JPH0926428A - 走査型プローブ顕微鏡用の移動テーブル - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡用の移動テーブル

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JPH0926428A
JPH0926428A JP17619095A JP17619095A JPH0926428A JP H0926428 A JPH0926428 A JP H0926428A JP 17619095 A JP17619095 A JP 17619095A JP 17619095 A JP17619095 A JP 17619095A JP H0926428 A JPH0926428 A JP H0926428A
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moving table
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JP17619095A
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Norichika Fukushima
徳近 福島
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】標本の移動を安定に行なえる走査型プローブ顕
微鏡用の移動テーブルを提供する。 【解決手段】移動テーブルは、臨界角プリズム22を支
持するコの字状のベース12、ベース12に固定された
チューブ型の圧電アクチュエーター14、圧電アクチュ
エーター14の自由端に固定された載物台16とを有し
ている。載物台16は臨界角プリズム22を収容する空
間と、その上面を露出させる開口とを有している。載物
台16には鉛直方向に延びる二つのねじ穴18が設けら
れ、ねじ穴18にはこれ合うねじ山を備えた永久磁石2
0がねじ込まれる。試料32を載せたスライドグラス3
0は、臨界角プリズム22にマッチングオイル34を垂
らした後、載物台16の上に載置される。さらに、スラ
イドグラス30の上には、磁石に引き付けられる材料
(磁性体)で作られた磁性板38が載せられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状の試料を載せ
たスライドグラスや固体状の試料等の標本を載せるテー
ブルであって、載せられた標本を移動させる機能を備え
ている、走査型プローブ顕微鏡用の移動テーブルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、プ
ローブ(探針)を試料表面に近づけ、両者間に働く相互
作用を検出しながら、試料表面に対してプローブを走査
し、その相互作用の二次元マッピングを行なう装置の総
称であり、具体的には、走査型トンネリング顕微鏡(S
TM)、原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力顕微鏡(M
FM)、走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)等があげ
られる。
【0003】走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)は、
しみ出し方向の寸法が光の波長よりも短い領域に局在
し、自由空間を伝搬しないという特性を持つエバネッセ
ント場を検出することにより、回折限界を超える分解能
を達成した光学顕微鏡で、特に1980年代後半以降、
盛んに開発が進められている。特開平4−291310
号(R.E.Betzig, AT&T)は、その一例として、先端を細
く加工した棒状のプローブを用い、その先端の微小開口
の近傍にエバネッセント場を発生させ、プローブと試料
の間隔を狭めてエバネッセント場と試料を接触させ、そ
の際に発生する伝搬光を試料の下に設置した光検出器で
検出し、その光強度の二次元マッピングを行なう装置を
開示している。
【0004】走査型近接場光学顕微鏡のプローブには、
一般に、先端を細く加工した光ファイバーやガラス棒あ
るいは水晶探針などが用いられる。これらの棒状のプロ
ーブは、回転させながら斜め後方から金属を蒸着する
と、その先端には殆ど金属が付着せず、これにより、先
端の開口以外が金属で被われたプローブが得られる。こ
のプローブを用いた走査型近接場光学顕微鏡は、既に市
販されている。
【0005】また、原子間力顕微鏡(AFM)は、カン
チレバーの先端に設けた探針を試料表面に近づけ、試料
表面と探針の間に発生する原子間力の大きさに依存して
弾性変形するカンチレバーの変位を光学式の変位センサ
等を用いて検出して、試料表面の凹凸情報を得る装置で
あり、例えば特開昭62−130302号に開示されて
いる。
【0006】試料表面と探針先端の間の相互作用力を検
出することにより試料表面の凹凸を測定するという原子
間力顕微鏡の技術は、試料表面と探針先端の間隔を一定
に保つといったレギュレーションの為の手段として、他
の走査型プローブ顕微鏡にもよく用いられる。ファンフ
ルスト(N. F. van Hulst )等は「Appl. Phys. Lett.
