JPH0933543A - 走査型近接場光学顕微鏡 - Google Patents

走査型近接場光学顕微鏡

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JPH0933543A
JPH0933543A JP17903495A JP17903495A JPH0933543A JP H0933543 A JPH0933543 A JP H0933543A JP 17903495 A JP17903495 A JP 17903495A JP 17903495 A JP17903495 A JP 17903495A JP H0933543 A JPH0933543 A JP H0933543A
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JP
Japan
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probe
sample
light
evanescent field
scanning
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JP17903495A
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English (en)
Inventor
Norichika Fukushima
徳近 福島
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コレクションモードでのSNOM測定とイルミ
ネーションモードでのSNOM測定の両方を行なえる走
査型近接場光学顕微鏡を提供する。 【解決手段】走査型近接場光学顕微鏡は、移動テーブル
10、移動テーブル10のベース12に選択的に装着さ
れるプリズムユニット30とフォトディテクターユニッ
ト40、探針72を備えたカンチレバー70、探針72
の上方に配置される対物レンズ80、対物レンズ80の
上方に選択的に配置される光検出器82と光源84を有
している。プリズムユニット30は臨界角プリズム32
とこれを支持するアーム34とを有し、アーム34の端
部にはアリ36が形成されている。フォトディテクター
ユニット40はフォトディテクター42とこれを支持す
るアーム44とを有し、アーム44の端部にはアリ46
が形成されている。L字状のベース12の鉛直柱の上端
部にはアリ溝22が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡の一つである走査型近接場光学顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、プ
ローブ(探針)を試料表面に近づけ、両者間に働く相互
作用を検出しながら、試料表面に対してプローブを走査
し、その相互作用の二次元マッピングを行なう装置の総
称であり、具体的には、走査型トンネリング顕微鏡(S
TM)、原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力顕微鏡(M
FM)、走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)等があげ
られる。
【0003】走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)は、
発生源からの寸法が光の波長よりも短い領域のみに局在
し、自由空間は伝搬しないという特性を持つエバネッセ
ント場を検出することにより、回折限界を超える分解能
を達成した光学顕微鏡で、特に1980年代後半以降、
盛んに開発が進められている。特開平4−291310
号(R.E.Betzig, AT&T)は、その一例として、先端を細
く加工した棒状のプローブを用い、その先端の微小開口
の近傍にエバネッセント場を発生させ、プローブと試料
の間隔を狭めてエバネッセント場と試料を接触させ、そ
の際に発生する伝搬光を試料の下に設置した光検出器で
検出し、その光強度の二次元マッピングを行なう装置を
開示している。
【0004】走査型近接場光学顕微鏡のプローブには、
一般に、先端を細く加工した光ファイバーやガラス棒あ
るいは水晶探針が用いられる。これらの棒状のプローブ
は、回転させながら斜め後方から金属を蒸着すると、そ
の先端には殆ど金属が付着せず、これにより、先端の開
口以外が金属で被われたプローブが得られる。このプロ
ーブを用いた走査型近接場光学顕微鏡は、既に市販され
ている。
【0005】また、原子間力顕微鏡(AFM)は、カン
チレバーの先端に設けた探針を試料表面に近づけ、試料
表面と探針の間に発生する原子間力の大きさに依存して
弾性変形するカンチレバーの変位を光学式の変位センサ
ー等を用いて検出して、試料表面の凹凸情報を得る装置
であり、例えば特開昭62−130302号に開示され
ている。
【0006】試料表面と探針先端の間の相互作用力を検
出することにより試料表面の凹凸を測定するという原子
間力顕微鏡の技術は、試料表面と探針先端の間隔を一定
に保つといったレギュレーションの為の手段として、他
の走査型プローブ顕微鏡にもよく用いられる。ファンフ
ルスト(N. F. van Hulst )等は「Appl. Phys. Lett.
