JP3009199B2 - 光音響信号検出方法及び装置 - Google Patents

光音響信号検出方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光音響効果(Photoacoustio Effect)を
利用して、試料の表面及び内部情報を検出する光音響信
号検出方法及びその装置並びに半導体素子内部欠陥検出
方法に関する。
〔従来の技術〕
光音響効果は、1881年チンダル(Tyndall)、ベル(B
ell)、レントゲン(Rntogen)らによって発見され
た。すなわち、第9図に示すように、強度変調した光
(断続光)19をレンズ5により、試料7上に集光して照
射すると、光吸収領域Vop21において熱が発生し、熱拡
散長μs22で与えられる熱拡散領域Vth23を周期的に拡散
し、この熱歪波によって表面弾性波(超音波)が発生す
る現象である。この超音波すなわち光音響信号をマイク
ロホン(音響電気変換器)や圧電素子あるいは光干渉計
を用いて検出し、入射光の変調周波数と同期した信号成
分を求めることにより、試表の表面及び内部の情報を得
ることがでる。上記光音響信号の検出方式に関しては、
例えば、文献「非破壊検査;第36巻第10号,p.730〜p.73
6(昭和62年10月)」や「アイ・イー・イー・イー,1986
ウルトラソニック シンポジウムp.515〜526(1986)
(IEEE;1986 ULTRASONICS SYMPOSIUM−p.515〜526(1
986)」において論じられている。以下では、第10図に
より、この方式について説明する。レーザ1から出射し
た平行光を音響光学変調素子(AO変調器)2により強度
変調し、その断続光をビームエキスパンダ3により所望
のビーム径に拡大した後、ハーフミラー4で反射させ、
レンズ5によりXYステージ6上の試料7の表面に集光さ
せる。試料7上の集光部21において生じた熱歪波によ
り、超音波が発生し、同時に試料表面に微小変位が生じ
る。この微小変位を以下に述べるマイケルソン干渉計で
検出する。レーザ8から出射した平行光をビームエキス
パンダ9により所望のビーム径に拡大した後、ハーフミ
ラー10で2つの光路に分離し、一方はレンズ5により試
料7上の集光部21に集光させる。他方は参照ミラー11に
照射させる。試料7からの反射光と参照ミラー11からの
反射光は、ハーフミラー10上で互いに干渉し、この干渉
パターンがレンズ12により、ホトダイオード等の光電変
換素子13上に集光される。光電変換された干渉強度信号
はプリアンプ14で増幅された後、ロックインアンプ16に
送られる。ロックアンプ16では、音響光学変調素子2の
駆動に用いる発信器15からの変調周波数信号を参照信号
として、干渉強度信号に含まれる変調周波数成分のみが
抽出される。この周波数成分がその周波数に応じた試料
の表面あるいは内部の情報をもつ。変調周波数を変える
ことにより、熱拡散長μs21を変えることができ、試料
の深さ方向の情報を得ることができる。熱拡散領域Vth2
3内にクラック等の欠陥があれば、干渉強度信号中の変
調周波数成分に信号変化が現れ、その存在を知ることが
できる。XYステージ移動信号とロックインアンプ16から
の出力信号は計算機17で処理され、試料上の各点におけ
る光音響信号がモニタTV等の表示器18に画像情報として
出力される。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、非接触・非破壊で光音響信号を検出
できる極めて有効な手段であるが、以下のような課題を
もっている。
光音響信号の横方向分解能は、第9図における光吸収
領域Vop21、すなわち(1)式で与えられる試料7上の
レーザ光のスポット径d(半径)と、(2)式で与えら
れる熱拡散長μs22で決定される。
但し、λ:レーザ光の波長 f:レンズ5の焦点距離 D:レンズ5に入射するビームの直径 但し、k:試料の熱伝導率 ρ:密度 c:比熱 fL:レーザの強度変調周波数 すなわち、レーザ光のスポット径dが熱拡散長μsよ
りも小さい場合は、熱拡散長μsで横方向分解能が決ま
り、スポット径dが熱拡散長μsよりも大きい場合は、
スポット径dで横方向分解能が決まる。
例えば、λ=0.515μm、f=4mm、D=6mmとする
と、(1)式よりレーザ光のスポット径dは、d≒0.42
μmとなる。一方、レーザの強度変調周波数がfL=10kH
zのとき、例えば半導体材料の一つであるSiO2の熱拡散
上は(2)式よりμs≒10μmとなり、レーザ光のスポ
ット径dよりも大きくなる。従って、この場合の光音響
信号の横方向分解能は、μs≒10μmとなる。
一方、レーザの強度変調周波数がfL=20MHzのとき
は、SiO2の熱拡散長は(2)式よりμs≒0.25μmとな
り、レーザ光のスポット径dの方が大きくなる。従っ
て、この場合の光音響信号の横方向分解能は、d=0.42
μmとなる。
すなわち、レーザの強度変調周波数が十分大きい場合
は、光音響信号の横方向分解能は、励起光であるレーザ
光のスポット径で決まってしまう。しかし、現状のレン
ズ系を用いた集光手段では、レーザ光のスポット径dは
(1)式で与えられ、d=0.3μm程度が限界である。
従って、上記従来技術では、10〜10nmオーダの微細構造
をもつ試料の内部情報の検出は極めて困難である。
一方、電子ビームを励起手段として用いれば、試料上