62(5) P.461 (1993)」において、窒化シリコン製の原子
間力顕微鏡用カンチレバーをプローブとして用いて、A
FM測定により試料の凹凸を測定しながら試料の光学情
報を検出することが可能な新しい走査型近接場光学顕微
鏡を提案している。
【0007】ファンフルスト等が提案する原理に基づい
て作製した走査型近接場光学顕微鏡について図5を参照
して説明する。図5に示すように、試料112を載せた
スライドグラス114は、マッチングオイル116を介
して、圧電体スキャナー120に固定された臨界角プリ
ズム118の上に設置される。圧電体スキャナー120
は、コンピューター122で生成されるXYZ走査信号
に従ってスキャナー駆動回路124が出力する駆動信号
を受けて、XY方向(試料表面に平行な方向すなわち水
平方向)とZ方向(試料表面に立てた法線の方向すなわ
ち鉛直方向)に臨界角プリズム118を移動させる。こ
れにより、試料112を載せたスライドグラス114は
任意の方向に移動される。
【0008】試料112の上方には、カンチレバー12
6が配置される。カンチレバー126は、支持部128
から延びたレバー部130を有し、その先端には探針1
32が形成されている。
【0009】カンチレバー126の探針132の変位を
検出するための光てこ式の変位センサは、レバー部13
0に光ビームを照射する半導体レーザー140とその反
射光を受ける二分割フォトディテクター142とで構成
されている。装置は更に二分割フォトディテクター14
2の出力に従って圧電体スキャナー120を制御するフ
ィードバック回路144を有している。
【0010】試料112の表面にエバネッセント場を発
生させるための光学系は、レーザー光源146、フィル
タ148、ミラー150、ミラー152とで構成され
る。さらに、スライドグラス114で全反射した光をモ
ニターするフォトディテクター154が設けられてい
る。
【0011】カンチレバー126の上方には対物レンズ
156が配置され、対物レンズ156は探針132がエ
バネッセント場に侵入したことにより発生する伝搬光を
受ける。対物レンズ156の上方には、対物レンズ15
6に入射した光の強度を検出する検出光学系158が設
けられている。この検出光学系158は、集光レンズ1
60、ピンホール162、光電子増倍管164を有して
いる。光電子増倍管164の出力を増幅してコンピュー
ター122へ送るアンプ166が設けられている。
【0012】レーザ光源146から射出した光は、フィ
ルタ148を通過し、ミラー150とミラー152で反
射され、臨界角プリズム118を通り、スライドグラス
114の試料側の面に臨界角以上の角度で入射し、その
面で全反射する。この結果、試料112の表面近傍にエ
バネッセント場が発生する。スライドグラス114の試
料側の面で全反射した光はフォトディテクター154に
入射し、モニターされる。圧電体スキャナー120がX
Y走査を行なう間、半導体レーザー140と二分割フォ
トディテクター142からなる変位センサで探針132
の変位を検知し、フィードバック回路144により探針
132の変位すなわち探針132と試料表面の間隔を一
定に保つ。探針132がエバネッセント場に侵入したた
めに発生した伝搬光は一部が対物レンズ156に入射
し、光電子増倍管164で検出される。コンピューター
122は、内部で生成するXY走査信号に、フィードバ
ック回路144からの信号を同期させて処理することに
よりAFM測定に基づく試料表面の凹凸情報を得る。ま
た同様にXY走査信号に光電子増倍管164からの信号
を同期させて処理することによりSNOM測定に基づく
試料表面の情報を得る。
【0013】走査型プローブ顕微鏡において、走査は、
一般に圧電アクチュエーターを用いて試料または探針を
XY方向に移動させることにより行なわれる。走査領域
は、圧電アクチュエーターの水平方向の可動範囲に依存
し、10μ程度である。
【0014】米国特許4343993号は、走査領域を
拡大し、より広範囲の観察を可能とする、標本を載せる