62(5) P.461 (1993)」において、窒化シリコン製の原子
間力顕微鏡用カンチレバーをプローブとして用いて、A
FM測定により試料の凹凸を測定しながら試料の光学情
報を検出することが可能な新しい走査型近接場光学顕微
鏡を提案している。
【0007】ファンフルスト等が提案する原理に基づい
て作製した走査型近接場光学顕微鏡について図5を用い
て説明する。図5に示すように、試料112を載せたス
ライドグラス114は、マッチングオイル116を介し
て、圧電スキャナー120に固定された臨界角プリズム
118の上に設置される。圧電スキャナー120は、コ
ンピューター122で生成されるXYZ走査信号に従っ
てスキャナー駆動回路124が出力する駆動信号を受け
て、XY方向(試料表面に平行な方向すなわち水平方
向)とZ方向(試料表面に立てた法線の方向すなわち鉛
直方向)に臨界角プリズム118を移動させる。これに
より、試料112を載せたスライドグラス114は任意
の方向に移動される。
【0008】試料112の上方には、カンチレバー12
6が配置される。カンチレバー126は、支持部128
から延びたレバー部130を有し、その先端には探針1
32が形成されている。
【0009】カンチレバー126の探針132の変位を
検出するための光てこ式の変位センサーは、レバー部1
30に光ビームを照射する半導体レーザー140とその
反射光を受ける二分割フォトディテクター142とで構
成されている。装置は更に二分割フォトディテクター1
42の出力に従って圧電スキャナー120を制御するフ
ィードバック回路144を有している。
【0010】試料112の表面にエバネッセント場を発
生させるための光学系は、レーザー光源146、フィル
タ148、ミラー150、ミラー152とで構成され
る。さらに、スライドグラス114で全反射した光をモ
ニターするフォトディテクター154が設けられてい
る。
【0011】カンチレバー126の上方には対物レンズ
156が配置され、対物レンズ156は探針132がエ
バネッセント場に侵入したことにより発生する伝搬光を
受ける。対物レンズ156の上方には、対物レンズ15
6に入射した光の強度を検出する検出光学系158が設
けられている。この検出光学系158は、集光レンズ1
60、ピンホール162、光電子増倍管164を有して
いる。光電子増倍管164の出力を増幅してコンピュー
ター122へ送るアンプ166が設けられている。
【0012】レーザ光源146から射出した光は、フィ
ルタ148を通過し、ミラー150とミラー152で反
射され、臨界角プリズム118を通り、スライドグラス
114の試料側の面に臨界角以上の角度で入射し、その
面で全反射する。この結果、試料112の表面近傍にエ
バネッセント場が発生する。スライドグラス114の試
料側の面で全反射した光はフォトディテクター154に
入射し、モニターされる。圧電スキャナー120がXY
走査を行なう間、半導体レーザー140と二分割フォト
ディテクター142からなる変位センサーで探針132
の変位を検知し、フィードバック回路144により探針
132の変位すなわち探針132と試料表面の間隔を一
定に保つ。探針132がエバネッセント場に侵入したた
めに発生した伝搬光は一部が対物レンズ156に入射
し、光電子増倍管164で検出される。コンピューター
122は、内部で生成するXY走査信号に、フィードバ
ック回路144からの信号を同期させて処理することに
よりAFM測定に基づく試料表面の凹凸情報を得る。ま
た、XY走査信号に光電子増倍管164からの信号を同
期させて処理することによりSNOM測定に基づく試料
表面の情報を得る。
【0013】上に述べた走査型近接場光学顕微鏡はコレ
クションモードタイプと呼ばれるものである。これとは
別にイルミネーションモードタイプと呼ばれるものもあ
る。これについて図6を用いて説明する。
【0014】図6に示すように、試料212を載せたス
ライドグラス214は、圧電スキャナー220に固定さ
れた載物台218の上に設置される。圧電スキャナー2
20は、コンピューター222で生成されるXYZ走査
