JP2006090715A - 散乱型近接場顕微鏡およびその測定方法 - Google Patents

散乱型近接場顕微鏡およびその測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 XY面内とZ方向において、プローブ先端をサンプル表面に形成されたエバネッセント場のスポットの強度が最大の場所に正確かつ簡便に位置決めし、高い散乱効率が得られるような散乱型近接場顕微鏡の測定方法を提供する。
【解決手段】 プローブ2側に設けたXY微動機構14によりサンプル28表面に発生させたエバネッセント場のスポットを走査し、プローブ2で散乱された散乱光強度を測定することでスポットの強度分布を求め、エバネッセント場の強度が最大となる部分に、XY微動機構14によりプローブ2を位置決めする。
【選択図】 図1

Description


本発明は、サンプル表面にエバネッセント場を発生させて、プローブをサンプル表面に近接または接触させ、プローブ先端でエバネッセント場を散乱し、その散乱光を光検出器により検出することにより回折限界を超える分解能でサンプル表面の局所的な光学特性を測定する散乱型近接場顕微鏡およびその測定方法に関するものである。
従来の散乱型近接場顕微鏡の装置構成を図7に示す(例えば、非特許文献1参照)。
図7の従来技術では先端に先鋭化されたプローブ102を有し、厚さ40nmの銀をコートした原子間力顕微鏡用のカンチレバー101が用いられている。
また、サンプル104の測定面に対して裏側に、油浸オイル105を介して開口数1.4の油浸対物レンズ106を配置し、前記油浸対物レンズ106の開口数が1.0を超える領域に円環状のレーザ光を入射することにより、サンプル104表面にエバネッセント場のスポットを形成させる。
円環状のレーザ光は、レーザ光源108よりレーザ光を出射し、レーザ光の直径をビームエクスパンダー110により広げ、マスク111によりレーザ光109の中心部分の光を遮ることで形成され、ハーフミラー112により光路が90度曲げられて、油浸対物レンズ106に導かれる。
このとき、レーザ光109を2枚のレンズ113,114により油浸対物レンズ106の瞳部分にマスク111の像を結像させるように対物レンズ106に入射させることにより、サンプル表面にエバネッセント場のスポットを形成させる。
次に、プローブ102とサンプル104表面間に働く原子間力をカンチレバー101の変位により検出し、原子間力が一定となるようにプローブ側に配置されたZ微動機構115によりプローブ102とサンプル104間の距離制御を行いながら、プローブ102をサンプル104表面のエバネッセント場によるスポットに接触させる。
このとき、プローブ102先端によりエバネッセント場のスポットが散乱される。この散乱光を励起に用いたものと同一の油浸対物レンズ106により集光する。集光の際には開口数1.0以上の部分だけでなく、1.0以下の部分も利用する。
この従来技術では、色素の一種であるローダミン6Gをサンプルとして測定している。このとき、サンプルからの散乱光には、励起光と同じ波長のレーリー散乱光の他、ラマン散乱光も発生する。
ここで、プローブ102にコートされた銀の表面には表面プラズモンが励起され、サンプル104とプローブ102先端の銀を接触させることにより、いわゆる表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)が起こり、ラマン散乱光を増強させることが可能となる。
これらの散乱光を油浸対物レンズ106で集光し、レーリー散乱光をノッチフィルター116で除去し、結像レンズ117で分光器118のスリット119に結像し、分光器118で分光した後、液体窒素冷却CCD120で検出し分光スペクトルを測定することにより、局所的なラマンスペクトルを得ることができる。
また、サンプル104とプローブ102の距離をZ微動機構115で制御しながら、サンプル側に配置されたサンプルを2次元平面内で走査させるXY微動機構121でラスタスキャンし、分光器に取り付けられたアバランシェフォトダイオード(APD)122でラマン散乱光強度を測定し、XY微動機構121の動作に対応させて、XY面内での強度分布をコンピュータ123上のモニタ(図示せず)に表示することで、サンプル面内でのラマン散乱光の強度分布を測定することも可能である。
なお、液体窒素冷却CCD120と分光器118はコントローラ124により制御され、XY微動機構121とZ微動機構115およびカンチレバー101の変位検出部(図示せず)はコントローラ125により制御され、これらの動作はコンピュータ123上でコントロールされる。また、アバランシェフォトダイオード122では検出フォトンに対応したパルス信号が出力されて、フォトンカウンター126でパルス数がカウントされ、デジタル/アナログ変換器127でアナログ信号に変換されて増幅器128で増幅され、コンピュータ上のモニタ(図示せず)に表示される。
ここで、レーザ光は直線偏光で入射されるため、油浸対物レンズ106によりサンプル表面に形成されるエバネッセント場のスポットにはサンプル面と垂直な方向(P偏光)とサンプル面に平行な方向(S偏光)の光が含まれ、それぞれの偏光成分で異なる複数のスポットが形成される。このうち表面増強ラマン散乱効果が得られるのはP偏光成分のみであり、P偏光によって形成されるエバネッセント場のスポットにプローブ102先端とサンプル104の被測定箇所を位置合わせする必要がある。
この従来技術では、プローブ102をサンプル104表面のエバネッセント場のスポット位置に近づけ、油浸対物レンズ106により観察されるエバネッセント場のスポットとプローブ102の影を油浸対物レンズ106のモニタ133上の観察像により位置合わせし、プローブ102先端をプローブ102の中心軸に対して顕微鏡により横方向から観察し(顕微鏡は図示せず)、前記顕微鏡の観察像によりプローブ102先端でのレーリー散乱光が最も強く観察される場所にプローブ102を位置合わせし、その後サンプル側のXY微動機構121によりサンプル104を走査する。
なお、油浸対物レンズ106によるプローブ102とエバネッセント場のスポットの観察は、光路中にハーフミラー130を配置し、光路を90度曲げて、結像レンズ131で観察用CCDカメラ132に結像し、CCDカメラの観察像をモニタ133に表示することにより行われる。
Norihiko Hayazawa , Yasushi Inouye , Zouheir Sekkat , Satoshi Kawata, Near-field Raman imaging of organic molecules by an apertureless metallic probe scanning optical microscope, Journal of Chemical Physics, Vol.117, No.3, 15 July 2002, 1296-1301, (Fig.2,Fig3)
しかしながら、従来技術のような目視観察または光学顕微鏡観察により、プローブ先端でレーリー散乱光を確認する方法では、プローブとエバネッセント場スポットの位置合わせの精度が低くなり、高い散乱効率が得られず近接場顕微鏡として十分な光量が得られなかった。
すなわち、エバネッセント場のスポットの大きさは通常XY面内で数百nm以下であり、しかもスポット内で強度分布があり、より効率よく測定を行うためには、エバネッセント場のスポット内の最も強度が強い場所に、プローブとサンプル双方を正確に位置合わせすることで高い散乱効率を得ることが必要である。
