JP3859588B2 - 走査型プローブ顕微鏡及びその測定方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子分解能で試料表面を観察及び分析することが可能な走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope;SPM)は、原子分解能で試料表面を観察及び分析することが可能な表面観察装置である。その代表的なものには、探針先端と試料表面の間に流れるトンネル電流を利用した走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope;STM)や、探針先端と試料表面の間に働く力を利用した原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)等がある。
【0003】
AFMは、非導電性の試料表面においても三次元形状を高分解能で観察することが可能であり、半導体デバイスや記録ディスク等の表面形状の評価に利用されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
図3は、従来におけるAFMの基本構成を示す。カンチレバー2は、その先端に設けられた探針1がXYZスキャナ6の試料保持部に保持された試料3の表面に対向する様に配置される。探針1は、XYZスキャナ6を駆動することにより試料3に対して相対的に移動する。探針1が試料3に接近すると、それらの間に働く原子間力によりカンチレバー2が撓む。この撓み量は、レバー変位検出部4で検出され、その出力信号がZサーボ回路5へ送られる。レバー変位検出部4では、光てこ法、レーザ干渉法等の光学的方法や構成を簡素化することができる圧電抵抗効果を利用した方法によって変位検出が行われる。Zサーボ回路5では、レバー変位検出部4の出力信号とZサーボ回路5で設定される基準値が比較され、その偏差に対応したZ駆動信号がXYZスキャナ6へ出力される。つまり、探針1に作用する原子間力が一定に保持されるようにフィードバック制御が行われる。
【0005】
一方、XY信号発生部8は、XY走査のためのXトリガ信号とYトリガ信号をXY走査回路7に出力する。XY走査回路7は、Xトリガ信号及びYトリガ信号に対応したX駆動信号及びY駆動信号をXYZスキャナ6に印加し、XYZスキャナ6にXY走査を行わせる。
【0006】
また、XY信号発生部8が出力するXトリガ信号とYトリガ信号は画像取得部9にも送られ、Zサーボ回路5の出力であるZ駆動信号、すなわち、XYZスキャナ6のZ変位信号をサンプリングするタイミング信号となる。画像取得部9でサンプリングされたZ変位信号は、その時のXトリガ信号及びYトリガ信号、すなわち、XY位置信号と共に画像メモリ10に保存される。この画像メモリに保存された信号は、試料3の表面形状を表わす画像となる。
【0007】
【非特許文献1】
フィジカル・レビュー・レターズ(Rhysical Review Letters)、第56巻(1986年)、第930頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のSPMでは、得られた表面画像をもとに試料の三次元形状の寸法を測定する。そこでは画像内の2点間の距離を測ることはできるが、画像の視野外の1点を基準位置として画像内の1点との相対的な距離を測ることはできなかった。
【0009】
SPM以外の顕微鏡でも一般的に言えることであるが、分解能の高い観察画像を得るためには観察領域を小さくする、すなわち、倍率を上げる必要がある。測定できる寸法もそれに従って小さくなる。
【0010】
記録ディスクの分野では、記録マークの微細化が進んでおり、研究レベルでは100nm以下に達している。このような微細なマーク列の数10μm以上の長周期のパターン揺らぎをnmの精度で測定したいという要求がある。従来のSPMでは、この様な測定は不可能であった。
【0011】
本発明の目的は、走査型プローブ顕微鏡の技術分野において、上述の様な測長を可能にする走査型プローブ顕微鏡及びその測定方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による走査型プローブ顕微鏡は、試料に対向するプローブと試料との相対位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段の検出結果を記憶する記憶手段と、第1の画像上の少なくとも1点を基準位置として、第1の画像の視野外に位置する第2の画像上の座標を位置検出手段の検出結果から得る手段とを備えている。
【0013】
本発明によると、プローブと試料の相対位置を検出する位置検出手段は、観察画像上の位置信号を検出するので、第1の画像と、その視野外に位置する第2の画像の相対的な位置関係を得ることができる。
【0014】
以下,本発明の代表的な構成例を列挙する。
【0015】