信号に従ってスキャナー駆動回路224が出力する駆動
信号を受けて、XY方向(試料表面に平行な方向すなわ
ち水平方向)とZ方向(試料表面に立てた法線の方向す
なわち鉛直方向)に載物台218を移動させる。これに
より、試料212を載せたスライドグラス214は任意
の方向に移動される。
【0015】試料212の上方には、カンチレバー22
6が配置される。カンチレバー226は、支持部228
から延びたレバー部230を有し、その先端には探針2
32が形成されている。
【0016】カンチレバー226の探針232の変位を
検出するための光てこ式の変位センサーは、レバー部2
30に光ビームを照射する半導体レーザー240とその
反射光を受ける二分割フォトディテクター242とで構
成されている。装置は更に二分割フォトディテクター2
42の出力に従って圧電スキャナー220を制御するフ
ィードバック回路244を有している。
【0017】カンチレバー126の上方には、エバネッ
セント場を発生させるための光学系が配置されている。
この光学系は、レーザー光源246、フィルタ248、
レンズ250とで構成されている。
【0018】載物台218の下方には対物レンズ256
が配置され、対物レンズ256はエバネッセント場が試
料212に接触したことにより発生した伝搬光を受け
る。対物レンズ256の下方には、対物レンズ256に
入射した光の強度を検出する検出光学系258が設けら
れている。この検出光学系258は、ピンホール262
と光電子増倍管264とを有している。さらに光電子増
倍管264の出力を増幅してコンピューター222に送
るアンプ266が設けられている。
【0019】レーザ光源246から射出された光は、フ
ィルタ248を通過し、レンズ250で集光され、カン
チレバー226の探針232に照射される。この結果、
探針232の先端の開口の近傍にエバネッセント場が発
生する。圧電スキャナー220がXY走査を行なう間、
半導体レーザー240と二分割フォトディテクター24
2からなる変位センサーで探針232の変位を検知し、
フィードバック回路244により探針232の変位すな
わち探針232と試料表面の間隔を一定に保つ。
【0020】エバネッセント場は試料212に接触する
と伝搬光となる。伝搬光の一部は対物レンズ256に入
射し、光電子増倍管264で検出される。コンピュータ
ー222は、内部で生成するXY走査信号に、フィード
バック回路244からの信号を同期させて処理すること
によりAFM測定に基づく試料表面の凹凸情報を得る。
また、XY走査信号に光電子増倍管264からの信号を
同期させて処理することによりSNOM測定に基づく試
料表面の情報を得る。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】現在、エバネッセント
場に関する現象は明確には解明されておらず、従って、
走査型近接場光学顕微鏡に関する技術も模索の状態にあ
り、様々な照明手段や検出手段が試みられている。ま
た、SNOM測定は、図5と図6に示した二種類の走査
型近接場光学顕微鏡を用いて、コレクションモードによ
る測定とイルミネーションモードによる測定を別々に行
なっているが、この二種類のSNOM測定を一台で行な
える装置があれば、測定方法の違いによる測定結果の相
違を比較でき、非常に好ましい。このため、コレクショ
ンモードによるSNOM測定とイルミネーションモード
によるSNOM測定の両方を行なえる走査型近接場光学
顕微鏡の提供が望まれる。
【0022】本発明は、この要望に応えるもので、コレ
クションモードのSNOM測定とイルミネーションモー
ドのSNOM測定の両方を行なえる走査型近接場光学顕
微鏡を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の走査型
近接場光学顕微鏡は、先端に微小な開口を持つ導光性の
探針と、試料を載せたスライドグラスを載せる載物台
と、試料に対して探針を相対的に走査する走査手段と、
試料の近傍の領域にエバネッセント場を発生させる第一
のエバネッセント場発生手段と、試料の近傍のエバネッ