さらに、エバネッセント場のスポットの光軸方向の強度も約100nmの領域で指数関数的に減衰してしまうため、スポットのフォーカシングも精密に行う必要があった。
さらに、カンチレバーのプローブ先端を顕微鏡で観察する場合には、カンチレバーが影になるため、プローブ先端の観察を行うためには、対物レンズをできるだけ浅い角度に配置する必要がある。この場合、空間に浮いているプローブを光学顕微鏡で観察する必要があり、光学顕微鏡像が暗くプローブの観察が難しく、プローブを見つけるために多くの時間を要していた。
さらに、カンチレバータイプのプローブをサンプル下側から観察した場合には、プローブ先端とカンチレバーの像が重なってプローブ先端の確認が難しく、エバネッセント場のスポットとプローブ先端の位置合わせが困難であった。
本発明の目的は、XY面内とZ方向において、プローブ先端をサンプル表面に形成されたエバネッセント場のスポットの強度が最大の場所にプローブとサンプルを正確かつ簡便に位置決めすることで、高い散乱効率が得られ十分な光量で高分解能が達成されるような散乱型近接場顕微鏡の測定方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の散乱型近接場顕微鏡の測定方法では、サンプル表面にエバネッセント場を発生させるエバネッセント場発生手段と、サンプル表面に近接または接触させて前記エバネッセント場を散乱させるプローブと、サンプル面内にXY軸をとりサンプル表面と垂直な方向をZ軸とした場合に、前記プローブとサンプル間の距離制御を行うためのZ微動機構と、前記プローブとサンプルを相対的にサンプル面内で移動させるXY微動機構と、前記プローブで散乱させた散乱光を集光するための散乱光集光手段と、散乱光の強度を測定する光検出器と、光検出器で検出された強度を表示する表示装置を少なくとも有する散乱型近接場顕微鏡において、
前記Z微動機構により前記プローブと前記サンプル表面間の距離を一定に保ちながら、前記プローブ側に設けた前記XY微動機構により前記サンプル表面に発生させたエバネッセント場を含む領域を前記プローブで走査し、前記プローブで散乱された散乱光を前記散乱光集光手段で集光し、前記光検出器により散乱光強度を測定し、前記表示装置により散乱光強度を表示し、表示結果からエバネッセント場の強度分布を求め、エバネッセント場の強度が最大となる部分に、前記XY微動機構によりプローブを位置決めする。
さらに、エバネッセント場発生手段がレンズにより光をサンプル表面に集光する光学系を含み、前記レンズにフォーカシング機構を設け、Z微動機構をサンプルとプローブ双方に設け、前記レンズの焦点をサンプル表面にフォーカシング機構によりフォーカシングし、プローブ側またはサンプル側いずれか一方のZ微動機構によりプローブとサンプル表面間の距離制御を行いながら、XY平面内のエバネッセント場の強度が最大となる部分にプローブ側のXY微動機構でプローブを位置決めした後、もう一方のZ微動機構をZ軸方向に動作させ、そのときの散乱光強度を測定し、表示装置により散乱光強度を表示し、その表示結果からZ軸方向のエバネッセント場の強度分布を求め、エバネッセント場の強度が最大となる部分に前記2つのZ微動機構によりプローブとサンプルを位置決めする。
また、本発明の散乱型近接場顕微鏡では、先端にプローブを有するカンチレバーを使用する散乱型近接場顕微鏡において、サンプル表面を基準面として前記プローブ先端とカンチレバーの側面のエッジとを結んだ線とサンプル表面がなす角度をθとした場合に、0度以上θ度以下の範囲に光軸が入るようにプローブ先端観察用の対物レンズを配置し、前記対物レンズ側から照明光を照射しながらプローブ先端を観察し、プローブ先端に対して前記対物レンズの光軸と共役となる光軸上に反射板を設け、プローブ先端での散乱光を観察可能にした。
また、本発明の散乱型近接場顕微鏡では、先端にプローブを有するカンチレバーを使用する散乱型近接場顕微鏡において、サンプルに対してプローブと対向する側に対物レンズを設け、前記対物レンズによりエバネッセント場のスポットとプローブの像を観察し、前記対物レンズの光軸に対して、カンチレバーの斜め上方から照明光を照射し、前記対物レンズによる観察像に映るプローブ先端の影が、XY面内でカンチレバーの影に重ならないように観察するようにした。
以上のように構成した散乱型近接場顕微鏡の測定方法では、プローブとサンプル表面間の距離を一定に保ちながら、サンプル表面に発生させたエバネッセント場を含む領域をプローブで走査し、プローブで散乱された散乱光強度を表示し、表示結果からエバネッセント場の強度分布を求め、エバネッセント場の強度が最大となる部分にプローブを位置決めするようにした。
このようにプローブの位置決めを行うことにより、エバネッセント場のスポット内で最も強度の強い部分に確実かつ簡便にプローブ先端の位置合わせを行うことができ、散乱効率が向上し、検出信号の強度を向上させることが可能となる。
また、エバネッセント場のスポット内の強度が最も強い部分にプローブを位置決めした後、サンプル側に配置したXY微動機構によりサンプルをプローブ先端に位置決めするようにした。このようにサンプルの位置決めを行うことにより、サンプルの被測定箇所の位置決めが簡便かつ確実に行うことができる。
また、Z微動機構をサンプルとプローブ双方に設け、プローブ側またはサンプル側いずれか一方のZ微動機構によりプローブとサンプル表面間の距離制御を行いながら、もう一方のZ微動機構をZ方向に動作させ、そのときの散乱光強度を測定し、測定データによりエバネッセント場のスポットを作るレンズのフォーカシング位置を調整するようにした。別の形態ではレンズのフォーカシング機構にZ微動機構を設け、前記フォーカシング用微動機構を動作させ、そのときの散乱光強度を測定し、測定データにより前記レンズのフォーカシング位置を調整するようにした。
このようにフォーカシングの調整を行うことにより、エバネッセント場のスポットの深さ方向で最も強度の高い部分にプローブ先端とサンプルの被測定箇所の位置合わせを簡便かつ確実に行うことができ、散乱効率が向上し、検出信号の強度を向上させることが可能となる。
また、プローブ側に設けられたXY微動機構、またはZ微動機構、サンプル側に設けられたXY微動機構、またはZ微動機構、対物レンズに設けられたフォーカシング用Z微動機構のうち、1つ以上の微動機構に変位検出機構を設け散乱型近接場顕微鏡の測定を行うようにした。
このように変位検出機構を設けることで、各微動機構の位置再現性、位置決め精度を向上させることができ、さらには位置決め後のドリフトも抑制することができる。
また、プローブを横方向から対物レンズで観察し、プローブ先端に対し、対物レンズの光軸と共役となる光軸上に反射板を配置して対物レンズ側から照明を照射しながら、プローブ先端を観察するようにした。このように反射板を設けることでプローブ先端の様子を明瞭に観察することが可能となり、プローブ先端の散乱光をみながらプローブ先端をエバネッセント場のスポットに容易に位置合わせすることが可能となる。
また、サンプルに対してプローブと対抗する側に配置した対物レンズに映るプローブ先端の影が、XY面内でカンチレバーの影に重ならないようにカンチレバーの斜め上方から照明光を照射するようにした。これにより、プローブ先端の位置を確実に認識することが可能となり、プローブ先端をエバネッセント場のスポット内に容易に位置合わせすることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に本発明の第一実施例である散乱型近接場顕微鏡用の装置構成の概観図を示す。以下の説明では紙面の上下方向をZ軸、左右方向をX軸、紙面に垂直な方向をY軸とする。