移動テーブルを開示している。この移動テーブルは、複
数個の圧電素子と、載物台の吸着・解放機構とからな
る、いわゆるインチワーム機構を採用している。
【0015】特公平3−20826号は別の移動テーブ
ルを開示している。この移動テーブルは、図5に示すよ
うに、ベース212に一端が固定されたチューブ型の圧
電アクチュエーター214とその自由端に固定された載
物台216とで構成されている。圧電アクチュエーター
214に一定の余弦波または間欠的な電圧を印加して圧
電アクチュエーター214を急激に変形させ、載物台2
16を水平方向に衝撃的に駆動すると、試料220を載
せたスライドグラス218に衝撃的な慣性力(載物台に
与えられた衝撃的加速度×試料を載せたスライドグラス
の質量)が加わる。試料を載せたスライドグラスに加わ
る慣性力が、試料220を載せたスライドグラス218
と載物台216の間の静止摩擦力よりも大きい場合に
は、試料220を載せたスライドグラス218は載物台
216の上を微小距離移動した後、再び摩擦力に捕らえ
られて静止する。この移動テーブルは、圧電アクチュエ
ーター214の急激な駆動を繰り返し行なうことによ
り、たった一つの圧電アクチュエーター214で、その
可動範囲を越えて、試料220を載せたスライドグラス
218を水平方向に移動させることを実現している。
【0016】また、本出願人は既に走査型近接場光学顕
微鏡(SNOM)用の移動テーブルを提案している。こ
の移動テーブルは、図6に示すように、臨界角プリズム
322を支持するコの字状のベース312、ベース31
2に固定されたチューブ型の圧電アクチュエーター31
4、圧電アクチュエーター314の自由端に固定された
載物台316とで構成されている。載物台316は臨界
角プリズム322を収容する空間を有し、その上面には
臨界角プリズム322を露出させる開口が形成されてい
る。また、ベース312には、エバネッセント場を発生
させるために、臨界角プリズム322に向けて光を射出
する光ファイバー328が取り付けられている。試料3
32を載せたスライドグラス330は、載物台316の
上に載置され、その際、臨界角プリズム322とスライ
ドグラス330の間はマッチングオイル334で満たさ
れる。カンチレバー336は試料332の上に配置され
る。
【0017】この移動テーブルは、前述した特公平3−
20826号と同じ手法を用いて、すなわち圧電アクチ
ュエーター314を衝撃的に駆動して試料332を載せ
たスライドグラス330を水平方向に移動させることが
可能である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スライドグラ
ス330と臨界角プリズム322の間に介在するマッチ
ングオイル等の液体はスライドグラス330を浮き上が
らせるため、スライドグラス330と載物台316の間
の静止摩擦力が小さくなる。この場合、液体は更に潤滑
剤としても作用するため、スライドグラス330の滑り
が良くなる。このため、圧電アクチュエーターを衝撃的
に駆動して試料を載せたスライドグラスを移動させる際
に、試料を載せたスライドグラスの移動量が不安定にな
るという不都合がある。
【0019】本発明は、上述した現状を考慮して成され
たものであり、試料を載せたスライドグラスの移動量が
安定している走査型近接場光学顕微鏡用の移動テーブル
を提供することを目的とする。
【0020】これまでの議論は、走査型近接場光学顕微
鏡用の移動テーブルに関してであったが、他の走査型プ
ローブ顕微鏡用の移動テーブルにおいても、標本の移動
量を安定化させることは好ましい。ここで、標本とは、
液状の試料を載せたスライドグラスに限らず、固体状の
試料等を含めたものを指す。従って、本発明の目的は、
広義には、標本の移動を安定に行なえる走査型プローブ
顕微鏡用の移動テーブルを提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の走査型
プローブ顕微鏡用の移動テーブルは、一端が固定された