セント場と探針が接触したことにより発生する伝搬光を
検出する第一の光検出手段と、探針の開口の近傍にエバ
ネッセント場を発生させる第二のエバネッセント場発生
手段と、探針の近傍のエバネッセント場と試料が接触し
たことにより発生する伝搬光を検出する第二の光検出手
段と、第一のエバネッセント場発生手段と第二のエバネ
ッセント場発生手段の一方を所定の位置に選択的に配置
する第一の選択的配置手段と、第一の光検出手段と第二
の光検出手段の一方を所定の位置に選択的に配置する第
二の選択的配置手段とを有し、第一のエバネッセント場
発生手段が選択的に配置されたときには第一の光検出手
段が選択的に配置され、第二のエバネッセント場発生手
段が選択的に配置されたときには第二の光検出手段が選
択的に配置される。
【0024】請求項2に記載の走査型近接場光学顕微鏡
は、請求項1に記載の走査型近接場光学顕微鏡におい
て、不動のベースを更に有し、第一のエバネッセント場
発生手段は、試料を基準にして探針の反対側に配置され
るプリズムと、プリズムを通して臨界角以上の角度で光
を試料に照射する手段とを有し、第一の光検出手段は、
探針の後端から出る光の強度を検出するフォトディテク
ターを有し、第二のエバネッセント場発生手段は、探針
の終端に光を照射する手段を有し、第二の光検出手段
は、試料を基準にして探針の反対側に配置され、試料か
ら出る光の強度を検出するフォトディテクターを有し、
走査手段は、一端がベースに固定され、他端が載物台に
固定された圧電スキャナーを有し、載物台は、スライド
グラスを受ける受け面と、受け面の下にプリズムまたは
フォトディテクターを収容し得る空間とを有し、第一の
選択的配置手段は、プリズムを取り付けた第一のアーム
と、フォトダイオードを取り付けた第二のアームと、第
一のアームと第二のアームのいずれかを選択的にベース
に固定する固定手段とを有し、プリズムとフォトダイオ
ードのいずれかが載物台の空間内に配置される。
【0025】請求項3に記載の走査型近接場光学顕微鏡
は、請求項2に記載の走査型近接場光学顕微鏡におい
て、固定手段は、一方向のみに抜き差し可能な嵌め合わ
せ構造であり、嵌め合わせ構造は、アームに設けたアリ
と、ベースに設けたアリ溝とで構成される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1〜図4を参照しながら説明する。図1と図2に示
すように、走査型近接場光学顕微鏡は、移動テーブル1
0、レーザー光源24、移動テーブル10に選択的に装
着されるプリズムユニット30とフォトディテクターユ
ニット40、先端に探針72を有するカンチレバー7
0、探針72の上方に配置される対物レンズ80、対物
レンズ80の上方に選択的に配置される光検出器82と
光源84とを有している。探針72は、光が伝搬し得る
材料を錘体形状に加工して作られており、先端(錘体の
頂点)に微小な開口を有し、後端(錘体の底面)は光の
透過面となっている。探針72は、錘体面に金属等の遮
光膜が設けられているとなおよい。
【0027】また、カンチレバー70に光ビームを照射
する半導体レーザー74とその反射光を受ける二分割フ
ォトディテクター76とで構成された、カンチレバー7
0の変位を検出する光てこ式の変位センサーを有してい
る。
【0028】さらに、走査信号の生成や信号の処理等を
行なうコンピューター90、移動テーブル10を駆動す
るスキャナー駆動回路92、カンチレバー70の変位に
基づきスキャナー駆動回路92を制御するフィードバッ
ク回路94、光検出器82の出力を増幅するアンプ9
6、フォトディテクター42の出力を増幅するアンプ9
8を有している。
【0029】図1と図2に示すように、移動テーブル1
0は、L字状のベース12、ベース12に固定されたチ
ューブ型の圧電スキャナー14、圧電スキャナー14の
自由端に固定された載物台16とを有している。載物台
16はスライドグラス60を受ける上面を有し、上面の
中央部には矩形の開口が形成され、その下方には空間が
設けられている。この空間は、臨界角プリズム32また
