより機能が拡張された走査型近接場光学
顕微鏡を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の走査型
近接場光学顕微鏡は、試料に光学的に結合される第一の
面とこれに平行な第二の面とを持つプリズムと、試料を
基準にしてプリズムの反対側に配置される、先端に微小
な開口を持つ探針と、試料に対して探針を相対的に走査
する走査手段と、プリズムを介して試料に光を臨界角以
上の入射角で照射して、試料の表面近傍にエバネッセン
ト場を発生させる、光照射手段と、試料の表面近傍のエ
バネッセント場に探針が接触したことにより発生する伝
搬光を探針を介して検出する光検出手段と、得られた情
報を処理する処理手段とを有している。
【0025】請求項2に記載の走査型近接場光学顕微鏡
は、請求項1に記載の走査型近接場光学顕微鏡におい
て、探針の側から試料を照明する第一の照明手段と、プ
リズムの第二の面を介して試料を照明する第二の照明手
段と、試料を光学的に観察する観察手段とを更に有して
いる。これにより落射照明による光学観察と透過照明に
よる光学観察が行なえる。
【0026】請求項3に記載の走査型近接場光学顕微鏡
は、請求項1に記載の走査型近接場光学顕微鏡におい
て、探針に光を照射して、探針先端の開口近傍にエバネ
ッセント場を発生させる、第二の光照射手段と、探針先
端の開口近傍に発生したエバネッセント場が試料に接触
したことにより発生する伝搬光をプリズムの第二の面を
介して検出する第二の光検出手段とを更に有している。
これによりコレクションモードによるSNOM測定とイ
ルミネーションモードによるSNOM測定が行なえる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。まず、第一の実施の形
態について図1を用いて説明する。走査型近接場光学顕
微鏡は、先端に微小な開口を持つ探針32を自由端に有
するカンチレバー26と、探針32に対して試料12を
移動させる走査系、探針32の変位を検出する変位検出
系、試料12の表面近傍にエバネッセント場を発生させ
るために試料12に光を照射する光照射系、エバネッセ
ント場に探針32が接触したことにより発生した伝搬光
を検出する光検出系、走査信号の生成や情報処理を行な
うコンピューター22とを有している。
【0028】カンチレバー26は、装置に固定される支
持部28と、そこから延びたレバー部30、レバー部3
0の先端に形成された探針32とを有している。探針3
2は先端に微小な開口を有しており、レバー部30は探
針32が原子間力を受けるとZ方向に変位する。
【0029】走査系は、試料12を載せたスライドガラ
ス14を載置するための載物台88と、これを任意の方
向に移動可能に支持する円筒型の圧電スキャナー20、
圧電スキャナー20をXYZ方向に変位させるスキャナ
ー駆動回路24とで構成される。載物台88は、中空構
造となっており、スライドグラス14が載る上板と圧電
スキャナー20の自由端に固定された下板には開口が形
成されている。なお、載物台88の構造は、後述する変
形例と同じなので、その斜視図である図2を参照された
い。
【0030】変位検出系は、カンチレバー26のレバー
部に光ビームを照射する半導体レーザー40と、その反
射光を受ける二分割フォトディテクター42、フィード
バック回路44とを有している。二分割フォトディテク
ター42は上下方向(Z方向)に分割された二つの受光
部を有し、各受光部は入射した光の強度に応じた出力を
示す。二分割フォトディテクター42に対する反射光ビ
ームの入射位置はレバー部30の変位に応じて上下方向
(Z方向)に変化する。従って、二分割フォトディテク
ター42の各受光部の出力を比較することにより、レバ
ー部30の上下方向(Z方向)の変位が分かる。フィー
ドバック回路44は、二分割フォトディテクター42の
出力に基づいてスキャナー駆動回路24を制御し、例え
ばレバー部30の変位が一定となるように、試料12の
Z方向の位置を調整するようにスキャナー駆動回路24
を駆動する。
【0031】光照射系は、レーザー光源46と、フィル
ター48、フィルター48を透過した光を偏向するミラ
ー50、ミラー50からの光を試料12に臨界角以上の
角度で入射させるためのミラー52、プリズム90、試
料12の下面で全反射した光をモニターするためのフォ
トディテクター54とを有している。プリズム90は、
前述の載物台88の内側の空間に配置され、載物台88
とは独立した系によって支持される。プリズム90は、
互いに平行な上面と下面を持ち、上面は、マッチングオ
イル16を介してスライドグラス14に光学的に結合さ
れ、下面は、粗面に加工されていて、散乱面92となっ
ている。
【0032】光検出系は、探針32の上方に配置される
対物レンズ56と、対部レンズ56からの光を集束する
集光レンズ60、集光面に位置されたピンホール62、
入射した光の強度に応じた出力を示す光電子増倍管6
4、光電子増倍管64の出力を増幅してコンピューター