(1)本発明の走査型プローブ顕微鏡は、試料に対向して設置されたプローブと、前記プローブを前記試料に対して相対的に移動させる移動手段と、前記プローブと前記試料の間の相互作用を検出する検出手段と、前記移動手段による前記プローブの試料表面への走査により前記検出手段から得られる検出結果に基き、前記試料表面の情報を反映した画像を形成する手段とを有し、かつ、前記プローブと前記試料の相対位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果を記憶する記憶手段とを設けて、第1の画像上の少なくとも1点を基準位置として前記第1の画像の視野外に配置された第2の画像上の所望とする位置座標を、記憶された前記位置検出手段の検出結果に基いて計測するよう構成したことを特徴とする。
【0016】
(2)本発明の走査型プローブ顕微鏡は、試料に対向するように設置されたプローブと、前記試料を3次元的に移動させる移動手段と、前記プローブを3次元的に微動させる微動手段と、前記プローブと前記試料の間の相互作用を検出する検出手段と、前記プローブにより試料表面を走査して、前記検出手段から得られる検出結果に基づいて前記試料表面の情報を反映した画像を形成する手段とを有し、かつ、前記プローブと前記試料の相対位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果を記憶する記憶手段とを設けて、第1の画像上の少なくとも1点を基準位置として前記第1の画像の視野外に位置する第2の画像上の所望とする位置座標を、記憶された前記位置検出手段の検出結果に基いて計測するようにしたことを特徴とする。
【0017】
(3)本発明の走査型プローブ顕微鏡の測定方法は、試料にプローブを接近あるいは接触させる工程と、前記プローブを走査する工程と、前記試料と前記プローブの相互作用を検出する工程と、検出された結果に基づいて前記試料表面を反映した画像を取得する工程とを有し、かつ、前記試料と前記プローブの相対位置を計測する工程と、計測された相対位置を記憶する工程と、第1の画像上の少なくとも1点を基準として前記第1の画像の視野外の第2の画像上の所望とする位置座標を前記記憶された相対位置から得る工程を含むことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、理解を容易にするため以下に説明する図において、図3で説明した構成要素と同じ動作を行う要素には図3と同一の名称及び符号を付けている。
【0019】
図1は、本発明による走査型プローブ顕微鏡の一実施例を示すブロック図である。カンチレバー2の自由端には、尖鋭化された探針1が設けられている。試料3は、探針1と試料3の接近及び退避を行う為のZステージ111上に設けられた試料保持部に保持されている。また、Zステージ111は、試料3を所望の観察位置に移動するためのXYステージ112上に設置されている。カンチレバー2は、探針1が試料3に対向するようにXY微動機構602に配置されている。XY微動機構602は、Z微動機構601に固定されており、それらを駆動することにより、探針1は試料3上をXYZ方向に微動できる。
【0020】
XY微動機構602及びZ微動機構601としては、圧電材料から成るチューブ型の微動機構、積層タイプの圧電素子を3個組合わせて構成するトライポッド型の微動機構、あるいは圧電素子の駆動による弾性体の弾性変形を利用した平行平板型の微動機構等が利用される。更にチューブ型、トライポッド型、平行平板型の微動機構を適当に組み合わせて構成することもできる。
【0021】
一例として、図2に示した平行平板型の微動機構について説明する。ここでは一軸のみを示しているが、例えば、この基本となる1軸微動機構を2個直交するように組み合わせることによりXY微動機構を構成することができる。
【0022】
図2に示されるように、ワイヤカット加工により固定部603、移動部604及び弾性変形部606を一体構造で形成する。固定部603と移動部604の間に挟み込んで固定された積層タイプの圧電素子605を矢印の方向に駆動して力を加えることにより、弾性変形部606が弾性変形し、固定部603に対して移動部604が動くことになる。この場合、移動部604の移動方向は弾性変形部606の変形方向に従って、固定部603と平行な方向に制限されることになる。従って、平行平板型微動機構ではチューブ型スキャナ等のように移動方向に回転成分を含まないので、圧電素子の非線形性等を補正する場合に都合が良い。
【0023】
ここで、図1を用いて本発明の基本的な動作を説明する。Zステージ111により探針1と試料3を接近させると、それらの間に働く原子間力によりカンチレバー2が撓む。この撓み量はレバー変位検出部4で検出され、Zサーボ回路5へ出力される。Zサーボ回路5では、この撓み信号がZサーボ回路5で設定される基準値と比較され、その偏差信号に対応したZ駆動信号がZ微動機構601へ出力される。このフィードバック制御により、カンチレバー2の撓み量が一定に保持され、探針1と試料3の間に働く原子間力が一定になるようにZ微動機構601がZ方向に駆動される。
【0024】