はフォトディテクター42を収容するためのものであ
る。
【0030】図1から分かるように、移動テーブル10
に選択的に装着されるプリズムユニット30は、臨界角
プリズム32とこれを支持するアーム34とで構成さ
れ、アーム34の端部にはアリ36が形成されている。
【0031】また、図2から分かるように、移動テーブ
ル10に選択的に装着されるフォトディテクターユニッ
ト40は、フォトディテクター42とこれを支持するア
ーム44とで構成され、アーム44の端部には、前述の
アーム34に設けたアリ36と同じ形状のアリ46が形
成されている。フォトディテクター42は、シリコーン
RTVゴム50と共に、アーム44に開けた円形の開口
48に組み付けられており、シリコーンRTVゴム50
はフォトディテクター42と開口48の間に出来る隙間
を満たしている。
【0032】L字状のベース12の鉛直柱の上端部に
は、プリズムユニット30のアーム34に設けたアリ3
6とフォトディテクターユニット40のアーム44に設
けたアリ46が合うアリ溝22が形成されている。
【0033】これにより、プリズムユニット30とフォ
トディテクターユニット40はベース12のアリ溝22
に対して一方向に抜き差し可能となっている。ベース1
2にはプリズムユニット30またはフォトディテクター
ユニット40のいずれかが選択的に装着される。ベース
12にプリズムユニット30が装着されたとき、臨界角
プリズム32は載物台16の空間内に位置し、フォトデ
ィテクターユニット40が装着されたとき、フォトディ
テクター42は載物台16の空間内に位置する。
【0034】さらに、ベース12には、図1に示すよう
に、レーザー光源24から射出された光を偏向して臨界
角プリズム32に入射させるためのミラー18とミラー
20が配置されている。
【0035】試料ステージ10は、載物台16に対し
て、試料62を載せたスライドグラス60を水平方向に
移動させることができる。すなわち、圧電スキャナー1
4に一定の余弦波または間欠的な電圧を印加して圧電ス
キャナー14を急激に変形させ、載物台16を水平方向
に衝撃的に移動させる。これにより、試料62を載せた
スライドグラス60は衝撃的な慣性力(載物台16に与
えられた衝撃的加速度×試料62を載せたスライドグラ
ス60の質量)を受ける。試料62を載せたスライドグ
ラス60が受ける慣性力が、試料62を載せたスライド
グラス60と載物台16との間の静止摩擦力よりも大き
ければ、試料62を載せたスライドグラス60は載物台
16の上を微小距離移動した後、再び摩擦力に捕らえら
れて静止する。この動作を駆動を繰り返し行なうことに
より、たった一つの圧電スキャナーで、その可動範囲
(10μm程度)を越えて、載物台16に対して、試料
62を載せたスライドグラス60を水平方向に移動させ
ることができる。
【0036】図1に示すように、ベース12にプリズム
ユニット30を装着したときには、対物レンズ80の上
方には光検出器82を配置する。これにより、コレクシ
ョンモードタイプの走査型近接場光学顕微鏡が構成され
る。
【0037】試料62を載せたスライドグラス60は、
臨界角プリズム32の上面にマッチングオイル64を垂
らした後、載物台16の上に載置される。マッチングオ
イル64は表面張力により臨界角プリズム22とスライ
ドグラス60の間に留まり、臨界角プリズム32の上面
とスライドグラス60の下面の間の隙間を満たす。
【0038】レーザ光源24から射出された光は、ミラ
ー18とミラー20で反射され、臨界角プリズム32に
入射し、臨界角以上の角度で試料62に照射され、全反
射する。この結果、試料62の表面近傍にエバネッセン
ト場が発生する。圧電スキャナー14はスキャナー駆動
回路92によりXY走査を行なう。その間、半導体レー
ザー74と二分割フォトディテクター76とで構成され
る変位センサーはカンチレバー70の変位を検知し、フ
ィードバック回路94は、二分割フォトディテクター7
6の出力を一定に保つようにスキャナー駆動回路92を
制御する。これにより、探針72の先端と試料62の表
面の間隔は走査の間じゅう一定に保たれる。