22へ送るアンプ66とを有している。
【0033】さらに、走査型近接場光学顕微鏡は、落射
照明光学系、透過照明光学系、観察光学系を有してい
る。落射照明光学系は、照明光を発生させる光源72、
照明光の強度分布を均一化する散乱板74、照明光を偏
向するための二つのビームスプリッター76と68、既
述の対物レンズ56とで構成される。
【0034】透過照明光学系は、圧電スキャナー20の
下方に配置された光源82、光源82からの照明光を平
行化するレンズ86、粗面に加工されたプリズム90の
下面である散乱面92とで構成される。散乱面92は、
照明光の強度分布を均一化する。
【0035】観察光学系は、既述の対物レンズ56と、
試料12からの観察光を偏向するビームスプリッター6
8、変倍や収差補正等を行なうためのレンズ群78、接
眼レンズ80とで構成される。
【0036】光検出光学系と落射照明光学系と観察光学
系は、対物レンズ56を共通に有しており、ビームスプ
リッター68は、観察光学系を用いて試料12を観察す
る際に、対物レンズ56と集光レンズ60の間に選択的
に挿入され、SNOM測定を行なう際には光路から取り
除かれる。ビームスプリッター68は固定されていても
よい。
【0037】また、落射照明光学系と観察光学系は、二
つのビームスプリッター68と78を共通に有してお
り、ビームスプリッター76は、照明光を反射し、観察
光を透過する。
【0038】以下、測定について説明する。最初に、試
料の載置について説明する。試料12を載せたスライド
グラス14は、プリズム90の上面にマッチングオイル
16を垂らした後、載物台88の上に載置される。マッ
チングオイル16は、表面張力によりこぼれ落ちること
なく、プリズム90の上面とスライドグラス14の下面
の間の隙間を満たす。これにより、プリズム90とスラ
イドグラス14はマッチングオイル16を介して光学的
に結合される。
【0039】次に、光学的観察について説明する。以下
では、各照明光学系の作用について説明した後、観察光
学系の作用について説明する。なお、観察光学系の作用
は使用する照明光学系によらず同じである。
【0040】落射照明光学系を用いた場合、光源72か
ら射出された照明光は散乱板74により強度分布が均一
化され、二つのビームスプリッター76と68で反射さ
れ、対物レンズ56を通り、試料12を上方から照明す
る。
【0041】透過照明光学系を用いた場合、光源82か
ら射出された照明光はレンズ68により平行化され、プ
リズム90の散乱面92に入射し、その強度分布が均一
化され、試料12を下方から照明する。
【0042】試料12からの観察光は対物レンズ56に
入射し、ビームスプリッター68で反射され、ビームス
プリッタ76は透過し、レンズ群78を通って、接眼レ
ンズ80に入射する。観察者は、接眼レンズ80を覗く
ことで、目視により探針32と試料12とを同時に確認
でき、SNOM測定する測定部位の特定等を行なう。
【0043】続いて、SNOM測定について説明する。
レーザー光源46から射出された光は、フィルター48
を通過し、ミラー50とミラー52で反射され、プリズ
ム90に入射し、試料12の下面に臨界角以上の入射角
で照射され、その面で全反射される。この結果、試料1
2の表面近傍にはエバネッセント場が発生する。試料1
2の下面で全反射された光はフォトディテクター54に
入射し、その強度がモニターされる。
【0044】コンピューター22はXY走査信号を生成
し、これをスキャナー駆動回路24に供給し、スキャナ
ー駆動回路24はXY走査信号に従って圧電スキャナー
20をXY方向に変位させる。これにより探針32と試
料12の間でXY走査が行なわれる。XY走査の間、フ
ィードバック回路44は、二分割フォトディテクター4
2からの出力に基づいてZ走査信号(Zサーボ信号)を
生成して、これをスキャナー駆動回路24に供給し、ス
キャナー駆動回路24はZ走査信号に従って圧電スキャ
ナー20をZ方向に変位させる。これにより、探針32
の先端と試料12の表面との間隔が一定に保たれる。
【0045】探針32がエバネッセント場に接触したた
めに発生した伝搬光は一部が対物レンズ56に入射し、
その強度は光電子増倍管64で検出される。コンピュー
ター22は、内部で生成したXY走査信号に、フィード
バック回路44からのZ信号を同期させて処理すること
によりAFM測定に基づく試料表面の凹凸情報を得る。
また、XY走査信号に光電子増倍管64からの信号を同
期させて処理することによりSNOM測定に基づく試料
表面の情報を得る。
【0046】次に、載物台の周辺構造の変形例について
図2を用いて説明する。本変形例では、載物台88が固
定された圧電アクチュエーター20はコの字状のベース
10の下部に固定されており、ベース10の上部の端に
はプリズム94が取り付けられている。これにより、プ
リズム94は、載物台88の内側に支持されている。プ
リズム94は、三角プリズムの下端頂部を平面研磨加工
して作製され、上面に平行な平坦な下面96を有し、下