一方、XY信号発生部8は、XY微動機構602をXY走査させるためのXトリガ信号及びYトリガ信号をXY走査回路7へ出力する。XY走査回路7では、X変位検出部141、および図1では省略しているがX変位検出部141と同様の構成を持ったY変位検出部で検出されたXYステージ112とXY微動機構602のX及びY方向の相対変位に対応した変位信号と、X及びYトリガ信号とがそれぞれ比較され、それらの偏差信号に対応するX及びY駆動信号がXY微動機構602へ出力される。すなわち、XY走査動作の際、XY信号発生部8で生成されたXトリガ信号及びYトリガ信号で示されるXY座標位置にXY微動機構602が正確に変位するようにフィードバック制御が行われ、XY微動機構602の非線形性誤差を補正する。
【0025】
ここで、X及びY変位検出部141、142について、図1に明示されているX変位検出部141を取り上げて説明する。X変位検出部141では、光源17から出射されたレーザ光が偏光ビームスプリッタ15に入射する。偏光ビームスプリッタ15では入射レーザ光が2つに分割される。一方のレーザ光Aは4分の1(1/4)波長板A18を通って、XYステージ112に固定されたミラーA12で反射された後、再び4分の1波長板A18を介して偏光ビームスプリッタ15に入射する。他方のレーザ光Bは直角プリズム16で90度方向が変えられ、4分の1(1/4)波長板B19を通って、XY微動機構602に固定されたミラーB13で反射された後、再び四分の一波長板B19、直角プリズム16を介して偏光ビームスプリッタ15に入射する。
【0026】
4分の1波長板A18及び4分の1波長板B19は、その光軸が偏光ビームスプリッタ15で分割された2つのレーザ光A、Bの偏光方向に対していずれも45度の角度を成すように配置されているので、偏光ビームスプリッタ15にミラーから反射して戻ってきたレーザ光の偏光方向は、元の射出光の偏光方向と90度異なったものになる。従って、ミラーA12から反射してきたレーザ光Aは、偏光ビームスプリッタ15を透過して、レーザ干渉測長器14に入射され、ミラーB13から反射してきらレーザ光Bは偏光ビームスプリッタ15で反射して、レーザ干渉測長器14に入射される。
【0027】
レーザ干渉測長器14では、これら2つのレーザ光A、Bが重ね合され、それらの光路差のために互いに干渉する。この干渉現象はXYステージ112とXY微動機構602のX方向の相対変位量の2倍に相当する光路差となって現れる。この干渉現象を光学的に検出することにより、XYステージ112とXY微動機構602のX方向の相対変位量を高分解能に測定することができる。
【0028】
Y変位検出部も全く同様な構成を持ち、XYステージ112とXY微動機構602のY方向の相対変位量を高分解能に測定することができる。
【0029】
ここで使用したレーザ光の波長は、670nmであるので、XYステージ112とXY微動機構602のX方向の相対変位量が半波長に相当する335nmの場合に、この干渉現象の位相変化2πラジアンとなって現れる。通常、この位相は100から1000分割して検出されるので、相対変位量としては3.3から0.3nmの分解能で検出される。従って、XY微動機構602の非線形性誤差を、このような高分解能で補正することができる。
【0030】
また、XY信号発生部8から出力されるXトリガ信号とYトリガ信号は、画像取得部9にも入力され、Z微動機構601のZ駆動信号をサンプリングするタイミング信号となる。更に、本実施例では、Z駆動信号と共にX変位検出器141及びY変位検出部からのX及びY変位信号もサンプリングされる。画像取得部9でサンプリングされたX、Y、Z変位信号は、その時のXトリガ信号及びYトリガ信号と共に画像取得部9内の記憶部に保存される。記憶部に保存された信号は試料3の表面形状を表わす画像として表示部10に表示される。
【0031】
次に、図1及び図4を用いて本実施例の測定動作を説明する。ここでは、長さ100nm、幅70nm、深さ120nmの微細なピット301の列を、図4に示される様に表面に形成した記録ディスク等の試料3を取り上げて説明する。
【0032】
先ず、XYステージ112を動作させて探針1を測定領域302の測定開始点(1)に位置決めする。上述の表面形状の画像取得動作が実行され、その結果として、その位置での表面形状を表わす第1の測定画像が得られる。画像取得動作は、探針1が測定開始点へ戻り終了する。その画像内の各位置でのXY座標は、X変位検出部141及びY変位検出部により検出され画像取得部9に記憶されている。
【0033】
次に、XYステージ112を動作させて探針1を測定領域303の測定開始点(2)に位置決めする。この位置決め動作では、X変位検出部141及びY変位検出部を用いて測定領域302及び303の相対変位量が高精度に検出され、画像取得部9に記憶される。即ち、測定開始点(1)と測定開始点(2)の相対座標値が記憶される。
【0034】
次に、測定領域303で表面形状測定動作が実行され、その位置の表面形状を表す第2の測定画像が得られる。その画像内の各位置でのXY座標は、X変位検出部141及びY変位検出部により検出され、画像取得部9に記憶されている。第1の画像上の少なくとも1つの座標(x0、y0)で示されるピット位置から、第2の画像上の各位置の相対座標は画像取得部9の記憶データを元に算出される。
【0035】