で10nm以下のスポットを形成することは可能であるが、
真空チャンバが必要となり、大気中で手軽に試料の内部
情報を検出することは困難である。さらに、問題となる
のは試料に対するダメージである。上記10nm程度の微小
スポットを得るには、5KV程度の加速電圧が必要であ
り、試料へのダメージ、チャンバ内の雰囲気による異物
・汚染物質の付着等が発生し、内部情報の非接触・非破
壊検出は極めて困難となる。
また、FIB(Focused Ion Beam)を励起手段として
用いれば、30〜60nmのスポットを形成することは可能で
あるが、電子ビームと同様真空中のみでしか使用できな
い。また、20〜50KVの加速電圧が必要であり、電子ビー
ムと同様試料へのダメージは避けられない。
本発明の目的は、光音響信号の検出分解能を大幅に向
上し、試料の内部情報を10〜100nmオーダの高分解能で
かつ高感度に、また非接触・非破壊で検出できるように
した光音響信号検出方法及びその装置を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
以上述べてきた従来技術に対し、本発明では、光音響
信号検出装置において、光音響効果を発生させるための
試料の励起手段として、近接光走査顕微鏡を用い、また
光音響効果により生じた試料表面の微小変位の検出に、
走査トンネル顕微鏡、又は近接光走査顕微鏡、又は近接
光走査顕微鏡で構成した光干渉計を用いることにより、
光音響信号の高分解能・高感度検出を実現するものであ
る。
ここで、近接光走査顕微鏡(NOSM:ear−field p
tical canning icroscope)は、光の波長の数10
分の1から数100分の1の大きさのアパーチャを、試料
から前記アパーチャの大きさと同程度の距離に対向させ
て配置し、これにレーザ光などの強い光を照射した際
に、アパーチャからエバネセント波(evanescent wav
e)がしみ出すいわゆる近接領域(near−field)におい
ては、アパーチャと同程度の範囲のみに光が局在すると
いう原理に基づくものであり、U.Drig et al.“Near
−field optical−scanning microscopy",J.Appl.Phy
s.,Vol.59,No.10,p.3318−3327(1986)に記載されてい
る。
この場合において、光はアパーチャ程度の部分に局在
するため、アパーチャを小さくし、かつ試料とアパーチ
ャの間隔をアパーチャの大きさ程度に接近させれば、分
解能は大幅に向上する。但し、実際にはアパーチャ材料
内部への光波の浸透深さ以上の分解能をもたせることは
不可能である。この浸透深さの小さいものとして、通常
アパーチャ材料としては金属が用いられるが、この場合
浸透深さ(いわゆるskin depth)は10nm程度である。
従って。この近接光走査顕微鏡によれば、レーザ光等
を10nm程度のスポットに局在させて試料上に照射するこ
とができる。さらに、アパーチャと試料の間隔を一定に
保ったまま、両者を相対的に2次元走査すれば、10nm程
度の分解能で試料を2次元的に励起することができ、高
分解能に光音響効果を発生させることができる。
さらに、この近接光走査顕微鏡では、アパーチャと試
料との間隔が変化すると、試料面上で反射し、アパーチ
ャを通過する光量が変化する。従って、このアパーチャ
を通過してくる反射光強度を観測すれば、光音響効果に
よって生じた試料表面の微小変位を間隔の変化として検
出することができる。尚、走査トンネル顕微鏡(STM:
canning unneling icroscope)については、例え
ばY.Kuk,P.J.Silverman:“Scanning Tunneling Micro
scope Instrumentation";「Review of Scientific
Instruments」Vol.60 No.2 p.165−180(1989)、あ
るいは、梶村皓二他:「走査型トンネル顕微鏡」;固体
物理Vol.22 No.3 p.176−186(1987)に詳しく示され
ている。
以上より、本発明は、前述の目的を達成するため、光
源と、該光源からの光を所望の周波数で強度変調する変
調手段と、変調された光を試料上に集光し試料を励起す
る励起手段と、試料で発生した光音響効果を検出する検
出手段と、該検出手段により検出された検出信号の中か
ら試料の表面及び内部情報を抽出する情報抽出手段から
成る光音響信号検出装置において、上記励起手段を近接
光走査顕微鏡で構成することにより、光音響信号の横方
向分解能を向上せしめたものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は上記光音響
信号検出装置において、上記励起手段を近接光走査顕微
鏡で構成すると共に、上記光音響効果を検出する検出手
段を、光音響効果により生じた試料表面の微小変位を検
出することを目的とした、走査トンネル顕微鏡で構成す
ることにより、光音響信号の横方向分解能及び検出感度
を向上せしめたものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は上記光音響
信号検出装置において、上記励起手段を近接光走査顕微
鏡で構成すると共に、上記光音響効果を検出する検出手
段を、光音響効果により生じた試料表面の微小変位を検
出することを目的とした、近接光走査顕微鏡で構成する