本実施例では、先端に先鋭化されたプローブ2を有するシリコンで一体成形された走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー1を用いる。このカンチレバー1には表面増強ラマン散乱を利用してラマン散乱光を増強させて散乱効率を向上させるために表面に銀が蒸着されている。
カンチレバー1はカンチレバーホルダ4に固定され、カンチレバーホルダ4は、カンチレバーの変位を検出するための光てこ方式の変位センサ5に固着される。前記変位センサ5は半導体レーザ光6を集光レンズ7で集光し、ミラー8で光路を曲げてカンチレバー1の背面に照射し、カンチレバー1からの反射光をミラー9で受け、受光面が4分割されたフォトディテクタ10により、レーザ光の強度を検出する。このときカンチレバー1の上下方向のたわみに応じて、フォトディテクタ10上のレーザスポットはZ軸方向に動く。このとき4分割されたフォトディテクタ10の上側2枚のディテクタ面と下側2枚のディテクタ面の強度差をとることで、カンチレバー1の変位を検出することが可能である。
前記変位センサ5とカンチレバーホルダ4は、プローブ側にある3軸微動機構14に固定されている。3微動機構14は、積層型圧電素子で駆動されるX軸微動機構11とY軸微動機構12とZ軸微動機構13の3つの微動機構を組み合わせて構成されている。各軸の微動機構11,12,13には、それぞれ静電容量センサ15,16,17よりなる変位検出器が組み込まれており、制御装置18から指令された変位に応じて圧電素子に電圧が印加されるようにクローズドループ制御が行われる。この3軸微動機構14は手動式のXYステージ19上に固定され、XYステージ19は測定ヘッド20上に載せられている。
測定ヘッド20にはステッピングモータ21と送りねじ22により構成される粗動機構23と、図の紙面に対して垂直な方向に2本設置されているマイクロメータ24、25が取り付けられ、送りねじ22の先端とマイクロメータ24,25の先端の3点がベース26に載せられている。この状態で粗動機構23により送りねじ22をZ軸方向に動作させるとマイクロメータ24,25の先端を支点として、プローブ2先端がZ軸方向に動作する。ここで、プローブ2先端の動作は厳密には円弧運動であるが近似的にZ軸方向への直線運動とみなすことができる。
一方、サンプル28はプローブ2と対向する位置に設けられたサンプルホルダ29に載置されている。さらに前記サンプルホルダ29はサンプル側3軸微動機構30に固定されている。この3軸微動機構30は中心部に光路となる開口部が設けられ、積層型圧電素子により駆動される構成である。また、3軸微動機構30の内部にも静電容量センサ(図示せず)よりなる変位検出器が設けられ、指令された変位に応じて圧電素子に電圧が印加されるようにクローズドループ制御が行われる。
このプローブ2側のZ微動機構13で距離制御を行いながら、サンプル側の3微動機構30でサンプル28の表面をXY面内で走査することにより、サンプル28表面の凹凸像を測定し、コンピュータ51に接続したモニタ(図示せず)に表示することが可能である。これら一連の動作は制御装置18とコンピュータ51により行われる。
次に、サンプル28表面にエバネッセント場を発生させるための、エバネッセント場発生機構31について説明する。エバネッセント場発生機構31は、波長532nmのレーザ光源32と、λ/2波長板33、ビームエクスパンダー34、2枚のレンズ35a,35b、マスク36、無偏光ビームスプリッター37、油浸対物レンズ38により構成される。
まず、紙面内で上下方向(Z軸方向)に縦偏光を持つように固定されたレーザ光源32より出射されたレーザ光39は、ビームエクスパンダー34によりビーム径が広げられる。次に、マスク36は2枚のレンズ35a,35b間に設けられ、油浸対物レンズ38の瞳面にマスク36の像が結像されるように2枚のレンズ35a,35bが配置された光路をレーザ光が通る。ビームエクスパンダー34によりビームを広げることにより、ガウシアン分布を持つレーザ光の中心付近の強度の大きい領域を用いることができる。そして、レーザ光は、無偏光ビームスプリッター37により曲げられて、油浸対物レンズ38に導かれる。
なお、無偏光ビームスプリッター37のかわりに、より安価で広帯域の波長に対して汎用的に使用可能なハーフミラーや、特定領域の波長に対して効率的な反射特性を有するダイクロイックミラーを用いることもできる。ハーフミラーやダイクロイックミラーを用いる場合には、反射率に偏光依存性を持つ場合がある。偏光依存性を持つ場合には、レーザ32の前にλ/2波長板33を入れて偏光面を90°回転させてY軸方向の偏光に変換する。
油浸対物レンズ38は開口数(NA)が1.4の対物レンズが用いられ、油浸オイル41を介してサンプル28の下面に配置される。この油浸対物レンズ38には、フォーカシング調整用に光軸方向(Z軸方向)に動作させるフォーカシング機構(図示せず)が設けられており、サンプル表面28にフォーカシングされるように油浸対物レンズ38の位置が調整される。
この油浸対物レンズ38のNAが1.0以上の領域に円環状のレーザ光を入射することにより、サンプル表面38にエバネッセント場のスポットが形成される。マスク36の形状はNAが1.0未満のレーザ光を遮断し、1.0以上のレーザ光を入射できるような大きさに円環状のレーザ光を形成するようにレーザビームの中心を円形状のマスクで遮光するような形状である。
次に、散乱光の集光について説明する。本実施例では、カバーガラス上にカーボンナノチューブを固着したサンプル28を測定する。このカーボンナノチューブにエバネッセント場を励起したときには、レーリー散乱光の他、カーボンナノチューブからのラマン散乱光が発生する。このラマン散乱光を分光分析することにより、カーボンナノチューブの物性を知ることができる。
プローブ2をエバネッセント場のスポットに挿入し、エバネッセント場のスポットをプローブ先端2で散乱させる。本実施例の近接場顕微鏡では粗動機構23によりプローブ2とサンプル28間に原子間力が働く領域まで近接させて、原子間力によるカンチレバー1のたわみを変位センサ5で検出し、たわみ量が一定となるように、プローブ側に設けたZ微動機構13によりプローブ2とサンプル28間が一定距離になるように距離制御が行われる。
プローブ先端2で散乱された散乱光はエバネッセント場発生機構31に用いたものと同様の油浸対物レンズ38により集光される。この場合には、NAが1.0以下の部分も含めて集光する。このとき集光される散乱光は、被測定物であるカーボンナノチューブからのラマン散乱光に加えて、励起に用いたレーザ光の波長と同一の波長であるレーリー散乱光も同時に集光される。
集光された散乱光は無偏光ビームスプリッター37を透過し、全反射ミラー45で光路が曲げられ、ノッチフィルター46でレーリー散乱光を除去し、結像レンズ47で分光器48のスリットに結像される。なお、全反射ミラー44は測定時には光路から外される。分光器48に入射したラマン散乱光は制御装置50により分光されて、液体窒素冷却CCD49により光強度を検出してコンピュータ51に接続したモニタ(図示せず)に分光スペクトルを表示させる。
また、分光された光の強度をアバランシェフォトダイオード(APD)52により検出し、サンプル28とプローブ2の距離を一定にしながら、サンプル28表面をサンプル側の3軸微動機構30によりXY平面内でスキャンし、そのときAPD52により検出される強度分布をコンピュータ51に接続したモニタ(図示せず)上に表示することで、サンプル面内のラマン散乱光のイメージング測定を行うことも可能である。