上述の様に、本実施例によれば、第1画像上の任意位置に対する、第1画像の視野外に位置する第2の画像上の任意位置の相対座標が、X変位検出部141及びY変位検出部の検出分解能3.3nmから0.3nmを以って得られるので、数100nmから数10nmの寸法の微細なピット列の長周期のパターン揺らぎをnmの分解能で評価することができる。
【0036】
本実施例では、探針1が試料3に常時接触した状態で制御する計測モードの場合を示したが、本発明は、探針1と試料3が非接触の場合、あるいは探針1と試料3が断続的に接触と非接触を繰り返す場合等、他のすべての計測モードにも適用可能である。
【0037】
更に、本発明は、探針と試料の間に働く力を利用した原子間力顕微鏡のみならず、探針と試料の間に流れるトンネル電流を利用した走査型トンネル顕微鏡や、磁性試料から漏洩する磁界を検出して磁気的な情報を得る磁気力顕微鏡、探針と試料の間の静電容量を検出する静電容量顕微鏡、探針と試料の間の静電気力を利用した静電気力顕微鏡、あるいは近接場光を利用して試料表面の光学的な情報を得る近接場光顕微鏡等、他のすべての走査型プローブ顕微鏡に対して、探針による検出物理量に依存せずに適用可能であることは言うまでもない。
【0038】
以上のように、本発明によれば、プローブと試料の相対位置を検出する位置検出手段と検出された位置信号を記憶しておく手段を有しているので、第1の画像とその視野外に位置する第2の画像の相対的な位置関係を得ることができる。従って、1nm以下の分解能を以って計測された表面形状の、例えば100μm以上の長周期のパターン揺らぎを1nm以下の分解能で評価することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、測定画像の視野外の少なくとも1点を基準位置としてその画像内の所望とする位置との距離を高精度に測定することが可能な走査型プローブ顕微鏡が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走査型プローブ顕微鏡の一実施例を説明するブロック図。
【図2】本発明における平行平板駆動機構の構成の一例を示す図。
【図3】従来技術の構成を説明するブロック図。
【図4】本発明による測定動作を説明する図。
【符号の説明】
1…探針、2…カンチレバー、3…試料、301…ピット、302、303…測定領域、4…レバー変位検出部、5…Zサーボ回路、6…XYZスキャナ、601…Z微動機構、602…XY微動機構、603…固定部、604…移動部、605…圧電素子、606…弾性変形部、7…XY走査回路、8…XY信号発生部、9…画像取得部、10…画像メモリ、111…Zステージ、112…XYステージ、12…ミラーA、13…ミラーB、14…レーザ干渉測長器、15…偏光ビームスプリッタ、16…直角プリズム、17…光源、18…1/4波長板A、19…1/4波長板B、141…X変位検出部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子分解能で試料表面を観察及び分析することが可能な走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope;SPM)は、原子分解能で試料表面を観察及び分析することが可能な表面観察装置である。その代表的なものには、探針先端と試料表面の間に流れるトンネル電流を利用した走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope;STM)や、探針先端と試料表面の間に働く力を利用した原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)等がある。
【0003】
AFMは、非導電性の試料表面においても三次元形状を高分解能で観察することが可能であり、半導体デバイスや記録ディスク等の表面形状の評価に利用されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
図3は、従来におけるAFMの基本構成を示す。カンチレバー2は、その先端に設けられた探針1がXYZスキャナ6の試料保持部に保持された試料3の表面に対向する様に配置される。探針1は、XYZスキャナ6を駆動することにより試料3に対して相対的に移動する。探針1が試料3に接近すると、それらの間に働く原子間力によりカンチレバー2が撓む。この撓み量は、レバー変位検出部4で検出され、その出力信号がZサーボ回路5へ送られる。レバー変位検出部4では、光てこ法、レーザ干渉法等の光学的方法や構成を簡素化することができる圧電抵抗効果を利用した方法によって変位検出が行われる。Zサーボ回路5では、レバー変位検出部4の出力信号とZサーボ回路5で設定される基準値が比較され、その偏差に対応したZ駆動信号がXYZスキャナ6へ出力される。つまり、探針1に作用する原子間力が一定に保持されるようにフィードバック制御が行われる。
【0005】
一方、XY信号発生部8は、XY走査のためのXトリガ信号とYトリガ信号をXY走査回路7に出力する。XY走査回路7は、Xトリガ信号及びYトリガ信号に対応したX駆動信号及びY駆動信号をXYZスキャナ6に印加し、XYZスキャナ6にXY走査を行わせる。
【0006】