【0039】探針72がエバネッセント場に接触したた
めに発生した伝搬光は、対物レンズ80を通って光検出
器82に入射する。光検出器82は、入射した伝搬光の
強度を検出する。光検出器82の出力はアンプ96で増
幅され、コンピューター90に送られる。コンピュータ
ー90は、内部で生成するXY走査信号に同期させて、
フィードバック回路94からの信号を処理することによ
りAFM測定に基づく試料表面の凹凸情報を得るととも
に、XY走査信号に同期させて光検出器82からの信号
を処理することによりSNOM測定に基づく試料表面の
情報を得る。
【0040】また、図2に示すように、ベース12にフ
ォトディテクターユニット40を装着したときには、対
物レンズ80の上方には光源84を配置する。これによ
り、イルミネーションモードタイプの走査型近接場光学
顕微鏡が構成される。
【0041】試料62を載せたスライドグラス60は、
フォトディテクター42の上面にマッチングオイル64
を垂らした後、載物台16の上に載置される。マッチン
グオイル64はフォトディテクター42の上面とスライ
ドグラス60の下面の間の隙間を満たす。フォトディテ
クター42とアーム44の隙間はシリコーンRTVゴム
50で塞がれているので、マッチングオイル64がこぼ
れ落ちることはない。
【0042】光源84から射出された光は、対物レンズ
80により集光され、カンチレバー70の探針72の後
端に照射される。この結果、探針72の先端の開口の近
傍にエバネッセント場が発生する。圧電スキャナー14
はスキャナー駆動回路92に従ってXY走査を行なう。
その間、半導体レーザー74と二分割フォトディテクタ
ー76とで構成される変位センサーはカンチレバー70
の変位を検知し、フィードバック回路94は二分割フォ
トディテクター76の出力を一定に保つようにスキャナ
ー駆動回路92を制御する。これにより、探針72の先
端と試料62の表面の間隔は走査の間じゅう一定に保た
れる。
【0043】探針72の先端近傍に発生したエバネッセ
ント場が試料62に接触したために発生した伝搬光はフ
ォトディテクター42に入射し、フォトディテクター4
2はその強度を検出する。フォトディテクター42の出
力はアンプ98で増幅され、コンピューター90に送ら
れる。コンピューター90は、内部で生成するXY走査
信号に同期させてフィードバック回路94からの信号を
処理することによりAFM測定に基づく試料表面の凹凸
情報を得るとともに、XY走査信号に同期させてフォト
ディテクター42からの信号を処理することによりSN
OM測定に基づく試料表面の情報を得る。
【0044】これまで説明したように、図1と図2に示
した構成の走査型近接場光学顕微鏡は、プリズムユニッ
ト30とフォトディテクターユニット40を差し替える
とともに、これに応じて光検出器82と光源84を交換
することによって、コレクションモードによるSNOM
測定とイルミネーションモードによるSNOM測定を切
り替えて行なえる。
【0045】次に、フォトディテクターユニット40の
変形例を二例、図3と図4を用いて説明する。図3に示
す変形例では、シリコーンゴムやクロロプレンゴム、ニ
トリルゴム等で作製されたパッキン52を介して、アー
ム44に開けた開口48に、フォトディテクター42が
取り付けられており、このパッキン52がフォトディテ
クター42と開口48の間の隙間を塞ぎ、マッチングオ
イルがこぼれ落ちるのを防ぐ。
【0046】図4に示す変形例では、フォトディテクタ
ー42の受光窓に密着させてガラス製の窓部材54を配
し、窓部材54とアーム44に開けた開口48との間
に、シリコーンRTVゴム、または、シリコーンゴムや
クロロプレンゴム、ニトリルゴム等で作製されたパッキ
ンからなる封止剤56が設けられ、この封止剤56が窓
部材54と開口48の間の隙間を塞ぎ、マッチングオイ
ルがこぼれ落ちるのを防ぐ。
【0047】本発明は、上述の実施の形態に何等限定さ
れるものではない。発明の要旨を逸脱しない範囲で行な
われる変形は、すべて本発明に含まれる。例えば、プリ
ズムを取り付けたアームとフォトダイオードを取り付け