ことにより、光音響信号の横方向分解能及び検出感度を
向上せしめたものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は上記光音響
信号検出装置において、上記励起手段を近接光走査顕微
鏡で構成すると共に、上記光音響効果を検出する検出手
段を、光音響効果により生じた試料表面の微小変位を検
出することを目的とした、近接光走査顕微鏡を用いた光
干渉計で構成することにより、光音響信号の横方向の分
解能及び検出感度を向上せしめたものである。
〔作用〕
光音響信号検出装置において、励起手段を近接光走査
顕微鏡で構成することにより、試料上に10〜100nmの微
小光スポットを形成することができ、10〜100nmの局所
領域で光音響効果を発生させることが可能となり、光音
響信号の横方向分解能が大幅に向上する。
また、励起手段を近接光走査顕微鏡で構成すると共
に、光音響効果を検出する検出手段を走査トンネル顕微
鏡で構成することにより、光音響信号の横方向分解能と
検出感度が大幅に向上する。
また、励起手段を近接光走査顕微鏡で構成すると共
に、光音響効果を検出する検出手段も近接光走査顕微鏡
で構成することにより、光音響信号の横方向分解能と検
出感度が大幅に向上する。
また、励起手段を近接光走査顕微鏡で構成すると共
に、光音響効果を検出する検出手段を近接光走査顕微鏡
を用いた光干渉計で構成することにより、光音響信号の
横方向分解能と検出感度が大幅に向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の第1の実施例を第1図〜第4図により
説明する。第1図は、本発明の第1の実施例における光
音響検出光学系を示すものである。本光学系は、変調レ
ーザ励起光学系110、検出光学系120、信号処理系130か
ら成る。本光学系では、試料の励起手段として近接光走
査顕微鏡(以下NOSMと略称する)を用い、光音響効果に
よって生じた試料表面の微小変位の検出手段として上記
NOSMと組合せた走査トンネル顕微鏡を用いることを特徴
としている。
変調レーザ励起光学系110では、レーザ31から出射し
た平行光を音響光学変調素子32により所定の周波数で強
度変調し、その断続光をビームエキスパンダ33により所
望のビーム径に拡大した後、レンズ35により集光させ、
NOSMチップ36cに導く。
尚、上記レーザ光の強度変調周波数は、試料中の熱拡
散長が試料上の光スポット径と同じ、もしくはそれより
も小さくなるように設定する。ここで、このNOSMチップ
36cについて説明する。第2図(a)及びその先端の拡
大図第2図(b)に示すように、先端を10nm程度に鋭く
研磨した石英ガラスのロッド70の表面に導電性の高い金
属薄膜71を蒸着し、これを平坦な面72に押しつけること
により、先端部の金属蒸着膜71aが面72に平坦に押し延
ばされ、ガラスロッド70の先端部105においては、この
金属蒸着71aがいわゆるskin depthよりも薄くなるか、
あるいはなくなってガラスロッドが露出した状態にな
る。この領域をアパーチャと呼ぶ。ここで、ガラスロッ
ドの上方から光を照射すると、光はチップ先端105の極
めて狭い領域(アパーチャ)からのみ透過することがで
きる。即ち、先端の鋭いチップとその先端に形成された
アパーチャと、その周辺の不透明なコーティングから成
るNOSMチップ36aが形成される。言いかえるならば、こ
のNOSMチップ36aは、先端の10nm程度の極めて狭い領域
のみから光が透過してくるように形成されたニードル上
の光導伝体である。
このNOSMチップは、必ずしも第2図(a)〜(c)の
ようでなくてもよい。他の例としては、細い中空のガラ
ス管を溶融させて引き延ばしてひきちぎったものがある
(図示せず)。この場合も、10nm程度の細い開孔部を制
作することができる。最終的に、この中空のガラス管の
表面に金属薄膜を蒸着することにより、NOSMチップを形
成することができる。
第1の実施例では、以上述べたNOSMチップをトンネル
電流検出用チップとしても使用する。即ち、第2図
(d)に示すように、金属薄膜71が蒸着されたガラスロ
ッド70の先端部105の金属蒸着膜71aを押し延ばす際に、
微小なくぼみ107を有する平坦面73に押しつけることに
より、ロットド先端部の金属蒸着膜71aにトンネル電流
検出用の微小な突起106を形成することができる。又、
第2図(c)に示すように、平坦部71aが形成された後
で、例えば局所的にレーザを照射しつつ、平坦部に高電
圧を印加することにより、第2図(e)に示すように微
小突起108を形成することができる。第2図(e)は、
この方法によりアパーチャと同じ位置に微小突起を形成
した例を示している。この場合は、アパーチャと試料と
の間隔を直ちにトンネル電流により検出できるという利
点がある。又、第2図(f)に示すように、第2図
(c)に示すNOSMチップの表面に透明導電膜74、例えば
SnO2、In2O3などを蒸着し、これを第2図(d)に示す
くぼみ107を有する平坦面73に押しつけて圧延するなど
の方法により、先端部105と同じ位置に微小突起109を形
成することもできる。このようなチップ36dでは、透明
な導電膜を用いているため、この突起部において、光の
波面の乱れを小さくすることができるという利点があ
る。特に透明導電膜74の屈折率をNOSMチップ36dと試料
7との間の雰囲気、例えば空気と同一にすれば、上記波