面96には、光を散乱させる円盤状のフロスト98が接
着されている。
【0047】また、ベース10には、エバネッセント場
を発生させるため、光をプリズム94に向けて射出する
光ファイバー100が取り付けられている。さらに、ベ
ース10の下部には開口が形成されており、その下方に
は照明光を射出する光ファイバー102が配置されてい
る。
【0048】他の構成は前述の第一の実施の形態と同じ
である。続いて、第二の実施の形態について図3を用い
て説明する。走査型近接場光学顕微鏡は、先端に微小な
開口を持つ探針32を自由端に有するカンチレバー26
と、探針32に対して試料12を移動させる走査系、探
針32の変位を検出する変位検出系、試料12の表面近
傍にエバネッセント場を発生させるために試料12に光
を照射する第一の光照射系、試料12の表面近傍のエバ
ネッセント場に探針32が接触したことにより発生した
伝搬光を検出する第一の光検出系、走査信号の生成や情
報処理を行なうコンピューター22、落射照明光学系、
観察光学系とを有している。これらの構成は、前述の第
一の実施の形態と同じである。ただし、プリズム94
は、変形例で説明した、下面96が平坦なものである。
【0049】さらに、走査型近接場光学顕微鏡は、探針
32の先端近傍にエバネッセント場を発生させるために
探針32に光を照射する第二の光照射系と、探針32の
先端近傍のエバネッセント場と試料12が接触したこと
により発生した伝搬光を検出する第二の光検出系とを有
している。
【0050】第二の光照射系は、レーザー光源104
と、レンズ106と、対物レンズ56とを有している。
レーザー光源104とレンズ106は、第一の光検出系
の集光レンズ60とピンホール62と光電子増倍管64
と切り換えて配置される。このため、図3には、レーザ
ー光源104とレンズ106だけを示し、第一の光検出
系の集光レンズ60とピンホール62と光電子増倍管6
4は示していない。
【0051】第二の光検出系は、圧電アクチュエーター
20の下方に配置された光検出器108と、光検出器1
08の出力を増幅してコンピューター22に送るアンプ
110とを有している。
【0052】この走査型近接場光学顕微鏡では、第一の
光照射系と第一の光検出系によりコレクションモードの
SNOM測定が行なえ、第二の光照射系と第二の光検出
系によりイルミネーションモードのSNOM測定が行な
える。また、落射照明による試料の光学観察が行なえ
る。
【0053】光学観察およびコレクションモードのSN
OM測定については既に説明したので、ここでは省略
し、以下ではイルミネーションモードのSNOM測定に
ついてのみ説明する。
【0054】レーザー光源104から射出された光は、
レンズ106を透過し、対物レンズ56により探針32
に照射される。この結果、探針32の先端表面近傍には
エバネッセント場が発生する。
【0055】スキャナー駆動回路24は、コンピュータ
ー22が出力するXY走査信号に従って、圧電スキャナ
ー20をXY方向に変位させ、試料12に対して探針3
2をXY走査するとともに、走査の間中、フィードバッ
ク回路44の出力するZ走査信号に従って、圧電スキャ
ナー20をZ方向に変位させ、探針32の先端と試料1
2の表面の間隔を一定に保つ。
【0056】エバネッセント場に試料12が接触したた
めに発生した伝搬光はプリズム94の下面96を透過
し、その強度が光検出器108で検出される。コンピュ
ーター22は、XY走査信号に、フィードバック回路4
4からのZ信号を同期させて処理することによりAFM
測定に基づく試料表面の凹凸情報を得る。また、XY走
査信号に光検出器108からの信号を同期させて処理す
ることによりイルミネーションモードのSNOM測定に
基づく試料表面の情報を得る。
【0057】本発明は、上述の実施例に何等限定される
ものではない。発明の要旨を逸脱しない範囲で行なわれ
る変形は、すべて本発明に含まれる。例えば、第一の実
施の形態では、プリズムには、下面を散乱面に加工した
ものや下面にフロストを接着したものを用いたが、透過
照明光学系として、ケーラー照明等の均一な照明を行な
う光学系を用いる場合には、プリズムには、下面が平坦
なものを用いてもよい。
【0058】本発明は以下の各項に記した技術思想を含
んでいる。 1.試料に光学的に結合される第一の面とこれに平行な
第二の面とを持つプリズムと、試料を基準にしてプリズ
ムの反対側に配置される、先端に微小な開口を持つ探針
と、試料に対して探針を相対的に走査する走査手段と、
プリズムを介して試料に光を臨界角以上の入射角で照射
して、試料の表面近傍にエバネッセント場を発生させ
る、光照射手段と、試料の表面近傍のエバネッセント場
に探針が接触したことにより発生する伝搬光を探針を介
して検出する光検出手段と、得られた情報を処理する処
理手段とを有している、走査型近接場光学顕微鏡。
【0059】2. 前項1において、プリズムは、試料
に照射される光が通過する第三の面と、試料で全反射さ