ここで、本実施例では先端に銀をコートしたプローブ2を用いた。このような銀コート付きプローブ2を用いた場合には、表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)を利用してラマンシグナルの増強をはかることが可能となる。
SERSは金属表面におけるラマン散乱断面積が105から1010倍程度増強する現象である。この増強は金属表面の電子励起(表面プラズモン)により起こる。ラマン散乱光は一般に非常に微弱であり、エバネッセント光による励起の場合にはさらに散乱光率が悪くなり、ノイズ成分が多くなってラマン散乱光の検出が不可能な場合が多いが、SERSを利用した電場増強により、ラマン散乱光の信号強度を向上させることが可能となる。
SERSを行う場合には、励起用に用いた光のうちP偏光成分のみがSERSに寄与する。ここで、図2に実施例1におけるサンプル表面でのP偏光成分(サンプル面に垂直)とS偏光成分(サンプル面に水平)のエバネッセント場のスポット形状のシミュレーション結果を示す。
図2(a)はXY平面内でのP偏光成分のエバネッセント場のスポットであり、図2(b)はS偏光成分のエバネッセント場のスポットである。
図2(a)(b)からわかるようにP偏光成分では1辺の大きさが100nm〜200nm程度の楕円スポットが2点、S偏光成分では同じく1辺の大きさが100nm〜200nm程度の楕円スポットが1点現れる。また、これらのスポットの強度分布は一様でなく、おのおののスポット内にピークを持つ分布となる。
また、エバネッセント場のZ軸方向の強度もサンプル表面から約100nmの範囲でサンプルから離れるに従って指数関数的に減少するような強度分布を持つ。
従って、効率よくSERSを発生させるためには、P偏光成分のスポット内の最も強度の高い位置にプローブ先端とサンプルの被測定箇所をXYZの各軸について位置決めする必要がある。
ここで、プローブ2をエバネッセント場に位置決めする手順について図3のフローチャートと図1に従って説明する。
(1)スポットとプローブの確認
油浸対物レンズ38による光学像によりサンプル28表面のエバネセント場のスポットとカンチレバー1を確認する。
スポットの確認のために、光路中に全反射ミラー44を挿入し、結像レンズ52によりCCDカメラ53に結像し、CCDカメラの像をモニタ54に映す。粗動機構23により、プローブ2とサンプル28を接触しない程度に近づける。このとき、モニタ54の像を観ながら、カンチレバー1の影が視野の中に入る程度にXYステージ19によりプローブ2の位置を合わせる。
(2)スポットとプローブの位置合わせ
(1)の状態でのモニタ確認では、プローブ2の影とカンチレバー1の影が重なって見えてしまう。そこで、サンプル28の斜め上方から照明を入れる。図4はこのときの照明方法を示す概観図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は正面図である。
図4のように、カンチレバー1の斜め上方から照明58を入射する。このとき図1に示す光てこ方式の変位センサ5とサンプル28の隙間に照明が入るようにする。
図4のように照明光を入れた場合には、プローブの像がカンチレバーの像と重なることなく確認することができる。
この状態でプローブ2先端をエバネッセント場のスポットの像の位置にモニタ54の画像を見ながら位置合わせする。位置合わせを行う場合には、プローブ2とサンプル28が原子間力働く領域にまで近接または接触させて、プローブ側Z微動機構13により距離制御を行いながら、プローブ側XY微動機構11,12にオフセット電圧を印加して移動させる。マニュアル方式のXYステージ19を用いて位置合わせを行うことも可能であるが、XYステージ19に触れることによる振動で、プローブ2先端を破壊する可能性が高く、またXY微動機構11、12に比べて位置決め精度も低く、マニュアル方式のXYステージ19でスポット上に位置決めを行うことは困難である。
XY微動機構11、12による位置合わせでは、Z微動機構13により常に距離フィードバックがかかっているのでプローブ2を破損することなく位置合わせを行うことができる。
なお、スポットの像はレーザ光のパワーが強い場合には、モニタ54の画面の全体に広がって見えてしまい、中心位置の確認が困難な場合がある。そのような場合には、エバネッセント場発生機構31の光路中にNDフィルターを入れ励起光の強度を弱めて位置合わせを行うようにする。モニタ54による位置合わせ終了後は全反射ミラー44を光路から外す。
(3)プローブ先端での散乱光の確認
次に、図5に示すような光学系によりプローブ先端でのレーリー散乱光を確認しながら、プローブ2先端とエバネッセント場のスポットをさらに精密に位置合わせする。
図5は図1のX軸方向からプローブ2先端を見た場合の散乱光確認用光学系59の概観図である。
サンプル28の表面を基準面として前記プローブ2先端とカンチレバー1の側面のエッジ1aとを結んだ線とサンプル表面がなす角度をθとした場合に、0度以上θ度以下の範囲に光軸が入るようにプローブ先端観察用の対物レンズ60を配置し、プローブ2先端を観察する。対物レンズ60の光軸の角度がθ度以上の場合にはカンチレバー1が影となって、プローブ2先端が観察できないが、本実施例のように対物レンズ60を配置することでプローブ2先端の観察が可能となる。
なお、図1に示す光てこ方式の変位センサ5はカンチレバー1の上方にあり、サンプル28と変位センサの隙間を利用して観察するので、変位センサで視野が遮られることはない。
ここで、プローブ2先端を対物レンズ60で観察する場合、空中に浮いた状態のカンチレバー1を観察する必要があるので、カンチレバー1を対物レンズ60で探すことが非常に困難で、また、位置合わせができたとしても対象となるプローブ2の大きさがせいぜい数μm程度であり、十分な反射光が対物レンズ60に入射しないために、観察が困難な場合が多い。
そこで、プローブ2先端に対して対物レンズ60の光軸と共役となる光軸上に反射板61を光軸と垂直に設け、対物レンズ60側に照明装置62を取付け、ハーフミラー63で照明を対物レンズ60に導き、対物レンズ60側から照明光を照射しながらプローブ2先端を観察することにより、照明光が反射板61で反射されて十分な光量が得られ、プローブ2を明瞭に観察することが可能となる。ここで、反射板61はレトロリフレクターを使用した。レトロリフレクターを用いることで、光軸に対する反射板の設置角度のずれが生じても、反射光が照明の入射光軸方向に反射されるので、反射板の設置角度調整が容易となる。なお、レトロリフレクターのかわりに全反射ミラーを設置してもよい。
散乱型近接場顕微鏡では、プローブ2の周辺部に十分なスペースを設けることができないが、本発明の方法では反射板61を設置するのみなので、狭いスペースでも散乱光確認用光学系59を組むことができる。
この散乱光確認用光学系59を使用して、対物レンズ60で観察しながら、散乱光確認用光学系59全体をXYステージと対物レンズ60のフォーカシング用ステージ(図示せず)により、プローブ2とエバネッセント場のスポットが観察できるように位置合わせする。観察像は対物レンズ60の像を結像レンズ64でCCDカメラ65に結像し、CCDカメラ65の像をモニタ66に表示する。
このときモニタには、カンチレバー1の実像とカンチレバー1がサンプル面に映った影とスポットの像が観察される。
この状態で、プローブ2とサンプル28間の距離をプローブ側のZ微動機構13で制御しながらプローブ側XY微動機構11、12にオフセット電圧を印加する。プローブがスポット上にきた場合、エバネッセント場のスポットがプローブ2先端で散乱されモニタ上で明るく光る様子が観察される。この位置を探してプローブ先端を位置決めする。