アクチュエーターで、その自由端が少なくとも水平方向
に急激に変位し得るアクチュエーターと、アクチュエー
ターの自由端に固定された、試料を載せたスライドグラ
スを置く載物台と、試料を載せたスライドグラスと載物
台の間の静止摩擦力を調整する手段とを備えており、ア
クチュエーターの自由端が水平方向に急激に移動するこ
とにより、試料を載せたスライドグラスが載物台の上を
滑って移動される。
【0022】試料を載せたスライドグラスと載物台の間
の静止摩擦力を調整することにより、試料を載せたスラ
イドグラスが載物台上を滑る量を調節できる。これによ
り、試料を載せたスライドグラスの移動を安定に行なえ
る。
【0023】請求項2の発明は、請求項1に記載の走査
型プローブ顕微鏡用の移動テーブルにおいて、静止摩擦
力調整手段が、載物台の内部に設けられた永久磁石と、
スライドグラスの上に載せる磁性板とを有している。
【0024】永久磁石がスライドグラス上の磁性板を引
き付けるため、スライドグラスが載物台に押し付けら
れ、垂直抗力が増す。これにより、試料を載せたスライ
ドグラスと載物台の間の静止摩擦力は大きくなる。
【0025】請求項3の発明は、請求項2に記載の走査
型プローブ顕微鏡用の移動テーブルにおいて、永久磁石
がネジ構造により支持され、その位置が上下方向に調整
可能となっている。永久磁石の上下方向の位置を変える
ことにより、試料を載せたスライドグラスと載物台の間
の静止摩擦力の大きさが変えられる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。まず、第一の実施の形
態について図1を用いて説明する。図に示すように、移
動テーブルは、臨界角プリズム22を支持するコの字状
のベース12、ベース12に固定されたチューブ型の圧
電アクチュエーター14、圧電アクチュエーター14の
自由端に固定された載物台16とを有している。載物台
16は臨界角プリズム22を収容する空洞を有し、その
上面には臨界角プリズム22を露出させる開口が形成さ
れている。臨界角プリズム22は載物台16の空洞内に
配置され、その上面は載物台16の上面よりもわずかに
低くなっている。載物台16には上面から鉛直下方に延
びる二つのねじ穴18が設けられており、ねじ穴18に
はこれ合うねじ山を備えた永久磁石20がねじ込まれ
る。永久磁石20は、これを回転させて上下方向に進退
させることにより、載物台16の上面からの深さ位置が
調整される。また、ベース12には、エバネッセント場
を発生させるための光を臨界角プリズム22に向けて射
出する光ファイバー28が取り付けられている。
【0027】試料32を載せたスライドグラス30は、
臨界角プリズム22の上面にマッチングオイル34を垂
らした後、スライドグラス30が永久磁石20の上にく
るように、載物台16の上に載置される。マッチングオ
イル34は表面張力により臨界角プリズム22とスライ
ドグラス30の間に留まり、臨界角プリズム22の上面
とスライドグラス30の下面の間の隙間を満たす。スラ
イドグラス30の上には更に、磁石に引き付けられる材
料(磁性体)で作られた磁性板38が載せられる。そし
て、試料32の上にカンチレバー36が配置される。
【0028】スライドグラス30に載せた磁性板38が
永久磁石20に引き付けられると共に磁性板38の重さ
のため、スライドグラス30は載物台16の上面に押し
付けられる。このため、試料32を載せたスライドグラ
ス30が載物台16の上面から受ける垂直抗力は、磁性
板38を載せない場合に比べて、大きくなる。従って、
試料32を載せたスライドグラス30と載物台16の間
の静止摩擦力は、磁性板38を載せない場合に比べて、
大きくなる。さらに、この静止摩擦力の大きさは、永久
磁石20を回転させて、その上下方向の位置を変えるこ
とにより、調整される。
【0029】前述の特公平3−20826号と同じ手法
を用いて、載物台16に対して、試料32を載せたスラ
イドグラス30を水平方向に移動させることができる。
すなわち、圧電アクチュエーター14に一定の余弦波ま