また、XY信号発生部8が出力するXトリガ信号とYトリガ信号は画像取得部9にも送られ、Zサーボ回路5の出力であるZ駆動信号、すなわち、XYZスキャナ6のZ変位信号をサンプリングするタイミング信号となる。画像取得部9でサンプリングされたZ変位信号は、その時のXトリガ信号及びYトリガ信号、すなわち、XY位置信号と共に画像メモリ10に保存される。この画像メモリに保存された信号は、試料3の表面形状を表わす画像となる。
【0007】
【非特許文献1】
フィジカル・レビュー・レターズ(Rhysical Review Letters)、第56巻(1986年)、第930頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のSPMでは、得られた表面画像をもとに試料の三次元形状の寸法を測定する。そこでは画像内の2点間の距離を測ることはできるが、画像の視野外の1点を基準位置として画像内の1点との相対的な距離を測ることはできなかった。
【0009】
SPM以外の顕微鏡でも一般的に言えることであるが、分解能の高い観察画像を得るためには観察領域を小さくする、すなわち、倍率を上げる必要がある。測定できる寸法もそれに従って小さくなる。
【0010】
記録ディスクの分野では、記録マークの微細化が進んでおり、研究レベルでは100nm以下に達している。このような微細なマーク列の数10μm以上の長周期のパターン揺らぎをnmの精度で測定したいという要求がある。従来のSPMでは、この様な測定は不可能であった。
【0011】
本発明の目的は、走査型プローブ顕微鏡の技術分野において、上述の様な測長を可能にする走査型プローブ顕微鏡及びその測定方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による走査型プローブ顕微鏡は、試料に対向するプローブと試料との相対位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段の検出結果を記憶する記憶手段と、第1の画像上の少なくとも1点を基準位置として、第1の画像の視野外に位置する第2の画像上の座標を位置検出手段の検出結果から得る手段とを備えている。
【0013】
本発明によると、プローブと試料の相対位置を検出する位置検出手段は、観察画像上の位置信号を検出するので、第1の画像と、その視野外に位置する第2の画像の相対的な位置関係を得ることができる。
【0014】
以下,本発明の代表的な構成例を列挙する。
【0015】
(1)本発明の走査型プローブ顕微鏡は、試料に対向して設置されたプローブと、前記プローブを前記試料に対して相対的に移動させる移動手段と、前記プローブと前記試料の間の相互作用を検出する検出手段と、前記移動手段による前記プローブの試料表面への走査により前記検出手段から得られる検出結果に基き、前記試料表面の情報を反映した画像を形成する手段とを有し、かつ、前記プローブと前記試料の相対位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果を記憶する記憶手段とを設けて、第1の画像上の少なくとも1点を基準位置として前記第1の画像の視野外に配置された第2の画像上の所望とする位置座標を、記憶された前記位置検出手段の検出結果に基いて計測するよう構成したことを特徴とする。
【0016】
(2)本発明の走査型プローブ顕微鏡は、試料に対向するように設置されたプローブと、前記試料を3次元的に移動させる移動手段と、前記プローブを3次元的に微動させる微動手段と、前記プローブと前記試料の間の相互作用を検出する検出手段と、前記プローブにより試料表面を走査して、前記検出手段から得られる検出結果に基づいて前記試料表面の情報を反映した画像を形成する手段とを有し、かつ、前記プローブと前記試料の相対位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果を記憶する記憶手段とを設けて、第1の画像上の少なくとも1点を基準位置として前記第1の画像の視野外に位置する第2の画像上の所望とする位置座標を、記憶された前記位置検出手段の検出結果に基いて計測するようにしたことを特徴とする。
【0017】
(3)本発明の走査型プローブ顕微鏡の測定方法は、試料にプローブを接近あるいは接触させる工程と、前記プローブを走査する工程と、前記試料と前記プローブの相互作用を検出する工程と、検出された結果に基づいて前記試料表面を反映した画像を取得する工程とを有し、かつ、前記試料と前記プローブの相対位置を計測する工程と、計測された相対位置を記憶する工程と、第1の画像上の少なくとも1点を基準として前記第1の画像の視野外の第2の画像上の所望とする位置座標を前記記憶された相対位置から得る工程を含むことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、理解を容易にするため以下に説明する図において、図3で説明した構成要素と同じ動作を行う要素には図3と同一の名称及び符号を付けている。
【0019】