なお、スポットの散乱光が確認しづらい場合には、マスク36を光路からいったん抜いてファーフィールド成分まで含めてサンプル28上にスポットを形成しこのスポットを散乱させると、プローブ2とサンプル28が離れている場合でもスポットの位置が認識でき、プローブ2での散乱光も明るいので容易に位置合わせできる。このように、まずファーフィールド光で大まかに位置合わせした後、マスク36を光路に入れてエバネッセント場のスポットでより精密に位置合わせしてもよい。
ここで、エバネッセント場のスポットは前述したようにP偏光2個とS偏光1個の合計3個のスポットが形成される。従ってXY微動機構11、12を動かしていった場合には散乱光が強く光る箇所が3カ所発生する。そのうち1カ所はS偏光成分であるためSERSが誘起されず、他の2カ所に比べて強度が小さくなる。従って、強度の大きい2カ所のうちの1カ所にプローブを位置決めするようにする。
なお、図5において対物レンズ60で観察する方向はYZ平面内だけでなく前述した角度θ度以内であればどの方向から観察してもかまわない。また、2方向から観察すれば、さらに位置合わせが容易となる。
(4)エバネッセントスポットのイメージング測定
(3)の状態でプローブ2をエバネッセント場のスポット内への位置決めができているが、前述したように、エバネッセント場のスポットは強度分布を持つため、最も強度の高い位置へさらに位置決めを行う必要がある。
そこで、プローブ側Z微動機構13によりプローブ2とサンプル28間の距離制御を行いながら、プローブ側XY微動機構11、12によりラスタスキャンを行い、そのときプローブ2で散乱される散乱光強度を分光器48に取り付けられたアバランシェフォトダイオード(APD)52により検出し、コンピュータ51に接続したモニタ(図示せず)で強度マッピングを行う。これらの動作は3軸微動機構14の制御装置18と、分光器48の制御装置50および、それらを総合的に制御するコンピュータ51により行われる。
ここで、エバネッセント場の強度はサンプル28表面からの距離に依存するが、プローブ2とサンプル28間の距離フィードバックをかけているので、サンプル表面からの距離の影響を受けずに、真の強度マッピングが可能となる。
このとき検出する散乱光はノッチフィルター46を取り除き、励起波長と同じレーリー散乱光の成分を検出する。
本実施例ではマスク36を光路に入れてエバネッセント成分のみで強度マッピングを測定した。エバネッセント場成分のみでレーリー散乱光を測定する場合には、プローブ2先端で散乱された分だけ検出信号の強度が強く検出される。すなわち、強度マッピングで最も強度の高い箇所がエバネッセント場のスポットの強度が最も高い部分になる。
なお、マスク36を取り除きファーフィールド成分まで含めて測定することもできる。この場合に検出されるレーリー散乱光は、プローブ先端で散乱された分だけ検出信号の強度が弱く検出される。すなわち強度マッピングで最も強度の低い箇所がエバネッセント場のスポットの強度が最も高い部分になる。
(5)プローブ側XY微動機構によるプローブの位置決め
(4)で測定した強度マッピング像に基づき、エバネッセント場のスポット42の強度のピーク位置すなわち強度マッピング像上で強度が最も高い位置にプローブ側XY微動機構11,12によりプローブ2を位置決めする。
このとき、コンピュータ51のモニタに(図示せず)表示されるエバネッセント場のXY面内での強度イメージング像で最も強度の強い場所を指定することにより、制御装置18から自動的にプローブ2がコンピュータ51のモニタで指定した場所にプローブ側XY微動機構11,12により位置決めされる。
(6)フォーカシングの調整
フォーカシングは油浸対物レンズ38に取り付けられたフォーカシング機構(図示せず)によりほぼ焦点の位置に合わされているが、前述したようにエバネッセント場のスポットは高さ方向100nm程度の間に強度分布を持つため、さらに精密に位置合わせを行う。プローブ2をサンプル28のエバネッセント場のスポットにアプローチさせた状態で、プローブ先端2でのレーリー散乱光強度を測定しながら、サンプル側のZ微動機構30に制御装置18によりオフセット電圧を印加してサンプル面と垂直な方向(Z軸方向)に移動させる。このときレーリー散乱光強度が最も強く測定される部分が最もスポット強度高くなる場所であるので、コンピュータ51のモニタに表示される強度測定結果により、スポット強度が高くなる場所にサンプル側Z微動機構30を位置決めする。
ここで、プローブ2とサンプル28間の距離はプローブ側Z微動機構13により距離フィードバックがかけられているのでサンプル側Z微動機構30を動作させた場合でも両者の距離を一定に保ったまま、サンプル側Z微動機構30が動作した移動量だけ、プローブ側Z微動機構13を動作させることができる。
(7)サンプル側XY微動機構によるサンプルの位置決め
(1)〜(6)の手順により、プローブ2先端をエバネッセント場のスポットのXYZ軸方向で強度が最大となる部分に位置あわせを行うことができる。この状態でプローブ側Z微動機構13によりプローブ2とサンプル28の距離制御を行いながら、サンプル側のXY微動機構30をラスタスキャンし、Z微動機構13へ印加する印加電圧またはZ軸微動機構に取り付けられた変位センサ17の出力をマッピングすることによりサンプル28の形状像を測定する。その測定像により、ラマン分光測定する位置を認識し、その位置がプローブ2の先端にくるように制御装置18によりサンプル側XY微動機構30で位置合わせを行う。
この後、測定位置でのラマン散乱光を分光器48で分光分析し、液体窒素冷却CCD49で検出することによりすることにより、目的箇所の分光分析が可能となる。
これら一連の操作もコンピュータ51上で行われる。また、ラスタスキャンを行いながら目的とするラマンシグナルの検出信号像をマッピングすることにより、サンプルで散乱されるラマン散乱光のマッピングを測定することも可能である。
以上述べてきたように(1)〜(7)の手順により、透過性サンプルの散乱型近接場顕微鏡の測定が可能となる。
また、本実施例ではすべての微動機構11,12,13,30に変位センサを配置した。圧電素子を用いた場合にはクリープによりドリフトが発生したり、ヒステリシスにより位置再現性が悪くなるが、変位センサを設け、制御装置18の設定変位に応じて圧電素子に印加する電圧を調整するようなクローズドループ機構を設けることにより、クリープに伴うドリフトや、ヒステリシスに伴う位置のずれが抑制される。ただし、エバネッセントスポットの強度が最も高い部分からの位置ずれによる若干の散乱光率の減少分を許容すれば各微動機構は変位センサのないものでも使用可能であり、変位センサ付のものよりも装置コストを抑えることができる。
本発明の別の実施例を図6に示す。図6は非透過性のサンプルを測定するための反射型散乱型近接場顕微鏡の動作原理を表す概観図である。なお、実施例1と同一の機能を持つ構成要素は同一の番号で示し、詳細な説明は省略する。
本実施例は、半導体表面のひずみをラマン散乱光で検出した例である。
エバネッセント場発生用光学系70は対物レンズ71と、ハーフミラー72と照明73により構成される照明系、結像レンズ74とハーフミラー75とCCDカメラ76により構成される観察装置、及びレーザ光源77と光ファイバー78とコリメータレンズ79で構成されるレーザ光学系により構成される。
対物レンズ71はプローブ2先端の斜め上方に配置され、レーザ光源77から出射されたレーザ光を対物レンズ71で絞ってサンプル28表面に照射する。このとき、サンプル28と垂直な方向のP偏光成分が入射されるように対物レンズ71の光軸を垂直で図6で紙面内(XZ平面)内の偏光を入射するようにした。これらのエバネッセント場発生用光学系70はXYステージとフォーカシング用ステージ(いずれも図示せず)に載せられて、プローブ2に対する光軸合わせとフォーカシングが行われる。