れた光が通過する第四の面とを有し、第三の面と第四の
面は共に第一の面と第二の面に対して非平行である、台
形プリズムである、走査型近接場光学顕微鏡。
【0060】3. 前項1において、探針の側から試料
を照明する第一の照明手段と、プリズムの第二の面を介
して試料を照明する第二の照明手段と、試料を光学的に
観察する観察手段とを更に有している、走査型近接場光
学顕微鏡。
【0061】4. 前項3において、プリズムは、第二
の面を通る光を散乱させる散乱手段を有している、走査
型近接場光学顕微鏡。
【0062】5. 前項4において、散乱手段は、粗面
に加工された第二の面である、走査型近接場光学顕微
鏡。 6. 前項4において、散乱手段は、第二の面に結合さ
れたフロストである、走査型近接場光学顕微鏡。
【0063】7. 前項1において、探針に光を照射し
て、探針先端の開口近傍にエバネッセント場を発生させ
る、第二の光照射手段と、探針先端の開口近傍に発生し
たエバネッセント場が試料に接触したことにより発生す
る伝搬光をプリズムの第二の面を介して検出する第二の
光検出手段とを更に有している、走査型近接場光学顕微
鏡。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、円筒型の圧電スキャナ
ーの内側の空間を利用して、新たに光学系が付加され、
機能の拡張された走査型近接場光学顕微鏡が得られる。
具体的には、請求項2に記載の発明によれば、落射照明
による光学観察と透過照明による光学観察が行なえる走
査型近接場光学顕微鏡が得られる。
【0065】また、請求項3に記載の発明によれば、コ
レクションモードによるSNOM測定とイルミネーショ
ンモードによるSNOM測定が行なえる走査型近接場光
学顕微鏡が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態の走査型近接場光学顕微鏡の
構成を示す図である。
【図2】図1の載物台の周辺構造の変形例の構成を示す
図である。
【図3】第二の実施の形態の走査型近接場光学顕微鏡の
構成を示す図である。
【図4】走査型近接場光学顕微鏡の従来例の構成を示す
図である。
【図5】原子間力顕微鏡の従来例の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
20…圧電スキャナー、22…コンピューター、24…
スキャナー駆動回路、32…探針、46…レーザー光
源、64…光電子増倍管、82…光源88…載物台、9
0…プリズム、92…散乱面。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料に光学的に結合される第一の面とこれ
    に平行な第二の面とを持つプリズムと、 試料を基準にしてプリズムの反対側に配置される、先端
    に微小な開口を持つ探針と、 試料に対して探針を相対的に走査する走査手段と、 プリズムを介して試料に光を臨界角以上の入射角で照射
    して、試料の表面近傍にエバネッセント場を発生させ
    る、光照射手段と、 試料の表面近傍のエバネッセント場に探針が接触したこ
    とにより発生する伝搬光を探針を介して検出する光検出
    手段と、 得られた情報を処理する処理手段とを有している、走査
    型近接場光学顕微鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 探針の側から試料を照明する第一の照明手段と、 プリズムの第二の面を介して試料を照明する第二の照明
    手段と、 試料を光学的に観察する観察手段とを更に有している、
    走査型近接場光学顕微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 探針に光を照射して、探針先端の開口近傍にエバネッセ
    ント場を発生させる、第二の光照射手段と、 探針先端の開口近傍に発生したエバネッセント場が試料
    に接触したことにより発生する伝搬光をプリズムの第二
    の面を介して検出する第二の光検出手段とを更に有して
    いる、走査型近接場光学顕微鏡。
JP18729195A 1995-07-24 1995-07-24 走査型近接場光学顕微鏡 Withdrawn JPH0933544A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006331852A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Jeol Ltd 表面観察分析装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006331852A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Jeol Ltd 表面観察分析装置

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