たは間欠的な電圧を印加して圧電アクチュエーター14
を急激に変形させ、載物台16を水平方向に衝撃的に移
動させる。これにより、試料32を載せたスライドグラ
ス30は衝撃的な慣性力(載物台16に与えられた衝撃
的加速度×試料32を載せたスライドグラス30の質
量)を受ける。試料32を載せたスライドグラス30が
受ける慣性力が、試料32を載せたスライドグラス30
と載物台16との間の静止摩擦力よりも大きければ、試
料32を載せたスライドグラス30は載物台16の上を
微小距離移動した後、再び摩擦力に捕らえられて静止す
る。この動作を駆動を繰り返し行なうことにより、たっ
た一つの圧電アクチュエーターで、その可動範囲を越え
て、載物台16に対して、試料32を載せたスライドグ
ラス30を水平方向に移動させることができる。
【0030】試料32を載せたスライドグラス30と載
物台16の間の静止摩擦力は、永久磁石20の磁性板3
8の間に働く磁力(さらに磁性板38の重さ)によっ
て、適当に高められているので、スライドグラス30と
臨界角プリズム22の間にマッチングオイル34が介在
することによる、試料32を載せたスライドグラス30
の滑り移動量の増大が補償される。これにより、試料3
2を載せたスライドグラス30の滑り移動が安定に行な
える。
【0031】次に、第二の実施の形態について図2を用
いて説明する。図中、第一の実施の形態で既に説明した
部材と同じ部材は同一の符号で示してあり、続く記述に
おいてはその詳細な説明は省略する。
【0032】移動テーブルは、臨界角プリズム22を支
持するコの字状のベース12、ベース12に固定された
チューブ型の圧電アクチュエーター14、圧電アクチュ
エーター14の自由端に固定された載物台40とを有し
ている。載物台40は磁性材料で作られており、前述の
載物台16でねじ穴18の無くなった形状となってい
る。
【0033】スライドグラス30の上にはブロック42
が載せられる。ブロック42にはこれを貫通する二つの
ねじ穴44が設けられており、ねじ穴44にはこれ合う
ねじ山を備えた永久磁石46がねじ込まれる。永久磁石
46は、これを回転させて上下方向に進退させることに
より、載物台40の上面からの高さ位置が調整される。
永久磁石46の高さを変えることで、試料32を載せた
スライドグラス30と載物台40の間の静止摩擦力の大
きさが調整される。
【0034】これにより、前述の第一の実施の形態と同
じ作用効果が得られる。続いて、第三の実施の形態につ
いて図3を用いて説明する。図中、第一の実施の形態お
よび第二の実施の形態の説明において既に触れた部材と
同じ部材は同一の符号で示してあり、続く記述において
はその詳細な説明は省略する。
【0035】移動テーブルは、臨界角プリズム22を支
持するコの字状のベース12、ベース12に固定された
チューブ型の圧電アクチュエーター14、圧電アクチュ
エーター14の自由端に固定された載物台40とを有し
ている。
【0036】スライドグラス30の上にはブロック50
が載せられる。ブロック50には二つの電磁石52が取
り付けられている。電磁石52には可変電圧電源が接続
され、電磁石52に印加する電圧を変えることにより、
試料32を載せたスライドグラス30と載物台40の間
の静止摩擦力の大きさが調整される。
【0037】これにより、前述の第一の実施の形態と同
じ作用効果が得られる。本発明は、上述した実施例に限
定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて、種々多くの変形が可能である。
【0038】なお、本明細書には以下の発明が含まれ
る。 1. 走査型プローブ顕微鏡用の移動テーブルは、一端
が固定されたアクチュエーターで、その自由端が少なく
とも水平方向に急激に変位し得るアクチュエーターと、
アクチュエーターの自由端に固定された、試料を載せた
スライドグラスを置く載物台と、試料を載せたスライド
グラスと載物台の間の静止摩擦力を調整する手段とを備