面の乱れを最小にすることができ、微小突起109が光の
挙動に及ぼす影響はほとんどなくすことができる。
第1の実施例では、以上述べたトンネル電流検出併用
NOSMチップとして、第2図(e)に示すチップ36cを用
いている。第1図において、NOSMチップ36cのアパーチ
ャ105と試料7との間隔は、アパーチャの大きさと同じ
程度に接近させておく。NOSMチップ36cのアパーチャ105
から透過した光は試料7の表面104の位置に、10nm程度
の微小光スポットを形成する。この微小光スポットによ
り、試料中で光音響効果に基づく熱弾性波(超音波)が
発生し、同時に試料7の表面に微小変位が生じる。
一方、検出光学系120のNOSMチップ36cの微小突起108
の先端の原子が試料7の表面の原子に接近し、その距離
が2nm程度になると、数Vの印加電圧によりトンネル電
流が流れ始める。そこで、電圧源51により、NOSMチップ
36cの金属蒸着膜71と試料7との間に数Vの電圧を印加
しつつ、NOSMチップ36cをピエゾ素子39及びアクチュエ
ータ38により試料7に接近させ、トンネル電流が検知さ
れるところで接近をやめる。
ここで、仕事関数φの試料表面からZの距離にあるNO
SMチップと試料表面との間にVの電位差があるとき流れ
るトンネル電流Itは、(3)式で表される。
但し、A,B:定数 従って、このトンネル電流Itの変化を検出すれば、光
音響効果によって生じた試料7の表面の微小変位量を検
出することができる。
検出されたトンネル電流Itは、電流/電圧変換増幅器
41及び対数増幅器52により増幅される。ここで、本実施
例では第1図に示すように、信号切換器42は端子Aに接
続されているものとする。即ち、トンネル電流検出信号
は、信号処理系130のロックインアンプ43に送られる。
ロックインアンプ43では、音響光学変調素子32の駆動に
用いる発振器40からの変調周波数信号を参照信号とし
て、トンネル電流検出信号に含まれる変調周波数成分の
振幅と変調周波数信号に対する位相成分が抽出される。
この振幅及び位相成分が、その変調周波数で決まる熱拡
散領域Vth内の情報をもつ。従って、この熱拡散領域Vth
内にクラック等の欠陥や熱的インピーダンスの異なる微
小領域が存在すれば、トンネル電流検出信号中の変調周
波数成分の振幅と位相が変化し、その存在を知ることが
できる。
同時に、対数増幅器52から出力されるトンネル電流検
出信号は比較器46にも送られる。比較器46では、NOSMチ
ップ36c・試料7間の距離を一定に保つべく、計算機44
から送られて来た基準信号と、検出したトンネル電流信
号とを比較し、その差分信号をローパスフィルタ47を介
して、ピエゾ素子39駆動用の高圧増幅器48に送る。ここ
で、ローパスフィルタ47の周波数特性は第3図に示す通
りである。fSは、ロックインアンプからの出力信号を計
算機44に送るサンプリング周波数、fCはローパスフィル
タのカットオフ周波数であると同時に、ピエゾ素子39の
最大駆動周波数、fLは励起用レーザ31の変調周波数であ
る。即ち、このローパスフィルタでは、光音響効果によ
って生じた試料7表面の微小変位に対応したトンネル電
流信号の変化には追従せず、試料7を走査している間
の、試料表面の凹凸や、熱ドリフト等による比較的長時
間にわたるNOSMチップ36c・試料7間の距離変化に追従
して、ピエゾ素子39駆動用の制御信号を高圧増幅器48に
送り、NOSMチップ36cを微動する。その結果、第4図に
示すように、試料7の表面の凹凸にもかかわらず、NOSM
チップ36c・試料7間の距離を常に一定に保ことがで
き、試料表面の凹凸に影響さされることなく、常に同じ
大きさの微小光スポットを試料上に形成することがで
き、常に安定した光音響信号を検出することが可能とな
る。
XYステージ49はパルスモータによる粗動及びピエゾ素
子による微動機構を備えており、nm以下の精度で試料7
をxy方向に走査することができる。Zステージ50は、NO
SMチップ・試料間の距離を0.1μm程度の精度で粗く制
御するためのものである。
XYステージ49の位置信号とロックインアンプ43からの
出力信号は計算機44で処理され、試料7上の各点におけ
る光音響信号、すなわち2次元の光音響画像がモニタTV
等の表示器45に出力される。
以上述べたように、本実施例では、NOSMにより試料表
面に10nm程度の微小光スポットを形成し、この微小光ス
ポットにより生じた試料中の光音響効果に基づく試料表
面の微小変位を、NOSMチップ・試料間に流れるトンネル
電流の変化として検出することを大きな特徴としてい
る。そして、本実施例によれば、試料の励起手段として
NOSMを用いることにより、試料表面を10nm程度の微小光
スポットで励起することが可能となり、光音響信号の横
方向分解能が大幅に向上する。さらに、光音響効果の検
出にトンネル電流を用いることにより、Åオーダの微小
変位を検出することが可能となり、検出感度が大幅に向
上する。また、NOSMチップのアパーチャと、トンネル電
流検出用の突起を同じ位置にすることにより、検出感度
及び信号SN比が大幅に向上する。また、検出したトンネ
ル電流信号を比較器、ローパスフィルタを介することに
より、NOSMチップ・試料間の比較的長時間にわたる距離
制御信号として用いることが可能となり、凹凸のある試
料に対しても安定に光音響信号の検出ができる。
本発明の第2の実施例を第1図により説明する。本実