たアームのいずれかを選択的にベースに固定する手段と
して、実施の形態では、一方向のみに抜き差し可能な嵌
め合わせ構造について説明したが、ねじ止め構造であっ
ても一向に構わない。なお、ねじ止め構造は、例えば、
アームに設けた複数の貫通穴と、ベースに設けた複数の
ねじ穴と、アームの貫通穴を通りねじ穴にねじ込まれる
ねじとで構成される。
【0048】本発明は以下の各項に記した技術思想を含
んでいる。 1.先端に微小な開口を持つ導光性の探針と、試料を載
せたスライドグラスを載せる載物台と、試料に対して探
針を相対的に走査する走査手段と、試料の近傍の領域に
エバネッセント場を発生させる第一のエバネッセント場
発生手段と、試料の近傍のエバネッセント場と探針が接
触したことにより発生する伝搬光を検出する第一の光検
出手段と、探針の開口の近傍にエバネッセント場を発生
させる第二のエバネッセント場発生手段と、探針の近傍
のエバネッセント場と試料が接触したことにより発生す
る伝搬光を検出する第二の光検出手段と、第一のエバネ
ッセント場発生手段と第二のエバネッセント場発生手段
の一方を所定の位置に選択的に配置する第一の選択的配
置手段と、第一の光検出手段と第二の光検出手段の一方
を所定の位置に選択的に配置する第二の選択的配置手段
とを有し、第一のエバネッセント場発生手段が選択的に
配置されたときには第一の光検出手段が選択的に配置さ
れ、第二のエバネッセント場発生手段が選択的に配置さ
れたときには第二の光検出手段が選択的に配置される、
走査型近接場光学顕微鏡。
【0049】2. 前項1において、第一のエバネッセ
ント場発生手段は、試料を基準にして探針の反対側に配
置されるプリズムと、プリズムを通して臨界角以上の角
度で光を試料に照射する手段とを有し、第一の光検出手
段は、探針の後端から出る光の強度を検出するフォトデ
ィテクターを有し、第二のエバネッセント場発生手段
は、探針の終端に光を照射する手段を有し、第二の光検
出手段は、試料を基準にして探針の反対側に配置され、
試料から出る光の強度を検出するフォトディテクターを
有している、走査型近接場光学顕微鏡。
【0050】3. 前項2において、不動のベースを更
に有し、走査手段は、一端がベースに固定され、他端が
載物台に固定された圧電スキャナーを有し、載物台は、
スライドグラスを受ける受け面と、受け面の下にプリズ
ムまたはフォトディテクターを収容し得る空間とを有
し、第一の選択的配置手段は、プリズムを取り付けた第
一のアームと、フォトダイオードを取り付けた第二のア
ームと、第一のアームと第二のアームのいずれかを選択
的にベースに固定する固定手段とを有し、プリズムとフ
ォトダイオードのいずれかが載物台の空間内に配置され
る、走査型近接場光学顕微鏡。
【0051】4. 前項3において、固定手段は、一方
向のみに抜き差し可能な嵌め合わせ構造である、走査型
近接場光学顕微鏡。 5. 前項4において、嵌め合わせ構造は、アームに設
けたアリと、ベースに設けたアリ溝とで構成される、走
査型近接場光学顕微鏡。
【0052】6. 前項3において、固定手段は、ねじ
止め構造である、走査型近接場光学顕微鏡。 7. 前項6において、ねじ止め構造は、アームに設け
た複数の貫通穴と、ベースに設けた複数のねじ穴と、ア
ームの貫通穴を通りねじ穴にねじ込まれるねじとを有し
ている、走査型近接場光学顕微鏡。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、コレクションモードで
のSNOM測定とイルミネーションモードでのSNOM
測定の両方を切り替えて行なえる走査型近接場光学顕微
鏡が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の走査型近接場光学顕微鏡
のコレクションモードによる測定を行なうときの構成を
示している。
【図2】本発明の実施の形態の走査型近接場光学顕微鏡
のイルミネーションモードによる測定を行なうときの構
成を示している。
【図3】フォトディテクターユニットの変形例を示して
いる。
【図4】フォトディテクターユニットの別の変形例を示