図1は、本発明による走査型プローブ顕微鏡の一実施例を示すブロック図である。カンチレバー2の自由端には、尖鋭化された探針1が設けられている。試料3は、探針1と試料3の接近及び退避を行う為のZステージ111上に設けられた試料保持部に保持されている。また、Zステージ111は、試料3を所望の観察位置に移動するためのXYステージ112上に設置されている。カンチレバー2は、探針1が試料3に対向するようにXY微動機構602に配置されている。XY微動機構602は、Z微動機構601に固定されており、それらを駆動することにより、探針1は試料3上をXYZ方向に微動できる。
【0020】
XY微動機構602及びZ微動機構601としては、圧電材料から成るチューブ型の微動機構、積層タイプの圧電素子を3個組合わせて構成するトライポッド型の微動機構、あるいは圧電素子の駆動による弾性体の弾性変形を利用した平行平板型の微動機構等が利用される。更にチューブ型、トライポッド型、平行平板型の微動機構を適当に組み合わせて構成することもできる。
【0021】
一例として、図2に示した平行平板型の微動機構について説明する。ここでは一軸のみを示しているが、例えば、この基本となる1軸微動機構を2個直交するように組み合わせることによりXY微動機構を構成することができる。
【0022】
図2に示されるように、ワイヤカット加工により固定部603、移動部604及び弾性変形部606を一体構造で形成する。固定部603と移動部604の間に挟み込んで固定された積層タイプの圧電素子605を矢印の方向に駆動して力を加えることにより、弾性変形部606が弾性変形し、固定部603に対して移動部604が動くことになる。この場合、移動部604の移動方向は弾性変形部606の変形方向に従って、固定部603と平行な方向に制限されることになる。従って、平行平板型微動機構ではチューブ型スキャナ等のように移動方向に回転成分を含まないので、圧電素子の非線形性等を補正する場合に都合が良い。
【0023】
ここで、図1を用いて本発明の基本的な動作を説明する。Zステージ111により探針1と試料3を接近させると、それらの間に働く原子間力によりカンチレバー2が撓む。この撓み量はレバー変位検出部4で検出され、Zサーボ回路5へ出力される。Zサーボ回路5では、この撓み信号がZサーボ回路5で設定される基準値と比較され、その偏差信号に対応したZ駆動信号がZ微動機構601へ出力される。このフィードバック制御により、カンチレバー2の撓み量が一定に保持され、探針1と試料3の間に働く原子間力が一定になるようにZ微動機構601がZ方向に駆動される。
【0024】
一方、XY信号発生部8は、XY微動機構602をXY走査させるためのXトリガ信号及びYトリガ信号をXY走査回路7へ出力する。XY走査回路7では、X変位検出部141、および図1では省略しているがX変位検出部141と同様の構成を持ったY変位検出部で検出されたXYステージ112とXY微動機構602のX及びY方向の相対変位に対応した変位信号と、X及びYトリガ信号とがそれぞれ比較され、それらの偏差信号に対応するX及びY駆動信号がXY微動機構602へ出力される。すなわち、XY走査動作の際、XY信号発生部8で生成されたXトリガ信号及びYトリガ信号で示されるXY座標位置にXY微動機構602が正確に変位するようにフィードバック制御が行われ、XY微動機構602の非線形性誤差を補正する。
【0025】
ここで、X及びY変位検出部141、142について、図1に明示されているX変位検出部141を取り上げて説明する。X変位検出部141では、光源17から出射されたレーザ光が偏光ビームスプリッタ15に入射する。偏光ビームスプリッタ15では入射レーザ光が2つに分割される。一方のレーザ光Aは4分の1(1/4)波長板A18を通って、XYステージ112に固定されたミラーA12で反射された後、再び4分の1波長板A18を介して偏光ビームスプリッタ15に入射する。他方のレーザ光Bは直角プリズム16で90度方向が変えられ、4分の1(1/4)波長板B19を通って、XY微動機構602に固定されたミラーB13で反射された後、再び四分の一波長板B19、直角プリズム16を介して偏光ビームスプリッタ15に入射する。
【0026】
4分の1波長板A18及び4分の1波長板B19は、その光軸が偏光ビームスプリッタ15で分割された2つのレーザ光A、Bの偏光方向に対していずれも45度の角度を成すように配置されているので、偏光ビームスプリッタ15にミラーから反射して戻ってきたレーザ光の偏光方向は、元の射出光の偏光方向と90度異なったものになる。従って、ミラーA12から反射してきたレーザ光Aは、偏光ビームスプリッタ15を透過して、レーザ干渉測長器14に入射され、ミラーB13から反射してきらレーザ光Bは偏光ビームスプリッタ15で反射して、レーザ干渉測長器14に入射される。
【0027】
レーザ干渉測長器14では、これら2つのレーザ光A、Bが重ね合され、それらの光路差のために互いに干渉する。この干渉現象はXYステージ112とXY微動機構602のX方向の相対変位量の2倍に相当する光路差となって現れる。この干渉現象を光学的に検出することにより、XYステージ112とXY微動機構602のX方向の相対変位量を高分解能に測定することができる。
【0028】
Y変位検出部も全く同様な構成を持ち、XYステージ112とXY微動機構602のY方向の相対変位量を高分解能に測定することができる。