施例では、光音響検出光学系の構成は第1図に示す第1
の実施例と全く同じであるので、説明を省略する。但
し、本実施例では、信号切換器42は端子Bに接続されて
いる。即ち、本実施例では第1図において、検出された
トンネル電流信号は比較器46に送られ、NOSMチップ36c
・試料7間のトンネル電流値を常に一定にするような制
御信号がロックインアンプ43に送られると同時に、ロー
パスフィルタ47を介して、ピエゾ素子39駆動用の高圧増
幅器48に送られる。
即ち、本実施例では、この制御信号を、光音響効果に
よって生じた試料7の表面の微小変位を検出信号として
いる。ここで、レーザ31の変調周波数fLは、ピエゾ素子
39の制御が可能となる値に設定しておく必要がある。即
ち、第5図に示すようにローパスフィルタ47のカットオ
フ周波数fC(=ピエゾ素子39の最大駆動周波数)よりも
小さく、かつ、ロックインアンプ出力信号のサンプリン
グ周波数fSよりも大きくしておく。ロックインアンプ43
以降の処理は第1の実施例と同様であり、最終的に2次
元の光音響画像がモニタTV等の表示器45に出力される。
本実施例によれば、変調周波数がある程度限定される
ものの、第1の実施例と同様の効果が得られる。
本発明の第3の実施例を第6図〜第7図により説明す
る。第6図は、第3の実施例における光音響検出光学系
を示すものである。本光学系は、変調レーザ励起光学系
210、検出光学系220、信号処理系230から成る、本光学
系では、試料の励起手段としてNOSMを用い、光音響効果
によって生じた試料表面の微小変位の検出手段として、
同様にNOSMを用いることを特徴としている。
変調レーザ励起光学系210では、レーザ31から出射し
た平行光を音響光学変調素子32により所定の周波数で強
度変調し、その断続光をビームエキスパンダ33により所
望のビーム径に拡大し、ダイクロイックミラー80で反射
させた後、レンズ35により集光させ、NOSMチップ36aに
導く。ここで、NOSMチップは、第2図(c)に示すタイ
プのものを用いる。NOSMチップ36aのアパーチャ105と試
料7との間隔は、アパーチャの大きさと同じ程度に接近
させておく。NOSMチップ36aのアパーチャ105から透過し
た光は試料7の表面104の位置に、10nm程度の微小光ス
ポットを形成する。この微小光スポットにより、試料中
で光音響効果に基づく熱弾性波(超音波)が発生し、同
時に試料7の表面に微小変位が生じる。
ここで、NOSMチップ36a・試料7間の間隙距離Zと、N
OSMイップ36aのアパーチャ105を透過する光量Eとの間
には、第7図に示す一定の関係がある。A,B,Cはそれぞ
れ、プロキシミティ領域、ニアフィールド(近接)領
域、ファーフィールド領域を示している。ニアフィール
ド領域での直線部の傾きはおよそ−3.7である。従っ
て、NOSMチップ36aのアパーチャ105を透過してくる試料
表面からの反射光の光量変化を観測すれば、NOSMチップ
36a・試料7間の間隙距離Zの変化、即ち光音響効果に
よって生じた試料7の表面の微小変位を検出することが
できる。そこで、以下に述べる検出光学系220により、
この反射光量を検出する。
検出光学系220では、レーザ31と波長の異なるレーザ8
1から出射した平行光をビームエキスパンダ82により所
望のビーム径に拡大した後、ビームスプリッタ83で反射
させ、またダイクロイックミラー80を透過させた後、レ
ンズ35により集光させ、NOSMイップ36aに導く。励起光
学系210と同様、NOSMチップ36aのアパーチャ105から透
過した光は試料7の表面104の位置に、10nm程度の微小
光スポットを形成する一方、その反射光は再びNOSMチッ
プ36aのアパーチャ105を透過した後、レンズ35により平
行光となる。この平行光を、ダイクロイックミラー80、
ビームスプリッタ83を透過させた後、レンズ84によりそ
の後側焦点位置115に集光し、ホトダイオード等の光電
変換素子86で検出する。また、後側焦点位置115にピン
ホール85を設置し、レンズ35,84及びNOSMチップ36a内で
発生した迷光、干渉成分やあるいは試料表面の微小な凹
凸により発生した高次回折光成分を遮光する。
光電変換された反射光検出信号は、プリアンプ87及び
対数増幅器52により増幅される。ここで、本実施例では
第6図に示すように、信号切換器42は端子Aに接続され
ているものとする。即ち、増幅された反射光検出信号
は、信号処理系230のロックインアンプ43に送られる。
ロックインアンプ43では、音響光学変調素子32の駆動に
用いる発振器40からの変調周波数信号を参照信号とし
て、反射光検出信号に含まれる変調周波数成分の振幅と
変調周波数信号に対する位相成分が検出される。このこ
の振幅及び位相成分が、その変調周波数で決まる熱拡散
領域Vth内の情報をもつ。従って、この熱拡散領域Vth内
にクラック等の欠陥や熱的インピーダンスの異なる微小
領域が存在すれば、反射光検出信号中の変調周波数成分
の振幅と位相が変化し、その存在を知ることができる。
同時に、この反射光検出信号は比較器46にも送られ
る。比較器46では、NOSMチップ36a・試料7間の距離を
一定に保つべく、計算機44から送られて来た基準信号
と、検出した反射光信号とを比較し、その差分信号をロ
ーパスフィルタ47を介して、ピエゾ素子39駆動用の高圧
増幅器48に送る。ここで、ローパスフィルタ47の周波数