プローブ2は実施例1と同様に銀コート付カンチレバー1を用いた。カンチレバーの変位は光てこ方式の変位センサ5で測定されて、サンプル28とプローブ2先端間はプローブ側3軸微動機構14により距離制御される。プローブ側3軸微動機構14はXYステージ19を介して、ステッピングモータにより駆動されるZ粗動機構23に固定されている。
プローブ2先端で散乱された散乱光の検出は、プローブ2の上方に配置された集光用対物レンズ80で行われる。集光用対物レンズ80で集光された散乱光は全反射ミラー82で曲げられて、ノッチフィルター46でレーリー散乱光成分を除去し、結像レンズ47で分光器48のスリットに結像されて、分光器48に入射した後に液体窒素冷却CCDカメラ49で分光スペクトルを測定したり、アバランシェフォトダイオード52で強度が測定される。集光用光学系81もXYステージとフォーカシングステージ(図示せず)に載せられて、プローブ2に対する位置決めが行われる。
また、サンプル側にもサンプル側3軸微動機構30が設けられている。
次に本実施例の散乱型近接場顕微鏡の測定方法について、図6を参照しながら説明する。測定のフローチャートは図3に示した実施例1の場合と同じである。なお実施例1と同じ操作の場合には詳細な説明を省略する。
(1)スポットとプローブの確認
エバネッセント場発生用光学系70にレーザ77からレーザ光を入射し、サンプル28上にスポットを作り、照明73で照明を当てながらCCDカメラ76の像でスポットとプローブ2を確認する。このとき、実施例1の図5と同様に、プローブ先端2に対してエバネッセント場発生用光学系70の光軸と共役となる光軸上に反射板(図示せず)を光軸と垂直に設けることで、プローブ2やスポットが容易に観察可能である。なお、レーザ光の光量はスポットが観察しやすいようにNDフィルターなどで調整する。
(2)スポットとプローブの位置合わせ
エバネッセント場発生用光学系70の観察像を見ながら、XYステージ19とプローブ側XY微動機構を動作させてスポット上にプローブ2を大まかに位置合わせする。エバネッセント場発生用光学系70の像は斜め方向からの観察像であり、しかもカンチレバーが影にならないような角度に配置されているため、プローブ先端2とスポット42は容易に識別できる。
(3)プローブ先端での散乱光の確認
プローブ2をサンプル28にアプローチさせて、プローブ2とサンプル28間の距離をZ微動機構14で制御しながら、XY微動機構14にオフセット電圧をかけてプローブ2を動かし、エバネッセント場発生用光学系70の観察像をみながらプローブ先端2でのレーリー散乱光が最も強い場所にプローブを位置合わせする。
このとき、エバネッセント場発生用光学系70の他に、実施例1の図5に示すのと同様の別の散乱光確認用光学系59で観察してもよい。
(4)エバネッセントスポットのイメージング測定
集光用光学系81のXYステージ19とフォーカシング用ステージを使用して対物レンズ80の焦点をプローブ2先端に合せる。この状態で、プローブ側3軸微動機構14により、プローブ2とサンプル28の距離制御を行いながらXY面内でラスタスキャンを行い、分光器48に取り付けられたアバランシェフォトダイオード52によりレーリー散乱光強度を検出し、スポット42の強度マッピングを測定する。このとき、ノッチフィルター46は光路から外してある。
(5)プローブ側XY微動機構によるプローブの位置決め
得られたスポットの強度マッピング像によりスポット内で強度が最大の場所にプローブ先端をXY微動機構14により位置決めする。これらの操作はコンピュータ(図示せず)上から行われる。
(6)フォーカシングの調整
プローブ2をサンプル28のエバネッセント場のスポットにアプローチさせた状態で、プローブ先端2でのレーリー散乱光強度を測定しながら、サンプル側のZ微動機構30にオフセット電圧を印加して、サンプル面と垂直な方向(Z軸方向)に移動させる。コンピュータ51のモニタ(図示せず)に表示される強度測定結果により、スポット強度が高くなる場所にサンプル側Z微動機構30を位置決めする。
ここで、プローブとサンプル間の距離はプローブ側Z微動機構14により距離フィードバックがかけられているのでサンプル側Z微動機構30を動作させた場合でも両者の距離を一定に保ったまま、サンプル側Z微動機構30が動作した移動量だけ、プローブ側Z微動機構14を動作させることができる。
(7)サンプル側XY微動機構によるサンプルの位置決め
(1)〜(6)の手順により、プローブ先端をエバネッセント場のスポットのXYZ軸方向で強度が最大となる部分に位置あわせを行うことができる。
この状態でプローブ側Z微動機構14でプローブ2とサンプル28の距離制御を行いながら、サンプル側のXY微動機構30をラスタスキャンし、Z微動機構13へ印加する印加電圧、またはZ軸微動機構に取り付けられた変位センサ(図示せず)の出力をマッピングすることによりサンプル28の形状像を測定する。
その測定像により、ラマン分光測定する位置を認識し、その位置がプローブ2の先端にくるようにサンプル側XY微動機構30で位置合わせを行う。
この後、測定位置でのラマン散乱光を分光器48で分光分析し、液体窒素冷却CCD49で検出することによりすることにより、目的箇所の分光分析が可能となる。これら一連の操作はコンピュータ上で行われる。
また、サンプル側XY微動機構でラスタスキャンを行いながらアバランシェフォトダイオード52でラマン散乱光の強度を測定することで、ラマン散乱光のイメージング測定を行うことができ、得られたデータから半導体サンプルのひずみ状態を知ることができる。
以上述べた(1)〜(7)の測定方法により、非透過性のサンプルでも確実かつ容易に散乱型近接場顕微鏡測定が可能となる。
本発明は実施例1や実施例2に限定されるものではない。
例えば、実施例1および実施例2の手順(4)において測定する散乱光はレーリー散乱光に限定されない。例えば、シリコン製のプローブを用いた場合にはシリコンからラマン散乱光が発生する。このラマン散乱光によりスポットの強度分布測定を行うことも可能である。ラマン散乱光の測定を行う場合に得られるスポットの強度分布は、エバネセント場の強度が大きいほど、測定される強度も強くなる。さらに、形状像の高分解能測定を目的としてカンチレバー先端にカーボンナノチューブを取り付けたプローブを用いることもでき、この場合にはカーボンナノチューブのラマン散乱光によりスポットの強度分布を求めることができる。
また、散乱光の表示装置として、コンピュータに接続されたモニタ上に表示されるイメージング像を用いたが、表示装置としてはオシロスコープなどでもよい。
また、実施例1および実施例2の手順(6)において、プローブ2とサンプル28間の距離フィードバックにプローブ側Z微動機構13、14を用いたが、サンプル側Z微動機構30によりフィードバックを行うことも可能である。この場合には、プローブ側Z微動機構13をZ軸方向に動作させて、フォーカシング方向の調整を行う。さらに、手順(6)で、サンプル側Z微動機構30やプローブ側Z微動機構13,14を動作させる代わりに、対物レンズ38,71にZ微動機構を取り付け、対物レンズ38,71自体を動作させてもよい。
また、実施例1実施例2は、(1)〜(7)の手順の一部を省略することも可能である。例えば(1)〜(3)間での手順でも、大まかにはエバネッセントスポットへの位置決めが可能であり、(4)〜(6)の手順を省略し(7)の手順を実行することで散乱型近接場顕微鏡の測定が可能である。また、(3)を省略し、エバネッセントスポットの強度イメージング像のみで位置合わせを行うことも可能である。