【0029】
ここで使用したレーザ光の波長は、670nmであるので、XYステージ112とXY微動機構602のX方向の相対変位量が半波長に相当する335nmの場合に、この干渉現象の位相変化2πラジアンとなって現れる。通常、この位相は100から1000分割して検出されるので、相対変位量としては3.3から0.3nmの分解能で検出される。従って、XY微動機構602の非線形性誤差を、このような高分解能で補正することができる。
【0030】
また、XY信号発生部8から出力されるXトリガ信号とYトリガ信号は、画像取得部9にも入力され、Z微動機構601のZ駆動信号をサンプリングするタイミング信号となる。更に、本実施例では、Z駆動信号と共にX変位検出器141及びY変位検出部からのX及びY変位信号もサンプリングされる。画像取得部9でサンプリングされたX、Y、Z変位信号は、その時のXトリガ信号及びYトリガ信号と共に画像取得部9内の記憶部に保存される。記憶部に保存された信号は試料3の表面形状を表わす画像として表示部10に表示される。
【0031】
次に、図1及び図4を用いて本実施例の測定動作を説明する。ここでは、長さ100nm、幅70nm、深さ120nmの微細なピット301の列を、図4に示される様に表面に形成した記録ディスク等の試料3を取り上げて説明する。
【0032】
先ず、XYステージ112を動作させて探針1を測定領域302の測定開始点(1)に位置決めする。上述の表面形状の画像取得動作が実行され、その結果として、その位置での表面形状を表わす第1の測定画像が得られる。画像取得動作は、探針1が測定開始点へ戻り終了する。その画像内の各位置でのXY座標は、X変位検出部141及びY変位検出部により検出され画像取得部9に記憶されている。
【0033】
次に、XYステージ112を動作させて探針1を測定領域303の測定開始点(2)に位置決めする。この位置決め動作では、X変位検出部141及びY変位検出部を用いて測定領域302及び303の相対変位量が高精度に検出され、画像取得部9に記憶される。即ち、測定開始点(1)と測定開始点(2)の相対座標値が記憶される。
【0034】
次に、測定領域303で表面形状測定動作が実行され、その位置の表面形状を表す第2の測定画像が得られる。その画像内の各位置でのXY座標は、X変位検出部141及びY変位検出部により検出され、画像取得部9に記憶されている。第1の画像上の少なくとも1つの座標(x0、y0)で示されるピット位置から、第2の画像上の各位置の相対座標は画像取得部9の記憶データを元に算出される。
【0035】
上述の様に、本実施例によれば、第1画像上の任意位置に対する、第1画像の視野外に位置する第2の画像上の任意位置の相対座標が、X変位検出部141及びY変位検出部の検出分解能3.3nmから0.3nmを以って得られるので、数100nmから数10nmの寸法の微細なピット列の長周期のパターン揺らぎをnmの分解能で評価することができる。
【0036】
本実施例では、探針1が試料3に常時接触した状態で制御する計測モードの場合を示したが、本発明は、探針1と試料3が非接触の場合、あるいは探針1と試料3が断続的に接触と非接触を繰り返す場合等、他のすべての計測モードにも適用可能である。
【0037】
更に、本発明は、探針と試料の間に働く力を利用した原子間力顕微鏡のみならず、探針と試料の間に流れるトンネル電流を利用した走査型トンネル顕微鏡や、磁性試料から漏洩する磁界を検出して磁気的な情報を得る磁気力顕微鏡、探針と試料の間の静電容量を検出する静電容量顕微鏡、探針と試料の間の静電気力を利用した静電気力顕微鏡、あるいは近接場光を利用して試料表面の光学的な情報を得る近接場光顕微鏡等、他のすべての走査型プローブ顕微鏡に対して、探針による検出物理量に依存せずに適用可能であることは言うまでもない。
【0038】
以上のように、本発明によれば、プローブと試料の相対位置を検出する位置検出手段と検出された位置信号を記憶しておく手段を有しているので、第1の画像とその視野外に位置する第2の画像の相対的な位置関係を得ることができる。従って、1nm以下の分解能を以って計測された表面形状の、例えば100μm以上の長周期のパターン揺らぎを1nm以下の分解能で評価することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、測定画像の視野外の少なくとも1点を基準位置としてその画像内の所望とする位置との距離を高精度に測定することが可能な走査型プローブ顕微鏡が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走査型プローブ顕微鏡の一実施例を説明するブロック図。
【図2】本発明における平行平板駆動機構の構成の一例を示す図。
【図3】従来技術の構成を説明するブロック図。
【図4】本発明による測定動作を説明する図。
【符号の説明】