特性は第1の実施例と同様、第3図に示す通りである。
即ち、このローパスフィルタでは、光音響効果によって
生じた試料7の表面の微小変位に対応した反射光信号の
変化(この変化は変調周波数fLに対応)には追従せず、
試料7を走査している間の、試料表面の凹凸や、熱ドリ
フト等による比較的長時間にわたるMOSMチップ36a・試
料7間の距離変化に追従して、ピエゾ素子39駆動用の制
御信号を高圧増幅器48に送り、NOSMチップ36aを微動す
る。その結果、第1の実施例と同様、第4図に示すよう
に、試料7の表面の凹凸にもかかわらず、NOSMチップ36
a・試料7間の距離を常に一定に保つことができ、試料
表面の凹凸に影響されることなく、常に同じ大きさの微
小光スポットを試料上に形成することができても、常に
安定に光音響信号を検出することが可能となる。XYステ
ージ49及びZステージ50の構成・機能は第1の実施例と
全く同様である。
XYステージ49の位置信号とロックインアンプ43からの
出力信号は計算機44で処理され、試料7上の各点におけ
る光音響信号、即ち2次元の光音響画像がモニタTV等の
表示器45に出力される。
以上述べたように、本実施例では、NOSMにより試料表
面に10nm程度の微小光スポットを形成し、この微小光ス
ポットにより生じた試料中の光音響効果に基づく試料表
面の変位を、NOSMチップを透過してくる反射光量の変化
として検出することを大きな特徴としている。そして、
本実施例によれば、試料の励起手段としてNOSMを用いる
ことにより、試料表面を10nm程度の微小光スポットで励
起することが可能となり、光音響信号の横方向分解能が
大幅に向上する。さらに、光音響効果の検出に、NOSMチ
ップを透過してくる反射光量を利用することにより、検
出感度が大幅に向上する。また、検出した反射光信号
を、比較器、ローパスフィルタを介することにより、NO
SMチップ・試料間の比較的長時間にわたる距離制御信号
として用いることが可能となり、凹凸のある試料に対し
ても安定に光音響信号の検出ができる。
本発明の第4の実施例を第6図により説明する。本実
施例では、光音響検出光学系の構成は第6図に示す第3
の実施例と全く同じであるので、説明を省略する。但
し、本実施例では、信号切換器42は端子Bに接続されて
いる。即ち、本実施例では、第6図において、検出され
た反射光信号は、比較器46に送られ、反射光量を一定に
するような、即ちNOSMチップ36a・試料間の距離を一定
にするような制御信号がロックインアンプ43に送られる
と同時に、ローパスフィルタ47を介して、ピエゾ素子39
駆動用の高圧増幅器48に送られる。即ち、本実施例で
は、この制御信号を、光音響効果によって生じた試料7
表面の微小変位検出信号としている。ここで、レーザ31
の変調周波数fLは、第2の実施例と同様、第5図に示す
ようにピエゾ素子39の制御が可能となる値に設定してお
く必要がある。ロックインアンプ43以降の処理は第3の
実施例と同様であり、最終的に2次元の光音響画像がモ
ニタTV等の表示器45に出力される。
本実施例によれば、変調周波数がある程度限定される
ものの、第3の実施例と同様の効果が得られる。
本発明の第5の実施例を第8図により説明する。第8
図は本実施例における光音響検出光学系を示すものであ
る。本光学系は、変調レーザ励起光学系310、干渉光学
系320、信号処理系330から成る。本光学系では、試料の
励起手段としてNOSMを用い、光音響効果によって生じた
試料表面の微小変位の検出手段として、NOSMで構成した
干渉光学系を用いることを特徴としている。
変調レーザ励起光学系310では、レーザ31から出射し
た平行光を音響光学変調素子32により所定の周波数で強
度変調し、その断続光をビームエキスパンダ33により所
定のビーム径に拡大し、ダイクロイックミラー80で反射
させた後、レンズ35により集光させ、NOSMチップ36aに
導く。ここで、NOSMチップは、第2図(c)に示すタイ
プのものを用いる。NOSMチップ36aのアパーチャ105と試
料7との間隔は、アパーチャの大きさと同じ程度に接近
させておく。NOSMチップ36aのアパーチャ105から透過し
た光は試料7の表面104の位置に、10nm程度の微小光ス
ポットを形成する。
この微小光スポットにより、試料中で光音響効果に基
づく熱弾性波(超音波)が発生し、同時に試料7の表面
に微小変位が生じる。本実施例では、この微小変位を、
以下で述べるNOSMを用いて構成したヘテロダイン形マッ
ハ・ツェンダ干渉光学系で検出する。
干渉光学系320では、レーザ31と波長の異なるレーザ9
1から出射した平行光を音響光学変調素子92により、0
次光と1次回折光に分解する。ここで、1次回折光は音
響光学変調素子の駆動周波数fBだけ周波数シフトしてい
る。0次光は、ミラー93及び94で反射した後、ビームエ
キスパンダ95により所望のビーム径に拡大され、さらに
ビームスプリッタ96で反射し、ダイクロイックミラー80
を透過した後、レンズ35により集光され、NOSMチップ36
aに導かれる。励起光学系310と同様、NOSMチップ36aの
アパーチャ105から透過した光は、試料7の表面104の位
置に、10nm程度の微小光スポットを形成する一方、その
反射光は再びNOSMチップ36aのアパーチャ105を透過した
後、レンズ35により平行光となる。この反射光には、光