えており、アクチュエーターの自由端が水平方向に急激
に移動することにより、試料を載せたスライドグラスが
載物台の上を滑って移動される。
【0039】2. 前項1に記載の走査型プローブ顕微
鏡用の移動テーブルにおいて、静止摩擦力調整手段は、
載物台の内部に設けられた永久磁石と、スライドグラス
の上に載せる磁性板とを有している。
【0040】3. 前項2に記載の走査型プローブ顕微
鏡用の移動テーブルにおいて、永久磁石はネジ構造によ
り支持され、その位置が上下方向に調整可能である。 4. 前項1に記載の走査型プローブ顕微鏡用の移動テ
ーブルにおいて、載物台は磁性材料からなり、静止摩擦
力調整手段はスライドグラスの上に載せる永久磁石を含
んでいる。
【0041】5. 前項4に記載の走査型プローブ顕微
鏡用の移動テーブルにおいて、静止摩擦力調整手段は、
ネジ構造により永久磁石を上下方向の位置を調整可能に
支持するブロックを有している。
【0042】6. 前項1に記載の走査型プローブ顕微
鏡用の移動テーブルにおいて、載物台は磁性材料からな
り、静止摩擦力調整手段はスライドグラスの上に載せる
電磁石を含んでいる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、試料を載せたスライド
グラスと載物台の間の静止摩擦力を調整する機能を備え
た移動テーブルが得られる。これにより、試料を載せた
スライドグラスが載物台上を滑る量を調節でき、試料を
載せたスライドグラスの移動を安定に行なえる。
【0044】特に、走査型近接場光学顕微鏡に適用した
場合には、スライドグラスと臨界角プリズムの間にマッ
チングオイルが介在することによる、試料を載せたスラ
イドグラスの滑り移動量の増大が補償でき、非常に有益
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態による走査型プロー
ブ顕微鏡用の移動テーブルの構成を示す部分断面斜視図
である。
【図2】本発明の第二の実施の形態による走査型プロー
ブ顕微鏡用の移動テーブルの構成を示す部分断面斜視図
である。
【図3】本発明の第三の実施の形態による走査型プロー
ブ顕微鏡用の移動テーブルの構成を示す部分断面斜視図
である。
【図4】原子間力顕微鏡の機能を兼ね備えた走査型近接
場光学顕微鏡の構成を示す図である。
【図5】走査型プローブ顕微鏡用の移動テーブルの従来
例を示す図である。
【図6】走査型近接場光学顕微鏡用の移動テーブルの従
来例を示す図である。
【符号の説明】
14…圧電アクチュエーター、16…載物台、18…ね
じ穴、20…永久磁石、38…磁性板。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端が固定されたアクチュエーターで、そ
    の自由端が少なくとも水平方向に急激に変位し得るアク
    チュエーターと、 アクチュエーターの自由端に固定された、試料を載せた
    スライドグラスを置く載物台と、 試料を載せたスライドグラスと載物台の間の静止摩擦力
    を調整する手段とを備えており、アクチュエーターの自
    由端が水平方向に急激に移動することにより、試料を載
    せたスライドグラスが載物台の上を滑って移動される、
    走査型プローブ顕微鏡用の移動テーブル。
  2. 【請求項2】請求項1において、静止摩擦力調整手段
    は、載物台の内部に設けられた永久磁石と、スライドグ
    ラスの上に載せる磁性板とを有している、走査型プロー
    ブ顕微鏡用の移動テーブル。
  3. 【請求項3】請求項2において、永久磁石はネジ構造に
    より支持され、その位置が上下方向に調整可能である、
    走査型プローブ顕微鏡用の移動テーブル。
JP17619095A 1995-07-12 1995-07-12 走査型プローブ顕微鏡用の移動テーブル Withdrawn JPH0926428A (ja)

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