1…探針、2…カンチレバー、3…試料、301…ピット、302、303…測定領域、4…レバー変位検出部、5…Zサーボ回路、6…XYZスキャナ、601…Z微動機構、602…XY微動機構、603…固定部、604…移動部、605…圧電素子、606…弾性変形部、7…XY走査回路、8…XY信号発生部、9…画像取得部、10…画像メモリ、111…Zステージ、112…XYステージ、12…ミラーA、13…ミラーB、14…レーザ干渉測長器、15…偏光ビームスプリッタ、16…直角プリズム、17…光源、18…1/4波長板A、19…1/4波長板B、141…X変位検出部。
Claims (9)
- 試料に対向して設置されたプローブと、前記プローブを前記試料に対して相対的に移動させる移動手段と、前記プローブと前記試料の間の相互作用を検出する検出手段と、前記移動手段による前記プローブの試料表面への走査により前記検出手段から得られる検出結果に基づき、前記試料表面の情報を反映した画像を形成する手段と、前記プローブと前記試料の相対位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果を記憶する記憶手段と、前記位置検出手段の検出結果を基に前記プローブの前記試料に対する移動及び走査位置を補正する手段とを有し、形成された第1の画像上の少なくとも1点を基準位置として前記第1の画像の視野外に配置された第2の画像上の所望とする位置座標を、記憶された前記位置検出手段の検出結果に基づいて計測するよう構成したことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
- 前記プローブは、カンチレバーの自由端に設けられた探針を有し、前記探針と前記試料表面の間の相互作用を検出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記移動手段は、前記探針と前記試料との間に働く原子間力による前記カンチレバーの撓み量を検出し、検出された撓み信号を予め定めた基準値と比較して、その偏差に対応した信号により、前記探針と前記試料との間に働く前記原子間力が一定になるように制御するよう構成されていることを特徴とする請求項2記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記移動手段は、前記試料を3次元的に移動させる第1の移動手段と、前記プローブを3次元的に移動させる第2の移動手段とを有することを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記位置検出手段は、レーザ光源と偏光ビームスプリッタとレーザ干渉測長器とを有し、前記レーザ光源から出射したレーザ光を、前記偏光ビームスプリッタを介して前記第1の移動手段と前記第2の移動手段のそれぞれへ入反射せしめて、前記レーザ干渉測長器により前記プローブと前記試料の相対位置を検出するよう構成されていること特徴とする請求項4記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記第2の移動手段は、前記プローブの移動方向を、圧電素子の駆動による弾性体の弾性変形の方向に制限した機構を有することを特徴とする請求項4記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 試料に対向するように設置されたプローブと、前記試料を3次元的に移動させる移動手段と、前記プローブを3次元的に微動させる微動手段と、前記プローブと前記試料の間の相互作用を検出する検出手段と、前記プローブにより試料表面を走査して、前記検出手段から得られる検出結果に基づいて前記試料表面の情報を反映した画像を形成する手段と、前記プローブと前記試料の相対位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果を記憶する記憶手段と、前記位置検出手段の検出結果を基に前記プローブの前記試料に対する移動及び走査位置を補正する手段とを有し、形成された第1の画像上の少なくとも1点を基準位置として前記第1の画像の視野外に位置する第2の画像上の所望とする位置座標を、記憶された前記位置検出手段の検出結果に基いて計測するようにしたことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
- 試料にプローブを接近あるいは接触させる工程と、前記プローブを走査する工程と、前記試料と前記プローブの相互作用を検出する工程と、検出された結果に基づいて前記試料表面を反映した画像を取得する工程とを有し、かつ、前記試料と前記プローブの相対位置を計測する工程と、計測された相対位置を記憶する工程と、第1の画像上の少なくとも1点を基準として前記第1の画像の視野外の第2の画像上の所望とする位置座標を前記記憶された相対位置から得る工程とを有し、前記計測された相対位置を基に前記プローブの前記試料に対する移動及び走査位置を補正する工程とを備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の測定方法。
- 前記プローブとして、カンチレバーの自由端に設けた探針を用い、前記探針の先端と前記試料表面の間の相互作用を検出するようにしたことを特徴とする請求項8記載の走査型プローブ顕微鏡の測定方法。
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