音響効果に基づく試料7表面の微小変位が位相情報とし
て含まれる。レンズ35により平行光となった反射光は、
ダイクロイックミラー80、ビームスプリッタ96,99を透
過する。
一方、音響光学変調素子92から出射した1次回折光
は、ミラー93及び97で反射した後、ビームエキスパンダ
98により所望のビーム径に拡大した後、ビームスプリッ
タ99で反射され、同時に試料7からの反射光と干渉す
る。この干渉光には、試料7表面で生じた微小変位に対
応した位相情報が含まれており、これをレンズ100によ
りその後側焦点位置115に集光し、ホトダイオード等の
光電変換素子102で検出する。また第3の実施例と同
様、後側焦点位置115にピンホール101を設定し、レンズ
35,100、及びNOSMチップ36a内で発生した迷光、干渉成
分や、試料上の透明薄膜内で発生した干渉成分やあるい
は試料表面の微小な凹凸により発生した高次回折光成分
を遮光する。
光電変換された干渉強度信号IDはレーザ91の出力を1
として、(4)式で与えられる。
但し、δ(t)=Acos(2πfLt) ここで、IRはビームスプリッタ99で反射した1次回折
光の強度、ISは試料7で反射しビームスプリッタ99を透
過した0次光の強度、fBは音響光学変調素子92の変調周
波数、δ(t)は試料7表面の微小変位、Aは試料の材
質に固有の定数、fLはレーザ31の変調周波数、φ(t)
は干渉計内の光路差に基づく位相、λはレーザ91の発振
波長である。この干渉強度信号IDは、位相検波回路103
において、位相/振幅変換され、δ(t)に比例した信
号が出力される。ここで、本実施例では第8図に示すよ
うに、信号切換器42は端子Aに接続されているものとす
る。即ち、位相検波回路103からの出力信号は、信号処
理系330のロックインアンプ43に送られる。ロックイン
アンプ43では、音響光学変調素子32の駆動に用いる発振
器40からの変調周波数信号を参照信号として、干渉信号
に含まれる変調周波数成分の振幅と変調周波数信号に対
する位相成分が抽出される。この振幅及び位相成分が、
その変調周波数で決まる熱拡散領域Vth内の情報をも
つ。従って、この熱拡散領域Vth内にクラック等の欠陥
や熱的インピーダンスの異なる微小領域が存在すれば、
反射光検出信号中の変調周波数成分の振幅と位相が変化
し、その存在を知ることができる。
同時に、この干渉信号は比較器46にも送られる。比較
器46では、NOSMチップ36a・試料7間の距離を一定に保
つべく、計算機44から送られて来た基準信号と、検出し
た干渉信号とを比較し、その差分信号をローパスフィル
タ47を介して、ピエゾ素子39駆動用の高圧増幅器48に送
る。ここで、ローパスフィルタ47の周波数特性は第1の
実施例と同様、第3図に示す通りである。即ち、このロ
ーパスフィルタでは、光音響効果によって生じた試料7
の表面の微小変位に対応した反射光信号の変化(この変
化は変調周波数fLに対応)には追従せず、試料7を走査
している間の、試料表面の凹凸や、熱ドリフト等による
比較的長時間にわたるNOSMチップ36a・試料7間の距離
変化に追従して、ピエゾ素子39駆動用の制御信号を高圧
増幅器48に送り、NOSMチップ36aを移動する。その結
果、第1の実施例と同様、第4図に示すように、試料7
の表面の凹凸にもかかわらず、NOSMチップ36a・試料7
間の距離を常に一定に保つことができ、試料表面の凹凸
に影響されることなく、常に同じ大きさの微小光スポッ
トを試料上に形成することができ、常に安定に光音響信
号を検出することが可能となる。XYステージ49及びZス
テージ50の構成・機能は第1の実施例と全く同様であ
る。
XYステージ49の位置信号とロックインアンプ43からの
出力信号は計算機44で処理され、試料7上の各点におけ
る光音響信号、即ち2次元の光音響画像がモニタTV等の
表示器45に出力される。
以上述べたように、本実施例では、NOSMにより試料表
面に10nm程度の微小光スポットを形成し、この微小光ス
ポットにより生じた試料中の光音響効果に基づく試料表
面の変位を、NOSMチップで構成した干渉光学系の干渉信
号の変化として検出することを大きな特徴としている。
そして、本実施例によれば、試料の励起手段としてNOSM
を用いることにより、試料表面を10nm程度の微小光スポ
ットで励起することが可能となり、光音響信号の横方向
分解能が大幅に向上する。さらに、光音響効果の検出
に、NOSMチップで構成したヘテロダイン干渉光学系を利
用することにより、検出感度が大幅に向上する。また、
検出した干渉信号を、比較器、ローパスフィルタを介す
ることにより、NOSMチップ・試料間の比較的長時間にわ
たる距離制御信号として用いることが可能となり、凹凸
のある試料に対しても安定に光音響信号の検出ができ
る。
さらに、本実施例によれば、試料表面に反射率分布が
ある場合でも、その影響を受けることなく、安定に光音
響信号を検出することができる。
本発明の第6の実施例を第8図により説明する。本実
施例では、光音響検出光学系の構成は第8図に示す第5
の実施例と全く同じであるので、説明を省略する。但
し、本実施例では、信号切換器42は端子Bに接続されて
いる。即ち、本実施例では第8図において、検出された
反射光信号は、比較器46に送られ、干渉信号を一定にす
るような、即ち、NOSMチップ36a・試料間の距離を一定
にするような制御信号がロックインアンプ43に送られる