また、(6)のフォーカシング調整を省略してもよい。この場合にはZ微動機構はサンプル側またはプローブ側いずれか一方にあればよい。
また、プローブとサンプル間の距離制御方法は原子間力を利用したものに限定されず、例えば、カンチレバーを共振周波数近傍で振動させながらサンプルに近接させ、そのときの振幅や位相の変化により距離フィードバックを行うことも可能である。
また、プローブの形状や材質も前記実施例に限定されず、例えばストレート型のプローブも使用することが可能である。ストレート型の場合には、サンプル面と平行な面内でプローブを加振しながらサンプル表面に近接した場合、プローブ先端に作用するシアフォースによる振幅や位相の変化によりプローブとサンプル間の距離制御をおこなったり、あるいは、サンプルとプローブ間に電圧を印加し、サンプルとプローブ間に流れるトンネル電流によりフィードバックを行うことも可能である。さらに、先端にシリコンやシリコンナイトライド、あるいは金属性プローブなどで散乱させるだけでもよい。さらにプローブ先端に蛍光標識をつけたようなプローブも使用できる。
さらに本発明は例えば、半導体レーザや光導波路などのようにサンプル表面にエバネッセント場を発生するようなサンプルにも適用できる。これらのサンプルの場合には、プローブでサンプル表面を走査し、エバネッセント場の強度マッピング像から、測定箇所を位置決めし、その場所における光学特性を測定することができる。また励起光に非線形な光学系を用いることも可能である。
本発明の第一実施例に係る散乱型近接場顕微鏡の概観図。 図1の光学系におけるエバネッセント場のスポットの強度分布シミュレーション結果。(a)XY平面におけるP偏光成分(b)XY平面におけるS偏光成分 本発明の第一実施例および第二実施例に係る散乱型近接場顕微鏡の照明方法を示すフローチャート。 本発明の第一実施例に係る散乱型近接場顕微鏡のカンチレバー観察用の照明方法を示す概観図。 本発明の第一実施例に係る散乱型近接場顕微鏡の散乱光確認用光学系の概観図。 本発明の第二実施例にかかる反射型の散乱型近接場顕微鏡の概観図。 従来の散乱型近接場顕微鏡の装置構成を示す概観図。
符号の説明
1 カンチレバー
2 プローブ
4 カンチレバーホルダ
5 変位センサ
6 半導体レーザ
7 集光レンズ
8 ミラー
9 ミラー
10 フォトディテクタ
11 X微動機構
12 Y微動機構
13 Z微動機構
14 (プローブ側)3軸微動機構
15、16、17 変位センサ
18 制御装置
19 XYステージ
20 測定ヘッド
21 ステッピングモータ
22 送りねじ
23 粗動機構
24 マイクロメータ
25 マイクロメータ
26 ベース
28 サンプル
29 サンプルホルダ
30 (サンプル側)3軸微動機構
31 エバネッセント場発生機構
32 レーザ光源
33 λ/2波長版
34 ビームエクスパンダー
35 レンズ
36 マスク
37 無偏光ビームスプリッター
38 油浸対物レンズ
41 油浸オイル
44 全反射ミラー
45 全反射ミラー
46 ノッチフィルター
47 結像レンズ
48 分光器
49 液体窒素冷却CCD
50 制御装置
51 コンピュータ
52 アバランシェフォトダイオード(APD)
53 CCDカメラ
54 モニタ
58 照明
59 散乱光確認用光学系
60 対物レンズ
61 反射板
62 照明装置
63 ハーフミラー
64 結像レンズ
65 CCDカメラ
66 モニタ
70 エバネッセント場発生用光学系
71 対物レンズ
72 ハーフミラー
73 照明
74 結像レンズ
75 ハーフミラー
76 CCDカメラ
77 レーザ光源
78 光ファイバー
79 コリメータレンズ
80 集光用対物レンズ
81 集光用光学系
101 カンチレバー
102 プローブ
104 サンプル
105 油浸オイル
106 油浸対物レンズ
108 レーザ光源
110 ビームエクスパンダー
111 マスク
112 ハーフミラー
113 レンズ
114 レンズ
115 Z微動機構
116 ノッチフィルター
117 結像レンズ
118 分光器
119 スリット
120 液体窒素冷却CCD
121 XY微動機構
122 アバランシェフォトダイオード(APD)
123 コンピュータ
124 コントローラ
125 コントローラ
126 フォトンカウンター
127 デジタル/アナログ変換器
128 増幅器
130 ハーフミラー
131 結像レンズ
132 CCDカメラ
133 モニタ

Claims (12)

  1. サンプル表面にエバネッセント場を発生させるエバネッセント場発生手段と、サンプル表面に近接または接触させて前記エバネッセント場を散乱させるプローブと、サンプル面内にXY軸をとりサンプル表面と垂直な方向をZ軸とした場合に、前記プローブとサンプル間の距離制御を行うためのZ微動機構と、前記プローブとサンプルを相対的にサンプル面内で移動させるXY微動機構と、前記プローブで散乱させた散乱光を集光するための散乱光集光手段と、散乱光の強度を測定する光検出器と、光検出器で検出された強度を表示する表示装置を少なくとも有する散乱型近接場顕微鏡を用いて、
    前記Z微動機構により前記プローブと前記サンプル表面間の距離を一定に保ちながら、前記プローブ側に設けた前記XY微動機構により前記サンプル表面に発生させたエバネッセント場を含む領域を前記プローブで走査する工程と、前記プローブで散乱された散乱光を前記散乱光集光手段で集光し、前記光検出器により散乱光強度を測定し、前記表示装置により散乱光強度を表示し、表示結果からエバネッセント場の強度分布を求める工程と、エバネッセント場の強度が最大となる部分に、前記XY微動機構によりプローブを位置決めする工程からなることを特徴とする、散乱型近接場顕微鏡の測定方法。
  2. XY微動機構を前記サンプル側にも設け、エバネッセント場の強度が最大となる部分に、前記プローブ側の前記XY微動機構によりプローブを位置決めした後、サンプル側の該XY微動機構により前記サンプルを前記プローブ先端に位置決めし、前記プローブで散乱された散乱光を測定することにより前記サンプル表面の光学特性を測定する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の散乱型近接場顕微鏡の測定方法。
  3. 前記エバネッセント場発生手段がレンズにより光を前記サンプル表面に集光する光学系を含み、前記レンズにフォーカシング機構を設け、前期Z微動機構を前記サンプルと前記プローブ双方に設け、前記レンズの焦点を前記サンプル表面にフォーカシング機構によりフォーカシングし、前記プローブ側または前記サンプル側いずれか一方の前記Z微動機構により前記プローブと前記サンプル表面間の距離制御を行いながら、XY平面内のエバネッセント場の強度が最大となる部分にプローブ側の前記XY微動機構でプローブを位置決めした後、もう一方の前記Z微動機構をZ軸方向に動作させ、そのときの散乱光強度を測定し、前記表示装置により散乱光強度を表示し、その表示結果からZ軸方向のエバネッセント場の強度分布を求め、エバネッセント場の強度が最大となる部分に前記2つのZ微動機構により前記プローブと前記サンプルを位置決めする工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の散乱型近接場顕微鏡の測定方法。