している。
【図5】コレクションモードタイプの走査型近接場光学
顕微鏡の従来例の構成を示している。
【図6】イルミネーションモードタイプの走査型近接場
光学顕微鏡の従来例の構成を示している。
【符号の説明】
10…移動テーブル、12…ベース、14…圧電スキャ
ナー、16…載物台、22…アリ溝、30…プリズムユ
ニット、32…臨界角プリズム、34…第一のアーム、
36…アリ、40…フォトディテクターユニット、42
…フォトディテクター、44…第二のアーム、46…ア
リ、70…カンチレバー、72…探針、80…対物レン
ズ、82…光検出器、84…光源。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端に微小な開口を持つ導光性の探針と、 試料を載せたスライドグラスを載せる載物台と、 試料に対して探針を相対的に走査する走査手段と、 試料の近傍の領域にエバネッセント場を発生させる第一
    のエバネッセント場発生手段と、 試料の近傍のエバネッセント場と探針が接触したことに
    より発生する伝搬光を検出する第一の光検出手段と、 探針の開口の近傍にエバネッセント場を発生させる第二
    のエバネッセント場発生手段と、 探針の近傍のエバネッセント場と試料が接触したことに
    より発生する伝搬光を検出する第二の光検出手段と、 第一のエバネッセント場発生手段と第二のエバネッセン
    ト場発生手段の一方を所定の位置に選択的に配置する第
    一の選択的配置手段と、 第一の光検出手段と第二の光検出手段の一方を所定の位
    置に選択的に配置する第二の選択的配置手段とを有し、 第一のエバネッセント場発生手段が選択的に配置された
    ときには第一の光検出手段が選択的に配置され、第二の
    エバネッセント場発生手段が選択的に配置されたときに
    は第二の光検出手段が選択的に配置される、走査型近接
    場光学顕微鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 不動のベースを更に有し、 第一のエバネッセント場発生手段は、試料を基準にして
    探針の反対側に配置されるプリズムと、プリズムを通し
    て臨界角以上の角度で光を試料に照射する手段とを有
    し、 第一の光検出手段は、探針の後端から出る光の強度を検
    出するフォトディテクターを有し、 第二のエバネッセント場発生手段は、探針の終端に光を
    照射する手段を有し、 第二の光検出手段は、試料を基準にして探針の反対側に
    配置され、試料から出る光の強度を検出するフォトディ
    テクターを有し、 走査手段は、一端がベースに固定され、他端が載物台に
    固定された圧電スキャナーを有し、 載物台は、スライドグラスを受ける受け面と、受け面の
    下にプリズムまたはフォトディテクターを収容し得る空
    間とを有し、 第一の選択的配置手段は、プリズムを取り付けた第一の
    アームと、フォトダイオードを取り付けた第二のアーム
    と、第一のアームと第二のアームのいずれかを選択的に
    ベースに固定する固定手段とを有し、プリズムとフォト
    ダイオードのいずれかが載物台の空間内に配置される、
    走査型近接場光学顕微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 固定手段は、一方向のみに抜き差し可能な嵌め合わせ構
    造であり、 嵌め合わせ構造は、アームに設けたアリと、ベースに設
    けたアリ溝とで構成される、走査型近接場光学顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006090594A1 (ja) * 2005-02-24 2006-08-31 Sii Nanotechnology Inc. 走査型プローブ顕微鏡用微動機構およびこれを用いた走査型プローブ顕微鏡

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