と同時に、ローパスフィルタ47を介して、ピエゾ素子39
駆動用の高圧増幅器48に送られる。即ち、本実施例で
は、この制御信号を、光音響効果によって生じた試料や
表面の微小変位検出信号としている。ここで、レーザ31
の変調周波数fLは、第2の実施例と同様、第5図に示す
ようにピエゾ素子39の制御が可能となる値に設定してお
く必要がある。ロックインアンプ43以降の処理は第5の
実施例と同様であり、最終的に2次元の光音響画像がモ
ニタTV等の表示器45に出力される。
本実施例によれば、変調周波数がある程度限定される
ものの、第5の実施例と同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、光音響信号検出装置において、励起
手段を近接光走査顕微鏡(NOSM)で構成することによ
り、10〜100nmの局所領域で光音響効果を発生させるこ
とが可能となり、光音響信号の横方向分解能が大幅に向
上するという効果を有する。
また、本発明によれば、励起手段を近接光走査顕微鏡
で構成すると共に、光音響効果を検出する検出手段を走
査トンネル顕微鏡、あるいは近接光走査顕微鏡、あるい
は近接光走査顕微鏡を用いた光干渉計で構成することに
より、光音響信号の横方向分解能と検出感度が大幅に向
上すると共に、表面に凹凸のある試料への適用も可能と
なり、試料の表面及び内部情報の高精度計測が実現でき
るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1及び第2の実施例における光音響
検出光学系を示す図、第2図はNOSMチップのタイプを示
す図、第3図は第1,第3,第5の実施例におけるローパス
フィルタの周波数特性と検出信号のサンプリング周波数
及びレーザの変調周波数との関係を示す図。第4図は凹
凸のある試料に対しNOSMチップが追従する様子を示す
図、第5図は第2,第4,第6の実施例におけるローパスフ
ィルタの周波数特性と検出信号のサンプリング周波数及
びレーザの変調周波数との関係を示す図、第6図は本発
明の第3及び第4の実施例における光音響検出光学系を
示す図、第7図はNOSMチップ・試料間の間隙距離とNOSM
チップのアパーチャの透過光量との関係を示す図、第8
図は本発明の第5及び第6の実施例における光音響検出
光学系を示す図、第9図は光音響効果の原理を示す図、
第10図は従来の光音響検出光学系を示す図である。 符号の説明 1,8,31,81,91……レーザ 2,32,92……音響光学変調素子 7……試料 13,86,102……光電変換素子 16,43……ロックインアンプ 17,44……計算機、21……光吸収領域 22……熱拡散長、23……熱拡散領域 36a,36b,36c,36d……NOSMチップ 39……ピエゾ素子、46……比較器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 37/00 G01B 11/30 H01J 37/28 G01N 21/00 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源から得られる光を、所望の周波数で強
    度変調し、該強度変調した光を試料上に集光して試料を
    励起し、試料内部で発生した光音響効果を検出し、該検
    出信号から試料の表面及び内部情報を抽出する光音響信
    号検出方法において、該強度変調した光を試料上に集光
    する方法として、近接光走査顕微鏡を用いることを特徴
    とする光音響信号検出方法。
  2. 【請求項2】上記光音響効果を検出する方法として、走
    査トンネル顕微鏡を用いることを特徴とする請求項1記
    載の光音響信号検出方法。
  3. 【請求項3】上記光音響効果を検出する方法として、近
    接光走査顕微鏡で検出した試料表面からの反射光もしく
    は透過光を用いることを特徴とする請求項1記載の光音
    響信号検出方法。
  4. 【請求項4】上記光音響効果を検出する方法として、近
    接光走査顕微鏡で構成した干渉計を用いることを特徴と
    する請求項1記載の光音響信号検出方法。
  5. 【請求項5】光源と、該光源からの光を所望の周波数で
    強度変調する変調手段と、変調された光を試料上に集光
    し試料を励起する励起手段と、試料内部で発生した光音
    響効果を検出する検出手段と、該検出手段により検出さ
    れた検出信号の中から試料の表面及び内部情報を抽出す
    る情報抽出手段から成る光音響信号検出装置において、
    上記励起手段として近接光走査顕微鏡を用いることを特
    徴とする光音響信号検出装置。
  6. 【請求項6】上記光音響効果を検出する検出手段とし
    て、走査トンネル顕微鏡を用いることを特徴とする請求
    項5記載の光音響信号検出装置。
  7. 【請求項7】上記光音響効果を検出する検出手段とし
    て、近接光走査顕微鏡で検出した試料表面からの反射光
    もしくは透過光を用いることを特徴とする請求項5記載
    の光音響信号検出装置。
  8. 【請求項8】上記光音響効果を検出する検出手段とし
    て、近接光走査顕微鏡で構成した干渉計を用いることを
    特徴とする請求項5記載の光音響信号検出装置。
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