  4. 前記エバネッセント場発生手段がレンズにより光を前記サンプル表面に集光する光学系を含み、前記レンズにフォーカシング用のZ粗動機構とZ微動機構を設け、Z粗動機構により前記レンズの焦点を前記サンプル表面にフォーカシングし、XY平面内のエバネッセント場の強度が最大となる部分にプローブ側の前記XY微動機構で前記プローブを位置決めした後、さらに前記フォーカシング用Z微動機構をZ軸方向に動作させ、そのときの散乱光強度を測定し、前記表示装置により散乱光強度を表示し、その表示結果からZ軸方向のエバネッセント場の強度分布を求め、エバネッセント場の強度が最大となる部分に前記フォーカシング用Z微動機構により前記レンズの位置決めを行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の散乱型近接場顕微鏡の測定方法。
  5. 前記散乱型近接場顕微鏡がプローブ側に設けられた前記XY微動機構、または前記Z微動機構、サンプル側に設けられた前記XY微動機構、または前記Z微動機構、対物レンズに設けられたフォーカシング用Z微動機構のうち、1つ以上の微動機構が変位検出機構を有することを特徴とする請求項1乃至4に記載の散乱型近接場顕微鏡の測定方法。
  6. サンプル表面にエバネッセント場を発生させるエバネッセント場発生手段と、サンプル表面に近接または接触させて前記エバネッセント場を散乱させるプローブと、サンプル面内にXY軸をとりサンプル表面と垂直な方向をZ軸とした場合に、前記プローブとサンプル間の距離制御を行うためのZ微動機構と、前記プローブとサンプルを相対的にサンプル面内で移動させるXY微動機構と、前記プローブで散乱させた散乱光を集光するための散乱光集光手段と、散乱光の強度を測定する光検出器と、光検出器で検出された強度を表示する表示装置を少なくとも有する散乱型近接場顕微鏡において、
    サンプル表面を基準面として前記プローブ先端とカンチレバーの側面のエッジとを結んだ線とサンプル表面がなす角度をθとした場合に、0度以上θ度以下の範囲に光軸が入るようにプローブ先端観察用の対物レンズを配置し、前記対物レンズ側から照明光を照射しながらプローブ先端を観察し、プローブ先端に対して前記対物レンズの光軸と共役となる光軸上に反射板を設け、プローブ先端での散乱光を観察可能にした散乱型近接場顕微鏡。
  7. サンプル表面にエバネッセント場を発生させるエバネッセント場発生手段と、サンプル表面に近接または接触させて前記エバネッセント場を散乱させるプローブと、サンプル面内にXY軸をとりサンプル表面と垂直な方向をZ軸とした場合に、前記プローブとサンプル間の距離制御を行うためのZ微動機構と、前記プローブとサンプルを相対的にサンプル面内で移動させるXY微動機構と、前記プローブで散乱させた散乱光を集光するための散乱光集光手段と、散乱光の強度を測定する光検出器と、光検出器で検出された強度を表示する表示装置を少なくとも有する散乱型近接場顕微鏡において、
    サンプルに対して前記プローブと対向する側に対物レンズを設け、前記対物レンズによりエバネッセント場のスポットと前記プローブの像を観察し、前記対物レンズの光軸に対して、前記カンチレバーの斜め上方から照明光を照射し、前記対物レンズによる観察像に映る前記プローブ先端の影が、XY面内で前記カンチレバーの影に重ならないように観察することを特徴とする散乱型近接場顕微鏡。
  8. サンプル表面にエバネッセント場を発生させるエバネッセント場発生手段と、サンプル表面に近接または接触させて前記エバネッセント場を散乱させるプローブと、サンプル面内にXY軸をとりサンプル表面と垂直な方向をZ軸とした場合に、前記プローブとサンプル間の距離制御を行うためのZ微動機構と、前記プローブとサンプルを相対的にサンプル面内で移動させるXY微動機構と、前記プローブで散乱させた散乱光を集光するための散乱光集光手段と、散乱光の強度を測定する光検出器と、光検出器で検出された強度を表示する表示装置を少なくとも有する散乱型近接場顕微鏡において、
    前記Z微動機構により前記プローブと前記サンプル表面間の距離を一定に保ちながら、前記プローブ側に設けた前記XY微動機構により前記サンプル表面に発生させたエバネッセント場を含む領域を前記プローブで走査し、前記プローブで散乱された散乱光を前記散乱光集光手段で集光し、前記光検出器により散乱光強度を測定し、前記表示装置により散乱光強度を表示し、表示結果からエバネッセント場の強度分布を求め、エバネッセント場の強度が最大となる部分に、前記XY微動機構によりプローブを位置決めすることを特徴とする散乱型近接場顕微鏡。
  9. XY微動機構を前記サンプル側にも設け、前記エバネッセント場の強度が最大となる部分に、前記プローブ側の前記XY微動機構により前記プローブを位置決めした後、サンプル側の該XY微動機構により前記サンプルを前記プローブ先端に位置決めし、前記プローブで散乱された散乱光を測定することにより前記サンプル表面の光学特性を測定することを特徴とする請求項8に記載の散乱型近接場顕微鏡
  10. 前記エバネッセント場発生手段がレンズにより光を前記サンプル表面に集光する光学系を含み、前記レンズにフォーカシング機構を設け、前期Z微動機構を前記サンプルと前記プローブ双方に設け、前記レンズの焦点を前記サンプル表面にフォーカシング機構によりフォーカシングし、前記プローブ側または前記サンプル側いずれか一方の前記Z微動機構により前記プローブと前記サンプル表面間の距離制御を行いながら、XY平面内のエバネッセント場の強度が最大となる部分にプローブ側の前記XY微動機構でプローブを位置決めした後、もう一方の前記Z微動機構をZ軸方向に動作させ、そのときの散乱光強度を測定し、前記表示装置により散乱光強度を表示し、その表示結果からZ軸方向のエバネッセント場の強度分布を求め、エバネッセント場の強度が最大となる部分に前記2つのZ微動機構により前記プローブと前記サンプルを位置決めすることを特徴とする請求項8または9に記載の散乱型近接場顕微鏡。
  11. 前記エバネッセント場発生手段がレンズにより光を前記サンプル表面に集光する光学系を含み、前記レンズにフォーカシング用のZ粗動機構とZ微動機構を設け、Z粗動機構により前記レンズの焦点を前記サンプル表面にフォーカシングし、XY平面内のエバネッセント場の強度が最大となる部分にプローブ側の前記XY微動機構で前記プローブを位置決めした後、さらに前記フォーカシング用Z微動機構をZ軸方向に動作させ、そのときの散乱光強度を測定し、前記表示装置により散乱光強度を表示し、その表示結果からZ軸方向のエバネッセント場の強度分布を求め、エバネッセント場の強度が最大となる部分に前記フォーカシング用Z微動機構により前記レンズの位置決めを行うことを特徴とする請求項8または9に記載の散乱型近接場顕微鏡。
  12. 前記散乱型近接場顕微鏡がサンプル表面にエバネッセント場を発生させるエバネッセント場発生手段と、サンプル表面に近接または接触させて前記エバネッセント場を散乱させるプローブと、サンプル面内にXY軸をとりサンプル表面と垂直な方向をZ軸とした場合に、前記プローブとサンプル間の距離制御を行うためのZ微動機構と、前記プローブとサンプルを相対的にサンプル面内で移動させるXY微動機構と、前記プローブで散乱させた散乱光を集光するための散乱光集光手段と、散乱光の強度を測定する光検出器と、光検出器で検出された強度を表示する表示装置を少なくとも有する散乱型近接場顕微鏡において、
    前記散乱型近接場顕微鏡がプローブ側に設けられた前記XY微動機構、または前記Z微動機構、サンプル側に設けられた前記XY微動機構、または前記Z微動機構、対物レンズに設けられたフォーカシング用Z微動機構のうち、1つ以上の微動機構が変位検出機構を有することを特徴とする請求項8乃至11に記載の散乱型近接場顕微鏡。
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